JPH0912796A - フィルムおよび積層体 - Google Patents

フィルムおよび積層体

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JPH0912796A
JPH0912796A JP19095895A JP19095895A JPH0912796A JP H0912796 A JPH0912796 A JP H0912796A JP 19095895 A JP19095895 A JP 19095895A JP 19095895 A JP19095895 A JP 19095895A JP H0912796 A JPH0912796 A JP H0912796A
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JP
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ethylene
weight
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film
resin
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JP19095895A
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English (en)
Inventor
Nobuhiko Sato
允彦 佐藤
Hisao Sakuma
久夫 佐久間
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 低温ヒートシール性、強度に優れ、また抗ブ
ロッキング性や滑り性のバランスがよく、高速製袋性に
優れ、積層体のシーラント層として用いたとき積層基材
との接着強度が低下しないフイルムを提供する。 【構成】 (A)シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物を必須成
分として含む触媒の存在下に、エチレンと炭素数3〜2
0のα−オレフィンとを共重合させることにより得られ
る、エチレン・α−オレフィン共重合体100〜20重
量%および(B)他のエチレン系重合体80重量%を含
む樹脂100重量部に対し、(C)不飽和脂肪酸ビスア
ミド0.01〜0.2重量部および(D)融点が65〜
90℃の不飽和脂肪酸アミド0.01〜0.2重量部を
(C)+(D)の合計が0.03〜0.25重量部とな
るように配合した組成物からなるフイルムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温ヒートシール性、
ヒートシール強度等のヒートシール特性が良好で、かつ
衝撃強度に優れるフイルムに関するものであり、特に、
ガスバリアー性あるいは腰の強い積層体のシーラント層
として、例えば漬物、乳製品、レトルト食品あるいは冷
凍食品、菓子などの食品あるいは衣類などの各種包装
材、医療用薬剤や輸液容器、各種液体輸送用包材、ボト
ル、容器などに用いるに適するフイルムおよび積層体に
関する。
【0002】
【従来の技術】線状低密度ポリエチレン重合体(LLD
PE)は成形性、強度、ヒートシール特性に優れている
ため各種包装材として広く用いられている(例えば特開
昭52−135386号、特開昭61−284439号
など)。しかし、昨今においては製袋機や充填機等の高
速化に対応してより良好な口開き性(抗ブロッキング
性)や、表面の滑り性、低温ヒートシール特性等が要求
されており、これらLLDPEに各種抗ブロッキング剤
や、滑剤を添加することによってこれらの欠点を改良す
る試みがなされている。またこれらLLDPEはポリア
ミド、ポリエステル、エチレン酢酸ビニルの鹸化物など
のガス遮断性の優れた樹脂や、高密度ポリエチレンやポ
リプロピレンなどの剛性の高い樹脂と積層することによ
り、ガス遮断性が優れ、あるいは腰が強くてヒートシー
ル特性のよい積層体とすることにより、例えば食品など
の包装材や包装袋、食品容器、薬剤容器等としてさらに
広い用途に用いられることが可能である。これらの積層
体は押出ラミネーション法、ドライラミネーション法、
サンドラミネーション法、共押出Tダイ法、共押出イン
フレーション法などによって積層されている。しかし、
近年製袋の高速化に伴い、高速でのヒートシール特性に
対する要求、すなわち低温ヒートシール特性の改良が強
く望まれている。高速でヒートシールをする場合、短時
間でヒートシールされるので溶着が不十分となり強度が
不足しやすい。これを改善する方法の一つとして、ヒー
トシールバーの設定温度を高くする方法があるがこの方
法では積層した樹脂がカールしてしまうなどの問題が生
じる。また、別の方法として樹脂の密度を低くし融点を
下げる方法がある。しかし、従来のLLDPEでは密度
を低くすると高分岐度低分子量成分が増加しそれが表面
に溶出し、フイルムがべたべたし口開き性が悪化した
り、それらが内容物へ移行したりする欠点がある。特に
ドライラミネーション法等ではポリエーテル系接着剤、
ポリウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、イソシア
ネート系接着剤、ポリエチレンイミン系接着剤などのア
ンカーコート剤を用いて積層されるが、接着剤の種類に
よっては、積層後、接着剤を硬化させるため加熱処理を
行っている。この際フイルムに添加された滑剤が接着剤
層へ移行し積層体表面の口開き性や、滑り性が悪化し、
製袋や充填工程で不具合が生じる。このようなことか
ら、特にドライラミネーション法においてはLLDPE
に不飽和脂肪酸ビスアミドと融点が65℃以上、90℃
以下の不飽和脂肪酸アミドを配合することにより、特に
加熱処理による口開き性や、滑り性の悪化をきたさない
積層用フイルムを提供できることが知られている(特開
平3−172328号)が前記したLLDPEの問題点
を有し、改良が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
ら従来技術の欠点を解消することにあり、特に衝撃強
度、樹脂成分の溶出が少ないフイルム、および該フイル
ムをシーラント層とした、抗ブロッキング性や滑り性の
バランスが良く、しかも低温ヒートシール性の優れた高
速製袋性に適した積層体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を達成するために鋭意検討した結果、分子量分布および
組成分布が狭い特定の結晶性エチレン・α−オレフィン
共重合体に、特定の滑剤を添加することによって、低温
ヒートシール性、強度に優れ、また抗ブロッキング性や
滑り性のバランスがよいフイルム、あるいは高速製袋性
が優れしかも積層基材との接着強度が低下しない積層体
のシーラント層に適したフイルムを提供しうることを見
出し本発明に到った。
【0005】すなわち本発明は、第1に、(A)(イ)
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律
表第IV族の遷移金属化合物を必須成分として含む触媒
の存在下に、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィ
ンとを共重合させることにより得られる、(ロ)密度が
0.86〜0.96g/cm、(ハ)メルトフロレー
トが0.01〜100g/10分、(ニ)分子量分布M
w/Mnが1.5〜5.0、(ホ)組成分布パラメータ
ーCbが1.01〜1.2であるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体100〜20重量%、および(B)他のエ
チレン系重合体0〜80重量%を含む樹脂100重量部
に対し、(C)不飽和脂肪酸ビスアミド0.01〜0.
