JP5073916B2 - リチウムイオン電池用セパレーター用ポリオレフィン製微多孔膜 - Google Patents

リチウムイオン電池用セパレーター用ポリオレフィン製微多孔膜 Download PDF

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Description

本発明は、物質の分離、選択透過、及び電池やコンデンサーなど電気化学反応装置の隔離材等として広く使用されている微多孔膜に関し、特にリチウムイオン電池用セパレータとして好適に使用されている、ポリオレフィン製微多孔膜に関する。
ポリオレフィン製微多孔膜は、物質の分離や選択透過及び隔離材等として広く用いられている。その中でも、リチウムイオン電池用セパレータとして好適に使用されており、その理由として、電子絶縁性に優れる、耐電解液性・耐酸化性に優れる、強度に優れる、比較的融点が低いため孔閉塞特性に優れる、などポリオレフィン素材の持つ特性が本用途に適しているためと考えられる。
リチウムイオン電池は優れた電池特性を有しているため、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話、デジタルカメラなどに広く利用されている。それらの機器を長期に渡って安定的に動作させるためには、その優れた特性を長期に維持させること(電池寿命が長いこと)が必要である。リチウムイオン電池は、他の電池と比較して高寿命であることを特長としているが、それでも電池特性は徐々に劣化していくことが認められ、問題とされている。この原因のひとつとして電池の副反応が考えられる。その場合、セパレータとして用いられているポリオレフィン製微多孔膜において、不純物を減らすことが電池の寿命性能向上に寄与することが考えられる。
不純物の少ないポリオレフィン製微多孔膜を得るには、素材となるポリオレフィンの検討が重要である。例えば、特許文献1では、クロム系触媒によるポリエチレンを主とする微多孔膜が開示されている。特許文献2ではチーグラー・ナッタ系触媒によるポリエチレンを主に使用した微多孔膜が開示してある。特許文献3〜7では、メタロセン系触媒によるポリエチレンを副成分として使用した微多孔膜が開示されている。しかし、これらによっても、電池特性劣化の問題は解決したとはいえない。
特許3177744号公報 特開2002−127942号公報 特開平11−269289号公報 国際公開第00/20492号公報 国際公開第00/20493号公報 特開2001−072788号公報 特開2002−338730号公報
本発明は、電池寿命向上に有効なポリオレフィン製微多孔膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、残存Cl量と末端ビニル基量が電池の副反応に関係し、電池特性の劣化の原因となっているという知見を見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、下記の通りである。
(1) コモノマーの含量が3モル%以下であるポリエチレンを含み、残存Cl量が5ppm以下、末端ビニル基量が0.02(個/1000C)以下であり、
粘度平均分子量(Mv)が100万以上であることを特徴とするリチウムイオン電池用セパレーター用ポリオレフィン製微多孔膜。
) 粘度平均分子量(Mv)が500万以上であることを特徴とする(1)に記載のセパレーター用ポリオレフィン製微多孔膜。
) メタロセン系触媒を用いて得られるポリエチレンを用いたことを特徴とする(1)または(2)に記載のリチウムイオン電池用セパレーター用ポリオレフィン製微多孔膜。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜は、従来のポリオレフィン製微多孔膜と比較して特定の不純物が少なく、本発明の微多孔膜を電池セパレータに使用することにより、電池寿命を改善させることが可能となる。
以下に、本発明を、好ましい形態を中心に、詳述する。本発明のポリオレフィン製微多孔膜は、残存Cl量が5ppm以下、末端ビニル基量が0.02(個/1000C)以下であることを特徴とする。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜における残存Cl量は、蛍光X線やICP(イオンカップリングプラズマ)によって定量することができる。残存Cl量は、電池寿命の観点より5ppm以下であり、3ppm以下であることが好ましい。また、残存Ti量も、蛍光X線やICPによって定量することができ、電池寿命の観点より3ppm以下であることが好ましく、0.8ppm以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜における末端ビニル基量は、微多孔膜を圧縮することにより透明フィルムを作成し、その赤外吸収スペクトル(IR)を測定し、910cm−1のピークの吸光度(ΔA)及びフィルムの厚み(t(mm))を用いて次式に従い、算出される。
末端ビニル基量(個/1000C)=0.98×ΔA/t
末端ビニル基量は炭素1000個あたり0.02個以下であり、好ましくは0.005個以下である。末端ビニル量が多いと電池寿命特性を悪化させる可能性が高くなる。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜の粘度平均分子量Mvは、10万以上であることが製膜性の観点を踏まえて好ましく、20万以上であることが強度の観点も踏まえてより好ましい。また、高温時の強度の観点も踏まえて50万以上が好ましく、100万以上がより好ましく、500万以上がさらに好ましく、800万以上がもっとも好ましい。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜を得るためには、特定の不純物の少ないポリオレフィンを主として使用する必要があり、残存Cl量が5ppm以下、末端ビニル基量が0.02(個/1000C)以下であるポリオレフィン(ポリオレフィンA)を主として使用する必要がある。ポリオレフィンAの全膜構成材料に占める割合は、膜の残存Cl量と末端ビニル基量の要件を満たす割合にする必要があり、30wt%以上が好ましく、50wt%以上がさらに好ましく、80wt%以上がもっとも好ましい。
