JP4804630B2 - 微多孔膜およびリチウム電池用セパレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウム一次電池、リチウムイオン二次電池、あるいはリチウムポリマー二次電池などの、リチウム電池セパレータ用微多孔膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リチウム電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池などリチウム電池セパレータには、ポリエチレン微多孔膜や、ポリエチレンを主成分とし一部ポリプロピレンを混合した微多孔膜、さらにはポリエチレンとポリプロピレンの積層微多孔膜などが使用されている。
主としてポリエチレンが使用されるのは、電池の安全性確保のために、130℃〜140℃でポリマーを溶融させて連通孔を閉塞させ、電流をシャットダウンさせるのに好適なことによる。一方セパレータの別の機能として、孔閉塞後形状を維持し、電極間の絶縁を保持する必要がある。しかしながらポリエチレンを主体とした場合、セパレータの破膜温度は低くなり、いかにして耐破膜温度を高くするかが課題である。このため特開平4−181651号などでは、ポリプロピレン微多孔膜とポリエチレン微多孔膜を積層した積層膜が提案された。
【0003】
またポリオレフィン微多孔膜は、リチウム一次電池やリチウムイオン二次電池に使用される非水電解液、あるいはリチウムポリマー二次電池に使用されるゲル状電解液に対する濡れ性や保持性が悪い。電解液は主としてエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γブチルラクトンなどの有機極性溶媒に、LiPF6、LiBF4、LiClO4などの電解質が溶解されて形成されるが、電解液のセパレータへの濡れ性や保持性が悪い場合、電池組立工程での生産性が悪くなることや、電池の充放電特性、サイクル特性など電池性能そのものにも悪影響することから、強く改善が望まれている。このため特開平7−220761号では、微多孔膜にプラズマ照射を施して濡れ性を改善することが提案されている。また、特開平8−236095号にはポリエチレンにポリフッ化ビニリデンを混合してなる微多孔膜が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
膜の耐破膜温度を高くするための積層膜は生産コストが高くなり実用的でないことや、あるいはポリエチレン層とポリプロピレン層の層間接着が弱く、電池製造工程で使用する場合、工程不良を生じやすい。
また、濡れ性向上のためプラズマ照射を施す方法では、膜表面の濡れ性は改良されるものの、微多孔の内部までは改良されないため、電解液の濡れ性や保持性改良効果は小さい。また、プラズマ照射を施すことによってポリエチレン分子が切断されるため膜の強度が低下し、実用上好ましくない。一方ポリフッ化ビニリデンを混合した微多孔膜は、ポリフッ化ビニリデンが電解液に溶出し、徐々に電解液の組成が変化して電池性能が低下することから、実用上問題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリエチレンを主成分とするポリオレフィンに、無水マレイン酸グラフトポリエチレンを相溶化剤としてポリアミド樹脂を混合し、ポリアミド樹脂の分散径を5μm以下に分散せしめた混合組成を有する微多孔膜を、リチウム電池セパレータに使用することによって、電解液の濡れ性や保液性を著しく改善し、所期の課題が達成できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、
(1) 少なくとも50wt%のポリエチレンを含むポリオレフィン70〜95wt%と、ポリアミド5〜30wt%からなるポリマー組成物から構成され、ポリアミドが5μm以下の大きさで分散されている事を特徴とする微多孔膜。
(2) 少なくとも50wt%のポリエチレンを含むポリオレフィン70〜95wt%と、ポリアミド3〜25wt%、および最大30wt%の無水マレイン酸グラフトポリエチレンを含有するポリマー組成物から構成され、ポリアミドが5μm以下の大きさで分散されている事を特徴とする微多孔膜。
(3) 無水マレイン酸グラフトポリエチレンの無水マレイン酸のグラフト率が0.1〜5.0wt%である、(2)記載の微多孔膜。
(4) ポリオレフィンが高密度ポリエチレンであることを特徴とする(1)または(2)に記載の微多孔膜。
(5)ポリエチレンの粘度平均分子量が20万以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の微多孔膜。