2重量部、(D)融点が65〜90℃の不飽和脂肪酸ア
ミド0.01〜0.2重量部を(C)+(D)の合計が
0.03〜0.25重量部となるように配合した組成物
からなることを特徴とするフイルムである。
【0006】本発明は、第2に、該フイルムからなる層
とガスバリアー性樹脂および/または結晶性ポリオレフ
ィン樹脂からなる層とを含む積層体である。
【0007】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
に用いられる(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
とは、(イ)シクロペンタニル骨格を有する配位子を含
む周期律表第IV族の遷移金属化合物と必要により助触
媒、有機アルミニウム化合物、担体とを含む触媒の存在
下にエチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンと
を共重合させることにより得られるものである。また、
上記触媒に予めエチレンおよび/または前記α−オレフ
ィンを予備重合させて得られるものを触媒に供してもよ
い。上記α−オレフィンとしては、炭素数が3〜20、
好ましくは3〜12のものであり、具体的にはプロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1などが挙
げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量は、
通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲
で選択されることが望ましい。
【0008】本発明の上記エチレン・α−オレフィン共
重合体を製造する触媒である(イ)シクロペンタジエニ
ル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金
属化合物のシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペン
タジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。
置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1〜10
の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリ
ル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シア
ノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリ
ル基等から選ばれた少なくとも1種の置換基を有する置
換シクロペンタジエニル基等である。該置換シクロペン
タジエニル基の置換基は2個以上有していてもよく、ま
た係る置換基同志が互いに結合して環を形成してもよ
い。
【0009】上記炭素数1〜10の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シク
ロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリ
ル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフイル基等のア
ラルキル基等が例示される。これらの中でもアルキル基
が好ましい。置換シクロペンタジエニル基の好適なもの
としては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシク
ロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,
3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル基、1,3
−n−プロピルメチルエチルシクロペンタジエニル基な
どが具体的に挙げられる。本発明の置換シクロペンタジ
エニル基としては、これらの中でも炭素数3以上のアル
キル基が置換したシクロペンタジエニル基が好ましく、
特に1,3−置換シクロペンタジエニル基が好ましい。
置換基同志すなわち炭化水素同志が互いに結合して1ま
たは2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエ
ニル基としては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水
素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換
インデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基
(アルキル基等)等の置換基により置換された置換ナフ
チル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等
の置換基により置換された置換フルオレニル基等が好適
なものとして挙げられる。
【0010】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の遷移金属と
しては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げら
れ、特にジルコニウムが好ましい。該遷移金属化合物
は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては
通常1〜3個を有し、また2個以上有する場合は架橋基
により互いに結合していてもよい。なお、係る架橋基と
しては炭素数1〜4のアルキレン基、アルキルシランジ
イル基、シランジイル基などが挙げられる。
【0011】周期律表第IV族の遷移金属化合物におい
てシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位
子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜2
0の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基
等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基など
が挙げられる。
【0012】これらの具体例としては以下のものがあ
る。ジアルキルメタロセンとして、ビス(シクロペンタ
ジエニル)チタニウムジメチル、ビス(シクロペンタジ
エニル)チタニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジ
エニル)ハフニウムジフェニルなどがある。モノアルキ
ルメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニル)
チタニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)チタニウムフェニルクロライド、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムメチルクロライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロラ
イドなどがある。またモノシクロペンタジエニルチタノ
センであるペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウ
ムトリクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニル
チタニウムトリクロライド)、ビス(ペンタメチルシク
ロペンタジエニル)チタニウムジフェニルなどが挙げら
れる。
【0013】置換ビス(シクロペンタジエニル)チタニ
ウム化合物としては、ビス(インデニル)チタニウムジ
フェニルまたはジクロライド、ビス(メチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライ
ド、ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルまたは
ペンタアルキルシクロペンタジエニルチタニウム化合物
としては、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス
(1,2−ジエチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジフェニルまたはジクロライドまたは他のジハライド錯
体、シリコン、アミンまたは炭素連結シクロペンタジエ
ン錯体としてはジメチルシリルジシクロペンタジエニル
チタニウムジフェニルまたはジクロライド、メチレンジ
シクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジク
ロライド、他のジハライド錯体が挙げられる。
【0014】ジルコノセン化合物としては、ペンタメチ
ルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、
ペンタエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリク
ロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジフェニル、アルキル置換シクロペンタジ
エンとしては、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、それらのハロア
ルキルまたはジハライド錯体、ジアルキル、トリアルキ
ル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタ
ジエンとしてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,2−ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、およびそ
れらのジハライド錯体、シリコン、炭素連結シクロペン
タジエン錯体としては、ジメチルシリルジシクロペンタ
ジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチ
レンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまた
はジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコ
ニウムジメチルまたはジハライドなどが挙げられる。
【0015】さらに他のメタロセンとしては、ビス(シ
クロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス
(シクロペンタジエニル)バナジウムジクロライドなど
が挙げられる。
【0016】本発明の他の周期律表第IV族の遷移金属
化合物の例として、下記一般式で示されるシクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子とそれ以外の配位子および
遷移金属原子が環を形成するものも挙げられる。
【0017】
【化1】
【0018】式中、Cpは前記シクロペンタジエニル骨
格を有する配位子、Xは水素、ハロゲン、炭素数1〜2
0のアルキル基、アリールシリル基、アリールオキシ
基、アルコキシ基、アミド基、シリルオキシ基等を表
し、Yは−O−、−S−、−NR−、−PR−またはO
R、SR、NR、PRからなる群から選ばれる2価
中性リガンド、ZはSiR、CR、SiRSiR
、CRCR、CR=CR、SiRCR、BR
、BRからなる群から選ばれる2価基を示す。ただ
し、Rは水素または炭素数1〜20のアルキル基、アリ
ール基、シリル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化
アリール基、またはY、ZまたはYとZの双方からの2
個またはそれ以上のR基は縮合環系を形成するものであ
る。Mは周期律表第IV族の遷移金属原子を表す。
【0019】式1で表される化合物の例としては、(t
−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライ
ド、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライ
ド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライ
ド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、
(エチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)メチレンタンジクロライド、(t−ブチルアミド)
ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン
チタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニ
ウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライ
ド、(フェニルホスフイド)ジメチル(テトラメチルシ
クロペンタジエニル)シランチタンジクロライドなどが
挙げられる。
【0020】本発明でいう助触媒としては、前記周期律
表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効にな
しうる、または触媒的に活性化された状態のイオン性電
荷を均衝させうるものをいう。本発明において用いられ
る助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベ
ンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アル
ミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンな
どのランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。これら
の中でもアルミノキサンが最も好ましい。
【0021】また、触媒は無機または有機化合物の担体
に担持して使用されてもよい。該担体としては無機また
は有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的にはS
iO、Al、MgO、ZrO、TiO、B
、CaO、ZnO、BaO、ThO等またはこ
れらの混合物が挙げられ、SiO−Al、Si
−V、SiO−TiO、SiO−Mg
O、SiO2−Cr等が挙げられる。
【0022】有機アルミニウム化合物としては、トリエ
チルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等の
トリアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハ
ライド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキ
ルアルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイ
ドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げら
れる。
【0023】本発明の(A)エチレン・α−オレフィン
共重合体の製造方法は、前記触媒の存在下、実質的に溶
媒の存在しない気相重合法、スラリー重合法、溶液重合
法等で製造され、実質的に酸素、水等を断った状態で、
ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族
炭化水素等に例示される不活性炭化水素溶媒の存在下ま
たは不存在下で製造される。重合条件は特に限定されな
いが、重合温度は通常15〜350℃、好ましくは20
〜200℃、さらに好ましくは50〜110℃であり、
重合圧力は低中圧法の場合通常常圧〜70kg/cm
G、好ましくは常圧〜20kg/cmGであり、高圧
法の場合通常1500kg/cmG以下が好ましい。
重合時間は低中圧法の場合通常3分〜10時間、好まし
くは5分〜5時間程度が望ましい。高圧法の場合、通常
1分〜30分、好ましくは2分〜20分程度が望まし
い。また、重合は一段重合法はもちろん、水素濃度、モ
ノマー濃度、重合圧力、重合温度、触媒等の重合条件が
互いに異なる2段階以上の多段重合法など特に限定され
るものではない。
【0024】上記触媒で得られる本発明の特定の(A)
エチレン・α−オレフィン共重合体は分子量分布と組成
分布が極めて狭いものであり、上記積層体として用いら
れると本共重合体の特性が発揮されるものである。これ
らの重合体は、従来のチーグラー型触媒やフイリップス
型触媒(総称してチーグラー型触媒という)で得られる
エチレン・α−オレフィン共重合体とは性状が異なるも
のである。すなわち、上記触媒で得られる本発明の特定
の(A)エチレン・α−オレフィン共重合体は、触媒の
活性点が均一であるため分子量分布が狭くなることと、
組成分布が狭くなるものである。このため短鎖分岐が効
率よく融点を低下させるため、密度の割には、融点が低
くなる。このためヒートシール時に樹脂が早く融解し、
低温でのヒートシール強度が強く、高速でのヒートシー
ルが可能となると考えられる。また短鎖分岐量が極めて
多い成分や低分子量成分が少ないため樹脂表面へのにじ
み出しが少なく(低溶出性)、また抗ブロッキング性も
良好であり、しかも強度も優れ、前記積層体として用い
られると本共重合体の特性が発揮されるものである。
【0025】前記の(A)エチレン・α−オレフィン共
重合体は、(ロ)密度が0.86〜0.96g/c
、好ましくは0.89〜0.95g/cm、さら
に好ましくは0.89〜0.94g/cmの範囲、
(ハ)メルトフロレートが、0.01〜100g/分、
好ましくは0.1〜50g/分、さらに好ましくは0.
