JP6603565B2 - 微多孔膜、電池用セパレータ及び電池 - Google Patents
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Description
[1]
ポリオレフィン樹脂を含む、電池セパレータ用の微多孔膜であって、
当該微多孔膜の表面形状プロファイルデータをフーリエ変換して得られるパワースペクトル密度の平均値Paveが、空間周波数0.37(/mm)以上3.3(/mm)以下の範囲において、4400(mm・nm2)≦Pave≦84000(mm・nm2)を満たす、微多孔膜。
[2]
前記Paveが18000(mm・nm2)≦Pave≦73000(mm・nm2)を満たす、[1]に記載の微多孔膜。
[3]
前記Paveが31500(mm・nm2)≦Pave≦73000(mm・nm2)を満たす、[1]又は[2]に記載の微多孔膜。
[4]
前記微多孔膜を巻き取ったロールにおいて、当該ロールの外径の最大値と最小値の差が、0.1〜1.0(mm/2000m)である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の微多孔膜。
[5]
[1]乃至[4]のいずれかに記載の微多孔膜を含む、電池用セパレータ。
[6]
[5]に記載の電池用セパレータを含む、電池。
本実施形態の微多孔膜は、上記のように構成されているため、とりわけ、当該微多孔膜のPaveが上記範囲内にあるため、電池のサイクル特性、電池捲回体の捲回性、及び表面コーティングの平滑性のバランスに優れる。さらに本実施形態の微多孔膜により、電池特性及び生産性に優れるリチウムイオン二次電池を実現し得る。
本実施形態の微多孔膜は、共重合高密度ポリエチレンと、高密度ポリエチレンを含むポリオレフィン混合物(以下単に「混合物」ともいう)から得られる微多孔膜であることが好ましい。
共重合高密度ポリエチレンとは、エチレンと他のモノマーとの共重合により得られるポリエチレンであって、高密度のものである。
本実施形態において、高密度ポリエチレンは、コモノマー単位含量0.1%未満のポリエチレンであり、コモノマーの含まれていないホモポリエチレンが好ましい。なお、ここでいう「高密度」は、上記共重合高密度ポリエチレンについての「高密度」と同じ定義を有する。
前記混合物中に占める共重合高密度ポリエチレンの割合は、好ましくは10〜90質量%であり、より好ましくは20〜75質量%であり、更に好ましくは25〜70質量%である。割合は10〜90質量%である場合、メカニズムは定かでないが、本実施形態の所望のPSD範囲が得られる傾向にある。
[η]=6.77×10-4Mv0.67
また、ポリプロピレンについては、次式によりMvを算出できる。
[η]=1.10×10-4Mv0.80
気孔率(%)=(体積(cm3)−質量(g)/ポリマー組成物の密度)/体積(c
m3)×100
パワースペクトル密度は、測定した微多孔膜の表面データのフーリエ変換により空間周波数成分毎の振幅強度を求めたものである。すなわち、本実施形態の微多孔膜の表面形状プロファイルを測定し、当該表面形状プロファイルをフーリエ変換して得られる、空間周波数0.37(/mm)以上3.3(/mm)以下の範囲における、パワースペクトル密度の平均値Paveは、4400(mm・nm2)以上84000(mm・nm2)以下であり、好ましくは18000(mm・nm2)以上73000(mm・nm2)以下であり、より好ましくは31500(mm・nm2)以上73000(mm・nm2)以下である。
Paveが4400(mm・nm2)以上である場合、本実施形態の微多孔膜を用いた電池のサイクル特性が優れる。また、84000(mm・nm2)以下である場合、本実施形態の微多孔膜を用いた電池の捲回工程において電極との捲回性に優れる。ここで、Paveが当該範囲にある場合、サイクル特性が優れるメカニズムは定かでないが、下記のとおりであると推定される。電池は充放電を繰り返すことによって、電解液の劣化で電池性能が低下していく。それは電気化学反応により、電解液が分解し、分解ガスが発生するためと考えられる。ガスが溜まると、リチウムイオンの移動を妨げ、サイクル特性は悪化する傾向にある。一方、微多孔膜のPaveが上記範囲にあると、微多孔膜の適度なうねりのため、微多孔膜と電極の接触面の間に極小の隙間が生じ、そこから分解ガスが出やすくなり、サイクル特性が向上すると推定される。また、その極小の隙間から外部の空気が入りにくく、電極捲回体を製造する際、微多孔膜と電極の接触面に空気によるしわあるいは歪みが発生しにくいため、電池の生産性に優れると推定される。Paveの値が増減するメカニズムは定かでないが、Paveの値に影響を与える種々の要因の中でも微多孔膜の粘度平均分子量、製造時の熱処理における風速と相関が高いと推定される。粘度平均分子量が小さくなるほど、また、風速が大きくなるほど、Paveの値が大きくなる傾向がみられる。