JPH10303407A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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Publication number
JPH10303407A
JPH10303407A JP10478797A JP10478797A JPH10303407A JP H10303407 A JPH10303407 A JP H10303407A JP 10478797 A JP10478797 A JP 10478797A JP 10478797 A JP10478797 A JP 10478797A JP H10303407 A JPH10303407 A JP H10303407A
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JP
Japan
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layer
contact
gallium nitride
type
molybdenum
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Pending
Application number
JP10478797A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Nishitsuji
充 西辻
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10303407A publication Critical patent/JPH10303407A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタクト層と該コンタクト層の上に形成さ
れるオーミック電極とのオーミック性接触のコンタクト
抵抗を低減する。 【解決手段】 n型のAlx Ga1-x N(但し、xは0
以上で且つ0.5以下である。)で表わされるn型の窒
化アルミニウムガリウム層11の上に、該窒化アルミニ
ウムガリウム層11とオーミック性接触するように、モ
リブデン(仕事関数:4.12eV、融点:2523
℃)よりなるモリブデン層12が堆積されている。モリ
ブデン層12の上には、該モリブデン層12の酸化を防
止する金層13が堆積されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、n型の化合物半導
体層よりなるコンタクト層と、該コンタクト層の上に形
成されたオーミック電極とを有する半導体装置、特に、
高温動作又は高出力動作が可能な電界効果型トランジス
タや半導体レーザ装置等の半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】n型の化合物半導体層よりなるコンタク
ト層と、該コンタクト層の上に形成されたオーミック電
極とを有する半導体装置としては、n型のAlx Ga
1-x N(但し、xは0以上で且つ0.5以下である。)
で表わされるn型窒化アルミニウムガリウム又はn型窒
化ガリウムよりなるコンタクト層の上にオーミック電極
が形成されたものが知られている。
【0003】以下、図13を参照しながら、前記従来の
半導体装置について説明する。
【0004】まず、図13(a)に示すように、コンタ
クト層としてのn型窒化アルミニウムガリウム層1の上
に、第1のチタン層2、アルミニウム層3及び第2のチ
タン層4及び金層5が順次形成された積層構造からなる
オーミック電極が形成されている。この場合、第2のチ
タン層4及び金層5はアルミニウム層3の酸化を防止す
るために形成されており、第2のチタン層4はアルミニ
ウム層3と金層5との密着性を高める働きを有してい
る。
【0005】次に、図13(a)に示す積層構造体に対
して、例えば600℃の温度下における30秒間の短時
間の熱処理を行なう。このようにすると、n型窒化アル
ミニウムガリウム層1を構成するAlGaNと第1のチ
タン層2を構成するTiとの間に、 AlGaN+Ti→AlGa+窒素空孔+TiN の反応が起こって、図13(b)に示すように、n型窒
化アルミニウムガリウム層1における第1のチタン層2
との界面に、窒素空孔による高濃度n型不純物層6が形
成されると共に、第1のチタン層2におけるn型窒化ア
ルミニウムガリウム層1との界面に窒化チタン層7が形
成される。この場合、n型窒化アルミニウムガリウム層
1において窒素の空孔が形成され、該窒素の空孔が浅い
ドナーレベルになるので、n型窒化アルミニウムガリウ
ム層1における第1のチタン層2との界面に高濃度n型
不純物層6が形成されるのである。
【0006】図14は、n型窒化アルミニウムガリウム
層1と第1のチタン層2との界面におけるエネルギーバ
ンド図を示しており、図14において、太い一点鎖線は
熱処理前のショトキー障壁高さを示し、太い実線は熱処
理後のバンドギャップ及びショトキー障壁高さを示して
いる。仕事関数が4.20eVであるアルミニウム層3
と高濃度n型不純物層6との距離が短くなるため、図1
4に示すように、表面空乏層の幅が狭くなり、電子eが
ショットキー障壁をトンネリングにより通過し易くなる
ので、コンタクト層とオーミック電極とが良好なオーミ
ック性接触をする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、n型窒化ア
ルミニウムガリウム層1よりなるコンタクト層は、広い
バンドギャップを有しているため、高温動作又は高出力
動作が可能な電界効果型トランジスタ等において用いら
れている。このため、高温における信頼性を確保するた
めに、通常、高温における比較的長時間の熱処理が行な
われる。
【0008】ところが、オーミック電極としてアルミニ
ウムを用いた場合、数百℃の高温環境下においては、図
15に示すように、オーミック電極を構成するアルミニ
