JP2005030494A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

ベルト式無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2005030494A
JP2005030494A JP2003196240A JP2003196240A JP2005030494A JP 2005030494 A JP2005030494 A JP 2005030494A JP 2003196240 A JP2003196240 A JP 2003196240A JP 2003196240 A JP2003196240 A JP 2003196240A JP 2005030494 A JP2005030494 A JP 2005030494A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
pulley
centrifugal
oil
continuously variable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003196240A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Kato
芳章 加藤
Yoshihiro Kono
義裕 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Ltd filed Critical JATCO Ltd
Priority to JP2003196240A priority Critical patent/JP2005030494A/ja
Priority to EP04014751A priority patent/EP1498639A1/en
Priority to US10/888,005 priority patent/US20050014584A1/en
Publication of JP2005030494A publication Critical patent/JP2005030494A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/32Friction members
    • F16H55/52Pulleys or friction discs of adjustable construction
    • F16H55/56Pulleys or friction discs of adjustable construction of which the bearing parts are relatively axially adjustable
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
    • F16H61/662Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members
    • F16H61/66272Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members characterised by means for controlling the torque transmitting capability of the gearing

Abstract

【課題】特にセカンダリプーリに発生する遠心油圧をキャンセルし、かつ、油量収支の向上を図ることが可能なベルト式無段変速機を提供すること。
【解決手段】ベルト式無段変速機において、被動側プーリの可動プーリピストン室と隣接する固定壁と、前記可動プーリを直接押圧するピストンとの間の空間を遠心油圧キャンセル室とし、前記被動側プーリを支持する従動軸に遠心キャンセル油を供給する軸心油路と、前記遠心油圧キャンセル室と前記軸心油路とを連通する連通路を設け、前記遠心油圧キャンセル室と前記連通路の間を前記遠心キャンセル油が液密に流通することとした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト式無段変速機の変速油圧装置に関し、特にクランプ圧と変速用油圧を独立に制御する変速油圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機の変速油圧装置として、例えば特許文献1に記載の記述が知られている。