JPH10287240A - 飛石事故防止性鉄道車両 - Google Patents
飛石事故防止性鉄道車両Info
- Publication number
- JPH10287240A JPH10287240A JP9113482A JP11348297A JPH10287240A JP H10287240 A JPH10287240 A JP H10287240A JP 9113482 A JP9113482 A JP 9113482A JP 11348297 A JP11348297 A JP 11348297A JP H10287240 A JPH10287240 A JP H10287240A
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- JP
- Japan
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- water
- outside air
- exposed
- snow
- rolling stock
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 車体着雪が生じにくく、かつその性質を長期
的に維持できる外表面を有する鉄道車両を提供するこ
と。 【解決手段】 鉄道車両外表面に、光触媒性酸化物粒子
が外気と接するように露出した親水性を呈する部分と、
撥水性フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性
を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造を
有し、かつ表面の水との接触角が90゜以上である表面
層が形成されているようにする。
的に維持できる外表面を有する鉄道車両を提供するこ
と。 【解決手段】 鉄道車両外表面に、光触媒性酸化物粒子
が外気と接するように露出した親水性を呈する部分と、
撥水性フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性
を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造を
有し、かつ表面の水との接触角が90゜以上である表面
層が形成されているようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体着雪の落下に
よる飛石事故を防止することを可能とする鉄道車両に関
する。
よる飛石事故を防止することを可能とする鉄道車両に関
する。
【0002】
【従来の技術】雪や氷による被害は、交通機関において
深刻な問題である。とりわけ、車体着雪の落下による飛
石事故は、例えば、東海道新幹線では砕石軌道(有道床
軌道)であるため、冬季に車体着雪の落下による飛石事
故が発生しやすく、その防止対策としての徐行運転が列
車の遅延を招き、利用者に多大な迷惑を与えている(Ma
terials Life Vol.3,No.1(1991),p.48)。
深刻な問題である。とりわけ、車体着雪の落下による飛
石事故は、例えば、東海道新幹線では砕石軌道(有道床
軌道)であるため、冬季に車体着雪の落下による飛石事
故が発生しやすく、その防止対策としての徐行運転が列
車の遅延を招き、利用者に多大な迷惑を与えている(Ma
terials Life Vol.3,No.1(1991),p.48)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
車体着雪の落下による飛石事故の発生を防止すべく、車
体着雪が生じにくい表面を有し、かつその性質を長期的
に維持できる鉄道車両を提供することを目的とする。
車体着雪の落下による飛石事故の発生を防止すべく、車
体着雪が生じにくい表面を有し、かつその性質を長期的
に維持できる鉄道車両を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、車体外表面に、光触媒性酸化物粒子が外気
と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥水性
フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を呈す
る部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有し、
かつ表面の水との接触角が90゜以上である表面層が形
成されていることを特徴とする飛石事故防止性鉄道車両
を提供する。光触媒性酸化物粒子が外気と接するように
露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外
気と接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造では、親水性表面と撥水
性表面が隣接するため、親水性表面になじみやすい親水
性の付着物は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥
水性表面になじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水
性部分になじまない。そのため、親水性付着物も、疎水
性付着物も部材表面に固着されることはなく、表面は清
浄な状態に維持される。さらに、光触媒が存在すること
により、光触媒の光励起に応じて光触媒性酸化物粒子が
外気と接するように露出した親水性を呈する部分は恒久
的に親水性を維持するので、上記親水性を呈する部分と
撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された
構造は維持される。すなわち、水との接触角を90゜以
上にすると、その状態は光触媒の光励起に応じて維持さ
れ、水滴が付着しにくくなる。従って、氷雪が付着しに
くい表面が形成可能となり、引いては車体着雪の落下に
よる飛石事故の発生を防止できるようになる。
解決すべく、車体外表面に、光触媒性酸化物粒子が外気
と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥水性
フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を呈す
る部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有し、
かつ表面の水との接触角が90゜以上である表面層が形
成されていることを特徴とする飛石事故防止性鉄道車両
を提供する。光触媒性酸化物粒子が外気と接するように
