JPH08295745A - 易引裂性包装材およびその製造方法 - Google Patents

易引裂性包装材およびその製造方法

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JPH08295745A
JPH08295745A JP13250795A JP13250795A JPH08295745A JP H08295745 A JPH08295745 A JP H08295745A JP 13250795 A JP13250795 A JP 13250795A JP 13250795 A JP13250795 A JP 13250795A JP H08295745 A JPH08295745 A JP H08295745A
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JP
Japan
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olefin
film
packaging material
polymer
ethylene
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Application number
JP13250795A
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English (en)
Inventor
Hoko Takahashi
奉孝 高橋
Tetsuo Koe
徹男 向江
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直線カット性、低温ヒートシール性、シール
部の接着強度等に優れた易引裂性包装材を提供する。 【構成】 (A)(イ)シクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物を
必須成分として含む触媒の存在下にα−オレフィンを
(共)重合させることにより得られる(ロ)メルトフロ
レート0.01〜100g/10分であるα−オレフィ
ン(共)重合体100〜20重量%および(B)他のオ
レフィン系重合体0〜80重量%を含む組成物からなる
フィルムの配向された包装材であって、赤外二色比が
1.2以上である易引裂性包装材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直線カット性と低温ヒー
トシール性、シール部の接着強度等に優れ、食品、菓
子、スナック、薬品等の包装袋やカット性テープ、スタ
ンディングパウチ、チューブ等の包装材として使用され
る易引裂性包装材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】熱可塑性樹脂からなるフィルムは、食品、
薬品、工業製品等の包装材や容器として広く用いられて
いる。しかし、これらの包装材や容器を引裂する際に手
による引裂きが困難であったり、また無理に引裂こうと
すると引裂ラインが直線的にカットできず(直線カット
性)、カット線が斜めに走るという欠点を有している。
このような包装材はカット時にフィルムに無理な力が加
わると、切口から内容物が思わぬ方向に飛び出してしま
うなどの不具合が生じる。こうした問題を解決する手段
として、直鎖状低密度ポリエチレンを一軸配向し易裂性
フィルムを製造する方法(特公平5−81423号公
報、特公平5−81424号公報)、ポリプロピレンま
たは高密度ポリエチレン、およひナイロンを延伸配向し
た多層フィルムからなる洗剤用パウチ(特開平5−24
5990号公報)、ポリエステル、ナイロン、ポリプロ
ピレンのいずれかの二軸延伸フィルム層、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンの一軸延伸層、易裂性シーラント層
からなる積層フィルムからなる易裂性パウチ(実開平5
−71142号公報)等が提案されている。しかしなが
ら、上記これらの易引裂性フィルムは直線カット性にお
いていまだ満足するものではなく、かつ昨今の食品包装
等においてはこれら直線カット性の他に、単層品あるい
は積層品を製袋し、袋として使用する場合における製袋
の高速化に伴い、さらに低温ヒートシール性、シール部
の接着強度等の改良が強く望まれている。また、包装材
のシーラントフィルムとしては、エチレン・酢酸ビニル
共重合体が低温シール性、シール強度、肉盛成形性、透
明性等にすぐれるので大量に使用されているが、ホット
タック性、挟雑物シール性等に劣るので使用される用途
に限界があった。一方、線状低密度ポリエチレンはこれ
らのホットタック性、挟雑物シール性等にすぐれるばか
りでなく、耐衝撃強度、引裂強度にすぐれているために
広く用いられてきたが、融点が高く自動製袋、自動充填
包装における高速化等には十分ではなかった。そこで、
エチレン・酢酸ビニル共重合体と線状低密度ポリエチレ
ンの組成物からなるフィルムのヒートシール性の改良が
種々試みられてきた(特開昭58−120654号公
報、特開昭60−55044号公報、特開昭60−12
3544号公報)が、直線カット性と低温ヒートシール
性等を同時に満足する易引裂性包装材はいまだに見いだ
されてはいない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、直線
カット性と低温ヒートシール性、ヒートシール強度等を
同時に満足し、高速成形性等に優れる易引裂性包装材お
よびその製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討の結果、特定の触媒によって
製造されたG−オレフィン(共)重合体またはその組成
物からなるフィルムを用いることにより上記目的を達成
することを見出し本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0005】本発明は、第1に、(A)(イ)シクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV
族の遷移金属化合物を必須成分として含む触媒の存在下
にα−オレフィンを(共)重合させることにより得られ
る(ロ)メルトフロレート0.01〜100g/10分
であるα−オレフィン(共)重合体100〜20重量%
および(B)他のオレフィン系重合体0〜80重量%を
含む組成物からなるフィルムの配向された包装材であっ
て、該包装材の赤外二色比が1.2以上であることを特
徴とする易引裂性包装材である。
【0O06】本発明は、第2に、(A)(イ)シクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV
族の遷移金属化合物を必須成分として含む触媒の存在下
にα−オレフィンを(共)重合させることにより得られ
る(ロ)メルトフロレート0.01〜100g/10分
であるα−オレフィン(共)重合体100〜20重量%
および(B)他のオレフィン系重合体0〜80重量%を
含む組成物からなるフィルム層(I)と少なくとも
(C)他の熱可塑性樹脂フィルム層(II)および/ま
たは(D)バリヤー性基材層(III)からなる積層体
の少なくとも1層が配向された包装材であって、該包装
材の赤外二色比が1.2以上であることを特徴とする易
引裂性包装材である。
【0007】本発明は、第3に、(A)(イ)シクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV
族の遷移金属化合物を必須成分として含む触媒の存在下
にα−オレフィンを(共)重合させることにより得られ
る(ロ)メルトフロレート0.01〜100g/10分
であるα−オレフィン(共)重合体100〜20重量%
および(B)他のオレフィン系重合体0〜80重量%を
含む組成物からなるフィルムまたは該フィルム(I)と
少なくとも(C)他の熱可塑性樹脂フィルム(II)お
よひ/または(D)バリヤー性基材(III)からなる
積層体を構成する樹脂の最低融点以下の温度で延伸およ
び/または圧延により配向して赤外二色比を1.2以上
としたことを特徴とする易引裂性包装材の製造方法であ
る。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。第1の本発
明は、(A)(イ)シクロペンタジエニル骨格を有する
配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物を必須
成分として含む触媒の存在下にα−オレフィンを(共)
重合させることにより得られる(ロ)メルトフロレート
0.01〜100g/10分であるα−オレフィン
(共)重合体100〜20重量%および(B)オレフィ
ン系重合体80重量%までを含む組成物からなるフィル
ムを含む包装材であって、該包装材の赤外二色比が1.
