JP3187780B2 - 共押出フィルムの製造方法 - Google Patents

共押出フィルムの製造方法

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JP3187780B2 JP34456398A JP34456398A JP3187780B2 JP 3187780 B2 JP3187780 B2 JP 3187780B2 JP 34456398 A JP34456398 A JP 34456398A JP 34456398 A JP34456398 A JP 34456398A JP 3187780 B2 JP3187780 B2 JP 3187780B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材との接着性に優
れ、ヒートシール性、耐引裂性、透明性、フィルムの作
業性等の性能が良好な共押出フィルムの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、包装用フィルムとして用いられて
きたポリエチレンフィルムは、透明性、フィルム強度、
低温ヒートシール性等が劣っていた。従って、この様な
透明性、低温ヒートシール性を改良するために、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体フィルムが使用されてきたが、
このような酢酸ビニルとの共重合体フィルムではフィル
ム強度を改良することができず、また、耐引裂性も劣る
ものであった。一方、ポリプロピレン系フィルムは、透
明性は良好であるが、低温ヒートシール性やフィルム強
度が劣るものであった。従って、いずれの材料も、これ
ら全ての性能を満足することができるものでなく、それ
ぞれの短所を持っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】各種の樹脂の長所を生
かし、短所をカバーするために、近年、フィルムの複合
化技術が発展してきたが、全ての性能を満足することが
できる材料や複合化する技術は未だ確立することができ
なかった。すなわち、基材との接着性に優れ、ヒートシ
ール性、耐引裂性、透明性、フィルム作業性の性能が良
好な共押出フィルムを製造することができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】[発明の概要]本発明者
らは、上記問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定
な性状を示す素材を積層することにより、上記課題を解
決することができるとの知見に基づき本発明を完成する
に至ったものである。すなわち、本発明の共押出フィル
ムの製造方法は、 A層: 熱可塑性樹脂からなる層と、 B層: メタロセン系触媒を用いて製造された、下記に
示す〜の性状を有するエチレン・α−オレフィン共
重合体樹脂からなる層とを共押出することを特徴とする
ものである。 MFRが0.1〜50g/10分 密度(D)が0.880〜0.935g/cm3 温度上昇溶離分別による50℃における溶出量
(Y)と密度(D)との関係が下記条件を満たすもので
ある。 1) 密度(D)が0.91g/cm3 を超える場合:Y
(%)≦10、 2) 密度(D)が0.91g/cm3 以下の場合: Y(%)≦−4,500×密度+4,105(但し、Y
≦100)
【0005】[発明の具体的説明] [I] 共押出フィルムの製造方法 (1) 原料素材 (i) B 層 (A) エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂 (a) MFR 本発明の共押出フィルムの製造方法においてB層に用い
られるエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂は、JI
S−K7210によるMFR(メルトフローレート:Me
lt Flow rate:溶融流量)が0.1〜50g/10分、
好ましくは0.5〜30g/10分、特に好ましくは1
〜20g/10分を示すものである。該MFRが上記範
囲より小さすぎると、押出が困難になる。また、該MF
Rが上記範囲より大きすぎると、垂れ等が起こり成形性
が劣ったものとなる。
【0006】(b) 密 度 本発明の共押出フィルムの製造方法においてB層に用い
られるエチレン・α−オレフィン共重合体は、JIS−
K7112による密度が0.880〜0.935g/c
3 、好ましくは0.885〜0.915g/cm3
特に好ましくは0.890〜0.910g/cm3 を示
すものである。該密度が上記範囲より大きすぎると、ヒ
ートシール性、基材との接着性等の性能が悪化する。ま
た、該密度が上記範囲より小さすぎると、フィルム表面
がべたつき易くなり好ましくない。
【0007】(c) 温度上昇溶離分別によって得られる溶
出曲線 温度上昇溶離分別(TREF)による50℃におけ
る溶出量 本発明の共押出フィルムの製造方法においてB層に用い
られるエチレン・α−オレフィン共重合体は、温度上昇
溶離分別(TREF:Temperature Rising Elution Fra
ctionation)によって得られる溶出曲線の測定で、50
℃における溶出量(Y)と密度との関係が下記条件を満
たすものである。 1) 密度(D)が0.91g/cm3 を超える場合:Y
(%)≦10、好ましくはY(%)≦7 2) 密度(D)が0.91g/cm3 以下の場合: Y(%)≦−4,500×密度+4,105(但し、Y
≦100)、好ましくはY(%)≦−4,650×密度
+4,238(但し、Y≦100)
【0008】温度上昇溶離分別(TREF)による溶出
曲線の測定 上記温度上昇溶離分別(Temperature Ri
sing Elution Fractionatio
n:TREF)による溶出曲線の測定は、Journa
l of Applied Polymer Scie
nce.Vol126,4,217−4,231(19
81)、高分子討論会予稿集2P1C09(昭和63
年)等の文献に記載されている原理に基づいて実施され
る。すなわち、先ず対象とするポリエチレンを溶媒中で
一度完全に溶解させる。その後、冷却し、不活性担体表
面に薄いポリマー層を生成させる。次に、温度を連続又
は段階的に昇温することにより、先ず、低温度では対象
ポリエチレン組成中の非晶部分、すなわち、ポリエチレ
ンの持つ短鎖分岐の分岐度の多いものから溶出する。溶
出温度が上昇すると共に、徐々に分岐度の少ないものが
溶出し、ついには分岐のない直鎖状の部分が溶出して測
定は終了する。この各温度での溶出成分の濃度を連続的
に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグ
ラフ(溶出曲線)のピークによって、ポリマーの組成分
布を測定することができるものである。
【0009】 溶出曲線に於けるピーク温度 本発明の共押出フィルムの製造方法においてB層に用い
られるエチレン・α−オレフィン共重合体は、温度上昇
溶離分別(TREF:Temperature Rising Elution Fra
ctionation)によって得られる溶出曲線のピークが1つ
存在し、そのピーク温度が20〜85℃、好ましくは3
5〜85℃、特に好ましくは40〜75℃の範囲内であ
るものを使用するのが好ましい。なお、「ピークが1
つ」とは、TREF微分溶出曲線において、頂点を原点
として降下するラインをベースとし、再上昇する場合の
上昇角度が溶出温度3℃の範囲内で90度を超えないも
のをいう。また、該ピーク温度の溶出温度以外の温度に
おいて溶出するものが実質的に該溶出曲線に存在するこ
とがある。上記温度範囲内の溶出曲線のピークの高さを
Hとし、該ピークの高さの1/2における幅をWとした
ときのH/Wの値が1以上、好ましくは1〜20、特に
好ましくは1〜10である。上記ピークの高さ(H)と
幅(W)の関係が上記範囲未満の値であると、フィルム
表面がべたつき易くなる傾向がある。
【0010】製造方法 本発明の共押出フィルムの製造方法においてB層に用い
られるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレン
を50〜98重量%、好ましくは60〜95重量%、特
に好ましくは70〜90重量%と、一般に炭素数が3〜
40、好ましくは炭素数4〜18、中でも好ましくは炭
素数4〜12、最も好ましくは炭素数6〜10の1種又
は2種以上のα−オレフィンを2〜50重量%、好まし
くは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%
とをメタロセン触媒の存在下に、圧力が100〜3,0
00kg/cm2 、好ましくは200〜2,000kg
/cm2 、特に好ましくは300〜1,500kg/c
2 で、温度が125〜250℃、好ましくは150〜
200℃の反応条件下に高圧イオン重合法により製造さ
れるのが好ましい。特に、メタロセン化合物とアルミノ