上記Paveは、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の微多孔膜を巻き取ったロールの外径の最大値と最小値の差は、0.1〜1.0(mm/2000m)であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.6(mm/2000m)であり、さらに好ましくは0.1〜0.4(mm/2000m)である。ここで、外径差が当該範囲にある場合、表面コーティングの平滑性が優れるメカニズムは定かでないが、下記のとおりであると推定される。ロールの外径差が大きいと、巻き取ったロールの幅方向内側の歪みが大きく、歪みによるしわが発生しやすい。そのため、塗布工程において、しわがある表面にグラビアコーターが接触できなく、塗工欠陥が発生すると推定される。上記外径差に影響を与える要因は種々あるが、ダイスのリップ調整、オシレート幅調整、熱固定の温度、倍率、巻取り張力等の各因子を調整することにより上記範囲に調整することができ、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
微多孔膜を製造する方法としては特に限定されず、公知の製造方法を採用することができる。例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)ポリオレフィン樹脂組成物(共重合高密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを含む組成物、以下同じ。)と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、必要に応じて延伸した後、孔形成材を抽出することにより多孔化させる方法、
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を溶解後、ポリオレフィンに対する貧溶媒に浸漬させてポリオレフィンを凝固させると同時に溶剤を除去することにより多孔化させる方法。
上記孔形成材としては、以下に限定されないが、例えば、可塑剤、無機材又はそれらの組み合わせを挙げることができる。
次に、溶融混練物をシート状に成形する。シート状成形体を製造する方法としては、以下に限定されないが、例えば、溶融混練物を、Tダイ等を介してシート状に押出し、熱伝導体に接触させて樹脂成分の結晶化温度より充分に低い温度まで冷却して固化する方法が挙げられる。冷却固化に用いられる熱伝導体としては、以下に限定されないが、例えば、金属、水、空気、或いは可塑剤等が挙げられる。これらの中でも、熱伝導の効率が高いため、金属製のロールを用いることが好ましい。また、押出した混練物を金属製のロールに接触させる際に、ロール間で挟み込むことは、熱伝導の効率がさらに高まると共に、シートが配向して膜強度が増し、シートの表面平滑性も向上する傾向にあるためより好ましい。溶融混練物をTダイからシート状に押出す際のダイリップ間隔は200μm以上3,000μm以下であることが好ましく、500μm以上2,500μm以下であることがより好ましい。ダイリップ間隔が200μm以上であると、メヤニ等が低減され、スジや欠点など膜品位への影響が少なく、その後の延伸工程において膜破断などのリスクが低減される傾向にある。一方、ダイリップ間隔が3,000μm以下であると、冷却速度が速く冷却ムラを防げると共に、シートの厚み安定性を維持できる傾向にある。
次いで、シート状成形体から孔形成材を除去して微多孔膜とする。孔形成材を除去する方法としては、以下に限定されないが、例えば、抽出溶剤にシート状成形体を浸漬して孔形成材を抽出し、充分に乾燥させる方法が挙げられる。孔形成材を抽出する方法はバッチ式、連続式のいずれであってもよい。微多孔膜の収縮を抑えるために、浸漬、乾燥の一連の工程中にシート状成形体の端部を拘束することが好ましい。また、微多孔膜中の孔形成材残存量は微多孔膜全体の質量に対して1質量%未満にすることが好ましい。
また、上記シート状成形体又は微多孔膜を延伸することが好ましい。延伸は前記シート状成形体から孔形成材を抽出する前に行ってもよい。また、前記シート状成形体から孔形成材を抽出した微多孔膜に対して行ってもよい。さらに、前記シート状成形体から孔形成材を抽出する前と後に行ってもよい。
微多孔膜には、収縮を抑制する観点から熱固定を目的として熱処理を施すことが好ましい。熱処理の方法としては、物性の調整を目的として、所定の温度、風速及び所定の延伸率で行う延伸操作、及び/又は、延伸応力低減を目的として、所定の温度及び所定の緩和率で行う緩和操作が挙げられる。これらの熱処理は、テンターやロール延伸機を用いて行うことができる。なお、上記風速は、13〜18m/sであることが好ましく、より好ましくは14〜17m/sであり、さらに好ましくは15〜17m/sである。
本実施形態の微多孔膜は、とりわけ、電池用セパレータとしての用途に好ましく用いられる。すなわち、本実施形態の電池用セパレータは、本実施形態の微多孔膜を含む。また、本実施形態の電池は、本実施形態の微多孔膜を含む。