この公報に記載の技術では、被動側プーリの固定壁の背面に遠心油圧キャンセル室を設けている。よって、オーバードライブ状態等において、被動側プーリの回転数が上昇したとしても、遠心油圧をキャンセルすることが可能となり、安定した変速制御を達成している。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−182791号公報(図2参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、下記に示す問題があった。すなわち、遠心油圧キャンセル室へ油を供給するポートと、大気開放するポートが隣接しているため、遠心油圧キャンセル室の有効受圧面積の内周側半径は大気開放位置となる。このとき、ピストンの有効受圧面積の内周側半径に比べ、遠心油圧キャンセル室の有効受圧面積の内周側半径が大きくなってしまい、十分な遠心キャンセル力が得られないという問題があった。また、大気開放された油は無駄に捨てられているだけであり、油量収支の悪化を招くという問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような問題点に着目してなされたもので、特に被動側プーリに発生する遠心油圧をキャンセルし、かつ、油量収支の向上を図ることが可能なベルト式無段変速機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本願発明では、ベルト式無段変速機において、プーリの可動プーリピストン室と隣接する固定壁と、前記可動プーリを直接押圧するピストンとの間の空間を遠心油圧キャンセル室とし、前記プーリを支持する軸に遠心キャンセル油を供給する軸心油路と、前記遠心油圧キャンセル室と前記軸心油路とを連通する連通路を設け、前記遠心油圧キャンセル室と前記連通路の間を前記遠心キャンセル油が液密に流通することとした。
【0007】
【発明の作用及び効果】
請求項1に記載のベルト式無段変速機にあっては、プーリに設けられた遠心油圧キャンセル室に遠心キャンセル油を供給する際、軸心油路と遠心油圧キャンセル室との間を液密に流通することとした。これにより、遠心油圧キャンセル室の有効受圧面積の内周側半径を軸心油路近傍に設定することが可能となり、確実に遠心油圧をキャンセルすることができる。特に被動側プーリにあっては高回転になりやすいため、顕著に効果を得ることができる。
【0008】
請求項2に記載のベルト式無段変速機にあっては、ダブルピストン型のベルト式無段変速機とし、プーリのシリンダ室とクランプ室との間に遠心油圧キャンセル室を設けた。これにより、シリンダ室及びクランプ室に作用する両方の遠心油圧を一つの室でキャンセルすることが可能となり、オーバードライブ状態のように従動軸の回転数が非常に高い状態であっても、安定した変速制御を達成することができる。
【0009】
請求項3に記載のベルト式無段変速機にあっては、遠心油圧キャンセル室に油を供給する軸芯油路をプーリの谷部まで延長し、この谷部において大気開放することとした。これにより、遠心油圧キャンセル室に供給する油の余剰分を、ベルトとプーリの間の潤滑及び冷却用の油として利用することが可能となり、油量収支の向上を図ることができる。また、大気開放位置を、遠心油圧キャンセル室への油供給位置とオフセット配置することで、遠心油圧キャンセル室の有効受圧面積の内径側をより軸芯側に移動することが可能となり、更に効率よく遠心油圧をキャンセルすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるベルト式無段変速機3を表す断面図である。1はトルクコンバータ、1aはロックアップクラッチ、3はCVT、4はオイルポンプである。
【0012】
エンジン出力軸には回転伝達機構としてトルクコンバータ1が連結されるとともに、エンジンとCVT3を直結するロックアップクラッチ1aが備えられている。トルクコンバータ1の出力軸13は前後進切換機構2のリングギア2aと連結されている。前後進切換機構2は、トルクコンバータ出力軸13と連結したリングギア2a,ピニオンキャリア2b,変速機入力軸14と連結したサンギア2cからなる遊星歯車機構から構成されている。ピニオンキャリア2bには、変速機ケースにピニオンキャリア2bを固定する後進ブレーキ2eと、変速機入力軸14とピニオンキャリア2bを一体に連結する前進クラッチ2dが設けられている。
【0013】