ウム層3のアルミニウムがn型窒化アルミニウムガリウ
ム層1内に熱拡散して反応するため、n型窒化アルミニ
ウムガリウム層1中のアルミニウム組成が増加して、高
Al組成のAlGaN層9が形成されるので、図16に
示すように、n型窒化アルミニウムガリウム層1のバン
ドギャップがさらに拡がる。
【0009】このため、コンタクト層とオーミック電極
とのオーミック性接触が劣化するという問題がある。こ
れは、アルミニウムの融点(660℃)が比較的低いた
めアルミニウム層3のアルミニウムが第1の窒化チタン
層2の窒化チタンと熱反応して、チタンと高抵抗な窒化
アルミニウムとの混晶層8が形成されると共に、高Al
組成のAlGaN層9において、前述した窒素空孔によ
ってドナーレベルが深くなるためコンタクト層における
活性化した電子の数が減少してしまうためである。従っ
て、低抵抗のオーミック接触を得ることは困難になる。
【0010】さらに、窒化チタン層7の窒化チタンとア
ルミニウム層3のアルミニウムとが再反応して、高抵抗
な窒化アルミニウム層が形成されることにより、オーミ
ック接触のコンタクト抵抗の増加を引き起こしてしまう
という問題も生じる。
【0011】前記に鑑み、本発明は、コンタクト層と該
コンタクト層の上に形成されるオーミック電極とのオー
ミック性接触のコンタクト抵抗を低減することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の半導
体装置は、n型のAlx Ga1-x N(但し、xは0以上
で且つ0.5以下である。)で表わされるn型の窒化ア
ルミニウムガリウム又は窒化ガリウムよりなるコンタク
ト層と、該コンタクト層の上に該コンタクト層とオーミ
ック性接触するように形成された仕事関数が4.2eV
以下の高融点金属よりなる高融点金属層からなるオーミ
ック電極とを備えている。
【0013】第1の半導体装置によると、オーミック電
極は仕事関数が4.2eV以下の金属からなるため、オ
ーミック性接触領域のショトキー障壁の高さが低いの
で、電子がショトキー障壁を透過又は乗り越え易くな
る。
【0014】また、オーミック電極が高融点金属よりな
るため、高温における比較的長時間の熱処理を行なって
も、オーミック電極を構成する金属がコンタクト層に熱
拡散し難いので、オーミック電極を構成する金属がコン
タクト層内に拡散してオーミック性接触のコンタクト抵
抗が高くなる事態を回避することができる。
【0015】本発明に係る第2の半導体装置は、n型の
Alx Ga1-x N(但し、xは0以上で且つ0.5以下
である。)で表わされるn型の窒化アルミニウムガリウ
ム又は窒化ガリウムよりなるコンタクト層と、該コンタ
クト層の上に該コンタクト層とオーミック性接触するよ
うに形成されたチタン層と該チタン層の上に形成された
仕事関数が4.2eV以下の高融点金属よりなる高融点
金属層とからなるオーミック電極とを備えている。
【0016】第2の半導体装置によると、オーミック電
極は仕事関数が4.2eV以下の金属からなるため、オ
ーミック性接触領域のショトキー障壁の高さが低いの
で、電子がショトキー障壁を透過又は乗り越え易い。
【0017】また、オーミック電極が高融点金属よりな
るため、高温における比較的長時間の熱処理を行なって
も、オーミック電極を構成する金属はコンタクト層に熱
拡散し難い。
【0018】また、コンタクト層と高融点金属層との間
にチタン層が介在しているため、チタン層とコンタクト
層とをオーミック接触させるための短時間の熱処理が必
要になるが、この熱処理によって、コンタクト層におけ
るチタン層との界面に高濃度n型不純物層が形成され
る。
【0019】第2の半導体装置において、チタン層の厚
さは20nm以下であることが好ましい。
【0020】第1又は第2の半導体装置において、高融
点金属は、モリブデン、タンタル、モリブデンを含有す
る金属化合物又はタンタルを含有する金属化合物である
ことが好ましい。
【0021】本発明に係る第3の半導体装置は、n型の
Inx Ga1-x N(但し、xは0よりも大きく且つ1.
0よりも小さい。)で表わされるn型の窒化インジウム
ガリウムよりなるコンタクト層と、コンタクト層の上に
該コンタクト層とオーミック性接触するように形成され
たオーミック電極とを備えている。
【0022】第3の半導体装置によると、コンタクト層
をn型の窒化インジウムガリウムにより形成したため、
つまり、コンタクト層にインジウムが含まれているた
め、コンタクト層のバンドギャップが小さくなるので、
オーミック性接触領域のショトキー障壁の高さが小さく
なる。
【0023】第3の半導体装置によると、オーミック性
接触領域のショトキー障壁の高さが小さくなるので、オ
ーミック電極を構成する金属の種類は特に限定されない
が、オーミック電極は、仕事関数が4.5eV以下の高
融点金属よりなる高融点金属層からなることが好まし
い。
【0024】本発明に係る第4の半導体装置は、n型の
Inx Ga1-x N(但し、xは0よりも大きく且つ1.
0よりも小さい。)で表わされるn型の窒化インジウム
ガリウムよりなるコンタクト層と、コンタクト層の上に
該コンタクト層とオーミック性接触するように形成され
たチタン層と該チタン層の上に形成された仕事関数が
4.5eV以下の高融点金属よりなる高融点金属層とか
らなるオーミック電極とを備えている。
【0025】第4の半導体装置によると、コンタクト層
をn型の窒化インジウムガリウムにより形成したため、
つまり、コンタクト層にインジウムが含まれているた
め、コンタクト層のバンドギャップが小さくなるので、
オーミック性接触領域のショトキー障壁の高さが小さく
なる。
【0026】また、コンタクト層と高融点金属層との間
にチタン層が介在しているため、チタン層とコンタクト
層とをオーミック接触させるための短時間の熱処理が必
要になるが、この熱処理によって、コンタクト層におけ
るチタン層との界面に高濃度n型不純物層が形成される
ため、電子がショットキー障壁をトンネリングにより通