露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外
気と接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造では、親水性表面と撥水
性表面が隣接するため、親水性表面になじみやすい親水
性の付着物は隣接する撥水性部分になじまない。逆に撥
水性表面になじみやすい疎水性の付着物は隣接する親水
性部分になじまない。そのため、親水性付着物も、疎水
性付着物も部材表面に固着されることはなく、表面は清
浄な状態に維持される。さらに、光触媒が存在すること
により、光触媒の光励起に応じて光触媒性酸化物粒子が
外気と接するように露出した親水性を呈する部分は恒久
的に親水性を維持するので、上記親水性を呈する部分と
撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された
構造は維持される。すなわち、水との接触角を90゜以
上にすると、その状態は光触媒の光励起に応じて維持さ
れ、水滴が付着しにくくなる。従って、氷雪が付着しに
くい表面が形成可能となり、引いては車体着雪の落下に
よる飛石事故の発生を防止できるようになる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においては、鉄道車両外表
面には、光触媒性酸化チタンが外気と接するように露出
した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と
接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が表面
に微視的に分散された構造を有し、かつ表面の水との接
触角が90゜以上である表面層が形成されている。基材
と表面層との間には、基材との密着性向上等の目的で透
明な中間層を設けることもできる。
面には、光触媒性酸化チタンが外気と接するように露出
した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と
接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が表面
に微視的に分散された構造を有し、かつ表面の水との接
触角が90゜以上である表面層が形成されている。基材
と表面層との間には、基材との密着性向上等の目的で透
明な中間層を設けることもできる。
【0006】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナタ−ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源としては、太陽光、街灯等の環境にある光源を利用し
てもよいし、及び専用光源として、励起光を照射しうる
光源を使用してもよい。その場合使用する光源には、例
えば、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀
ランプ、キセノンランプ、殺菌灯等が利用できる。とり
わけ、紫外線と可視光の双方を発光する発光体を有する
照明が好ましい。光触媒の光励起には、励起光の照度は
0.001mW/cm2以上あればよいが、0.01m
W/cm2以上だと好ましく、0.1mW/cm2以上だ
とより好ましい。
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナタ−ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起に用いる光
源としては、太陽光、街灯等の環境にある光源を利用し
てもよいし、及び専用光源として、励起光を照射しうる
光源を使用してもよい。その場合使用する光源には、例
えば、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀
ランプ、キセノンランプ、殺菌灯等が利用できる。とり
わけ、紫外線と可視光の双方を発光する発光体を有する
照明が好ましい。光触媒の光励起には、励起光の照度は
0.001mW/cm2以上あればよいが、0.01m
W/cm2以上だと好ましく、0.1mW/cm2以上だ
とより好ましい。
【0007】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマ−等が好適に利用でき
る。
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマ−等が好適に利用でき
る。
【0008】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0009】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0010】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0011】光触媒性酸化物粒子が外気と接するように
露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外
気と接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造を有するか否かは、以下
の方法により確認可能である。 その1つの方法は以下
のように行う。すなわち、まず、硝酸銀、乳酸銀、塩化
白金酸、塩化パラジウムなどのAg、Pt、Pdといっ
た原子番号の大きな金属を含む溶液を基材表面に塗布
し、基材表面に光触媒の励起光を照射して、Ag、P
t、Pdといった原子番号の大きな金属を基材表面に析
出させる。上記金属の析出反応は光触媒による上記金属
の還元作用に基づくので、このとき、金属は光触媒性酸
化物粒子が外気と接するように露出した親水性を呈する
部分には付着するが、撥水性フッ素樹脂が外気と接する
ように露出した撥水性を呈する部分には付着しにくい。
次に、走査型電子顕微鏡の反射電子像の観察により、濃
淡(コントラスト)が分散して生じていれば、光触媒性
酸化物粒子が外気と接するように露出した親水性を呈す
る部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と接するように露出
した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散さ
れた構造を有すると結論づけられる。他の観察方法とし
ては、反射電子像による濃淡の観察の代わりに、エネル
ギ−分散型X線分析装置(EDX)、或いはエレクトロ
ンプロ−ブマイクロアナライザ−(EPMA)等によ
り、表面の元素分析を行うようにしてよい。他の観察方
