JP3109056B2 - 通気性樹脂フィルム - Google Patents

通気性樹脂フィルム

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JP3109056B2
JP3109056B2 JP05283852A JP28385293A JP3109056B2 JP 3109056 B2 JP3109056 B2 JP 3109056B2 JP 05283852 A JP05283852 A JP 05283852A JP 28385293 A JP28385293 A JP 28385293A JP 3109056 B2 JP3109056 B2 JP 3109056B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性回復性、腰強度、
風合に優れ、自動縫製が良好な通気性樹脂フィルムに関
するものであり、該フィルムは、包装材、生理用ナプキ
ンの液防漏材、使い捨てオムツの液防漏材、ケーキの敷
き紙として有用である。
【0002】
【従来の技術】線状低密度ポリエチレンと、分枝低密度
乃至高密度ポリエチレンおよび無機充填剤、必要により
ヒマシ油、液状ポリブタジエン、脂肪酸グリセリド、ア
マニ油、エチルアセチルリシノレート、ソルビタンオレ
エート等の延伸改良剤を配合した樹脂組成物を基材とす
るフィルムを、マンドレル、ロール群、テンター等の延
伸手段を用いて一軸または二軸方向に延伸して連通(貫
通)したボイド(空孔)を有する肉厚が約30〜65μ
mの通気性樹脂フィルムを製造することは知られている
(特開昭60−257221号公報、同61−1219
25号公報、同62−10141号公報、同62−27
438号公報、特公平3−1976公報号、同5−35
734号公報)。この通気性樹脂フィルムの肉厚40〜
50μm前後のものは使い捨てムオツ、生理用ナプキン
の液防漏材として実用化されている。この衛生製品にお
いて、最近消費者より生理用ナプキンにおいてはよりフ
ィット性に富み、着用時の歩行に際し、かさかさした音
の発生がないこと、ゴワゴワ感の低減が、また、使い捨
てオムツにおいてはパンツタイプのような身体に密着す
るものが望まれ、更に、延びたり縮んだりする弾性回復
性に富むものが要求されている。弾性回復性、フィット
性を良好にしようと通気性樹脂フィルムの肉厚を30μ
m以下と薄肉にしようとすると、従来のフィルム基材の
樹脂組成物は、延伸性が劣り、また、強度が不足してい
る為薄肉化することが困難であると共に、フィルムの腰
(曲げ強度)が低下しすぎ、この通気性樹脂フィルムを
他の素材、例えば不織布、高吸水性樹脂等と共に自動縫
製した際、製品の不良率が高くなるなどの問題点が指摘
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた弾性
回復性、腰強度、風合い、フィット性を持ち、自動縫製
性が良好な薄肉の通気性樹脂フィルムを提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記のエチレ
ン・α−オレフィン共重合体(A)50〜99重量%と
エチレン系樹脂(B)50〜1重量%を含有する樹脂分
100重量部に対し、平均粒径が10μm以下で、嵩密
度が0.1〜0.7g/cm3 の無機充填剤(C)を2
5〜500重量部配合した樹脂組成物を基材とするフィ
ルムを、(A)のエチレン・α−オレフィン共重合体の
融点より低い温度で延伸して得られたJIS Z−02
08で測定した透湿度が1,800〜30,000g/
2 ・24hrである通気性樹脂フィルムを提供するも
のである。 成分(A):エチレン40〜98重量%と炭素数が3〜
30のα−オレフィン60〜2重量%とをメタロセン触
媒を用いて共重合させて得た次の(1)〜(4)の物性
を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体 (1) MFRが0.01〜20g/10分 (2) 密度が0.860〜0.925g/cm3 (3) 温度上昇溶離分別(TREF)によって得られ
る溶出曲線のピークが1つで、該ピーク温度が100℃
以下であり、該ピークの高さをHとし、該ピークの高さ
の1/2の幅をWとしたときのH/Wの値が1以上であ
る (4) 温度上昇溶離分別(TREF)による50℃に
おける溶出量(Y:成分A全量に対する重量%)が 成分Aの密度(D)が0.91g/cm3 未満であ
るときは、Y(重量%)≦−4500D+4105≦1
00を 成分Aの密度(D)が0.91g/cm3 以上であ
るときは、Y(重量%)≦10を満たす。 成分(B):次の(1)〜(3)の物性を満たすエチレ
ン系重合体 (1) MFRが0.01〜20g/10分 (2) 密度が0.880〜0.935g/cm3 (3) 温度上昇溶離分別(TREF)によって得られ
る溶出曲線のピークが2つ以上であり、該ピークのう
ち、少なくとも1つのピークのピーク温度が90℃以上
である
【0005】
【作用】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)とし
て、従来とは異なった特殊の物性を有するものを用いる
ことにより、薄肉の延伸が容易となり、フィット性、腰
強度、弾性回復性に優れた通気性樹脂フィルムを得るこ
とができる。 (発明の具体的説明)(A)エチレン・α−オレフィン共重合体 (A)成分のエチレン・α−オレフィン共重合体は、エ
チレン40〜98重量%と、炭素数が3〜30のα−オ
レフィン60〜2重量%とをメタロセン触媒を用いて共
重合させて得た下記(1)〜(4)の物性を満たすもの
である。(1)のエチレン・α−オレフィン共重合体の
MFR(JIS K−7210;190℃,2.16k
g荷重で測定)は0.01〜20g/10分、好ましく
は0.1〜10g/10分、特に好ましくは0.5〜5
g/10分である。MFRが高すぎるとフィルムの成形
が不安定となり肉厚分布が悪くなる。MFRが低すぎる
と押し出しが困難でフィルムの生産性が低下し、好まし
くない。(2)のエチレン・α−オレフィン共重合体の
密度は0.860〜0.925g/cm3 、好ましくは
0.860〜0.915g/cm3 、特に好ましくは
0.880〜0.910g/cm3 である。密度が高す
ぎると延伸フィルムの引張強度および風合い(フィット
性)が不足し好ましくなく、また密度があまりに小さず
ぎると、フィルムがベタついてブロッキングし、実用に
供し得なくなる。
【0006】(3)のエチレン・α−オレフィン共重合
体の温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶
出曲線のピークが1つであり、該ピーク温度が100℃
以下、好ましくは85℃以下、特に好ましくは75℃以
下であり、かつ、該ピークの高さをHとし、該ピークの
高さの1/2の幅をWとしたときのH/Wの値が1以
上、好ましくは1〜20、特に好ましくは1〜10、最
も好ましくは1〜5の物性を示すものである。該溶出曲
線のピーク温度が上記範囲を越える場合は、弾性回復性
不足となり好ましくない。(4)のエチレン・α−オレ
フィン共重合体の温度上昇溶離分別(TREF)による
50℃における溶出量(Y)(%)が以下の条件を満た
す。 成分Aの密度(D)が0.910g/cm3 未満で
あるとき、Y(重量%)≦−4500D+4105≦1
00、好ましくはY≦−4650D+4238≦100
である。 成分Aの密度(D)が0.91g/cm3 以上であ
るとき、Y(重量%)≦10、好ましくはY≦7であ
る。
【0007】ここで、温度上昇溶離分別(Temper
