JP2010116437A - ポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体 - Google Patents

ポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体 Download PDF

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Abstract

【課題】押出し加工性がよく、また柔軟性を改良し、特に耐久安定性に優れたポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体を提供すること
【解決手段】下記(a−1)〜(a−4)の要件を満たす線状系ポリエチレン(A)95〜5質量%と、下記(b−1)〜(b−2)の要件を満たす分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)5〜95質量%と、を含むポリエチレン系樹脂組成物であって、
(ポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸び)≧〔(線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸び)×x/100+(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸び)×(100−x)〕×90/100
(xは、95〜5であり、前記線状系ポリエチレン(A)の組成量を示す。)
の式を満たす、ポリエチレン系樹脂組成物。
(a−1)エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体である。
(a−2)密度が925〜975kg/mである。
(a−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である。
(a−4)ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定において、Mw/Mnが3〜7である。
(Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量であり、Mw/Mnは分子量分布である。)
(b−1)密度が910〜930kg/mである。
(b−2)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体に関するものである。
従来、ポリエチレンは各種の成型体の樹脂材料として使われており、成型方法と成型体における用途に応じて、樹脂材料であるポリエチレンに要求される物性が異なる。
ポリエチレンの押出し成型法などは溶融時の粘度が適度に高いため、肉厚分布がよく偏肉性も少なく、成型加工が容易である。また、ポリエチレンを樹脂材料として得られる成型体はクリープ特性、衝撃特性、可とう性に優れており、幅広い用途に使用されている。
ポリエチレンの成型体の中でも、ポリエチレンパイプ類は、軽量で、取り扱いが容易であり、そして、非腐食性である。加えて、ポリエチレンパイプ類は、剛性が比較的高いため地下に敷設可能であり、また柔軟性も比較的高いため土地の変動に追従可能で地震に強い。これらの優れた特性のため、近年ではガスまたは水道水配管のライフラインとしてポリエチレンパイプ類の使用量が益々増加している。
上述の優れた特性に加えて、ポリエチレンパイプ類の物性として、設置時および設置後に与えられる衝撃に充分耐えられる耐衝撃性、ならびに気圧または水圧下での優れた長期耐久性が要求される。
水道水配管用ポリエチレンパイプ類としては、要求耐圧が高いため、剛性に優れる高密度ポリエチレン(HDPE)材料が使用されている。
しかしながら、高密度ポリエチレン(HDPE)は柔軟性が不足しており、また可とう性が低いため、ポリエチレンパイプ類の敷設・施工に際しての取り扱いを容易にする観点で、高密度ポリエチレン(HDPE)には、さらなる柔軟性が求められている。
ポリエチレンパイプ類の柔軟化には、ベース樹脂となる高密度ポリエチレン(HDPE)の平均密度を下げることで達成できることが一般に知られている。
特許文献1には、中低圧法ポリエチレン(HDPE)をベース樹脂として高圧法ポリエチレン(LDPE)をポリマーブレンドした架橋ポリエチレンパイプに関する技術が開示されている。
非特許文献1には、高密度ポリエチレン(HDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)のブレンド系は非相溶であり、両者の結晶状態が相分離することが開示されている。
また、高密度ポリエチレン(HDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)のブレンド系において、包装用フィルム(特許文献2)、シュリンクフィルム(特許文献3、特許文献4)、押出しコーテイング(特許文献5)に適用された例が開示されている。
特公昭63−58090号公報 特開平10−53225号公報 特開昭61−3728号公報 特開2004−51831号公報 特表2007−502881号公報 L.A.UTRACKI著、西 敏夫訳、「ポリマーアロイとポリマーブレンド」、東京化学同人、第1版、1991年12月6日、p.75
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、非特許文献1に開示されているように、高密度ポリエチレン(HDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)のブレンド系は非相溶であり、両者の結晶状態が相分離することから長期耐久性能が懸念される。
また、特許文献2−5に開示された技術を、剛性や長期耐久性能を必要とする構造体、押出し加工成型品に適用する例は見当たらない。
本発明が解決しようとする課題は、押出し加工性がよく、また柔軟性を改良し、特に耐久安定性に優れたポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体を提供することにある。
上記事情を鑑みて、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、それぞれ特定の物性を有する線状系ポリエチレン(A)と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)とを含むポリエチレン系樹脂組成物とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体を提供する。
(1)
下記(a−1)〜(a−4)の要件を満たす線状系ポリエチレン(A)95〜5質量%と、下記(b−1)〜(b−2)の要件を満たす分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)5〜95質量%と、を含むポリエチレン系樹脂組成物であって、
(ポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸び)≧〔(線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸び)×x/100+(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸び)×(100−x)〕×90/100
(xは、95〜5であり、前記線状系ポリエチレン(A)の組成量を示す。)
の式を満たす、ポリエチレン系樹脂組成物。
(a−1)エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体である。
(a−2)密度が925〜975kg/mである。
(a−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である。
(a−4)ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定において、Mw/Mnが3〜7である。
(Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量であり、Mw/Mnは分子量分布である。)
(b−1)密度が910〜930kg/mである。
(b−2)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である。
(2)
前記(A)が、(ア)担体物質、(イ)有機アルミニウム、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物、および(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤から調製されたメタロセン担持触媒[I]と、液体助触媒成分[II]を用いて重合される、(1)に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
(3)
前記(A)がエチレンと、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンからなる群より選ばれる少なくとも一種のα−オレフィンと、からなる共重合体である、(1)または(2)に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
(4)
密度が920〜970kg/m、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜30g/10分である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
(5)
(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリエチレン系樹脂組成物から得られる成型体。
(6)
シート、パイプ、チューブ、またはホースである(5)に記載の成型体。
(7)
給水用パイプまたはガス輸送用パイプである(5)または(6)に記載の成型体。
本発明によれば、押出し加工性がよく、また柔軟性を改良し、特に耐久安定性に優れたポリエチレン系樹脂およびその成型体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂組成物は、下記(a−1)〜(a−4)の要件を満たす線状系ポリエチレン(A)95〜5質量%と下記(b−1)〜(b−2)の要件を満たす分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)5〜95質量%を含むポリエチレン系樹脂組成物でであって、
(ポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸び)≧〔(線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸び)×x/100+(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸び)×(100−x)〕×90/100
(xは、95〜5であり、前記線状系ポリエチレン(A)の組成量を示す。)
の式を満たす、ポリエチレン系樹脂組成物である。
(a−1)エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体である。
(a−2)密度が925〜975kg/mである。
(a−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である。
(a−4)ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定において、Mw/Mnが3〜7である。
(Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量であり、Mw/Mnは分子量分分布である。)
(b−1)密度が910〜930kg/mである。
(b−2)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂組成物の密度は、920〜970kg/mであることが好ましく、より好ましくは925〜950kg/mであり、さらに好ましくは930〜940kg/mである。
ポリエチレン系樹脂組成物の密度が920kg/m以上であれば、成型体とした際に剛性、耐水圧性能に優れる。ポリエチレン系樹脂組成物の密度が970kg/m以下であれば、剛性と柔軟性のバランスにより優れた可とう性を有する成型体とすることができる。
ポリエチレン系樹脂組成物の密度は、耐水圧性能と柔軟性とを両立させることができる点で、上記範囲内にあることが好ましい。
本実施の形態において、密度は、以下の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂組成物のメルトフローレート(以下、「MFR」と記載する場合がある。)は、190℃、2.16kg荷重において0.1〜30g/10分であることが好ましく、より好ましくは2.0〜10g/10分であり、さらに好ましくは2.0〜5.0g/10分である。
ポリエチレン系樹脂組成物のMFRが0.1g/10分以上であれば、メルトフラクチャーの発生を抑制することができ押出し成型加工性に優れる。ポリエチレン系樹脂組成物のMFRが30g/10分以下であれば、長期耐久性能に優れる。
本実施の形態において、MFRは、以下の実施例に記載の方法により測定することができる。
(線状系ポリエチレン(A))
本実施の形態のポリエチレン系樹脂組成物に用いられる線状系ポリエチレン(A)は、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体である。
エチレンと共重合させる炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、6−メチル−1−ヘプテンなどが挙げられる。α−オレフィンとしては、一般的に入手し易さから、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、重合プロセスから1−ブテンが好ましい。このポリエチレン系樹脂組成物における出願に際しての発明において好適な観点は不明です。
共重合体としては、エチレンと1種類のα−オレフィンとの共重合体であってもよく、エチレンと2種類以上を組み合わせたα−オレフィンとの共重合体であってもよい。線状系ポリエチレン(A)としては、エチレンとα−オレフィンの共重合体とエチレンと別のα−オレフィンとの共重合体を任意の比率でドライブレンドまたはメルトブレンドした共重合体であってもよい。
線状系ポリエチレン(A)の密度は、925〜975kg/mである。線状系ポリエチレン(A)の密度は、好ましくは925〜950kg/mであり、より好ましくは930〜940kg/mである。
線状系ポリエチレン(A)の密度が925kg/m以上であれば、ポリエチレン系樹脂組成物の成型体とした場合に剛性、耐水圧性能に優れる。線状系ポリエチレン(A)の密度が975kg/m以下であれば、ポリエチレン系樹脂組成物とした場合、剛性と柔軟性のバランスにより優れた可とう性を有する成型体とすることができる。
線状系ポリエチレン(A)の密度は、ポリエチレン系樹脂組成物の成型体とした場合に耐水圧性能と柔軟性とを両立させることができる点で、上記範囲内にあることが好ましい。
線状系ポリエチレン(A)のMFRは、190度、2.16kg荷重において0.1〜50g/10分である。線状系ポリエチレン(A)のMFRは、好ましくは1〜10g/10分であり、より好ましくは2〜5g/10分である。
線状系ポリエチレン(A)のMFRが0.1g/10分以上であれば、ポリエチレン系樹脂組成物とした場合、メルトフラクチャーの発生を抑制することができ押出し成型加工性に優れる。線状系ポリエチレン(A)のMFRが50g/10分以下であれば、ポリエチレン系樹脂組成物とした場合、長期耐久性能に優れる。
線状系ポリエチレン(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定において、3〜7であり、好ましくは3〜6の範囲である。
線状系ポリエチレン(A)の分子量分布が、上記範囲内にあれば、分子量の均一性に起因して、押出し加工性がよく、また柔軟性を改良し、特に耐久安定性に優れたポリエチレン系樹脂組成物とすることができる。
特に、線状系ポリエチレン(A)の分子量分布が7以下であれば、線状系ポリエチレン(A)と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)のブレンドにおいて従来のチーグラーナツター触媒を用いて重合されたエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体の場合と異なり、線状系ポリエチレン(A)と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)の相溶状態とすることができ、両者の結晶状態が相分離することを抑制できると推定される。これらにより、長期耐久性に優れたポリエチレン系樹脂組成物とすることができ、剛性及び耐水圧性能に優れる成型体とすることができる。
本実施の形態において、分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定により求めることができる。
具体的には、Waters社製150−C ALC/GPC装置、カラムとしてはShodex製AT−807Sと東ソー製TSK−gelGMH−H6を直列にして用い、溶媒に10ppmのイルガノックス1010を含むトリクロロベンゼンを用いて、140℃で測定する分子量分布を測定することができる。
本発明の線状系ポリエチレン(A)は、エチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、かつ分子量分布:Mw/Mnが3〜7と狭く、分子量の均一性に起因していることから本発明の課題が達成されるものである。
線状系ポリエチレン(A)の製造方法は特に限定されるものではないが、以下に記載の方法により製造することができる。
線状系ポリエチレン(A)の製造方法としては、メタロセン担持触媒[I]を予め水素と接触させた後、液体助触媒成分[II]と共に重合反応器へ導入し、エチレン単独の重合またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合を行う方法が挙げられる。
重合法は公知の各種方法を使用でき、例えば、不活性ガス中での流動床式気相重合または撹拌式気相重合、不活性溶媒中でのスラリー重合、モノマーを溶媒とするバルク重合などが挙げられる。重合法としては、不活性溶媒中でのスラリー重合が好ましい。
(メタロセン担持触媒[1])
メタロセン担持触媒[I]としては、(ア)担体物質、(イ)有機アルミニウム、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物、および(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤から調製されたメタロセン担持触媒を用いることが好ましい。
(ア)担体物質としては、有機担体、無機担体のいずれでもよい。
有機担体としては、好ましくは、炭素数2〜20のα−オレフィンの重合体、芳香族不飽和炭化水素重合体、および極性基含有重合体などが挙げられる。
炭素数2〜20のα−オレフィンの重合体としては、例えば、エチレン樹脂、プロピレン樹脂、1−ブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−1−ヘキセン共重合体樹脂、プロピレン−1−ブテン共重合体樹脂、およびエチレン−1−ヘキセン共重合体などが挙げられる。
芳香族不飽和炭化水素重合体としては、例えば、スチレン樹脂およびスチレン−ジビニルベンゼン共重合体樹脂などが挙げられる。
極性基含有重合体としては、例えば、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、アミド樹脂、およびカーボネート樹脂などが挙げられる。
無機担体としては、好ましくは、無機酸化物、無機ハロゲン化物、無機の炭酸塩、竜酸塩、および硝酸塩、ならびに水酸化物などが挙げられる。
無機酸化物としては、例えば、SiO、Al、MgO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO,SiO−MgO、SiO−Al、SiO−MgO、およびSiO−Vなどが挙げられる。
無機ハロゲン化合物としては、例えば、MgCl、AlCl、およびMnClなどが挙げられる。
無機の炭酸塩、硫酸塩、および硝酸塩としては、例えば、NaCO、KCO、CaCO、MgCO、Al(SO、BaSO、KNO、Mg(NOなどが挙げられる。
水酸化物としては、例えば、Mg(OH)、Al(OH)、Ca(OH)などが挙げられる。
(ア)担体物質としては、SiOであることが好ましい。
