JPH10287151A - 氷雪付着防止性を有するパンタグラフ/トロリー線 - Google Patents

氷雪付着防止性を有するパンタグラフ/トロリー線

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JPH10287151A
JPH10287151A JP11193097A JP11193097A JPH10287151A JP H10287151 A JPH10287151 A JP H10287151A JP 11193097 A JP11193097 A JP 11193097A JP 11193097 A JP11193097 A JP 11193097A JP H10287151 A JPH10287151 A JP H10287151A
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JP
Japan
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water
exposed
trolley wire
outside air
ice
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Application number
JP11193097A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kitamura
厚 北村
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷雪が付着しにくい表面を有し、かつ長期的
に維持できるパンタグラフ/トロリー線を提供するこ
と。 【解決手段】 パンタグラフ/トロリー線において、基
材表面に、光触媒性酸化物粒子が外気と接するように露
出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気
と接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が表
面に微視的に分散された構造を有し、かつ表面の水との
接触角が90゜以上である表面層が形成されているよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、氷雪の付着による
放電損傷(アーク損傷)を防止することを可能とするパ
ンタグラフ/トロリー線に関する。
【0002】
【従来の技術】パンタグラフ/トロリー線に氷雪が付着
すると、放電損傷の原因となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
氷雪が付着しにくい表面を有し、かつ長期的に維持でき
るパンタグラフ/トロリー線を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面に、光触媒性酸化物粒子が外気と
接するように露出した親水性を呈する部分と、撥水性フ
ッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を呈する
部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有し、か
つ表面の水との接触角が90゜以上である表面層が形成
されていることを特徴とする水滴付着防止性を有するパ
ンタグラフ/トロリー線を提供する。光触媒性酸化物粒
子が外気と接するように露出した親水性を呈する部分
と、撥水性フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造では、親水性表面と撥水性表面が隣接するため、親水
性表面になじみやすい親水性の付着物は隣接する撥水性
部分になじまない。逆に撥水性表面になじみやすい疎水
性の付着物は隣接する親水性部分になじまない。そのた
め、親水性付着物も、疎水性付着物も部材表面に固着さ
れることはなく、表面は清浄な状態に維持される。さら
に、光触媒が存在することにより、光触媒の光励起に応
じて光触媒性酸化物粒子が外気と接するように露出した
親水性を呈する部分は恒久的に親水性を維持するので、
上記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造は維持される。すなわ
ち、水との接触角を90゜以上にすると、その状態は光
触媒の光励起に応じて維持され、水滴が付着しにくくな
り、氷雪が付着することを防止することが可能となる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においては、パンタグラフ
/トロリー線には、光触媒性酸化チタンが外気と接する
ように露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹
脂が外気と接するように露出した撥水性を呈する部分の
双方が表面に微視的に分散された構造を有し、かつ表面
の水との接触角が90゜以上である表面層が形成されて
いる。基材と表面層との間には、基材との密着性向上等
の目的で透明な中間層を設けることもできる。
【0006】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナタ−ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源としては、太陽光、街灯等の環境にある光源を利用し
てもよいし、及び専用光源として、励起光を照射しうる
光源を使用してもよい。その場合使用する光源には、例
えば、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀
ランプ、キセノンランプ、殺菌灯等が利用できる。とり
わけ、紫外線と可視光の双方を発光する発光体を有する
照明が好ましい。光触媒の光励起には、励起光の照度は
0.001mW/cm2以上あればよいが、0.01m
W/cm2以上だと好ましく、0.1mW/cm2以上だ
とより好ましい。
【0007】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマ−等が好適に利用でき
る。
【0008】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0009】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0010】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0011】光触媒性酸化物粒子が外気と接するように
露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外
気と接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造を有するか否かは、以下
