JPH10252850A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

ベルト式無段変速機

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JPH10252850A
JPH10252850A JP9062768A JP6276897A JPH10252850A JP H10252850 A JPH10252850 A JP H10252850A JP 9062768 A JP9062768 A JP 9062768A JP 6276897 A JP6276897 A JP 6276897A JP H10252850 A JPH10252850 A JP H10252850A
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oil
pulley
shaft
output shaft
oil chamber
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Rikiya Kunii
力也 国井
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    • F16H61/662—Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members
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    • F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16H—GEARING
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    • F16H57/0489—Friction gearings with endless flexible members, e.g. belt CVTs

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャンセラー油室用のオイルと無端ベルト潤
滑用のオイルとを共用して必要なオイル供給量を削減す
る。 【解決手段】 ベルト式無段変速機のアウトプットシャ
フト２に設けたドリブンプーリ７のプーリ油室８に対す
る変速制御用オイルの供給は、フィードパイプ４６、プ
ラグ４２の油孔４２1 ，４２2 、油溝４２3 、アウトプ
ットシャフト２の油孔２3 及び可動側プーリ半体７2 の
油孔７3 を介して行われる。一方、アウトプットシャフ
ト２の第１シャフト内油室２1 に供給された潤滑用オイ
ルは、アウトプットシャフト２の油孔２4 を介してドリ
ブンプーリ７のキャンセラー油室４３に供給されるとと
もに、第１シャフト内油室２1 からプラグ４２の絞り４
２4、第２シャフト内油室２2 及びアウトプットシャフ
ト２の油孔２5 を介して無端ベルト９に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、プーリを支持する
シャフトに形成した油路を介してプーリ油室、キャンセ
ラー油室及び無端ベルトにそれぞれオイルを供給するベ
ルト式無段変速機に関する。
【０００２】
【従来の技術】インプットシャフトに設けたドライブプ
ーリとアウトプットシャフトに設けたドリブンプーリと
に無端ベルトを巻き掛け、前記ドライブプーリ及びドリ
ブンプーリの一方の溝幅を増加させるとともに他方の溝
幅を減少させて変速比を変化させるベルト式無段変速機
は、例えば特開平７−１７４１９３号公報により既に知
られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかるベル
ト式無段変速機では、プーリの溝幅を変更するプーリ油
室にオイルを供給する油路、プーリ油室に発生する遠心
油圧をキャンセルするキャンセラー油室にオイルを供給
する油路、無端ベルトを潤滑するオイルを供給する油路
等が、それぞれ別系統として前記インプットシャフトや