ポリオレフィンAとしては1種類或いは複数のポリオレフィンを使用できる。重合方法には、一段重合、二段重合、もしくはそれ以上の多段重合があるが、いずれの方法のものでも構わない。
ポリオレフィンAの分子量は、ポリエチレン換算の粘度分子量(Mv)で、10万以上であることが製膜性の観点を踏まえて好ましく、20万以上であることが強度の観点も踏まえてより好ましい。また、高温時の強度の観点も踏まえて50万以上が好ましく、100万以上がより好ましく、500万以上がさらに好ましく、800万以上がもっとも好ましい。
なお、Mvは、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η]を求めることにより算出される。GPC測定より算出される重量平均分子量(Mw)は、Mv100万以下のサンプルではMvとほぼ同一の値を示すが、Mv100万以上のサンプルの場合、測定条件によるバラツキが大きい。そのため、本特許では分子量の規定としてMvを用いた。
ポリオレフィンAの分子量分布は、製膜性の観点より、Mw/Mnで2より大きいことが好ましく、3より大きいことがより好ましい。Mw/Mnの上限には特に制限は無いが、10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。
ポリオレフィンAとして、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられるが、孔閉塞特性の観点よりポリエチレンであることが好ましい。ポリエチレンとして、ホモポリマー、コポリマーいずれも使用可能である。コポリマーのポリエチレンを使用する場合、コモノマーの含量は3モル%以下であることが好ましく、2モル%以下であることがさらに好ましい。コモノマーとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、及び1-エイコセンなどのα―オレフィンコモノマーや、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、及び2-メチル-1.4,5.8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィンコモノマーや、一般式CH2=CHR(式中Rは炭素数6〜20のアリール基である。)で表わされるスチレン、ビニルシクロヘキサン等の化合物や、1,3-ブタジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン及びシクロヘキサジエンなど炭素数4〜20の直鎖状、分岐状または環状のジエンなどが挙げられるが、α―オレフィンコモノマーであることが好ましい。
ポリオレフィンAの具体例としては、触媒を使用しない高圧法によるポリエチレンやメタロセン触媒を使用したポリエチレンなどが挙げられる。中でも、高分子量ポリエチレンを生産性良く得ることのできるメタロセン触媒を使用したポリエチレンであることが好ましい。
しかし、市販されているメタロセン触媒によるポリエチレンには、微多孔膜用のものは存在せず、分子量が低く、共重合度が高い。そのため、微多孔膜素材として主に使用した場合、融点が低いため孔閉塞特性には優れることが期待されるが、強度が低く、透過性が悪いものしか得ることができない。また、分子量分布も狭すぎるため、製膜性も劣る可能性が高い。
本発明では、好ましい例として、本出願人による特開平11−060632号公報、特願2003−272830号、特願2003−347748号の方法を用いて、本発明に適した微多孔膜用のメタロセン触媒によるポリエチレンを準備した。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜では、本発明の要件を満たす範囲で、ポリオレフィンA以外のポリオレフィンを併用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンコポリマー、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体やエチレン・ノルボルネン共重合体などの環状オレフィンコポリマーなどが挙げられるが、ポリエチレンとポリプロピレンが製膜性の観点より好ましく、それぞれ或いは共に1種類以上を併用することが出来る。
併用可能なポリエチレンとしては、チーグラー・ナッタ系触媒やフィリップス系触媒などの触媒を利用して中低圧法で得られる直鎖状のポリエチレン(ホモポリマー、コポリマー)や触媒を利用しない高圧法で得られる長鎖分岐を有するポリエチレンが挙げられる。また、一段重合、二段重合、もしくはそれ以上の多段重合プロセスが利用される。Mvは、製膜性の観点より10万以上であることが好ましい。
コポリマーポリエチレンを併用の場合、使用する全ポリエチレンにおけるコモノマー(エチレン以外のα−オレフィンコモノマーを指す)含量は2モル%以下であることが好ましい。
コモノマーの種類には特に制限はなく、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、及び1-エイコセンなどのα―オレフィンコモノマーや、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、及び2-メチル-1.4,5.8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィンコモノマーや、一般式CH2=CHR(式中Rは炭素数6〜20のアリール基である。)で表わされるスチレン、ビニルシクロヘキサン等の化合物や、1,3-ブタジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン及びシクロヘキサジエンなど炭素数4〜20の直鎖状、分岐状または環状のジエンなどが挙げられるが、α―オレフィンコモノマーであることが好ましい。
