JPH1044301A - 防汚性外壁用建材 - Google Patents

防汚性外壁用建材

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JPH1044301A
JPH1044301A JP8299676A JP29967696A JPH1044301A JP H1044301 A JPH1044301 A JP H1044301A JP 8299676 A JP8299676 A JP 8299676A JP 29967696 A JP29967696 A JP 29967696A JP H1044301 A JPH1044301 A JP H1044301A
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JP
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outside air
surface layer
water repellent
fluororesin
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JP8299676A
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Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ガス、煤煙などの汚れに対して清浄性を
維持する外壁用建材の提供。 【解決手段】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子が外気
と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥水性
フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を呈す
る部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有する
表面層が形成されていることを特徴とする防汚性外壁用
建材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煤塵や排気ガスな
どの燃焼生成物による汚れや、上方にあるシーラントか
ら溶出する汚れや、建物の排気口から排出される汚染物
質などで汚れにくい防汚性外壁用建材に関する。
【0002】
【従来の技術】高層ビルや住宅等の外壁は、煤塵や排気
ガスなどの燃焼生成物による汚れや、上方にあるシーラ
ントから溶出する汚れや、建物の排気口から排出される
汚染物質などで汚れる。これらの汚れは薄黒く、建物の
美観を著しく損ねる。さらに、高層ビル外壁を清掃しよ
うとすれば、その清掃は、高所作業であり、重労働であ
ると同時に危険を伴う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では上
記事情に鑑み、汚れにくい外壁用建材を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面に光触媒性酸化物粒子が外気と接
するように露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ
素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を呈する部
分の双方が表面に微視的に分散された構造を有する表面
層が形成されていることを特徴とする防汚性外壁用建材
を提供する。このような構造では、親水性表面と撥水性
表面が隣接するため、親水性表面になじみやすい親水性
の付着物は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥水
性表面になじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水性
部分になじまない。そのため、親水性付着物も、疎水性
付着物も部材表面に固着されることはなく、表面は清浄
な状態に維持される。さらに、光触媒が存在することに
より、光触媒の光励起に応じて光触媒性酸化物粒子が外
気と接するように露出した親水性を呈する部分は恒久的
に親水性を維持するので、上記親水性を呈する部分と撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造は維持される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では、外壁用建材基材表面
には、光触媒性酸化物粒子が外気と接するように露出し
た親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と接
するように露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に
微視的に分散された構造を有する表面層が形成されてい
る。外壁用建材基材には、従来同様に、施釉タイル、無
釉タイル、煉瓦、結晶化ガラス、ガラスブロック、コン
クリート、石材、木材;軽量気泡コンクリート、石綿セ
メントケイ酸カルシウム、プレキャスト鉄筋コンクリー
ト、石綿スレート、パルプセメント、石膏ボードなどの
無機基材、及びその表層に、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエステル、シリコーン、フッ素樹脂、アクリル
シリコン樹脂などの樹脂塗料を塗装した化粧無機建材;
アルミニウム、ステンレス、鉄鋼等の金属基材、及びそ
の表層に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステ
ル、シリコーン、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂な
どの樹脂塗料を塗装した塗装鋼板材;アクリル、ポリカ
ーボネート等のプラスチック又はその塗装物等が好適に
利用できる。外壁用建材基材と表面層との間には、基材
表面の平滑化、基材の耐久性向上等の目的で中間層を設
けてもよい。
【0006】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源としては、日中は太陽光に晒されるので、太陽光が利
用できる。光触媒の光励起により、基材表面が高度に親
水化されるためには、励起光の照度は0.001mW/
cm2以上あればよいが、0.01mW/cm2以上だと
好ましく、0.1mW/cm2以上だとより好ましい。
【0007】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンーヘ
キサフルオロプロピレンコポリマー等が好適に利用でき
る。
【0008】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0009】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0010】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0011】光触媒性酸化物粒子が外気と接するように