ature Rising Elution Frac
tionation:TREF)による溶出曲線の測定
は、Journal of Applied Poly
mer Science.Vol.26,4217−4
231頁(1981刊)、高分子討論会予稿集 2P1
C09(昭和63年)の3502−3504頁の文献に
記載に基づいて実施されるもので、図1に示す独立した
3つのオーブン〔TREF用カラムオーブン(ガラスビ
ーズ充填)、バルブオーブン、SECカラムオーブン〕
を持つクロス分別装置を用い、対象となるエチレン系樹
脂を溶媒、例えばo−ジクロロベンゼンに加熱(140
℃)して溶解させ、この樹脂溶液を注射器(syrin
ge)(d)を用いてサンプルループ(f)に注入し、
次に分析開始スイッチを押すことにより測定は自動的に
実施される。
【0008】即ち、インジェクションバルブ(g)、サ
ンプルバルブ(e)の順に切り替わり一定体積(0.5
ml)の溶液が移動した後、サンプルバルブは、元の位
置に戻り、溶液がTREF用カラム(h)の中央に導入
されたときインジェクションバルブは元の位置に切り替
わる。TREF用カラムは140℃から0℃まで1℃/
分の割合で冷却され、樹脂はカラム内の担体(ガラスビ
ーズ)表面にコーティングされる(この際、高結晶性の
ものから低結晶性のものの順にガラスビーズ表面にポリ
マー層が形成される)。0℃まで冷却された後、同温度
で一定時間(30分)保持され、TREFカラムからそ
の温度で溶解している樹脂は、1ml/分の流速でイン
ジェクションバルブ(g)の切り替えによりSECカラ
ムに送液される。送液後、SECカラムで分子サイズの
分別が行なわれている間にTREF用カラムは、0℃か
ら140℃まで以下の溶出温度で30分間づつ段階的に
昇温した。 温度(℃):0,5,10,15,20,25,30,
35,40,45,49,52,55,58,61,6
4,67,70,73,76,79,82,85,8
8,91,94,97,100,102,120,14
【0009】この際、TREF用カラムは次の設定温度
まで昇温され一定温度に保持され、この間、先に注入さ
れた樹脂溶液は、SECカラムで分子サイズでの分別が
なされる(SECカラムでの各用出区分の測定は39分
間隔で行なわれる)。分離された溶液は、赤外検出器
(P)で樹脂濃度が検出され、クロマトグラムに関する
データは、コンピューターに保存される。以後、注入、
昇温、分子サイズでの分別が繰り返される。図1中、
(a)は溶剤タンク、(b)は補助ポンプ、(c)はポ
ンプ、(d)は注射器、(e)は六方サンプルバルブ、
(f)はサンプルループ、(g)はインジェクションバ
ルブ、(h)はTREFカラム、(i)は六方バルブ、
(j)は初期標準溶液ループ、(k)はタンク、(l)
は停止バルブ、(m)は三方バルブ、(n)は内部フィ
ルター、(o)はSECカラム、(p)は赤外検出器、
(q)は停止バルブ、(r)は廃液タンクである。内部
標準溶液は、樹脂溶液の注入後、一定時間経過して注入
されるので、低分子量側の分離に影響しない。コンピュ
ーターに保存されたデータは、微分・積分溶出曲線とし
て処理され出力される(図2と表1参照)。
【0010】このTREF曲線において、まず、低温度
域では対象のエチレン系樹脂中の非晶部分、すなわち、
エチレン系樹脂中の短鎖分岐の分岐度の多いものが溶出
する。溶出温度が上昇すると共に、徐々に分岐度の少な
いものが溶出し、ついには分岐の無い直鎖状のエチレン
系樹脂部分が溶出し、測定は終了する。本発明の実施例
においては、クロス分別装置として三菱油化(株)製C
FCT150A(商品名)を用い、TREF用カラムに
はガラスビーズ製不活性担体が充填されており、SEC
カラムは昭和電工(株)製AD80M/Sのものを三本
直列に用い、カラムの内部はポリスチレン系ゲルで充填
されたものを用いた。クロス分別装置のサンプルループ
(f)への樹脂溶液の注入は、エチレン系樹脂をo−ジ
クロロベンゼンに濃度が4mg/mlとなるように溶解
した樹脂溶液を0.4ml注入した。(A)成分のエチ
レン・α−オレフィン共重合体がTREF曲線のこの
(3)と(4)の条件を満さないと、延伸が困難であ
り、薄肉の通気性樹脂フィルムを得ることができない
し、又、弾性回復性が不十分であるのでフィット性が低
下する。
【0011】上記(1)〜(4)の物性の条件を満たす
エチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンを40
〜98重量%、好ましくは50〜95重量%、より好ま
しくは70〜93重量%と、炭素数が3〜30のα−オ
レフィン、好ましくは炭素数が4〜18、より好ましく
は炭素数6〜10の1種または2種以上のα−オレフィ
ン2〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好
ましくは7〜30重量%とを、メタセロン触媒の存在下
に、100〜3,000kg/cm2 、好ましくは30
0〜2,000kg/cm2 、125〜250℃、好ま
しくは150〜200℃の温度で高圧イオン重合法によ
り製造されたものである。特にメタセロン化合物とアル
ミノオキサン化合物との併用(特開昭61−13031
4号公報、同60−35006号公報、同58−193
09号公報、同60−35008号公報、特開平3−1
63088号公報)、あるいはメタセロン化合物と、こ
れと反応して安定なアニオンを形成する化合物との併用
(ヨーロッパ特許第277,004号明細書、国際公開
WO92/01723号公報等)で高圧イオン重合させ
るのが好ましい。
【0012】エチレンと共重合される炭素数が3〜30
のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1
−ヘプテン、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキ
セン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、オクタデセ
ン等が挙げられる。これらの中でも1−ヘキセン、1−
オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1が
好ましい。また、メタロセン触媒としては、次式に示さ
れるメタロセン化合物が挙げられる。
【化1】MLX 〔式中、MはZr、Ti、Hf、V、Nb、Taおよび
Crからなる群から選ばれる遷移金属であり、Lは遷移
金属に配位する配位子であり、少なくとも1個のLはシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、シクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLは、炭素数
1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、トリアルキルシリル基、SO3 R基(ただしRはハ
ロゲンなどの置換基を有していてもよい炭素数1〜8の
炭化水素基)、ハロゲン原子または水素原子であり、x
は遷移金属の原子価である。〕
【0013】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえば、シクロペンタジエニル基、メチル
シクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニ
ル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチ
ルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエ
チルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジ
エニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブ
チルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペン
タジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基、など
のアルキル置換シクロペンタジエニル基あるいはインデ
ニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、
フルオレニル基などを例示することができる。これらの
基は、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換
されていてもよい。
【0014】これらの遷移金属に配位する配位子の中で
は、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好まし
い。上記一般式で表される化合物がシクロペンタジエニ
ル骨格を有する基を2個以上含む場合には、そのうち2
個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチ
レン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデ
ン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリ
レン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン
基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基な
どを介して結合されていてもよい。シクロペンタジエニ
ル骨格を有する配位子以外の配位子としては、具体的に
下記のようなものが挙げられる。炭素数1〜12の炭化
水素基はしては、アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基などが挙げられ、より具体的に
は、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基などが例示され、シク
ロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基などが例示され、アリール基としては、フェニル
基、トリル基などが例示され、アラルキル基としては、
ベンジル基、ネオフィル基などが例示される。また、ア
ルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキ
シ基などが例示され、アリーロキシ基としては、フェノ
キシ基などが例示され、ハロゲンとしては、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素などが例示される。
【0015】SO3 Rで表される配位子としては、p−
トルエンスルホナト基、メタンスルホナト基、トリフル
オロメタンスルホナト基などが例示される。このような
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含むメタロ
セン化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場
合、より具体的には下記式で示される。
【化2】R2 k3 l 4 m5 n M (式中、Mは上記遷移金属であり、R2 はシクロペンタ
ジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3 、R4
およびR5 はシクロペンタジエニル骨格を有する基、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリ
ル基、SO3 R基、ハロゲン原子または水素原子であ
り、kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4であ
る。)
【0016】本発明では上記式R2 k 3 l 4 m 5
n Mにおいて、R2 、R3 、R4 およびR5 のうち少な
くとも2個すなわちR2 およびR3 がシクロペンタジエ
ニル骨格を有する基(配位子)であるメタロセン化合物
が好ましく用いられる。これらのシクロペンタジエニル
骨格を有する基はエチレン、プロピレンなどのアルキレ
ン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置
換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン、
ジフェニルシリレン、メチルフェニルシリレン基などの
置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。ま
たR4 およびR5 はシクロペンタジエニル骨格を有する
基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキ
ルシリル基、SO3 R、ハロゲン原子または水素原子で
ある。
【0017】以下に、Mがジルコニウムである遷移金属
化合物について具体的な化合物を例示する。ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)
ジルコニウムジブロミド、ビス(インデニル)ジルコニ
ウムビス(p−トルエンスルホナト)ビス(4,5,
6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、
エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エ
チレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エ
チレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノクロ
リド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス
(メタンスルホナト)、エチレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムビス(p−トルエンスルホナト)、エチレン
ビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメ
タンスルホナト)、エチレンビス(4,5,6,7−テ
トラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソ
プロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペ
ンタジエニル−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン
ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
シリレンビス(シクロペンタジエニル−フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシ
リレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジプロミ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウム
モノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジ
ルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)シクロヘキシルジルコニウムモノクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムモノク
ロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコ
ニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シク
ロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノハイドライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニ
ウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコ
ニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメ
トキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムエトキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p−トルエン
スルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(メ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムエトキシクロリド、ビス(ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンス
ルホナト)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(メチルエチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(プロピルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンス
ルホナト)、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド。
【0018】なお、上記例示において、シクロペンタジ
エニル環の二置換体は1,2−および1,3−置換体を
含み、三置換体は1,2,3−および1,2,4−置換
体を含む。またプロピル、ブチルなどのアルキル基は、
n−、i−、sec−、tert−などの異性体を含
む。また、上記のようなジルコニウム化合物において、
ジルコニウムを、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニ
オブ、タンタルまたはクロムに置換えた化合物を用いる
こともできる。これらの化合物は単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、炭化
水素あるいはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよ
い。本発明では、メタロセン化合物として、中心の金属
原子がジルコニウムであり、少なくとも2個のシクロペ
ンタジエニル骨格を含む配位子を有するジルコノセン化
合物が好ましく用いられる。
【0019】このメタロセン化合物と組み合せて使用さ
れるアルミノオキサンとしては、具体的には一般式
(1)および(2)で表されるアルミノオキサン類を例
示することができる。
【化3】 (一般式(1)および(2)において、Rはメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であ
り、好ましくはメチル基、エチル基、とくに好ましくは
メチル基であり、mは2以上、好ましく5〜40の整数
である。)
【0020】ここで、このアルミノオキサンは式(OA
l(R1 ))で表わされるアルキルオキシアルミニウム
単位および式(OAl(R2 ))で表わされるアルキル
オキシアルミニウム単位〔ここで、R1 およびR2 はR
と同様の炭化水素基を例示することができ、R1 および
2 は相異なる基を表わす〕からなる混合アルキルオキ
シアルミニウム単位から形成されていてもよい。その場
合には、メチルオキシアルミニウム単位(OAl(CH
3 ))を30モル%以上、好ましくは50モル%以上、
特に好ましくは70モル%以上の割合で含む混合アルキ
ルオキシアルミニウム単位から形成されたアルミノオキ
サンが好適である。
【0021】このようなアルミノオキサンの製造法とし
て、たとえば次の方法を例示することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムな
どの有機アルミニウム化合物に直接水を作用させる方
法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ化合物を反応させる方法。 これらの方法のうちでは、(1)の方法を採用するのが
好ましい。なお、該アルミノオキサンは、少量のアルミ
ニウム以外の有機金属成分を含有していても差しつかえ
ない。また、回収された上記アルミノオキサンの溶液か
ら溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸留し
て除去した後に、溶媒に再溶解してもよい。
【0022】アルミノオキサンの製造の際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的に、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ
n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−
ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリ
ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチル
アルミニウム等のトリシクロアルキルアルミニウム、ジ
メチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムク
ロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチル
アルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハラ
イド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチ
ルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウ
ムハイドライド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジ
エチルアルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニ
ウムアルコキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド
等のジアルキルアルミニウムアリーロキシド等が挙げら
れる。
【0023】また、下記一般式で表わされるイソプレニ
ルアルミニウムを用いることもできる。
【化4】 (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xであ
