JP5329922B2 - シラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物及びその架橋成型体 - Google Patents
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Description
より詳しくは、本発明は、押出し加工性がよく、柔軟性を改良し、特に高温時の温水圧下での耐久安定性に優れ、しかも光沢性が良好な給水・給湯用、床暖房用及びロードヒーティング用に好適に用いられるシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物及びこれを成型して得られる架橋パイプに関するものである。
ポリエチレンパイプの柔軟化は、ベース樹脂となる高密度ポリエチレン(HDPE)の平均密度を下げることで達成できることが一般に知られている。例えば、特許文献1には、中低圧法ポリエチレン(HDPE)をベース樹脂として高圧法ポリエチレン(LDPE)をポリマーブレンドした架橋ポリエチレンパイプに関する技術が開示されている。
また、高密度ポリエチレン(HDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE)のブレンド系を、包装用フィルム(特許文献2)・シュリンクフィルム(特許文献3、特許文献4)・押出しコーテイング(特許文献5)に適用した例が開示されている。
本発明は、上記のような状況を鑑みてなされたものであって、押出し加工性がよく、柔軟性を改良し、特に高温時の温水圧下での機械強度を改善して耐久安定性に優れ、しかも光沢性が良好なシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物、及びその組成物から得られる架橋成型体、並びに給水・給湯用、床暖房用及びロードヒーティング用架橋パイプを提供することを目的とするものである。
[1]
下記(a−1)〜(a−4)の要件を満たす線状系ポリエチレン(A)90〜65質量%と、
(a−1)エチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体である;
(a−2)密度が925〜975kg/m3である;
(a−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である;
(a−4)ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定において、分子量分布:Mw/Mnが3〜7である;
(ここで、Mn:数平均分子量、Mw:重量平均分子量)
下記(b−1)〜(b−2)の要件を満たす分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)10〜35質量%と、
(b−1)密度が910〜930kg/m3である;
(b−2)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である;
を含むポリエチレン系樹脂組成物であって、下記式(1)
(ポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸び)≧〔(線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸び)×x/100+(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸び)×(100−x)〕×90/100・・・(1)
(ここで、xは95〜5であり、線状系ポリエチレン(A)の組成量を示す。)
を満たし、且つ
190℃、2.16kg荷重における、前記(A)成分のメルトフローレートに対する前記(B)成分のメルトフローレートの比が1〜20である、ポリエチレン系樹脂組成物100質量部と、
有機過酸化物0.005〜5質量部と、
有機不飽和シラン化合物0.1〜10質量部と、
を含む、シラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物。
[2]
シラノール縮合触媒で架橋された、上記[1]に記載のシラン変性用ポリエチ
レン系樹脂組成物。
[3]
前記線状系ポリエチレン(A)は、
少なくとも(ア)担体物質、(イ)有機アルミニウム、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物、及び(エ)前記環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤、から調製されるメタロセン担持触媒[I]と、
液体助触媒成分[II]と、
を用いて重合してなるものである、上記[1]又は[2]に記載のシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物。
[4]
上記[1]〜[3]のいずれか記載のシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物をシラングラフト変性したシラン変性ポリエチレン系樹脂組成物。
[5]
上記[1]〜[3]のいずれか記載のシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物又は上記[4]記載のシラン変性ポリエチレン系樹脂組成物から得られる架橋成型体。
[6]
架橋シート、架橋パイプ、架橋チューブ、架橋ホースから選ばれるいずれか1つである、上記[5]記載の架橋成型体。
[7]
給水・給湯用架橋パイプ、床暖房用架橋パイプ、ロードヒーティング用架橋パイプから選ばれるいずれか1つである、上記[6]記載の架橋成型体。
下記(a−1)〜(a−4)の要件を満たす線状系ポリエチレン(A)90〜65質量%と、
(a−1)エチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体である;
(a−2)密度が925〜975kg/m3である;
(a−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である;