併用可能なポリプロピレンとしては、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーが挙げられるが、使用する全ポリプロピレンにおけるコモノマー(通常はエチレン)含量は1モル%以下であることが好ましく、ホモポリマーのポリプロピレンであることが好ましい。使用するポリプロピレンの重合触媒には特に制限はなく、チーグラー・ナッタ系の触媒やメタロセン系の触媒などが挙げられる。Mvは、製膜性の観点から15万以上であることが好ましい。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜の厚みは、膜強度の観点より3μm以上が好ましく、透気度の観点より100μm以下が好ましい。より好ましくは5〜50μmである。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜の気孔率は、電池セパレータとして使用される場合の電解液含浸性の観点から20%以上が好ましく、膜強度の観点から80%以下が好ましい。より好ましくは30〜70%である。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜の透気度は、イオン透過性の観点から1〜2000secであることが好ましく、50〜1000secがさらに好ましい。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜の突刺強度は、0.7〜20.0N/20μmが好ましく、2.5〜20.0N/20μmがさらに好ましい。突刺強度が低いと、電池セパレータとして使用される場合、電極材等の鋭利部が微多孔膜に突き刺さり、ピンホールや亀裂が発生しやすくなるので、突刺強度は高いことが好ましい。
次に、本発明の微多孔膜の製造方法の代表例を説明する。
本発明の微多孔膜は、例えば、ポリオレフィンと可塑剤或いはポリオレフィンと可塑剤と無機剤とを溶融混練する工程の後、冷却固化させシート成形する工程を経て、延伸工程と可塑剤抽出工程或いは延伸工程と可塑剤抽出工程と無機剤抽出工程を施すことにより得られる。
本発明で使用される無機剤としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
可塑剤は、ポリオレフィン材料と混合した際に、その融点以上において均一溶液を形成しうる不揮発性溶媒を指す。例えば、流動パラフィンやパラフィンワックス等の炭化水素類、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジイソデシルフタレート、ジヘプチルフタレートなどが挙げられる。
溶融混練される全混合物中に占める可塑剤と無機剤との合計重量割合は、膜のイオン透過性と製膜性の観点より30〜95wt%が好ましい。
溶融混練時の熱劣化とそれによる品質悪化を防止する観点より、酸化防止剤を配合することが好ましい。酸化防止剤の濃度は、全ポリオレフィン重量に対して、0.1〜5.0wt%が好ましく、0.2〜3.0wt%がさらに好ましい。
酸化防止剤としては、1次酸化防止剤であるフェノール系酸化防止剤が好ましく、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、ペンタエリスリチル-テトラキス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。なお、2次酸化防止剤も併用して使用可能であり、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4-ビフェニレン-ジフォスフォナイト等のリン系酸化防止剤、ジラウリル-チオ-ジプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。
また、膜特性向上を目的として、ポリオレフィン以外のポリマーやその他の有機材料についても、製膜性を損なうことなく、そして本発明の目的及び効果を損なわない範囲で配合することが可能である。
さらに、必要に応じて、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色顔料などの公知の添加剤も、製膜性を損なうことなく、そして本発明の目的及び効果を損なわない範囲で混合して使用することが出来る。
次に、溶融混練の方法を説明する。まず、原材料の一部或いは全部を必要に応じてヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で事前混合する。少量の場合は、手で撹拌しても良い。次いで、全ての原材料について、一軸押出機、二軸押出機等のスクリュー押出機、ニーダー、ミキサー等により溶融混練させる。
溶融混練時の温度は、均一な溶融物を得るために140℃以上が好ましく、300℃以下が好ましい。また、溶融混練を窒素雰囲気で行えば、より効果的に酸化劣化を防止することが可能である。本願でいう溶融物には、無機剤抽出工程で抽出可能な未溶融の無機剤を含んでも良い。
また、溶融混練され均一化された溶融物は、膜品位向上のためスクリーンを通過させても良い。
次の工程のシート成形方法としては、例えば、溶融物を圧縮冷却により固化させる方法が挙げられる。冷却方法として、冷風や冷却水等の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロールやプレス機に接触させる方法等が挙げられるが、冷媒で冷却したロールやプレス機に接触させる方法が、厚み制御が優れる点で好ましい。
続いて行う、延伸工程と可塑剤抽出工程、或いは延伸工程と可塑剤抽出工程と無機剤抽出工程ついては、それらの工程の順序及び回数については特に制限はない。延伸工程と可塑剤抽出工程を行う場合は、延伸工程→可塑剤抽出工程、可塑剤抽出工程→延伸工程、延伸工程→可塑剤抽出工程→延伸工程などが挙げられる。
また、延伸工程と可塑剤抽出工程と無機剤抽出工程を行う場合は、延伸工程→可塑剤抽出工程→無機剤抽出工程、可塑剤抽出工程→延伸工程→無機剤抽出工程、可塑剤抽出工程→無機剤抽出工程→延伸工程、延伸工程→無機剤抽出工程→可塑剤抽出工程、無機剤抽出工程→延伸工程→可塑剤抽出工程、無機剤抽出工程→可塑剤抽出工程→延伸工程、延伸工程→可塑剤抽出工程→延伸工程→無機剤抽出工程、延伸工程→可塑剤抽出工程→無機剤抽出工程→延伸工程、などが挙げられるが、抽出効率の観点より無機剤抽出工程は可塑剤抽出工程の後に行うことが好ましい。