過し易くなる。
【0027】第3又は第4の半導体装置において、高融
点金属は、モリブデン、タングステン、タンタル、モリ
ブデンを含有する金属化合物、タングステンを含有する
金属化合物又はタンタルを含有する金属化合物であるこ
とが好ましい。
【0028】本発明に係る第5の半導体装置は、n型の
Alx Ga1-x N(但し、xは0以上で且つ0.5以下
である。)で表わされるn型の窒化アルミニウムガリウ
ム若しくは窒化ガリウム、又はn型のInx Ga1-x
(但し、xは0よりも大きく且つ1.0よりも小さ
い。)で表わされるn型の窒化インジウムガリウムより
なるコンタクト層と、該コンタクト層の上に該コンタク
ト層とオーミック性接触するように形成されたモリブデ
ン層と該モリブデン層の上に形成された白金層とからな
るオーミック電極とを備えている。
【0029】本発明に係る第6の半導体装置は、n型の
Alx Ga1-x N(但し、xは0以上で且つ0.5以下
である。)で表わされるn型の窒化アルミニウムガリウ
ム若しくは窒化ガリウム、又はn型のInx Ga1-x
(但し、xは0よりも大きく且つ1.0よりも小さ
い。)で表わされるn型の窒化インジウムガリウムより
なるコンタクト層と、該コンタクト層の上に該コンタク
ト層とオーミック性接触するように形成されたモリブデ
ン層と該モリブデン層の上に形成されたチタン層と、該
チタン層の上に形成された白金層とからなるオーミック
電極とを備えている。
【0030】本発明に係る第7の半導体装置は、n型の
Alx Ga1-x N(但し、xは0以上で且つ0.5以下
である。)で表わされるn型の窒化アルミニウムガリウ
ム若しくは窒化ガリウム、又はn型のInx Ga1-x
(但し、xは0よりも大きく且つ1.0よりも小さ
い。)で表わされるn型の窒化インジウムガリウムより
なるコンタクト層と、該コンタクト層の上に該コンタク
ト層とオーミック性接触するように形成されたチタン層
と該チタン層の上に形成されたモリブデン層と、該モリ
ブデン層の上に形成された白金層とからなるオーミック
電極とを備えている。
【0031】本発明に係る第8の半導体装置は、n型の
Alx Ga1-x N(但し、xは0以上で且つ0.5以下
である。)で表わされるn型の窒化アルミニウムガリウ
ム若しくは窒化ガリウム、又はn型のInx Ga1-x
(但し、xは0よりも大きく且つ1.0よりも小さ
い。)で表わされるn型の窒化インジウムガリウムより
なるコンタクト層と、該コンタクト層の上に該コンタク
ト層とオーミック性接触するように形成された第1のチ
タン層と該第1のチタン層の上に形成されたモリブデン
層と、該モリブデン層の上に形成された第2のチタン層
と該第2のチタン層の上に形成された白金層とからなる
オーミック電極とを備えている。
【0032】第5〜第8の半導体装置によると、オーミ
ック電極の上層部に形成され該オーミック電極の酸化を
防止する金属層として白金層が形成されているため、高
温における信頼性を確保するために高温での比較的長時
間の熱処理を行なっても、白金は金に比べて融点が高い
ので、白金が白金層の下側に堆積されているモリブデン
層やチタン層を透過して、オーミック電極とコンタクト
層との間のオーミック接触界面に到達しない。このた
め、金層を構成する金がモリブデン層やチタン層を透過
してオーミック性接触の界面に到達し、オーミック性接
触の劣化を引き起こす事態を回避できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は第1の実施形態に係る半導体
装置の断面構造を示している。図1に示すように、n型
のAlx Ga1-x N(但し、xは0以上で且つ0.5以
下である。)で表わされるn型の窒化アルミニウムガリ
ウム層(但し、前記一般式において、xが0のときには
窒化ガリウム層となるが、以下の説明においては、便宜
上、窒化アルミニウムガリウム層と称する。)11より
なるコンタクト層の上に、仕事関数が4.2eV以下の
高融点金属、例えばモリブデン(仕事関数:4.12e
V、融点:2523℃)よりなるモリブデン層12が蒸
着法により堆積され、該モリブデン層12の上に金層1
3が堆積されており、モリブデン層12と金層13とに
よってオーミック電極が構成されている。金層13はモ
リブデン層12の酸化を防止するために形成されてい
る。
【0034】図6(a)、(b)は、n型の窒化アルミ
ニウムガリウム層11とモリブデン層12とがオーミッ
ク性接触するときのエネルギーバンド図を示しており、
図6(a)はオーミック電極を構成する金属の仕事関数
が小さい場合であり、図6(b)はオーミック電極を構
成する金属の仕事関数が大きい場合である。図6(b)
に示すように、仕事関数が大きい金属によってオーミッ
ク電極を形成する場合、ショトキー障壁の高さが高いた
め、電子がショトキー障壁を通過又は乗り越え難いの
で、オーミック性接触の抵抗が大きくなるが、図6
(a)に示すように、仕事関数が小さい金属によってオ
ーミック電極を形成すると、ショトキー障壁の高さが低
いため、電子がショトキー障壁を透過又は乗り越え易い
ので、オーミック性接触の抵抗が小さくなる。第1の実
施形態においては、仕事関数が4.2eV以下の金属に
よってオーミック電極を形成したため、ショトキー障壁
の高さが低いので、オーミック性接触の抵抗は小さくな
る。
【0035】第1の実施形態においては、熱処理を施さ
なくても、n型の窒化アルミニウムガリウム層11とモ
リブデン層12とがオーミック性接触するので、熱処理
工程を行なう手間が省ける。
【0036】また、第1の実施形態においては、100
0℃程度の温度では殆ど反応しない高融点金属例えばモ
リブデンによってオーミック電極を形成したため、高温
における比較的長時間の熱処理を行なっても、高融点金
属例えばモリブデンが窒化アルミニウムガリウム層11
内に熱拡散し難いので、金属の窒化アルミニウムガリウ
ム層11内への拡散に起因してオーミック性接触のコン
タクト抵抗が高くなる事態を回避できる。