(a−4)ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定において、分子量分布:Mw/Mnが3〜7である;
(ここで、Mn:数平均分子量、Mw:重量平均分子量)
下記(b−1)〜(b−2)の要件を満たす分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)10〜35質量%と、
(b−1)密度が910〜930kg/m3である;
(b−2)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である;
を含むポリエチレン系樹脂組成物であって、下記式(1)
(ポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸び)≧〔(線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸び)×x/100+(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸び)×(100−x)〕×90/100・・・(1)
(ここで、xは95〜5であり、線状系ポリエチレン(A)の組成量を示す。)
を満たし、且つ
190℃、2.16kg荷重における、前記(A)成分のメルトフローレートに対する前記(B)成分のメルトフローレートの比が1〜20である、ポリエチレン系樹脂組成物100質量部と、
有機過酸化物0.005〜5質量部と、
有機不飽和シラン化合物0.1〜10質量部と、
を含む。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂組成物に含まれる線状系ポリエチレン(A)は、下記(a−1)〜(a−4)の要件を満たすものである。
(a−1)エチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体である;
(a−2)密度が925〜975kg/m3である;
(a−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である;
(a−4)ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定において、分子量分布:Mw/Mnが3〜7である;
(ここで、Mn:数平均分子量、Mw:重量平均分子量)
以下、各要件について説明する。
液体助触媒成分[II]は、下記式(10)で表される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物[III−1]と、アミン、アルコール、シロキサン化合物から選ばれる化合物[III−2]との反応によって合成される、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物である。
0≦a、0<b、0≦c、0≦d、c+d>0、e×a+2b=c+d(ここで、eは、M1の原子価を示す)〕
有機マグネシウム化合物[III−1]は、上記の(10)式で表される。なお、上記の(10)式中では炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウムの錯化合物の形として示されているが、(R4)2Mg及びこれらと他の金属化合物との錯体の全てを包含するものである。記号a、b、c、dの関係式e×a+2b=c+dは、金属原子の原子価と置換基との化学量論性を示している。
(ロ)R4、R5が炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であること。好ましくはR4が炭素原子数2又は3のアルキル基であり、R5が炭素原子数4以上のアルキル基であること。
(ハ)R4、R5の少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭化水素基であること。好ましくはR4、R5が共に炭素原子数6以上のアルキル基であること。
(イ)において炭素原子数4〜6である2級又は3級のアルキル基としては、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−エチルプロピル基等が挙げられ、好ましくは1−メチルプロピル基である。(ロ)において炭素原子数2又は3のアルキル基としては、エチル基、プロピル基が挙げられ、好ましくはエチル基である。また炭素原子数4以上のアルキル基としては、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、好ましくはブチル基、ヘキシル基である。(ハ)において炭素原子数6以上のアルキル基としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはヘキシル基である。
この化合物は、アミン、アルコール、シロキサン化合物からなる群に属する化合物である。アミン化合物としては、特に制限はないが、脂肪族、脂環式及び芳香族アミンが好ましい。具体的には、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、トルイジン等が挙げられる。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂組成物に含まれる分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)は、下記(b−1)〜(b−2)の要件を満たすものである。
(b−1)密度が910〜930kg/m3である;
(b−2)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である;
以下、各要件について説明する。
(ポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸び)≧〔(線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸び)×x/100+(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸び)×(100−x)〕×90/100・・(1)