用いられる延伸方法としては、縦延伸機による一軸延伸、横延伸機による一軸延伸、縦延伸機と横延伸機の組み合わせによる逐次二軸延伸、同時二軸延伸機による同時二軸延伸などが挙げられる。
可塑剤抽出工程における、抽出溶媒としては、膜を構成するポリオレフィンに対して貧溶媒であり、且つ可塑剤に対しては良溶媒であり、沸点が膜を構成するポリオレフィンの融点よりも低いものが望ましい。このような抽出溶媒としては、n-ヘキサンやシクロヘキサン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、塩化メチレン、1,1,1-トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等の有機溶媒が考えられる。この中から適宜選択し、単独もしくは混合して用いられる。可塑剤抽出工程では、これらの抽出溶媒に浸漬することにより可塑剤を抽出し、その後充分に乾燥させる。
以上の工程を経て得られたポリオレフィン製微多孔膜は、収縮低減を目的として、熱固定処理を行うことができる。この処理工程は、高温雰囲気、例えば100〜135℃の雰囲気に、所定の時間、例えば10〜60秒間、膜をさらすものである。この時、リラックス操作(膜のMD及び/或いはTDへの縮小操作)を行うと、収縮低減により効果的である。なお、工程中の延伸工程において、延伸機を用いて、延伸直後にそのまま熱固定処理を行うことが可能である。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、電子線照射、プラズマ照射、界面活性剤塗布、化学的改質などの表面処理を必要に応じ施すことが出来る。
本発明で用いた各種物性は、以下の試験方法に基づいて測定した。
(1)残存Cl量、残存Ti量(ppm)
微多孔膜を適当量採取し、硝酸を添加し分解させた。この分解物に純水を加えて測定試料を調製した。市販されている原子吸光分析用標準液を硝酸水溶液で希釈し、標準液として用いた。ICP測定を理学製、商品名、JY138の装置を用いて測定した。
(2)末端ビニル基量(個/1000C)
微多孔膜を圧縮することにより透明フィルムを作成し、その赤外吸収スペクトル(IR)を日本分光社製、商品名、FT−IR5300Aの装置を用いて測定した。末端ビニル基量は、910cm−1のピークの吸光度(ΔA)及びフィルムの厚み(t(mm))を用いて次式に従い、算出した。
末端ビニル基量(個/1000C)=0.98×ΔA/t
(3)粘度平均分子量Mv
ASTM−D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η]を求める。ポリエチレンのMvは次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
ポリプロピレンについては、次式によりMvを算出した。
[η]=1.10×10−4Mv0.80
(4)Mw/Mn
ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)の測定によって求められるMwとMnの比である。装置はWaters社製、商品名、ALC/GPCの150−C型を用い、東ソー(株)製、商品名、TSK−ゲルGMH6−HTの60cmのカラム2本と昭和電工(株)製、商品名、ATー807/Sカラム1本を直列接続して使用し、10ppmのペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を含む1、2、4−トリクロロベンゼンを移動相溶媒として、140℃で測定を行った。なお、標準物質として市販の単分散ポリスチレンを用い、検量線を作成した。
(5)α―オレフィンコモノマー含量(モル%)
13C−NMRスペクトルにおいて、コモノマー単位由来のシグナル強度の積分値のモル換算量(A)を、(A)と主モノマー単位由来のシグナル強度の積分値のモル換算量(B)との和で除して得られた値に100を乗じることにより、求めた。
例えば、コモノマーとしてプロピレンを用いたコポリマーポリエチレンの場合、下記の構造モデル(1)
Figure 0005073916
において、I、I1’、I2、I3、Iα、Iβ、Iγ、I、及びIをそれぞれ対応する炭素に由来する13C−NMRスペクトルのシグナル強度とすると、
コモノマー含量(モル%)=(A)/((A)+(B))×100
ここで、
(A)=(I1’+I+Iα/2)/3、
(B)=(I+I2+I3+I+Iα/2+Iβ+Iγ)/2
となるので、末端の炭素由来のシグナル強度I、I2、及びI3を無視して上式を整理すると、
コモノマー含量(モル%)=I/(I+(I+5I)/2)×100
となる。
(6)膜厚(μm)
東洋精機製の微小測厚器(タイプKBM)を用いて室温23℃で測定した。
(7)気孔率(%)
10cm×10cm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(cm)と質量(g)を求め、それらと膜密度(g/cm)より、次式を用いて計算した。
気孔率=(体積−質量/膜密度)/体積×100
なお、膜密度はASTM−D1505に準拠し、密度勾配管法(23℃)により測定した。
(8)透気度(sec)
JIS P−8117に準拠し、ガーレー式透気度計(東洋精器(株)製、商品名、G−B2型)により測定した。
(9)突刺強度(N/20μm)
カトーテック製、商品名、KES−G5ハンディー圧縮試験器を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secで、25℃雰囲気下にて突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として生の突刺強度(N)を得た。これに20(μm)/膜厚(μm)を乗じることにより20μm膜厚換算突刺強度(N/20μm)を算出した。
(10)150℃突刺強度(N/20μm)
