JP2002105253A - 重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物 - Google Patents

重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物

Info

Publication number
JP2002105253A
JP2002105253A JP2000299592A JP2000299592A JP2002105253A JP 2002105253 A JP2002105253 A JP 2002105253A JP 2000299592 A JP2000299592 A JP 2000299592A JP 2000299592 A JP2000299592 A JP 2000299592A JP 2002105253 A JP2002105253 A JP 2002105253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
olefin
group
molecular weight
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000299592A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Yahiro
修二 八尋
Masahide Miyake
正秀 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2000299592A priority Critical patent/JP2002105253A/ja
Publication of JP2002105253A publication Critical patent/JP2002105253A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重包装袋の腰、衝撃強度、シール特性及び成
形性のバランスに優れた重包装袋用ポリエチレン樹脂組
成物であり、フィルムの薄肉化等にも対応できる組成物
を提供すること。 【解決手段】 (1)下記(A)〜(D)を満たすエチ
レンとα−オレフィンの共重合体100重量部 (A)190℃における2.16kg荷重でのメルトイ
ンデックスが0.3〜3.0(g/10分)、(B)密
度が0.915〜0.935g/cm3、(C)昇温溶
出分別法において溶出分別量が最大になる溶出温度より
も3℃低温度で溶出される成分の分子量ピーク値Ml、
及び5℃高温度で溶出される成分の分子量ピーク値Mh
の比が Ml/Mh≧1.2、(D)ゲルパメーション
クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布が
3.5から5.0、および(2)メルトテンションが1
0g以上の高圧法低密度ポリエチレン3〜30重量部と
からなる重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重包装袋用ポリエチ
レン樹脂組成物に関する。さらに詳しくは重包装袋の
腰、衝撃強度、シール特性及び成形性のバランスに優れ
た重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在ポリエチレンはTダイ法、インフレ
ーション法などによりフィルム成形され、種々の用途に
用いられている。フィルム用ポリエチレンとしてはチー
グラー触媒を用い製造される直鎖状低密度ポリエチレ
ン、又最近はメタロセン触媒を用い製造されるポリエチ
レンが広く使用されている。従来より広範囲に使用され
てきたチーグラー触媒を用いて製造される直鎖状低密度
ポリエチレンは、エチレンとαーオレフィンとの共重合
性が悪い。このような原料から成形された重包装袋は袋
の衝撃強度及びシール強度が不足しており、かなりの袋
の厚みを厚く設定しないと十分な要求を満たすことが困
難である。一方メタロセン触媒を用いて製造されたポリ
エチレンを用いた場合には分子量分布が狭すぎて、特に
フィルムのバブルの安定性が悪いという問題点がある。
この成形性を改良する為に、メタロセン触媒を用い製造
されるポリエチレンに高圧法低密度ポリエチレンが添加
されている。
【0003】このメタロセン触媒を用いて製造されるポ
リエチレンと高圧法低密度ポリエチレンの樹脂組成物と
しては特開平6−65442号、特開平10−3658
1号、特開10−259210号、特開平8−4125
3号、特開10−195255号、特開平10−120
837号等が開示されている。しかしながら得られたポ
リエチレン樹脂組成物はかなりの衝撃強度は維持できる
が、重包装袋のシール部の伸びが、かなり低く落袋した
場合に容易にシール部より破れるという問題が発生す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
解決するものであり、(1)特定のポリエチレンと
(2)高圧法低密度ポリエチレンとからなる重包装袋用
ポリエチレン樹脂組成物を提供するものである。本発明
のポリエチレン樹脂組成物から得られる重包装袋は機械
強度に優れ、その成形性においても優れたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、特定のポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレン
とからなる樹脂組成物が優れた重包装袋特性を有し、且
つその成形性に優れたものであることを見出した。すな
わち本発明は、(1)下記(A)〜(D)を満たすエチ
レンとα−オレフィンの共重合体100重量部 (A)190℃における2.16kg荷重でのメルトイ
ンデックスが0.3〜3.0(g/10分)、(B)密
度が0.915〜0.935g/cm3、(C)昇温溶
出分別法において溶出分別量が最大になる溶出温度より
も3℃低温度で溶出される成分の分子量ピーク値Ml、
及び5℃高温度で溶出される成分の分子量ピーク値Mh
の比が Ml/Mh≧1.2、(D)ゲルパメーション
クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布が
3.5から5.0、および(2)メルトテンションが1
0g以上の高圧法低密度ポリエチレン3〜30重量部と
からなる重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物、に関す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で用いる特定のエチレン重合体は、エチレンと炭素
原子数が3〜20のα−オレフィンの共重合体、好まし
くは4〜20のα−オレフィンとの共重合体である。炭
素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルブテン−1、ヘ
キセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、
デセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オ
クタデセン−1、エイコセン−1などが使用できる。さ
らに、ビニルシクロヘキサンあるいはスチレンおよびそ
の誘導体などのビニル化合物も使用できる。特にブテン
−1、ヘキセン−1、オクテン−1が好ましく、更に好
ましくはヘキセン−1、オクテン−1である。又必要に