【0037】さらに、n型の窒化アルミニウムガリウム
層11とモリブデン層12との間に、他の金属層が介在
しないので、高温における信頼性を確保するために高温
での比較的長時間の熱処理を行なっても、他の金属層を
構成する金属が熱拡散してオーミック性接触を劣化させ
る恐れがない。
【0038】尚、仕事関数が4.2eV以下の高融点金
属としては、モリブデンのほかに、タンタル(仕事関
数:4.05eV、融点:3020℃)、モリブデンを
含有する金属化合物(例えば、MoN、MoSi等)又
はタンタルを含有する金属化合物(例えば、TaSi、
TaN)等が挙げられる。
【0039】(第2の実施形態)図2(a)は第2の実
施形態に係る半導体装置の断面構造を示している。図2
(a)に示すように、n型のAlx Ga1-x N(但し、
xは0以上で且つ0.5以下である。)で表わされるn
型の窒化アルミニウムガリウム層(但し、前記一般式に
おいて、xが0のときには、窒化ガリウム層となるが、
以下の説明においては、便宜上、窒化アルミニウムガリ
ウム層と称する。)21よりなるコンタクト層の上に蒸
着法によりチタン層22が堆積され、該チタン層22の
上に仕事関数が4.2eV以下の高融点金属、例えばモ
リブデン(仕事関数:4.12eV、融点:2523
℃)よりなるモリブデン層23が蒸着法により堆積さ
れ、該モリブデン層23の上に金層24が堆積され、チ
タン層22とモリブデン層23と金層24とによってオ
ーミック電極が構成されている。金層24はモリブデン
層23の酸化を防止するために形成されている。
【0040】図2(b)は、図2(a)に示す積層構造
体に対して、例えば600℃の温度下における30秒間
の熱処理を行なって、n型の窒化アルミニウムガリウム
層21とチタン層22とをオーミック性接触させたとき
の構造を示している。この短時間の熱処理によって、チ
タン層22のチタンと窒化アルミニウムガリウム層21
の窒素とが熱反応するが、この際、窒化アルミニウムガ
リウム層21に窒素の空孔が生成され、これにより、窒
化アルミニウムガリウム層21の表面部に、窒素空孔に
よるn型の高濃度不純物層25が形成されると共に、チ
タン層22のチタンが窒化アルミニウムガリウム層21
の窒素と反応し、これにより、チタン層22における窒
化アルミニウムガリウム層21との界面に窒化チタン層
26が形成される。
【0041】第2の実施形態においては、n型の窒化ア
ルミニウムガリウム層21とモリブデン層23との間に
チタン層22が介在しているため、チタン層22と窒化
アルミニウムガリウム層21との熱反応によるn型の高
濃度不純物層25の形成メカニズムにより、第1の実施
形態に比べて、オーミック性接触の抵抗は小さくなる。
すなわち、従来例の項で説明したように、 AlGaN+Ti→AlGa+窒素空孔+TiN の反応が起こって、図2(b)に示すように、n型窒化
アルミニウムガリウム層21におけるチタン層22との
界面に高濃度n型不純物層25が形成されると共に、チ
タン層22におけるn型窒化アルミニウムガリウム層2
1との界面に窒化チタン層26が形成される。この場
合、n型窒化アルミニウムガリウム層21において窒素
の空孔が形成され、該窒素の空孔が浅いドナーレベルに
なるので、n型窒化アルミニウムガリウム層21におけ
るチタン層22との界面に高濃度n型不純物層25が形
成されるのである。このため、仕事関数が4.20eV
であるモリブデン層23と高濃度n型不純物層25との
距離が短くなるので、表面空乏層の幅が狭くなって、電
子eがショットキー障壁をトンネリングにより通過し易
くなり、これにより、オーミック性接触の抵抗が小さく
なるのである。
【0042】また、第2の実施形態においても、第1の
実施形態と同様、1000℃程度の温度では殆ど反応し
ない高融点金属例えばモリブデンによってオーミック電
極を形成したため、高温における信頼性を確保するため
に高温での比較的長時間の熱処理を行なっても、高融点
金属は窒化アルミニウムガリウム層21内に熱拡散し難
いので、窒化アルミニウムガリウム層21の抵抗値が高
くならない。
【0043】図8は、オーミック電極として、チタン層
22及びモリブデン層23の積層構造を用いた場合と、
従来例に係るチタン層及びアルミニウム層の積層構造を
用いた場合とにおける、熱処理温度(横軸)と規格化し
たオーミック性接触のコンタクト抵抗値(縦軸)との関
係を示している。この場合、短時間の熱処理によってオ
ーミック性接触を得た素子に対して、100℃〜800
℃の間で100℃毎に1時間の熱処理を行ない、この熱
処理によるオーミック性接触のコンタクト抵抗値の劣化
を測定したものである。また、規格化したオーミック性
接触のコンタクト抵抗値とは、熱処理温度毎のオーミッ
ク性接触のコンタクト抵抗を、初期状態のコンタクト抵
抗を1として規格化したものである。
【0044】図8から明らかなように、従来例のもの
は、300℃程度から劣化が始まり、600℃ではオー
ミック性接触が得られなくなっている。また、従来例の
ものでは、700℃以上では、アルミニウム層自体の溶
融及び昇華現象が発生し、電極形状自体が初期の形状を
保持することができなかった。このため、従来例におい
ては、700℃以上のデータが得られなかった。これに
対して、第2の実施形態のように、チタン層22及びモ
リブデン層23の積層構造のオーミック電極を有する場
合には、高温領域で若干のコンタクト抵抗値の増加が見
られるが、従来例に比べて、極めて優れた耐熱性を有し
ていることが分かる。尚、高温領域におけるコンタクト
抵抗値の増加は、高濃度n型不純物層25におけるオー
ミック電極との接触領域の不純物濃度が低下したためと
推測される。
【0045】尚、第2の実施形態において、チタン層2
2の膜厚は20nm以下であることがより好ましい。そ
の理由は以下の通りである。すなわち、チタン層22の
膜厚が20nm以下であると、熱処理によりチタン層2
2と窒化アルミニウムガリウム層21との熱反応が起こ
って、図2(c)に示すように、チタン層22が全て窒