キサン化合物との併用(特開昭58−19309号、同
60−35006号、同61−130314号、特開平
3−163088号の各公報)、或いは、メタロセン触
媒と、これと反応して安定なアニオンを形成する触媒と
の併用(ヨーロッパ特許第277,001号明細書、国
際公表公報WO92/01723号明細書等)により、
高圧イオン重合させて得られるものが好ましい。エチレ
ンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−ヘプテン、4−メチルペンテン−1、4−メチ
ルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、オク
タデセン等が挙げられる。これらα−オレフィンの中で
も1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メ
チルペンテン−1を用いることが好ましく、特に好まし
くは1−ヘキセンである。
【0011】また、メタロセン触媒としては、次に示す
一般式(I) に示されるメタロセン化合物を挙げることが
できる。 一般式(I) ML (式中、MはZr、Ti、Hf、V、Nb、Tn及びC
rからなる群から選ばれる遷移金属であり、Lは遷移金
属に配位する配位子であり、少なくとも1個のLはシク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、該シクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLは、炭素数
1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリローキシ
基、トリアルキルシリル基、SO3 R基(但し、Rはハ
ロゲン等の置換基を有していても良い炭素数1〜8の炭
化水素基)、ハロゲン原子又は水素原子であり、xは遷
移金属の原子価である。)
【0012】上記シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子としては、例えば、シクロペンタジエニル基、メチ
ルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエ
ニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメ
チルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペン
タジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチル
エチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタ
ジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、
ブチルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペ
ンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基等の
アルキル基置換シクロペンタジエニル基、或いは、イン
デニル基、1,5,6,7−テトラヒドロインデニル
基、フルオレニル基等を例示することができる。これら
の基は、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基等で置換
されていても良い。これらの遷移金属に配位する配位子
の中では、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に
好ましい。上記一般式(I) で表わされる化合物がシクロ
ペンタジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合に
は、その内2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基
同志は、エチレン、プロピレン等のアルキレン基、イソ
プロピリデン、ジフェニルシリレン基、メチルフェニル
シリレン基等の置換シリレン基等を介して結合されてい
ても良い。
【0013】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子としては、具体的に下記のようなものを挙
げることができる。炭素数1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基等が挙げられる。より具体的には、アルキル基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基等が例示され、シクロアルキル基とし
ては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示さ
れ、アリール基としては、フェニル基、トリル基等が例
示され、アラルキル基としては、ベンジル基、ネオフィ
ル基等が例示される。また、アルコキシ基としては、メ
トキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が例示される。更
に、アリローキシ基としては、フェノキシ基等が例示さ
れ、トリアルキルシリル基としては、トリメトキシシリ
ル基、トリエトキシシリル基等が例示され、ハロゲン原
子としては、弗素、塩素、臭素、沃素等が例示される。
また、SO3 Rで表わされる配位子としては、p−トル
エンスルホナト基、メタンスルホナト基、トリフルオロ
メタンスルホナート基等が例示される。
【0014】この様なシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子を含むメタロセン化合物は、例えば、遷移金属
の原子価が4である場合、より具体的には下記の一般式
(II)で示されるものである。 一般式(II) R2 k 3 l 4 m 5 n M (式中、Mは上記遷移金属であり、R2 はシクロペンタ
ジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3 、R4
及びR5 はシクロペンタジエニル骨格を有する基、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基、アリローキシ基、トリアルキルシリ
ル基、SO3 R基、ハロゲン原子又は水素原子であり、
kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4であ
る。) 本発明では上記一般式R2 k 3 l 4 m 5 n Mにお
いて、R2 、R3 、R4 及びR5 のうち少なくとも2
個、すなわちR2 及びR3 がシクロペンタジエニル骨格
を有する基(配位子)であるメタロセン化合物が好まし
く用いられ、これらのシクロペンタジエニル骨格を有す
る基は、エチレン、プロピレン等のアルキレン基、イソ
プロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン
基、シリレン基又はジメチルシリレン、ジフェニルシリ
レン、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレン基等
を介して結合されていても良い。また、R4 及びR5
シクロペンタジエニル骨格を有する基、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキ
シ基、アリローキシ基、トリアルキルシリル基、SO3
R基、ハロゲン原子又は水素原子である。
【0015】以下にMがジルコニウムである遷移金属化
合物について、具体的な化合物を以下に例示する。ビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデ
ニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(インデニル)ジ
ルコニウムビス(p−トルエンスルホナト)ビス(4,
5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミ
ド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウ
ム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウ
ム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモ
ノクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(メタンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(p−トルエンスルホナト)、エ
チレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(トリフルオロメタンスルホ
ナト)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
