JPH08269270A - 複合フィルム用ポリエチレン組成物および複合フィルム - Google Patents

複合フィルム用ポリエチレン組成物および複合フィルム

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JPH08269270A
JPH08269270A JP7650695A JP7650695A JPH08269270A JP H08269270 A JPH08269270 A JP H08269270A JP 7650695 A JP7650695 A JP 7650695A JP 7650695 A JP7650695 A JP 7650695A JP H08269270 A JPH08269270 A JP H08269270A
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JP
Japan
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composite film
ethylene
density
polyethylene composition
mfr
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JP7650695A
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English (en)
Inventor
Yoshikuni Soma
馬 義 邦 相
Satoshi Akiyama
山 聡 秋
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成膜性に優れ、フィルムにしたときのヒート
シール強度、ホットタック性、低温ヒートシール性に優
れるポリエチレン組成物およびこれを基材上に押出コー
ティングした複合フィルムを提供する。 【構成】 (A)MFRが1〜50g/10分であり、密
度0.880〜0.930g/cm3 であり、Mw/Mnが
1.5〜4.0である、エチレンと炭素数4〜10のα−
オレフィンとのランダム共重合体99〜30重量%と、
(B)MFRが1〜70g/10分であり、密度が0.9
15〜0.935g/cm3 である高圧法低密度ポリエチ
レン1〜70重量%とからなり、(1) MFRが1〜30
g/10分であり、(2) 密度が0.881〜0.930g/
cm3 であり、(3) 溶融張力が0.5〜10gである複合
フィルム用ポリエチレン組成物。基材上に、上記組成物
を押出コーティングしてなる複合フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、複合フィルム用ポリエチ
レン組成物および複合フィルムに関し、さらに詳しく
は、特に成膜性が良好で、しかもフィルムとしたときの
ヒートシール強度、ホットタック性、低温ヒートシール
性に優れた複合フィルム用ポリエチレン組成物およびこ
の組成物を基材上に押出コーティングした複合フィルム
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、食品および医薬品などの包
装材として、紙などの基材上にシーラント(ヒートシー
ル)層を設けた複合フィルムが広く用いられている。こ
の複合フィルムは、基材とシーラント材とを、ドライラ
ミネート法、共押出法、押出コーティング法などの方法
により積層することにより製造されている。
【0003】このような積層法のうち押出コーティング
法では、紙あるいは予めフィルム状に形成されたポリマ
ーなどの基材上に、シーラント材を溶融押出することに
より複合フィルムを製造している。そしてこの押出コー
ティング材(シーラント材)としては、従来、低密度ポ
リエチレン(LDPE)として知られている高圧法ポリ
エチレンが広く用いられている。このLDPEは、押出
コーティング時の加工性に優れており、また酸化防止剤
などの各種添加剤を配合しないでも使用することができ
る。しかしながらLDPEは、ヒートシール強度、ホッ
トタック性などには必ずしも優れていないので、LDP
Eの改良あるいは代替が望まれている。
【0004】このようなLDPEに代替しうるシーラン
ト材としては、種々のポリマーが提案されており、たと
えば高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン
(PP)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、
アイオノマーなどが使用されている。
【0005】このうちHDPEは、ヒートシール強度に
優れるが低温シール性に劣り、また押出コーティング時
のネックインが大きく、加工性に劣っている。PPはホ
ットタック性には優れるが、押出コーティング時にサー
ジング(膜揺れ)しやすく、またネックインが大きいと
ともに、熱分解して分子量が低下しやすいなどの加工上
の問題点がある。EVAは、低温シール性には優れる
が、独特の臭気を有することおよび熱分解を抑えるため
に、加工温度が制約されてしまうという問題点がある。
アイオノマーは、ホットタック性には優れるが、押出加
工時の負荷が大きく、また金属への接着性のためスクリ
ュウやシリンダーに付着しやすく、押出装置からアイオ
ノマーをパージしなければならないという問題点があ
る。
【0006】このように従来公知の押出コーティング材
料は、いずれも一長一短あって最適とは言えない。また
ヒートシール強度、ホットタック性などの改良された押
出コーティング材として、LDPEと直鎖状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)との混合物を用いることも提案
もなされている(特公平2−4425号公報)が、低温
ヒートシール性、透明性などの面でより一層の向上が望
まれている。
【0007】このため成膜性(押出コーティング性)に
優れ、しかもヒートシール強度、ホットタック性、低温
ヒートシール性に優れたシーラント層を形成することが
できる複合フィルム用ポリエチレン組成物およびこのよ
うなシーラント層を有する複合フィルムの出現が望まれ
ていた。
【0008】
【発明の目的】本発明は、成膜性に優れ、フィルムにし
たときのヒートシール強度、ホットタック性、低温ヒー
トシール性に優れるポリエチレン組成物およびこれを基
材上に押出コーティングした複合フィルムを提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る複合フィルム用ポリエチレ
ン組成物は、 (A)溶融指数(MFR)が1〜50g/10分であり、
密度0.880〜0.930g/cm3 であり、平均分子量
分布(Mw/Mn)が1.5〜4.0である、エチレンと
炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体
99〜30重量%と、 (B)溶融指数(MFR)が1〜70g/10分であり、
密度が0.915〜0.935g/cm3 である高圧法低密
度ポリエチレン1〜70重量%とからなり、(1) 溶融指
数(MFR)が1〜30g/10分であり、(2) 密度が
0.881〜0.930g/cm3 であり、(3) 溶融張力
(MT)が0.5〜10gであることを特徴としてい
る。
【0010】上記エチレンと炭素数4〜10のα−オレ
フィンとのランダム共重合体(A)のn-デカン可溶分量
は、0〜12重量%であることが好ましい。本発明に係
る複合フィルム用ポリエチレン組成物は、ナイロン基材
上に押出コーティングしたときに、ヒートシール剥離強
度が3000g/15mm以上であり、ホットタック性(剥
離距離)が50mm以下であり、完全シール開始温度が
125℃未満である複合フィルムを形成することができ
る。
【0011】さらに本発明に係る複合フィルム用ポリエ
チレン組成物は、ナイロン基材上に押出コーティングし
たときに、ヒートシール剥離強度が4000g/15mm以
上であり、ホットタック性(剥離距離)が30mm以下
であり、完全シール開始温度が120℃以下である複合
フィルムを形成することができる。
【0012】本発明に係る複合フィルムは、基材と、基
材上に押出コーテイングされた複合フィルム用ポリエチ
レン組成物層とからなり、この複合フィルム用ポリエチ
レン組成物は、 (A)溶融指数(MFR)が1〜50g/10分であり、
密度0.880〜0.930g/cm3 であり、平均分子量
分布(Mw/Mn)が1.5〜4.0である、エチレンと
炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体
99〜30重量%と、 (B)溶融指数(MFR)が1〜70g/10分であり、
密度が0.915〜0.935g/cm3 である高圧法低密
度ポリエチレン1〜70重量%とからなり、(1) 溶融指
数(MFR)が1〜30g/10分であり、(2) 密度が
0.881〜0.930g/cm3 であり、(3) 溶融張力
(MT)が0.5〜10gであることを特徴としてい
る。
【0013】上記エチレンと炭素数4〜10のα−オレ
フィンとのランダム共重合体(A)のn-デカン可溶分量