る。)これらのうち、トリアルキルアルミニウムが特に
好ましい。
【0024】上記の有機アルミニウム化合物は、単独で
あるいは組合せし用いられる、またアルミノオキサンの
製造の際に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデ
カン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水
素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ガソリ
ン、灯油、軽油等の石油留分あるいは上記芳香族炭化水
素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物と
りわけ塩素化物、臭素化物等の炭化水素溶媒、エチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられ
る。これらのうち特に芳香族炭化水素が好ましく用いら
れる。メタセロン中の全金属に対するアルミノオキセン
中のアルミニウムの比は、約0.5:1〜約10,00
0:1、好ましくは約5:1〜約1000:1の範囲で
ある。
【0025】更に、メタセロン化合物と反応して安定な
アニオンとなる化合物とは、カチオンとアニオンのイオ
ン対から形成されるイオン性化合物あるいは親電子性化
合物であり、メタセロン化合物と反応して安定なイオン
となって重合活性種を形成するものである。具体的に
は、イオン性化合物は下記式で表される。
【化5】 Qはイオン性化合物のカチオン成分であり、カルボニウ
ムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモニウムカチ
オン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、
ホスホニウムカチオン等が挙げられ、更には、それ自身
が還元され易い金属の陽イオンや有機金属の陽イオンな
ども挙げられる。
【0026】これらのカチオンは特表平1−50195
0号公報などに開示されているようなプロトンを与える
ことができるカチオンだけでなく、プロトンを与えない
カチオンでも良い。これらのカチオンの具体例として
は、トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニウ
ム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリエ
チルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブ
チルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、ジ
プロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウ
ム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホニウ
ム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ(メ
チルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウ
ム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウ
ム、ピリリウム、また、銀イオン、金イオン、白金イオ
ン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイ
オン等が挙げられる。
【0027】また、Yはイオン性化合物のアニオン成分
であり、メタセロン化合物と反応して安定なアニオンと
なる成分であって、有機ホウ素化合物アニオン、有機ア
ルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオ
ン、有機リン化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオ
ン、有機アンチモン化合物アニオン等が挙げられ、具体
的には、テトラフェニルホウ素、テトラキス(3,4,
5−トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,
5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ素、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、テトラフェ
ニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフル
オロフェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ
(トリフルオロメチル)フェニル)アルミニウム、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、テト
ラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,5−トリフ
ルオロフェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ
(トリフルオロメチル)フェニル)ガリウム、テトラキ
ス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)ガリウム、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム、テトラ
フェニルリン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
リン、テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ヒ素、テトラフェニルアンチモン、テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)アンチモン、デカボレ
ート、ウンデカボレート、カルバドデカボレート、デカ
クロロデカボレート等が挙げられる。
【0028】また、親電子性化合物としては、ルイス酸
化合物として知られているものの内、メタロセン化合物
と反応して安定なアニオンとなって重合活性種を形成す
るものであり、種々のハロゲン化金属化合物や固体酸と
して知られている金属酸化物などが挙げられる。具体的
には、ハロゲン化マグネシウムやルイス酸性無機化合物
などが例示される。このエチレン・α−オレフィン共重
合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)によって求められるQ種(重量平均分子量/数平均
分子量)は4以下、好ましくは3以下、特に好ましくは
2.5以下である。Q値が大きいと引張強度が小さくな
り好ましくない。
【0029】(B)エチレン系重合体 (B)成分のエチレン系重合体は次の(1)〜(3)の
条件を満たすものである。 (1)エチレン系重合体のMFR(JIS K−721
0;190℃、2.16kg荷重で測定)は、0.01
〜20g/10分、好ましくは0.3〜10g/10
分、特に好ましくは0.5〜5g/10分である。MF
Rが高すぎると成形安定性が劣り、得られるフィルムの
肉厚分布が悪く、MFRが低すぎると押出が困難になり
好ましくない。 (2)エチレン系重合体の密度は、0.880〜0.9
35g/cm3 、好ましくは0.900〜0.93g/
cm3 、より好ましくは0.905〜0.925g/c
3 である。密度が高すぎるとフィルムの強度及び風合