(ここで、xは95〜5であり、線状系ポリエチレン(A)の組成量を示す。)
この関係式において、引張り伸びの測定値は、試験数5個の引張り伸び測定値の平均値を示す。また、一般的に、引張り伸びの値は±10%の範囲で誤差を生じることがある。
本実施の形態におけるシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物に含まれる有機過酸化物は、押し出し工程でラジカルに分解し、後述する有機不飽和シラン化合物をシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物にグラフト変性させることでシラン変性ポリエチレン系樹脂組成物を形成させるための化合物である。
本実施の形態におけるシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物に含まれる有機不飽和シラン化合物としては、従来公知のシラン架橋し得るものであれば特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。中でも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好ましい。
架橋成型体を10g切削し、キシレン溶媒を用いてソックスレー抽出器で10時間抽出し、抽出残量を測定し、以下の式により求める。
(1)密度
JIS−K−7112:1999に準じて測定した。
JIS−K−7210:1999(温度=190℃、荷重=2.16kg)に準じて測定した。
Waters社製150−C ALC/GPCを用いてゲルパーミエーションクロマトグラフの測定を行った。カラムとしてはShodex製AT−807Sと東ソー製TSK−gelGMH−H6を直列にして用い、溶媒に10ppmのイルガノックス1010を含むトリクロロベンゼンを用いて、140℃で測定を行う分子量分布測定装置により分子量分布:Mw/Mnを求めた。
JIS−K−7161に準じて測定した。
JIS−K−7151に準じて5mmの厚みのプレスシートを成型し、そのシートから試験片(110mm*6mm)を切削加工し、この試験片に約0.5mm深さのノッチを全周に入れた。
上記ノッチ入り試験片を、80℃の温水中に浸漬し、サンプルに応じて引張応力が5〜8MPaとなるように、荷重を印加した。
引張クリープの評価基準は以下の通りである。
○:破壊時間が1,000時間以上で引張応力が5MPa以上の場合。
×:破壊時間が1,000時間未満の場合もしくは1,000時間以上で引張応力が5MPa未満の場合
Reifenhauser社製単軸押出し機 RH501(スクリュー径50mm、L/D=30)と管状ダイを組合せてシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物を管状に押し出し、真空成型、冷却を経て、外径約32mm、肉厚約3mmのパイプを得た。
パイプ押出し成型性の評価基準は以下の通りである。
○:パイプの肉厚に凹凸がなく、パイプ表面外観が目視にて良好な場合。
×:パイプが柔らかく蛇行した場合もしくはパイプの肉厚に凹凸が生じパイプ表面外観が目視にて不良な場合。
シラン架橋パイプ10g切削し、キシレン溶媒を用いてソックスレー抽出器で10時間抽出し、抽出残量を測定して以下の式により求めた。
蛍光灯がついている部屋で、蛍光灯が上からパイプ表面に写りこむ(反射する)ようにし、表示部分を斜めから見て蛍光灯の像がゆがむ個所で反射光の強さを目視で観察して、以下の評価基準で評価した。
◎(最良好):反射光が明るく像がはっきりしている。
○(良好) :反射光が明るい。
△(不良) :反射光が暗い。
なお、パイプの光沢は実用上必須とは言えないが、ユーザーへの品質信頼度向上の目安となる。
シリカP−10[富士シリシア社(日本国)製]を、窒素雰囲気下、400℃で5時間焼成し、脱水した。脱水シリカの表面水酸基の量は、1.3mmol/g−SiO2であった。容量1.8リットルのオートクレーブにこの脱水シリカ40gをヘキサン800cc中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを攪拌下50℃に保ちながらトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/リットル)を60cc加え、その後2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカの表面水酸基とを反応させ、トリエチルアルミニウム処理されたシリカと上澄み液とを含み、該トリエチルアルミニウム処理されたシリカの全ての表面水酸基がつぶされている成分[IV]を得た。その後、得られた反応混合物中の上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、上澄み液中の未反応のトリエチルアルミニウムを除去した。その後、ヘキサンを適量加え、トリエチルアルミニウム処理されたシリカのヘキサンスラリー800ccを得た。
ボレートを含むこの反応混合物46ccを、上記で得られた、成分[IV]のスラリー800ccに15〜20℃で攪拌しながら加え、ボレートを物理吸着によりシリカに担持した。こうして、ボレートを担持したシリカのスラリーが得られた。さらに上記で得られた成分[V]のうち32ccを加え、3時間攪拌し、チタニウム錯体とボレートとを反応させた。こうしてシリカと上澄み液とを含み、触媒活性種が該シリカ上に形成されているメタロセン担持触媒[I]を得た。
有機マグネシウム化合物[III−1]として、AlMg6(C2H5)3(n−C4H9)12で示される有機マグネシウム化合物を使用した。化合物[III−2]として、メチルヒドロポリシロキサン(25℃における粘度20センチストークス)を使用した。
200ccのフラスコにヘキサン40ccとAlMg6(C2H5)3(n−C4H9)12を、MgとAlの総量として37.8mmolを攪拌しながら添加し、25℃でメチルヒドロポリシロキサン2.27g(37.8mmol)を含有するヘキサン40ccを攪拌しながら添加し、その後80℃に温度を上げて3時間、攪拌下に反応させることにより、液体助触媒成分[II]を調製した。