は、0〜12重量%であることが好ましい。本発明に係
る複合フィルムは、基材をナイロンとするとき、ヒート
シール剥離強度が3000g/15mm以上であり、ホット
タック性(剥離距離)が50mm以下であり、完全シー
ル開始温度が125℃未満であることが好ましく、さら
にヒートシール剥離強度が4000g/15mm以上であ
り、ホットタック性(剥離距離)が30mm以下であ
り、完全シール開始温度が120℃以下であることがよ
り好ましい。
【0014】本発明で用いられるエチレンと炭素数4〜
10のα−オレフィンとのランダム共重合体(A)は、
遷移金属のメタロセン化合物を含む触媒を用いて製造さ
れたものであることが望ましい。
【0015】
【発明の具体的説明】以下本発明に係る複合フィルム用
ポリエチレン組成物および複合フィルムについて具体的
に説明する。
【0016】本発明に係る複合フィルム用ポリエチレン
組成物は、(A)エチレンと炭素数4〜10のα−オレ
フィンとのランダム共重合体と、(B)高圧法低密度ポ
リエチレンとから形成される。
【0017】まず本発明で用いられる各成分を示す。(A)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体 本発明で用いられるエチレンと炭素数4〜10のα−オ
レフィンとのランダム共重合体(以下エチレン・α−オ
レフィンランダム共重合体という)を、エチレンととも
に形成している炭素数4〜10のα−オレフィンとして
は、具体的には1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペ
ンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンおよびこれ
らの組合せが挙げられる。これらのうちでも、炭素数6
〜8のα−オレフィンが好ましく、特に4-メチル-1-ペ
ンテン、1-ヘキセンが好ましい。
【0018】エチレン・α−オレフィンランダム共重合
体(A)としては、具体的にエチレン/4-メチル-1-ペ
ンテン共重合体、エチレン/1-ヘキセン共重合体が好ま
しい。
【0019】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体(A)の溶融指数(MFR)は、
1〜50g/10分好ましくは5〜40g/10分さらに好
ましくは7〜20g/10分である。
【0020】このようなMFRのエチレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体(A)からは、ヒートシール強
度、流動特性(押出加工性)に優れたポリエチレン組成
物を形成することができる。なお溶融指数は、ASTM
D1238Eに準拠して、測定温度190℃、荷重2
160gの条件下で測定した値である。
【0021】エチレン・α−オレフィンランダム共重合
体(A)の密度は、0.880〜0.930g/cm3 好ま
しくは0.890〜0.925g/cm3 である。このよう
な密度のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体
(A)からは、ホットタック性およびヒートシール強度
に優れ、べたつき、ブロッキングなどを生じにくいポリ
エチレン組成物を形成することができる。
【0022】この密度は、エチレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体(A)のエチレンとα−オレフィンとの
共重合割合に大きく依存しており、炭素数4〜10のα
−オレフィンから導かれる単位の割合が0.5〜15モ
ル%であることが望ましく、さらには1.0〜10モル
%であることが望ましい。なお上記の密度は、ASTM
D1505に準拠して測定した値である。
【0023】エチレン・α−オレフィンランダム共重合
体(A)の平均分子量分布(Mw/Mn)は、1.5〜
4.0好ましくは1.8〜3.5である。このような分子
量分布値を有するエチレン・α−オレフィンランダム共
重合体(A)からは、押出加工性およびヒートシール強
度に優れたポリエチレン組成物を形成することができ
る。平均分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル透過クロマ
トグラフィー(GPC)によって測定することができ
る。
【0024】上記のようなエチレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体(A)は、n-デカン可溶分(常温)量
が、0〜12重量%であることが好ましく、10重量%
以下であることがより好ましい。n-デカン可溶分量がこ
のような量であるエチレン・α−オレフィンランダム共
重合体(A)から得られるポリエチレン組成物は、押出
コーティング時に発煙を生じることがなく、被包装物を
取出しやすいフィルムを形成することができる。
【0025】またエチレン・α−オレフィンランダム共
重合体(A)の示差走査熱量計(DSC)により測定さ
れる融点は、60〜130℃であることが好ましく、7
5〜120℃であることがより好ましい。この融点は、
昇温速度10℃/分で測定されるエチレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体(A)の吸熱曲線において、1個
ないし複数個の鋭いピークのうち、極大ピーク値として
求められる。上記のような融点のエチレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体(A)は、低温ヒートシール性に
優れている。
【0026】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体(A)は、遷移金属のメタロセン
化合物を含む触媒を用いて製造することができる。この
メタロセン化合物を含む触媒は、(a)遷移金属のメタ
ロセン化合物と、(b)有機アルミニウムオキシ化合物
と、(c)担体とから形成されることが好ましく、さら
に必要に応じてこれらと(d)有機アルミニウム化合物
とから形成されてもよい。
【0027】本発明で用いられる(a)遷移金属のメタ
ロセン化合物(以下「成分(a)」と記載することがあ
る。)は、下記式[I]で示される。 MLx … [I] (式[I]において、Mは周期律表第IVB族から選ばれ
る遷移金属であり、Lは遷移金属原子Mに配位する配位
子であり、これらのうち少なくとも2個の配位子Lは、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル
基、エチルシクロペンタジエニル基、または炭素数3〜
10の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基を有
する置換シクロペンタジエニル基であり、(置換)シク
ロペンタジエニル基以外の配位子Lは、炭素数1〜12
の炭化水素基、アルコシキ基、アリーロキシ基、ハロゲ
ン原子、トリアルキルシリル基または水素原子であり、
Xは遷移金属Mの原子価である。) 上記式[I]において、Mは周期律表第IVB族から選ば
れる遷移金属であり、具体的には、ジルコニウム、チタ
ンまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムで
ある。
【0028】Lは、遷移金属原子Mに配位する配位子で
あり、これらのうち少なくとも2個の配位子Lは、シク
ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
エチルシクロペンタジエニル基、または炭素数3〜10
の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有
する置換シクロペンタジエニル基であり、(置換)シク
ロペンタジエニル基以外の配位子Lは、炭素数1〜12
の炭化水素基、アルコシキ基、アリーロキシ基、ハロゲ
ン原子、トリアルキルシリル基または水素原子である。
【0029】炭素数3〜10の炭化水素基として具体的
には、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基などを例示することができる。このような一
般式[I]で表わされる遷移金属化合物としては、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(n-プロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ヘキ
シルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(メチル-n-プロピルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(メチル-n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチ
ル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジブロミド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(n-ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムブ
トキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムエトキシド、ビス(n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、ビス(n-
ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムベ
ンジルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジベンジル、ビス(n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロリド、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムハイド
ライドクロリド、などが挙げられる。上記のようなジル
コニウム化合物において、ジルコニウム金属を、チタン
金属またはハフニウム金属置き換えたメタロセン化合物
を挙げることもできる。
【0030】なお上記例示において、シクロペンタジエ
ニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置
換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。これらのうち
でも、ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-n-プ
ロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(1-メチル-3-n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドなどが特に好ましい。
【0031】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物(b)(以下「成分(b)」と記載することが
ある。)は、従来公知のベンゼン可溶性のアルミノオキ
サンであってもよく、また特開平2−276807号公
報で開示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物であってもよい。
【0032】上記のようなアルミノオキサンは、例えば
下記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方
法。
【0033】(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキル
アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、
氷または水蒸気を作用させて炭化水素の溶液として回収
する方法。
【0034】(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの
媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニ
ウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオ
キシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0035】なおこのアルミノオキサンは、少量の有機
金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアル
ミノオキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミ
ニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解して
もよい。
【0036】アルミノオキサンを製造する際に用いられ
る有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ
n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルアルミ
ニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアル
ミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリシクロ
ヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウ
ムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアル
ミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハ
イドライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチ
ルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウ
ムアルコキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシドな
どのジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げ
られる。
【0037】これらのうち、トリアルキルアルミニウム
およびトリアルキルアルミニウムが特に好ましい。ま
た、この有機アルミニウム化合物として、一般式 (i-C49)xAly(C510)z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わ
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。
【0038】上記のような有機アルミニウム化合物は、
組合せて用いることもできる。また本発明で用いられる
ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、6
0℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で1
0%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以
下であり、ベンゼンに対して不溶性あるいは難溶性であ
る。
【0039】このような有機アルミニウムオキシ化合物
のベンゼンに対する溶解性は、100ミリグラム原子の
Alに相当する該有機アルミニウムオキシ化合物を10
0mlのベンゼンに懸濁した後、攪拌下60℃で6時間
混合した後、ジャケット付G−5ガラス製フィルターを
用い、60℃で熱時濾過を行ない、フィルター上に分離
された固体部を60℃のベンゼン50mlを用いて4回
洗浄した後の全濾液中に存在するAl原子の存在量(x
ミリモル)を測定することにより求められる(x%)。
【0040】本発明で用いられる担体(c)(以下「成
分(c)」と記載することがある。)は、無機あるいは
有機の化合物であって、粒径が10〜300μm、好ま
しくは20〜200μmの顆粒状ないしは微粒子状の固
体が使用される。このうち無機担体としては多孔質酸化
物が好ましく、具体的にはSiO2、Al23、Mg
O、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、Ba
O、ThO2等またはこれらの混合物、例えばSiO2-
MgO、SiO2-Al23、SiO2-TiO2、SiO2
-V25、SiO2-Cr23、SiO2-TiO2-MgO
等を例示することができる。これらの中でSiO2およ
びAl23からなる群から選ばれた少なくとも1種の成
分を主成分とするものが好ましい。
【0041】なお、上記無機酸化物には少量のNa2
3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4
Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2
Al(NO3)3、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、
硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差しつか
えない。
【0042】このような担体(c)はその種類および製
法により性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる
担体は、比表面積が50〜1000m2/g、好ましく
は100〜700m2/gであり、細孔容積が0.3〜
2.5cm2/gであることが望ましい。該担体は、必要
に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜70
0℃で焼成して用いられる。
【0043】さらに、本発明に用いることのできる担体
(c)としては、粒径が10〜300μmである有機化
合物の顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができ
る。これら有機化合物としては、エチレン、プロピレ
ン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素数2〜
14のα-オレフィンを主成分として生成される(共)
重合体あるいはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成
分として生成される重合体もしくは共重合体を例示する
ことができる。
【0044】本発明で用いられる触媒は、上記(a)メ
タロセン化合物、(b)有機アルミニウムオキシ化合
物、および(c)担体から形成されることが好ましい
が、これらに加えて必要に応じて(d)有機アルミニウ
ム化合物を用いてもよい。
【0045】この(d)有機アルミニウム化合物(以下
「成分(d)」と記載することがある。)としては、例
えば下記一般式[II]で表される有機アルミニウム化合
物を用いることができる。
【0046】R1 nAlX3-n … [II] (式[II]中、R1 は炭素数1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。) 上記一般式[II]において、R1 は炭素数1〜12の炭
化水素基例えばアルキル基、シクロアルキル基またはア
リ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0047】このような有機アルミニウム化合物(d)
としては、具体的には以下のような化合物が用いられ
る。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチル
ヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミ
ニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどの
アルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウ
ムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0048】また有機アルミニウム化合物(d)とし
て、下記一般式[III]で表される化合物を用いること
もできる。 R1 nAlY3-n … [III] (式[III]中、R1 は上記と同様であり、Yは−OR2
基、−OSiR3 3基、−OAlR4 2基、−NR5 2基、−
SiR6 3基または−N(R7)AlR8 2基であり、nは1〜
2であり、R2、R3、R4およびR8はメチル基、エチル
基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基などであり、R5は水素原子、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチ
ルシリル基などであり、R6 およびR7 はメチル基、エ
チル基などである。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が用いられる。
【0049】(1)R1 nAl(OR2)3-n で表される化
合物、例えばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチ
ルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウム
メトキシドなど、 (2)R1 nAl(OSiR3 3)3-n で表される化合物、例え
ばEt2Al(OSi Me3)、(iso-Bu)2Al(OSiM
e3)、(iso-Bu)2 Al(OSiEt3)など; (3)R1 nAl(OAlR4 2)3-n で表される化合物、例
えばEt2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2AlOAl(iso-B
u)2 など; (4) R1 nAl(NR5 2)3-n で表される化合物、例えば
Me2AlNEt2 、Et2AlNHMe 、Me2AlNHEt 、
Et2AlN(SiMe3)2、(iso-Bu)2AlN(SiMe3)2
など; (5)R1 nAl(SiR6 3)3-n で表される化合物、例えば
(iso-Bu)2AlSi Me3 など; (6)R1 nAl〔N(R7)AlR8 23-n で示される化
合物、たとえば Et2AlN(Me)AlEt2、(iso-B
u)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2など。
【0050】上記一般式[II]および[III]で表され
る有機アルミニウム化合物の中では、一般式R1 3Al、
1 nAl(OR2)3-n 、R1 nAl(OAlR4 2)3-n で表わさ
れる化合物が好ましく、特にRがイソアルキル基であ
り、n=2である化合物が好ましい。
【0051】本発明で用いられる触媒は、上記のような
成分(a)、成分(b)および成分(c)、必要に応じ
て成分(d)を接触させることにより調製することがで
きる。この際の成分(a)〜成分(d)の接触順序は、
任意に選ばれるが、好ましくは成分(c)と成分(b)
とを混合接触させ、次いで成分(a)を混合接触させ、
さらに必要に応じて成分(d)を混合接触させる。
【0052】上記成分(a)〜成分(d)の接触は、不
活性炭化水素溶媒中で行うことができ、触媒の調製に用
いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シ
クロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン
などの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベン
ゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素あるい
はこれらの混合物などを挙げることができる。
【0053】成分(a)、成分(b)、成分(c)およ
び必要に応じて成分(d)を混合接触するに際して、成
分(a)は成分(c)1g当り、通常5×10-6〜5×
10 -4モル、好ましくは10-5〜2×10-4モルの量で
用いられ、成分(a)の濃度は、約10-4〜2×10-2
モル/リットル、好ましくは2×10-4〜10-2モル/
リットルの範囲である。成分(b)のアルミニウムと成
分(a)中の遷移金属との原子比(Al/遷移金属)
は、通常10〜500、好ましくは20〜200であ
る。必要に応じて用いられる成分(d)のアルミニウム
原子(Al-d)と成分(b)のアルミニウム原子(Al-
b)の原子比(Al-d/Al-b)は、通常0.02〜3、好
ましくは0.05〜1.5の範囲である。成分(a)、成
分(b)、成分(c)および必要に応じて成分(d)を
混合接触する際の混合温度は、通常−50〜150℃、
好ましくは−20〜120℃であり、接触時間は1分〜
50時間、好ましくは10分〜25時間である。
【0054】上記のようにして得られた触媒は、成分
(c)1g当り成分(a)に由来する遷移金属原子が5
×10-6〜5×10-4グラム原子、さらには10-5〜2
×10 -4グラム原子の量で担持され、また成分(c)1
g当り成分(b)および成分(d)に由来するアルミニ
ウム原子が10-3〜5×10-2グラム原子、さらには2
×10-3〜2×10-2グラム原子の量で担持されている
ことが望ましい。
【0055】またこの触媒は、上記のような成分
(a)、成分(b)、成分(c)および必要に応じて成
分(d)の存在下にオレフィンを予備重合させて得られ
る予備重合触媒であってもよい。予備重合は、上記のよ
うな成分(a)、成分(b)、成分(c)および必要に
応じて成分(d)の存在下、不活性炭化水素溶媒中にオ
レフィンを導入することにより行うことができる。
【0056】予備重合の際に用いられるオレフィンとし
ては、エチレンおよび炭素数が3〜20のα-オレフィ
ン、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチ
ル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1
-ドデセン、1-テトラデセンなどを例示することができ
る。これらの中では、重合の際に用いられるエチレンあ
るいはエチレンとα-オレフィンとの組合せが特に好ま
しい。
【0057】予備重合する際には、上記成分(a)は、
通常10-6〜2×10-2モル/リットル、好ましくは5
×10-5〜10-2モル/リットルの量で用いられ、成分
(b)は成分(c)1g当り、通常5×10-6〜5×1
-4モル、好ましくは10-5〜2×10-4モルの量で用
いらる。成分(b)のアルミニウムと成分(a)中の遷
移金属との原子比(Al/遷移金属)は、通常10〜5
00、好ましくは20〜200である。必要に応じて用
いられる成分(d)のアルミニウム原子(Al-d)と成
分(b)のアルミニウム原子(Al-b)の原子比(Al-d
/Al-b)は、通常0.02〜3、好ましくは0.05〜
1.5の範囲である。予備重合温度は−20〜80℃、
好ましくは0〜60℃であり、また予備重合時間は0.