担体の粒子径は任意であるが、粒子径分布としては、1〜3000μmであることが好ましく、粒子の分散性の見地から、粒子径分布は好ましくは10〜1000μmの範囲内である。
(ア)担体物質は必要に応じて(イ)有機アルミニウムで処理される。
(イ)有機アルミニウムとしては、一般式:(−Al(R)O−)n(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子および/またはRO基で置換されていてもよい。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である。)で示される直鎖状または環状重合体などが挙げられる。
(イ)有機アルミニウム化合物としては、例えば、Rがメチル基、エチル基、イソブチルエチル基である、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、およびイソブチルエチルアルモキサンなどが挙げられる。
(イ)有機アルミニウムとしては、上記以外にも、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲノアルミニウム、セスキアルキルハロゲノアルミニウム、アルメニルアルミニウム、ジアルキルハイドロアルミニウム、およびセスキアルキルハイドロアルミニウムなどが挙げられる。
トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、およびトリオクチルアルミニウムなどが挙げられる。
ジアルキルハロゲノアルミニウムとしては、例えば、ジメチルアルミニウムクロライドおよびジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルハロゲノアルミニウムなどが挙げられる。
セスキアルキルハロゲノアルミニウムとしては、例えば、セスキメチルアルミニウムクロライドおよびセスキエチルアルミニウムクロライドなどが挙げられる。
(イ)有機アルミニウムとしては、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、およびセスキエチルアルミニウムハイドライドなどを挙げることもできる。
(イ)有機アルミニウムとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、およびジイソブチルアルミニウムハイドライドであることが好ましい。
(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物としては、下記式(1)で示される化合物を挙げられる。
Figure 2010116437
上記式(1)中、Mは1つ以上の配位子Lとη結合をしている酸化数+2、+3、+4の長周期型周期律表第4族の遷移金属であり、遷移金属は、チタニウムが好ましい。
Lは環状η結合性アニオン配位子であり、各々独立にシクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、またはオクタヒドロフルオレニル基であり、これらの基は20個までの非水素原子を含む炭化水素基、ハロゲン、ハロゲン置換炭化水素基、アミノヒドロカルビ基、ヒドロカルビオルオキシ基、ジヒドロカルビルアミノ基、ジヒドロカルビルフォスフィノ基、シリル基、アミノシリル基、ヒドロカルビルオキシシリル基およびハロシリル基から各々独立に選ばれる1〜8の置換基を任意に有していてもよく、2つのLが20個までの非水素原子を含むヒドロカルバジイル、ハロヒドロカルバジイル、ヒドロカルビレンオキシ、ヒドロカルビレンアミノ、ジラジイル、ハロシラジイル、アミノシランなどの2価の置換基により結合されていてもよい。
Xは各々独立に、60個までの非水素原子を有する、1価のアニオン性σ結合型配位子、Mと2価で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子、またはMおよびLに各々l個ずつの価数で結合する2価のアニオンσ結合型配位子である。
X'は各々独立に、炭素数4〜40からなるホスフィン、エーテル、アミン、オレフィン、および/または共役ジエンから選ばれる中性ルイス塩基配位性化合物である。
lは1または2の整数である。
pは0〜2の整数であり、Xが1価のアニオン性σ結合型配位子であるか、MおよびLに各々1個ずつの価数で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子である場合、pはMの形式酸化数よりもl以上少なく、XがMと2価で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子である場合、pはMの形式酸化数よりもl+1以上少ない。
qは0、1または2の整数である。
(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物としては、上記式(1)でl=1である化合物が好ましい。
(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物の好適な化合物としては、下記式(2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010116437
上記式(2)中、Mは形式酸化数+2、+3または+4のチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、チタニウムであることが好ましい。
は各々独立に、水素、炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン、またはこれらの複合基であり、各々20個までの非水素原子を有することができる。
また、近接するR同士がヒドロカルバジイル、ジラジイル、またはゲルマジイルなどの2価の誘導体を形成して環状となっていてもよい。
X”は各々独立に、ハロゲン、炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビルアミノ基、またはシリル基であり、各々20個までの非水素原子を有しており、また2つのX”が炭素数5〜30の中性共役ジエンまたは2価の誘導体を形成してもよい。
Yは、O、S、NR、またはPRである。
ZはSiR 、CR 、SiR SiR 、CR CR 、CR=CR、CR SiR 、またはGeR である。
は各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基またはアリール基である。
nは1〜3の整数である。
(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物のより好適な化合物としては、下記式(3)または下記式(4)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010116437
Figure 2010116437
上記式(3)および式(4)中、Mはチタニウム、ジルコニウム、またはハフニウムであり、チタニウムであることが好ましい。
は各々独立に、水素、炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン、またはこれらの複合基であり、各々20までの非水素原子を有することができる。
Z、Y、XおよびX'は、は前出のとおりである。
pは0〜2の整数であり、qは0または1の整数である。
但し、pが2でqが0の場合、Mの酸化数は+4であり、かつXはハロゲン、炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ジヒドロカルビルアミノ基、ジヒドロカルビルフォスフィド基、ヒドロカルビルスルフィド基、シリル基またはこれらの複合基であり、20個までの非水素原子を有している。また、pが1でqが0の場合、Mの酸化数は+3であり、かつXはアリル基、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル基、または2−(N,N−ジメチル)−アミノベンジル基から選ばれる安定化アニオン配位子であるか、またはMの酸化数が+4であり、かつXが2価の共役ジエンの誘導体であるか、またはMとXが共にメタロシクロペンテン基を形成している。さらに、pが0でqが1の場合、Mの酸化数は+2であり、かつX'は中性の共役または非共役ジエンであって任意に1つ以上の炭化水素で置換されていてもよく、X'は40までの炭素原子を含み得るものであり、Mとπ型錯体を形成している。
(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物のさらに好適な化合物としては、下記式(5)または下記式(6)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010116437
Figure 2010116437
上記式(5)および式(6)中、Mはチタニウムである。
は各々独立に、水素または炭素数1〜6のアルキル基である。
Yは、O、S、NR、またはPRであり、Zは、SiR 、CR 、SiR SiR 、CR CR 、CR=CR、CR SiR、またはGeR である。
は各々独立に、水素、炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基またはこれらの複合基であり、Rは20個までの非水素原子を有することができ、必要に応じてZ中の2つのR同士またはZ中のRとY中のRが環状となっていてもよい。
pは0〜2の整数であり、qは0または1の整数である。
但し、pが2でqが0の場合、Mの酸化数は+4であり、かつXは各々独立に、メチル基またはヒドロベンジル基である。また、pが1でqが0の場合、Mの酸化数は+3であり、かつXが2−(N,N−ジメチル)−アミノベンジル基であるか、またはMの酸化数が+4であり、かつXが2−ブテン−1,4−ジイルである。さらに、pが0でqが1の場合、Mの酸化数は+2であり、かつX'は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンである。
前記ジエン類は金属錯体を形成する非対称ジエン類を例示したものであり、実際には各幾何異性体の混合物である。
(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤(以下、単に「(エ)活性剤」と記載する場合がある。)としては、例えば、下記式(7)で示される化合物が挙げられる。
メタロセン担持触媒[I]においては、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と上記(エ)活性化剤により形成される錯体が、触媒活性種として高いオレフィン重合活性を示す。