法としては、上記金属が銀のように有色であれば、反射
電子像による濃淡の観察の代わりに、光学顕微鏡によ
り、色の観察を行うようにしてよい。
露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外
気と接するように露出した撥水性を呈する部分の双方が
表面に微視的に分散された構造を有するか否かは、以下
の方法により確認可能である。 その1つの方法は以下
のように行う。すなわち、まず、硝酸銀、乳酸銀、塩化
白金酸、塩化パラジウムなどのAg、Pt、Pdといっ
た原子番号の大きな金属を含む溶液を基材表面に塗布
し、基材表面に光触媒の励起光を照射して、Ag、P
t、Pdといった原子番号の大きな金属を基材表面に析
出させる。上記金属の析出反応は光触媒による上記金属
の還元作用に基づくので、このとき、金属は光触媒性酸
化物粒子が外気と接するように露出した親水性を呈する
部分には付着するが、撥水性フッ素樹脂が外気と接する
ように露出した撥水性を呈する部分には付着しにくい。
次に、走査型電子顕微鏡の反射電子像の観察により、濃
淡(コントラスト)が分散して生じていれば、光触媒性
酸化物粒子が外気と接するように露出した親水性を呈す
る部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と接するように露出
した撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散さ
れた構造を有すると結論づけられる。他の観察方法とし
ては、反射電子像による濃淡の観察の代わりに、エネル
ギ−分散型X線分析装置(EDX)、或いはエレクトロ
ンプロ−ブマイクロアナライザ−(EPMA)等によ
り、表面の元素分析を行うようにしてよい。他の観察方
法としては、上記金属が銀のように有色であれば、反射
電子像による濃淡の観察の代わりに、光学顕微鏡によ
り、色の観察を行うようにしてよい。
【0012】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子が
外気と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥
水性フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を
呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有
する表面層が形成されている防汚性部材の製法について
説明する。この場合の製法は、基本的には、基材表面に
コ−ティング組成物を塗布し、コ−ティング組成物を基
材表面に固着せしめることによる。
外気と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥
水性フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を
呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有
する表面層が形成されている防汚性部材の製法について
説明する。この場合の製法は、基本的には、基材表面に
コ−ティング組成物を塗布し、コ−ティング組成物を基
材表面に固着せしめることによる。
【0013】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒子
と撥水性フッ素樹脂を必須構成要件とし、その他に水、
エタノ−ル、プロパノ−ル等の溶媒、フッ素樹脂の架橋
剤や、コ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤
などを添加してもよい。
と撥水性フッ素樹脂を必須構成要件とし、その他に水、
エタノ−ル、プロパノ−ル等の溶媒、フッ素樹脂の架橋
剤や、コ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤
などを添加してもよい。
【0014】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。上記コ−ティング組成物は、フッ
素樹脂の溶融する300℃以上の温度での熱処理、フッ
素樹脂の架橋剤を添加する場合には、架橋剤によりフッ
素樹脂が硬化する温度での熱処理、加圧処理、加圧処理
と上記熱処理との併用、衝撃圧力による固定等の方法で
固着できる。また、上記方法で固着させる前に、基材表
面をブラスト処理等して凹凸を設けるようにしてもよ
い。そうすれば、基材と表面層との固着性を向上させる
ことができる。
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。上記コ−ティング組成物は、フッ
素樹脂の溶融する300℃以上の温度での熱処理、フッ
素樹脂の架橋剤を添加する場合には、架橋剤によりフッ
素樹脂が硬化する温度での熱処理、加圧処理、加圧処理
と上記熱処理との併用、衝撃圧力による固定等の方法で
固着できる。また、上記方法で固着させる前に、基材表
面をブラスト処理等して凹凸を設けるようにしてもよ
い。そうすれば、基材と表面層との固着性を向上させる
ことができる。
【0015】
実施例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(石原産業、ST
S−11)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)粒子(ダイキン工業、D−1)と蒸留水を混合し、
30分撹拌して得たコ−ティング液を、スプレ−コ−テ
ィング法にて、ステンレス基材上に塗布し、380℃で
3分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子4重量
部、ポリテトラフルオロエチレン粒子6重量部からなる
表面層を形成して#1試料を得た。#1試料の表面観察
により光触媒性酸化物粒子が外気と接するように露出し
た親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と接
するように露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に
微視的に分散された構造を有する表面層が形成されてい
ることが確認された。次に、#1試料の表面の水との接
触角を測定した。ここで水との接触角は接触角測定器
(協和界面科学、CA−X150)を用い、滴下後30
秒後の水との接触角で評価した。その結果、水との接触
角は120゜と90゜以上の値となり、#1試料を水槽
中の水に浸漬させた後引き上げても、ほとんど水滴の付
