JP7329102B2 - ポリエチレン系樹脂組成物及びポリエチレン系樹脂包装材 - Google Patents
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Description
[1]無機化合物と、エチレン-α-オレフィン共重合体とを含む樹脂組成物であって、前記エチレン-α-オレフィン共重合体の少なくとも一部は、α-オレフィンの炭素数が6~8であり、かつメルトフローレートが0.8g/10分以上4.0g/10分以下であるエチレン-α-オレフィン共重合体Aであり、前記無機化合物の含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して50質量%以上80質量%以下であり、前記エチレン-α-オレフィン共重合体Aの含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して10質量%以上50質量%以下である、ポリエチレン系樹脂組成物。
[2]前記エチレン-α-オレフィン共重合体Aの融点が90℃以上130℃以下である、[1]に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
[3]前記無機化合物が炭酸カルシウムである、[1]又は[2]に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
[4][1]~[3]のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物により形成されたポリエチレン系樹脂包装材。
[5]ゴミ袋、レジ袋、ファッションバッグ、収納袋又は包装袋である、[4]に記載のポリエチレン系樹脂包装材。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物(以下、「PE系樹脂組成物」と記す。)は、無機化合物と、エチレン-α-オレフィン共重合体とを含む。
なお、MFRは、190℃に加熱した樹脂(重合体)に荷重2.16kgの荷重をかけ、直径2.09mmのオリフィスから10分間で流れ出る樹脂の量を測定した値である。
なお、融点は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークに対応する温度である。
PE系樹脂組成物に含まれる共重合体Aは、1種でもよく、2種以上でもよい。
炭酸カルシウムの45μm篩残渣は、好ましくは0.01質量%以下である。なお、45μm篩残渣は、JIS標準ふるいによって測定される。
本発明のPE系樹脂組成物中の添加剤の含有量は、PE系樹脂組成物の総質量に対して、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
PE系樹脂組成物の製造時の混合温度は、適宜調整でき、例えば、150℃以上190℃以下とすることができる。
本発明のポリエチレン系樹脂包装材(以下、「PE系樹脂包装材」と記す。)は、本発明のPE系樹脂組成物によって形成された包装材である。本発明のPE系樹脂包装材の態様は、本発明のPE系樹脂組成物を用いる以外は、公知の態様を採用できる。
PE系樹脂包装材の用途としては、特に限定されず、例えば、ゴミ袋、レジ袋、ファッションバッグ、収納袋、包装袋を例示できる。
フィルムの厚さは、用途に応じて適宜設定すればよく、例えば、10μm以上70μm以下とすることができる。
以下の略号は、以下の意味を示す。
(共重合体A)
A-1:C6-LLDPE、商品名「ノバテックSF720」、日本ポリエチレン社製、MFR:0.8g/10分、融点:124℃。
A-2:C6-LLDPE、商品名「ハーモレックスNC564A」、日本ポリエチレン社製、MFR:3.5g/10分、融点:124℃。
A-3:C6-LLDPE、商品名「D139FK」、Chevron Phillips Chemical社製、MFR:1.0g/10分、融点:90℃。
A-4:C6-LLDPE、商品名「エボリュー(登録商標)2320」、Prime Polymers社製、MFR:1.8g/10分、融点:118℃。
A-5:C8-LLDPE、商品名「モアテック(登録商標)0168N」、Prime Polymers社製、MFR:1.2g/10分、融点:125℃。
A-6:C8-LLDPE、商品名「0138NK」、Prime Polymers社製、MFR:1.5g/10分、融点:117℃。
B-1:C4-LLDPE、商品名「FS153S」、Sumitomo Chemical Asia社製。
B-2:C6-LLDPE、商品名「TZ050」、東ソー社製、MFR:0.5g/10分、融点:119℃。
B-3:C6-LLDPE、商品名「ハーモレックスNH645A」、日本ポリエチレン社製、MFR:8.0g/10分、融点:121℃。
B-4:HDPE、商品名「FJ00952」、Saudi Basic Industries Corporation製。
炭酸カルシウム(ライトンBS-0、平均粒径1.0μm、備北粉化工業社製)80質量%、及び共重合体A-5(C8-LLDPE)ペレット20質量%をスーパーミキサーで5分間混合した後、2軸押出機によりストランド状に押出し、ペレット状に切断してマスターバッチ(MB-1)を得た。
共重合体A-5の代わりに、共重合体A-4(C6-LLDPE)を用いた以外は、製造例1と同様にしてマスターバッチ(MB-2)を得た。
共重合体A-5の代わりに、重合体B-1(C4-LLDPE)を用いた以外は、製造例1と同様にしてマスターバッチ(MB-3)を得た。
インフレーション成形機として、シリンダーの内径が55mm、スクリューのL/Dが32の押出機(プラコー社製)と、ダイス径100mmφ、リップ3mmの環状ダイを使用した。
MB-1が65質量%、重合体B-1(C4-LLDPE)が35質量%となるように、それらを計量しながら押出機に投入してPE系樹脂組成物を調製しつつ、インフレーション成形にて厚さ30μm、折幅460mmのチューブ状のフィルムを成形した。押出温度は170℃とし、ブロー比は約3.0とした。次いで、製袋機(野崎工業製)によって長さ方向に600mm間隔でヒートシール後にカットして袋体を作製した。ヒートシール温度は、160℃~180℃とした。
フィルム(PE系樹脂組成物)中の炭酸カルシウムの含有量は52質量%であり、共重合体Aの含有量は13質量%であった。
PE系樹脂組成物の組成を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして袋体を作製した。
PE系樹脂組成物の組成を表1に示すとおりに変更し、フィルムの厚さを20μmとした以外は、実施例1と同様にして袋体を作製した。
PE系樹脂組成物の組成を表2に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして袋体を作製した。
各例のフィルム成形時のチューブの安定性を確認し、以下の基準に従って成形性を評価した。
「1」:通常樹脂(無機化合物を含まないもの)よりも安定している。
「2」:通常樹脂と同様に安定している。
「3」:通常樹脂よりも多少不安定であるが連続成形できる。
「4」:不安定で成形できない。
製袋時の生産速度とシール部の仕上がり形状を確認し、以下の基準に従って成形性を評価した。
「1」:無機物が無い場合よりも生産速度及びシール部の仕上りが向上している。
「2」:無機物がない場合と同等。