Figure 2010116437
上記式(7)中、[L−H]d+はプロトン付与のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基である。
[Md−は相溶性の非配位性アニオンであり、Mは周期律表第5族乃至15族から選ばれる金属またはメタロイドであり、Qは各々独立に、ヒドリド、ジアルキルアミド基、ハライド、アルコキサイド基、アリロキサイド基、炭化水素基、または炭素数20個までの置換炭化水素基である。但し、ハライドであるQは1個以下である。
mは1〜7の整数であり、tは2〜14の整数であり、dは1〜7の整数であり、t−m=dである。
(エ)活性化剤の好適な化合物としては、下記式(8)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010116437
上記式(8)中、[L−H]d+はプロトン付与のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基である。
[M(G(T−H)d−は相溶性の非配位性アニオンであり、Mは周期律表第5族乃至15族から選ばれる金属またはメタロイドであり、Qは各々独立に、ヒドリド、ジアルキルアミド基、ハライド、アルコキサイド基、アリロキサイド基、炭化水素基、または炭素数20個までの置換炭化水素基である。但し、ハライドであるQは1個以下である。
GはMおよびTと結合するr+1の価数を持つ多価炭化水素基であり、TはO、S、NRまたはPRであり、Rはヒドロカルビル基、トリヒドロカルビルシリル基、トリヒドロカルビルゲルマニウム基、もしくは水素である。
mは1〜7の整数であり、wは0〜7の整数であり、uは0または1の整数であり、rは1〜3の整数であり、zは1〜8の整数であり、w+z−m=dである。
(エ)活性化剤のより好適な化合物としては、下記式(9)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010116437
上記式(9)中、[L−H]d+はプロトン付与のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基である。
[BQは相溶性の非配位性アニオンであり、Bはホウ素原子、Qはペンタフルオロフェニル基であり、Qは置換基としてOH基を1つ有する炭素数6〜20の置換アリール基である。
本実施の形態において、相溶性の非配位性アニオンとしては、トリフェニル(ヒドロキシフェニル)ボレート、ジフェニル−ジ(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリフェニル(2,4−ジヒドロキシフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)フェニル(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(2,4−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジ−トリフルオロメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル、)(2−ヒドロキシエチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル、)(4−ヒドロキシブチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル、)(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル、)(4−(4’−ヒドロキシフェニル)フェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)ボレートなどが挙げられ、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレートであることが好ましい。
相溶性の非配位性アニオンとしては、上記例示のボレートのヒドロキシ基がNHRで置き換えられたボレートを挙げることができる。ここでRは、メチル基、エチル基またはt−ブチル基であることが好ましい。
本実施の形態において、プロトン付与のブレンステッド酸としては、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリ(n−オクチル)アンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジブチルメチルアンモニウム、ジブチルエチルアンモニウム、ジヘキシルメチルアンモニウム、ジオクチルメチルアンモニウム、ジデシルメチルアンモニウム、ジドデシルメチルアンモニウム、ジテトラデシルメチルアンモニウム、ジヘキサデシルメチルアンモニウム、ジオクタデシルメチルアンモニウム、ジイコシルメチルアンモニウム、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウムなどのようなトリアルキル基置換型アンモニウムカチオンが挙げられ、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウム、N,N−ジメチルベンジルアニリニウムなどのようなN,N−ジアルキルアニリニウムカチオンなども挙げられる。
(液体助触媒成分[II])
本実施の形態において、液体助触媒成分[II]は下記式(10)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物[III−1](以下、単に「有機マグネシウム化合物[III−1]」と記載する場合がある。)とアミン、アルコール、シロキサン化合物から選ばれる化合物[III−2](以下、単に「化合物[III−2]」と記載する場合がある。)との反応によって合成される、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物である。
Figure 2010116437
上記式(10)中、Mは周期律表第1〜3族に属する金属原子であり、RおよびRは炭素数2〜20の炭化水素基であり、a、b、c、dは次の関係を満たす実数である。
0≦a、0<b、0≦c、0≦d、c+d>0、かつe×a+2b=c+d(eはMの原子価である。)
有機マグネシウム化合物[III−1]と化合物[III−2]との反応には特に制限はないが、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素および/またはベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素などの不活性反応媒体中、室温〜150℃の間で反応させることが好ましい。
液体助触媒成分を製造する反応において添加する順序については特に制限はなく、有機マグネシウム化合物[III−1]中に化合物[III−2]を添加する方法、化合物[III−2]に有機マグネシウム化合物[III−1]を添加する方法、または両者を同時に添加する方法のいずれの方法を用いてもよい。
有機マグネシウム化合物[III−1]と化合物[III−2]との反応比率については特に制限はないが、反応により合成される液体助触媒成分[II]に含まれる全金属原子に対する化合物[III−2]のモル比が0.01〜2であるように化合物[III−2]を添加することが好ましく、0.1〜1であることがより好ましい。
本実施の形態において、液体助触媒成分[II]は不純物のスカベンジャーとして用いられる。液体助触媒成分[II]は、高濃度であっても重合活性を低下させることが少なく、したがって広い濃度範囲で高い重合活性を発現させることができる。このため液体助触媒成分[II]を含むオレフィン重合用触媒は、重合活性の制御が容易である。
液体助触媒成分[II]は1種で使用してもよいし二種類以上混合して使用してもよい。
重合に使用する際の液体助触媒成分[II]の濃度については特に制限はないが、液体助触媒成分[II]に含まれる全金属原子のモル濃度が0.001mmol/リットル以上10mmol/リットル以下であることが好ましく、0.01mmol/リットル以上5mmol/リットル以下であることがより好ましい。
該モル濃度が0.001mmol/リットル以上であれば、不純物のスカベンジャーとしての作用を十分に発揮することができ、10mmol/リットル以下であれば、重合活性を十分に発揮させることができる。
有機マグネシウム化合物[III−1]は上記式(10)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物である。
上記式(10)として、有機マグネシウム化合物[III−1]は、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウムの錯化合物の形として示されているが、(RMgおよびこれらと他の金属化合物との錯体の全てを包含するものである。記号a、b、c、dの関係式e×a+2b=c+dは、金属原子の原子価と置換基との化学量論性を示している。
上記式(10)中、RおよびRの炭素数2〜20の炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、トリル基であり、アルキル基であることが好ましく、一級アルキル基であることがより好ましい。
a>0の場合、金属原子Mとしては、周期律表第1〜3族からなる群に属する金属元素が使用でき、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどが挙げられるが、特にアルミニウム、ホウ素、ベリリウム、亜鉛が好ましい。
金属原子Mに対するマグネシウムのモル比b/aには特に制限はないが、0.1以上50以下の範囲が好ましく、0.5以上10以下の範囲がより好ましい。
a=0の場合、有機マグネシウム化合物[III−1]が炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物であることが好ましく、上記式(10)のRおよびRが次に示す三つの群(i)、(ii)、(iii)のいずれか一つであることがさらに好ましい。
(i)RおよびRの少なくとも一方が炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基であり、好ましくはRおよびRが共に炭素原子数4〜6であり、少なくとも一方が二級または三級のアルキル基である。