微多孔膜を150℃のシリコンオイル(信越化学工業:商品名、KF-96-10CS)に60秒間浸漬後に、カトーテック製KES−G5ハンディー圧縮試験器を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secで突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として生の150℃突刺強度(N)を得た。これに20(μm)/膜厚(μm)を乗じることにより20μm膜厚換算150℃突刺強度(N/20μm)を算出した。
(11)電池容量維持率(%)
a.正極の作製
正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物LiCoOを92.2wt%、導電材としてリン片状グラファイトとアセチレンブラックをそれぞれ2.3wt%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.2wt%をN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製する。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターで塗布し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形する。このとき、正極の活物質塗布量は250g/m,活物質嵩密度は3.00g/cmになるようにする。
b.負極の作製
負極活物質として人造グラファイト96.9wt%、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4wt%とスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス1.7wt%を精製水中に分散させてスラリーを調製する。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗布し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形する。このとき、負極の活物質塗布量は106g/m,活物質嵩密度は1.35g/cmになるようにする。
c.非水電解液の調整
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPFを濃度1.0mol/リットルとなるように溶解させて調整する。
d.電池組立
微多孔膜を30mmφ,正極及び負極を16mmφの円形に切り出し、正極と負極の活物質面が対向するよう、正極、微多孔膜、負極の順に重ね、蓋付きステンレス金属製容器に収納する。容器と蓋とは絶縁されており、容器は負極の銅箔と、蓋は正極のアルミ箔と接している。この容器内に前記した非水電解液を注入して密閉する。室温にて1日放置した後、25℃雰囲気下、3mA(0.5C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を3mAから絞り始めるという方法で、合計6時間電池作成後の最初の充電を行う。続いて3mA(0.5C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電する。
e.評価
25℃雰囲気下、6mA(1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法で、合計3時間充電を行う。続いて6mA(1.0C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電する。このときの放電容量をa(mAh)とする。
次に25℃雰囲気下、6mA(1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法で、合計3時間充電を行う。次に、4.2V保持するように充電を続けた状態にて60℃雰囲気下で3日間保存を行う。その後、セルを取り出し25℃雰囲気下、6mA(1.0C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電する。このときの放電容量をb(mAh)とする。bのaに対する比率から、容量維持率(%)を算出する。
本発明を実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv1100万、Mw/Mn4.5のホモポリマーのポリエチレン9wt%、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)90wt%を、ビーカー内にて撹拌した後、小型ミキサー(東洋精機社製)に注入し、200℃・50rpmの条件で10分間混練した。得られた混練物を、200℃の加熱プレスと水冷プレスで成形することにより、厚さ900μmのゲルシートを作成した。
次に、同時二軸延伸機(東洋精機社製)を用いて、MD倍率7倍、TD倍率7倍に110℃で延伸した。それから、塩化メチレン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後、塩化メチレンを乾燥除去した。
得られた微多孔膜の物性を表1に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[実施例2]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv1500万、Mw/Mn4.3のホモポリマーのポリエチレン8wt%、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)91wt%を、実施例1と同様の条件で混練した。得られた混練物を、200℃の加熱プレスと水冷プレスで成形することにより、厚さ1400μmのゲルシートを作成した。
次に、同時二軸延伸機(東洋精機社製)を用いて、MD倍率7倍、TD倍率7倍に120℃で延伸した。それから、塩化メチレン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後、塩化メチレンを乾燥除去した。