変速機入力軸14には変速機構部として、ベルト式無段変速機が備えられている。このベルト式無段変速機3は、プライマリプーリ10と、セカンダリプーリ40と、プライマリプーリ10の回転力をセカンダリプーリ40に伝達するベルト15等からなっている。プライマリプーリ10は、変速機入力軸14と一体に回転する固定プーリ14aと、固定プーリ14aに対向配置されてV字状プーリ溝を形成すると共にプライマリプーリシリンダ室30及びプライマリクランプ室20に作用する油圧によって変速機入力軸14の軸方向に移動可能である可動プーリ12からなっている。
【0014】
セカンダリプーリ40は、従動軸16上に設けられている。セカンダリプーリ40は、従動軸16と一体に回転する固定プーリ16aと、固定プーリ16aに対向配置されてV字状プーリ溝を形成すると共にセカンダリプーリシリンダ室60及びセカンダリクランプ室50に作用する油圧によって従動軸16の軸方向に移動可能である可動プーリ42とからなっている。
【0015】
従動軸16には駆動ギア17が固着されており、この駆動ギア17はアイドラ軸18に設けられたアイドラギヤ18a、ピニオンギヤ18b、ファイナルギア19a、差動装置19を介して図外の車輪に至るドライブシャフトを駆動する。
【0016】
上記のような動力伝達の際に、プライマリプーリ10の可動プーリ12及びセカンダリプーリ40の可動プーリ42を軸方向に移動させてベルト15との接触位置半径を変えることにより、プライマリプーリ10とセカンダリプーリ40との間の回転比つまり変速比を変えることができる。このようなV字状のプーリ溝の幅を変化させる制御は、プライマリプーリシリンダ室30,セカンダリプーリシリンダ室60,プライマリクランプ室20及びセカンダリクランプ室50への油圧制御により行われる。
【0017】
ここで、プライマリプーリ10及びセカンダリプーリ40のピストン室構造について説明する。図2はプライマリプーリ10とセカンダリプーリ40の拡大断面図である。
【0018】
プライマリプーリシリンダ室30は、変速機入力軸14とボールスプライン14fを介して一体に回転する可動プーリ12と、可動プーリ12の延長部12aと、固定壁21により区画された室である。延長部12aの内周部と固定壁21の外周部は、シール21aを介してシールされているため、可動プーリ12が軸方向に移動してもプライマリプーリシリンダ室30は液密状態を維持している。
【0019】
プライマリクランプ室20は、固定壁21,22とピストン24とで区画された室であり、ピストン24の外径部は可動プーリ12の延長部12aと当接する。固定壁21,22は、それぞれ変速機入力軸14と圧入によって液密に固定されている。更に、固定壁22のシリンダ室側の径方向には、クランプ圧を供給する油路を構成する半穴22aが設けられている。また、固定壁21の図中左側側面の径方向には、半穴22aと対向する位置に、クランプ圧を供給する油路を構成する半穴21bが設けられている。
【0020】
これら固定壁21,22に設けられた半穴21b,22aによりクランプ圧供給用の径方向油路が形成されている。この半穴21b,22aには、変速機入力軸14のカバー側端部から供給される軸心油路14b及び、径方向油路14cを介してクランプ圧が供給される。このように、隣接する圧入部材に挟まれた領域に油路を形成することで、油路の液密性の向上を図ることができる。また、ピストン24はシール24a,24bによってプライマリクランプ室20を液密状態に維持している。
【0021】
同様に、セカンダリプーリシリンダ室60は、ボールスプライン16iを介して従動軸16と一体に回転する可動プーリ42と、可動プーリ42の延長部42aと、固定壁41により区画された室である。延長部42aの内周部と固定壁41の外周部は、シール41aを介してシールされているため、可動プーリ42が軸方向に移動してもセカンダリプーリシリンダ室60を液密状態に維持している。
【0022】
セカンダリクランプ室50は、固定壁41,43とピストン44とで区画された室であり、ピストン44の外径部は可動プーリ42の延長部42aと当接する。また、ピストン44はシール44a,44bによってセカンダリクランプ室50を液密状態に維持している。また、固定壁41の図中右側端部と、固定壁43のシリンダ室側は突き当てられ、従動軸16に設けられたリング16hにより軸方向の移動を規制している。
【0023】