着は認められなかった。その後に#1試料を冷凍庫にい
れても氷着しなかった。次に、#1試料に紫外線光源
(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍光灯)
を用いて試料の表面に0.5mW/cm2の紫外線照度
で約1日間紫外線を照射して#2試料を得た。#2試料
について水との接触角を測定した。その結果、水との接
触角は110゜と90゜以上の値となり、#2試料を水
槽中の水に浸漬させた後引き上げても、やはりほとんど
水滴の付着は認められず、その後に#2試料を冷凍庫に
いれても氷着しなかった。
S−11)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)粒子(ダイキン工業、D−1)と蒸留水を混合し、
30分撹拌して得たコ−ティング液を、スプレ−コ−テ
ィング法にて、ステンレス基材上に塗布し、380℃で
3分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子4重量
部、ポリテトラフルオロエチレン粒子6重量部からなる
表面層を形成して#1試料を得た。#1試料の表面観察
により光触媒性酸化物粒子が外気と接するように露出し
た親水性を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気と接
するように露出した撥水性を呈する部分の双方が表面に
微視的に分散された構造を有する表面層が形成されてい
ることが確認された。次に、#1試料の表面の水との接
触角を測定した。ここで水との接触角は接触角測定器
(協和界面科学、CA−X150)を用い、滴下後30
秒後の水との接触角で評価した。その結果、水との接触
角は120゜と90゜以上の値となり、#1試料を水槽
中の水に浸漬させた後引き上げても、ほとんど水滴の付
着は認められなかった。その後に#1試料を冷凍庫にい
れても氷着しなかった。次に、#1試料に紫外線光源
(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍光灯)
を用いて試料の表面に0.5mW/cm2の紫外線照度
で約1日間紫外線を照射して#2試料を得た。#2試料
について水との接触角を測定した。その結果、水との接
触角は110゜と90゜以上の値となり、#2試料を水
槽中の水に浸漬させた後引き上げても、やはりほとんど
水滴の付着は認められず、その後に#2試料を冷凍庫に
いれても氷着しなかった。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、鉄道車両において、水
滴が付着しにくく、かつその性質を長期的に維持できる
外表面が形成可能となるので、車体着雪が生じにくくな
る。従って、通常の高速走行においても、車体着雪の落
下による飛石事故を防止するのが可能となる。
滴が付着しにくく、かつその性質を長期的に維持できる
外表面が形成可能となるので、車体着雪が生じにくくな
る。従って、通常の高速走行においても、車体着雪の落
下による飛石事故を防止するのが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 127/12 C09D 127/12 // B60S 1/00 B60S 1/00
Claims (1)
- 【請求項1】 車両の外表面に、光触媒性酸化物粒子が
外気と接するように露出した親水性を呈する部分と、撥
水性フッ素樹脂が外気と接するように露出した撥水性を
呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造を有
し、かつ表面の水との接触角が90゜以上である表面層
が形成されていることを特徴とする飛石事故防止性鉄道
車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9113482A JPH10287240A (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 飛石事故防止性鉄道車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9113482A JPH10287240A (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 飛石事故防止性鉄道車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10287240A true JPH10287240A (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=14613414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9113482A Pending JPH10287240A (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 飛石事故防止性鉄道車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10287240A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006347364A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Railway Technical Res Inst | 鉄道車両用コーティング剤とその塗布方法、鉄道車両用コーティングの製造方法及び鉄道車両 |
JP2007153162A (ja) * | 2005-12-06 | 2007-06-21 | Hokkaido Railway Co | 車両用連結幌 |
-
1997
- 1997-04-15 JP JP9113482A patent/JPH10287240A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006347364A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Railway Technical Res Inst | 鉄道車両用コーティング剤とその塗布方法、鉄道車両用コーティングの製造方法及び鉄道車両 |
JP2007153162A (ja) * | 2005-12-06 | 2007-06-21 | Hokkaido Railway Co | 車両用連結幌 |
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