2以上に配向されたものであることを特徴とする易引裂
性包装材であり、上記(A)α−オレフィン(共)重合
体は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む
周期律表第IV族の遷移金属化合物と、必要により助触
媒、有機アルミニウム化合物および/または担体とを含
む触媒の存在下にエチレン、プロピレンを単独でまたは
エチレンもしくはプロピレンと他のα−オレフィンの1
種以上とを(共)重合させることにより得られるもので
ある。上記触媒は予めエチレンおよび/または前記α−
オレフィンを予備重合させて得られるものを触媒に供し
てもよい。
【0009】該α−オレフィンとしては、炭素数が2〜
20、好ましくは2〜12のものであり、具体的にはエ
チレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン
−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデ
セン−1などが挙げられる。また、共重合体のモノマー
として使用されるこれらα−オレフィンの含有量は、通
常30モル%以下、好ましくは3〜20モル%の範囲で
選択されることが望ましい。
【0010】本発明の上記α−オレフィン(共)重合体
(A)を製造する触媒である(イ)シクロペンタジエニ
ル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金
属化合物のシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペン
タジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。
置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1〜10
の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリ
ル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シア
ノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリ
ル基等から選ばれた少なくとも1種の置換基を有する置
換シクロペンタジエニル基等である。該置換シクロペン
タジエニル基の置換基は2個以上有していてもよく、ま
た係る置換基同志が互いに結合して環を形成してもよ
い。
【0011】上記炭素数1〜10の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シク
ロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリ
ル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等のア
ラルキル基等が例示される。これらの中でもアルキル基
が好ましい。置換シクロペンタジエニル基の好適なもの
としては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシク
ロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,
3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル基、1,3
−n−プロピルメチルエチルシクロペンタジエニル基な
どが具体的に挙げられる。本発明の置換シクロペンタジ
エニル基としては、これらの中でも炭素数3以上のアル
キル基が置換したシクロペンタジエニル基が好ましく、
特に1,3−置換シクロペンタジエニル基が好ましい。
置換基同志すなわち炭化水素同志が互いに結合して1ま
たは2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエ
ニル基としては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水
素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換
インデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基
(アルキル基等)等の置換基により置換された置換ナフ
チル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等
の置換基により置換された置換フルオレニル基等が好適
なものとして挙げられる。
【0012】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の遷移金属と
しては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げら
れ、特にジルコニウムが好ましい。該遷移金属化合物
は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては
通常1〜3個を有し、また2個以上有する場合は架橋基
により互いに結合していてもよい。なお、係る架橋基と
しては炭素数1〜4のアルキレン基、アルキルシランジ
イル基、シランジイル基などが挙げられる。周期律表第
IV族の遷移金属化合物においてシクロペンタジエニル
骨格を有する配位子以外の配位子としては、代表的なも
のとして、水素、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール
基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタ
アルキル基、メタアリール基などが挙げられる。
【0013】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の具体例とし
ては以下のものがある。モノアルキルメタロセンとして
は、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルク
ロライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフ
ェニルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムフェニルクロライドなどがある。ジア
ルキルメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジフェニルなどがある。トリアルキルメ
タロセンとしては、シクロペンタジエニルチタニウムト
リメチル、シクロペンタジエニルジルコニウムトリメチ
ル、シクロペンタジエニルジルコニウムトリフェニル、
シクロペンタジエニルジルコニウムトリネオペンチル、
シクロペンタジエニルハフニウムトリメチル、シクロペ
ンタジエニルハフニウムトリフェニルなどがある。
【0014】モノシクロペンタジエニルチタノセンとし
ては、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムト
リクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジフェニルなどが挙げられる。
【0015】置換ビス(シクロペンタジエニル)チタニ
ウム化合物としては、ビス(インデニル)チタニウムジ
フェニルまたはジクロライド、ビス(メチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジフエニルまたはジハロライ
ド;ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルまたは
ペンタアルキルシクロペンタジエニルチタニウム化合物
としては、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス
(1,2−ジエチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジフェニルまたはジクロライドまたは他のジハライド錯
体;シリコン、アミンまたは炭素連結シクロペンタジエ
ン錯体としてはジメチルシリルジシクロペンタジエニル
チタニウムジフェニルまたはジクロライド、メチレンジ
シクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジク
ロライド、他のジハライド錯体が挙げられる。
【0016】ジルコノセン化合物としては、ペンタメチ
ルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、
ペンタエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリク
ロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジフェニル;アルキル置換シクロペンタジ
エンとしては、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、それらのハロア
ルキルまたはジハライド錯体;ジアルキル、トリアルキ
ル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタ
ジエンとしてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,2−ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、およびそ
れらのジハライド錯体;シリコン、炭素連結シクロペン
タジエン錯体としては、ジメチルシリルジシクロペンタ
ジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチ
レンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまた
はジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコ
ニウムジメチルまたはジハライドなどが挙げられる。
【0017】また、他の周期律表第IV族の遷移金属化
合物の例として、下記一般式で示されるシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子とそれ以外の配位子および遷
移金属原子が環を形成するものも挙げられる。
【化1】 式中、Cpは前記シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子、Xは水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル
基、アリールシリル基、アリールオキシ基、アルコキシ
基、アミド基、シリルオキシ基等を表し、Yは−O−,
−S−,−NR−,−PR−またはOR,SR,N
,PRからなる群から選ばれる2価中性リガン
ド、ZはSiR,CR,SiRSiR,CR
CR,CR=CR,SiRCR,BR,BRか
らなる群から選ばれる2価基を示す。ただし、Rは水素
または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シリ
ル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、
またはY,ZまたはYとZの双方からの2個またはそれ
以上のR基は縮合環系を形成するものである。Mは周期
律表第IV族の遷移金属原子を表す。
【0018】上記式Iの金属配位化合物としては、(t
−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタ
ジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロ
ライド、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロラ
イド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジ
エニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロラ
イド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジ
エニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、
(エチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)−メチレンタンジクロライド、(t−ブチルアミ
ド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シ
ランチタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチ
ル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコ
ニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニ
ウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル−(テト
ラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロラ
イド、(フェニルホスフィド)ジメチル−(テトラメチ
ルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライドな
どが挙げられる。
【0019】本発明の助触媒としては、前記周期律表第
IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしう
る、または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を
均衡させうるものをいい、具体的な助触媒としては、有
機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノ
キサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合
物、ホウ素化合物、酸化ランタンなどのランタノイド
塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの中でもアルミノ
キサンが最も好ましい。
【0020】上記触媒は無機または有機の担体に担持し
て使用されてもよい。該担体としては無機化合物または
有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的にはSi
,Al,MgO,ZrO,TiO,B
,CaO,ZnO,BaO,ThO等またはこれ
らの混合物が挙げられ、SiO−Al,SiO
−V,SiO−TiO,SiO−V
,SiO−MgO,SiO−Cr等が挙げ
られる。これらの中でもSiOおよびAlから
なる群から選択された少なくとも1種の成分を主成分と
するものが好ましい。また、有機担体としては、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用でき、具体的に
は、粒子状のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、
ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およ
びこれらの混合物等が挙げられる。
【0021】本発明の有機アルミニウム化合物として、
トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウ
ム等のトリアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニ
ウムハライド;アルキルアルミニウムセスキハライド;
アルキルアルミニウムジハライド;アルキルアルミニウ
ムハイドライド;有機アルミニウムアルコキサイド等が
挙げられる。
【0022】本発明のα−オレフィン(共)重合体
(A)は、前記触媒の存在下、実質的に溶媒の存在しな
い気相重合法、スラリー重合法、溶液重合法等で製造さ
れ、実質的に酸素、水等を断った状態で、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等に
例示される不活性炭化水素溶媒の存在下で製造される。
重合条件は特に限定されないが、重合温度は通常15〜
350℃、好ましくは20〜200℃、さらに好ましく
は50〜100℃であり、重合圧力は低中圧法の場合通
常常圧〜70kg/cmG、好ましくは常圧〜20k
g/cmGであり、高圧法の場合通常1500kg/
cmG以下が望ましい。重合時間は低中圧法の場合通
常3分〜10時間、好ましくは5分〜5時間程度が望ま
しい。高圧法の場合、通常1分〜30分、好ましくは2
分〜20分程度が望ましい。また、重合は一段重合法は
もちろん、水素濃度、モノマー濃度、重合圧力、重合温
度、触媒等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段
重合法など特に限定されるものではない。
【0023】上記触媒で得られる本発明の特定の(A)
α−オレフィン(共)重合体としては、エチレン、プロ
ピレン、ブテン−1単独重合体、エチレンと他のα−オ
レフィンとの共重合体、プロピレンと他のα−オレフィ
ンとの共重合体等が挙げられる。該プロピレン系重合体
としては、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオ
タクチックポリプロピレンなどが望ましい。中でも、エ
チレン重合体としては、エチレン単独重合体もしくはエ
チレン・α−オレフィン共重合体であって、密度は0.