化チタン層26に変化する。これにより、n型窒化アル
ミニウムガリウム層21とモリブデン層23との間に
は、膜厚が20nm以下の窒化チタン層26が介在する
のみであり、電子eがショットキー障壁をトンネリング
により一層通過し易くなるため、ショトキー障壁がオー
ミック性接触に影響を及ぼさなくなるので、オーミック
性接触のコンタクト抵抗が一層小さくなる。
【0046】図11は、チタン膜22の膜厚が15nm
の場合と30nmの場合とにおいて、600℃の温度下
における1時間の熱処理を施したときのオーミック電極
における電圧−電流特性を示しており、図11から明ら
かなように、チタン膜22の膜厚が15nmの場合には
良好なオーミック性接触が得られることを確認した。
【0047】尚、仕事関数が4.2eV以下の高融点金
属としては、モリブデンのほかに、タンタル(仕事関
数:4.05eV、融点:3020℃)、モリブデンを
含有する金属化合物(例えば、MoN、MoSi)又は
タンタルを含有する金属化合物(例えば、TaSi、T
aN)等が挙げられる。
【0048】(第3の実施形態)図3は第3の実施形態
に係る半導体装置の断面構造を示しており、n型のIn
x Ga1-x (但し、xは0よりも大きく且つ1.0
よりも小さい。)で表わされるn型の窒化インジウムガ
リウム層31よりなるコンタクト層の上に、仕事関数が
4.5eV以下の高融点金属、例えばモリブデン(仕事
関数:4.12eV、融点:2523℃)よりなるモリ
ブデン層32が蒸着法により堆積され、該モリブデン層
32の上に金層33が堆積されており、モリブデン層3
2及び金層33によってオーミック電極が構成されてい
る。金層33はモリブデン層32の酸化を防止するため
に形成されている。
【0049】図7(a)はコンタクト層にインジウムが
含有されている場合のエネルギーバンド図を示し、図7
(b)はコンタクト層にインジウムが含有されていない
場合のエネルギーバンド図を示している。コンタクト層
にインジウムが含有されている場合には、インジウムが
含有されていない場合に比べて、コンタクト層(半導体
層)のバンドギャップが小さくなるため、ショトキー障
壁の高さが低くなるので、電子がショトキー障壁を透過
又は乗り越え易くなる。このため、オーミック性接触の
コンタクト抵抗が小さくなって良好なオーミック性接触
が得られる。
【0050】第3の実施形態は、コンタクト層自体のエ
ネルギーバンドを小さくすることにより、オーミック性
接触のコンタクト抵抗値の低減を図るものであるから、
オーミック電極としては、必ずしも高融点金属を用いる
必要はない。オーミック電極として高融点金属を用いる
場合には、高温における比較的長時間の熱処理を行なっ
ても、高融点金属が窒化インジウムガリウム層31内に
熱拡散し難いので、金属の窒化インジウムガリウム層3
1内への拡散に起因してオーミック性接触のコンタクト
抵抗が高くなる事態を回避することができる一方、オー
ミック電極として高融点金属を用いない場合には、融点
が高いためにオーミック電極の形成に手間がかかるとい
う問題を回避することができる。
【0051】また、第3の実施形態においては、第1又
は第2の実施形態に比べて、コンタクト層自体のエネル
ギーバンドが小さいため、オーミック電極を構成する高
融点金属の仕事関数が第1又は第2の実施形態に比べて
大きくてもよく、仕事関数が4.5eV以下であればコ
ンタクト層とオーミック性接触をする。仕事関数が4.
5eV以下の高融点金属としては、モリブデン、タンタ
ル(仕事関数:4.05eV、融点:3022℃)、タ
ングステン(仕事関数:4.5eV、融点:3422
℃)、モリブデンを含有する金属化合物(例えば、Mo
N、MoSi)、タンタルを含有する金属化合物(例え
ば、TaSi、TaN)又はタングステンを含有する金
属化合物(例えば、WSi、WAl、WN)等が挙げら
れる。
【0052】また、第3の実施形態においては、熱処理
を施さなくても、n型の窒化インジウムガリウム層31
とモリブデン層32とがオーミック性接触するので、熱
処理工程を行なう手間が省ける。
【0053】図9は、いずれもオーミック電極としては
チタン層及びアルミニウムの積層構造を用い、コンタク
ト層としては、第3の実施形態のように窒化インジウム
ガリウム層を用いた場合と、従来例のように窒化アルミ
ニウムガリウム層を用いた場合とにおける、熱処理温度
(横軸)と規格化したオーミック性接触のコンタクト抵
抗値(縦軸)との関係を示している。この場合、短時間
の熱処理によってオーミック性接触を得た素子に対し
て、100℃〜600℃の間で100℃毎に1時間の熱
処理を行ない、この熱処理によるオーミック性接触のコ
ンタクト抵抗値の劣化を測定したものである。
【0054】図9から明らかなように、従来例のもの
は、300℃程度から劣化が始まり、600℃ではオー
ミック性接触が得られなくなっているが、第3の実施形
態のものは、500℃及び600℃の領域で若干のコン
タクト抵抗値の増加が見られるが、従来例に比べて優れ
た耐熱性を有していることが分かる。尚、前述したよう
に、700℃以上では、オーミック電極を構成するアル
ミニウム層自体の溶融及び昇華現象が発生するため、デ
ータは得られなかった。
【0055】(第4の実施形態)図4は第4の実施形態
に係る半導体装置の断面構造を示しており、n型のIn
x Ga1-x N(但し、xは0よりも大きく且つ1.0よ
りも小さい。)で表わされるn型の窒化インジウムガリ
ウム層41よりなるコンタクト層の上に蒸着法によりチ
タン層42が堆積され、該チタン層42の上に仕事関数
が4.2eV以下の高融点金属層、例えばモリブデン
(仕事関数:4.12eV、融点:2523℃)よりな
るモリブデン層43が蒸着法により堆積され、該モリブ
デン層43の上に金層44が堆積され、チタン層42と
モリブデン層43と金層44とによってオーミック電極
が構成されている。金層44はモリブデン層43の酸化
を防止するために形成されている。
【0056】第4の実施形態は、第2の実施形態と第3