13C−NMRスペクトルにおいて、コモノマー由来のシグナル強度の積分値のモル換算値(A)を、(A)とエチレン単位由来のシグナル強度の積分値のモル換算量(B)との和で除して得られた商に100を乗じることにより、コモノマー単位含量(モル%)を求めた。ただし、ポリオレフィン微多孔膜中にポリプロピレンが含有される場合は、前記により求められたポリプロピレン含量(wt%)に相当するコモノマー単位含量(モル%)を除いた値を微多孔膜のコモノマー単位含量(モル%)とする。
例えば、コモノマーとしてプロピレンを用いる場合、下記の構造モデルにおいて、I1、I1’、I2、I3、Iα、Iβ、Iγ、Im及びIMをそれぞれ対応する炭素に由来する13C−NMRスペクトルのシグナル強度とすると、コモノマー単位含量は下式で表される。
コモノマー単位含量(モル%)=(A)/[(A)+(B)]×100
(ここで、(A)=(I1+Im+Iα/2)/3、(B)=(I1+I2+I3+IM+Iα/2+Iβ+Iγ)/2)となる。)
ここで、末端の影響は小さいため無視することができ、I1、I2及びI3をIm、Iα、Iβ及びIγを2Imとして上式を整理すると、コモノマー単位含量は下式で表される。
コモノマー単位含量(モル%)=Im/[Im+(IM+5Im)/2]×100
表面形状プロファイルは、触針式表面形状測定器(製品名:DEKTAK XT−A(株式会社アルバック製))を使用し、実施例及び比較例で得られた微多孔膜を用いて2000× 2000 μm2の範囲を測定した。測定条件は、針圧が1mg、針径半径が12.5μmである触針を使用し、データ点毎のサンプリング間隔は、微多孔膜の捲回方向2000(μm)/200(pt)=10(μm/pt)、膜幅方向2000(μm)/3000(pt)=0.67(μm/pt)とした。PSDの計算では、プログラムは膜幅方向、それぞれ200ラインの平均粗さ曲線のパワースペクトル密度を計算した。出力結果はそれぞれの空間周波数における平均プロファイルパワーを表している。
このパワースペクトル密度関数は元の表面プロファイルのフーリエ変換した結果を二乗したものであり、N点存在する長さLのプロファイルをデジタイズした時の平均PSD(f)は次式で与えられる。
実施例及び比較例で得られた微多孔膜を20m/minの速度で巻き取ったロールの外径を、レーザー寸法測定器(測定部:株式会社キーエンス社製、センサーヘッドLS−3060、コントローラ部:株式会社キーエンス社製コントローラLS−3000)を用いて測定した。
詳細には、2組の投光機と受光機とよりなる寸法測定装置を捲回体の回転軸方向に平行に移動させることにより捲回体の回転軸方向全ての位置で線上に外径を測定した。得られたロール外径のチャー卜において、幅方向内外径値の最大値と最小値の差を求めた。前記ロールの幅は1200mm〜1300mm、長さは2000mとした。
実施例及び比較例で得られた微多孔膜を用い,帯状正極及び帯状負極を、帯状負極、セパレータ、帯状正極、セパレータの順に重ねて渦巻状に複数回捲回することで電極板積層体を作製した。この電極板積層体を平板状にプレス後、アルミニウム製容器に収納し、アルミニウム製リードを正極集電体から導出して電池蓋に、ニッケル製リードを負極集電体から導出して容器底に溶接した。さらにこの容器内に非水電解液(エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように溶解して調製)を注入し封口した。こうして作製されるリチウムイオン電池は、縦(厚み)6.3mm,横30mm,高さ48mmの大きさで、公称放電容量が620mAhとなるように設計されていた。上記のようにして組み立てたリチウムイオン電池にて、電流値310mA(0.5C),終止電池電圧4.2Vの条件で6時間定電流定電圧(CCCV)充電を行った。このとき充電終了直前の電流値はほぼ0の値となった。その後、25℃雰囲気下で1週間放置(エージング)した。
その次に、電流値620mA(1.0C),終止電池電圧4.2Vの条件で3時間定電流定電圧(CCCV)充電し、一定電流値(CC)620mAで電池電圧3.0Vまで放電放する、というサイクルを行なった。このときの放電容量を初回放電容量とした。その後、さらに前述のサイクルを300回繰り返した。このサイクルにおいて、初回放電容量に対する300サイクル目の容量の割合(%)を容量維持率とした。容量維持率が高いとサイクル特性が良いものとして、下記基準にて評価した。
◎:90%以上
○:85%〜90%
△:80%〜85%
×:85%未満
実施例及び比較例で得られた微多孔膜を用いて作成した電極捲回体は、捲回機(皆藤製作所株式会社製手動捲回機)を使用して捲回した。詳細は以下のとおりとした。実施例及び比較例で得られた微多孔膜を用い、帯状正極及び帯状負極を、帯状負極、セパレータ、帯状正極、セパレータの順に重ねて渦巻状に複数回捲回することで電池捲回体を作製した。前記帯状正極、帯状負極及びセパレータの幅は、それぞれ50mm、52mm、56mm、長さは3mとした。前記電極体を作製する捲回工程において、前記負極の幅方向中央が微多孔膜の幅方向中央に一致する際、微多孔膜の両端は負極からはみ出す部分の幅(W)は、以下の式からわかるように、それぞれ2mmであり、捲回基準とした。