固定壁43の内径部は、従動軸16に圧入固定されている。そして、固定壁41の径方向であって、固定壁43の端面付近には、従動軸16に設けられた径方向油路16eとセカンダリクランプ室50とを液密に連通する油路41bが設けられている。このように、圧入部材付近に油路を形成することで、油路の液密性を向上することができる。
【0024】
セカンダリプーリシリンダ室60内であって、可動プーリ42と固定壁41の間には、スプリング41cが配置されている。このスプリング41cは、油圧が発生していない初期状態でベルト15をクランプしている。これにより、車両牽引時等において、ベルト滑りを防止している。
【0025】
セカンダリプーリ40には、セカンダリプーリシリンダ室60とセカンダリクランプ室50の間であって、固定壁41とピストン44に区画された遠心油圧キャンセル室55が設けられている。この遠心油圧キャンセル室55へは、従動軸16の軸心に設けられた軸心油路16f及び径方向油路16g及び固定壁41に設けられた油路41dを介して潤滑油が供給される。尚、本実施の形態では従動軸16の軸心からオフセットした位置に軸心油路16fを設けているが、この構成に限られるものではなく、軸心に設けてもよい。
【0026】
このとき、遠心油圧キャンセル室55と従動軸16に設けられた軸心油路16fは、従動軸16に設けられた固定プーリ16a近傍まで延長され、径方向油路16hから大気開放されている。そして、径方向油路16hを介してベルト15へ潤滑油を供給している。また、遠心油圧キャンセル室55と軸心油路16fとの間は、径方向油路16g,41dを介して液密に連通されており、遠心油圧キャンセル室55と軸心油路16fとの間で遠心キャンセル油が流通するよう構成されている。よって、後述するように遠心油圧キャンセル室55の有効受圧面積の内周側半径を軸心油路16f近傍に設定することが可能となり、確実に遠心油圧をキャンセルすることができる(請求項1に対応)。尚、詳細については後述する。
【0027】
プライマリクランプ室20とセカンダリクランプ室50の受圧面積は等しく(断面積Acl)しており、両室20,50は変速機カバー70に設けられた油路65により連通している。図3は変速機カバー70を表す正面図である。変速機カバー70の外周には、リブ66,67及び68が設けられている。このリブ66,67の内周には、図外のコントロールバルブユニットからクランプ圧を供給する軸方向油路65cと、この軸方向油路65cとプライマリクランプ室20とを連通する油路65aと、軸方向油路65cとセカンダリクランプ室50とを連通する油路65bが設けられている。また、リブ68の内周には、図外のコントロールバルブユニットからセカンダリプーリ用の変速用油圧を供給する油路88aが設けられている。
【0028】
図5は実施の形態1におけるベルト式無段変速機の油圧回路を表す回路図である。
【0029】
プレッシャレギュレータバルブ84は、油路81から供給されたオイルポンプ4の吐出圧を、ライン圧として調圧する。油路81には油路82及び油路83が連通されている。油路82はプライマリプーリコントロールバルブ(以下、PP/C.Vと記載する)86及びセカンダリプーリコントロールバルブ(以下、SP/C.Vと記載する)88に接続されている。油路83は信号圧の元圧を供給するパイロットバルブ89に接続されている。
【0030】
油路82には、オリフィス91aを有する油路82aを介してプレッシャモディファイアバルブ91へ供給される。プレッシャモディファイアバルブ91は、パイロット圧を元圧とするライン圧ソレノイド100からの信号圧により調圧され、油路84aを介してプレッシャレギュレータバルブ84の背圧として作用し、ライン圧を調圧する。パイロットバルブ89により調圧された油圧は、油路83aを介してプライマリ変速制御弁85及びセカンダリ変速制御弁87に供給される。
【0031】
変速制御弁85により調圧された油圧は、油路85aを介してPP/C.V86の背圧として供給され、同様に変速制御弁87により調圧された油圧は、油路87aを介してSP/C.V88の背圧として供給される。PP/C.V86では、プレッシャレギュレータバルブ84から供給されるライン圧を調圧し、プライマリプーリシリンダ室30へ変速用の油圧を供給する。同様に、SP/C.V88では、プレッシャレギュレータバルブ84から供給されるライン圧を調圧し、セカンダリプーリシリンダ室60へ変速用の油圧を供給する。
【0032】