5〜40g/10分の範囲である。また、分子量分布の
広さ(ニ)Mw/Mnは、1.5〜5.0、好ましくは
1.8〜4.5である。また、組成分布の広さを表す
(ホ)組成分布パラメーター(Cb)は1.01〜1.
2である必要がある。Mw/Mnが5.0を超えると衝
撃強度が低下したり、低分子量成分の表面へのにじみが
多くなったりする。またCbの値が1.2を超える場合
は、低温ヒートシール特性不良、あるいは樹脂成分の表
面へのにじみ出しを生じる等の虞がある。
【0026】本発明のエチレン・α−オレフィン共重合
体の組成分布パラメーター(Cb)の測定法は下記の通
りである。すなわち、酸化防止剤を加えたオルソジクロ
ルベンゼン(ODCB)に試料を濃度が0.2重量%と
なるように135℃で加熱溶解した後、けい藻土(セラ
イト545)を充填したカラムに移送した後、0.1℃
/min.の冷却速度で25℃まで冷却し、共重合体試
料をセライト表面に沈着する。次に、この試料が沈着さ
れているカラムにODCBを一定流量で流しながら、カ
ラム温度を5℃きざみに120℃まで段階的に昇温し行
く。すると各温度に対応した溶出成分を含んだ溶液が採
取される。この溶液にメタノールを加え、試料を沈澱
後、ろ過、乾燥し、各温度における溶出試料を得る。各
試料の、重量分率および分岐度(炭素数1000個あた
りの分岐数)を測定する。分岐度は13C−NMRに測
定し求める。
【0027】このような方法で30℃から90℃で採取
した各フラクションについては次のような、分岐度の補
正を行う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度
をプロットし、相関関係を最小自乗法で直線に近似し、
検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。
この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度と
する。なお、溶出温度95℃以上で採取したフラクショ
ンについては溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成
立しないのでこの補正は行わない。
【0028】次ぎにそれぞれのフラクションの重量分率
wiを、溶出温度5℃当たりの分岐度bの変化量(b
−bi−1)で割って相対濃度cを求め、分岐度に
対して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。こ
の組成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布
パラメーターCbを算出する。
【0029】
【数1】
【0030】ここでcとbはそれぞれj番目の区分
の相対濃度と分岐度である。組成分布パラメーターCb
は試料の組成が均一である場合に1.0となり、組成分
布が広がるに従って値が大きくなる。
【0031】なお、エチレン・α−オレフィン共重合体
の組成分布を表現する方法は多くの提案がなされてい
る。例えば特開昭60−88016号では、試料を溶剤
分別して得た各分別試料の分岐数に対して、累積重量分
率が特定の分布(対数正規分布)をすると仮定して数値
処理を行い、重量平均分岐度(Cw)と数平均分岐度
(Cn)の比を求めている。この近似計算は、試料の分
岐数と累積重量分率が対数正規分布からずれると精度が
下がり、市販のLLDPEについて測定を行うと相関係
数Rはかなり低く、値の精度は充分でない。また、こ
のCw/Cnの測定法および数値処理法は、本発明のC
bのそれと異なるが、あえて数値の比較を行えば、Cw
/Cnの値は、Cbよりかなり大きくなる。
【0032】本発明の(B)他のエチレン系重合体の好
ましいものの1つである(B1)は、従来のイオン重合
法によるチグラー型触媒によって得られるものであり、
ここでいうチーグラー型触媒は、いわゆるチーグラー触
媒やフイリップス触媒を含むものであり、その密度は
0.86〜0.96g/cmがエチレン・α−オレフ
ィン共重合体であって、具体的には中密度ポリエチレン
(MDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等が挙げら
れる。
【0033】本発明のチーグラー型触媒による中・低密
度ポリエチレン(MDPE、LLDPE)とは、密度が
0.91〜0.96g/cm、好ましくは0.91〜
0.94g/cm(LLDPE)の範囲であり、MF
Rが0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜15
g/10分の範囲で選択される。
【0034】本発明のチーグラー型触媒による超低密度
ポリエチレン(VLDPE)とは、密度が0.86〜
0.91g/cm未満、好ましくは0.88〜0.9
1g/cm、MFRは0.1〜20g/10分、好ま
しくは0.5〜15g/10分の範囲で選択される。該
超低密度ポリエチレン(VLDPE)は、線状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)とエチレン・α−オレフィン
共重合体ゴム(EPR、EPDM)との中間の性状を示
すポリエチレンを有しており、好ましくは密度0.86
〜0.91g/cm、示差走査熱量側定法(DSC)
による最大ピーク温度(T)が60℃以上、かつ、好
ましくは沸騰n−ヘキサン不溶分10重量%以上の性状
を有する特定のエチレン・α−オレフィン共重合体であ
り、少なくともチタンおよび/またはバナジウムを含有
する固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなる
触媒を用いて重合され、線状低密度ポリエチレンが示す
高結晶部分とエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムが
示す非晶部分とを合わせ持つ樹脂であって、前者の特徴
である機械的強度、耐熱性などと、後者の特徴であるゴ
ム状弾性、耐低温衝撃性などがバランスよく共存してい
る。
【0035】上記チーグラー型触媒によるエチレン・α
−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、炭素
数3〜12、好ましくは3〜10の範囲であって、具体
的にはプロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセ
ン−1等を挙げることができる。これらα−オレフィン
の含有量は40モル%以下の範囲で選択されることが好
ましい。
【0036】本発明の(B)他のエチレン系共重合体の
好ましいものである(B2)は、高圧ラジカル重合によ
る低密度ポリエチレン、エチレン・ビニルエステル共重
合体、エチレンとα、β−不飽和カルボン酸またはその
誘導体との共重合体である。
【0037】上記低密度ポリエチレン(LDPE)は、
MFRは0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜
15g/10分、さらに好ましくは1.0〜10g/1
0分である。この範囲内であれば組成物の溶融張力が適
切な範囲となりフィルム成形がし易い。また密度は0.
91〜0.94g/cm、好ましくは0.912〜
0.935g/cm、さらに好ましくは0.912〜
0.930g/cmであり、溶融張力は1.5〜25
gは、好ましくは3〜20g、さらに好ましくは3〜1
5gである。溶融張力は樹脂の弾性項目であり、上記の
範囲であればフィルム成形がし易い。また、Mw/Mn
は3.0〜10、好ましくは4.0〜8.0である。
【0038】本発明のエチレン・ビニルエステル共重合
体とは、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主
成分とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン
酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステ
アリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニル
エステル単量体との共重合体である。これらの中でも特
に好ましいものとしては、酢酸ビニル(EVA)を挙げ
ることができる。すなわち、エチレン50〜99.5重
量%、ビニルエステル0.5〜50重量%、他の共重合
可能な不飽和単量体0〜49.5重量%からなる共重合
体が好ましい。特にビニルエステル含有量は3〜20重
量%、好ましくは5〜15重量%の範囲である。これら
共重合体のMFRは、0.1〜20g/10分、好まし
くは0.3〜10g/10分であり、溶融張力は2.0
〜25g、好ましくは3〜20gである。
【0039】本発明のエチレンとα、β−不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体との共重合体の代表的な共重合体
としては、エチレン−(メタ)アクリル酸またはそのア
ルキルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノマ
ーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロ
ピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブ
チル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙
げることができる。この中でも特に好ましいものとして
(メタ)アクリル酸のメチル、エチル(EEA)等のア
ルキルエステルを挙げることができる。特に(メタ)ア
クリル酸エステル含有量は3〜20重量%、好ましくは
5〜15重量%の範囲である。これら共重合体のMFR
は、0.1〜20g/10分、好ましくは0.3〜10
g/10minである、溶融張力は2.0〜25g、好
ましくは3〜20gである。
【0040】低温ヒートシール性、衝撃強度、抗ブロッ
キング性、低溶出性等を向上させることを目的とする場
合には上記(A)特定のエチレン・α−オレフィン共重
合体単独または主成分とする組成物で形成することが好
ましい。また、これらの特性をある程度保有し、かつ加
工性、経済性を考慮した場合には(B)成分を80重量
%以下を配合することが望ましい。上記(A)成分の配
合量が20重量%未満、(B)成分の配合量が80重量
%以上であるとこれらの低温ヒートシール性、抗ブロッ
キング性等の特性が発揮されない虞を生じる。
【0041】本発明の(C)不飽和脂肪酸ビスアミドは
(D)融点が65〜90℃の不飽和脂肪酸アミドと併用
され添加される。不飽和脂肪酸ビスアミドとしてはエチ
レンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミ
ド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−
ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセ
バシン酸アミド等が例示される。これらは樹脂成分10
0重量部に対して0.01〜0.2重量部添加される。
添加量が0.01重量部未満の場合は滑り性、抗ブロッ
キング性が不良となり、0.2重量部を超えると積層基