フェニルシリレンビス (インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジ
エニル)メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シク
ロペンタジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニ
ウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェ
ニルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ベンジルジルコニウムモノクロリド、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリド、モノ
ハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチル
ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニ
ルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベン
ジルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムメトキシモノクロリド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムエトキシモノクロリド、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホ
ナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビ
ス(p−トルエンスルホナト)、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホ
ナト)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムエトキシモノクロリド、ビ
ス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(エチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メ
チルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチ
ルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウム(メタンスルホナト)、ビス(トリメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(テト
ラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド等、なお、上記例
示において、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,
2−及び1,3−置換体を含み、三置換体は1,2,3
−及び1,2,4−置換体を含むものである。また、プ
ロピル、ブチル等のアルキル基はn−,i−,sec
−,tert−等の異性体を含むものである。
【0016】また、上記のようなジルコニウム化合物に
おいて、ジルコニウムをチタン、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ、タンタル又はクロムに置換した化合物を用
いることもできる。これらの化合物は単独で使用しても
良いし、二種以上を組み合わせて用いても良い。また、
炭化水素或いはハロゲン化炭化水素に希釈して用いても
良い。本発明の好ましいメタロセン化合物としては、中
心の金属原子がジルコニウムであり、少なくとも2個の
シクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有するシルコ
ノセン化合物である。
【0017】このメタロセン化合物と組み合わせて使用
されるアルミノオキサンとしては、具体的には一般式(I
II) 及び(IV)で表わされるアルミノオキサン類を例示す
ることができる。 一般式(III)
【0018】
【化1】
【0019】及び、 一般式(IV)
【0020】
【化2】
【0021】(上記一般式(III) 及び(IV)において、R
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭化
水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好
ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜
40の整数である。) ここでこのアルミノオキサンは式(OAl(R1 ))で
表わされるアルキルオキシアルミニウム単位及び式(O
Al(R2 ))で表わされるアルキルオキシアルミニウ
ム単位[ここでR1 及びR2 はRと同様の炭化水素基を
例示することができ、R1 及びR2 は相異なる基を表わ
す。]からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位か
ら形成されていても良い。その場合には、メチルオキシ
アルミニウム単位(OAl(CH3 ))を30モル%以
上、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは70モ
ル%以上の割合で含む混合アルキルオキシアルミニウム
単位から形成されたアルミノオキサンが好適である。
【0022】この様なアルミノオキサンの製造方法とし
ては、例えば、以下に示す(1)〜(3)の方法を挙げ
ることができる。 (1) 吸着水を含有する化合物或いは結晶水を含有す
る塩類、例えば、塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物等の炭化水素媒体懸濁液に、トリ
アルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物を添
加して反応させる方法。 (2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等の媒体中でトリアルキルアルミニウム等
の有機アルミニウム化合物に直接水を作用させる方法。 (3) デカン、ベンゼン、トルエン等の媒体中でトリ
アルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物に、
ジメチル錫オキシド、ジブチル錫オキシド等の有機錫化
合物を反応させる方法。
【0023】これらの方法の中では、(1)の方法を採
用するのが好ましい。なお、該アルミノオキサンは、少
量のアルミニウム以外の有機金属成分を含有していても
差支えがなく、また、回収された上記アルミノオキサン
の溶液から溶媒或いは未反応有機アルミニウム化合物を
蒸留して除去した後に、溶媒に再溶解しても良い。アル
ミノオキサンの製造の際に用いられる有機アルミニウム
化合物としては、具体的に、トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、
トリイソプロピルアルミニウム、トリn−ブチルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブ
チルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウ
ム、トリベンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニ
ウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニ
ウム等のトリアルキルアルミニウム;トリシクロヘキシ
ルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム等の
トリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウ
ムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチル
アルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロ
リド等のジアルキルアルミニウムハライド;ジエチルア
ルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハ
イドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウ
ムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシ
ド;ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキル
アルミニウムアリーロキシド等を挙げることができる。