応じて1、5−ヘキサジエン、1、7−オクタジエンな
どの非共役ポリエンを少量含有する3元ランダム重合体
であってもよい。
【0007】本発明で用いる特定のエチレン重合体の1
90℃における2.16kg荷重でのメルトインデック
スは0.3〜3.0g/10分、好ましくは0.4〜
2.5g/10分、さらに好ましくは0.5〜1.5g
/10分の範囲である。メルトインデックスが0.3g
/10分未満の場合は、フィルム成形においてメルトフ
ラクチャーが発生する。一方3.0g/10分を越える
場合、得られた重包装袋の衝撃強度が低下する。
【0008】上記α−オレフィンの挿入量は特定のエチ
レン重合体の密度が0.915〜0.935g/cm3
以上、好ましくは0.920〜0.930g/cm3
範囲となる量である。ここでの密度はメルトインデッ
クス測定時に得られるストランドを、100℃で1時間
熱処理し、さらに室温で1時間放冷した後に、密度勾配
管で測定したものである。密度が0.915g/cm3
未満の場合、充填工程で重包装袋の腰が不足するし、
0.935g/cm3を超える場合は、袋の衝撃強度が
著しく低下する。
【0009】又本発明で用いる特定のエチレン重合体
は、従来のメタロセン触媒を用いて製造されるポリエチ
レンと比べて幾分広い分子量分布を有しており、特にそ
の高分子成分ほどα−オレフィンを多く含有した分子間
共重合性を有している。このような特異的なα−オレフ
ィンの分子間分布は、重包装袋のシール部の強度および
伸びを著しく改良する。一方従来のメタロセン触媒を用
いて製造されるポリエチレンの場合には、高分子成分か
ら低分子成分にかけて、均一にα−オレフィンが挿入さ
れており、チーグラー触媒を用いて製造されるポリエチ
レンよりも重包装袋の機械強度は向上しているものの、
この場合重包装袋のシール部の強度及び伸び特性に大き
く影響を与える高分子成分で、且つα−オレフィンを多
く含有するポリエチレン成分量が不足している。
【0010】エチレン共重合体中でのα−オレフィンの
分子間挿入分布は、昇温溶出分別法とゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーとを組み合わせた装置により確
認する。昇温分別法では、ガラスビーズ上のポリエチレ
ンを昇温しなが溶媒で溶出分別し、次に各溶出温度で分
別されたフラクションをゲルパーミエーションクロマト
グラフィーで溶出されたポリエチレンの分子量を測定す
る。低温度で溶出される成分ほど、α−オレフィンの含
有量が多いものであり、且つ低温で溶出された成分の分
子量が大きい場合、ポリエチレン中のα−オレフィンが
より高分子成分に多く含有されている分子間分布であ
る。
【0011】すなわち昇温溶出分別法において溶出分別
量が最大になる溶出温度よりも3℃低温度で溶出される
成分の分子量ピーク値Ml、及び5℃高温度で溶出され
る成分の分子量ピーク値Mhの比を求める。低温度で溶
出される成分ほど、α−オレフィンの含有量が多い成分
である。本発明の特定のエチレン重合体は、Ml/Mh
≧1.2、好ましくは1.5以上、更に好ましくは1.
8以上である。一方この測定法で従来のポリエチレンを
評価した場合、従来のメタロセン触媒を用いて製造され
るエチレン共重合体の場合は Ml/Mhが0.9〜
1.1であり、チーグラー触媒を用いた場合はMl/M
hの値は0.9以下となる。又本発明で用いる特定のエ
チレン重合体の分子量分布は3.5〜5.0の狭い範囲
であり、好ましくは3.5〜4.5である。分子量分布
が3.5未満の場合、フィルム成形時にメルトフラクチ
ャーが発生するし、重包装袋シール部の伸びが低下す
る。又分子量分布が5.0を超える場合は、重包装袋の
衝撃強度が低下する。
【0012】次に(A)〜(D)の特性を有する特定の
エチレンとα−オレフィン共重合体の製造方法について
述べる。本発明で用いるエチレン共重合体は、例えば
(ア)担体物質、(イ)有機アルミニウム化合物、
(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化
合物、及び(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有す
る遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を
形成可能な活性化剤から調整された担持触媒を用いて、
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合
して得られる。特に(ウ)の環状η結合性アニオン配位
子を有する遷移金属化合物の遷移金属はチタニウムが好
ましい。
【0013】担体物質(ア)としては、有機担体、無機
担体のいずれであってもよい。有機担体としては、好ま
しくは(1)炭素数2〜10のα−オレフィンの(共)
重合体、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合
体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体、(2)芳香族不飽和炭化水素
重合体、例えば、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体および(3)極性基含有重合体、例え
ば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリアクリルニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート等が挙げられる。
【0014】無機担体としては、(4)無機酸化物、例
えば、SiO2、Al22 、MgO、TiO2 、B2
3 、CaO、ZnO、BaO、ThO、SiO2−M
gO、SiO2 −Al23 、SiO2 −MgO、S
iO2 −V25等、(5)無機ハロゲン化合物、例え
ば、MgCl2 、AlCl3 、MnCl2等、(6)
無機の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、例えば、Na2CO
3 、K2CO3 、CaCO3、MgCO3、Al2(SO
43 、BaSO4 、KNO3 、Mg(NO32等、
(7)水酸化物、例えば、Mg(OH)2 、Al(O
H)3 、Ca(OH) 2等が例示される。最も好ましい
担体物質はシリカである。
【0015】担体の粒子径は任意であるが一般的には1
〜3000μm、好ましくは5〜2000μm、さらに
好ましくは10〜1000μmの範囲である。上記担体
物質は必要に応じて(イ)有機アルミニウム化合物で処
理される。好ましい有機アルミニウム化合物の例として
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウムなどのアルキルアルミニウム;、ジエチルアルミ
ニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノク
ロリド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチル
アルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムハイド
ライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの
アルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニ
ウムエトキシド、ジメチルアルミニュウトリメチルシロ
キシド、ジメチルアルミニウムフェノキシドなどのアル
ミニウムアルコキシド、メチルアルモキサン、エチルア
ルミキサン、イソブチルアルミキサン、メチルイソブチ
ルアルモキサンなどのアルモキサン等が挙げられる。こ
れらのうちでトリアルキルアルミニウム、アルミニウム
アルコキシドなどが好ましい。最も好ましくはトリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウムである。
【0016】本発明の担持触媒は、(ウ)環状η結合性
アニオン配位子を有する遷移金属化合物(本発明に於い
て、以下単に「遷移金属化合物」と称することがある)
を含む。本発明の遷移金属化合物は、例えば以下の一般
式(1)で表すことができる。
【0017】
【化1】
【0018】式中Mは1つ以上の配位子Lとη5結合を
している酸化数+2、+3又は+4の長周期型周期律表
第4族遷移金属であり、特に遷移金属としてはチタニウ
ムが好ましい。また、Lは環状η結合性アニオン配位子
であり、各々独立に、シクロペンタジエニル基、インデ
ニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、
テトラヒドロフルオレニル基、またはオクタヒドロフル
オレニル基であり、これらの基は20個までの非水素原
子を含む炭化水素基、ハロゲン、ハロゲン置換炭化水素
基、アミノヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ
基、ジヒドロカルビルアミノ基、ヒドロカルビルフォス
フィノ基、シリル基、アミノシリル基、ヒドロカルビル
オキシシリル基及びハロシリル基から各々独立に選ばれ
る1乃至8の置換基を任意に有していてもよく、さらに
は2つのLが20個までの非水素原子を含むヒドロカル
バジイル、ハロヒドロカルバジイル、ヒドロカルビレン
オキシ、ヒドロカルビレンアミノ、シラジイル、ハロシ
ラジイル、アミノシラン等の2価の置換基により結合さ
れていてもよい。
【0019】Xは各々独立に、60までの非水素性原子
を有する、1価のアニオン性σ結合型配位子、Mと2価
で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子、又はM及
びLに各々1価ずつの価数で結合する2価のアニオン性
σ結合型配位子である。X’は各々独立に、炭素数4乃
至40からなる、フォスフィン、エーテル、アミン、オ
レフィン、及び/又は共役ジエンから選ばれる中性ルイ
ス塩基配位性化合物である。
【0020】また、lは1又は2の整数である。pは
0、1又は2の整数であり、Xが1価のアニオン性σ結
合型配位子、またはM及びLに各々1価ずつの価数で結
合する2価のアニオン性σ結合型配位子である時、pは
Mの形式酸化数よりl以上少なく、またXがMと2価で
結合する2価のアニオン性σ結合型配位子である時、p
はMの形式酸化数よりl+1以上少ない。またqは0、
1または2である。遷移金属化合物としては、上記一般
式(1)でl=1の場合が好ましい。例えば、遷移金属
化合物の好適な例は、以下の一般式(2)で表される。
【0021】
【化2】
【0022】式中Mは形式酸化数+2、+3または+4
のチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、チタ
ニウムが好ましい。また、R3は各々独立に、水素、炭
化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲ
ン、またはこれらの複合基であり、各々20までの非水
素原子を有することができ、また近接するR3同士が相
俟ってヒドロカルバジイル、シラジイルまたはゲルマジ
イル等の2価の誘導体を形成して環状となっていてもよ
い。
【0023】X”は各々独立にハロゲン、炭化水素基、
ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビルアミノ基、ま
たはシリル基であり、各々20までの非水素原子を有し
ており、また2つのX”が炭素数5乃至30の中性の共
役ジエン若しくは2価の誘導体を形成してもよい。Yは
−O−、−S−、−NR*−、−PR*−であり、ZはS
iR*2、CR*2、SiR*2SiR*2、CR*2CR*2、C
R*=CR*、CR*2SiR*2またはGeR*2であり、こ
こでR*は各々独立に炭素数1乃至12のアルキル基ま
たはアリール基である。また、nは1乃至3の整数であ
る。さらに、遷移金属化合物としてより好適な例は、以
下の一般式(3)及び(4)で表される。
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】式中R3は各々独立に、水素、炭化水素
基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン、また
はこれらの複合基であり、各々20までの非水素原子を
有することができる。また、Mは、チタニウム、ジルコ
ニウムまたはハフニウムであり、チタニウムが好まし
い。Z、Y、X及びX'は前出の定義と同じである。p
は0、1または2であり、またqは0または1である。
【0027】但し、pが2でqが0の時、Mの酸化数は
+4であり、且つXはハロゲン、炭化水素基、ヒドロカ
ルビルオキシ基、ジヒドロカルビルアミド基、ジヒドロ
カルビルフォスフィド基、ヒドロカルビルスルフィド
基、シリル基またはこれらの複合基あり、20までの非
水素原子を有している。また、pが1でqが0の時、M
の酸化数が+3であり、且つXがアリル基、2−(N,
N−ジメチルアミノメチル)フェニル基、または2−
(N,N−ジメチル)−アミノベンジル基から選ばれる
安定化アニオン配位子であるか、若しくはMの酸化数が
+4であり且つXが2価の共役ジエンの誘導体である
か、あるいはMとXが共にメタロシクロペンテン基を形
成している。
【0028】また、pが0でqが1の時、Mの酸化数は
+2であり、且つX’は中性の共役あるいは非共役ジエ
ンであって任意に1つ以上の炭化水素基で置換されてい
てもよく、また該X’は40までの炭素原子を含み得、
Mとπ型錯体を形成している。さらに、本発明におい
て、遷移金属化合物として最も好適な例は、以下の一般
式(5)及び(6)で表される。
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】式中R3は各々独立に、水素または炭素数
1乃至6のアルキル基である。また、Mはチタニウムで
あり、Yは−O−、−S−、−NR*−、−PR*−であ
り、ZはSiR*2、CR*2、SiR*2SiR*2、CR*2
CR*2、CR*=CR*、CR*2SiR*2またはGeR*2
であり、ここでR*は各々独立に水素、或いは、炭化水
素基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロゲン化
アルキル基、ハロゲン化アリール基またはこれらの複合
基であり、該R*は20までの非水素原子を有すること
ができ、また必要に応じてZ中の2つのR*どうし、ま
たはZ中のR*とY中のR*とが相俟って環状となってい
てもよい。
【0032】pは0、1または2であり、qは0または
1である。但し、pが2でqが0の時、Mの酸化数は+
4であり、且つXは各々独立にメチル基またはベンジル
基である。また、pが1、qが0の時、Mの酸化数が+