得られた微多孔膜の物性を表1に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[実施例3]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv600万、Mw/Mn4.9のホモポリマーのポリエチレン12wt%、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)87wt%を、実施例1と同様の条件で混練した。得られた混練物を、200℃の加熱プレスと水冷プレスで成形することにより、厚さ700μmのゲルシートを作成した。
次に、実施例2と同様の条件で延伸し、塩化メチレン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、塩化メチレンを乾燥除去した。
得られた微多孔膜の物性を表1に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[実施例4]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv130万、Mw/Mn4.2のホモポリマーのポリエチレン99wt%に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1wt%添加し、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られたポリマー等混合物は窒素で置換を行った後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
溶融混練し、押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比が75wt%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温度240℃であり、スクリュー回転数100rpm、吐出量10kg/hで行った。
続いて、溶融混練物を、T−ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出しキャストすることにより、厚み600μmのゲルシートを得た。
次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率6.4倍、設定温度127℃である。
次に、メチルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、TDテンターに導き、延伸及び熱固定を行った。設定延伸倍率は1.1倍、設定熱固定温度は130℃である。
得られた微多孔膜の物性を表1に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[実施例5]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv55万、Mw/Mn4.5のホモポリマーのポリエチレン99wt%に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1wt%添加し、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られたポリマー等混合物は窒素で置換を行った後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
溶融混練し、押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比が65wt%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、実施例4と同様である。
続いて、溶融混練物を、T−ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出しキャストすることにより、厚み1400μmのゲルシートを得た。
次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率6.4倍、設定温度125℃である。
次に、メチルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、TDテンターに導き、延伸及び熱固定を行った。設定条件は実施例4と同様である。
得られた微多孔膜の物性を表1に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[実施例6]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv25万、Mw/Mn4.8のホモポリマーのポリエチレン99wt%に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1wt%添加し、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られたポリマー等混合物は窒素で置換を行った後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
溶融混練し、押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比が55wt%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、実施例4と同様である。
続いて、溶融混練物を、T−ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出しキャストすることにより、厚み1200μmのゲルシートを得た。
次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率6.4倍、設定温度117℃である。
次に、メチルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、TDテンターに導き、延伸及び熱固定を行った。設定延伸倍率は1.1倍、設定熱固定温度は132℃である。
