JPH1046989A - 防汚性トンネル内壁 - Google Patents

防汚性トンネル内壁

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JPH1046989A
JPH1046989A JP8299443A JP29944396A JPH1046989A JP H1046989 A JPH1046989 A JP H1046989A JP 8299443 A JP8299443 A JP 8299443A JP 29944396 A JP29944396 A JP 29944396A JP H1046989 A JPH1046989 A JP H1046989A
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hydrophilic
tunnel
water repellent
wall
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JP8299443A
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Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ガス、煤煙などの汚れに対して清浄性を
維持するトンネル内壁の提供。 【解決手段】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子が外気
と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥水性
フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を呈す
る部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有する
表面層が形成されていることを特徴とする防汚性トンネ
ル内壁。性トンネル内壁。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煤煙などで汚れに
くい防汚性トンネル内壁に関する。
【0002】
【従来の技術】道路のトンネルの内壁は、現場打ちコン
クリートだけによって形成することもあるが、近年で
は、トンネル内の環境、特に景観を改善し、トンネル内
での交通事故を防止するため、少なくとも塗装を施す
か、内装板(ライニング)によって内張りすることが多
い。内装板には、アスベストパネル、タイル、ホウロウ
鉄板、メッキ鉄板、ステンレス鋼板、アルミニウムパネ
ル、プラスチックパネル、などが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】トンネルの内壁は自動
車の排気ガス中の煤煙やタイヤの摩耗粉や路面から舞い
上がった煤塵によって汚れる。特に、交通量の多い高速
道路のトンネルでは汚れんが激しい。また、高速道路で
はトンネルの長さは長くなる傾向にあり、換気が充分で
ない場合には汚れるのが早い。トンネル内壁が煤煙など
によって薄黒く汚れると、トンネルの景観が損なわれ、
暗い印象を与えるので、トンネル内での運転を苦痛に感
じさせ、或いは運転者の注意力に悪影響を与える。そこ
で、必要に応じてトンネル内壁を洗浄するのが望まし
い。
【0004】従来、トンネルの内壁はブラシ洗浄により
洗浄されている。内壁の洗浄には、交通規制(車線制限
など)を要するので、円滑な交通を阻害すると共に、か
なりの危険を伴う。従って、充分な頻度で洗浄するのが
困難である。更に、トンネル内壁の洗浄は長時間の交通
規制を要するので、危険を伴う。また、アスベストパネ
ルのような内装板は表面に凹凸があるので、汚れやすい
だけでなく、ブラシ洗浄によって汚れを完全に落とすの
は不可能である。ブラシ洗浄をしても付着した汚れの一
部は残るので、洗浄回数を重ねる度に汚れが蓄積する。
そこで、本発明では上記事情に鑑み、汚れにくいトンネ
ル内壁を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面に光触媒性酸化物粒子が外気と接
するように露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ
素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を呈する部
分の双方が表面に微視的に分散された構造を有する表面
層が形成されていることを特徴とする防汚性トンネル内
壁を提供する。このような構造では、親水性表面と撥水
性表面が隣接するため、親水性表面になじみやすい親水
性の付着物は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥
水性表面になじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水
性部分になじまない。そのため、親水性付着物も、疎水
性付着物も部材表面に固着されることはなく、表面は清
浄な状態に維持される。さらに、光触媒が存在すること
により、光触媒の光励起に応じて光触媒性酸化物粒子が
外気と接するように露出した親水性を呈する部分は恒久
的に親水性を維持するので、上記親水性を呈する部分と
撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された
構造は維持される。
【0006】
【発明の実施の形態】図1に示したように、トンネル1
0は例えば現場打ちコンクリートからなるアーチ型の壁
12によって周知の工法で構築することができる。図示
した実施例では、アーチ壁12は表面層で被覆された内
装板14によって内張りしてあるが、コンクリート壁1
2に直接に表面層を塗装してもよい。内装板14には、
従来同様に、アスベストパネル、タイル、ホウロウ鉄
板、メッキ鉄板、ステンレス鋼板、アルミニウムパネ
ル、プラスチックパネル、などを使用することができ
る。内装板14の表面には、光触媒性酸化物粒子が外気
と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥水性
フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を呈す
る部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有する
表面層が形成されている。
【0007】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源としては、高圧ナトリウムランプ、低圧ナトリウムラ
ンプ、メタルハライドランプ、蛍光灯、水銀灯、蛍光水
銀灯等のトンネル内の照明16や、ヘッドランプ等の通
過する自動車の照明が利用できる。光触媒の光励起によ
り、基材表面が高度に親水化されるためには、励起光の
照度は0.001mW/cm2以上あればよいが、0.
01mW/cm2以上だと好ましく、0.1mW/cm2
以上だとより好ましい。
【0008】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
【0009】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さらに
表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好まし
い。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止す
ることができる。また、表面層が薄ければ薄いほどその
透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層の