(ii)RおよびRが炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であり、好ましくはRが炭素原子数2または3のアルキル基であり、Rが炭素原子数4以上のアルキル基である。
(iii)RおよびRの少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭化水素基であり、好ましくはRおよびRが共に炭素原子数6以上のアルキル基である。
(i)において炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基としては、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−エチルプロピル基などが挙げられ、1−メチルプロピル基が好ましい。
(ii)において炭素原子数2または3のアルキル基としては、エチル基、プロピル基が挙げられ、エチル基が好ましい。また、炭素原子数4以上のアルキル基としては、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられ、ブチル基、ヘキシル基が好ましい。
(iii)において炭素原子数6以上の炭化水素基としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基などが挙げられ、アルキル基である方が好ましく、ヘキシル基であることがより好ましい。
有機マグネシウム化合物[III−1]として、一般にアルキル基の炭素原子数を増やすと炭化水素溶媒に溶けやすくなるが、溶液の粘性が高くなる傾向であり、必要以上に長鎖のアルキル基を用いることは取り扱い上好ましくない。有機マグネシウム化合物[III−1]は炭化水素溶液として用いられるが、該溶液中に微量のエーテル、エステル、アミンなどのコンプレックス化剤をわずかに含有してもよく、また、該溶液中に該コンプレックス化剤が残存していても差し支えなく用いることができる。
化合物[III−2]は、アミン、アルコール、シロキサン化合物からなる群に属する化合物である。
アミン化合物としては、特に制限はないが、脂肪族、脂環式または芳香族アミンが挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、トルイジンなどが挙げられる。
アルコール化合物としては、特に制限はないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1,1−ジメチルエタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2−メチルペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−エチル−4−メチル−1−ペンタノール、2−プロピル−1−ヘプタノール、2−エチル−5−メチル−1−オクタノール、1−オクタノール、1−デカノール、シクロヘキサノール、フェノールが挙げられ、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノールおよび2−エチル−1−ヘキサノールが好ましい。
シロキサン化合物としては、特に制限はないが、下記式(11)で示される構成単位を有するシロキサン化合物が挙げられる。
シロキサン化合物は1種類または2種類以上の構成単位から成る2量体以上の鎖状または環状の化合物の形で用いることができる。
Figure 2010116437
上記式(11)中、R6およびRは、水素、炭素原子数1〜30の炭化水素基または炭素原子数1〜40の置換された炭化水素基なる群より選ばれる基である。
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、特に制限はないが、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、トリル基、ビニル基が挙げられる。炭素原子数1〜40の置換された炭化水素基としては、特に制限はないが、トリフルオロプロピル基が挙げられる。
シロキサン化合物として、対称ジヒドロテトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサン、ペンタメチルトリヒドロトリシロキサン、環状メチルヒドロテトラシロキサン、環状メチルヒドロペンタシロキサン、環状ジメチルテトラシロキサン、環状メチルトリフルオロプロピルテトラシロキサン、環状メチルフェニルテトラシロキサン、環状ジフェニルテトラシロキサン、(末端メチル封塞)メチルヒドロポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、(末端メチル封塞)フェニルヒドロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが好ましい。
(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B))
本実施の形態のポリエチレン系樹脂組成物に用いられる分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)は、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましく、公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる。
分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)の密度は910〜930kg/mであり、好ましくは915〜928kg/mである。
分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)のMFRは0.1〜50g/10分であり、好ましくは1.0〜20g/10分である。
このような特性を有する分岐状高圧法系ポリエチレン(B)を用いることにより、パイプなど成型体において柔軟性の改良に大きな効果を発揮させることができる。
分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、他のα−オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸エステルなどとの共重合体であってもよい。
本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物は、線状系ポリエチレン(A)がエチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィン共重合体であり、分子量分布(Mw/Mn)が3〜7と狭く、分子量の均一性を有していることから、分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)とポリマーブレンドすることにより柔軟性を改良すると同時に気圧または水圧下での長期耐久安定性能を兼ね備えたポリエチレン系樹脂組成物およびポリエチレンパイプなどの成型体とすることができる。
非特許文献1に開示されているように、高密度ポリエチレン(HDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)のブレンド系は非相溶であり、両者の結晶状態が相分離することから、高密度ポリエチレン(HDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)とをブレンドした組成物では、長期耐久性能が懸念される。
しかしながら、本実施の形態においては、分子量分布Mw/Mnが3〜7と狭く、均一な分子量を有する線状系ポリエチレン(A)と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)をポリマーブレンドすると、線状系ポリエチレン(A)をベース樹脂として分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)のブレンド量が約20質量%ぐらいまでは、結晶化速度が速くなるとともに結晶サイズが小さくなって結晶状態が均一となる傾向が見られることから、線状系ポリエチレン(A)と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)が共結晶化していることが示唆される。さらに結晶サイズを小さくすることにより柔軟性も改良される傾向が見られる。
ポリエチレン系樹脂組成物における線状系ポリエチレン(A)と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)の配合割合は、線状系ポリエチレン(A)95〜5質量%であり、好ましくは90〜50質量%であり、より好ましくは85〜65質量%であり、さらに好ましくは80〜70質量%である。
分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)5〜95質量%であり、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは15〜35質量%であり、さらに好ましくは20〜30質量%である。
分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)のブレンド量が5質量%以上であれば、パイプの柔軟性を改良することができる。分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)のブレンド量が95質量%以下であれば、高密度のポリエチレン系樹脂組成物とすることができ、パイプなどの成型体の剛性に優れ、耐水圧性能を向上させることができる。
本実施の形態において、上記線状系ポリエチレン(A)と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)とを配合することで、ポリエチレン系樹脂組成物を成型体とした際に、引張り測定の結果から、
(ポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸び)≧〔(線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸び)×x/100+(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸び)×(100−x)/100〕×90/100
(xは、95〜5であり、線状系ポリエチレン(A)の組成量(質量%)を示す。)