(6)突き刺し強度が10gf/μm以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか一項に記載の微多孔膜。
(7)微多孔膜と電解液との接触角が22°〜32°であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一項に記載の微多孔膜。
(8)ショート温度が165℃以上である(1)〜(7)のいずれか一項に記載の微多孔膜。
(9)(1)〜(8)のいずれか一項に記載の微多孔膜からなるリチウム電池用セパレータ。
(10)少なくとも50wt%のポリエチレンを含むポリオレフィン70〜95wt%と、ポリアミド3〜25wt%、及び最大30wt%の無水マレイン酸グラフトポリエチレンを含有するポリマー組成物中に、沸点以下の温度でポリオレフィンと均一な溶液を形成しうる有機化合物を添加し、ポリマー組成物と該有機化合物の相分離によって開孔する微多孔膜の製造方法であって、該無水マレイン酸グラフトポリエチレンをポリアミドと予め混合しておくことを特徴とする微多孔膜の製造方法。
に関する。
【0007】
本発明の微多孔膜は、構成するポリマー組成が、ポリオレフィン70〜95wt%、ポリアミド3〜25wt%、無水マレイン酸グラフトポリエチレン0〜30wt%の混合であって、ポリオレフィンがポリエチレン単独、または少なくとも50wt%以上のポリエチレンを含むことを特徴とする。
ポリオレフィンとしてはポリエチレン単独、またはポリエチレンが少なくとも50wt%以上からなる必要がある。ポリエチレンが全体の50wt%未満では、微多孔膜の閉塞温度が高くなり好ましくない。
【0008】
本発明でポリエチレン以外のポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリブテンなどホモポリマーや、ポリ(エチレン・プロピレン)共重合体などが使用でき、これらは複数でも使用できる。ポリエチレンとしては、高密度、中密度、低密度のいずれでもよく、また重合触媒がチーグラー触媒、メタロセン触媒などいずれから重合されたポリマーであって良いが、高密度ポリエチレンが成形加工性の観点からは好ましい。また、ポリエチレンの分子量は、粘度平均で5万程度以上あれば使用できるが、成形性や強度などから20万以上が好ましく、更に膜の強度やポリアミド樹脂の分散性からは40万以上が好ましい。100万以上の超高分子ポリエチレンを使用することは微多孔膜物性からは好ましいが、二種以上のポリマーを均一混練するのに、強い混練エネルギーが必要である。
【0009】
ポリアミドは3〜25wt%含有されるのが好ましく、更に好ましくは5〜20wt%である。3wt%未満では電解液の保液性や濡れ性に対する効果が得られず、25wt%を越すと微多孔膜の気孔率コントロールが困難となるなど微多孔膜の製造上問題が生じ、好ましくない。ポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などが使用できる。融点が300℃以上と高くなるとポリエチレンとの溶融混練が困難となり、好ましくない。本発明に於いては、ポリアミドの分散の程度が重要であり、分散径が5μmである必要があり、好ましくは1μm以下である。ポリアミドが十分に分散せず、分散径が5μm以上である場合、電解液の濡れ性や保持性は低下し、かつ微多孔膜の強度が低下するため好ましくない。
【0010】
無水マレイン酸グラフトポリエチレンは、ポリアミドの分散性を高め、ポリエチレンとポリアミドの界面強度を高めることを目的とする相溶化剤である。したがってポリオレフィンとポリアミドの混合で、ポリアミドの分散が5μm以下になる場合は、必ずしも使用しなくても良い。しかしながら、よりポリアミドの分散を均一で小粒径に分散し、且つポリオレフィンとポリアミドの界面の結合を高めるために使用されるのが好ましく、無水マレイン酸グラフトポリエチレンの含有量は0〜30wt%である。
【0011】
無水マレイン酸のグラフト率は0.1〜5.0wt%であることが好ましい。より好ましくは0.3〜2.0wt%である。0.1wt%未満ではポリアミドの分散径を小さくする効果が少なく、相溶化剤として好ましくない。一方、グラフト率が5wt%を越えると、グラフトポリエチレンが電解液に対し膨潤溶解しやすくなり、好ましくない。グラフトポリエチレンは、たとえば二軸押し出し機で、ポリエチレンと無水マレイン酸および有機過酸化物を溶融混練して得ることができる。
【0012】