86〜0.96g/cm、好ましくは0.88〜0.
94g/cm、さらに好ましくは0.89〜0.93
g/cmの範囲である。MFRは0.01〜100g
/10min.、好ましくは0.1〜50g/10mi
n.の範囲である。また、分子量分布パラメーター(M
w/Mn)は1.5〜5.0、好ましくは1.8〜4.
5、さらに好ましくは1.8〜3.5の範囲である。ま
た組成分布パラメーターCbは1.3〜3.0、好まし
くは1.3〜2.5、さらに好ましくは1.4〜2.0
の範囲のものが望ましい。
【0024】本発明の(A)成分として用いられるエチ
レン・α−オレフィン共重合体の組成分布パラメーター
の測定法は下記の通りである。試料に耐熱安定剤を加
え、オルソジクロルベンゼン(ODCB)に濃度0.2
重量%となるように135℃で加熱溶解する。溶液を、
けい藻土(セライト545)を充填したカラムに移送
し、0.1℃/min.で25℃まで冷却し、試料をセ
ライト表面に沈着する。次に、ODCBを一定流量で流
しながら、カラム温度を5℃きざみに120℃まで段階
的に昇温し、試料を溶出させ試料を分別する。溶液をメ
タノールで再沈後、ろ過、乾燥し、各溶出温度の試料を
得る。各試料の重量分率および分岐度(炭素数1000
個あたりの分岐数)を測定する。分岐度(測定値)は1
3C−NMRにより求める。
【0025】30℃から90℃のフラクションについて
は次のような、分岐度の補正を行う。すなわち、溶出温
度に対して測定した分岐度をプロットし、相関関係を最
小自乗法で直線に近似し、検量線を作成する。この近似
の相関係数は十分大きい。この検量線により求めた値を
各フラクションの分岐度とする。溶出温度95℃以上で
は溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成立しないの
でこの補正は行わないこととした。
【0026】次ぎにそれぞれのフラクションの重量分率
を、溶出温度5℃当たりの分岐度bの変化量(b
−bi−1)で割って相対濃度cを求め、分岐度に
対して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。こ
の組成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布
パラメーターCbを算出する。
【数1】 ここでcとbはそれぞれj番目の区分の相対濃度と
分岐度である。組成分布パラメーターCbは試料の組成
が均一である場合に1となり、組成分布が広がるに従っ
て値が大きくなる。
【0027】ポリマーの組成分布を測定する方法は多く
の提案がなされている。例えば特開昭60−88016
号公報では、試料を溶剤分別して得た各分別試料の分岐
数に対して、累積重量分率が特定の(対数正規分布)を
すると仮定して数値処理を行い、重量平均分岐度(C
w)と数平均分岐度(Cn)の比を求めている。この近
似計算は、試料の分岐数と累積重量分率が対数正規分布
からずれると精度が下がり、市販のLLDPEについて
測定を行うと相関係数Rはかなり低く、値の精度は充
分でない。また、このCw/Cnの測定法および数値処
理法は、本発明のCbのそれとは異なるが、あえて数値
の比較を行えば、Cw/Cnの値は、Cbよりかなり大
きくなる。
【0028】これらの重合体は、従来のチーグラー系触
媒やフィリップス系触媒(以下総称してチーグラー型触
媒という)で得られるこれらのα−オレフィン(共)重
合体とは性状が異なるものである。すなわち、上記触媒
で得られる本発明の重合体は触媒の活性色が均一である
ため分子量分布が狭くなることと、各分子の分岐密度が
ほぼ等しくなる。この分子構造の特性から分岐の量が多
くなるにしたがい、樹脂の結晶ラメラ厚が薄くなり、融
点が低くなる。このことが低温ヒートシール性に優れる
理由である。また、結晶ラメラ厚が薄くなるため、ラメ
ラを渡るタイ分子の数が多くなり、これがヒートシール
強度を大きくする要因と考えられる。さらに結晶サイズ
が小さく均一になるため溶融状態から冷却される際の固
化速度が早くなり、ヒートシール速度を上げることが可
能となる。
【0029】本発明の(B)成分として使用されるオレ
フィン系重合体としては、(B1)チーグラー系触媒に
よる密度が0.86〜0.97g/cmのエチレン・
α−オレフィン共重合体、(B2)高圧ラジカル重合法
によるエチレン(共)重合体、(B3)ポリプロピレン
系樹脂から選ばれた少なくとも1種のポリオレフィン重
合体が挙げられる。
【0030】該(B1)密度が0.86〜0.97g/
cmのエチレン・α−オレフィン共重合体とは、チー
グラー触媒等を用いる高中低圧法及びその他の公知の方
法によるエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンと
の共重合体で、密度が0.86〜0.91g/cm
満の超低密度ポリエチレン(以下VLDPEと称す)、
及び密度が0.91〜0.94g/cm未満の線状低
密度ポリエチレン(以下LLDPEと称す)、密度が
0.94〜0.97g/cmの中高密度ポリエチレン
(以下MDPEまたはHDPEと称す)を含む。具体的
なα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−ドデセンなどを挙げることができる。これらの
うち好ましいのは1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、とくに好まし
いのは1−ブテンである。エチレン共重合体中のα−オ
レフィン含有量は5〜40モル%であることが好まし
い。
【0031】該(B2)高圧ラジカル重合法によるエチ
レン(共)重合体とは、高圧ラジカル重合法による密度
0.91〜0.94g/cmのエチレン単独重合体、
エチレン−ビニルエステル共重合体およびエチレンと
α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合
体が挙げられる。
【0032】上記高圧ラジカル重合法による密度0.9
1〜0.94g/cmのエチレン単独重合体とは、公
知の高圧法による低密度ポリエチレン(LDPE)であ
る。
【0033】上記エチレン−ビニルエステル共重合体
は、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成分
とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエス
テル単量体および他の不飽和単量体との共重合体であ