の関係の式を満たすポリエチレン系樹脂組成物を得ることができる。
上記線状系ポリエチレン(A)と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)とを配合することで、表1に示されているように、本実施の形態のポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸びの値は、線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸びの値と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸びの値を結んだ引張り伸びの線において等しいか、または上回る値を示す。
本実施の形態において、引張り伸びの測定値は、試験数5個の引張り伸び測定値の平均値を示す。一般に引張り伸びの値は±10%の範囲で誤差を生じることがある。
本実施の形態において、ポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸びが、〔(線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸び)×x/100+(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸び)×(100−x)/100〕と等しいか上回る値を示すポリエチレン系樹脂組成物を得ることができるが、引張り伸びの値が±10%の範囲で誤差を生じることがあるので、
(ポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸び)≧〔(線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸び)×x/100+(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸び)×(100−x)/100〕×90/100
の関係式を満たすことが好適である。
一般に、チーグラー触媒系の線状系ポリエチレン(A)は分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)と混合したブレンド系の場合、非相溶であり、両者の結晶状態が相分離することから、引張り伸びの値は一定せず、上記の線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸びの値と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸びの値を結んだ引張り伸びの線において下回ることが一般的である。
上記線状系ポリエチレン(A)と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)とを配合することで得られるポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸びの本実施の形態における特徴は、線状系ポリエチレン(A)の分子量分布(Mw/Mn)が3〜7と狭いことによるものと考えられ、線状系ポリエチレン(A)分子量の均一性に起因していると考えられる。
ポリエチレン系樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて公知の添加剤を添加することができるが、添加剤としては、フェノール系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、有機チオエーテル系安定剤、高級脂肪酸の金属塩としての安定剤、有機または無機顔料、紫外線吸収財、染料、核剤、潤滑剤、カーボンブラック、タルク、ガラス繊維などの無機充填材または補強材、難燃剤、中性子遮断剤などのポリオレフィンに添加される配合剤などが挙げられる。
フェノール系安定剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノール、2,6−ジイソプロピル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチルフェノール、2−イソプロピル−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−2−エチル−6−t−オクチルフェノール、2−イソブチル−4−エチル−6−t−ヘキシルフェノール、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプロピルフェノール、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート)メタン、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンジルベンゼン、1,3,5−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)メタン、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシルフェノール)プロピオン酸アルキルエステル、2,2−オキザミドビス(エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス(メチレン(2,4−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシル)プロピオネート)、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオノ−1,3,5−トリアジン、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレンビス(6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール)、ビス(3,5−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシド)グリコールエステル、4,4−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、1,3,5−トリス((3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル)イソシアヌレート、2−オクチルチオ−4,6−ジ(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル)フェノキシ−1,3,5−トリアジン、4,4−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)などが挙げられる。
有機ホスファイト系安定剤としては、例えば、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチル−ジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジホスファイト、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、トリス(モノまたはジノニルフェニル)ホスファイト、水素化−4,4−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイド、ビス(オクチルフェニル)ビス(4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール))1,6−ヘキサンオールジホスファイド、フェニル−4,4−イソプロピリデンジフェノールペンタエリスリトールジホスファイド、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイド、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイド、トリス((4,4、−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール))ホスファイド、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイド、トリス(1,3−ジ−ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、4,4−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)ジ(ノニルフェニル)ホスファイド、9,10−ジ−ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスファイドなどが挙げられる。
有機チオエステル系安定剤としては、ジラウリル−、ジミリスチル−、ジステアリル−などのジアルキルチオプロピオネートおよびブチル−、オクチル−、ラウリル−、ステアリル−などのアルキルチオプロピオン酸の多価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート)のエステルなどが挙げられ、具体的には、ジラウリルチオプロピオネート、ジミリスチルチオプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジブチレート、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネートなどが挙げられる。
高級脂肪酸の金属塩としての安定剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、カプリル酸、アラキジン酸、パルミチン酸、およびベヘニン酸などの高級脂肪酸のマグネシウム、カルシウム、およびバリウム塩などのアルカリ土類金属塩、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ならびにリチウム塩などが用いられる。
高級脂肪酸の金属塩としての安定剤としては、具体的には、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシュウムオレイン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、および12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂組成物は、線状系ポリエチレン(A)と分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)を公知の方法を利用してポリマーブレンドすることにより製造することができる。