3、であり且つXが2−(N,N−ジメチル)アミノベ
ンジルであるか、あるいはMの酸化数が+4であり、且
つXが2−ブテン−1,4−ジイルである。また、pが
0でqが1の時、Mの酸化数は+2であり且つX’は
1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3
−ペンタジエンである。前記ジエン類は金属錯体を形成
する非対称ジエン類を例示したものであり、実際には各
幾何異性体の混合物である。
【0033】また、本発明のメタロセン系触媒は、
(エ)遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯
体を形成可能な活性化剤(本発明において以下単に「活
性化剤」と称することがある)を含む。通常、メタロセ
ン系触媒に於いては、遷移金属化合物と上記活性化剤に
より形成される錯体が、触媒活性種として高いオレフィ
ン重合活性を示す。本発明において、活性化剤として
は、例えば以下の一般式(7)で定義される化合物が挙
げられる。
【0034】
【化7】
【0035】但し、式中[L−H]d+はプロトン付与性
のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基であ
る。また、式中[Mmpd-は相溶性の非配位性アニオ
ンであり、Mは周期律表第5族乃至第15族から選ばれ
る金属又はメタロイドであり、Qは各々独立にヒドリ
ド、ジアルキルアミド基、ハライド、アルコキサイド
基、アリロキサイド基、炭化水素基、炭素数20までの
置換炭化水素基であり、またハライドであるQは1個以
下である。
【0036】また、mは1乃至7の整数であり、pは2
乃至14の整数であり、dは1乃至7の整数であり、p
−m=dである。本発明で、活性化剤のより好ましい例
は以下の一般式(8)で定義される化合物である。
【0037】
【化8】
【0038】但し、式中[L−H]+はプロトン付与性
のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基であ
る。また、式中[Mmn(Gq(T−H)rzd-は相
溶性の非配位性アニオンであり、Mは周期律表第5族乃
至第15族から選ばれる金属又はメタロイドであり、Q
は各々独立にヒドリド、ジアルキルアミド基、ハライ
ド、アルコキサイド基、アリロキサイド基、炭化水素
基、炭素数20までの置換炭化水素基であり、またハラ
イドであるQは1個以下である。
【0039】また、GはM及びTと結合するr+1の価
数を持つ多価炭化水素基であり、TはO、S、NR、又
はPRであり、ここでRはヒドロカルビル、トリヒドロ
カルビルシリル基、トリヒドロカルビルゲルマニウム
基、若しくは水素である。また、mは1乃至7の整数で
あり、nは0乃至7の整数であり、qは0又は1の整数
であり、rは1乃至3の整数であり、zは1乃至8の整
数であり、dは1乃至7の整数であり、n+z−m=d
である。活性化剤のさらに好ましい例は、以下の一般式
(9)で表される。
【0040】
【化9】
【0041】但し、式中[L−H]+はプロトン付与性
のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基であ
る。また、式中[BQ3Q]-は相溶性の非配位性アニオ
ンであり、Bは硼素元素を表し、Qはペンタフルオロフ
ェニル基であり、Qは置換基としてOH基を1つ有する
炭素数6乃至20の置換アリール基である。
【0042】本発明の相溶性の非配位性アニオンの具体
例としては、例えば、トリフェニル(ヒドロキシフェニ
ル)ボレート、ジフェニル−ジ(ヒドロキシフェニル)
ボレート、トリフェニル(2,4−ジヒドロキシフェニ
ル)ボレート、トリ(p−トリル)(ヒドロキシフェニ
ル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ヒ
ドロキシフェニル)ボレート、トリス(2,4−ジメチ
ルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス
(3,5−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)
ボレート、トリス(3,5−ジ−トリフルオリメチルフ
ェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペ
ンタフルオロフェニル)(2−ヒドロキシエチル)ボレ
ート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロ
キシブチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)ボレート、ト
リス(ペンタフルオロフェニル)(4−(4´−ヒドロ
キシフェニル)フェニル)ボレート、トリス(ペンタフ
ルオロフェニル)(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)ボ
レート等が挙げられ、最も好ましくはトリス(ペンタフ
ルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレートが挙
げられる。
【0043】他の好ましい相溶性の非配位性アニオンの
例としては、上記例示のボレートのヒドロキシ基がNH
R基で置き換えられたボレートが挙げられる。ここで、
Rは好ましくは、メチル基、エチル基またはtert−
ブチル基である。また、プロトン付与性のブレンステッ
ド酸の具体例としては、例えば、トリエチルアンモニウ
ム、トリプロピルアンモニウム、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリブチルアン
モニウム及びトリ(n−オクチル)アンモニウム、ジエ
チルメチルアンモニウム、ジブチルメチルアンモニウ
ム、ジブチルエチルアンモニウム、ジヘキシルメチルア
ンモニウム、ジオクチルメチルアンモニウム、ジデシル
メチルアンモニウム、ジドデシルメチルアンモニウム、
ジテトラデシルメチルアンモニウム、ジヘキサデシルメ
チルアンモニウム、ジオクタデシルメチルアンモニウ
ム、ジイコシルメチルアンモニウム、ビス(水素化タロ
ウアルキル)メチルアンモニウム等のようなトリアルキ
ル基置換型アンモニウムカチオンが挙げられ、また、
N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニ
リニウム、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニ
ウム、N,N−ジメチルベンジルアニリニウム等のよう
なN,N−ジアルキルアニリニウムカチオンも好適であ
る。
【0044】さらに、ジ−(i−プロピル)アンモニウ
ム、ジシクロヘキシルアンモニウム等のようなジアルキ
ルアンモニウムカチオンも好適であり、トリフェニルフ
ォスフォニウム、トリ(メチルフェニル)フォスフォニ
ウム、トリ(ジメチルフェニル)フォスフォニウム等の
ようなトリアリールフォスフォニウムカチオン、或いは
ジメチルスルフォニウム、ジエチルフルフォニウムまた
はジフェニルスルフォニウム等も好適であり、さらには
トリフェニルカルボニウムイオン、ジフェニルカルボニ
ウムイオン、シクロヘプタトリニウム、インデニウム等
も好適である。また本発明において活性化剤として次の
式(10)で表されるユニットを有する有機金属オキシ
化合物も用いることができる。
【0045】