使用できる過酸化物としては、たとえばジクミルパーオキサイド、1,3−ビス(ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3ジ(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゾエートなど、比較的高温で使用される過酸化物が好ましい。グラフト率は、グラフトポリエチレンのフィルムを作成し、ポリエチレンのC−Hの変角振動に帰属する1464.1cm-1、および無水マレイン酸のC=O伸縮振動に帰属する792cm-1の吸収ピークの高さから求めた。 検量線はKOHでの滴定により別途作成した。
【0013】
本発明の微多孔膜は、二軸押出機を使用して、ポリマー組成物を十分混練したのち、Tダイまたはサーキュラーダイから押し出し、一軸または二軸のフラット延伸、またはバブル延伸によって薄膜化したフィルムを微多孔化することによって作成される。微多孔化の方法としては、一般的に良く知られた方法で得ることができる。好ましくは、無孔性のフィルムをオーブンまたは熱溶媒中で加熱して、非晶部や一部の結晶を溶融再結晶させ開孔する加熱開孔法、さらに好ましくはあらかじめポリマー組成物中に溶剤を添加し、ポリマー組成物と溶剤の相分離によって開孔する相分離法などが使用できる。相分離法の場合、相分離後溶剤を抽出するなどして除去し、多孔膜を得る。ただし、本発明のポリマー組成の場合、ポリマーの結晶間を延伸によって開孔し微多孔膜とする延伸開孔法は、結晶化度の観点から好ましくない。
【0014】
微多孔膜の好ましい製法の一つである相分離法について、以下詳しく説明する。
ポリマー組成物に添加する溶剤とは、沸点以下の温度でポリオレフィンと均一な溶液を形成しうる有機化合物の事であり、具体的にはデカリン、キシレン、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、デシルアルコール、ノニルアルコール、ジフェニルエーテル、n−デカン、n−ドデカン、パラフィン油等が挙げられる。このうちパラフィン油、ジオクチルフタレートが好ましい。溶剤の割合は特に限定されないが、20wt%から90wt%、好ましくは50wt%から70wt%である。ここでいう溶剤の割合は組成物と溶剤の合計に対する割合である。20wt%未満では適当な気孔率を得る事が難しく、90wt%を越えるとでは粘度が低下して連続成形が困難になる。
【0015】
このポリマー溶液をフィルム状に成形し、相分離により多孔化する。フィルム状物の延伸は溶剤を抽出する前後に少なくとも1回行う。延伸はテンター法による同時二軸延伸が好ましい。延伸温度は常温からポリオレフィンの融点、好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは100〜140℃である。延伸倍率は面積倍率で4〜400倍であり、好ましくは8〜200倍、さらに好ましくは16〜100倍である。延伸倍率4倍未満ではセパレーターとして強度が不十分であり、400倍を越えるとでは延伸が困難であるのみならず気孔率の低下等の弊害が生じやすい。
【0016】
溶剤の抽出方法としては特に限定されないが、パラフィン油やジオクチルフタレートを使用する場合は塩化メチレンやメチルエチルケトン(MEK)等の有機溶媒で抽出したあと、乾燥することにより除去する事が出来る。また、溶剤にデカリン等の低沸点化合物を使用する場合は加熱乾燥する事により除去する事が出来る。いずれの場合も膜の収縮による物性低下を防ぐため、膜を拘束する事が好ましい。
【0017】
ポリアミドを5μm以下に分散させるためには、二軸押出機などで十分混練する必要があるが、無水マレイン化ポリエチレンを使用する場合は、無水マレイン化ポリエチレンとポリアミドをあらかじめ混合しておくことは分散に効果的である。ポリアミドの分散状態は電子顕微鏡によって確認できるが、分散状態は必ずしも球形にはならない。ポリアミド相の形状が不定形である場合、もっとも長い径が5μm以下であることが望ましい。
【0018】
本発明の微多孔膜は、気孔率が20〜80%が好ましく、さらに好ましくは30〜70%である。気孔率20%未満ではリチウムイオン透過性が低く、電池特性上好ましくなく、80%より高い場合、機械的強度が低下し、電池組立時の絶縁不良に不具合が発生しやすくなる。また突き刺し強度は10gf/μm以上が好ましい。10gf/μm未満では、電池内でセパレータが破損し絶縁不良の原因となるため好ましくない。
このようにして作製された微多孔膜は、特にリチウム電池用セパレータとして用いた場合、電解液の濡れ性、保持性が著しく良好であり、電池の生産性や性能を向上させることができる。
さらに驚くべきことに、本発明の微多孔膜はシャットダウン時の耐破膜性にも優れており、電池の安全性の向上にも効果が期待できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