5〜100時間、好ましくは1〜50時間程度である。
【0058】予備重合触媒は、例えば下記のようにして
調製される。すなわち、担体(成分(c))を不活性炭
化水素で懸濁状にする。次いで、この懸濁液に有機アル
ミニウムオキシ化合物(成分(b))を加え、所定の時
間反応させる。その後上澄液を除去し、得られた固体成
分を不活性炭化水素で再懸濁化する。この系内へ遷移金
属化合物(成分(a))を加え、所定時間反応させた
後、上澄液を除去し固体触媒成分を得る。続いて有機ア
ルミニウム化合物(成分(d))を含有する不活性炭化
水素に、上記で得られた固体触媒成分を加え、そこへオ
レフィンを導入することにより、予備重合触媒を得る 予備重合で生成するオレフィン重合体の量は、担体
(c)1g当り0.1〜500g、さらには0.2〜30
0g、特に0.5〜200gであることが望ましい。ま
た予備重合触媒には、担体(c)1g当り成分(a)は
遷移金属原子として約5×10-6〜5×10-4グラム原
子、さらには10-5〜2×10-4グラム原子の量で担持
されていることが望ましく、成分(b)および成分
(d)に由来するアルミニウム原子(Al)は、成分
(a)に由来する遷移金属原子(M)に対するモル比
(Al/M)で、5〜200、さらには10〜150の
範囲の量で担持されていることが望ましい。
【0059】予備重合は、回分式あるいは連続式のいず
れでも行うことができ、また減圧、常圧あるいは加圧下
のいずれでも行うことができる。予備重合においては、
水素を共存させて、少なくとも135℃のデカリン中で
測定した極限粘度[η]が0.2〜7dl/g、好まし
くは0.5〜5dl/gであるような予備重合体を製造
することが望ましい。
【0060】本発明で用いられるエチレン・α-オレフ
ィン共重合体(A)は、前記のような触媒の存在下に、
エチレンと、炭素数が4〜10のα-オレフィン、たと
えば1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-
ペンテン、1-オクテン、1-デセンとを共重合することに
よって得られる。
【0061】本発明では、エチレンとα-オレフィンと
の共重合は、気相であるいはスラリー状の液相で行われ
る。スラリー重合においては、不活性炭化水素を溶媒と
してもよいし、オレフィン自体を溶媒とすることもでき
る。
【0062】スラリー重合において用いられる不活性炭
化水素溶媒として具体的には、ブタン、イソブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキ
サデカン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化水素;シク
ロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、
シクロオクタンなどの脂環族系炭化水素;ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素;ガソリン、
灯油、軽油などの石油留分などが挙げられる。これら不
活性炭化水素媒体のうち脂肪族系炭化水素、脂環族系炭
化水素、石油留分などが好ましい。
【0063】スラリー重合法または気相重合法で実施す
る際には、上記のような触媒は、重合反応系内の遷移金
属原子の濃度として、通常10-8〜10-3グラム原子/
リットル、さらには10-7〜10-4グラム原子/リット
ルの量で用いられることが望ましい。
【0064】また、本重合に際して成分(b)と同様の
有機アルミニウムオキシ化合物および/または有機アル
ミニウム化合物(d)を添加してもよい。この際、有機
アルミニウムオキシ化合物および有機アルミニウム化合
物に由来するアルミニウム原子(Al)と、遷移金属化
合物(a)に由来する遷移金属原子(M)との原子比
(Al/M)は、5〜300、好ましくは10〜20
0、より好ましくは15〜150の範囲である。
【0065】本発明において、スラリー重合法を実施す
る際には、重合温度は、通常−50〜100℃、好まし
くは0〜90℃の範囲であり、気相重合法を実施する際
には、重合温度は、通常0〜120℃、好ましくは20
〜100℃の範囲である。
【0066】重合圧力は、通常常圧ないし100kg/
cm2、好ましくは2〜50kg/cm2の加圧条件下で
あり、重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方
式においても行うことができる。さらに重合を反応条件
の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
【0067】高圧法ポリエチレン(B) 本発明では、高圧法ポリエチレン(B)として従来公知
の方法で製造された高圧法ポリエチレンのうちでも、M
FRが1〜70g/10分好ましくは3〜25g/10分、
密度が0.915〜0.935g/cm3 好ましくは0.9
16〜0.925g/cm3 の高圧法ポリエチレンが用い
られる。
【0068】高圧法ポリエチレンのMFRが上記のよう
な値であると、押出コーティング時にネックインが小さ
く、かつ均一な溶融膜厚でフィルムを得ることができる
ポリエチレン組成物が得られる。なおMFRが70g/
10分を越えるとネックインが大きく、また溶融膜厚が不
均一になりやすい。
【0069】なおこの高圧法ポリエチレン(B)は、エ
チレンの単独重合体のみならず、本発明の目的を損なわ
ない範囲であれば、エチレンから導かれる単位とともに
他の重合性単量体から導かれる単位を少量含むエチレン
共重合体であってもよく、たとえば酢酸ビニルあるいは
アクリル酸エステルなどから導かれる単位を20重量%
以下の量で含むエチレン共重合体であってもよい。
【0070】複合フィルム用ポリエチレン組成物 本発明に係る複合フィルム用ポリエチレン組成物は、上
記のようなエチレン・α−オレフィンランダム共重合体
(A)と、高圧法低密度ポリエチレン(B)とから形成
されるが、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体
(A)を、99〜30重量%好ましくは98〜50重量
%より好ましくは95〜60重量%の量で、高圧法ポリ
エチレン(B)を、1〜70重量%好ましくは2〜50
重量%さらに好ましくは5〜40の量で含有している。
【0071】複合フィルム用ポリエチレン組成物は、上
記のようなエチレン・α−オレフィンランダム共重合体
(A)と高圧法ポリエチレン(B)とを、従来公知の方
法により混合または溶融混練することにより得られる。
【0072】このようにして得られたポリエチレン組成
物は、(1) 溶融指数(MFR)が1〜30g/10分好ま
しくは3〜20g/10分であり、(2) 密度が0.881
〜0.930g/cm3 好ましくは0.890〜0.925
g/cm3 であり、(3) 溶融張力(MT)が0.5〜10
g好ましくは1〜8gである。