材との接着性が不良となる。
【0042】前記(D)融点が65〜90℃の不飽和脂
肪酸アミドの融点は示差走査熱量計(DSC)にて10
℃/minで昇温して測定されるもので、エルカ酸アミ
ド、オレイン酸アミド等が挙げられ、その融点が65℃
未満のものは抗ブロッキング性が不良となり、90℃を
超えるものは滑り性の改良が不十分なものとなる。添加
量は樹脂成分100重量部に対して0.01〜0.2重
量部であり、(C)成分と(D)成分の合計した添加量
が0.03〜0.25重量部の範囲で添加される必要が
ある。(D)成分は0.01重量部未満の添加では滑り
性が不十分となり、0.2重量部を超えると積層基材と
の接着性が不十分となる。また(C)成分と(D)成分
の合計が0.03重量部未満では滑り性や抗ブロッキン
グ性が不足し、0.25重量部を超えると積層基材との
接着性が不十分となる。
【0043】本発明のフイルムは滑性、抗ブロッキング
性、低温ヒートシール性、透明性および機械的強度が強
く各種包装材、容器等に用いられ、中でもヒートシール
して用いる用途に適している。その厚みは、目的、用途
等により異なるが、3〜250μm、好ましくは5〜2
00μm、さらに好ましくは10〜180μmのもので
ある。また、積層体として用いられる場合は、このフイ
ルムに3〜250μmの基材や、さらに複数の3〜25
0μmのフイルムが積層される。
【0044】本発明のフィルムはインフレーション成形
法やTダイ成形法等によって単層フィルムとして成形し
て用いられる場合もあるが、さらに本発明の特性をいか
した多層フィルムとして用いることも可能である。例え
ば、本発明のフィルムを表面層とし、中低密度ポリエチ
レンを内層とするヒートシール特性が優れた腰の強い多
層フィルムとなり、また本発明のフィルムを表面層と
し、再生ポリエチレン樹脂を内層とするとヒートシール
特性が優れた安価な多層フィルムとなる。またさらにこ
れらを組み合わせた多層フィルム等も可能である。
【0045】本発明における積層体は上記フィルムと、
ガスバリアー性樹脂および/または結晶性ポリオレフィ
ン樹脂からなる層を含む積層体である。
【0046】本発明の積層体において用いられる基材で
あるガスバリアー性樹脂は、空気や酸素等のガス遮断性
に優れた樹脂であり、例えば6ナイロン、6,6ナイロ
ン等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、
エチレン・酢酸ビニル共重合体の鹸化物、塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート
樹脂あるいはこれらにアルミ蒸着を施したもの、また、
アルミニウム、銅等の金属箔が挙げられる。該積層体
は、食品包装用途などに用いられる。また結晶性ポリオ
レフィン樹脂とは高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン−1等の結晶性が高く剛性が大きく、こ
れらとの積層体は自立性容器や高速製袋を目的とするよ
うな腰の強さが求められる用途に用いられる。
【0047】本発明の積層体は前記のフイルムに、前記
ガスバリアー性樹脂あるいは結晶性ポリオレフィン樹脂
を積層したものを含んだものであるなら他の層の存否等
は特に制限はない。例えば前記のフイルムに結晶性ポリ
オレフィン樹脂およびガスバリアー性樹脂を積層した3
層、あるいは前記のフイルムと結晶性ポリオレフィン樹
脂の積層体の中間に柔軟性のあるポリオレフィン樹脂を
サンドイッチした3層、あるいはカールしないように等
の目的で結晶性ポリオレフィン樹脂を中間にし本発明の
フイルムでサンドイッチした3層、あるいは以下にのべ
る共押出成形時には接着用の中間層などが用いられ、そ
の際にはさらに層構成は増えることになる。
【0048】本発明のフイルムをシーラント用フイルム
として積層する場合は、押出ラミネーション法、ドライ
ラミネーション法、サンドラミネーション法、共押出T
ダイ法、共押出インフレーション法などによって積層さ
れるが、特にドライラミネーション法によるものが有効
である。また共押出Tダイ法、共押出インフレーション
法などによる場合は接着用の中間層としてLLDPEを
極性基を有するモノマー例えば無水マレイン酸でグラフ
ト変性したものやアイオノマー樹脂や、あるいは両者を
混合したものなどが用いられる。
【0049】本発明のフイルムには、本発明の目的を損
なわない範囲で、必要に応じて帯電防止剤、酸化防止
剤、滑剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、有機あるいは無
機系顔料、紫外線防止剤、分散剤などの公知の添加剤を
添加することができる。
【0050】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお行った試験法を以下に示す。
【0051】 (物性試験方法) 密度 :JIS K6760に準拠した。 メルトフローレート :JIS K6760に準拠した。
【0052】 (Tダイフィルム成形条件) 装置 :ユニオンプラスチック(株)製 押出機スクリュー径 :30mmφ Tダイ :面長300mm スクリュー回転数 :50r.p.m 押し出し量 :4.8kg/hr ダイリップギャップ :1.2mm 引取速度 :6.1〜6.3m/min 成形樹脂温度 :210〜240℃ フィルム厚み :50μm チルロール温度 :40℃ スクリーンメッシュ :80メッシュ/120メッシュ/80メッシュ コロナ放電処理 :約45dyne/cm