アウトプットシャフトの内部に形成される。このように
シャフト内に多系統の油路を同時に形成すると、必要な
オイル供給量が増加して大容量のオイルポンプが必要に
なる問題がある。
【０００４】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、キャンセラー油室用のオイルと無端ベルト潤滑用の
オイルとを共用して必要なオイル供給量を削減すること
を目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】請求項１に記載された発
明では、 ベルト式無段変速機のプーリを支持するシャ
フトの内周に設けた第１油路を介してプーリ油室にオイ
ルが供給され、第２油路を介してキャンセラー油室にオ
イルが供給される。キャンセラー油室から出たオイルは
絞りを通過して油路開放端から排出され、その際に無端
ベルトを潤滑する。これにより、キャンセラー油室用の
オイルと無端ベルト潤滑用のオイルとを共用して必要な
オイル供給量を削減することができる。
【０００６】請求項２に記載された発明では、シャフト
の内部に設けられて第１油路を構成するオイル受渡部を
利用して第２油路の絞りが形成されるので、第１、第２
油路を構成する部品点数及び加工工数を削減することが
できる。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【０００８】図１〜図７は本発明の一実施例を示すもの
で、図１はベルト式無段変速機の全体構成図、図２は図
１の要部拡大図、図３は図２の３−３線拡大断面図、図
４は油圧回路の第１分図、図５は油圧回路の第２分図、
図６は無端ベルトの必要給油量を示すグラフ、図７はオ
イルポンプの必要吐出量を示すグラフである。
【０００９】図１に示すように、車両用のベルト式無段
変速機Ｔは平行に配置されたインプットシャフト１及び
アウトプットシャフト２を備えており、エンジンＥのク
ランクシャフト３の右端は、フライホイール付きダンパ
ー４を介してインプットシャフト１の左端に接続され
る。
【００１０】インプットシャフト１に支持されたドライ
ブプーリ５は、該インプットシャフト１に対して相対回
転自在な固定側プーリ半体５1 と、この固定側プーリ半
体５ 1 に対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体５2
とを備える。可動側プーリ半体５2 は、プーリ油室６に
作用する油圧により固定側プーリ半体５1 との間の溝幅
が可変である。アウトプットシャフト２に支持されたド
リブンプーリ７は、該アウトプットシャフト２に一体に
形成された固定側プーリ半体７1 と、この固定側プーリ
半体７1 に対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体７
2 とを備える。可動側プーリ半体７2 は、プーリ油室８
に作用する油圧により固定側プーリ半体７1 との間の溝
幅が可変である。そしてドライブプーリ５とドリブンプ
ーリ７との間に、２条のストラップに多数の押し駒を装
着した無端ベルト９が巻き掛けられる。
【００１１】インプットシャフト１の右端に、前進変速
段を確立する際に係合してインプットシャフト１の回転
を同方向にドライブプーリ５に伝達するフォワードクラ
ッチ１０と、後進変速段を確立する際に係合してインプ
ットシャフト１の回転を逆方向にドライブプーリ５に伝
達するリバースブレーキ１１とを備えた、遊星歯車機構
よりなる前後進切換機構１２が設けられる。
【００１２】アウトプットシャフト２の左端に設けられ
る発進用クラッチ１３は、アウトプットシャフト２に相
対回転自在に支持した第１中間ギヤ１４を該アウトプッ
トシャフト２に結合する。アウトプットシャフト２と平
行に配置された中間軸１５に、前記第１中間ギヤ１４に
噛合する第２中間ギヤ１６が設けられる。ディファレン
シャル１７のギヤボックス１８に設けた入力ギヤ１９
に、前記中間軸１５に設けた第３中間ギヤ２０が噛合す
る。ギヤボックス１８にピニオンシャフト２１を介して
支持した一対のピニオン２２，２２に、ギヤボックス１