【0073】このような本発明に係るポリエチレン組成
物は、高速延展性に優れ、ネックインが小さく成膜性に
優れており、かつヒートシール強度、ホットッタック性
にも優れており、複合フィルムのシーラントとして好適
である。
【0074】本発明に係る複合フィルム用ポリエチレン
組成物は、たとえばナイロン基材上に押出コーティング
したときに、ヒートシール剥離強度が3000g/15mm
以上好ましくは4000g/15mm以上であり、ホットタ
ック性(剥離距離)が50mm以下好ましくは30mm
以下であり、完全シール開始温度が125未満℃好まし
くは120℃以下である複合フィルムを形成することが
できる。
【0075】本発明に係る複合フィルム用ポリエチレン
組成物は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、必
要に応じて耐侯安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、防曇
剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、顔料、
染料、流滴剤、充填材などの通常ポリオレフィンに添加
される各種配合剤を含有していてもよい。
【0076】複合フィルム 本発明に係る複合フィルムは、基材と、上記のようなポ
リエチレン組成物層とからなり、基材上にポリエチレン
組成物を押出コーティングすることにより得られる。こ
のようにして形成された複合フィルムでは、上記のポリ
エチレン組成物層は、通常シーラント層として機能す
る。
【0077】基材としては、フィルム形成能を有するも
のであれば特に限定されず、任意の重合体あるいは紙、
アルミニウム箔、セロハンなどを使用することができ
る。このような重合体としては、例えば、高密度ポリエ
チレン、中、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、
アイオノマー、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポ
リ−4−メチル−1−ペンテンなどのオレフィン系重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリルなどビニ
ル系重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
0、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ポ
リメタキシリレンアジパミドなどのポリアミド、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/
イソフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポ
リエステル、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニル
アルコール共重合体、ポリカーボネートなどを挙げるこ
とができる。
【0078】また基材が重合体フィルム(シート)であ
るときには、この重合体フィルムは、無配向であっても
よく一軸または二軸に延伸されていてもよい。これらの
基材は用途、被包装物により適宜選択することができ
る。たとえば被包装物が腐食しやすい食品である場合に
は、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・ビニ
ルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエ
ステルの如く、透明性、剛性、ガス透過抵抗性の優れた
樹脂を用いることができる。被包装物が菓子あるいは繊
維包装などである場合には、透明性、剛性、水透過抵抗
性の良好なポリプロピレンなどを用いることが好まし
い。
【0079】本発明に係る複合フィルムは、エチレン・
α−オレフィンランダム共重合体(A)と高圧法ポリエ
チレン(B)とを、たとえばV−ブレンダー、リボンブ
レンダー、ヘンシエルミキサー、タンブラーブレンダー
などで混合した後、基材上にT−ダイで押出コーティン
グする方法、あるいは(A)と(B)を前述の方法で混
合した物を、押出機を用いて160ー220℃の温度で
溶融混練しながらペレットを作り、そのペレットをT−
ダイで基材上に押出コーテイングする方法により製造す
ることができる。
【0080】また上記のように基材上にポリエチレン組
成物を押出コーティングする際には、基材に直接ポリエ
チレン組成物を押出コーティングしてもよく、また基材
と該組成物との接着力を高めるために、基材に予め公知
の方法たとえば有機チタン系、ポリエチレンイミン系、
イソシアネート系などのアンカーコート剤を塗布した
り、あるいは接着性ポリオレフィン、高圧法ポリエチレ
ンなどの下貼樹脂層を設けた後にポリエチレン組成物を
押出コーティングしてもよい。
【0081】基材上にポリエチレン組成物または下貼樹
脂を押出コーテイングする際の加工温度(T−ダイ下の
樹脂温度)は、基材とポリエチレン組成物間または基材
と下貼樹脂(接着性ポリオレフィン、高圧法ポリエチレ
ンなど)間、下貼樹脂とポリエチレン組成物間の接着性
およびラミネート製品のヒートシール性、生産性を考慮
して決められるが、好ましくは230〜330℃であ
り、より好ましくは280〜320℃さらに好ましくは
285〜305℃である。
【0082】また基材と基材に接する樹脂(下貼樹脂ま
たはポリエチレン組成物)間の接着性を確保するため
に、T−ダイから押出した樹脂の溶融膜にオゾンを吹き
かけて膜の表面を強制酸化することも有効である。
【0083】押出コーティングは、好ましくは20〜3
00m/分より好ましくは40〜200m/分の加工速
度で行なわれる。上記のような本発明に係る複合フィル
ムのヒートシール強度は、たとえば基材層がナイロンで
ある複合フィルムのヒートシール剥離強度は、好ましく
は3000g/15mm以上より好ましくは4000g/15
mm以上である。またこの複合フィルムのホットタック性
は、剥離距離が好ましくは50mm以下より好ましくは3
0mm以下であり、完全シール開始温度は好ましくは12
5℃未満より好ましくは120℃以下である。
【0084】
【発明の効果】本発明に係る複合フィルム用ポリエチレ
ン組成物は、成膜性に優れ、フィルムにしたときのヒー
トシール強度、ホットタック性、低温ヒートシール性に
優れている。
【0085】このようなポリエチレン組成物を使用すれ
ば、高速下でも厚みむらのない良好な複合フィルムが得
られる。また従来公知のLLDPEと高圧法ポリエチレ
ンとの組成物を押出コーティングした複合フィルムに比
べても低温ヒートシール性、ホットタック性に優れた複
合フィルムが得られる。
【0086】このような複合フィルム用ポリエチレン組
成物を有する本発明に係る複合フィルムは、各種包装袋
たとえば液体スープ、漬物、糸こんにゃくなどの水物包