る。これらの中でも特に好ましいものとしては、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を挙げることができ
る。すなわち、エチレン50〜99.5重量%、酢酸ビ
ニル0.5〜50重量%および他の不飽和単量体0〜2
5重量%からなる共重合体が好ましい。
【0034】上記エチレンとα,β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体との共重合体としては、エチレンと
α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体および他の
不飽和単量体との共重合体、およびそれらの金属塩、ア
ミド、イミド等が挙げられるが、好ましくは高圧ラジカ
ル重合法で製造されるエチレン−アクリル酸エチル共重
合体(EEA)等を挙げることができる。すなわち、エ
チレン50〜99.5重量%、アクリル酸エチルエステ
ル0.5〜50重量%および他の不飽和単量体0〜25
重量%からなる共重合体が好ましい。
【0035】上記他の不飽和単量体としては、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペン
テン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数3〜10の
オレフィン類、C〜Cアルカンカルボン酸のビニル
エステル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、グリシジ
ル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステ
ル類、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸およ
び無水マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸また
はその無水物類などの群から選ばれた少なくとも1種が
ある。
【0036】該(B3)ポリプロピレン系樹脂として
は、ポリプロピレン単独重合体、プロピレンを主成分と
する他のα−オレフィンとのランダム共重合体またはブ
ロック共重合体が挙げられる。上記α−オレフィン共重
合体としてはエチレン、1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン等が挙げられる。プロピレン共
重合体中のα−オレフィン含有量は3〜30モル%であ
ることが好ましい。
【0037】該オレフィン系重合体のMFRは、0.0
1〜100g/10min.、好ましくは0.1〜70
g/10min.、更に好ましくは1〜50g/10m
in.の範囲から選択される。
【0038】上記(A)成分と(B)成分は、易引裂性
包装材の性能、例えば、柔軟性、易引裂性、耐ピンホー
ル性、衝撃強度等や低温ヒートシール性、接着強度等を
コントロールするために(A)成分を100〜20重量
%、(B)成分を80重量%まで配合することができ
る。例えば、低温ヒートシール性、接着強度等を重視す
る場合には、(A)成分を主成分または唯一の樹脂成分
とすることが好ましいが、低温ヒートシール性、接着強
度をある程度保有し、かつ加工性、経済性を考慮した場
合には(B)成分を適度に配合することが望ましい。ま
た耐ピンホール性等の諸物性を改良するためには、
(B)成分として比較的低結晶性のポリオレフィン重合
体を配合するとよい。これらの各成分は、極性基等を有
するモノマーで変性して用いてもよい。上記(A)成分
の配合量が20重量%未満、(B)成分の配合量が80
重量%以上であると低温ヒートシール性、接着強度等の
特性が発揮されない虞を生じる。
【0039】本発明の易引裂性包装材の赤外二色比は、
1.2以上、好ましくは1.3〜10、さらに好ましく
は1.4〜8.0の範囲である。該赤外二色比が1.2
未満であるとMD方向(縦軸方向)とTD方向(横軸方
向)の分子配向が均衡するため直線カット性が劣るもの
となる。一方、赤外二色比が8.0を超えるとMD方向
またはTD方向の一方の分子配向が高すぎるため、裂け
易く、かつ収縮し易くなり、実用性の乏しいものとな
る。上記配向は一軸配向および/または二軸配向のいず
れでも差し支えない。
【0040】本発明の直線カット性(X)とは、図1に
示すように、幅A(50mm)、長さE(500mm)
の試料フィルム(厚さ20〜25μm)の両端からそれ
ぞれC(15mm)の位置に長さ方向にノッチをB(5
0mm)を入れ、ノッチを入れた中央部(試験スタート
時の幅Dは20mm)を試料フィルムに対して180°
逆方向(矢印で示す)に引張速度1000mm/分で引
張ってカットし、カット長がF(100mm),G(2
00mm)およびH(300mm)に達した時の上記中
央部の幅をそれぞれ測定(試料5点の平均値)し、次式
で計算したものであり、その値が0.5≦X≦1.5の
範囲にあるものを直線カット性があると定義し、0.6
≦X≦1.4の範囲にあるものを直線カット性がすぐれ
ているものとし、0.8≦X≦1.2の範囲にあるもの
を直線カット性がきわめてすぐれているものとした。 直線カット性=300mm到達時の中央幅/試験スター
ト時の幅(20mm)
【0041】第2の本発明は、(A)(イ)シクロペン
タジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族
の遷移金属化合物を必須成分として含む触媒の存在下に
α−オレフィンを(共)重合させることにより得られる
(ロ)メルトフロレート0.01〜100g/10分で
あるα−オレフィン(共)重合体100〜20重量%お
よひ(B)他のオレフィン系重合体0〜80重量%を含
む組成物からなるフィルム層(I)と少なくとも(C)
他の熱可塑性樹脂フィルム層(II)および/または
(D)バリヤー性基材層(III)からなる積層体の少
なくとも1層が配向された包装材であって、該包装材の
赤外二色比が1.2以上であることを特徴とする易引裂
性包装材である。
【0042】すなわち、上記の易引裂性包装材は、前記
特定のα−オレフィン(共)重合体100〜20重量%
および(B)他のオレフィン系重合体80重量%までを
含む組成物からなるフィルム層(I)と(C)成分の他
の熱可塑性樹脂フィルム層(II)および/またはバリ
ヤー基材(III)の少なくとも2層もしくは3層以上
の積層体からなり、これら(I),(II)および(I
II)のいずれか少なくとも1層が配向され、かつ赤外
二色比が1.2以上であればよいものである。例えば、
特定の(A)α−オレフィン(共)重合体を含む単層フ
ィルムまたは積層フィルムを配向して赤外二色比が1.