８に相対回転自在に支持した左車軸２３及び右車軸２４
の先端に設けたサイドギヤ２５，２６が噛合する。左車
軸２３及び右車軸２４の先端にそれぞれ駆動輪Ｗ，Ｗが
接続される。
【００１３】電子制御ユニットＵｅにはアクセル開度セ
ンサＳ1 、車速センサＳ2 及び図示せぬセレクトレバー
がリバースレンジを選択したこと検出するリバーススイ
ッチＳ3 からの信号が入力される。電子制御ユニットＵ
ｅは前記各センサ及びスイッチからの信号に基づいて油
圧制御ユニットＵｈに制御信号を出力し、油圧制御ユニ
ットＵｈは前記ドライブプーリ５及びドリブンプーリ７
の溝幅、即ちベルト式無段変速機Ｔの変速比と、フォワ
ードクラッチ１０の係合状態と、リバースブレーキ１１
の係合状態と、発進用クラッチ１３の係合状態とを制御
する。
【００１４】次に、図２及び図３に基づいてドリブンプ
ーリ７の構造を説明する。図２においてアウトプットシ
ャフト２の軸線Ｌの上半部及び下半部は、それぞれ変速
比がＯＤの状態及びＬＯＷの状態を示している。
【００１５】ベルト式無段変速機Ｔのアウトプットシャ
フト２は、その軸方向中間部が中央ケーシング３１にロ
ーラベアリング３２を介して支持されるとともに、右端
部が右ケーシング３３にボールベアリング３４を介して
支持される。アウトプットシャフト２の外周にはドリブ
ンプーリ７の固定側プーリ半体７1 が一体に形成されて
おり、この固定側プーリ半体７1 の右側面に対向する可
動側プーリ半体７2 がボールスプライン３５を介して軸
方向摺動自在且つ相対回転不能に支持される。可動側プ
ーリ半体７2 の右側面に対向するように、アウトプット
シャフト２の外周にピストン部材３６が固定され、更に
アウトプットシャフト２の外周にピストン部材３６の右
側面に対向するように内側シリンダ部材３７が固定され
る。
【００１６】可動側プーリ半体７2 の外周部右側面には
外側シリンダ部材３８が固定されており、ピストン部材
３６の外周に設けたシール部材３９が外側シリンダ部材
３８に摺動自在に当接することにより、可動側プーリ半
体７1 、ピストン部材３６及びアウトプットシャフト２
間に前記プーリ油室８が画成される。プーリ油室８に
は、可動側プーリ半体７2 を固定側プーリ半体７1 に向
けて付勢するスプリング４０が圧縮状態で収納される。
また外側シリンダ部材３８の内周に設けたシール部材４
１が内側シリンダ部材３７に摺動自在に当接することに
より、ピストン部材３６、外側シリンダ部材３８、内側
シリンダ部材３７及びアウトプットシャフト２間にキャ
ンセラー油室４３が画成される。
【００１７】アウトプットシャフト２の内部には、その
右端面に開口する盲孔状の第１シャフト内油室２1 及び
第１シャフト内油室２2 が軸線Ｌに沿うように同軸に形
成されており、第１、第２シャフト内油室２1 ，２2 を
仕切るように圧入された概略円柱状のプラグ４２がアウ
トプットシャフト２の段部に当接する位置に固定され
る。右ケーシング３３の右側面に結合される右カバー４
４には２本の油路４４1，４４2 が形成されており、右
端がシール部材４５を介して前記油路４４1 に接続され
たフィードパイプ４６が第１シャフト内油室２1 の内部
を左方向に延び、その左端が前記プラグ４２の中心に形
成した盲の油孔４２1 のシール部材４７を介して嵌合す
る。
【００１８】プラグ４２は、前記油孔４２1 から１２０
°間隔で放射状に延びる３本の油孔４２2 …と、これら
３本の油孔４２2 …の外端に連通する環状の油溝４２3
とを備える。プラグ４２の環状の油溝４２3 は、アウト
プットシャフト２を半径方向に貫通する油孔２3 …と、
可動側プーリ半体７2 の筒状部を半径方向に貫通する油
孔７3 …とを介してプーリ油室８に連通する。
【００１９】漏斗状のリテーナ４８がフィードパイプ４
６の外周を囲むように右カバー４４に固定されており、
更にこのリテーナ４８の先端部外周を囲むように環状の
リテーナ４９がアウトプットシャフト２の第１シャフト
内油室２1 に固定される。第１シャフト内油室２1 は、
フィードパイプ４６の外周及びリテーナ４８の内周の間
隙を介して右カバー４４の油路４４2 に連通するととも