【化10】
【0046】ただし、M2は周期律表第13族乃至第1
5族の金属またはメタロイドであり、Rは各々独立に炭
素数1乃至12の炭化水素基又は置換炭化水素基であ
り、nは金属M2の価数であり、mは2以上の整数であ
る。本発明の活性化剤の好ましい例は、例えば次式(1
1)で示されるユニットを含む有機アルミニウムオキシ
化合物である。
【0047】
【化11】
【0048】但し、Rは炭素数1乃至8のアルキル基で
あり、mは2乃至60の整数である。本発明の活性化剤
の最も好ましい例は、例えば次式(12)で示されるユ
ニットを含むメチルアルモキサンである。
【0049】
【化12】
【0050】但し、mは2乃至60の整数である。本発
明で用いる触媒は、成分(ア)担体物質に成分(イ)有
機アルミニウム化合物、成分(ウ)環状η結合性アニオ
ン配位子を有する遷移金属化合物及び成分(エ)該環状
η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応
して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤を担
持させることにより得られるが、成分(イ)から成分
(エ)を担持させる方法は任意であるが一般的には成分
(イ)、成分(ウ)及び成分(エ)をそれぞれが溶解可
能な不活性溶媒中に溶解させ、成分(ア)と混合した
後、溶媒を留去する方法、また成分(イ)、成分(ウ)
及び成分(エ)を不活性溶媒に溶解後、固体が析出しな
い範囲でないで、これを濃縮して、次の濃縮液の全量を
粒子内に保持できる量の成分(ア)を加える方法、成分
(ア)に成分(イ)および成分(エ)をまず担持させ、
ついで成分(ウ)を担持させる方法、成分(ア)に成分
(イ)及び成分(エ)および成分(ウ)を逐次に担持さ
せる方法等が例示される。本発明の成分(ウ)および成
分(エ)は一般的には液体又は固体である。
【0051】本発明では成分(イ)、(ウ)、(エ)
は、担持の際、不活性溶媒に希釈して使用する場合があ
る。この目的に使用する不活性溶媒としては、例えば、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;
シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタ
ン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素;及びエチルクロライド、クロルベ
ンゼン、ジクロルメタン等のハロゲン化炭化水素或いは
これらの混合物等を挙げることができる。かかる不活性
炭化水素溶媒は、乾燥剤、吸着剤などを用いて、水、酸
素、硫黄分等の不純物を除去して用いることが望まし
い。
【0052】成分(ア)1グラムに対し、成分(イ)は
Al原子換算で1×10-5から1×10-1モル、好まし
くは1×10-4モルから5×10-2モル、成分(ウ)は
1×10-7モルから1×10-3モル好ましくは5×10
-7モルから5×10-4モル、成分(エ)は1×10-7
ルから1×10-3モル、好ましくは5×10-7モルから
5×10-4モルの範囲である。各成分の使用量、及び担
持方法は活性、経済性、パウダー特性、および反応器内
のスケール等により決定される。得られた担持触媒は、
担体に担持されていない有機アルミニウム化合物、ボレ
ート化合物、チタン化合物を除去することを目的に、不
活性炭化水素溶媒を用いでデカンテーション或いは濾過
等の方法により洗浄することもできる。
【0053】上記一連の溶解、接触、洗浄等の操作は、
その単位操作毎に選択される−30℃以上150℃以下
範囲の温度で行うことが推奨される。そのような温度の
より好ましい範囲は、0℃以上100℃以下である。担
持触媒を得る一連の操作は、乾燥した不活性雰囲気下で
行うことが好ましい。本発明で用いる担持触媒は、不活
性炭化水素溶媒中に分散したスラリー状態で保存するこ
とも、或いは乾燥して固体状態で保存することもでき
る。
【0054】エチレンとα−オレフィンとの共重合体の
重合は、スラリー重合法、気相重合法の重合方法を用い
ることが好ましい。 本発明に於いて重合を行う場合、
一般的には重合圧力は0.1〜10MPa、好ましくは0.3〜
2MPaが好適であり、重合温度は20℃乃至115℃、
好ましくは50℃乃至90℃が好適である。本発明の目
的を達成するためには、スラリー重合法が特に好適であ
る。本発明でスラリー重合法を用いる場合、温度の上限
は、実質的にスラリー状態を維持し得る温度が上限であ
り、この値を越える場合は、エチレンとα−オレフィン
共重合体の分子量分布が3未満、且つ Ml/Mhが
1.2未満となり、シール強度および伸びが低下する。
【0055】スラリー重合法に用いる溶媒としては、本
発明で先に記載した不活性炭化水素溶媒が好適であり、
特に、イソブタン、イソペンタン、ヘプタン、ヘキサ
ン、オクタン等が好適である。本発明で用いることがで
きるコモノマーは、次の一般式で表されるα−オレフィ
ンである。 H2C=CHR2 (式中、R2 は炭素数1〜18のアルキル基または炭素
数6〜20のアリール基であり、アルキル基は直鎖状、
分岐状または環状である。)
【0056】このようなコモノマーとしては、例えば、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デ
セン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデ
セン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ビニルシク
ロヘキサン、及びスチレンよりなる群から選ばれ、炭素
数3〜20の環状オレフィンが、例えば、シクロペンテ
ン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−
ノルボルネン、テトラシクロドデセン、及び2−メチル
−1.4,5.8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレンよりなる群から
選ばれ、炭素数4〜20の直鎖状、分岐状または環状ジ
エンが、例えば、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタ
ジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、及びシクロヘキサジエンよりなる群から選ばれる。
本発明に於いては、特に、プロピレン、1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テ
トラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1
−エイコセン等が好適である。
【0057】また、本発明で用いる担持触媒はそれのみ
でエチレンとα−オレフィンの重合が可能であるが、溶
媒や反応系の被毒の防止のため、付加成分として有機ア
ルミニウム化合物を共存させて使用することも可能であ
る。好ましい有機アルミニウム化合物の例としては、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアル
ミニウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロ
ライド、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアル
ミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイ
ドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、ジ
エチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニュウ
トリメチルシロキシド、ジメチルアルミニウムフェノキ
シド、等のアルミニウムアルコキシド、メチルアルモキ
サン、エチルアルミキサン、イソブチルアルミキサン、
メチルイソブチルアルモキサンなどのアルモキサンなど
が挙げられる。これらのうちでトリアルキルアルミニウ
ム、アルミニウムアルコキシドなどが好ましい。最も好
ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、トリイソブチルアルミニウムである。
【0058】本発明においては(1)特定のエチレン重
合体に(2)特定の高圧法低密度ポリエチレンが添加さ
れる。特定の高圧法低密度ポリエチレンは、メルトテン
ションが10g以上好ましくは15g以上が好ましい。
メルトテンションが10g未満の場合には、フィルム成
形で十分なバブルの安定性が維持できない。又(2)高
圧法低密度ポリエチレンの添加量は(1)特定のエチレ
ン重合体100重量部に対して3〜30重量部、好まし
くは5〜20重量部である。30重量部を超える場合
は、重包装袋の機械強度が低下するし、3重量部未満の
場合は、フィルムのバブルが安定しない。
【0059】本発明のポリエチレン樹脂組成物は、すで
に公知のフェノール系安定剤、有機フォスファイト系安
定剤、は有機チオエーテル系安定剤、高級脂肪酸の金属
などの安定剤、顔料、耐候剤、染料、核剤、ステアリン
酸カルシウム等の潤滑材、カーボンブラック、タルク、
ガラス繊維等の無機充填材あるいは補強材、難燃剤、中
性子遮断剤等のポリオレフィンに添加される配合剤を本
発明の目的をそこなわない範囲で添加することができ
る。
【0060】以下に実施例などを用いて本発明を更に具
体的に説明するがこれらは本発明の範囲を限定するもの
ではない。 (1)メルトインデックス(MI);ASTMDー12
38に従い、190℃、荷重2.16Kgで測定した値
である。 (2)分子量分布;測定に用いた測定装置はWater
s社製150ーC,ALC/GPC、カラムとしてはS
hodex社製AT−807Sと東ソー社製TSK−g
elGMHーH6を直列にして用い、溶媒に10ppm
のイルガノックス1010(商品名)を含むトリクロロ
ベンゼンをもちいて、140℃で測定した。尚標準物質
として市販の単分散のポリスチレンを用い、検量線を作
成した。 (3)密度:メルトインデックス測定時に得られるスト
ランドを、100℃で1時間熱処理し、さらに室温で1
時間放冷した後に、密度勾配管で測定したものである。
【0061】(4)α−オレフィンの分子間挿入分布:
昇温分別法とゲルパーミエイション法とを組み合わせた
装置を用いて昇温温度−溶出分別量―溶出分別成分の分
子量の相関を評価した。溶出分別量が最大になる溶出温
度よりも3℃低温度で溶出される成分の分子量ピーク値
Ml、及び5℃高温度で溶出される成分の分子量ピーク
値Mhの比を求める。この値が大きいほど、高分子成分
にα−オレフィンが多く挿入されている。 1)装置 ; ダイヤインストルメンツ(株)社製CFC T−150A型 2)移動相 ; ジクロルベンゼン、1.0ml/分 3)昇温分別法 カラム充填物 ; ガラスビーズ 試料溶液注入量 ; 5ml カラム昇温速度 ; 1℃/分 4)GPC カラム ; 昭和電工(株)製 AD806MSを3本直列 で使用 カラム温度;140℃ 5)検出器 Nicolet(株)社製 マグナIRスペクトルメーター 5 50型
【0062】(5)メルトテンション: 東洋精機
(株)製 キャピログラフICを用いて、190℃、押
出し速度10mm/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ
8mmの条件でおこなった。 (6)成形性 CBCテツク(株)社製 デルサー50φ、ダイ径10
0mm、リツプクリアランス3mm、成形温度200
℃、BUR1.3、引き取り速度10m/分で成形し、
フィルム折幅190mm、フィルム120μmのフィル
ムを製膜した。この際にフィルムの成形性を評価した。 1)バブル安定性: ダイ出口から固化するライン(フ
ロストライン)までのポリエチレンが溶融している部分
のゆれを目視で評価した。 2)メルトフラクチャー: フィルムの表面の肌あれ状
態を目視で評価した。
【0063】(7)物性評価 2%弾性率 :JISK7127に準拠してMDとTD
の平均値で評価した。 ダートインパクト試験:JISK7124に準拠して評
価した。 (8)シール特性 120μmのフィルムを160℃でシールし評価し、シ
ール部分の強度および伸び特性を評価した。
【0064】エチレンとα−オレフィンとの重合体の調
整: (1)本発明で使用されるエチレンとα−オレフィンと
の重合体の製法 6.2g(8.8mmol)のトリエチルアンモニウム
トリス(ペンタフルオロフェニール)(4−ヒドロキシ
フェニール)ボレートを4lのトルエンに加え、90
℃、30分間攪拌した。次にこの溶液に1mol/lの
トリヘキシルアルミニウムのトルエン溶液40mlを加
え90℃で1分間攪拌した。一方、シリカPー10(日
本、富士シリシア社製:商品名)を500℃で3時間窒
素気流で処理し、その処理後のシリカを1.7lのトル
エン中に入れ攪拌した。このシリカスラリー溶液に上記
トリエチルアンモニウムトリス(ペンタフルオロフェニ
ール)(4−ヒドロキシフェニール)ボレートとトリヘ
キシルアルミニウムのトルエン溶液を加え3時間、90
℃で攪拌した。
【0065】次に1mol/lのトリヘキシルアルミニ
ウムのトルエン溶液206mlを加え、さらに90℃で
1時間攪拌した。その後上澄み液を90℃のトルエンを
用いてデカンテーションを5回行い過剰のトリヘキシル
アルミニウムを除いた。0.218mol/lの濃い紫
色のチタニウム(N−1,1−ジメチルエチル)ジメチ
ル(1−(1,2,3,4,5,−eta)−2,3,
4,5−テトラメチル−2,4−シクロペンタジエン−
1−イル)シラナミナート)((2−)N)−(η4
1,3−ペンタジエン)のISOPARTME(米国、E
xxon化学社製)溶液20mlを上記混合物に加え、
3時間攪拌し、緑色の担持触媒を得た。得られた担持触
媒を用いて、溶媒としてヘキサン、モノマーとしてエチ
レン及びヘキセンー1、連鎖移動剤として水素を用い
て、反応温度を75℃、、全圧が0.8Mpaでエチレン
ーα−オレフィンエチレン共重合体を調整した。表1の
実施例1〜3、比較例1〜5に上記製法により得られた
エチレンとα−オレフィンとの共重合体の物性を示す。
【0066】(2)チーグラー触媒によるエチレンとα
−オレフィンとの重合体の製法 すでに周知の塩化マグネシュム6水和物、2−エチルヘ
キサノール、4塩化チタンから調整されたチーグラー触
媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとの重合体を調
整した。表1の比較例6に上記製法により得られたエチ
レンとα−オレフィンとの共重合体の物性をしめす。
【0067】(3)ジルコノセン触媒によるエチレン共
重合体 充分に窒素乾燥された200mlのフラスコにシリカ