の実施形態とを組み合わせたものであるから、第2の実
施形態の効果と第3の実施形態の効果とを合わせて得る
ことができる。
【0057】(第5の実施形態)図5(a)は第5の実
施形態に係る半導体装置の断面構造を示している。図5
(a)に示すように、n型のAlx Ga1-x N(但し、
xは0以上で且つ0.5以下である。)で表わされるn
型の窒化アルミニウムガリウム層(但し、前記一般式に
おいて、xが0のときには、窒化ガリウム層となる。)
51よりなるコンタクト層の上に、仕事関数が4.2e
V以下の高融点金属、例えばモリブデン(仕事関数:
4.12eV、融点:2523℃)よりなるモリブデン
層52が蒸着法により堆積され、該モリブデン層52の
上に白金層53が堆積されており、モリブデン層52と
白金層53とによってオーミック電極が構成されてい
る。白金層53はモリブデン層52の酸化を防止するた
めに形成されている。
【0058】第5の実施形態においては、モリブデン層
52の上に白金層53が堆積されているため、高温にお
ける信頼性を確保するために高温での比較的長時間の熱
処理を行なっても、白金層53を構成する白金は、金に
比べて融点が高いため、白金層53の下側に堆積されて
いるモリブデン層やチタン層を透過して、オーミック電
極とコンタクト層との間のオーミック接触界面に到達し
ない。このため、モリブデン層の上に金層を堆積する場
合に発生する問題、すなわち、図5(b)において矢印
で示すような、金層13を構成する金がモリブデン層1
2を透過してオーミック性接触の界面に到達し、オーミ
ック性接触の劣化を引き起こすという現象は発生しな
い。
【0059】尚、第5の実施形態は、第1の実施形態に
おける金層13に代えて白金層53を堆積したものであ
るが、第3の実施形態における金層33に代えて、白金
層を堆積してもよい。
【0060】また、図示は省略しているが、第1又は第
3の実施形態における金層13、33に代えて白金層を
堆積すると共に、該白金層とモリブデン層12、32と
の間にチタン層を介在させてもよい。
【0061】また、図示は省略しているが、第2又は第
4の実施形態における金層24、44に代えて白金層を
堆積すると共に、該白金層とモリブデン層23、43と
の間に、チタン層22、42と異なる他のチタン層を介
在させてもよい。
【0062】さらに、図示は省略しているが、第5の実
施形態における白金層53とモリブデン層52との間に
チタン層を介在させてもよい。
【0063】図10は、オーミック電極として、チタン
層及びモリブデン層の積層構造を用いた場合と、従来例
に係るチタン層及びアルミニウム層の積層構造を用いた
場合とにおける、熱処理温度(横軸)と規格化したオー
ミック性接触のコンタクト抵抗値(縦軸)との関係を示
している。この場合、短時間の熱処理によってオーミッ
ク性接触を得た素子に対して、100℃〜800℃の間
で100℃毎に1時間の熱処理を行ない、この熱処理に
よるオーミック性接触のコンタクト抵抗値の劣化を測定
したものである。
【0064】図10から明らかなように、従来例のもの
は、300℃程度から劣化が始まり、600℃ではオー
ミック性接触が得られなくなっている。これに対して、
チタン層及びモリブデン層の積層構造のオーミック電極
を有する場合には、高温領域においてもコンタクト抵抗
値の増加が殆ど見られず、従来例に比べて、極めて優れ
た耐熱性を有していることが分かる。
【0065】また、図12は、オーミック電極を構成す
るモリブデン層の酸化を防止する層として、金層を用い
た場合(第1の実施形態)と白金層を用いた場合(第5
の実施形態)とにおいて、600℃の温度下における1
時間の熱処理を施したときのオーミック電極における電
圧−電流特性を示しており、図12から明らかなよう
に、モリブデン層の酸化を防止する層として白金層を用
いた場合は、金層を用いた場合に比べて良好なオーミッ
ク性接触が得られている。
【0066】
【発明の効果】第1の半導体装置によると、オーミック
電極が仕事関数が4.2eV以下の高融点金属からな
り、オーミック性接触領域のショトキー障壁の高さが低
いため、電子がショトキー障壁を透過又は乗り越え易い
と共に、高温における比較的長時間の熱処理を行なって
も、オーミック電極を構成する金属がコンタクト層に熱
拡散し難いので、オーミック性接触のコンタクト抵抗が
小さくなる。
【0067】また、コンタクト層の上に直接に高融点金
属よりなるオーミック電極を形成したため、コンタクト
層とオーミック電極とをオーミック性接触させるための
熱処理工程が不要になるので、工程の削減を図ることが
できる。さらに、コンタクト層と高融点金属層との間に
他の金属層が介在しないため、高温における信頼性を確
保するために高温での比較的長時間の熱処理を行なって
も、他の金属層を構成する金属がコンタクト層に熱拡散
してオーミック性接触を劣化させる恐れがない。
【0068】第2の半導体装置によると、第1の半導体
装置と同様、オーミック電極が仕事関数が4.2eV以
下の高融点金属からなり、オーミック性接触領域のショ
トキー障壁の高さが低いため、電子がショトキー障壁を
透過又は乗り越え易いと共に、高温における比較的長時
間の熱処理を行なっても、オーミック電極を構成する金
属がコンタクト層に熱拡散し難いので、オーミック性接
触のコンタクト抵抗が小さくなる。
【0069】また、コンタクト層と高融点金属層との間
にチタン層が介在しているため、チタン層とコンタクト
層とをオーミック接触させるための熱処理によって、コ
ンタクト層におけるチタン層との界面に高濃度n型不純
物層が形成され、電子がショットキー障壁をトンネリン
グにより通過し易くなるので、オーミック性接触の抵抗
が小さくなる。
【0070】第2の半導体装置において、チタン層の厚
さが20nm以下であると、熱処理によりチタン層とコ
ンタクト層との熱反応が起こって、チタン層が全て窒化
チタン層に変化し、高融点金属層とコンタクト層との間
には膜厚が20nm以下の窒化チタン層が介在するのみ