得られた微多孔膜の物性を表1に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[実施例7]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv600万、Mw/Mn4.8、1−ブテン含量1.2モル%のコポリマーのポリエチレン12wt%、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)87wt%を、実施例1と同様の条件で混練した。得られた混練物を、200℃の加熱プレスと水冷プレスで成形することにより、厚さ700μmのゲルシートを作成した。
次に、実施例2と同様の条件で延伸し、塩化メチレン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、塩化メチレンを乾燥除去した。
得られた微多孔膜の物性を表1に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[実施例8]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv600万、Mw/Mn4.9のホモポリマーのポリエチレン12.8wt%、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されたMv25万のホモポリマーのポリエチレン2.2wt%、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)84wt%を、実施例1と同様の条件で混練した。得られた混練物を、200℃の加熱プレスと水冷プレスで成形することにより、厚さ800μmのゲルシートを作成した。
次に、実施例2と同様の条件で延伸し、塩化メチレン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、塩化メチレンを乾燥除去した。
得られた微多孔膜の物性を表1に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[実施例9]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv600万、Mw/Mn4.9のホモポリマーのポリエチレン12.3wt%、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されたMv200万のホモポリマーのポリエチレン2.7wt%、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)84wt%を原料として使用したこと以外は、実施例8と同様にすることで微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜の物性を表1に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[実施例10]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv600万、Mw/Mn4.9のホモポリマーのポリエチレン12.8wt%、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されたMv35万でプロピレン含量1.3モル%のコポリマーのポリエチレン2.2wt%、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)84wt%を原料として使用したこと以外は、実施例8と同様にすることで微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜の物性を表2に示した。尚、膜密度は0.96であった。
[実施例11]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv600万、Mw/Mn4.9のホモポリマーのポリエチレン13.5wt%、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されたMv15万でプロピレン含量0.7mol%のコポリマーポリエチレン1.5wt%、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)84wt%を原料として使用したこと以外は、実施例8と同様にすることで微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜の物性を表2に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[実施例12]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv600万、Mw/Mn4.9のホモポリマーのポリエチレン12.1wt%、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されたMv40万のホモポリマーのポリプロピレン2.9wt%、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)84wt%を原料として使用したこと以外は、実施例8と同様にすることで微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜の物性を表2に示した。尚、膜密度は0.95であった。