(富士デブイソン社製Grande952:商品名)4
g、トルエン40mlを入れ、−40℃まで冷却した。
メチルアルモキサンのトルエン溶液(東ソーアクゾ社製
MMAO−3:商品名)30mlを加え1時間反応さ
せ、その後0℃で1時間、さらに80℃で3時間反応を
行い、反応終了後20℃まで冷却し、メチルアルモキサ
ンを担持したシリカの担体をえた。
【0068】次にビス(n−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニュムジクロリドのトルエン溶液2.5ml
/lをジルコニウム換算で1μmol、およびトリイソ
ブチルアルミニュム(1.0mol/l)0.12mmo
lを加え、触媒を合成した。得られた触媒を用いてエチ
レンとα−オレフィンとの重合体を調整した。表1の比
較例7に上記製法により得られたエチレンとα−オレフ
ィンとの共重合体の物性を示す。
【0069】
【実施例1〜3】得られたポリエチレン樹脂組成物は優
れた重包装袋特性を示し、成形性においても問題ないも
のであった。
【0070】
【比較例1〜7】比較例1においてはエチレンとα−オ
レフィン重合体のメルトフローインデックスが高いため
に、フィルムの特性が満足できるものではない。比較例
2においてはエチレンとα−オレフィン重合体のメルト
フローインデックスが低いために、成形時にメルトフラ
クチャーが発生した。比較例3においてはエチレンとα
−オレフィン重合体の密度が高いのでフィルムの衝撃特
性が低下する。比較例4においてはエチレンとα−オレ
フィン重合体の密度が低いのでフィルムの腰が低下す
る。比較例5においては高圧法ポリエチレンのメルトテ
ンションは低く、フィルム成形時のバブルが安定してい
ない。比較例6においては分子間の共重合性が悪く、フ
イルム特性は満足のいくものでは無い。比較例7におい
ては、高分子成分でα−オレフィンの挿入量の多い成分
が不足しており、シール部の伸びが不充分である。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】本発明は、重包装袋用ポリエチレン樹脂
組成物に関する。さらに詳しくは重包装袋の腰、衝撃強
度、シール特性及び成形性のバランスに優れた重包装袋
用ポリエチレン樹脂組成物であり、フィルムの薄肉化等
にも対応できる組成物である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB032 BB051 BB052 GG02 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC09A AC10A AC27A AC28A BA00A BA02B BB00A BB01B BC12B BC15B BC16B BC19B BC20B BC24B BC25B BC27B CA14C CA15C CA18C CA22C CA24C CA25C CA27C CA28C CA29C CA49C EB02 EB03 GA05 GA06 GA08 GA26 4J128 AA01 AB00 AB01 AC01 AC09 AC10 AC27 AC28 AD00 BA00A BA02B BB00A BB01B BC12B BC15B BC16B BC19B BC20B BC24B BC25B BC27B CA14C CA15C CA18C CA22C CA24C CA25C CA27C CA28C CA29C CA49C EB02 EB03 GA05 GA06 GA08 GA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)下記(A)〜(D)を満たすエチ
    レンとα−オレフィンの共重合体100重量部 (A)190℃における2.16kg荷重でのメルトイ
    ンデックスが0.3〜3.0(g/10分)、(B)密
    度が0.915〜0.935g/cm3、(C)昇温溶
    出分別法において溶出分別量が最大になる溶出温度より
    も3℃低温度で溶出される成分の分子量ピーク値Ml、
    及び5℃高温度で溶出される成分の分子量ピーク値Mh
    の比が Ml/Mh≧1.2、(D)ゲルパメーション
    クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布が
    3.5から5.0、および(2)メルトテンションが1
    0g以上の高圧法低密度ポリエチレン3〜30重量部と
    からなる重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (1)エチレンとα−オレフィンの共重
    合体が、(ア)担体物質、(イ)有機アルミニウム化合
    物、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金
    属化合物、及び(エ)該環状η結合性アニオン配位子を
    有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯
    体を形成可能な活性化剤から調整された担持触媒を用い
    て得られたエチレンとα−オレフィンとの共重合体であ
    ることを特徴とする請求項1記載の重包装袋用ポリエチ
    レン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 担持触媒成分中の、(ウ)環状η結合性
    アニオン配位子を有する遷移金属化合物の遷移金属が、
    チタニウムであることを特徴とする請求項2記載の重包
    装袋用ポリエチレン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (1)エチレンとα−オレフィンの共重
    合体の(D)分子量分布が、3.5〜4.5であること
    を特徴とすると請求項1、2、3記載の重包装袋用ポリ
    エチレン樹脂組成物。
JP2000299592A 2000-09-29 2000-09-29 重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物 Pending JP2002105253A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000299592A JP2002105253A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000299592A JP2002105253A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002105253A true JP2002105253A (ja) 2002-04-10

Family

ID=18781375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000299592A Pending JP2002105253A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002105253A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006265387A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Tosoh Corp ポリエチレン系樹脂組成物およびそれよりなるフィルム