実施例において示される試験方法は次の通りである。
(1)ポリアミドの分散径(μm)
膜表面のSEM観察により測定した。
(2)膜厚(μm)
ダイヤルゲージ(尾崎製作所:PEACOCK No.25)にて測定した。
(3)気孔率(%)
20cm角のサンプルをとり、その体積と重量から次式を用いて計算した。
気孔率(%)=(体積(cm3 )−重量(g)/ポリマー組成物の密度)/体積(cm3 )×100
(4)突き刺し強度(g/μm)
カトーテック製KES−G5ハンディー圧縮試験器を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突き刺し速度2mm/secの条件で突き刺し試験を行い、最大突き刺し荷重(g)を測定した。測定値に1/膜厚(μm)を乗じることによって1μm換算突き刺し強度(g)とした。
【0020】
(5)電解液濡れ性試験
微多孔膜と電解液との接触角を測定し、濡れ性の指標とした。
接触角は協和界面科学株式会社製の接触角測定器(FACE 接触角計 CA−P形)を使用し、以下の手順で測定した。
1.あらかじめ乾燥状態の微多孔膜を、23±2℃、湿度50%の雰囲気中に1時間放置する。
2.70×10mmの短冊形の資料を、両面テープにて接触角測定器のサンプル台に平滑に止める。
3.マイクロシリンジを使用し、サンプル台上の微多孔膜に電解液を0.5μmリットル滴下し、2分経過後に微多孔膜表面と電解液の接触角を測定する。
【0021】
接触角測定法は、接触角測定器の取扱説明書に従った。
ここで使用する電解液とは以下の組成の液体のことである。
1mol/リットルのLiBF4及び0.5wt%のリン酸トリオクチルを含む炭酸プロピレン/炭酸エチレン/γ−ブチルラクトン(25/25/50体積%)の混合有機溶媒であり、水分含有量が20ppm以下のもの。
(6)電解液保持性(%)
微多孔膜を10cm角に切り出し重量を測定する(W1)。これを十分な量の電解液に1時間以上浸漬した後、サンプルの一角をクリップなどで摘み電解液より取り出しそのまま10分間放置したあと再び重量を測定する(W2)。
電解液保持性=100×(W2−W1)/W1
【0022】
(7)シャットダウン温度、ショート温度(℃)
図1にシャットダウン温度の測定装置の概略図を示す。1は微多孔膜であり、2A及び2Bは厚さ10μmのニッケル箔、3A及び3Bはガラス板である。4は電気抵抗測定装置(安藤電気製LCRメーターAG−4311)でありニッケル箔2A、2Bと接続されている。5は熱電対であり温度計6と接続されている。7はデーターコレクターであり、電気抵抗装置4及び温度計6と接続されている。8はオーブンであり、微多孔膜を加熱する。
【0023】
さらに詳細に説明すると、図2に示すようにニッケル箔2A上に微多孔膜1を重ねて、縦方向にテフロンテープでニッケル箔2Aに固定されている。微多孔膜1には電解液として1mol/リットルのホウフッ化リチウム溶液(溶媒:プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート/γ−ブチルラクトン=1/1/2)が含浸されている。ニッケル箔2B上には図3に示すようにテフロンテープを貼り合わせ、箔2Bの中央部分に15mm×10mmの窓の部分を残してマスキングしてある。
【0024】
ニッケル箔2Aとニッケル箔2Bを微多孔膜1をはさむような形で重ね合わせ、さらにその両側からガラス板3A、3Bによって2枚のニッケル箔をはさみこむ。このとき、箔2Bの窓の部分と、多孔膜1が相対する位置に来るようになっている。
2枚のガラス板は、市販のダブルクリップではさむことにより固定する。熱電対5はテフロンテープでガラス板に固定する。
【0025】
このような装置で連続的に温度と電気抵抗を測定する。なお、温度は25℃から200℃まで2℃/minの速度にて昇温させ、電気抵抗値は1kHzの交流にて測定する。シャットダウン温度とは微多孔膜の電気抵抗値が103Ωに達するときの温度と定義する。
また、ショート温度とはシャットダウンの後、再び電気抵抗が103Ω以下に低下した時の温度と定義する。
(8)実施例で使用した相溶化剤(無水マレイン酸グラフトポリエチレン)は次のように作成した。
【0026】
高密度ポリエチレン(密度0.952、重量平均分子量15万)100部、無水マレイン酸1部、1,3−ビス(ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(パーブチルP、日本油脂(株))0.1部を二軸押出機で溶融混練することにより作製した。
ポリエチレンへの無水マレイン酸のグラフト率は0.8wt%であった。
【0027】
【実施例1】