[実施例13]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv600万、Mw/Mn4.9のホモポリマーのポリエチレン14.25wt%、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されたMv40万のホモポリマーのポリプロピレン0.75wt%、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)84wt%を原料として使用したこと以外は、実施例8と同様にすることで微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜の物性を表2に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[実施例14]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv55万、Mw/Mn4.5のホモポリマーのポリエチレン34wt%、ペンタエリスリチル-テトラキス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.5wt%、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)45.5wt%、及び微粉シリカ20wt%をヘンシェルミキサーにて混合し、二軸押出機にフィーダーにより供給し、溶融混練した。溶融混練物はT-ダイより吐出し、ロールでキャストすることにより、厚み110μmのシートを得た。
次に、塩化メチレン槽に導き、DOPを抽出除去し、その後塩化メチレンを乾燥除去した。さらに、微粉シリカを苛性ソーダにより抽出除去することにより、微多孔膜を得た。
次に、得られた該微多孔膜を2枚重ねて縦延伸装置にて117℃で4.3倍に延伸した。さらに横テンターに導き、延伸及び熱固定を行った。設定延伸倍率は1.9倍、設定熱固定温度は130℃で実施した。
最終的に得られた微多孔膜の物性等を表2に示す。尚、膜密度は0.95であった。
[実施例15]
メタロセン触媒を用いて重合されたMv1100万、Mw/Mn4.5のホモポリマーのポリエチレン99wt%と酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%をビーカー内にて撹拌した後、200℃の加熱プレスと水冷プレスで成形することにより、厚さ300μmのポリマーシートを作成した。
次に、135℃に加熱した流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)中にポリマーシートを5分間浸漬し、膨潤させた。
次に、同時二軸延伸機(東洋精機社製)を用いて、MD倍率3倍、TD倍率3倍に130℃で延伸した。それから、塩化メチレン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後、塩化メチレンを乾燥除去した。
得られた微多孔膜の物性を表2に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[比較例1]
チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されたMv25万のホモポリマーのポリエチレン99wt%に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1wt%添加し、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られたポリマー等混合物は窒素で置換を行った後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
溶融混練し、押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比が55wt%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、実施例4と同様である。
続いて、溶融混練物を、T−ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出しキャストすることにより、厚み1100μmのゲルシートを得た。
次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率6.4倍、設定温度121ある。
次に、メチルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、TDテンターに導き、延伸及び熱固定を行った。設定延伸倍率は1.1倍、設定熱固定温度は128℃である。
得られた微多孔膜の物性を表2に示した。尚、膜密度は0.97であった。
[比較例2]
クロム系触媒を用いて重合されたMv25万のホモポリマーのポリエチレン45wt%、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]1wt%、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)54wt%を、実施例1と同様の条件で混練した。得られた混練物を、200℃の加熱プレスと水冷プレスで成形することにより、厚さ500μmのゲルシートを作成した。
次に、実施例2と同様の条件で延伸し、塩化メチレン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、塩化メチレンを乾燥除去した。
得られた微多孔膜の物性を表2に示した。尚、膜密度は0.97であった。
Figure 0005073916
Figure 0005073916
本発明は、物質の分離や選択透過及び隔離材等に用いられ微多孔膜の分野で、特にリチウムイオン電池などのセパレーターとして好適に利用される。

Claims (3)

  1. コモノマーの含量が3モル%以下であるポリエチレンを含み、残存Cl量が5ppm以下、末端ビニル基量が0.02(個/1000C)以下であり、
    粘度平均分子量(Mv)が100万以上であることを特徴とするリチウムイオン電池用セパレーター用ポリオレフィン製微多孔膜。
  2. 粘度平均分子量(Mv)が500万以上であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン電池用セパレーター用ポリオレフィン製微多孔膜。
  3. メタロセン系触媒を用いて得られるポリエチレンを用いたことを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン電池用セパレーター用ポリオレフィン製微多孔膜。
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