に、両リテーナ４８，４９の間隙を介してアウトプット
シャフト２の外部に連通する。第１シャフト内油室２1
は、該アウトプットシャフト２を半径方向に貫通する油
孔２4 …を介してキャンセラー油室４３に連通するとと
もに、プラグ４２を軸方向に貫通する３個の絞り４２4
…を介して第２シャフト内油室２2 に連通する。そして
第２シャフト内油室２2 から半径方向に延びる油孔２5
…は無端ベルト９に対向し、また半径方向に延びる他の
油孔２6 …はローラベアリング３２に対向する。
【００２０】次に、図４及び図５を参照しながら油圧制
御ユニットＵｈの油圧回路の概略を説明する。
【００２１】オイルタンク５１からオイルポンプ５２で
汲み上げられたオイルは、リニアソレノイド５３により
作動するＰＨ−ＰＬコントロールバルブ５４に接続され
たＰＨレギュレータバルブ５５及びＰＬレギュレータバ
ルブ５６により調圧される。高圧のＰＨ圧と低圧のＰＬ
圧とは、リニアソレノイド５７により作動するシフトコ
ントロールバルブ５８に接続されたシフトバルブ５９に
より、ドライブプーリ５のプーリ油室６及びドリブンプ
ーリ７のプーリ油室８の一方及び他方に供給される。そ
の結果、ＰＨ圧及びＰＬ圧の差圧によりドライブプーリ
５及びドリブンプーリ７の溝幅が増減して変速比が変化
する。
【００２２】ＰＨ圧レギュレータバルブ５５が出力する
ＰＨ圧はクラッチ減圧バルブ６０によりクラッチ圧に減
圧された後、ドライバーにより操作されるマニュアルバ
ルブ６１を介して前後進切換機構１２のフォワードクラ
ッチ１０或いはリバースブレーキ１１に選択的に伝達さ
れ、これにより前進変速段或いは後進変速段が確立す
る。車両の前進走行中に後進変速段が確立するのを防止
すべく、インヒビタソレノイドバルブ６２により作動す
るリバースインヒビタバルブ６３によりリバースブレー
キ１１に対する油圧供給が遮断される。
【００２３】クラッチ減圧バルブ６０が出力するクラッ
チ圧は、リニアソレノイド６４により作動する発進用ク
ラッチ制御バルブ６５を介して発進用クラッチ１３に伝
達される。発進用クラッチ制御バルブ６５と発進用クラ
ッチ１３との間にはシフトコントロールバルブ５８によ
り作動するシフトインヒビタバルブ６６が介在してお
り、油圧制御系のフェイル時に、ピトーパイプ６７にお
いて発生した油圧をピトーレギュレータバルブ６８で調
圧したピトーレギュレータ圧を、前記シフトインヒビタ
バルブ６６を介して発進用クラッチ１３に供給すること
によりバックアップが図られる。
【００２４】ＰＨ圧レギュレータバルブ５５から供給さ
れる潤滑用のオイルは潤滑制御バルブ６９で調圧された
後、発進用クラッチ１３の潤滑用、発進用クラッチ１３
のキャンセラー用、前後進切換機構１２の遊星歯車機構
の潤滑用、無端ベルト９の潤滑用、ドリブンプーリ７の
キャンセラー用及びドライブプーリ５のキャンセラー用
に供される。また無端ベルト９及びドリブンプーリ７の
キャンセラー油室４３に供給されるオイルの一部は、ク
ーラーリリーフバルブ７０、オイルクーラー７１及びフ
ィルター７２を経てオイルタンク５１に戻される。
【００２５】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用について説明する。
【００２６】セレクトレバーでフォワードレンジを選択
すると、電子制御ユニットＵｅからの指令で先ずフォワ
ードクラッチ１０が係合し、その結果インプットシャフ
ト１はドライブプーリ５に一体に結合される。続いて発
進用クラッチ１３が係合し、エンジンＥのトルクがイン
プットシャフト１、ドライブプーリ５、無端ベルト９、
ドリブンプーリ７、アウトプットシャフト２及びディフ
ァレンシャル１７を経て駆動輪Ｗ，Ｗに伝達され、車両
は前進発進する。セレクトレバーでリバースレンジを選
択すると、電子制御ユニットＵｅからの指令でリバース
ブレーキ１１が係合してドライブプーリ５がインプット
シャフト１の回転方向と逆方向に駆動されるため、発進
用クラッチ１３の係合により車両は後進発進する。
【００２７】このようにして車両が発進すると、電子制