W(mm)=(微多孔膜の幅−負極の幅)/2=2mm
W1+W2(mm)=微多孔膜の幅−負極の幅=4mm
W1>2mm、W2<2mm
d(mm)=W1―W=W−W2
なお、巻ズレの幅(d)は小さいと捲回性が良いものとして、下記基準にて評価した。
○:1.0mm未満
△:1.0〜1.5mm
×:1.5mm以上
実施例及び比較例で得られた微多孔膜を用い、表面にコロナ放電処理(放電量50W)を実施した後、当該処理面側に、アルミナ粒子(平均粒径0.7μm))98.2質量部、ポリビニルアルコール(平均重合度1700、ケン化度99%以上)1.8質量部を150質量部の水にそれぞれ均一に分散させた水溶液を、グラビアコーターを用いて塗布した。その後、60℃にて乾燥して水を除去し、微多孔膜上に厚さ2μmの多孔層が形成した多層多孔膜を得た。
作製した多層多孔膜から100cm2の寸法を有するサンプルを20箇所切り出し、20箇所の多孔層の単位面積当たりの質量(W)の最大値(WMAX)と最小値(WMIN)を用いて、以下の式より質量変化値(R)を算出した。
R値=WMAX―WMIN
W(g/m2)=(多層多孔膜の質量―ポリオレフィン樹脂多孔膜の質量)×1000
R値が低いと表面コーティングの平滑性が良いものとして、下記基準にて評価した。
○:0.01g/m2〜0.30g/m2
△:0.30g/m2〜0.50g/m2
×:0.50g/m2以上
Mvが25万の高密度ポリエチレン(密度0.95)を19部、Mvが70万の高密度ポリエチレン(密度0.95)を19部、Mv40万のホモポリマーのポリプロピレン(密度0.91)を2部、酸化防止剤として該組成物に対して0.3部のテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを混合し、二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に流動パラフィン(松村石油(株)製P−350(商標))60部をサイドフィードで押出機に注入し、200℃条件で混練し、押出機先端に設置したTダイから押出した後、ただちに30℃に冷却したキャストロールで冷却固化させ、厚さ1500μmのゲル状シートを成形した。このゲル状シートを120℃で同時二軸延伸機で7×7倍に延伸した後、この延伸フィルムを塩化メチレン槽に導き、塩化メチレン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後塩化メチレンを乾燥除去し微多孔膜を得た。得られた微多孔膜を、熱固定(「HS」と略記することがある)を行なうべくTDテンターに導き、熱固定温度131℃、熱量風速13.2m/s、延伸倍率1.5倍でHSを行い、その後、0.85倍の緩和操作(即ち、HS緩和率が0.85倍)を行い、膜を得た。得られた膜について、各種特性を評価した結果を表1に示す。
熱固定温度131.5℃、熱量風速13.7m/sでHSを行う以外は、実施例1と同様の製膜を行った。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
Mvが15万の共重合高密度ポリエチレン(コモノマー:プロピレン、プロピレン単位含量0.6モル%、密度0.95)を12部、Mvが25万の高密度(密度0.95)ポリエチレンを14部、Mvが70万の高密度ポリエチレン(密度0.95)を12部、Mv40万のホモポリマーのポリプロピレン(密度0.91)を2部のポリオレフィン原料を使用した。また、熱固定温度128℃、熱量風速14.5m/sでHSを行う以外は、実施例1と同様の製膜を行った。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
熱量風速15.7m/sでHSを行う以外は、実施例3と同様の製膜を行った。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
表層/中間層/表層の3層構成を有する積層多孔フィルムを以下のように製造した。表層にはMvが25万の高密度ポリエチレン(密度0.95)を14部、Mvが70万の高密度ポリエチレン(密度0.95)を14部、Mv40万のホモポリマーのポリプロピレン(密度0.91)を1.6部、無機フィラーを7.4部の原料を使用した。無機フィラーとしてはタルク(勝光山株式会社製 SK−C2)を用いた。中間層にはMvが25万の高密度ポリエチレン(密度0.95)を15.7部、Mvが70万の高密度ポリエチレン(密度0.95)を15.7部、Mv40万のホモポリマーのポリプロピレンを1.6部のポリオレフィン原料を使用した。