いが低下するので好ましくなく、密度が低すぎるとベタ
つき成分が多くなり、通気性が低下するので好ましくな
い。 (3)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる
溶出曲線のピークが2つ以上、好ましくは2つであり、
該ピークのうち、少なくとも1つのピークのピーク温度
が90℃以上である。溶出曲線のピークが1つでは、ま
た、その複数のピークの少なくとも1つが90℃以上で
ないとこれを(A)成分と併用する意味がなく、フィル
ムの腰強度は低下する。この(B)成分のエチレン系重
合体の具体例としては、チーグラー系触媒を用いて製造
した線状低密度ポリエチレン、高圧ラジカル重合法で製
造した分岐低密度ポリエチレンや及びそのエチレン系共
重合体、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチ
レン・アクリル酸共重合体などを挙げることができる。
【0030】(C)無機充填剤 延伸により、これが核となってフィルム内部に微細な連
通孔を形成し、フィルムに通気性を付与するに用いる無
機充填剤は、平均粒径が10μm以下、好ましくは0.
05〜2μmで、嵩密度が0.1〜0.7g/cm3
好ましくは0.3〜0.6g/cm3 のものである。粒
径が大すぎると延伸フィルムの外観を阻害し、嵩密度が
小さすぎると延伸フィルムの通気性が低下し、好ましく
ない。嵩密度が大きすぎるとフィルムの強度が低下する
ので好ましくない。また、この無機充填剤の含水量は、
3000ppm以下であり、1000ppm以下が好ま
しい。含水量がこれを上回ると、フィルム成形時に発泡
現象が生じ易く、安定したフィルム成形が難しくなった
り、色相不良やフィルムなどの外観不良が発生したり、
無機充填剤が二次凝集し易くなり、これによって外観不
良、延伸不良が起こり易くなる傾向となる。このような
無機充填剤の例としては、炭酸カルシウム、酸化カルシ
ウム、ゼオライト、非晶性アルミノシリケート、クレ
ー、合成シリカ、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウ
ム、硫酸アルミニウム、水酸化マグネシウムなどであ
り、中でも炭酸カルシウム、ゼオライト、非晶性アルミ
ノシリケート、硫酸バリウム、合成シリカ、水酸化マグ
ネシウムなどが好ましく、特に炭酸カルシウム、および
硫酸バリウムが好ましい。これらは単独または2種以上
を混合して用いることができる。
【0031】その他の添加成分 本発明の通気性樹脂フィルム基材の樹脂組成物には付加
的に、炭素数9〜40の飽和または不飽和の脂肪酸エス
テル、炭素数2〜30の飽和または不飽和脂肪酸を用い
たトリグリセライド、液状またはワックス状の水酸基末
端液状ポリブタジエンを水素添加したポリヒドロキシ飽
和炭化水素、液状またはワックス状の炭化水素重合体あ
るいは該共重合体とエポキシ基含有有機化合物との混合
物、チタン酸エステル、1価高級アルコールまたはその
誘導体、高級脂肪酸アミド、高級アミン、飽和または不
飽和の2価以上のアルコールから誘導される該アルコー
ルの単独重合体、共重合体、エーテル化合物、アミン化
合物、アミド化合物、エステル化合部から選ばれるアル
コール誘導体等の液状、またはワックス状の成分を、成
分(A)および成分(B)の合計100重量部を基準と
して0.1〜30重量部、好ましくは1〜15重量部、
特に好ましくは2〜10重量部の割合で添加して延伸性
をより容易とすることができる。これら化合物は1種ま
たは2種以上を併用して用いることもできる。上記の中
で好ましくは炭素数9〜40の飽和または不飽和の脂肪
酸エステル、炭素数2〜30の飽和または不飽和脂肪酸
を用いたトリグリセライド、液状またはワックス状の水
酸基末端液状ポリブタジエンを水素添加したポリヒドロ
キシ飽和炭化水素である。この中でも特に炭素数9〜4
0の飽和または不飽和の脂肪酸エステルが好ましい。
【0032】不飽和脂肪酸エステルの具体例としては、
例えば(ポリ)エチレングリコールオレエート、(ポ
リ)プロピレングリコールオレエート、グリセリルオレ
エート、ソルビタンオレエート、(ポリ)エチレングリ
コールソルビタンオレエート、ブチルオレエート、ピナ
コールオレエート、m−クレゾールオレエート、ペンタ
エリストールオレエート、グリセリルリノレエート、グ
リセリルリシノレート、メチルリシノレート、エチルリ
シノレート、ブチルリシノレート、メチルアセチルリシ
ノレート、エチルアセチルリシノレート、ブチルアセチ
ルリシノレート、(ポリ)エチレングリコールリシノレ
ート、グリセリルアセチルリシノレート、グリセリルエ
ルシエート等を挙げることができる。中でも、グリセリ
ルヒドロキシ不飽和脂肪酸エステルが良く、特にグリセ
リルリシノレートが好ましい。 飽和脂肪酸エステルの
具体例としては、(ポリ)エチレングリコールラウレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールラウレート、グリセ
リルラウレート、ソルビタンラウレート、グリセリルミ
リステート、グリセリルパルミテート、ブチルステアレ
ート、エチレングリコールステアレート、プロピレング
リコールステアレート、ピナコールステアレート、m−
クレゾールステアレート、(ポリ)エチレングリコール
ステアレート、(ポリ)プロピレングリコールステアレ
ート、グリセリルステアレート、ペンタエリストールス
テアレート、ソルビタンステアレート、(ポリ)エチレ
ングリコールソルビタンステアレート、メチルヒドロキ
システアレート、エチルヒドロキシステアレート、ブチ
ルヒドロキシステアレート、メチルアセチルヒドロキシ
ステアレート、エチルアセチルヒドロキシステアレー
ト、ブチルアセチルヒドロキシステアレート、エチレン
グリコールヒドロキシステアレート、プロピレングリコ
ールヒドロキシステアレート、ピナコールヒドロキシス
テアレート、m−クレゾールヒドロキシステアレート、
(ポリ)エチレングリコールヒドロキシステアレート、
(ポリ)プロピレングリコールヒドロキシステアレー
ト、ペンタエリストールヒドロキシステアレート、ソル
ビタンヒドロキシステアレート、エチレングリコールソ
ルビタンヒドロキシステアレート、グリセリルヒドロキ
システアレート、グリセリルアセチルヒドロキシステア
レート等を挙げることができる。中でも、エチレングリ
コールヒドロキシステアレート、プロピレングリコール
ヒドロキシステアレート、ピナコールヒドロキシステア
レート、m−クレゾールヒドロキシステアレート、(ポ
リ)エチレングリコールヒドロキシステアレート、(ポ
リ)プロピレングリコールヒドロキシステアレート、ペ
ンタエリストールヒドロキシステアレート、ソルビタン
ヒドロキシステアレート、エチレングリコールソルビタ
ンヒドロキシステアレート、グリセリルヒドロキシステ
アレート、グリセリルアセチルヒドロキシステアレート
等のグリセリルヒドロキシ飽和脂肪酸エステルが好まし
い。最も好ましいのは、グリセリルヒドロキシステアレ
ート、特にグリセリル−12−ヒドロキシステアレー
ト、脱水ヒマシ油である。脂肪酸エステルとして飽和エ
ステルを使用した場合は、不飽和エステルを使用した場
合に比べて成形時の発煙がほとんどなく、かつ、得られ
た延伸フィルムが無臭性に優れる。
【0033】上記成分を添加することにより、粒状無機
充填剤の樹脂マトリックスへの分散性が著しく向上し、
それによりフィルムの延伸性が良好となるため、フィル
ムの薄肉化ができるようになり、通気性も向上し、ま
た、ソフト感を増し、風合いを良好なものとする。この
成分の配合量が上記よりも少なすぎると、延伸フィルム