【0053】 (ドライラミネート加工条件) 基材 :二軸延伸ナイロンフイルム(厚み15μm) ラミ機 :(株)ラボ製 テストコーターMGC−180 アンカーコート剤 :東洋モートン(株)製 ポリエーテル系 308A /B(配合比=1:1) 貼合面 :コロナ放電処理面 エージング :積層後40℃、2日
【0054】(原紙フイルム評価法) 低温ヒートシール性 :テスター産業(株)製 ヒート
シーラーを用い、適宜選ばれた数点の温度で、圧力2k
g/cm、シール時間1秒間でヒートシールした。こ
のフイルムを試験片の幅15mmとし、剥離試験速度3
00mm/minで剥離試験を行った。この際の試験片
の剥離強度が500gとなる温度を内挿により求めた値
で表した。この温度が低い方が低温ヒートシール性に優
れたものである。 ヘイズ :スガ試験器(株)製直読ヘイズ
コンピューターHGH−2DPにてJIS K7105
に準拠した。 突き刺し衝撃強度 :東洋精機(株)製 フイルムイ
ンパクトテスターを用いて測定した。衝撃頭球面は1/
2″φとした。
【0055】(積層フイルム評価法) ブロッキング強度 :積層フイルムのシーラント面を
向かい合わせて重ね、10kg/25cmの荷重をか
けて40℃で5日間状態調節を行ったサンプルについ
て、23℃、50RHのもとで、(株)東洋精機製引張
試験機を用いて、引っ張り速度100mm/minで引
っ張った時の剪断剥離に要する力を測定した。この時の
強度が約3.5kgf/cmを超えるものは製袋時に
支障をきたす。 滑り性 :新東科学(株)製 静摩擦係数
測定機を使用して幅35mm、長さ75mm、荷重20
0grの条件下でシーラント面同志について傾斜上昇速
度1.7°/secで滑り角度θを側定しtanθで表
示した。この値の小さい程滑り性が良好であることを示
す。 接着性 :積層フイルムのシーラント面同
志を、テスター産業(株)製ヒートシーラーを用い5m
m幅のシールバーで140℃、圧力2kg/cm、シ
ール時間1秒間でヒートシールを行った。このフイルム
を15mm幅の試験片とし、引っ張り速度300mm/
minとし、引っ張り破壊強度を測定した。二軸延伸ナ
イロンフイルムの引っ張り破壊強度はポリエチレン単独
フイルムに比べて非常に大きいため、積層フイルムのヒ
ートシール部の引っ張り強度は、接着が良好であれば、
ナイロンの引っ張り特性が反映されて大きくなる。接着
が不十分であるとポリエチレンの強度しか発現しないた
め、積層フイルムのヒートシール部の引っ張り破壊強度
は低下する。積層フイルムのヒートシール部の引っ張り
破壊強度が4.5kg/15mm幅以上を接着性良好
(○)、4.5kg/15mm幅未満を接着性不良
(×)とした。
【0056】《使用樹脂》 A1:(エチレン・ブテン−1共重合体の重合) 攪拌機を付したステンレス製オートクレーブを窒素置換
し精製トルエンを入れた。次いで、ブテン−1を添加
し、更にビス1,3ジメチル(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド(Zrとして0.02mモ
ル)メチルアルモキサン[MAO](MAO/Zr=1
00[モル比]の混合溶液を加えた後、120℃に昇温
した。次ぎにエチレンを張り込み重合を開始した。エチ
レンを連続的に重合しつつ全圧を維持して1時間重合を
行った。なお、後述の実施例に必要量はこれらの重合を
繰り返し製造した。なお、得られたエチレン・ブテン−
1共重合体は、MFR:1.8g/10min、密度:
0.918g/cm、Mw/Mn:2.3、組成分布
パラメーターCb:1.05であった。
【0057】A2:(エチレン・ブテン−1共重合体の
重合) 触媒としてビスメチル(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロライド、重合温度80℃としてA1の重合
と同様の操作を行った。なお、得られたエチレン・ブテ
ン−1共重合体は、MFR:1.5g/10min、密
度:0.912g/cm、Mw/Mn:2.6、組成
分布パラメーターCb:1.04であった。
【0058】A3:(エチレン・ヘキセン−1共重合体
の重合) 触媒としてエチレンビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロライド、重合温度80℃、コモノマーをヘキセン−
1としてA1の重合と同様の操作を行った。なお、得ら
れたエチレン・ヘキセン−1共重合体は、MFR:3.
4g/10min、密度:0.912g/cm、Mw
/Mn:2.7、組成分布パラメーターCb:1.04
であった。
【0059】(他のエチレン系樹脂) B1:チーグラー触媒による線状低密度ポリエチレン 四塩化チタン、トリエチルアルミニウム触媒、コモノマ
ーとしてブテン−1を用いスラリー法により重合(密度
=0.922g/cm、MFR=2.1g/10分) B2:高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレン (密度=0.924g/cm、MFR=3.0g/1
0分、商品名:日石レクスロンF30EE 日本石油化
学(株)製)
【0060】(滑剤) EA :エルカ酸アミド(商品名:ニュートロンS、
日本精化(株)製) EBOA:エチレンビスオレイン酸アミド(商品名:ス
リパックスO、日本化成(株)製) SA :ステアリン酸アミド(商品名:ニュートロン
2、日本精化(株)製) EBSA:エチレンビスステアリン酸アミド(商品名:
スリパックスE、日本化成(株)製)
【0061】〔実施例1〕前記重合で得られた共重合体
(A1)100重量部に対してイルガノックス1076
(チバガイギー(株)製)0.24重量部、イルガフォ
ス168(チバガイギー(株)製)0.12重量部を加
え、ステアリン酸カルシウム(日本油脂(株)製)0.