露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外
気と接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造を有するか否かは、以下
の方法により確認可能である。 その1つの方法は以下
のように行う。すなわち、まず、硝酸銀、乳酸銀、塩化
白金酸、塩化パラジウムなどのAg、Pt、Pdといっ
た原子番号の大きな金属を含む溶液を基材表面に塗布
し、基材表面に光触媒の励起光を照射して、Ag、P
t、Pdといった原子番号の大きな金属を基材表面に析
出させる。上記金属の析出反応は光触媒による上記金属
の還元作用に基づくので、このとき、金属は光触媒性酸
化物粒子が外気と接するように露出した親水性を呈する
部分には付着するが、撥水性フッ素樹脂が外気と接する
ように露出した撥水性を呈する部分には付着しにくい。
次に、走査型電子顕微鏡の反射電子像の観察により、濃
淡(コントラスト)が分散して生じていれば、光触媒性
酸化物粒子が外気と接するように露出した親水性を呈す
る部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と接するように露出
した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散さ
れた構造を有すると結論づけられる。他の観察方法とし
ては、反射電子像による濃淡の観察の代わりに、エネル
ギー分散型X線分析装置(EDX)、或いはエレクトロ
ンプローブマイクロアナライザー(EPMA)等によ
り、表面の元素分析を行うようにしてよい。他の観察方
法としては、上記金属が銀のように有色であれば、反射
電子像による濃淡の観察の代わりに、光学顕微鏡によ
り、色の観察を行うようにしてよい。
【0012】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子が
外気と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥
水性フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を
呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有
する表面層が形成されている防汚性部材の製法について
説明する。この場合の製法は、基本的には、基材表面に
コーティング組成物を塗布し、コーティング組成物を基
材表面に固着せしめることによる。
【0013】ここでコーティング組成物は、光触媒粒子
と撥水性フッ素樹脂を必須構成要件とし、その他に水、
エタノール、プロパノール等の溶媒、フッ素樹脂の架橋
剤や、コーティング液の分散性を向上させる界面活性剤
などを添加してもよい。
【0014】上記コーティング組成物の塗布方法として
は、スプレーコーティング法、ディップコーティング
法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロ
ールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。上記コーティング組成物は、フッ
素樹脂の溶融する300℃以上の温度での熱処理、フッ
素樹脂の架橋剤を添加する場合には、架橋剤によりフッ
素樹脂が硬化する温度での熱処理、加圧処理、加圧処理
と上記熱処理との併用、衝撃圧力による固定等の方法で
固着できる。また、上記方法で固着させる前に、基材表
面をブラスト処理等して凹凸を設けるようにしてもよ
い。そうすれば、基材と表面層との固着性を向上させる
ことができる。
【0015】
【実施例】
実施例1.アナターゼ型酸化チタンゾル(石原産業、S
TS−11)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)粒子(ダイキン工業、D−1)と蒸留水を混合し、
30分撹拌して得たコーティング液を、スプレーコーテ
ィング法にて5×10cm角の施釉タイル(東陶機器、
AB02E01)基材上に塗布し、380℃で3分熱処
理して、アナターゼ型酸化チタン粒子4重量部、ポリテ
トラフルオロエチレン粒子6重量部からなる表面層を形
成した#1試料を得た。#1試料の表面観察により光触
媒性酸化物粒子が外気と接するように露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と接するように
露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分
散された構造を有する表面層が形成されていることが確
認された。
【0016】次に、#1試料及び比較のため施釉タイル
及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)板を交通
の頻繁な道路に面した建物の外壁に固定して、70日放
置し、堆積物や汚染物に対する表面の清浄維持性を調べ
た。表面の清浄維持性は、放置前後の色差の変化で調べ
た。ここで色差は色差計(東京電色)を用い、日本工業
規格(JIS)H0201に従い、ΔE*表示を用いて
調べた。その結果、色差の変化は、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)板では7施釉タイルでは2と汚れ
が目立ったのに対し、#1試料では色差の変化は0.5
程度でほとんど汚れは観察されなかった。
【0017】
【発明の効果】本発明では、外壁用建材において、基材
表面に、光触媒性酸化物粒子が外気と接するように露出
した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と
接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が表面
に微視的に分散された構造を有する表面層が形成されて
いるようにすることにより、親水性付着物も、疎水性付
着物も部材表面に固着されることはなく、表面は清浄な
状態に維持されるようになる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子が外気
    と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥水性
    フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を呈す
    る部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有する
    表面層が形成されていることを特徴とする防汚性外壁用
    建材。
JP8299676A 1996-05-31 1996-10-24 防汚性外壁用建材 Pending JPH1044301A (ja)

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