【0024】また、下記一般式(V) で表わされるイソブ
レニルアルミニウムを用いることもできる。 一般式(V) (i−C4 9 Al(C5 10 (式中、x,y,zは正の数であり、z≧2xであ
る。)これらの中ではトリアルキルアルミニウムが特に
好ましい 上記有機アルミニウム化合物は、単独で或いは組み合わ
せで用いられ、また、アルミノオキサンの製造に用いら
れる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
メン、シメン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデ
カン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペ
ンタン等の脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油等の
石油留分或いは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、
脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ塩素化物、臭素
化物等の炭化水素溶媒、エチルエーテル、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類が挙げられ、これらの中でも特に
芳香族炭化水素が好ましく用いられる。メタロセン触媒
中の全金属に対するアルミノオキサン中のアルミニウム
の比は、約0.5:1〜約10,000:1、好ましく
は約5:1〜約1,000:1の範囲である。
【0025】更に、メタロセン化合物と反応して安定な
アニオンとなる化合物とは、カチオンとアニオンのイオ
ン対から形成されるイオン性化合物或いは親電子性化合
物であり、メタロセン化合物と反応して安定なイオンと
なって重合活性種を形成するものである。このうち、イ
オン性化合物は下記一般式(VI)で表わされる。 一般式(VI) [Q]m+[Y]m- (上記式中のQはイオン性化合物のカチオン成分であ
り、Yはイオン性化合物のアニオン成分である。) 上記イオン性化合物のカチオン成分としては、カルボニ
ウムカチオン、トロピニウムカチオン、アンモニウムカ
チオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオ
ン、ホスホニウムカチオン等が挙げられ、更には、それ
自身が還元され易い金属の陽イオンや有機金属の陽イオ
ン等も挙げられる。これらのカチオンは特表平1−50
1950号公報等に開示されている様なプロトンを与え
ることができるカチオンだけでなく、プロトンを与えな
いカチオンでも良い。これらのカチオンの具体例として
は、トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニウ
ム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリエ
チルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブ
チルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、ジ
プロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウ
ム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホニウ
ム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ(メ
チルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウ
ム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウ
ム、ビリリウム、また、銀イオン、金イオン、白金イオ
ン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイ
オン等を挙げることができる。
【0026】また、上記イオン性化合物のアニオン成分
としては、メタロセン化合物と反応して安定なアニオン
となる成分であって、有機硼素化合物アニオン、有機ア
ルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオ
ン、有機燐化合物アニオン、有機砒素化合物アニオン、
有機アンチモン化合物アニオン等を挙げることができ
る。具体的には、テトラフェニル硼素、テトラキス
(3,4,5−トリフルオロフェニル)硼素、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼素、テトラフェニルア
ルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフ
ェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ(トリ
フルオロメチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、テトラフェ
ニルガリウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロ
フェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフ
ルオロメチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(3,
5−ジ(t−ブチル)フェニル)ガリウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ガリウム、テトラフェニル
燐、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)燐、テトラ
フェニル砒素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
砒素、テトラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)アンチモン、デカボレート、ウンデ
カボレート、カルバドデカボレート、デカクロロデカボ
レート等を挙げることができる。また、親電子性化合物
としては、ルイス酸化合物として知られているもののう
ち、メタロセン化合物と反応して安定なアニオンとなっ
て重合活性種を形成するものであり、種々のハロゲン化
金属化合物や固体酸として知られている金属酸化物等を
挙げることができる。具体的には、ハロゲン化マグネシ
ウムやルイス酸性無機化合物等が例示される。
【0027】(ii) A 層(基材層) (A) 熱可塑性樹脂 (a) 物 性 MFR 本発明の共押出フィルムの製造方法において基材層とし
て用いられるA層の熱可塑性樹脂は、JIS−K721
0によるMFRが一般に0.01〜50g/10分、好
ましくは0.5〜30g/10分、特に好ましくは1〜
20g/10分の物性を示すものが用いられる。該MF
Rが上記範囲より小さすぎると成形が困難となるので好
ましくない。また、該MFRが上記範囲より大きすぎる
と強度不足となるので好ましくない。
【0028】(b) 素 材 本発明の基材に用いられる熱可塑性樹脂は、本発明のフ
ィルムの使用目的に応じて適宜選択使用することができ
る。該熱可塑性樹脂としては、例えば、高圧法低密度ポ
リエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン
・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・アクリル酸
共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロ
ピレン・α−オレフィンブロック共重合体、プロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体等のプロピレン系重
合体、ビニルアルコール重合体又はエチレンとビニルア
ルコールとの共重合体、アイオノマー、ポリブテン、ポ
リメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン7、ナイロン10,ナイロン11、
ナイロン12、ナイロン610、ポリメタキシリレンア
ジパミド等のポリアミド、ポリカーボネート、(メタ)
アクリル樹脂、ポリウレタン、セルロース系樹脂等を挙
げることができる。これらの中でも、エチレン系重合
体、プロピレン系重合体、ポリアミド、ビニルアルコー
ル重合体又はエチレンとビニルアルコールとの共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル及びポリカーボネー
トを用いることが好ましい。
【0029】 エチレン系重合体 熱可塑性樹脂がエチレン系重合体である場合、具体的に
は、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフ
ィン共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合
体、エチレン・アクリル酸共重合体等であり、中でも好
ましくはエチレン・α−オレフィン共重合体である。エ
チレン・α−オレフィン共重合体である場合は、具体的
には、いわゆるチーグラー系触媒を用いてエチレンと炭
素数3〜18のα−オレフィン、好ましくは炭素数4〜
12のα−オレフィンとを共重合させて製造される。α
−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセン、ヘプテン、4−メチルペンテン−1、4−メチ
ルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、オク
タデカン等が挙げられる。
【0030】 プロピレン系重合体 熱可塑性樹脂がプロピレン系重合体である場合、具体的
には、プロピレンの単独重合体でもプロピレンとα−オ
レフィンとの共重合体でも良い。α−オレフィンとの共
重合体の場合、α−オレフィンの含量はブロック共重合
体の場合には、1〜50重量%未満、好ましくは1〜3
0重量%、特に好ましくは2〜20重量%、最も好まし
くは3〜15重量%であり、ランダム共重合の場合は1
0重量%以下、好ましくは0.5〜7重量%である。α
−オレフィンの具体例としては、炭素数2又は4〜18
のα−オレフィンを挙げることができ、具体的には、エ
チレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−オクテン、1−デセン、4−メチルペンテン−1、
4,4−ジメチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−
1等が挙げられる。これらα−オレフィンの中ではエチ
レンが好ましい。プロピレン系重合体の中では、プロピ
レンと他のα−オレフィンとのランダム又はブロック共
重合体が好ましい。これらの中でも特にプロピレンと他
のα−オレフィンとのランダム共重合体が好ましい。
【0031】 ビニルアルコール重合体又はエチレン
とビニルアルコールとの共重合体 具体的には、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニル
アルコール共重合体等であり、エチレン含量は0〜50
モル%、好ましくは29〜48モル%、特に好ましくは
32〜48モル%である。更には、鹸化度が96モル%
以上であるものが望ましい。
【0032】 ポリ塩化ビニル 具体的には、硬質ポリ塩化ビニル、軟質ポリ塩化ビニル
等があり、少量のコモノマーを共重合させたコポリマー
タイプのものでも良い。これらの中では特に軟質ポリ塩
化ビニルが好ましい。
【0033】 ポリエステル 具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等があり、少量のコモノマーを共重合させた
コポリマータイプのものでも良い。これらの中ではポリ
エチレンテレフタレートのコポリマータイプが好まし
い。
【0034】 ポリアミド 熱可塑性樹脂がポリアミドである場合、具体的には、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン1
2、また、これらのハロゲン化物等であり、好ましくは
ナイロン6である。
【0035】 ポリカーボネート 一般式(VII) [−O−R−O−CO−] で表わされる線状重合体である。式中のRは、特に−C
6 4 CR' R''C6 4 −のジフェニルアルカンであ
ることが好ましく、中でもR' R''が−CH3 であるビ
スフェノールAであるのが好ましい。
【0036】(iii) その他の添加成分 本発明の共押出フィルムの製造方法において上記A層の
熱可塑性樹脂及びB層のエチレン・α−オレフィン共重
合体樹脂には、それぞれ一般に使用されている添加成
分、例えば、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、スリ
ップ剤、帯電防止剤、核剤、熱安定剤、光安定剤、紫外
線吸収剤、中和剤、防曇剤、着色剤等を添加することが
できる。また、本発明の共押出フィルムの製造方法にお
いて上記B層のエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂
に、高圧法低密度ポリエチレンを1〜50重量%配合す
ることより、フィルム品質や成形性の向上を計ることが
できる。 (A) 酸化防止剤 本発明の共押出フィルムの製造方法において使用される
B層のエチレン・α−オレフィン共重合体には、酸化防
止剤を添加することができる。該酸化防止剤はフェノー
ル系酸化防止剤と燐系酸化防止剤を併用することが好ま
しい。
【0037】(a) フェノール系酸化防止剤 上記のフェノール系酸化防止剤としては、例えば、オク
タデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テ
トラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐
4‐ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリ
ス[エチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]−s−トリアジン
−2,4,6−(1H,2H,3H)トリオン、1,
2,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
−ブチルフェノール)ブタン、4,4´−メチレンビス
(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)ヘキサメチレン
グリコール−ビス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、6−(4−
ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)2,4
−ビス−オクチル−1,3,5−トリアゾール、2,2
´−チオ[ジエチル−ビス−3(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,
2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−ノニルフェ
ノール)、2,6−ビス−(2´−ヒドロキシ−3´−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−
オキシエチル]イソシアヌレート等を挙げることがで
き、これらを単独で若しくは混合して用いることができ
る。好ましくは分子構造にアルキル基を持ち、融点が4
0℃以上のフェノール系酸化防止剤である。
【0038】(b) 燐系酸化防止剤 上記燐系酸化防止剤としては、ホスファイト、ホスフォ
ナイト及びホスホン酸誘導体よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の燐化合物である。ここでホスファイトと
しては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニ
ルホスファイト、ジデシルホスファイト、トリデシルホ
スファイト、トリオクチルホスファイト、トリドデシル
ホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリノ
ニルフェニルホスファイト、トリドデシルトリチオホス
ファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、4,4′‐ブチリデン‐ビス(3‐メチル‐6
‐t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、ト
リス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)ホスファイ
ト、ビス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト等の外、炭素数12〜15
のアルキル基を有する4,4−´イソプロピリデンジフ
ェニルテトラアルキルジホスファイト等を挙げることが
できる。また、ホスホナイトとしては、テトラキス
(2,4−ジアルキルフェニル)−4,4´−ビフェニ
レンジホスホナイト等を挙げることができる。なお、こ
こでアルキル基は炭素数1〜30のものである。これら
の中でも特にテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−4,4´−ビフェニレンジホスホナイトが好ま
しい。
【0039】また、ホスホン酸誘導体は、下記の 一般式(VIII)
【化3】 (式中、R1 は水素、金属及び炭素数1〜22の直鎖又
は分岐アルキル基のいずれかを示し、R2 は炭素数1〜
6の低級アルキル基、好ましくは第三ブチル基を示
す。)で表わされるものである。具体的には、例えば、