1重量部、抗ブロッキング剤として天然シリカ(商品名
セライトスーパーフロス、ジョンマンビル(株)製)を
0.5重量部、滑剤としてエルカ酸アミドを0.04重
量部およびエチレンビスオレイン酸アミドを0.04重
量部を加えヘンシェルミキサーで約30秒間均一に混合
した後ペレット化し、上記の条件でTダイ成形を行い5
0μmのフイルム(原紙)を得て低温ヒートシール性、
ヘイズ、突き刺し衝撃強度を測定した。さらに、前記の
条件でナイロンのフイルムにドライラミネート加工し、
得られた積層フイルムとの接着性、滑り性、ブロッキン
グ強度を測定した。これらの結果を表1に示した。滑り
性、接着性、抗ブロッキング性、低温ヒートシール性、
透明性(ヘーズ)、突き刺し衝撃性のいずれも優れてい
た。
【0062】〔実施例2〜6〕表1に示した組成で実施
例1と同様の操作を行った。結果を併せて表1に示し
た。
【0063】〔比較例1〕樹脂成分としてチーグラー触
媒によるLLDPE(B1)を用いて実施例1と同様の
操作を行った。結果を表2に示した。低温ヒートシール
性、突き刺し衝撃強度が劣る。
【0064】〔比較例2〕実施例1と同様の樹脂成分を
用い滑剤を添加しないで同様の操作を行った。結果を表
2に示した。滑り性、抗ブロッキング性が劣る。
【0065】〔比較例3〕滑剤としてエチレンビスオレ
イン酸アミドのみを添加して実施例1と同様の操作を行
った。結果を表2に示した。滑り性、抗ブロッキング性
が劣る。
【0066】〔比較例4〕滑剤としてエルカ酸アミドの
みを添加して実施例1と同様の操作を行った。結果を表
2に示した。滑り性、抗ブロッキング性が劣る。
【0067】〔比較例5〕滑剤のエルカ酸アミドを0.
13重量部およびエチレンビスオレイン酸アミド0.1
3重量部を添加し実施例1と同様の操作を行った。結果
を表2に示した。積層基材との接着性が劣る。
【0068】〔比較例6〕滑剤のエルカ酸アミドを0.
04重量部およびエチレンビスオレイン酸アミド0.2
2重量部を添加し実施例1と同様の操作を行った。結果
を表2に示した。積層基材との接着性が不十分である。
【0069】〔比較例7〕滑剤のエルカ酸アミドを0.
22重量部およびエチレンビスオレイン酸アミド0.0
4重量部を添加し実施例1と同様の操作を行った。結果
を表2に示した。積層基材との接着性が不十分である。
【0070】〔比較例8〕滑剤としてステアリン酸アミ
ドおよびエチレンビスステアリン酸アミドをそれぞれ
0.04重量部添加し実施例1と同様の操作を行った。
結果を表2に示した。抗ブロッキング性、滑り性が不良
である。
【0071】
【発明の効果】本発明のフイルムは、衝撃強度が強く、
樹脂成分の溶出が少なく、特に低温ヒートシール特性に
優れ、且つ抗ブロッキング性や滑り性のバランスのよい
フイルムである。また該フイルムをガスバリアー性樹脂
あるいは結晶性の高い樹脂との積層体として用いる場
合、積層基材との接着強度が低下せず抗ブロッキング性
や滑性のバランスがよく、しかも低温ヒートシール性が
優れており、ガスバリアー性あるいは高速製袋性に適し
た積層体のシーラント用フイルムに適したものを提供で
きる。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(イ)シクロペンタジエニル骨格
    を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合
    物を必須成分として含む触媒の存在下に、エチレンと炭
    素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることに
    より得られる、(ロ)密度が0.86〜0.96g/c
    、(ハ)メルトフロレートが0.01〜100g/
    10分、(ニ)分子量分布Mw/Mnが1.5〜5.
    0、(ホ)組成分布パラメーターCbが1.01〜1.
    2であるエチレン・α−オレフィン共重合体100〜2
    0重量%および(B)他のエチレン系重合体0〜80重
    量%を含む樹脂100重量部に対し、 (C)不飽和脂肪酸ビスアミド0.01〜0.2重量部
    および (D)融点が65〜90℃の不飽和脂肪酸アミド0.0
    1〜0.2重量部を(C)+(D)の合計が0.03〜
    0.25重量部となるように配合した組成物からなるこ
    とを特徴とするフイルム。
  2. 【請求項2】 前記(B)他のエチレン系重合体が、下
    記のエチレン系重合体から選択された少なくとも1種で
    あることを特徴とする請求項1に記載のフイルム。 [エチレン系重合体] (B1)チグラー触媒による密度0.86〜0.96g
    /cmのエチレン・α−オレフィン共重合体 (B2)高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレン、
    エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレン・α、β
    −不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体
  3. 【請求項3】 前記請求項1または2に記載のフイルム
    からなる層とガスバリアー性樹脂および/または結晶性
    ポリオレフィン樹脂からなる層とを含む積層体。
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Cited By (5)

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