の方法により確認可能である。 その1つの方法は以下
のように行う。すなわち、まず、硝酸銀、乳酸銀、塩化
白金酸、塩化パラジウムなどのAg、Pt、Pdといっ
た原子番号の大きな金属を含む溶液を基材表面に塗布
し、基材表面に光触媒の励起光を照射して、Ag、P
t、Pdといった原子番号の大きな金属を基材表面に析
出させる。上記金属の析出反応は光触媒による上記金属
の還元作用に基づくので、このとき、金属は光触媒性酸
化物粒子が外気と接するように露出した親水性を呈する
部分には付着するが、撥水性フッ素樹脂が外気と接する
ように露出した撥水性を呈する部分には付着しにくい。
次に、走査型電子顕微鏡の反射電子像の観察により、濃
淡(コントラスト)が分散して生じていれば、光触媒性
酸化物粒子が外気と接するように露出した親水性を呈す
る部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と接するように露出
した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散さ
れた構造を有すると結論づけられる。他の観察方法とし
ては、反射電子像による濃淡の観察の代わりに、エネル
ギ−分散型X線分析装置(EDX)、或いはエレクトロ
ンプロ−ブマイクロアナライザ−(EPMA)等によ
り、表面の元素分析を行うようにしてよい。他の観察方
法としては、上記金属が銀のように有色であれば、反射
電子像による濃淡の観察の代わりに、光学顕微鏡によ
り、色の観察を行うようにしてよい。
【0012】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子が
外気と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥
水性フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を
呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有
する表面層が形成されている防汚性部材の製法について
説明する。この場合の製法は、基本的には、基材表面に
コ−ティング組成物を塗布し、コ−ティング組成物を基
材表面に固着せしめることによる。
【0013】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒子
と撥水性フッ素樹脂を必須構成要件とし、その他に水、
エタノ−ル、プロパノ−ル等の溶媒、フッ素樹脂の架橋
剤や、コ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤
などを添加してもよい。
【0014】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。上記コ−ティング組成物は、フッ
素樹脂の溶融する300℃以上の温度での熱処理、フッ
素樹脂の架橋剤を添加する場合には、架橋剤によりフッ
素樹脂が硬化する温度での熱処理、加圧処理、加圧処理
と上記熱処理との併用、衝撃圧力による固定等の方法で
固着できる。また、上記方法で固着させる前に、基材表
面をブラスト処理等して凹凸を設けるようにしてもよ
い。そうすれば、基材と表面層との固着性を向上させる
ことができる。
【0015】
【実施例】
実施例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(石原産業、ST
S−11)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)粒子(ダイキン工業、D−1)と蒸留水を混合し、
30分撹拌して得たコ−ティング液を、スプレ−コ−テ
ィング法にて、鉄線基材上に塗布し、380℃で3分熱
処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子4重量部、ポリ
テトラフルオロエチレン粒子6重量部からなる表面層を
形成して#1試料を得た。#1試料の表面観察により光
触媒性酸化物粒子が外気と接するように露出した親水性
を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と接するよう
に露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に
分散された構造を有する表面層が形成されていることが
確認された。次に、#1試料の表面の水との接触角を測
定した。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面
科学、CA−X150)を用い、滴下後30秒後の水と
の接触角で評価した。その結果、水との接触角は120
゜と90゜以上の値となり、#1試料を水槽中の水に浸
漬させた後引き上げても、ほとんど水滴の付着は認めら
れなかった。その後に#1試料を冷凍庫にいれても氷着
しなかった。次に、#1試料に紫外線光源(三共電気、
ブラックライトブル−(BLB)蛍光灯)を用いて試料
の表面に0.5mW/cm2の紫外線照度で約1日間紫
外線を照射して#2試料を得た。#2試料について水と
の接触角を測定した。その結果、水との接触角は110
゜と90゜以上の値となり、#2試料を水槽中の水に浸
漬させた後引き上げても、やはりほとんど水滴の付着は
認められず、その後に#2試料を冷凍庫にいれても氷着
しなかった。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、水滴が付着しにくい表
面を有し、かつ長期的に維持できるパンタグラフ/トロ
リー線を提供することが可能となり、以てパンタグラフ
/トロリー線に氷雪が付着することを防止することが可
能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子が外気
    と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥水性
    フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を呈す
    る部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有し、
    かつ表面の水との接触角が90゜以上である表面層が形
    成されていることを特徴とする氷雪付着防止性を有する
    パンタグラフ/トロリー線。
JP11193097A 1997-04-14 1997-04-14 氷雪付着防止性を有するパンタグラフ/トロリー線 Pending JPH10287151A (ja)

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