次に、表層の原料、中間層の原料をそれぞれ別個の二軸押出機に投入した。両押出機のシリンダーの途中部分に、流動パラフィンを、表層層に63質量%、表層層に67質量%になるように注入した。ダイスはマルチマニホールド式の共押出が可能なTダイを用いた。ダイス内では、表層がほぼ均等に等分され、中間層の両側に積合された。ダイスから出た溶融フィルム原反は、キャストロールで冷却固化させた。さらに、熱固定温度132.5℃、熱量風速15.9m/sでHSを行う以外は、実施例1と同様の製膜を行った。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
熱固定温度132℃、熱量風速16.1m/sでHSを行う以外は、実施例1と同様の製膜を行った。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
熱固定温度128.5℃、熱量風速16.6m/sでHSを行う以外は、実施例3と同様の製膜を行った。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
Mvが15万の共重合高密度ポリエチレン(コモノマー:プロピレン、プロピレン単位含量0.6モル%、密度0.95)を20部、Mvが25万の高密度ポリエチレン(密度0.95)を18部、Mv40万の高密度ポリプロピレン(密度0.91)を2部のポリオレフィン原料を使用した。また、熱固定温度123℃、熱量風速17.1m/sでHSを行う以外は、実施例1と同様の製膜を行った。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
熱固定温度123.5℃、熱量風速17.5m/sでHSを行う以外は、実施例8と同様の製膜を行った。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
熱固定温度130℃、熱量風速12.4m/sでHSを行う以外は、実施例1と同様の製膜を行った。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
熱固定温度134℃、熱量風速18.2m/sでHSを行う以外は、実施例5と同様の製膜を行った。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
熱固定温度124℃、熱量風速18.6m/sでHSを行う以外は、実施例8と同様の製膜を行った。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
Claims (9)
- ポリオレフィン樹脂を含む、電池セパレータ用の微多孔膜であって、
当該微多孔膜の表面形状プロファイルデータをフーリエ変換して得られるパワースペクトル密度の平均値Paveが、空間周波数0.37(/mm)以上3.3(/mm)以下の範囲において、4400(mm・nm2)≦Pave≦84000(mm・nm2)を満たす、微多孔膜。 - 前記Paveが18000(mm・nm2)≦Pave≦73000(mm・nm2)を満たす、請求項1に記載の微多孔膜。
- 前記Paveが31500(mm・nm2)≦Pave≦73000(mm・nm2)を満たす、請求項1又は2に記載の微多孔膜。
- 前記微多孔膜を巻き取ったロールにおいて、当該ロールの外径の最大値と最小値の差が、0.1〜1.0(mm/2000m)である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の微多孔膜。
- 前記ポリオレフィン樹脂が、粘度平均分子量が1万〜30万である共重合高密度ポリエチレン10〜90質量%と、粘度平均分子量10〜80万の高密度ポリエチレン10〜90質量%とを含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の微多孔膜。
- 前記微多孔膜の粘度平均分子量が、15〜55万である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の微多孔膜。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の微多孔膜を含む、電池用セパレータ。
- 請求項7に記載の電池用セパレータを含む、電池。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の微多孔膜を製造するための方法であって、
共重合高密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを含むポリオレフィン樹脂組成物を溶融混錬し、成形してシートを得る工程と、
前記シートを延伸して延伸フィルムを得る工程と、
前記延伸フィルムを熱固定に供する工程と、
を含み、
前記熱固定における熱量風速が、13〜18m/sである、微多孔膜の製造方法。
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