を薄肉かつ低延伸倍率で製造する場合、局部的なネッキ
ングが生じて厚みが不均一となり、ムラが発生し、商品
価値を著しく損なう。また、多すぎると、成形加工性が
低下し、得られる延伸フィルムの通気性が低下する。ま
た、これら樹脂組成物に通常使用される酸化防止剤、安
定剤、分散剤、滑剤、アンチブロッキング剤、顔料、防
曇剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤など
の添加剤を配合しても良い。
【0034】基材樹脂組成物の配合割合 樹脂成分中で、成分(A)と成分(B)の配合割合は、
成分(A):成分(B)=50:50〜99:1重量
%、好ましくは成分(A):成分(B)=60:40〜
90:10重量%、特に好ましくは成分(A):成分
(B)=65:35〜80:20重量%である。樹脂分
中、成分(A)の割合が50重量%未満では延伸性が損
われ、15〜28μmといった薄膜のフィルムを得るこ
とができない。又、弾性回復率も低くなる。成分(A)
が99重量%を越えてはフィルムの腰強度が小さい。樹
脂成分(成分A+成分B)と成分(C)の配合割合は、
樹脂成分100重量部に対し、無機充填剤は25〜50
0重量部、成分(C)の配合割合が少なすぎると延伸フ
ィルムの風合い、通気性が低下し、好ましくない。ま
た、多すぎるとフィルムの延伸性が低下する。樹脂組成
物は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)、必要に
より他の成分をヘンシェルミキサー等のブレンダーでよ
く混合し、この混合物に必要であれば付加成分を更に添
加して混合したものを二軸混練押出機、バンバリーミキ
サーまたはニーダー等で溶融混練後、ペレット化すると
いった順序で造粒される。
【0035】通気性樹脂フィルムの製造 通気性樹脂フィルムは、前記樹脂組成物を、Tダイ成
形、インフレーション成形などによりダイよりフィルム
状に押し出し、これをマンドレル、ロール群、テンター
を用いて(A)成分のエチレン・α−オレフィン共重合
体の融点より2〜25℃低い温度で一軸または二軸方向
に延伸することにより製造される。延伸倍率は、インフ
レ・マンドレル成形方法では1.2〜6.0倍、好まし
くは1.2〜4.0倍の二軸延伸が適している。ロール
短区間延伸では、1.2〜4倍の一軸延伸が適してい
る。テンター法では、縦方向にロール群の周速差を利用
して3.5〜7倍に、横方向にはテンターを用いて4〜
12倍延伸する二軸延伸が工業的である。
【0036】通気性樹脂フィルム この通気性樹脂フィルムは、JIS Z−0208(条
件:40℃、湿度90%)で測定した透湿度が1,80
0〜30,000g/m2 ・24hrであり、好ましく
は、密度が0.40〜1.15g/cm3 で、この通気
性樹脂フィルム(縦100mm、横100mmの試料
片)をその延伸方向の一端を固定し、他端を500μm
/分の速度で50%伸長させ、これを解放した後、再び
同速度で50%伸長し、これを解放した後のフィルムの
伸長した方向の長さをL1 としたとき、次式で算出され
た弾性回復率が15%以下であることが好ましい。
【数2】 〔但し、L0 は通気性樹脂フィルムの延伸方向の長さ
(100mm)である。〕通気性樹脂フィルムの肉厚
は、生理用ナプキンや使い捨てオムツの液防漏材として
は15〜60μm、好ましくは15〜28μm、アルカ
リ電池のセパレータ用には40〜100μmが好まし
い。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載し、本発明を具
体的に説明する。実施例および比較例に用いられる測定
方法は次のとおりである。 (1)MFR:JIS K7210に準拠(190℃、
2.16kg荷重)。 (2)密度:JIS K7112に準拠。 (3)溶出曲線:以下に記す測定条件で温度上昇溶離分
別(TREF)を測定した。 機種:三菱油化(株)製 CFC T150A(商品
名) 溶媒:o−ジクロロベンゼン 流速:1ml/分 測定濃度:4mg/ml 注入量:0.4ml カラム:昭和電工(株)製 AD80M/S(商品名)
3本 冷却速度:1℃/分
【0038】溶出曲線の作図は、まず、各溶出温度にお
ける溶出物の重量分率を積分し、積分溶出量を求める。
横軸に溶出温度、縦軸に積分溶出量をプロットし、積分
溶出曲線を作成する。この積分溶出曲線を温度で微分
し、微分溶出量を求める。次に横軸に溶出温度、縦軸に
微分溶出量をプロットし、微分溶出曲線を作成する。こ
の微分溶出曲線のピーク高さを1/2高さの幅で除した
値をH/Wとする。この微分溶出曲線の作図は、横軸を
溶出温度100℃当たり89.3mm、縦軸を微分量
0.1当たり76.5mmで行った。 (4)Q値:以下の測定条件でゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量と数
平均分子量を測定し、Q値を求めた。 機種:Waters Model 150C GPC
(商品名) 溶媒:o−クロロベンゼン 流速:1ml/分 温度:140℃ 測定濃度:2mg/ml 注入量:2μl カラム:昭和電工(株)製 AD80M/S 3本。 (5)平均粒径:コールタールカウンター法(分散方法
は、28KC超音波5分間、0.01%ヘキサメタリン
酸ナトリウムによる)にて求めた。 (6)嵩密度:JIS K−5101に準拠。 (7)引張強伸度:ASTM D882−67に準拠。 (8)弾性回復性:フィルムを100mm×100mm
の大きさにし、一方を固定する。固定した対面を500
mm/分の速度で5cm引っ張り、解放する。これを二
回繰り返した後、伸ばした方向のフィルムの長さ
(L1 )を測定する。以下の式により、弾性回復性を計
算する。 弾性回復性(%)=((L1 −100)/100)×1
00 (9)透湿度:JIS Z−0208に準拠
【0039】(A)成分のエチレン・α−オレフィン共
重合体の製造例 例1 エチレン・1−ヘキセン共重合体 錯体であるエチレンビス(4,5,6,7−テトラヒド
ロインデニル)ジルコニウムジクロライド:2.0ミリ
モルに、東洋ストウファー製:メチルアルミノオサンを
上記錯体に対して1000モル倍加え、トルエンで10
リットルに希釈して触媒溶液を調製した。この触媒溶液
を内容積1.5リットルの攪拌式オートクレーブ型連続
反応器内に入れ、更にこの反応器内にエチレンと1−ヘ
キセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が80重量%と
なるように供給し、反応器内の圧力を1000kg/c
2 に保ち、160℃で反応を行った。反応終了後、M
FRが3.3g/10分、密度が0.905g/c
3 、Q値が2.0、TREFによる溶出曲線のピーク
数が1つ、該ピーク温度が62℃、該ピークのH/Wが
4、50℃に於ける溶出量が12重量%、1−ヘキセン
含量が16重量%であるエチレン・1−ヘキセン共重合
体を得た。このエチレン・1−ヘキセン共重合体のTR
EFの溶出曲線を図1に示す。この共重合体の各溶出温
度における溶出ポリマーの微分値、積分値を表1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】例2 エチレン・1−オクテン共重合体の
製造例 錯体エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロイン
デニル)ジルコニウムジクロライド:3.2ミリモル
に、東洋ストウファー製:メチルアルミノオキサンを上
記錯体に対して1400モル倍加え、トルエンで20リ
ットルに希釈して触媒溶液とした。この触媒溶液を内容