4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−ベンジルホ
スホン酸、o−エチル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
−t−ブチルベンジル)ホスホン酸、o−(2−エチル
ヘキシル)−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルベンジル)ホスホン酸、o−エチル(4−ヒドロキシ
−3,5−t−ブチルベンジルホスホン酸のカルシウム
塩等を挙げることができる。これら燐系酸化防止剤の中
では、好ましくは融点60℃以上の燐系酸化防止剤、特
に好ましくはホスファイト、ホスホナイト化合物であ
り、最も好ましくはホスファイト化合物では、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトであ
り、ホスホナイト化合物では、テトラキス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスホナイトである。配合割合 これらのフェノール系酸化防止剤及び燐系酸化防止剤の
配合割合は、両者の合計量で0.01〜1重量部、好ま
しくは0.03〜0.5重量部、特に好ましくは0.0
5〜0.2重量部であるのが好ましい。その中でフェノ
ール系酸化防止剤(Ph)と燐系酸化防止剤(P)の比
率はPh:P=10:90〜80:20%、好ましくは
Ph:P=20:80〜60:40%、特に好ましくは
Ph:P=30:70〜50:50%である。
【0040】(B) アンチブロッキング剤 本発明の共押出フィルムの製造方法に使用されるB層の
エチレン・α−オレフィン共重合体には、アンチブロッ
キング剤を添加することができる。該アンチブロッキン
グ剤としては、例えば、ゼオライト、非晶性アルミノシ
リケート、タルク、天然又は合成シリカ、二酸化珪素、
その他珪素化合物、Mg、CaやAlを含む化合物等
で、一般にアンチブロッキング剤として使用されるもの
である。これらの中で好ましくはゼオライト、非晶性ア
ルミノシリケート、タルクであり、特に好ましくはタル
ク、非晶性アルミノシリケートである。特に非晶性アル
ミノシリケート又はゼオライトとタルクの併用物が好ま
しい。アンチブロッキング剤は、平均粒径が10μm以
下、好ましくは5μm以下のものである。平均粒径が大
きいと、フィルムの透明性を阻害するので好ましくな
い。該アンチブロッキング剤は、含水量20%以下、好
ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。
含水率が大きすぎると成形時に発泡が起こり、成形が困
難となるので好ましくない。配合割合 アンチブロッキング剤の配合割合は、0.01〜1重量
部、好ましくは0.1〜0.8重量部、特に好ましくは
0.3〜0.7重量部であるのが好ましい。
【0041】(C) 直鎖状のモノカルボン酸のモノ又は
ビスアミド化合物 本発明の共押出フィルムの製造方法に使用されるエチレ
ン・α−オレフィン共重合体には、直鎖状のモノカルボ
ン酸のモノ又はビスアミド化合物の1種又は2種以上か
らなるものを添加することができる。直鎖状のモノカル
ボン酸のモノ又はビスアミド化合物としては、例えば、
直鎖に二重結合を持たない直鎖状のモノカルボン酸のモ
ノビスアミド化合物としては、パルミチン酸アミド、ア
ラルキン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸ア
ミド、ミリスチン酸アミド、ラウリン酸アミド、オキシ
ステアリン酸アミド等が挙げられ、直鎖に二重結合を持
つ直鎖状のモノカルボン酸のモノアミド化合物として
は、オレイン酸アミド、アラキドン酸アミド、エルシン
酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、リシ
ノール酸アミド等を挙げることができ、直鎖状のモノカ
ルボン酸のビスアミド化合物としては、エチレンビスス
テアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、
メチレンビスステアロベヘンアミド、エチレンビスオ
レイン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド等を挙
げることができる。これらの中で好ましくは、ステアリ
ン酸アミド、オレイン酸アミド、エルシン酸アミド、ベ
ヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドであ
り、特に好ましくはオレイン酸アミド又はエルシン酸ア
ミドと、ステアリン酸アミド又はベヘニン酸アミドと、
エチレンビスオレイン酸アミド等である。更に、これら
直鎖に二重結合を持たない直鎖状のモノカルボン酸のモ
ノアミド化合物及び直鎖状のモノカルボン酸のビスアミ
ド化合物と、直鎖に二重結合を持つ直鎖状のモノカルボ
ン酸のモノアミド化合物とを、20:80〜80:2
0、好ましくは25:75〜40:60の割合(%)で
混合して用いることが好ましい。配合割合 これらの直鎖状のモノカルボン酸のモノ又はビスアミド
化合物の配合割合は、0.01〜1重量部、好ましくは
0.03〜0.5重量部、特に好ましくは0.05〜
0.2重量部である。
【0042】(2) フィルムの成形 本発明の共押出フィルムの製造方法によって得られる共
押出フィルムは、通常の共押出成形法によりダイ内又は
ダイ外で多層に積層されて、インフレーションフィル
ム、キャストフィルム等に成形される。 [II] 共押出フィルム (1) 層構成 上記共押出フィルムの製造方法によって得られる共押出
フィルムは、基材層(A層)の熱可塑性樹脂からなる層
と、外層(B層)のエチレン・α−オレフィン共重合体
からなる層との2層構成でも良く、更に、その他の熱可
塑性樹脂からなる層(C層)を積層した(A)/(C)
/(B)又は(C)/(A)/(B)の3層構成、又
は、(B)/(A)/(B)の3層構成でも良く、更に
は、これらの層間にC層を設けた(B)/(C)/
(A)/(C)/(B)、或いは、A層とB層又はC層
の間に、更に別の熱可塑性樹脂層(D層)を設けた
(A)/(C)/(D)/(B)、(D)/(A)/
(C)/(B)、(B)/(D)/(A)/(C)/
(B)や、(B)/(D)/(A)/(D)/(C)等
の各種の組み合わせで複合化することができる。 (2) 膜 厚 その際、A層の膜厚は一般に1〜1,000μm、好ま
しくは5〜500μmであり、B層の膜厚は一般に1〜
300μm、好ましくは2〜100μmである。C層の
膜厚は一般に1〜2,000μm、好ましくは2〜50
0μmである。 (3) 性 状 得られた共押出フィルムは、基材との接着性、ヒートシ
ール性、耐引裂性、透明性、フィルムの作業性等の性能
に優れたフィルムである。
【0043】
【実施例】以下に示す実験例によって、本発明を更に具
体的に説明する。 [I] 物性の測定と評価方法 実施例及び比較例における物性の測定と評価は、以下に
示す方法によって実施した。 (1) 物性の測定 (a) MFR:JIS−K7210に準拠(プロピレン系
重合体:230℃、2.16kg荷重、エチレン系重合
体:190℃、2.16kg荷重) (b) 密度:JIS−K7112に準拠 (c) 溶出曲線の測定:本発明における温度上昇溶離分別
(TREF:Temperature Rising Elution Fraction )
によって得られる溶出曲線測定は、一度高温でポリマー
を完全に溶解させた後に冷却し、不活性担体表面に薄い
ポリマー層を生成させる。 次に、温度を連続又は段階的に昇温して、溶出した成分
を回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出量と
溶出温度によって描かれるグラフ(溶出曲線)のピーク
で、ポリマーの組成分布を測定するものである。
【0044】溶出曲線の測定法 該溶出曲線の測定は、以下に示す方法によって行なわれ
た。測定装置としてクロス分別装置(三菱油化(株)製
CFC T150A)を使用し、付属の操作マニュア
ルの測定法に従って行なった。このクロス分別装置は、
試料を溶解温度の差を利用して分別する温度上昇溶離分
別(TREF)機構と、分別された区分を更に分子サイ
ズで分別するサイズ排除クロマトグラフ(Size Exclusi
on Chromatgraphy:SEC)をオンラインで接続した装置で
ある。先ず、測定すべきサンプルを溶媒(o−ジクロロ
ベンゼン)を用い、測定濃度が4mg/mlとなるよう
に、140℃の温度で溶解し、これを測定装置内のサン
プルループ内に注入する。
【0045】以下の測定は設定条件に従って自動的に行
なわれる。サンプルループ内に保持された試料溶液は、
溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム(不活
性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、長