「3」:無機物がない場合と比べてシール形状の仕上がりが悪い。
「4」:無機物がない場合と比べて生産速度が非常に劣る。
各例で成形したフィルムを親指で突き刺し、突き刺した穴に力をかけたときの破れの広がりを確認して、以下の基準に従ってフィルム強度を評価した。
(評価基準)
「1」:容易に突刺せない。
「2」:突き刺した穴から破れが広がらない。
「3」:突き刺した穴から破れが広がる。
「4」:指で容易に突き刺せる。
なお、表1及び表2において、「LLDPE(C6~C8)」とは、α-オレフィンの炭素数が6~8であるLLDPEを意味する。「CaCO3含有量」とは、PE系樹脂組成物(フィルム)中の炭酸カルシウムの含有量を意味する。「LLDPE(C6~C8)含有量」とは、PE系樹脂組成物(フィルム)中のα-オレフィンの炭素数が6~8であるLLDPEの合計含有量を意味する。「共重合体A含有量」とは、PE系樹脂組成物(フィルム)中の共重合体Aの含有量を意味する。MFRの欄における「1.0,1,2」とは、MFRが1.0g/10分のLLDPEと、MFRが1.2g/10分のLLDPEとを併用していることを意味し、他の欄も同様である。融点の欄における「90,118」とは、融点が90℃のLLDPEと、融点が118℃のLLDPEとを併用していることを意味し、他の欄も同様である。
一方、PE系樹脂組成物が共重合体Aを含まない比較例1~4、及び、PE系樹脂組成物中の共重合体Aの含有量が少ない比較例5は、フィルム成形性、製袋加工性及びフィルム強度のうちの1つ以上が劣っていた。
Claims (8)
- 無機化合物と、エチレン-α-オレフィン共重合体と、高密度ポリエチレンと、を含む樹脂組成物により形成されたポリエチレン系樹脂包装材であって、
前記無機化合物が炭酸カルシウムであり、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体の少なくとも一部は、α-オレフィンの炭素数が6~8であり、かつメルトフローレートが0.8g/10分以上2.0g/10分以下であるエチレン-α-オレフィン共重合体Aであり、
前記無機化合物の含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して50質量%以上80質量%以下であり、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体Aの含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して10質量%以上45質量%以下であり、
前記高密度ポリエチレンの含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して5質量%以上15質量%以下である、ポリエチレン系樹脂包装材。 - ゴミ袋、レジ袋、ファッションバッグ、収納袋又は包装袋である、請求項1に記載のポリエチレン系樹脂包装材。
- 無機化合物、エチレン-α-オレフィン共重合体及び高密度ポリエチレンのみからなる樹脂組成物であって、
前記無機化合物が炭酸カルシウムであり、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体の少なくとも一部は、α-オレフィンの炭素数が6~8であり、かつメルトフローレートが0.8g/10分以上2.0g/10分以下であるエチレン-α-オレフィン共重合体Aであり、
前記無機化合物の含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して50質量%以上80質量%以下であり、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体Aの含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して10質量%以上45質量%以下であり、
前記高密度ポリエチレンの含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して5質量%以上15質量%以下である、ポリエチレン系樹脂組成物。 - 無機化合物と、エチレン-α-オレフィン共重合体と、高密度ポリエチレンと、を含む樹脂組成物であって、
前記無機化合物が炭酸カルシウムであり、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体の少なくとも一部は、α-オレフィンの炭素数が6~8であり、かつメルトフローレートが1.0g/10分以上2.0g/10分以下であるエチレン-α-オレフィン共重合体Aであり、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体Aは、α-オレフィンの炭素数が6であるエチレン-α-オレフィン共重合体と、α-オレフィンの炭素数が8であるエチレン-α-オレフィン共重合体とを含み、
前記無機化合物の含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して50質量%以上80質量%以下であり、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体Aの含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して10質量%以上45質量%以下であり、
前記高密度ポリエチレンの含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して5質量%以上15質量%以下である、ポリエチレン系樹脂組成物。 - 無機化合物と、エチレン-α-オレフィン共重合体と、高密度ポリエチレンと、を含む樹脂組成物であって、
前記無機化合物が炭酸カルシウムであり、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体は、α-オレフィンの炭素数が6~8であり、かつメルトフローレートが1.0g/10分以上2.0g/10分以下であるエチレン-α-オレフィン共重合体Aと、α-オレフィンの炭素数が4であるエチレン-α-オレフィン共重合体とを含み、
前記無機化合物の含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して50質量%以上80質量%以下であり、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体Aの含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して10質量%以上45質量%以下であり、
前記高密度ポリエチレンの含有量が、前記樹脂組成物の総質量に対して5質量%以上15質量%以下である、ポリエチレン系樹脂組成物。 - 前記エチレン-α-オレフィン共重合体Aの融点が90℃以上130℃以下である、請求項3~5のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
- 請求項3~6のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂組成物により形成されたポリエチレン系樹脂包装材。
- ゴミ袋、レジ袋、ファッションバッグ、収納袋又は包装袋である、請求項7に記載のポリエチレン系樹脂包装材。
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