御ユニットＵｅからの指令でドライブプーリ５のプーリ
油室６に供給される油圧が増加し、ドライブプーリ５の
可動側プーリ半体５2 が固定側プーリ半体５1 に接近し
て有効半径が増加するとともに、ドリブンプーリ７のプ
ーリ油室８に供給される油圧が減少し、ドリブンプーリ
７の可動側プーリ半体７2 が固定側プーリ半体７1 から
離反して有効半径が減少することにより、ベルト式無段
変速機Ｔの変速比がＬＯＷ側からＯＤ側に向けて連続的
に変化する。
【００２８】シフトバルブ５９を経て右カバー４４の油
路４４1 に供給された制御用のオイルは、アウトプット
シャフト２の第１シャフト内油室２1 に収納されたフィ
ードパイプ４６の内部を流れてプラグ４２の油孔４２1
に流入し、そこから半径方向の油孔４２2 …及び円周方
向の油溝４２3 を通過し、更にアウトプットシャフト２
の油孔２3 …及びドリブンプーリ７の可動側プーリ半体
７2 の油孔７3 …を経てプーリ油室８に供給される。
【００２９】また潤滑制御バルブ６９を経て右カバー４
４の油路４４2 に供給された潤滑用のオイルは、アウト
プットシャフト２の第１シャフト内油室２1 から油孔２
4 …を経てドリブンプーリ７のキャンセラー油室４３に
供給されるとともに、第１シャフト内油室２1 からプラ
グ４２の絞り４２4 …を経て第２シャフト内油室２2に
流入する。第２シャフト内油室２2 内のオイルは油孔２
5 …から流出してドリブンプーリ７に巻き掛けられた無
端ベルト９を潤滑し、また油孔２6 …から流出してアウ
トプットシャフト２を支持するローラベアリング３２を
潤滑する。
【００３０】アクセルペダルを急激に踏み込んだキック
ダウン時等に、ベルト式無段変速機Ｔの変速比がＯＤ側
からＬＯＷ側に変化するとき、ドリブンプーリ７のプー
リ油室８に作用する油圧で可動側プーリ半体７2 は図２
において左方向（固定側プーリ半体７1 に接近する方
向）に移動する。その結果、キャンセラー油室４３の容
積が縮小して該キャンセラー油室４３内のオイルが第１
シャフト内油室２1 に押し出され、そのオイルはプラグ
４２の絞り４２4 …、第２シャフト内油室２2 及び油孔
２5 …を経て無端ベルト９に供給される。このように、
遠心油圧のキャンセルに一旦使用したオイルを無端ベル
ト９の潤滑に再度使用することにより、オイルポンプ５
２の必要吐出容量を減少させて該オイルポンプ５２の小
型化を図ることができる。特に、無端ベルト９の潤滑に
必要なオイル量は、無端ベルト９とドリブンプーリ７と
の接触面圧が大きくなるＯＤ側からＬＯＷへの変速時に
増加するが、そのときにキャンセラー油室４３の容積縮
小によりオイルを自動的に無端ベルト９に供給すること
ができる。
【００３１】図６に示すように、従来は無端ベルト９の
潤滑用として供給するオイル量を、最も条件の厳しいＯ
Ｄ側からＬＯＷ側への変速時における必要量を満たすよ
うに設定していたが、本発明によれば前記オイル量を通
常時（ＯＤ側からＬＯＷへの変速時以外）の必要量に設
定しても、変速時に不足分のオイルがキャンセラー油室
４３から補充されるため、図７に示すようにオイルポン
プ５２を従来よりも小型化して容量を最小限に抑えなが
ら、無端ベルト９を確実に潤滑することができる。
【００３２】而して、ドリブンプーリ７のプーリ油室８
に制御用のオイルを供給する油路の一部である油孔４２
1 ，４２2 …及び油溝４２3 …と、無端ベルト９及びロ
ーラベアリング３２に潤滑用のオイルを供給する絞り４
２4 …とを共通のプラグ４２に形成したので、部品点数
や加工工数の増加を最小限に抑えながら２系統の油路を
容易に形成することができる。
【００３３】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【００３４】例えば、実施例では本発明をアウトプット
シャフト２側に適用しているが、それをインプットシャ
フト１側に適用することも可能である。また実施例では
無端ベルト９を潤滑するオイルがアウトプットシャフト
２の右側からプラグ４２の絞り４２4 …を経て供給され
るが、前記アウトプットシャフト２の右側からのオイル