であるから、電子がショットキー障壁をトンネリングに
より一層通過し易くなるので、オーミック性接触の抵抗
が一層小さくなる。
【0071】第1又は第2の半導体装置において、高融
点金属が、モリブデン、タンタル、モリブデンを含有す
る金属化合物又はタンタルを含有する金属化合物である
と、オーミック性接触のコンタクト抵抗を確実に低減す
ることができる。
【0072】第3の半導体装置によると、コンタクト層
にインジウムが含まれているため、コンタクト層のバン
ドギャップが小さくなって、オーミック性接触領域のシ
ョトキー障壁の高さが小さくなるので、オーミック性接
触のコンタクト抵抗が小さくなる。
【0073】第3の半導体装置において、オーミック電
極を、仕事関数が4.5eV以下の高融点金属により形
成すると、高温における比較的長時間の熱処理を行なっ
ても、オーミック電極を構成する金属がコンタクト層に
熱拡散し難いので、オーミック電極を構成する金属がコ
ンタクト層内に拡散してオーミック性接触のコンタクト
抵抗が高くなる事態を回避することができる。
【0074】第4の半導体装置によると、コンタクト層
にインジウムが含まれているため、コンタクト層のバン
ドギャップが小さくなって、オーミック性接触領域のシ
ョトキー障壁の高さが小さくなるので、オーミック性接
触のコンタクト抵抗が小さくなる。
【0075】また、コンタクト層と高融点金属層との間
にチタン層が介在しているため、チタン層とコンタクト
層とをオーミック接触させるための熱処理によって、コ
ンタクト層におけるチタン層との界面に高濃度n型不純
物層が形成され、電子がショットキー障壁をトンネリン
グにより通過し易くなるので、オーミック性接触の抵抗
が小さくなる。
【0076】第3又は第4の半導体装置において、高融
点金属が、モリブデン、タングステン、タンタル、モリ
ブデンを含有する金属化合物、タングステンを含有する
金属化合物又はタンタルを含有する金属化合物である
と、オーミック性接触のコンタクト抵抗を確実に低減す
ることができる。
【0077】第5〜第8の半導体装置によると、オーミ
ック電極の上層部に従来の金層に代えて白金層が形成さ
れているため、高温における信頼性を確保するために高
温での比較的長時間の熱処理を行なっても、白金がモリ
ブデン層やチタン層を透過して、オーミック電極とコン
タクト層との間のオーミック接触界面に到達しないの
で、オーミック性接触の劣化を引き起こす事態を回避で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置の断面図であ
る。
【図2】(a)は第2の実施形態に係る半導体装置の断
面図であり、(b)は第2の実施形態に係る半導体装置
の熱処理後の断面図であり、(c)はチタン層の膜厚が
20nm以下であるときの第2の実施形態に係る半導体
装置の熱処理後の断面図である。
【図3】第3の実施形態に係る半導体装置の断面図であ
る。
【図4】第4の実施形態に係る半導体装置の断面図であ
る。
【図5】(a)は第4の実施形態に係る半導体装置の断
面図であり、(b)は第1の実施形態に係る半導体装置
における金層の動作を説明する断面図である。
【図6】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体
装置におけるエネルギーバンドを示す図であり、(a)
はオーミック電極を構成する金属の仕事関数が小さい場
合を示し、(b)はオーミック電極を構成する金属の仕
事関数が大きい場合を示している。
【図7】(a)はコンタクト層にインジウムが含有され
ている第3の実施形態に係る半導体装置のエネルギーバ
ンドを示す図であり、(b)はコンタクト層にインジウ
ムが含有されていない従来の半導体装置のエネルギーバ
ンドを示す図である。
【図8】第2の実施形態に係る半導体装置及び従来の半
導体装置における、熱処理温度と規格化したオーミック
性接触のコンタクト抵抗値との関係を示す図である。
【図9】第3の実施形態に係る半導体装置及び従来の半
導体装置における、熱処理温度と規格化したオーミック
性接触のコンタクト抵抗値との関係を示す図である。
【図10】第5の実施形態に係る半導体装置及び従来の
半導体装置における、熱処理温度と規格化したオーミッ
ク性接触のコンタクト抵抗値との関係を示す図である。
【図11】第2の実施形態に係る半導体装置において、
チタン膜の膜厚が15nmの場合と30nmの場合とに
おける熱処理後のオーミック電極における電圧−電流特
性図である。
【図12】オーミック電極の上層部に白金層が形成され
た場合と金層が形成された場合とにおける熱処理後のオ
ーミック電極における電圧−電流特性図である。
【図13】(a)は従来の半導体装置の断面図であり、
(b)は熱処理後の従来の半導体装置の断面図である。
【図14】従来の半導体装置のエネルギーバンドを示す
図である。
【図15】従来の半導体装置の問題点を説明する断面図
である。
【図16】従来の半導体装置の問題点を説明するエネル
ギーバンド図である。
【符号の説明】
11 n型の窒化アルミニウムガリウム層 12 モリブデン層 13 金層 21 n型の窒化アルミニウムガリウム層 22 チタン層 23 モリブデン層 24 金層 25 n型の高濃度不純物層 26 窒化チタン層 31 n型の窒化インジウムガリウム層 32 モリブデン層 33 金層 41 n型の窒化インジウムガリウム層 42 チタン層 43 モリブデン層 44 金層 51 n型の窒化アルミニウムガリウム層 52 モリブデン層 53 白金層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型のAlx Ga1-x N(但し、xは0
    以上で且つ0.5以下である。)で表わされるn型の窒
    化アルミニウムガリウム又は窒化ガリウムよりなるコン
    タクト層と、 前記コンタクト層の上に該コンタクト層とオーミック性
    接触するように形成された、仕事関数が4.2eV以下
    の高融点金属よりなる高融点金属層からなるオーミック