2以上にしてもよいし、高結晶性ポリオレフィン等の高
配向性樹脂フィルムを配向し赤外二色比が1.2以上に
した後にα−オレフィン(共)重合体またはその組成物
フィルムおよびバリアー基材層等を積層してもよい。ま
た、前記(I),(II)および(III)の3層構造
の積層体を形成した後に、該積層体を配向してもよい。
【0043】本発明の(C)他の熱可塑性樹脂としては
特に限定はないが、本発明の目的の1つである手切れ性
(易引裂性)等の直線カット性を満足させるためには、
高結晶性の熱可塑性樹脂を選択することが望ましい。こ
れらの樹脂としては、中密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン等の結晶
性ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
特に、配向性、カット性、経済性等の観点から中密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の
結晶性ポリオレフィンが好ましい。これらの高結晶性ポ
リオレフィンは複数混合してもよい。また、前記(B)
成分の柔軟性のある樹脂をブレンドし、ピンホール性等
の性能の付与や制御することもできる。また(B)とは
重複しても差し支えない。
【0044】本発明の(D)バリアー性基材としては、
ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン系
樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のバリ
ヤー性を有する熱可塑性樹脂またはこれらの混合物、金
属蒸着された熱可塑性樹脂、アルミ箔などの金属箔等か
ら選ばれた少なくとも1種である。これらは一部前記
(C)成分の熱可塑性樹脂と重複するものもあるが、機
能的に満足するものであれば特にこれらにこだわるもの
ではない。
【0045】該積層フィルムの製造方法としては、共押
出法、押出しラミネーション法、サンドイッチラミネー
ション法、ドライラミネーション法およびこれらの組み
合せなどの種々の公知の方法を採用することができる。
また、必要に応じて接着性樹脂、接着剤、アンカーコー
ト剤等を使用してもよい。
【0046】本発明の易引裂性包装材は、特定の(A)
α−オレフィン(共)重合体を含む単層フィルムまたは
積層フィルムを配向して赤外二色比が1.2以上にして
もよいし、高結晶性ポリオレフィン等の高配向性樹脂フ
ィルムを配向し赤外二色比が1.2以上にした後にα−
オレフィン(共)重合体またはその組成物フィルムおよ
びバリアー基材層等を積層してもよい。
【0047】本発明の易引裂性包装材の(C)結晶性熱
可塑性樹脂を使用した具体例としては、圧延(HDPE
/MLL)、圧延(HDPE)/MLL、圧延(HDP
E/MLL+LD)、圧延(HDPE/MLL+EV
A)、圧延(HDPE/MLL+EEA)、圧延(HD
PE+PP/MLL)、圧延(PP/MAnPP/ML
L)、圧延(PP)/MLL等、LL/圧延(HDPE
/MLL)、HDPE/圧延(HDPE/MLL)、O
PP/圧延(HDPE/MLL)等が挙げられる。(た
だし、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム、ML
L:本発明の(A)α−オレフィン(共)重合体フィル
ム、PP:ポリプロピレンフィルム、MAnPP:マレ
イン酸変性ポリプロピレン接着剤、OPP:二軸延伸ポ
リプロピレンフィルムを表す。また、/は積層および、
+はブレンドを表し、圧延(HDPE/MLL):HD
PEとMLLとの積層体を圧延したフィルム、圧延(H
DPE)/MLL:圧延したHDPEフィルムとMLL
フィルムとを貼合した積層体を表す。)
【0048】本発明の易引裂性包装材の(D)バリアー
性基材を使用した具体例としては、圧延(MLL/HD
PE/MAnPO/EVOH)、圧延(MLL/HDP
E/MAnPO/EVOH/MAnPO/HDPE/M
LL)、圧延(MLL/HDPE/MAnPO/PA/
MAnPO/HDPE/MLL)、圧延(MLL/HD
PE)/ドライラミ/OPP、圧延(MLL/HDP
E)/ドライラミ/OPET、圧延(MLL/HDP
E)/ドライラミ/ONY、圧延(MLL/HDPE)
/ドライラミ/A1などが挙げられる。(ただし、ML
L:本願発明のα−オレフィン(共)重合体、HDP
E:高密度ポリエチレン、MAnPO:マレイン酸変性
ポリオレフィン、EVOH:エチレン−酢酸ビニル共重
合体けん化物、PA:ポリアミド、OPP:二軸延伸P
Pフィルム、OPET:二軸延伸ポリエステルフィル
ム、ONY:二軸延伸ポリアミドフィルム、A1:Al
箔を表す。)
【0049】本発明の易引裂性包装材の厚みは、目的、
用途等により異なるが、一般的な包装材としては5〜2
50μm、好ましくは5〜200μm、更に好ましくは
10〜150μmの範囲が適当である。また、積層構造
体の場合には(A)α−オレフィン(共)重合体または
その組成物層の厚み比率は、積層フィルムの総厚みに対
して、10〜60%の範囲にあることが望ましい。
【0050】第3の本発明の易引裂性包装材の製造方法
は、(A)(イ)シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物を必須成
分として含む触媒の存在下にα−オレフィンを(共)重
合させることにより得られる(ロ)メルトフロレート
0.01〜100g/10分であるα−オレフィン
(共)重合体100〜20重量%および(B)他のオレ
フィン系重合体0〜80重量%を含む組成物からなるフ
ィルムまたは該フィルム層(I)と少なくとも(C)他
の熱可塑性樹脂フィルム層(II)および/または
(D)バリヤー性基材層(III)からなる積層体を構
成する樹脂の最低融点以下の温度で延伸および/または
圧延により配向して赤外二色比を1.2以上としたこと
を特徴とするものである。該配向の条件は該高配向性樹
脂層を構成する樹脂の内の最低融点または軟化点以下の
温度で延伸および/または圧延によって配向倍率1.2
倍以上、好ましくは2〜10倍、更に好ましくは、2〜
5倍の範囲で配向する。得られたフィルムの縦軸(M
D)方向と横軸(TD)方向の赤外二色比は、1.2以
上、好ましくは1.5〜8.0の範囲である。上記配向
は一軸配向および/または二軸配向のいずれでも差し支
えないが、好ましくは圧延および/または延伸により一
軸配向される。
【0051】上記配向により赤外二色比を1.2以上と
する具体的な方法としては、押出フィルムの成形時の溶
融樹脂をドラフト延伸する方法、成形されたフィルムの
ロール延伸法、熱板延伸法、テンター法、プーリー法等
の延伸法または圧延法で一軸配向する方法等が挙げられ
る。また、場合によりインフレーション法等の二軸配向
法でもよく、特に限定されるものではないが、これらの
内では圧延法による一軸配向方法が最も好ましい。
【0052】該圧延法とは、熱可塑性樹脂フィルムを、
その厚みより小さい間隙を有する2本の加熱ロールの間
を通過させ、厚みの減少分だけ長さを伸長する方法をい
う。本発明では、構成樹脂の最も低い樹脂の融点(軟化
点)より低い温度、好ましくは50℃までの温度範囲、
好ましくは30℃までの温度範囲で一軸圧延することが
好ましい。特に圧延法は延伸法に比べ配向むらができ
ず、直線カット性を得ることができ、高密度ポリエチレ
ン樹脂においては圧延することにより、防湿性等の性能
が飛躍的に向上する。該圧延法は等速圧延法、非等速圧
延法等が挙げられる。上記圧延時のロール表面粗度は
1.5S以下(JIS B0601−55による)、好
ましくは1.0S以下とすることが望ましいが、これら
は包装材の透明性(ヘイズ)を向上させるためにはロー
ル表面粗度は細かい方が好ましいが、ブロッキング等が
生じるため、これらを考慮して選択される。
【0053】本発明においてはその使用目的により本発
明の主旨を逸脱しない範囲において、他の熱可塑性樹
脂、合成ゴム、天然ゴム、無機または有機フィラー、酸
化防止剤、滑剤、顔料、紫外線吸収剤、架橋剤、発泡
剤、核剤等の添加剤を配合してもよい。
【0054】
【実施例】以下本発明を実施例により、具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例によって限定されるもので
はない。 [使用樹脂] (A1)メタロセン触媒によるエチレン・ブテン−1共
重合体の重合 攪拌機を付した容量3Lのステンレス製オートクレーブ
を窒素置換し1.5Lの精製トルエンを入れた。次い
で、ブテン−1を10g添加し、更にビス(n−ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(Z
rとして0.02mモル)メチルアルモキサン[MA
O](MAO/Zr=500[モル比])の混合溶液を
加えた後、80℃に昇温した。次ぎにエチレンを供給し
て、連続的に重合しつつ圧力を一定圧に維持して重合を
行った。得られたエチレン・ブテン−1共重合体の物性
は以下の通りであった。 MFR :1.9g/10分 密度 :0.9128g/cm 融点 :106℃ 分子量分布(Mw/Mn):2.1 組成分布 :1.03
【0055】(A2)<エチレン・オクテン−1共重合
体の重合> 攪拌機付ステンレス製オートクレーブを窒素置換し、所
定量の精製トルエンを入れた。次いで、オクテン−1を
添加し140℃まで加熱した。次にエチレンを所定量張
り込み、ついでトルエンに溶解した(tert−ブチル
アミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)シランジルコニウムジクロライド(Zrとして0.