装袋、みそ、ジャムなどのペースト状物包装袋、砂糖、
小麦粉、ふりかけなどの粉末物包装袋、医薬錠剤、顆粒
包装袋用途に好適であり、このような用途ではポリエチ
レン組成物はシーラント層としての役割を果している。
【0087】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例で用いた樹脂を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】本発明において、ポリエチレン組成物の物
性および加工性は次の方法により測定した。 溶融指数(MFR)(g/10分)…ASTM D123
8Eに準拠して測定温度190℃、荷重2160gの条
件下で測定した 密度(g/cm3 )…ASTM D1505に準拠して測
定した。
【0090】溶融張力(g)…東洋精機製キャピラリー
レオメーターを用いて、オリフィス直径2.095mm、
測定温度190℃、押出速度15mm/分、引取速度15
m/分の条件下で測定した。
【0091】ネックイン(mm)…直径65mmの押出機
によってポリエチレン組成物を溶融混練後、T−ダイよ
り押出し、20μmの厚さで基材(紙またはプラスチッ
クフィルム)上に80m/分の速度でコーティングす
る。この時のダイの開口幅(500mm)に対するコーテ
ィング膜の幅の差を求め、この差(mm)をネックインと
した。
【0092】高速延展性(m/分)…上記のネックイン
を測定した押出条件(20μm厚)において、溶融膜が
切れるかあるいは揺れ(サージング)始めた速度を以
て、高速延展性の指標とした。
【0093】またフィルムの性能試験は下記の方法によ
った。 ヒートシール部剥離強度(g/15mm)…複合フィル
ムのポリエチレン組成物層面を重ね合わせ、90℃、1
00℃、110℃、120℃、130℃、140℃、1
50℃、160℃の温度、幅10mmのシールバーによ
り2kg/cm2 の圧力で1秒間シールした後放冷した。こ
れから15mm幅の試験片を切り取り、クロスヘッド速
度300mm/分でヒートシール部を剥離し、その際の
強度を剥離強度とした。
【0094】ホットタック試験(mm)…長さ550m
m×幅50mmの試験片を重ね合わせ、90℃、100
℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150
℃、160℃の温度、幅10mm,長さ300mmのシ
ールバーにより、2kg/cm2の圧力で1秒間シール後、
除圧と同時に各試験片に45gの荷重をかけてシール部
を強制剥離し、剥離した距離(mm)によりホットタッ
ク剥離強度の評価を行った。すなわち剥離距離の短いも
のほどヒートシール直後の剥離力に対する抵抗が大きく
好ましい(ホットタック性に優れる。)。
【0095】完全シール開始温度(℃)…ヒートシール
強度測定時の試験片が、ヒートシール層間で剥離するこ
となく、ヒートソール部あるいは基材部が破断する最低
温度を求めた。完全シール開始温度が低いほど低温ヒー
トシール性は優れる。
【0096】
【実施例1】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含むジルコノセンと有機アルミニウムオキシ化合物と
有機アルミニウムとからなるメタロセン系触媒を用いて
得られたMFR:10.3g/10分、密度:0.910g
/cm3 、融点:100℃、Mw/Mn:2.2のエチレ
ン・1-ヘキセンランダム共重合体(LL−Iと略す)9
0重量部と、MFR:7.0g/10分、密度:0.917
g/cm3 の高圧法低密度ポリエチレン(LD−1と略
す)10重量部とを、押出機で溶融混合して混合組成物
を得た。
【0097】厚み15μmの二軸延伸ナイロン層上へ、
イソシアネート系アンカーコート剤を塗布した上に、上
記LD−1を20μmの厚みでコーティングして基材層
としての二軸延伸ナイロンフィルムを作成した。
【0098】前記混合組成物を65mmφの押出機(設
定温度:300℃)で溶融後、幅500mmのT−ダイ
より、二軸延伸ナイロンフィルム上に、30μm厚で押
出コーティングした結果、ネックインは82mm(片
耳)、押出コーティング速度300m/分まで溶融膜の
耳切れおよび膜ゆれ(サージング)が生じず、厚薄むら
のない均一膜厚を有する良好な複合フィルムが得られ
た。
【0099】得られた複合フィルムの性能試験を行った
結果を表2に示す。
【0100】
【実施例2】実施例1においてLLDPE(LL−1)
とLD−1との混合比を80/20に変えた以外は、実
施例1と同様にして複合フィルムを得た。結果を表2に
示す。
【0101】
【実施例3】実施例1においてLLDPE(LL−1)
とLD−1との混合比を70/30に変えた以外は、実
施例1と同様にして複合フィルムを得た。結果を表2に
示す。
【0102】
【実施例4】実施例1においてLLDPE(LL−1)
を、MFR:15.4g/10分、密度:0.900g/cm
3 、融点:90℃、Mw/Mn:2.7のエチレン・1-
ヘキセンランダム共重合体(LL−2と略す)に変えた
以外は、実施例2と同様にして複合フィルムを得た。結
果を表2に示す。
【0103】
【実施例5】実施例4においてLLDPE(LL−2)
とLD−1との混合比を70/30に変えた以外は、実
施例4と同様にして複合フィルムを得た。結果を表2に
示す。
【0104】
【表2】
【0105】
【実施例6】実施例2においてLLDPE(LL−1)
を、MFR:9.5g/10分、密度:0.897g/c
m3 、融点:88℃、Mw/Mn:2.3のエチレン・1-
オクテンランダム共重合体(LL−3と略す)に変えた
以外は、実施例2と同様にして複合フィルムを得た。結
果を表3に示す。
【0106】
【実施例7】実施例2においてLLDPE(LL−1)
を、MFR:10.0g/10分、密度:0.896kg/cm
2 、融点:87℃、Mw/Mn:2.5のエチレン・1-
ブテンランダム共重合体(LL−4と略す)に変えた以
外は、実施例2と同様にして複合フィルムを得た。結果
を表3に示す。
【0107】
【実施例8】実施例2においてLLDPE(LL−1)
を、MFR:14.2g/10分、密度:0.910g/cm
3 、融点:101℃、Mw/Mn:2.6のエチレン・4
-メチル-1-ペンテンランダム共重合体(LL−5と略
す)に変えた以外は、実施例2と同様にして複合フィル
ムを得た。結果を表3に示す。
【0108】
【実施例9】実施例2においてLDPE(LD−1)
を、MFR:5.0g/10分、密度:0.920g/cm3
のLDPE(LD−2と略す)に変えた以外は、実施例
2と同様にして複合フィルムを得た。結果を表3に示
す。
【0109】
【実施例10】実施例4においてLDPE(LD−1)
をLD−2に変えた以外は、実施例4と同様にして複合
フィルムを得た。結果を表3に示す。
【0110】
【表3】
【0111】