    電極とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 n型のAlx Ga1-x N(但し、xは0
    以上で且つ0.5以下である。)で表わされるn型の窒
    化アルミニウムガリウム又は窒化ガリウムよりなるコン
    タクト層と、 前記コンタクト層の上に該コンタクト層とオーミック性
    接触するように形成されたチタン層と、該チタン層の上
    に形成された仕事関数が4.2eV以下の高融点金属よ
    りなる高融点金属層とからなるオーミック電極とを備え
    ていることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記チタン層の厚さは20nm以下であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記高融点金属は、モリブデン、タンタ
    ル、モリブデンを含有する金属化合物又はタンタルを含
    有する金属化合物であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 n型のInx Ga1-x N(但し、xは0
    よりも大きく且つ1.0よりも小さい。)で表わされる
    n型の窒化インジウムガリウムよりなるコンタクト層
    と、 前記コンタクト層の上に該コンタクト層とオーミック性
    接触するように形成されたオーミック電極とを備えてい
    ることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記オーミック電極は、仕事関数が4.
    5eV以下の高融点金属よりなる高融点金属層からなる
    ことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 n型のInx Ga1-x N(但し、xは0
    よりも大きく且つ1.0よりも小さい。)で表わされる
    n型の窒化インジウムガリウムよりなるコンタクト層
    と、 前記コンタクト層の上に該コンタクト層とオーミック性
    接触するように形成されたチタン層と、該チタン層の上
    に形成された仕事関数が4.5eV以下の高融点金属よ
    りなる高融点金属層とからなるオーミック電極とを備え
    ていることを特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記高融点金属は、モリブデン、タング
    ステン、タンタル、モリブデンを含有する金属化合物、
    タングステンを含有する金属化合物又はタンタルを含有
    する金属化合物であることを特徴とする請求項6又は7
    に記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 n型のAlx Ga1-x N(但し、xは0
    以上で且つ0.5以下である。)で表わされるn型の窒
    化アルミニウムガリウム若しくは窒化ガリウム、又はn
    型のInx Ga1-x N(但し、xは0よりも大きく且つ
    1.0よりも小さい。)で表わされるn型の窒化インジ
    ウムガリウムよりなるコンタクト層と、 前記コンタクト層の上に該コンタクト層とオーミック性
    接触するように形成されたモリブデン層と、該モリブデ
    ン層の上に形成された白金層とからなるオーミック電極
    とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】 n型のAlx Ga1-x N(但し、xは
    0以上で且つ0.5以下である。)で表わされるn型の
    窒化アルミニウムガリウム若しくは窒化ガリウム、又は
    n型のInx Ga1-x N(但し、xは0よりも大きく且
    つ1.0よりも小さい。)で表わされるn型の窒化イン
    ジウムガリウムよりなるコンタクト層と、 前記コンタクト層の上に該コンタクト層とオーミック性
    接触するように形成されたモリブデン層と、該モリブデ
    ン層の上に形成されたチタン層と、該チタン層の上に形
    成された白金層とからなるオーミック電極とを備えてい
    ることを特徴とする半導体装置。
  11. 【請求項11】 n型のAlx Ga1-x N(但し、xは
    0以上で且つ0.5以下である。)で表わされるn型の
    窒化アルミニウムガリウム若しくは窒化ガリウム、又は
    n型のInx Ga1-x N(但し、xは0よりも大きく且
    つ1.0よりも小さい。)で表わされるn型の窒化イン
    ジウムガリウムよりなるコンタクト層と、 前記コンタクト層の上に該コンタクト層とオーミック性
    接触するように形成されたチタン層と、該チタン層の上
    に形成されたモリブデン層と、該モリブデン層の上に形
    成された白金層とからなるオーミック電極とを備えてい
    ることを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】 n型のAlx Ga1-x N(但し、xは
    0以上で且つ0.5以下である。)で表わされるn型の
    窒化アルミニウムガリウム若しくは窒化ガリウム、又は
    n型のInx Ga1-x N(但し、xは0よりも大きく且
    つ1.0よりも小さい。)で表わされるn型の窒化イン
    ジウムガリウムよりなるコンタクト層と、 前記コンタクト層の上に該コンタクト層とオーミック性
    接触するように形成された第1のチタン層と、該第1の
    チタン層の上に形成されたモリブデン層と、該モリブデ
    ン層の上に形成された第2のチタン層と、該第2のチタ
    ン層の上に形成された白金層とからなるオーミック電極
    とを備えていることを特徴とする半導体装置。
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