02mモル)メチルアルモキサン[MAO](MAO/
Zr=500[モル比])の混合溶液を加えて重合して
ポリマーを得た。なお、得られたエチレン・オクテン−
1共重合体(A2)の物性は以下の通りであった。 MFR :2.1g/10分 密度 :0.911g/cm 融点 :102℃ 分子量分布(Mw/Mn):3.0 組成分布(Cb) :1.01
【0056】(B)オレフィン系重合体 B1:チーグラー触媒による線状低密度ポリエチレン
(LLDPE) [密度=0.925g/cm、MFR=2.0g/1
0min.、商品名:日石リニレックス、BF331
0、日本石油化学(株)製] B2:超低密度ポリエチレン(VLDPE) [密度=0.905g/cm、MFR=1.0g/1
0min.、商品名:日石ソフトレックス、D951
0、日本石油化学(株)製] B3:高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレン(L
DPE) [密度=0.924g/cm、MFR=2.0g/1
0min.、商品名:日石レクスロン、F31、日本石
油化学(株)製] B4:エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA) [VA含量:15重量%、MFR=1.5g/10mi
n.、商品名:日石レクスロン、V270、日本石油化
学(株)製] B5:エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA) [EA含量:10重量%、MFR=1.5g/10mi
n.、商品名:日石レクスロン、A2100、日本石油
化学(株)製]
【0057】(C)熱可塑性樹脂 C1:高密度ポリエチレン(HDPE) [密度=0.96g/cm、MFR=1.0g/10
min.商品名:日石スタフレン E710、日本石油
化学(株)製] C2:ポリプロピレン(PP) [密度=0.90g/cm、MFR=0.5g/10
min.商品名:日石ポリプロ E110G、日本石油
化学(株)製] C3:ランダムポリプロピレン(RPP) [密度=0.90g/cm、MFR=0.5g/10
min.商品名:日石ポリプロ F310G、日本石油
化学(株)製]
【0058】(D)バリヤー性基材 D1:エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVO
H) [エチレン含量=32モル%、ケン化度=99%、クラ
レ(株)製] D2:二軸延伸ナイロンフィルム(ONY) D3:二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP) D4:Al箔
【0059】(E)接着性樹脂:無水マレイン酸変性線
状低密度ポリエチレン(MAn−LL) [密度=0.91g/cm、MFR=0.8g/10
min.、商品名:日石Nポリマー L6033、日本
石油化学(株)製]
【0060】[試験法] (1)赤外二色比(ポリエチレンは720cm−1、ポ
リプロピレン841cm−1で測定) (2)直線カット性 50mm幅の短冊の中心から左右10mm(合計20m
m幅)を引張った時の偏りをサンプル5点を取ったとき
の平均値 (3)低温シール性 テンシロン引張試験機、300mm/分のときシール強
度が500g/15mmとなる温度 ヒートシール条件.2kg/cm (圧力)、1秒 (4)シール強度 ヒートシール条件.125℃(低温)、2kg/cm
(圧力)、1秒テンシロン引張試験機、300mm/
分のときの強度 (5)透明性 JIS K6758に準拠して測定
【0061】[実施例1,2]上記メタロセン触媒によ
るエチレン−α−オレフィン共重合体(A1)または
(A2)をインフレーションフィルム成形機を用いてフ
ィルムを成形した。インフレーションフィルム成形機
は、スクリュー径40mm、L/D=28の単軸押出機
で、押出温度200℃、ブローアップ比2.0の条件で
成形を行った。フィルムの層厚みは60μmとした。得
られたフィルムを、圧延法により圧延温度80℃で配向
倍率3倍に圧延し、厚さ20μmの圧延フィルムを作成
した。このフィルムを評価した結果を表1に示した。
【0062】[実施例3]実施例1で使用したメタロセ
ン触媒によるエチレン・ブテン−1共重合体(A1)7
0重量部と、密度=0.956g/cm、MFR=
1.0g/10min.の高密度ポリエチレン(C1)
30重量部とからなる組成物を用いた他は、実施例1と
同様に行った。フィルムの層厚みは60μmとした。得
られたフィルムを、圧延法により圧延温度80℃で配向
倍率3倍に圧延し、厚さ20μmの圧延フィルムを作成
した。このフィルムを評価した結果を表1に示した。
【0063】[実施例4]実施例1のメタロセン触媒に
よるエチレン・ブテン−1共重合体(A1)と、密度=
0.956g/cm、MFR=1.0g/10mi
n.の高密度ポリエチレン(C1)とを、スクリュー径
40mm、L/D=28の単軸押出機、2機を用いた共
押出インフレーションフィルム成形機を用いてフィルム
を成形した他は、実施例1と同様に行った。フィルムの
層厚み構成は、各層を30μm、合計60μmとした。
得られた2層フィルムを、圧延法により圧延温度80℃
で配向倍率3倍に圧延し、厚さ20μmの圧延フィルム
を作成した。このフィルムを評価した結果を表1に示し
た。
【0064】[実施例5]実施例4で用いたエチレン・
ブテン−1共重合体(A1)の代わりにエチレン・ブテ
ン−1共重合体(A1)70重量%と密度=0.925
g/cm、MFR=2.0g/10min.の線状低
密度ポリエチレン(B1)30重量%からなる組成物を
用いた他は、実施例4と同様に行った。このフィルムを
評価した結果を表1に示した。
【0065】[実施例6]実施例5で用いた線状低密度
ポリエチレン(B1)の代わりに、密度=0.905g
/cm、MFR=1.0g/10min.の超低密度
ポリエチレン(B2)を用いた他は、実施例5と同様に
行った。このフィルムを評価した結果を表1に示した。
【0066】[実施例7]実施例5で用いた線状低密度
ポリエチレン(B1)の代わりに、密度=0.924g
/cm、MFR=2.0g/10min.の高圧法低
密度ポリエチレン(B3)を用いた他は、実施例5と同
様に行った。このフィルムを評価した結果を表1に示し
た。
【0067】[実施例8]実施例5で用いた線状低密度