ポリマーブレンドの方法としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、加熱ロール練り機などで溶融混合する方法が挙げられる。
上記各種の添加剤をポリエチレン系樹脂組成物に添加する方法として、線状系ポリエチレン(A)および分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)を混合する際に、予め添加剤を線状系ポリエチレン(A)または分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)に混合する方法を採用することもできる。
ポリエチレン系樹脂組成物から得られる成型体としては、シート、パイプ、チューブまたはホースなどの押出し成型体であることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂組成物は通常180〜250℃の温度で押出機により可塑化され、環状ダイを通して押し出され、その後冷却されることにより、パイプなどとして成型される。パイプ成型に使用される押出機は単軸の押出機でもまたは2軸以上の多軸押出機であってもよい。環状のダイを通過したポリエチレン系樹脂組成物の溶融物は真空サイジングにより形状が整えられる。上記押出し機とダイとの間には、ポリエチレン系樹脂組成物の流量の均一性を保持するためにギアポンプなどの昇圧押込装置を設置してもよい。
成型体がポリエチレンパイプである場合、ポリエチレンパイプを形成するプロセスライン中にパイプの肉厚を計測し、これをギアポンプや引取機へフィードバックすることも可能である。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂組成物は、押出し加工性がよく、また柔軟性を改良し、特に耐久安定性に優れているので、ポリエチレン系樹脂組成物から得られる成型体として、給水用パイプまたはガス輸送用パイプとして好適に用いることができる。
以下、本実施の形態を実施例および比較例によって更に詳細に説明するが、本実施の形態は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施の形態に用いられる測定方法および評価方法は以下のとおりである。
(1)密度
JIS−K−7112:1999に準じて測定した。
(2)メルトフローレート(MFR)
JIS−K−7210:1999(温度=190℃、荷重=2.16kg)に準じて測定した。
(3)分子量分布
Waters社製150−C ALC/GPCを用い、カラムとしてShodex製AT−807Sと東ソー製TSK−gelGMH−H6を直列にして用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定を行った。溶媒に10ppmのイルガノックス1010を含むトリクロロベンゼンを用いて、140℃で測定する分子量分布測定装置で分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(4)引張伸び
JIS−K−7161に準じて行った。
(5)引張クリープ試験
JIS−K−7151に準拠して5mmの厚みのプレスシートを成型し、そのシートから試験片(110mm*6mm)を切削加工し、この試験片に約0.5mm深さのノッチを全周に入れた。
上記ノッチ入り試験片を、温水中に浸漬し、サンプルに応じて引張応力が2〜7MPaとなるように、荷重を印加した。
◎:破壊時間が50時間以上で引張応力が4MPa以上の場合。
○:破壊時間が50時間以上で引張応力が3MPa以上の場合。
×:破壊時間が50時間未満の場合もしくは50時間以上で引張応力が3MPa未満の場合
(6)パイプ押出し成型性
ポリエチレン系樹脂組成物をReifenhauser社製単軸押出し機 RH501(スクリュー径50mm、L/D=30)と管状ダイを組合せてポリエチレン系樹脂組成物を管状に押し出し真空成型、冷却を経て、外径約32mm、肉厚約3mmのパイプを得た。以下の評価基準で評価した。
○:パイプの肉厚に凹凸がなく、パイプ表面外観が目視にて良好な場合。
×:パイプが柔らかく蛇行した場合、パイプの肉厚に凹凸が生じパイプ表面外観が目視にて不良な場合。
<樹脂サンプル作製>
[メタロセン担持触媒[I]の調製]
シリカP−10[富士シリシア社(日本国)製]を、窒素雰囲気下、400℃で5時間焼成し、脱水した。脱水シリカの表面水酸基の量は、1.3mmol/g−SiO2であった。容量1.8リットルのオートクレーブにこの脱水シリカ40gをヘキサン800cc中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを攪拌下50℃に保ちながらトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/リットル)を60cc加え、その後2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカの表面水酸基とを反応させ、トリエチルアルミニウム処理されたシリカと上澄み液とを含み、該トリエチルアルミニウム処理されたシリカの全ての表面水酸基がトリエチルアルミニウムによりキャッピングされている成分[IV]を得た。その後、得られた反応混合物中の上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、上澄み液中の未反応のトリエチルアルミニウムを除去した。その後、ヘキサンを適量加え、トリエチルアルミニウム処理されたシリカのヘキサンスラリー800ccを得た。
一方、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウム−1,3−ペンタジエン(以下、「チタニウム錯体」と記載する。)200mmolをアイソパーE[エクソンケミカル社(米国)製の炭化水素混合物の商品名]1000ccに溶解し、予めトリエチルアルミニウムとジブチルマグネシウムより合成した組成式AlMg6(C253(n−C4912の1mol/リットルヘキサン溶液を20cc加え、更にヘキサンを加えてチタニウム錯体濃度を0.1mol/リットルに調整し、成分[V]を得た。
また、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム−トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレート(以下、「ボレート」と記載する。)5.7gをトルエン50ccに添加して溶解し、ボレートの100mmol/リットルトルエン溶液を得た。このボレートのトルエン溶液にエトキシジエチルアルミニウムの1mol/リットルヘキサン溶液5ccを室温で加え、さらにヘキサンを加えて溶液中のボレート濃度が70mmol/リットルとなるようにした。その後、室温で1時間攪拌し、ボレートを含む反応混合物を得た。
ボレートを含むこの反応混合物46ccを、上記で得られた成分[IV]のスラリー800ccに15〜20℃で攪拌しながら加え、ボレートを物理吸着によりシリカに担持した。こうして、ボレートを担持したシリカのスラリーが得られた。さらに上記で得られた成分[V]のうち32ccを加え、3時間攪拌し、チタニウム錯体とボレートとを反応させた。こうしてシリカと上澄み液とを含み、触媒活性種が該シリカ上に形成されているメタロセン担持触媒[I]を得た。
[液体助触媒成分[II]の調製]
有機マグネシウム化合物[III−1]として、AlMg(C(n−C12で示される有機マグネシウム化合物を使用した。化合物[III−2]として、メチルヒドロポリシロキサン(25℃における粘度20センチストークス)を使用した。
200ccのフラスコにヘキサン40ccとAlMg(C(n−C12を、MgとAlの総量として37.8mmolを攪拌しながら添加し、25℃でメチルヒドロポリシロキサン2.27g(37.8mmol)を含有するヘキサン40ccを攪拌しながら添加し、その後80℃に温度を上げて3時間、攪拌下に反応させることにより、液体助触媒成分[II]を調製した。
[線状系ポリエチレン(A)であるエチレン単独重合体およびエチレンとα−オレフィンとの共重合体の調製]
(A−1)
上記により得られたメタロセン担持触媒[I]と液体助触媒成分[II]は触媒移送ラインに連鎖移動剤として必要量の水素を供給することで水素を接触させて重合反応器に導入し、溶媒としてヘキサン、モノマーとしてエチレンおよび1−ブテンを用いた。反応温度は70℃としてエチレン、1−ブテン、水素の混合ガス(ガス組成は1−ブテンとエチレン+1−ブテンのモル比が0.36、水素とエチレン+水素のモル比が0.0025を維持できるように調節)を全圧が0.8MPaで線状系ポリエチレン(A)であるエチレンと1−ブテンとの共重合体を重合した。得られた線状系ポリエチレン(A−1)であるエチレン−1−ブテン共重合体は密度が941kg/m、MFRが2.5g/10分、ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定による分子量分布(Mw/Mn)が4.2、引張り伸びが1088%であった。
(A−2)
モノマーとしてエチレンのみを用い、1−ブテンを用いなかった以外は(A−1)と同様にして、密度が961kg/m、MFRが1.5g/10分、分子量分布(Mw/Mn)が5.7、引張り伸びが1572%の線状系ポリエチレンであるエチレン単独重合体(A−2)を得た。
[チーグラー触媒を用いたエチレン−α−オレフィン共重合体の製法]
充分に窒素置換された15リットルの反応器に、トリクロルシランを2mol/リットルのn−ヘプタン溶液として3リットル仕込み、攪拌しながら65℃に保ち、組成式AlMg6(C253(n−C496.4(On−C495.6で示される有機マグネシウム成分のn−ヘプタン溶液7リットル(マグネシウム換算で5mol)を1時間かけて加え、更に65℃にて1時間攪拌下反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、n−ヘキサン7リットルで4回洗浄を行い、固体物質スラリーを得た。この固体を分離・乾燥して分析した結果、固体1グラム当たり、Mg7.45mmolを含有していた。