耐摩耗性が向上する。
【0010】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0011】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0012】光触媒性酸化物粒子が外気と接するように
露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外
気と接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造を有するか否かは、以下
の方法により確認可能である。その1つの方法は以下の
ように行う。すなわち、まず、硝酸銀、乳酸銀、塩化白
金酸、塩化パラジウムなどのAg、Pt、Pdといった
原子番号の大きな金属を含む溶液を基材表面に塗布し、
基材表面に光触媒の励起光を照射して、Ag、Pt、P
dといった原子番号の大きな金属を基材表面に析出させ
る。上記金属の析出反応は光触媒による上記金属の還元
作用に基づくので、このとき、金属は光触媒性酸化物粒
子が外気と接するように露出した親水性を呈する部分に
は付着するが、撥水性フッ素樹脂が外気と接するように
露出した撥水性を呈する部分には付着しにくい。次に、
走査型電子顕微鏡の反射電子像の観察により、濃淡(コ
ントラスト)が分散して生じていれば、光触媒性酸化物
粒子が外気と接するように露出した親水性を呈する部分
と、撥水性フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造を有すると結論づけられる。他の観察方法としては、
反射電子像による濃淡の観察の代わりに、エネルギー分
散型X線分析装置(EDX)、或いはエレクトロンプロ
ーブマイクロアナライザー(EPMA)等により、表面
の元素分析を行うようにしてよい。他の観察方法として
は、上記金属が銀のように有色であれば、反射電子像に
よる濃淡の観察の代わりに光学顕微鏡により色の観察を
行うようにしてよい。
【0013】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子が
外気と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥
水性フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を
呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有
する表面層が形成されている防汚性部材の製法について
説明する。この場合の製法は、基本的には、基材表面に
コーティング組成物を塗布し、コーティング組成物を基
材表面に固着せしめることによる。
【0014】ここでコーティング組成物は、光触媒粒子
と撥水性フッ素樹脂を必須構成要件とし、その他に水、
エタノール、プロパノール等の溶媒、フッ素樹脂の架橋
剤や、コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤
などを添加してもよい。
【0015】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。上記コーティング組成物は、フッ
素樹脂の溶融する300℃以上の温度での熱処理、フッ
素樹脂の架橋剤を添加する場合には、架橋剤によりフッ
素樹脂が硬化する温度での熱処理、加圧処理、加圧処理
と上記熱処理との併用、衝撃圧力による固定等の方法で
固着できる。また、上記方法で固着させる前に、基材表
面をブラスト処理等して凹凸を設けるようにしてもよ
い。そうすれば、基材と表面層との固着性を向上させる
ことができる。
【0016】
【実施例】
実施例1.アナターゼ型酸化チタンゾル(石原産業、S
TS−11)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)粒子(ダイキン工業、D−1)と蒸留水を混合し、
30分撹拌して得たコーティング液を、スプレーコーテ
ィング法にて5×10cm角の施釉タイル基材(東陶機
器、AB02E01)上に塗布し、380℃で3分熱処
理して、アナターゼ型酸化チタン粒子4重量部、ポリテ
トラフルオロエチレン粒子6重量部からなる表面層を形
成した#1試料を得た。#1試料の表面観察により光触
媒性酸化物粒子が外気と接するように露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と接するように
露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分
散された構造を有する表面層が形成されていることが確
認された。
【0017】次に、#1試料及び比較のため施釉タイル
板、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)板を
トンネルの出口付近の内装板に貼着して、1か月放置
し、堆積物や汚染物に対する表面の清浄維持性を調べ
た。表面の清浄維持性は、放置前後の色差の変化で調べ
た。ここで色差は色差計(東京電色)を用い、日本工業
規格(JIS)H0201に従い、ΔE*表示を用いて
調べた。その結果、色差の変化は、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)板では15、施釉タイル板では7
と汚れが目立ったのに対し、#1試料では色差の変化は
1程度でほとんど汚れは観察されなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明では、トンネル内壁において、基
材表面に、光触媒性酸化物粒子が外気と接するように露
出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気
と接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が表
面に微視的に分散された構造を有する表面層が形成され
ているようにすることにより、親水性付着物も、疎水性
付着物も部材表面に固着されることはなく、表面は清浄
な状態に維持されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トンネルの断面図
【符号の説明】
12:トンネルの現場打ちコンクリート壁(トンネル内
壁) 14:トンネルの内装板(トンネル内壁) 18:光触媒含有層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子が外気
    と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥水性
    フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を呈す
    る部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有する
    表面層が形成されていることを特徴とする防汚性トンネ
    ル内壁。
JP8299443A 1996-05-31 1996-10-23 防汚性トンネル内壁 Pending JPH1046989A (ja)

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JP8346741A Pending JPH1048578A (ja) 1996-05-31 1996-12-10 水滴付着防止性を有するガラスレンズ
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