ポリエチレン(B1)の代わりに、VA含量=15重量
%、MFR=1.5g/10min.のエチレン−酢酸
ビニル共重合体(B4)を用いた他は、実施例5と同様
に行った。このフィルムを評価した結果を表1に示し
た。
【0068】[実施例9]実施例5で用いた線状低密度
ポリエチレン(B1)の代わりに、EA含量=10重量
%、MFR=1.5g/10min.のエチレン−アク
リル酸エチル共重合体(B5)を用いた他は、実施例5
と同様に行った。このフィルムを評価した結果を表1に
示した。
【0069】[比較例1]実施例1で用いたエチレン・
ブテン−1共重合体(A1)の代わりに密度=0.92
5g/cm、MFR=2.0g/10min.の線状
低密度ポリエチレン(B1)を用いた他は、実施例1と
同様に行った。得られたフィルムは低温シール温度、シ
ール強度いずれも不十分であった。このフィルムを評価
した結果を表1に示した。
【0070】[比較例2]実施例4と同様の方法で、内
外各層が10μm、合計20μmの未圧延フィルムを成
形した。この未圧延フィルムは直線カット性試験では、
規定のカット長に達する前に途中で破断し測定不能であ
った。このフィルムを評価した結果を表1に示した。
【0071】[比較例3]実施例3で用いたエチレン・
ブテン−1共重合体(A1)の代わりに、密度=0.9
25g/cm、MFR=2.0g/10min.の線
状低密度ポリエチレン(B1)を用いた他は、実施例1
と同様に行った。得られたフィルムは低温シール温度、
シール強度いずれも不十分であった。このフィルムを評
価した結果を表1に示した。
【0072】[実施例10]実施例4で用いた高密度ポ
リエチレン(C1)の代わりに密度=0.90g/cm
、MFR=0.5g/10min.のポリプロピレン
(C2)50重量%と密度=0.96g/cm、MF
R=1.0g/10min.の高密度ポリエチレン(C
1)50重量%からなる組成物を用いた他は、実施例4
と同様に行った。このフィルムを評価した結果を表1に
示した。
【0073】[実施例11]実施例4で用いた高密度ポ
リエチレン(C1)の代わりに密度=0.96g/cm
、MFR=1.0g/10min.の高密度ポリエチ
レン(C1)50重量%とEA含量=10重量%、MF
R=1.5g/10min.のエチレン−アクリル酸エ
チル共重合体(B5)50重量%からなる組成物を用い
た他は、実施例4と同様に行った。このフィルムを評価
した結果を表1に示した。
【0074】[実施例12]密度=0.92g/c
、MFR=0.3g/10min.の無水マレイン
酸変性線状低密度ポリエチレン(E1)を中間層とし、
密度=0.90g/cm、MFR=0.5g/10m
in.のポリプロピレン(C2)と、密度=0.911
g/cm、MFR=4.5g/10min.、Mw/
Mn=2.1のメタロセン触媒によるエチレン・ブテン
−1共重合体(A1)とを、内外層として共押出インフ
レーションフィルム成形機を用いてフィルムを成形し
た。インフレーションフィルム成形機は、スクリュー径
40mm、L/D=28の単軸押出機3基を備え、押出
温度200℃、ブローアップ比2.0の条件で成形を行
った。フィルムの層厚み構成は、各内外層を25μm、
中間層を10μm、合計60μmとした。得られた3層
フィルムを、圧延法により圧延温度80℃で配向倍率3
倍に圧延し、厚さ20μmの圧延フィルムを作成した。
このフィルムを評価した結果を表1に示した。
【0075】[実施例13]実施例12で用いたポリプ
ロピレン(C2)の代わりに、密度=0.90g/cm
、MFR=7.1g/10min.のランダムポリプ
ロピレン(C3)を用いた他は、実施例11と同様に行
った。このフィルムを評価した結果を表1に示した。
【0076】[実施例14]エチレン含量=32モル
%、ケン化度=99%のエチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物(D1)、密度=0.92g/cm、MFR
=0.3g/10min.の無水マレイン酸変性線状低
密度ポリエチレン(E1)、密度=0.96g/c
、MFR=1.0g/10min.の高密度ポリエ
チレン(C1)および密度=0.911g/cm、M
FR=4.5g/10min.、Mw/Mn=2.1の
メタロセン触媒によるエチレン・ブテン−1共重合体
(A1)を、この構成順の多層フィルムとして共押出イ
ンフレーションフィルム成形機を用いて成形した。イン
フレーションフィルム成形機は、スクリュー径40m
m、L/D=28の単軸押出機4基を備え、押出温度2
00℃、ブローアップ比2.0の条件で成形を行った。
フィルムの層厚み構成は、各層を構成順に15μm、1
0μm、15μm、20μm、合計60μmとした。得
られた4層フィルムを、圧延法により圧延温度80℃で
配向倍率3倍に圧延し、厚さ20μmの圧延フィルムを
作成した。このフィルムを評価した結果を表1に示し
た。
【0077】[比較例5]実施例10と同様の方法で、
ポリプロピレン(C2)および高密度ポリエチレン(C
1)層10μm、エチレン・ブテン−1共重合体(A
1)層10μm、合計20μmの未圧延フィルムを成形
した。この未圧延フィルムは直線カット性試験では、規
定のカット長に達する前に途中で破断し測定不能であっ
た。このフィルムを評価した結果を表1に示した。
【0078】[比較例6]実施例11と同様の方法で、
高密度ポリエチレン(C1)およびエチレン−アクリル
酸エチル共重合体(B5)層10μm、エチレン・ブテ
ン−1共重合体(A1)層10μm、合計20μmの未
圧延フィルムを成形した。この未圧延フィルムは直線カ
ット性試験では、規定のカット長に達する前に途中で破
断し測定不能であった。このフィルムを評価した結果を
表1に示した。
【0079】[比較例7]実施例14と同様の方法で、
フィルムの層厚み構成は、各層を構成順に5μm、3μ
m、5μm、7μm、合計20μmの未圧延フィルムを
成形した。この未圧延フィルムは直線カット性試験で
は、規定のカット長に達する前に途中で破断し測定不能
であった。このフィルムを評価した結果を表1に示し
た。
【0080】[実施例15]実施例4と同様の方法で、
密度=0.90g/cm、MFR=0.5g/10m
in.のポリプロピレン(C2)50重量%と密度=
0.96g/cm、MFR=1.0g/10min.