このうち固体500gを含有するスラリーを、n−ブチルアルコール1mol/リットルのn−ヘキサン溶液0.93リットルとともに、攪拌下50℃で1時間反応させた。反応終了後上澄みを除去し、7リットルのn−ヘキサンで1回洗浄した。このスラリーを50℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロリド1mol/リットルのn−ヘキサン溶液1.3リットルを攪拌下加えて1時間反応させた。反応終了後上澄みを除去し、7リットルのn−ヘキサンで2回洗浄した。このスラリーを50℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロリド1mol/リットルのn−ヘキサン溶液0.2リットルおよび四塩化チタン1mol/リットルのn−ヘキサン溶液0.2リットルを加えて、2時間反応した。反応終了後上澄みを除去し、固体触媒を単離し、遊離のハロゲンが検出されなくなるまでヘキサンで洗浄した。この固体触媒は2.3質量%のチタンを有していた。
上記で得られた触媒を用い、下記の要領でエチレン−α−オレフィン共重合体を製造した。
単段重合プロセスにおいて、容積230リットルの重合器で重合した。重合温度は86℃、重合圧力は0.98MPaである。この重合器に合成したチーグラー触媒を0.3g/hrの速度で、トリイソブチルアルミニウムを15mmol/hr、ヘキサンは60リットル/hrの速度で導入した。これに、エチレン、水素、1−ブテンの混合ガス(ガス組成は1−ブテンとエチレン+1−ブテンのモル比が3.1%、水素とエチレン+水素のモル比が53%を維持できるように調節)を導入して重合した。得られたエチレン−1−ブチレン共重合体(A−3)は密度が951kg/m、MFRが1.1g/10分、分子量分布:Mw/Mnが7.2、引張り伸びが1197%であった。
[分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)であるエチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体の調製]
(B−1)
公知のオートクレーブタイプリアクターでエチレンとα−オレフィンをラジカル重合して得られた、密度922kg/m、MFR7.0g/10分、引張り伸びが489%である分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−1)を得た。
(B−2)
公知のチューブラータイプリアクターでエチレンとα−オレフィンをラジカル重合して得られた、密度918kg/m、MFR0.3g/10分、引張り伸びが670%である分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−2)を得た。
(B−3)
公知のチューブラータイプリアクターでエチレンとα−オレフィンをラジカル重合して得られた、密度917kg/m、MFR20g/10分、引張り伸びが552%である分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−3)を得た。
[実施例1〜実施例3]
密度941kg/m、MFR2.5g/10分、分子量分布:Mw/Mnが4.2の線状系ポリエチレン(A−1)および密度922kg/m、MFR7.0g/10分の分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−1)をそれぞれ所定の割合で混合したポリマーブレンド物100質量部に対して、フェノール系酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートを0.1質量部、リン系熱安定剤としてテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフォナイトを0.1質量部、ステアリン酸カルシウムを0.15質量部、それぞれ配合し、日本製鋼所社製TEX−44(スクリュー径44mm、L/D=35)の二軸押出成型機を利用し、200℃の温度で溶融混錬して造粒した。得られたポリエチレン系樹脂組成物をReifenhauser社製単軸押出し機 RH501(スクリュー径50mm、L/D=30)と管状ダイを組合せてポリエチレン系樹脂組成物を管状に押し出し真空成型、冷却を経て、外径約32mm、肉厚約3mmのパイプを得た。
本実施例に使用した線状系ポリエチレン(A)、分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)、ポリエチレン系樹脂組成物およびポリエチレンパイプの評価結果を表1に示す。
[実施例4〜実施例6]
分岐状高圧法低密度系ポリエチレンとして、で密度918kg/m、MFR0.3g/10分の(B−2)を用いた以外は、実施例1〜実施例3と同様にポリエチレン系樹脂組成物ならびにポリエチレンパイプを得た。評価結果を表1に示す。
[実施例7〜実施例9]
分岐状高圧法低密度系ポリエチレンとして、密度917kg/m、MFR20g/10分の(B−3)を用いた以外は、実施例1〜実施例3と同様にポリエチレン系樹脂組成物ならびにポリエチレンパイプを得た。評価結果を表1に示す。
[実施例10〜実施例12]
線状系ポリエチレンとして、密度961kg/m、MFR1.5g/10分、分子量分布:Mw/Mnが5.7の(A−2)を用いた以外は、実施例1〜実施例3と同様にポリエチレン系樹脂組成物ならびにポリエチレンパイプを得た。評価結果を表1に示す。
[比較例1〜比較例3]
公知のチューブラータイプリアクターでエチレンと1−ブテンをラジカル重合して得られた、密度951kg/m、MFR1.1g/10分、分子量分布:Mw/Mnが7.2の線状系ポリエチレン(A−3)を用いた以外は、実施例1〜実施例3と同様にポリエチレン系樹脂組成物ならびにポリエチレンパイプを得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2010116437
表1の結果から、実施例1−12のポリエチレン系樹脂組成物は、ポリエチレンパイプとした際に、引張りクリープ試験において優れた耐久安定性を示した。
一方、分子量分布が7を超える線状系ポリエチレンを用いた比較例1−3のポリエチレン系樹脂組成物では、長期耐久性が劣るものであった。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、押出し加工性がよく、また柔軟性を改良し、特に気圧または水圧下での耐久安定性に優れているので、ガス輸送用パイプ、給水用パイプの材料として好適である。
分岐状高圧法低密度系ポリエチレンの配合率(質量%)と引張り伸び(%)との関係を示す図である。

Claims (7)

  1. 下記(a−1)〜(a−4)の要件を満たす線状系ポリエチレン(A)95〜5質量%と、下記(b−1)〜(b−2)の要件を満たす分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)5〜95質量%と、を含むポリエチレン系樹脂組成物であって、
    (ポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸び)≧〔(線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸び)×x/100+(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸び)×(100−x)〕×90/100
    (xは、95〜5であり、前記線状系ポリエチレン(A)の組成量を示す。)
    の式を満たす、ポリエチレン系樹脂組成物。
    (a−1)エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体である。
    (a−2)密度が925〜975kg/mである。
    (a−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である。
    (a−4)ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定において、Mw/Mnが3〜7である。
    (Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量であり、Mw/Mnは分子量分布である。)
    (b−1)密度が910〜930kg/mである。
    (b−2)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である。
  2. 前記(A)が、(ア)担体物質、(イ)有機アルミニウム、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物、および(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤から調製されたメタロセン担持触媒[I]と、液体助触媒成分[II]を用いて重合される、請求項1に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  3. 前記(A)がエチレンと、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンからなる群より選ばれる少なくとも一種のα−オレフィンと、からなる共重合体である、請求項1または2に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  4. 密度が920〜970kg/m、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜30g/10分である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエチレン系樹脂組成物から得られる成型体。
  6. シート、パイプ、チューブ、またはホースである請求項5に記載の成型体。
  7. 給水用パイプまたはガス輸送用パイプである請求項5または6に記載の成型体。
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JP2002105253A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Asahi Kasei Corp 重包装袋用ポリエチレン樹脂組成物
JP2008285604A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリマーブレンド系ポリエチレン系樹脂組成物およびその成型体

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