【比較例1】実施例1においてLD−1を用いず、LL
DPE(LL−1)のみを用いた以外は、実施例1と同
様にして複合フィルムを得た。結果を表4に示す。
【0112】
【比較例2】実施例1においてLLDPE(LL−1)
を用いず、LD−1のみを用いた以外は、実施例1と同
様にして複合フィルムを得た。結果を表4に示す。
【0113】
【比較例3】実施例2においてLLDPE(LL−1)
を、従来公知の高活性チタン系触媒成分と有機アルミニ
ウム化合物触媒成分とからなる触媒を用いて得られたエ
チレン/1-ヘキセン共重合体(MFR:16.1g/10
分、密度:0.910g/cm3、融点:120℃、Mw/
Mn:4.8:LL−6と略す)に変えた以外は、実施
例2と同様にして複合フィルムを得た。結果を表4に示
す。
【0114】
【比較例4】実施例2においてLLDPE(LL−1)
を、従来の高活性チタン系触媒成分と有機アルミニウム
化合物触媒成分とからなる触媒を用いて得られたエチレ
ン/1-ヘキセン共重合体(MFR:13.7g/10分、
密度:0.915g/cm3 、融点:122℃、Mw/M
n:3.6:LL−7と略す)に変えた以外は、実施例
2と同様にして複合フィルムを得た。結果を表4に示
す。
【0115】
【比較例5】実施例2においてLLDPE(LL−1)
を、従来の高活性チタン系触媒成分と有機アルミニウム
化合物触媒成分を触媒に用いて得られたエチレン/1−
ブテン共重合体(MFR:11.4g/10min、密
度:0.914g/cm3、融点:121℃、MW/MN:
4.8:LL−8と略す)に変える以外は実施例2を繰
り返した。結果を表4に示す。
【0116】
【表4】
【0117】なお表2〜表4中、ヒートシール強度値に
付した符号は、ヒートシール強度測定時の試験片の状態
を示し、Sは試験片がヒートシール層間で剥離したこと
を、Xはヒートシール層部あるいは基材部が破断したこ
とを示す。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)溶融指数(MFR)が1〜50g/
    10分であり、 密度0.880〜0.930g/cm3 であり、 平均分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.0である、
    エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダ
    ム共重合体99〜30重量%と、 (B)溶融指数(MFR)が1〜70g/10分であり、 密度が0.915〜0.935g/cm3 である高圧法低密
    度ポリエチレン1〜70重量%とからなり、(1) 溶融指
    数(MFR)が1〜30g/10分であり、(2) 密度が
    0.881〜0.930g/cm3 であり、(3) 溶融張力
    (MT)が0.5〜10gであることを特徴とする複合
    フィルム用ポリエチレン組成物。
  2. 【請求項2】前記エチレンと炭素数4〜10のα−オレ
    フィンとのランダム共重合体(A)のn-デカン可溶分量
    が0〜12重量%であることを特徴とする請求項1に記
    載の複合フィルム用ポリエチレン組成物。
  3. 【請求項3】ナイロン基材上に押出コーティングしたと
    きに、 ヒートシール剥離強度が3000g/15mm以上であり、 ホットタック性(剥離距離)が50mm以下であり、 完全シール開始温度が125℃未満である複合フィルム
    を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の
    複合フィルム用ポリエチレン組成物。
  4. 【請求項4】ナイロン基材上に押出コーティングしたと
    きに、 ヒートシール剥離強度が4000g/15mm以上であり、 ホットタック性(剥離距離)が30mm以下であり、 完全シール開始温度が120℃以下である複合フィルム
    を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の
    複合フィルム用ポリエチレン組成物。
  5. 【請求項5】基材と、基材上に押出コーテイングされた
    ポリエチレン組成物層とからなる複合フィルムであり、 前記ポリエチレン組成物が、 (A)溶融指数(MFR)が1〜50g/10分であり、 密度0.880〜0.930g/cm3 であり、かつ平均分
    子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.0である、エチレ
    ンと炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重
    合体99〜30重量%と、 (B)溶融指数(MFR)が1〜70g/10分であり、 密度が0.915〜0.935g/cm3 である高圧法低密
    度ポリエチレン1〜70重量%とからなり、(1) 溶融指
    数(MFR)が1〜30g/10分であり、(2) 密度が
    0.881〜0.930g/cm3 であり、かつ(3) 溶融張
    力(MT)が0.5〜10gであることを特徴とする複
    合フィルム。
  6. 【請求項6】前記エチレンと炭素数4〜10のα−オレ
    フィンとのランダム共重合体(A)のn-デカン可溶分量
    が、0〜12重量%であることを特徴とする請求項5に
    記載の複合フィルム。
  7. 【請求項7】基材がナイロンであり、 ヒートシール剥離強度が3000g/15mm以上であり、 ホットタック性(剥離距離)が50mm以下であり、 完全シール開始温度が125℃未満であることを特徴と
    する請求項5または6に記載の複合フィルム。
  8. 【請求項8】ヒートシール剥離強度が4000g/15mm
    以上であり、 ホットタック性(剥離距離)が30mm以下であり、 完全シール開始温度が120℃以下であることを特徴と
    する請求項7に記載の複合フィルム。
  9. 【請求項9】エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィ
    ンとのランダム共重合体(A)が、遷移金属のメタロセ
    ン化合物を含む触媒を用いて製造されたものであること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエチ
    レン組成物。
  10. 【請求項10】エチレンと炭素数4〜10のα−オレフ
    ィンとのランダム共重合体(A)が、遷移金属のメタロ
    セン化合物を含む触媒を用いて製造されたものであるこ
    とを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の複合フ
    ィルム。
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