供給に加えて、アウトプットシャフト２の左側からも無
端ベルト９にオイルを供給するように構成しても良い。
【００３５】
【発明の効果】以上のように請求項１に記載された発明
によれば、少なくとも一方のシャフトの内部に第１油路
及び第２油路を持ち、第１油路は前記シャフトに支持し
たプーリのプーリ油室にオイルを供給するとともに、第
２油路は前記プーリのキャンセラー油室にオイルを供給
するベルト式無段変速機において、第２油路は油路開放
端に絞りを介して連通しており、前記油路開放端から排
出されるオイルで無端ベルトを潤滑するので、プーリの
溝幅が減少して無端ベルトがクランプされるときに、通
常の潤滑用オイルに加えてキャンセラー油室から排出さ
れるオイルを絞りを介して無端ベルトに供給し、該無端
ベルトを効果的に潤滑して耐久性を高めることができ
る。これによりキャンセラー油室用のオイルを無端ベル
ト潤滑用に利用し、必要なオイル供給量を削減しながら
無端ベルトの耐久性を高めることができる。
【００３６】また請求項２に記載された発明によれば、
シャフトの内周に嵌合したオイル受渡部にフィードパイ
プの端部を接続して前記第１油路を構成するとともに、
前記オイル受渡部に前記第２油路の絞りを形成したの
で、第１油路を構成するオイル受渡部を利用して第２油
路の絞りが形成することが可能となり、その結果、第
１、第２油路を構成する部品点数及び加工工数を削減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】ベルト式無段変速機の全体構成図
【図２】図１の要部拡大図
【図３】図２の３−３線拡大断面図
【図４】油圧回路の第１分図
【図５】油圧回路の第２分図
【図６】無端ベルトの必要給油量を示すグラフ
【図７】オイルポンプの必要吐出量を示すグラフ
【符号の説明】
１ インプットシャフト ２ アウトプットシャフト（シャフト） ２5 油孔（油路開放端） ５ ドライブプーリ ５1 固定側プーリ半体 ５2 可動側プーリ半体 ６ プーリ油室 ７ ドリブンプーリ（プーリ） ７1 固定側プーリ半体 ７2 可動側プーリ半体 ８ プーリ油室 ９ 無端ベルト ４２ プラグ（オイル受渡部） ４２4 絞り ４３ キャンセラー油室 ４６ フィードパイプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 溝幅が可変の固定側プーリ半体（５1 ）
    及び可動側プーリ半体（５2 ）を備えてインプットシャ
    フト（１）に設けられたドライブプーリ（５）と溝幅が
    可変の固定側プーリ半体（７1 ）及び可動側プーリ半体
    （７2 ）を備えてアウトプットシャフト（２）に設けら
    れたドリブンプーリ（７）とに無端ベルト（９）を巻き
    掛けてなり、前記可動側プーリ半体（５2 ，７2 ）を作
    動させるプーリ油室（６，８）と、該プーリ油室（６，
    ８）に隣接するキャンセラー油室（４３）とを備えた無
    段変速機であって、 前記少なくとも一方のシャフト（２）の内部に第１油路
    及び第２油路を持ち、第１油路は前記シャフト（２）に
    支持したプーリ（７）のプーリ油室（８）にオイルを供
    給するとともに、第２油路は前記プーリ（７）のキャン
    セラー油室（４３）にオイルを供給するものにおいて、 前記第２油路は油路開放端（２5 ）に絞り（４２4 ）を
    介して連通しており、前記油路開放端（２5 ）から排出
    されるオイルで前記無端ベルト（９）を潤滑することを
    特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 【請求項２】 前記シャフト（２）の内周に嵌合したオ
    イル受渡部（４２）にフィードパイプ（４６）の端部を
    接続して前記第１油路を構成するとともに、前記オイル
    受渡部（４２）に前記第２油路の絞り（４２4 ）を形成
    したことを特徴とする、請求項１に記載のベルト式無段
    変速機。
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