上記により得られたメタロセン担持触媒[I]と液体助触媒成分[II]は、触媒移送ラインから、連鎖移動剤として必要量の水素を供給することで水素を接触させて重合反応器に導入し、溶媒としてはヘキサン、モノマーとしてはエチレン及びブテン−1を用いた。反応温度は70℃として、エチレン、ブテン−1、水素の混合ガス(ガス組成はブテン−1とエチレン+ブテン−1のモル比が0.36、水素とエチレン+水素のモル比が0.0025を維持できるように調節)から、全圧0.8MPaで、線状系ポリエチレン(A)であるエチレンとα−オレフィンとの共重合体を重合した。得られた線状系ポリエチレン(A)であるエチレン−ブテン−1共重合体(線状系ポリエチレン(A−1))は、密度が941kg/m3、MFRが2.5g/10分、ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定による分子量分布:Mw/Mnが4.2、引張り伸びが1088%であった。
充分に窒素置換された15リットルの反応器に、トリクロルシランを2mol/リットルのn−ヘプタン溶液として3リットル仕込み、攪拌しながら65℃に保ち、組成式AlMg6(C2H5)3(n−C4H9)6.4(On−C4H9)5.6で示される有機マグネシウム化合物のn−ヘプタン溶液7リットル(マグネシウム換算で5mol)を1時間かけて加え、更に65℃にて1時間攪拌下反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、n−ヘキサン7リットルで4回洗浄を行い、固体物質スラリーを得た。この固体を分離・乾燥して分析した結果、固体1グラム当たり、Mg7.45mmolを含有していた。
このうち固体500gを含有するスラリーを、n−ブチルアルコール1mol/リットルのn−ヘキサン溶液0.93リットルとともに、攪拌下50℃で1時間反応させた。反応終了後上澄みを除去し、7リットルのn−ヘキサンで1回洗浄した。このスラリーを50℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロリド1mol/リットルのn−ヘキサン溶液1.3リットルを攪拌下加えて1時間反応させた。反応終了後上澄みを除去し、7リットルのn−ヘキサンで2回洗浄した。このスラリーを50℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロリド1mol/リットルのn−ヘキサン溶液0.2リットル及び四塩化チタン1mol/リットルのn−ヘキサン溶液0.2リットルを加えて、2時間反応させた。反応終了後、上澄みを除去し、固体触媒を単離して、遊離のハロゲンが検出されなくなるまでヘキサンで洗浄した。この固体触媒(チーグラー触媒)は2.3質量%のチタンを有していた。
単段重合プロセスにおいて、容積230リットルの重合器で重合した。重合温度は86℃、重合圧力は0.98MPaであった。この重合器に合成したチーグラー触媒を0.3g/hrの速度で、トリイソブチルアルミニウムを15mmol/hr、ヘキサンを60リットル/hrの速度で導入した。これに、エチレン、水素、プロピレンの混合ガス(ガス組成はプロピレンとエチレン+プロピレンのモル比が3.1%、水素とエチレン+水素のモル比が53%を維持できるように調節)を導入して重合した。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(A−2)は、密度が951kg/m3、MFRが1.1g/10分、分子量分布:Mw/Mnが7.2、引張り伸びが1197%であった。
(B−1)公知のオートクレーブタイプリアクターで、エチレンとα−オレフィンをラジカル重合することにより、密度922kg/m3、MFR7.0g/10分、引張り伸びが489%である分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−1)を得た。
(B−2)公知のチューブラータイプリアクターで、エチレンとα−オレフィンをラジカル重合することにより、密度918kg/m3、MFR0.3g/10分、引張り伸びが670%である分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−2)を得た。
(B−3)公知のチューブラータイプリアクターで、エチレンとα−オレフィンをラジカル重合することにより、密度917kg/m3、MFR20g/10分、引張り伸びが552%である分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−3)を得た。
エチレン−ブテン−1共重合体であって、密度941kg/m3、MFR2.5g/10分、分子量分布:Mw/Mnが4.2の線状系ポリエチレン(A−1)及び密度922kg/m3、MFR7.0g/10分の分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−1)をそれぞれ所定の割合で混合(表1参照)したポリマーブレンド物100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン1.4質量部、有機過酸化物としてパーヘキサ25B(日本油脂社製)0.05質量部、ステアリン酸カルシウムを0.15質量部をそれぞれ配合、ヘンシエルで混合し、日本製鋼所社製TEX−44(スクリュー径44mm、L/D=35)の二軸押出成形機を利用し、220℃の温度で溶融混錬して造粒した。得られたシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物のペレット100質量部に対して、ジオクチルスズジラウリレート0.01質量部、フェノール系酸化防止剤としてn−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートを0.4質量部、リン系熱安定剤としてテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレン−ジ−ホスフォナイトを0.1質量部を再度混合して、Reifenhauser社製単軸押出し機 RH501(スクリュー径50mm、L/D=30)と管状ダイを組合せてシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物を管状に押し出し、真空成型、冷却を経て、外径約32mm、肉厚約3mmの架矯ポリエチレンパイプを得た。