高密度ポリエチレン(PE)(密度0.958、重量平均分子量30万)90部とポリアミド(PA)としてナイロン12(数平均分子量2万)10部を200℃で二軸押出機を用いて混練した後、ペレット化した。
このペレット40部、流動パラフィン60部を200℃でさらに二軸押出機を用いて混練し、押出機先端に設置したTダイおよびキャストロールで成形して、相分離法により、厚さ1mmのゲルシートを作成した。
このシートを同時二軸延伸機で7×7倍に延伸した後、MEKで流動パラフィンを抽出して微多孔膜を得た。
得られた膜の物性を表1に示した。
【0028】
【実施例2】
原料組成を高密度ポリエチレン(密度0.958、重量平均分子量30万)85部、ナイロン12(数平均分子量2万)10部、無水マレイン酸グラフトポリエチレン(MPE)5部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた膜の物性を表1に示した。
【0029】
【実施例3】
原料組成を高密度ポリエチレン(密度0.958、重量平均分子量30万)85部、ナイロン6(数平均分子量2万)10部、無水マレイン酸グラフトポリエチレン5部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた膜の物性を表1に示した。
【0030】
【比較例1】
原料組成を高密度ポリエチレン(密度0.958、重量平均分子量30万)のみとした以外は実施例1と同様に行った。得られた膜の物性を表1に示した。
【0031】
【比較例2】
原料組成を高密度ポリエチレン(密度0.958、重量平均分子量30万)60部、ナイロン12(数平均分子量2万)40部、無水マレイン酸グラフトポリエチレン5部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた膜の物性を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
本発明の微多孔膜は、良好な電解液濡れ性、保持性を有し、特にリチウム電池用セパレーターに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャットダウン温度及びショート温度の測定装置の概略図。
【図2】本発明のシャットダウン温度及びショート温度の測定装置の部分図。
【図3】本発明のシャットダウン温度及びショート温度の測定装置の部分図。
Claims (8)
- 粘度平均分子量が20万以上であるポリエチレンを少なくとも50wt%含むポリオレフィン70〜95wt%と、ポリアミド5〜30wt%からなるポリマー組成物から構成され、ポリアミドが5μm以下の大きさで分散されている事を特徴とするリチウム電池用セパレータ。
- 粘度平均分子量が20万以上であるポリエチレンを少なくとも50wt%含むポリオレフィン70〜95wt%と、ポリアミド3〜25wt%、および最大30wt%の無水マレイン酸グラフトポリエチレンを含有するポリマー組成物から構成され、ポリアミドが5μm以下の大きさで分散されている事を特徴とするリチウム電池用セパレータ。
- 無水マレイン酸グラフトポリエチレンの無水マレイン酸のグラフト率が0.1〜5.0wt%である、請求項2記載のリチウム電池用セパレータ。
- ポリオレフィンが高密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム電池用セパレータ。
- 突き刺し強度が10gf/μm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウム電池用セパレータ。
- リチウム電池用セパレータと電解液との接触角が22°〜32°であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウム電池用セパレータ。
- ショート温度が165℃以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウム電池用セパレータ。
- 粘度平均分子量が20万以上であるポリエチレンを少なくとも50wt%含むポリオレフィン70〜95wt%と、ポリアミド3〜25wt%、及び最大30wt%の無水マレイン酸グラフトポリエチレンを含有するポリマー組成物中に、沸点以下の温度でポリオレフィンと均一な溶液を形成しうる有機化合物を添加し、ポリマー組成物と該有機化合物の相分離によって開孔するリチウム電池用セパレータの製造方法であって、該無水マレイン酸グラフトポリエチレンをポリアミドと予め混合しておくことを特徴とする請求項1〜7に記載のリチウム電池用セパレータの製造方法。
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