さ150mmの装置付属のステンレス製カラム)に0.
4ml注入される。次に、該サンプルを1℃/分の速度
で140℃から0℃の温度にまで冷却し、上記不活性担
体にコーティングさせる。この時、高結晶性成分(結晶
し易いもの)から低結晶性成分(結晶し難いもの)の順
で不活性担体表面にポリマー層が形成される。TREF
カラムが0℃で更に30分間保持された後、0℃の温度
で溶解している成分2mlが、ml/分の流速でTRE
FカラムからSECカラム(昭和電工(株)性AD80
M/S 3本)へ注入される。SECで分子サイズの分
別が行なわれている間に、TREFカラムでは次の溶出
温度(5℃)に昇温され、その温度に約30分間保持さ
れる。SECでの各溶出区分の測定は、39分間隔で行
なわれた。溶出温度は以下の温度で段階的に昇温され
る。 0、5、10、15、20、25、30、35、40、
45、49、52、55、58、61、64、67、7
0、73、76、79、82、88、91、94、9
7、100、102、120、140、 該SECカラムで分子サイズによって分別された溶液
は、装置付属の赤外分光光度計でポリマーの濃度に比例
する吸光度が測定され(波長3.42μmメチレンの伸
縮振動で検出)、各溶出温度区分のクロマトグラムが得
られる。内蔵のデータ処理ソフトを用い、上記測定で得
られた各溶出温度区分のクロマトグラムのベースライン
を引き、演算処理される。各クロマトグラムの面積が積
分され積分溶出曲線が計算される。また、この積分溶出
曲線を温度で微分して、微分溶出曲線が計算される。計
算結果の作図はプリンターに出力される。出力された微
分溶出曲線の作図は、横軸に溶出温度を100℃当たり
89.3mm、縦軸に微分量(全積分溶出量を1.0に
規格し、1℃の変化量を微分量とした。)0.1当たり
76.5mmで行なった。次に、この微分溶出曲線のピ
ーク高さ(mm)を1/2高さの幅で除した値をH/W
とした。
【0046】(2) 評価方法 (a) HAZE:JIS−K7105に準拠 (b) DDI(ダートドロップインパクト):JIS−Z
1707に準拠 (c) 300gヒートシール温度:東洋精機製熱盤式ヒー
トシーラーにて、80℃から5℃間隔でシール圧力:2
kg/cm2 、シール時間:1秒でヒートシールし、引
張試験機にてヒートシール強度を測定する。このヒート
シール強度が300g/15mmとなる温度を、300
g荷重ヒートシール温度とする。 (d) ヒートシール強度:上記ヒートシール強度の測定で
の最大強度をヒートシール強度とする。 (e) 引張弾性率:ISO R1184に準拠 (f) エレメンドルフ引裂強度:JIS−K7128に準
拠 (g) 酸素透過量:JIS−Z1707に準拠 (h) 保香性:成形フィルムを用いて、三方シールして1
0cm×10cmの大きさの袋を作成する。この中に市
販のインスタントコーヒー粉末50gを入れ、口部をシ
ールし、23℃、湿度50%の中で保存する。ブランク
としてガラス瓶サンプルを用意する。2週間後、サンプ
ルの封を切り、香りが保たれていれば良好とする。
【0047】[II] 実験例 実施例1B、C層:エチレン・α−オレフィン共重合体の製造 触媒の調製は特開昭61−130314号公報に記載さ
れた方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストファー社
製メチルアルモキサンを上記錯体に対して1,000モ
ル倍加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液
を調製し、以下の方法で重合を行なった。内容積1.5
リットルの攪拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチ
レンと1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が
80重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1,
000kg/cm2 に保ち、160℃の温度で反応を行
なった。反応終了後、MFRが3.3g/10分、密度
が0.905g/cm3 、Q値が2.0、TREF溶出
曲線のピークが1つであり、そのピーク温度が62℃で
あり、該ピーク温度のH/Wが4で、50℃における溶
出量が12重量%であるエチレン・1−ヘキセン共重合
体(1−ヘキセン含量:16重量%)を得た。 A 層:以下の樹脂を用いた。 プロピレン系重合体:プロピレン・エチレンランダム
共重合体 MFR=1.5g/10分、エチレン含量=
2.3重量%
【0048】成 形 下記の条件下でTダイフィルム成形を行なった。 機 種:プラコー社製 外層用20mmφ、中間層用35mmφ、外層用 20mmφの3層押出装置を装備したTダイ成形機 成形温度:外層用ダイス及びバレル D1 /D2 /D3 /A1 /A2 250/250/250/250/230(℃) 中間層用ダイス及びバレル D1 /D2 /D3 /A1 /A2 240/240/240/240/220(℃) 引取速度:12.5m/分 冷 却:片面エアー冷却、チルロール40℃ フィルム構成(厚み:μm):B/A/C=5/20/5評 価 上記成形で作成したサンプルについて、評価を行なっ
た。評価の結果を表1に示す。
【0049】実施例2 A層として、エチレン・α−オレフィン共重合体(MF
R=2g/10分、密度=0.930g/cm3 )を使
用した以外は実施例1と同様に成形し、評価を行なっ
た。評価の結果を表1に示す。
【0050】実施例3 A層として、高密度ポリエチレン(MFR=9g/10
分、密度=0.951g/cm3 を使用した以外は実施
例1と同様に成形し、評価を行なった。評価の結果を表
1に示す。
【0051】実施例4 A層として、プロピレン系重合体(プロピレン単独重
合体 MFR=1g/10分、α−オレフィン含量0重
量%)を使用した以外は実施例1と同様に成形し、評価
を行なった。評価の結果を表1に示す。
【0052】実施例5B、C層:エチレン・α−オレフィン共重合体の製造 触媒の調製は特開昭61−130314号公報に記載さ
れた方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド3.2ミリモルに、東洋ストファー社
製メチルアルモキサンを上記錯体に対して1,400モ
ル倍加え、トルエンで20リットルに希釈して触媒溶液
を調製し、以下の方法で重合を行なった。内容積1.5
リットルの攪拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチ
レンと1−オクテンとの混合物を1−オクテンの組成が
67重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1,
300kg/cm2 に保ち、180℃の温度で反応を行
なった。反応終了後、MFRが2.0g/10分、密度
が0.887g/cm3 、Q値が2.1、TREFによ
る溶出曲線のピークが1つであり、そのピーク温度が4
3℃であり、該ピーク温度のH/Wが2.2で、50℃
における溶出量が87重量%であるエチレン・1−オク
テン共重合体(1−オクテン含量:23重量%)を得
た。成形、評価 A層は実施例1と同じプロピレン系重合体を使用し、実
施例1と同様に成形、評価を行なった。評価の結果を表
1に示す。
【0053】実施例6〜10 層構成をA/Bとし、成形、評価を行なった。評価の結
果を表2に示す。
【0054】実施例11 A層としてプロピレン系重合体(プロピレン・エチレ
ンランダム共重合体MFR:9g/10分、エチレン含
量:4.4重量%)を使用した以外は実施例1と同様に
成形し、評価を行なった。評価結果を表3に示す。
【0055】実施例12 A層として上記プロピレン系重合体を使用し、B、C
層として以下に示すエチレン・α−オレフィン共重合体
を使用した以外は実施例1と同様に成形し、評価を行
なった。評価結果を表3に示す。エチレン・α−オレフィン共重合体の製造 触媒の調製は特開昭61−130314号公報に記載さ
れた方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストファー社
製メチルアルモキサンを上記錯体に対して1,000モ
ル倍加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液
を調製し、以下の方法で重合を行なった。内容積1.5
リットルの攪拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチ
レンと1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が
76重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1,
000kg/cm2 に保ち、140℃の温度で反応を行
なった。反応終了後、MFRが3g/10分、密度が
0.913g/cm3 、Q値が2.0、TREF溶出曲