の高密度ポリエチレン(C1)50重量%からなる組成
物を用いて厚み60μmのフィルムを成形し、圧延法に
より圧延温度120℃で配向倍率3倍に圧延し、厚さ2
0μmの圧延フィルムを作成した。この圧延フィルムに
対し、密度=0.911g/cm、MFR=4.5g
/10min.、Mw/Mn=2.1のメタロセン触媒
によるエチレン・ブテン−1共重合体(A1)50重量
%および密度=0.924g/cm、MFR=2.0
g/10min.の高圧ラジカル重合による低密度ポリ
エチレン(B3)50重量%からなる組成物を押出ラミ
ネーション法により厚み10μmの層を積層して2層フ
ィルムを作成した。このフィルムを評価した結果を表2
に示した。
【0081】[実施例16]実施例4と同様の方法で、
密度=0.90g/cm、MFR=0.5g/10m
in.のポリプロピレン(C2)を用いて厚み60μm
のフィルムを成形し、圧延法により圧延温度120℃で
配向倍率3倍に圧延し、厚さ20μmの圧延フィルムを
作成した。一方、密度=0.911g/cm、MFR
=4.5g/10min.、Mw/Mn=2.1のメタ
ロセン触媒によるエチレン・ブテン−1共重合体(A
1)を用いて厚み20μmの未圧延フィルムを成形し、
ドライラミネーション法により両フィルムを積層して2
層フィルムを作成した。このフィルムを評価した結果を
表2に示した。
【0082】[実施例17]厚み20μmの二軸延伸ポ
リプロピレンフィルム(OPP)(D3)と、実施例3
で作成した厚み20μmの圧延フィルムをドライラミネ
ーション法により積層して2層フィルムを作成した。こ
のフィルムを評価した結果を表2に示した。
【0083】[実施例18]実施例17で用いた二軸延
伸ポリプロピレンフィルム(OPP)(D3)の代わり
に、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ON
Y)(D2)を用いた他は実施例17と同様に行った。
このフィルムを評価した結果を表2に示した。
【0084】[実施例19]実施例17で用いた二軸延
伸ポリプロピレンフィルム(OPP)(D3)の代わり
に、厚み7μmのAl箔(D4)を用いた他は実施例1
7と同様に行った。このフィルムを評価した結果を表2
に示した。
【0085】[実施例20]実施例17で用いた二軸延
伸ポリプロピレンフィルム(OPP)(D3)の代わり
に、厚み30μmの未配向高密度ポリエチレンフィルム
(C1)を用いた他は実施例17と同様に行った。この
フィルムを評価した結果を表2に示した。
【0086】[実施例21]実施例17で用いた二軸延
伸ポリプロピレンフィルム(OPP)(D3)の代わり
に、厚み30μmの未配向線状低密度ポリエチレンフィ
ルム(B1)を用いた他は実施例17と同様に行った。
このフィルムを評価した結果を表2に示した。
【0087】[比較例8]実施例3で作成した厚み20
μmの圧延フィルムの代わりに、厚み20μmのエチレ
ン・ブテン−1共重合体(A1)を用いた未圧延フィル
ムを用いた他は実施例16と同様に行った。得られたフ
ィルムは直線カット性試験では、規定のカット長に達す
る前に途中で破断し測定不能であった。このフィルムを
評価した結果を表2に示した。
【0088】[比較例9]実施例3で作成した厚み20
μmの圧延フィルムの代わりに、厚み20μmのエチレ
ン・ブテン−1共重合体(A1)を用いた未圧延フィル
ムを用いた他は実施例18と同様に行った。得られたフ
ィルムは直線カット性試験では、規定のカット長に達す
る前に途中で破断し測定不能であった。このフィルムを
評価した結果を表2に示した。
【0089】[比較例10]実施例3で作成した厚み2
0μmの圧延フィルムの代わりに、厚み20μmのエチ
レン・ブテン−1共重合体(A1)を用いた未圧延フィ
ルムを用いた他は実施例19と同様に行った。得られた
フィルムは直線カット性試験では、規定のカット長に達
する前に途中で破断し測定不能であった。このフィルム
を評価した結果を表2に示した。
【0090】
【発明の効果】本発明の易引裂性包装材は、特定のα−
オレフィン(共)重合体もしくは特定のα−オレフィン
(共)重合体および高結晶性ポリオレフィンからなるフ
ィルム、または該フィルムとOPP,ONY,Al箔等
のバリアー基材層とを含む積層フィルムを延伸または圧
延して配向し、フィルムまたは積層フィルムの赤外二色
比を1.2以上とすることによって易引裂性を有し、透
明性に優れ、直線カット性と低温シール性、シール強度
等の両者を同時に満足し、かつバリアー性を有する易引
裂性包装材である。これらの易引裂性包装材は食品、薬
品等の包装袋、カット性テープ、スタンディングパウ
チ、チューブ等として好適に使用できる。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】直線カット性の試験法を説明する概略図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 23:00 B29L 7:00 9:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(イ)シクロペンタジエニル骨格
    を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合
    物を必須成分として含む触媒の存在下にα−オレフィン
    を(共)重合させることにより得られる(ロ)メルトフ
    ロレート0.01〜100g/10分であるα−オレフ
    ィン(共)重合体100〜20重量%および(B)他の
    オレフィン系重合体0〜80重量%を含む組成物からな
    るフイルムの配向された包装材であって、該包装材の赤
    外二色比が1.2以上であることを特徴とする易引裂性
    包装材。
  2. 【請求項2】 (A)(イ)シクロペンタジエニル骨格
    を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合
    物を必須成分として含む触媒の存在下にα−オレフィン
    を(共)重合させることにより得られる(ロ)メルトフ
    ロレート0.01〜100g/10分であるα−オレフ
    ィン(共)重合体100〜20重量%および(B)他の
    オレフィン系重合体0〜80重量%を含む組成物からな
    るフィルム層(I)と少なくとも(C)他の熱可塑性樹
    脂フィルム層(II)および/または(D)バリヤー性
    基材層(III)からなる積層体の少なくとも1層が配
    向された包装材であって、該包装材の赤外二色比が1.
    2以上であることを特徴とする易引裂性包装材。
  3. 【請求項3】 前記(A)α−オレフィン(共)重合体
    が、密度0.86〜0.96g/cmのエチレン単独
    重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体である
    請求項1または2に記載の易引裂性包装材。
  4. 【請求項4】 前記(B)他のオレフィン系重合体が、
    下記のエチレン(共)重合体から選択された少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の易引裂性包装材。 [エチレン系重合体] (B1)チーグラー型触媒による密度0.86〜0.9
    7g/cm未満のエチレン(共)重合体 (B2)高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレン、
    エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレン・α,B
    −不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体
  5. 【請求項5】 前記(C)他の熱可塑性樹脂が、高結晶
    性ポリオレフィンを主成分とする高配向性樹脂(II)
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の易引裂性包装材。
  6. 【請求項6】 前記易引裂性包装材の直線カット性
    (X)が、0.5≦X≦1.5の範囲にあることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の易引裂性包
    装材。
  7. 【請求項7】 (A)(イ)シクロペンタジエニル骨格
    を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合
    物を必須成分として含む触媒の存在下にα−オレフィン
    を(共)重合させることにより得られる(ロ)メルトフ
    ロレート0.01〜100g/10分であるα−オレフ
    ィン(共)重合体100〜20重量%およひ(B)他の
    オレフィン系重合体0〜80重量%を含む組成物からな
    るフィルムまたは該フィルム層(I)と少なくとも
    (C)他の熱可塑性樹脂フィルム層(II)および/ま
    たは(D)バリヤー性基材層(III)からなる積層体
    を構成する樹脂の最低融点以下の温度で延伸および/ま
    たは圧延により配向して赤外二色比を1.2以上とした
    ことを特徴とする易引裂性包装材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記延伸および/または圧延による配向
    倍率が、1.1〜10倍であることを特徴とする請求項
    7に記載の易引裂性包装材の製造方法。
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