JP2008285604A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリマーブレンド系ポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体
JP2010116437A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体
JP2012144730A (ja) * 2012-02-23 2012-08-02 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリマーブレンド系ポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08295745A (ja) * 1995-04-24 1996-11-12 Nippon Petrochem Co Ltd 易引裂性包装材およびその製造方法
JPH09278953A (ja) * 1996-04-12 1997-10-28 Nippon Petrochem Co Ltd 押出ラミネート成形用樹脂組成物
JPH1036581A (ja) * 1996-04-30 1998-02-10 Ube Ind Ltd 重包装袋用ポリエチレン組成物
JPH10509200A (ja) * 1994-11-14 1998-09-08 ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー 高いドローダウンと実質的に低下したネックインを示す押出し加工用組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10509200A (ja) * 1994-11-14 1998-09-08 ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー 高いドローダウンと実質的に低下したネックインを示す押出し加工用組成物
JPH08295745A (ja) * 1995-04-24 1996-11-12 Nippon Petrochem Co Ltd 易引裂性包装材およびその製造方法
JPH09278953A (ja) * 1996-04-12 1997-10-28 Nippon Petrochem Co Ltd 押出ラミネート成形用樹脂組成物
JPH1036581A (ja) * 1996-04-30 1998-02-10 Ube Ind Ltd 重包装袋用ポリエチレン組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006265387A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Tosoh Corp ポリエチレン系樹脂組成物およびそれよりなるフィルム
JP2008285604A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリマーブレンド系ポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体
JP2010116437A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体
JP2012144730A (ja) * 2012-02-23 2012-08-02 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリマーブレンド系ポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2986547B2 (ja) エチレン共重合
US5869575A (en) Ethylene interpolymerizations
US6448341B1 (en) Ethylene interpolymer blend compositions
US7153909B2 (en) High density ethylene homopolymers and blend compositions
AU775512B2 (en) Multiple catalyst system
US6534612B1 (en) Elastic substantially linear ethylene polymers
EP0898586B1 (en) Process for preparing copolymers and blend compositions containing the same
EP1198484B1 (en) High density ethylene homopolymers and blend compositions
US6136937A (en) Elastic substantially linear ethylene polymers
JP5414971B2 (ja) エチレン系樹脂組成物によるフィルム
US5763547A (en) Supported catalyst complexes for olefin in polymerization
JP2008231433A (ja) 高溶融強度ポリマーおよびその製造方法
EP3885374A1 (en) Catalyst for olefin polymerization, and olefin-based polymer produced using same
JP2012229355A (ja) 成形性、長期特性に優れた、ボトルキャップに適したポリエチレン樹脂組成物およびボトルキャップ
WO2000014129A1 (en) Long chain branched ethylene homopolymer made by a slurry process and blends thereof
JP2002105253A (ja) 重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物
JP4439642B2 (ja) 変性エチレン重合体
JPH1160633A (ja) エチレンの重合体
JPH1160635A (ja) エチレン重合体
JP2017061654A (ja) ポリエチレン樹脂組成物並びにそれよりなるインフレーションフィルムおよび重量物包装用フィルム
JPH1160634A (ja) 拘束された非晶部を有するエチレン重合体
AU4810701A (en) Process for preparing copolymers and blend compositions containing the same
MXPA00001590A (en) Films produced from substantially linear homogeneous olefin polymer compositions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070824

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100715

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20100727

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101207