本実施例に使用した線状系ポリエチレン(A)、分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)、シラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物及び架橋ポリエチレンパイプの評価結果を表1及び2に示した。
分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−1)の代わりに、密度918kg/m3、MFR0.3g/10分の分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−2)を用いた以外は、実施例1〜実施例2と同様の方法により、シラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物及び架橋ポリエチレンパイプを得て、その物性を評価した。評価結果を表1及び2に示した。
分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−1)の代わりに、密度917kg/m3、M
FR20g/10分の分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B−3)を用いた以外は、実
施例1〜実施例2と同様の方法により、シラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物及び架橋
ポリエチレンパイプを得て、その物性を評価した。評価結果を表1及び2に示した。
線状系ポリエチレン(A−1)の代わりに、密度951kg/m3、MFR1.1g/10分、分子量分布:Mw/Mnが7.2のエチレン−α−オレフィン共重合体(A−2)を用いた以外は、実施例1〜実施例3と同様にシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物及び架橋ポリエチレンパイプを得て、その物性を評価した。評価結果を表1及び2に示した。
これに対して、比較例1〜3の架矯パイプは、長期耐久性に劣り、光沢性も不十分なものであった。
Claims (7)
- 下記(a−1)〜(a−4)の要件を満たす線状系ポリエチレン(A)90〜65質量%と、
(a−1)エチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体である;
(a−2)密度が925〜975kg/m3である;
(a−3)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である;
(a−4)ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定において、分子量分布:Mw/Mnが3〜7である;
(ここで、Mn:数平均分子量、Mw:重量平均分子量)
下記(b−1)〜(b−2)の要件を満たす分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)10〜35質量%と、
(b−1)密度が910〜930kg/m3である;
(b−2)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分である;
を含むポリエチレン系樹脂組成物であって、下記式(1)
(ポリエチレン系樹脂組成物成型体の引張り伸び)≧〔(線状系ポリエチレン(A)成型体の引張り伸び)×x/100+(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)成型体の引張り伸び)×(100−x)〕×90/100・・・(1)
(ここで、xは95〜5であり、線状系ポリエチレン(A)の組成量を示す。)
を満たし、且つ
190℃、2.16kg荷重における、前記(A)成分のメルトフローレートに対する前記(B)成分のメルトフローレートの比が1〜20である、ポリエチレン系樹脂組成物100質量部と、
有機過酸化物0.005〜5質量部と、
有機不飽和シラン化合物0.1〜10質量部と、
を含む、シラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物。 - シラノール縮合触媒で架橋された、請求項1に記載のシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物。
- 前記線状系ポリエチレン(A)は、
少なくとも(ア)担体物質、(イ)有機アルミニウム、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物、及び(エ)前記環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤、から調製されるメタロセン担持触媒[I]と、
液体助触媒成分[II]と、
を用いて重合してなるものである、請求項1又は2に記載のシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載のシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物をシラングラフト変性したシラン変性ポリエチレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載のシラン変性用ポリエチレン系樹脂組成物又は請求項4記載のシラン変性ポリエチレン系樹脂組成物から得られる架橋成型体。
- 架橋シート、架橋パイプ、架橋チューブ、架橋ホースから選ばれるいずれか1つである、請求項5記載の架橋成型体。
- 給水・給湯用架橋パイプ、床暖房用架橋パイプ、ロードヒーティング用架橋パイプから選ばれるいずれか1つである、請求項6記載の架橋成型体。
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