積1.5リットルの攪拌式オートクレーブ型連続反応器
内に挿入し、更にこの反応器内にエチレンと1−オクテ
ンとの混合物を、1−オクテンの組成が67重量%とな
るように供給し、反応器内の圧力を1300kg/cm
2 に保ち、180℃で反応を行った。反応終了後、MF
Rが2.0g/10分、密度が0.887g/cm3
1−オクテン含量が23重量%、TREFによる溶出曲
線のピーク数が1つ、該ピーク温度が43℃、該ピーク
のH/Wが2.2、50℃に於ける溶出量が87重量%
であるエチレン・1−オクテン共重合体を得た。
【0042】(B)成分 例3 エチレン・1−ヘキセン共重合体 チグラー・ナッタ触媒を用いて重合された三菱油化
(株)の線状低密度ポリエチレン“三菱ポリエチLL
SF230(商品名);MFR 1.0g/10分、密
度0.920g/cm3 、TREFの溶出曲線のピーク
数2、ピーク温度82℃、93℃)を用いた。 例4 分岐低密度ポリエチレン(比較用) 三菱油化(株)製、分岐状低密度ポリエチレン“三菱ポ
リエチ−LD ZF53(MFRは0.7g/10分、
密度0.924g/cm3 )を用いた。 例5 高密度ポリエチレン(比較用) 密度が0.955g/cm3 、MFR 0.8g/10
分、Q値4、融点134℃、TREFの溶出曲線のピー
ク数1、ピーク温度110℃のポリエチレンを用いた。
【0043】(実施例1)例1のエチレン・1−ヘキセ
ン共重合体70重量%と、例3のエチレン・1−ヘキセ
ン共重合体30重量%との混合物100重量部に、平均
粒径が1.1μm、嵩密度が0.43の炭酸カルシウム
粉末163重量部をヘンシェルミキサーで混合し、これ
にグリセリルトリリシノレート(ヒマシ油)を7.8重
量部添加、混合して二軸混練押出機(スクリュー径65
mm)を用い、温度200℃でストランド状に押し出
し、これをカッティングしてペレットを得た。このペレ
ットを押出機(スクリュー径50mm、L/D24)お
よびTダイ(300mm幅、リップ幅1.2mm)を用
い、230℃でフィルムに押出し、これを短区間熱延伸
ロールにより、延伸温度85℃、延伸倍率2倍で縦方向
(MD)に一軸延伸して、厚み30μmの通気性樹脂フ
ィルムを製造した。得た樹脂延伸フィルムの物性を表2
に示す。 (実施例2〜5、比較例1〜5)成分(A)、成分
(B)および成分(C)として、表2又は表3に示すポ
リマーを用い、配合割合を表2のように変えた以外は、
実施例1と同様に成形し、表2または表3に示す物性の
通気性樹脂フィルムを得た。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】 (実施例6、比較例6〜7)表4に示す樹脂組成物を用
い、肉厚20μmの延伸フィルムが得られるようにダイ
の開口度を変える他は実施例1と同様にして表4に示す
物性の通気性樹脂フィルムを得た。
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】本発明の通気性樹脂フィルムは、優れた
弾性回復性、通気性、強度、風合いを持ち、また、フィ
ルムの腰が良好であるので自動縫製性が良好である。こ
のものは使い捨てオムツ、生理用ナプキンの液防漏材、
衣料用着衣などの衛生材料用フィルム材料として、有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はクロス分別装置の主要部分を示す概略
図。
【図2】図2は例1で得たエチレン・1−ヘキセン共重
合体の温度上昇溶離分別(TREF)曲線を示す図。
【符号の説明】
(a) 溶剤タンク (b) 補助ポンプ (c) ポンプ (d) 注射器 (e) 六方サンプルバルブ (f) サンプルループ (g) インジェクションバルブ (h) カラム(TREF) (i) 六方バルブ (j) 初期標準溶液ループ (k) 初期標準溶液タンク (l) 停止バルブ (m) 三方バルブ (n) 内部フィルター (o) カラム(SEC) (p) 検出器(IR) (q) 停止バルブ (r) 廃液タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−144432(JP,A) 特開 昭62−27438(JP,A) 特開 平1−45406(JP,A) 特開 昭62−164739(JP,A) 特開 平1−16638(JP,A) 特開 平7−26076(JP,A) 特開 昭60−25722(JP,A) 特開 昭61−121925(JP,A) 特開 昭62−10141(JP,A) 特開 昭62−27438(JP,A) 特開 昭60−80450(JP,A) 特公 平5−35734(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 CES C08F 210/16 C08K 3/00 C08L 23/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のエチレン・α−オレフィン共重合
    体(A)50〜99重量%とエチレン系樹脂(B)50
    〜1重量%を含有する樹脂分100重量部に対し、平均
    粒径が10μm以下で、嵩密度が0.1〜0.7g/c
    3 の無機充填剤(C)を25〜500重量部配合した
    樹脂組成物を基材とするフィルムを、(A)のエチレン
    ・α−オレフィン共重合体の融点より低い温度で延伸し
    て得られたJIS Z−0208で測定した透湿度が
    1,800〜30,000g/m2 ・24hrである通
    気性樹脂フィルム。 成分(A):エチレン40〜98重量%と炭素数が3〜
    30のα−オレフィン60〜2重量%とをメタロセン触
    媒を用いて共重合させて得た次の(1)〜(4)の物性
    を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体 (1) MFRが0.01〜20g/10分 (2) 密度が0.860〜0.925g/cm3 (3) 温度上昇溶離分別(TREF)によって得られ
    る溶出曲線のピークが1つで、該ピーク温度が100℃
    以下であり、該ピークの高さをHとし、該ピークの高さ
    の1/2の幅をWとしたときのH/Wの値が1以上であ
    る (4) 温度上昇溶離分別(TREF)による50℃に
    おける溶出量(Y:成分A全量に対する重量%)が 成分Aの密度(D)が0.91g/cm3 未満であ
    るときは、 Y(重量%)≦−4500D+4105≦100を 成分Aの密度(D)が0.91g/cm3 以上であ
    るときは、 Y(重量%)≦10を満たす 成分(B):次の(1)〜(3)の物性を満たすエチレ
    ン系重合体 (1) MFRが0.01〜20g/10分 (2) 密度が0.880〜0.935g/cm3 (3) 温度上昇溶離分別(TREF)によって得られ
    る溶出曲線のピークが2つ以上であり、該ピークのう
    ち、少なくとも1つのピークのピーク温度が90℃以上
    である
  2. 【請求項2】 通気性樹脂フィルムを延伸方向に500
    mm/分の速度で50%伸長させ、これを解放した後、
    再び同速度で50%伸長し、これを解放させた後のフィ
    ルムの伸長した方向の長さをL1 としたとき、次式で算
    出された弾性回復率が15%以下である請求項1記載の
    通気性樹脂フィルム。 【数1】 〔但し、L0 は通気性樹脂フィルムの延伸方向の長さで
    ある。〕
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