線のピークが1つであり、そのピーク温度が73℃であ
り、該ピーク温度のH/Wが6で、50℃における溶出
量が4重量%であるエチレン・1−ヘキセン共重合体
(1−ヘキセン含量:10重量%)を得た。
【0056】実施例13 A層としてポリアミド(東レ(株)製 AMILAN
CM1021XF)を使用し、ポリアミド層の成形温度
はD1/D2/D3/A1/A2=250/250/2
50/250/230℃として成形し、評価を行なっ
た。評価結果を表4に示す。
【0057】実施例14 層構成をA/Bとし、成形・評価を行なった。評価結果
を表4に示す。
【0058】実施例15 成形機のダイスを5層ダイスに替え、A層とB層との間
にC層として変性ポリエチレン(三菱油化(株)製MO
DIC M−110F)を使用して、フィルム成形し、
評価を行なった。評価結果を表4に示す。
【0059】実施例16 層構成をB/C/Aとして、成形し、評価を行なった。
評価結果を表4に示す。
【0060】実施例17 A層としてポリ塩化ビニル(三菱化成ビニル(株)製
ビニカ P−540)100重量部にジオクチルフタレ
ート25重量部、エポキシ化大豆5重量部、ステア燐酸
カルシウム1.5重量部を配合したものを用い、A層の
成形温度をD1/D2/D3/A1/A2=200/2
00/200/190/180(℃)として成形し、評
価を行なった。評価結果を表5に示す。
【0061】実施例18 層構成をA/Bとして、成形し、評価を行なった。評価
結果を表5に示す。
【0062】実施例19 各層に以下の材料を用い、以下の条件でフィルム成形
し、評価を行なった。 A 層:(エチレン・ビニルアルコール共重合体)クラレ(株)製エバ ールEP−E−151 B 層:エチレン・α−オレフィン共重合体 C 層:(接着層)三菱油化(株)製 MODIC M400H フィルム構成:B/C/A/C/B=20/5/10/5/20各μm (成形条件) 機 種:プラ技研(株)製 Tダイ成形機 押出機 :A/B/C=40/60/40各mmφ 成形温度 :A層 210/210/210/210/190℃ B層 250/250/250/250/230℃ (評価結果) HAZE (%) :3 DDI (kg・cm) :破れず 酸素透過量 (20℃、65%RT):1.5 (cc/m2 ・24hr・atm) 300gヒートシール温度(℃) :103
【0063】実施例20 各層に以下の材料を用い、以下の条件でフィルム成形
し、評価を行なった。 A 層:(エチレン・ビニルアルコール共重合体)クラレ(株)製エバ ールEP−E−151 B 層:エチレン・α−オレフィン共重合体 C 層:(接着層)三菱油化(株)製 MODIC M400H フィルム構成:A/C/B=25/10/25各μm (成形条件) 機 種:プラ技研(株)製 Tダイ成形機 押出機 :A/B/C=60/40/40各mmφ 成形温度 :A層 210/210/210/210/190℃ B層 250/250/250/250/230℃ (評価結果) HAZE (%) :4 DDI (kg・cm) :破れず 酸素透過量 (20℃、65%RT):10 (cc/m2 ・24hr・atm) 300gヒートシール温度(℃) :103
【0064】実施例21 各層に以下の材料を用い、以下の条件でフィルム成形
し、評価を行なった。 A 層:(ポリエステル)Eastman Kodak社製PETG6 763 B 層:エチレン・α−オレフィン共重合体 C 層:(エチレン・ビニルアルコール共重合体)クラレ(株)製エバ ールEP−E−151 D 層:(接着層)三菱油化(株)製 MODIC M400H E 層:(接着層)三菱油化(株)製 MODIC F3100K フィルム構成:B/D/C/E/A=20/5/10/5/20各μm (成形条件) 機 種:プラ技研(株)製 Tダイ成形機 押出機 :A/B/C/D/E=60/40/40/40/40各mmφ 成形温度 :A層 260/260/260/260/240℃ B層 250/250/250/250/230℃ C層 210/210/210/210/190℃ (評価結果) HAZE (%) :3 DDI (kg・cm) :破れず 酸素透過量 (20℃、65%RT):1.5 (cc/m2 ・24hr・atm) 300gヒートシール温度(℃) :103 保香性(コーヒー) :良好
【0065】実施例22 各層に以下の材料を用い、以下の条件でフィルム成形
し、評価を行なった。 A 層:(ポリカーボネート)三菱ガス化学(株)製ユーピロン E2 000 B 層:エチレン・α−オレフィン共重合体 C 層:(接着層)三菱油化(株)製 MODIC F3100K フィルム構成:A/C/B=30/10/20各μm (成形条件) 機 種:プラ技研(株)製 Tダイ成形機 押出機 :A/B/C=60/40/40各mmφ 成形温度 :A層 280/280/280/280/260℃ B層 250/250/250/250/230℃ C層 250/250/250/250/230℃ (評価結果) HAZE (%) :1.3 引張破断点強度(MD) (kg・cm2 ) :780 (TD) (kg・cm2 ) :800 引張弾性率 (MD) (kg・cm2 ) :14,000 (TD) (kg・cm2 ) :15,000 DDI (kg・cm) :破れず 保香性(コーヒー) (−) :良好
【0066】比較例1 実施例1で用いたA層のプロピレン系重合体の単層フィ
ルムを成形し、評価を行なった。評価の結果を表6に示
す。
【0067】比較例2 実施例2で用いたA層のエチレン・α−オレフィン共重
合体の単層フィルムを成形し、評価を行なった。評価の
結果を表6に示す。
【0068】比較例3 実施例4で用いたプロピレン系重合体の単層フィルム
を成形し、評価を行なった。評価の結果を表6に示す。
【0069】比較例4 実施例3で用いたエチレン・α−オレフィン共重合体
の単層フィルムを成形し、評価を行なった。評価の結果
を表6に示す。
【0070】比較例5及び6 実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体の代わり
に直鎖状低密度ポリエチレン(MFR:2g/10分、
密度:0.92g/cm3 )を使用し、表7に示すよう
な構成とした以外は実施例1と同様に成形し、評価を行
なった。評価の結果を表7に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【表6】
【0077】
【表7】
【0078】
【発明の効果】このような本発明の共押出フィルムの製
造方法によって得られる共押出フィルムは、基材との接
着性に優れ、ヒートシール性、耐引裂性、透明性、フィ
ルムの作業性等の性能が良好なものとすることができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 9:00 C08L 23:08 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08F 210/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A層: 熱可塑性樹脂からなる層と、 B層: メタロセン系触媒を用いて製造された、下記に
    示す〜の性状を有するエチレン・α−オレフィン共
    重合体樹脂からなる層と、 を共押出することを特徴とする、共押出フィルムの製造
    方法。 MFRが0.1〜50g/10分、 密度(D)が0.880〜0.935g/cm3 温度上昇溶離分別による50℃における溶出量
    (Y)と密度(D)との関係が下記条件を満たすもので
    あり、 1) 密度(D)が0.91g/cm3 を超える場合:Y
    (%)≦10、 2) 密度(D)が0.91g/cm3 以下の場合: Y(%)≦−4,500×密度+4,105(但し、Y
    ≦100) 温度上昇溶離分別によって得られる微分溶出曲線の
    ピークが1つであり、該ピーク温度が20〜85℃であ
    り、該ピーク高さをHとし、該ピークの高さの1/2に
    おける幅をWとしたときのH/Wが1以上であり、該ピ
    ークの溶出温度以外の温度において溶出するものが実質
    的に該溶出曲線に存在することがあるものである。
  2. 【請求項2】両表面層が共にB層である、請求項1に記
    載の共押出フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂が、エチレン系重合体、プロ
    ピレン系重合体、ポリアミド、ビニルアルコール重合体
    又はエチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリ塩
    化ビニル、ポリエステル及びポリカーボネートの群から
    選ばれる少なくとも一種の樹脂である、請求項1または
    2に記載の共押出フィルムの製造方法。
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