油路82には、プライマリクランプ室20とセカンダリクランプ室50とを連通する油路65が接続されている。この油路65には、プライマリクランプ室20と連通する油路65aと、セカンダリクランプ室50と連通する油路65bが連通している。また、油路82と油路65との間には、電子制御により作動するクランプ力設定用減圧弁90が設けられている。これにより、CVTコントロールユニットからの指令信号に基づいてライン圧を減圧し、プライマリプーリ10及びセカンダリプーリ40のクランプ圧として供給する。
【0033】
プレッシャレギュレータバルブ84からドレンされた油圧は、プーリ潤滑弁92により調圧され、プーリ潤滑弁92からドレンされた油圧(潤滑油)は、油路92aを介して、軸芯油路16fへ供給される。
【0034】
(遠心油圧キャンセル論理)
次に、遠心油圧キャンセル室55における遠心油圧キャンセル論理について説明する。図4はセカンダリプーリ40の拡大断面図である。ここで、セカンダリプーリシリンダ室60の遠心油圧をFs、セカンダリクランプ室50の遠心油圧をFcとすると、下記式により表される。
Fs=ρω(r −r
Fc=ρω(R −R
となる。ここで、ρは油密度、ωは従動軸16の回転数、r2はセカンダリクランプ室50の有効受圧面積の外径、r1はセカンダリクランプ室50の有効受圧面積の内径、R2はセカンダリプーリシリンダ室60の有効受圧面積の外径、R1はセカンダリプーリシリンダ室60の有効受圧面積の内径である。セカンダリプーリシリンダ室60の遠心油圧Fsは、固定壁41との関係からプーリ溝幅を縮める方向(図4中左側)に作用する。また、セカンダリクランプ室50の遠心油圧Fcは、固定壁43との関係からプーリ溝幅を縮める方向(図4中左側)に作用する。
【0035】
このとき、遠心油圧キャンセル室55に作用する遠心油圧をFeとすると、本実施の形態における大気開放位置は、遠心油圧キャンセル室55と離れた位置(16h)に設けられている。よって、遠心油圧キャンセル室55の有効受圧面積の外径はr2、内径は軸心油路16f近傍のR(≦R1)と考えられる。よって、下記式により表される。
Fe=ρω(r −R
遠心油圧キャンセル室55の遠心油圧Feは、固定壁41との関係からプーリ溝幅を広げる方向(図4中右側)に作用する。よって、セカンダリプーリシリンダ室60及びセカンダリクランプ室50の両方に作用する遠心油圧を高いレベルでキャンセルすることができる。
【0036】
また、この遠心油圧は、径方向油路16gから遠心油圧キャンセル室55へ油を供給すると共に、径方向油路16hからベルト15とセカンダリプーリとの接触面に潤滑油として供給する。これにより、遠心油圧キャンセル室55へ油を供給すると共に、大気開放された油を潤滑及び冷却用の油として利用することが可能となり、大気開放圧を効率よく利用することができる。
【0037】
以上説明したように、実施の形態1におけるベルト式無段変速機にあっては、セカンダリプーリシリンダ室60とセカンダリクランプ室50との間に遠心油圧キャンセル室55を設けたことで、セカンダリプーリシリンダ室60及びセカンダリクランプ室50に作用する両方の遠心油圧を一つの室でキャンセルすることが可能となり、オーバードライブ状態のように従動軸の回転数が非常に高い状態であっても、安定した変速制御を達成することができる(請求項2に対応)。
【0038】
また、可動プーリ42の外径側に設けられた延長部42aと、クランプ用ピストン44の径方向外側に延在されたピストン延長部によって区画された室を遠心油圧キャンセル室55とした。すなわち、クランプ用ピストン44と対向する側に遠心油圧キャンセル室を確保すると共に、その外径側に延在されたピストン延長部の分を、セカンダリプーリシリンダ室60と対向する側の遠心油圧キャンセル室として確保することができる。これにより、高いレベルで遠心油圧をキャンセルすることができる。尚、セカンダリプーリシリンダ室60の有効受圧面積の内径側(r1)と、クランプ室の有効受圧面積の外径側(R2)とを近づけるよう、両室を径方向にオフセット配置することで更に効率よく遠心油圧をキャンセルしてもよい。
【0039】
また、遠心油圧キャンセル室55に油を供給する軸芯油路16fをセカンダリプーリの谷部まで延長し、この谷部において大気開放することとした。これにより、遠心油圧キャンセル室55に供給する油の余剰分を、ベルト15とプーリ42の間の潤滑及び冷却用の油として利用することが可能となり、油量収支の向上を図ることができる。また、大気開放位置(16h)を、遠心油圧キャンセル室55への油供給位置(16g)とオフセット配置することで、遠心油圧キャンセル室55の有効受圧面積の内径側をより軸芯側に移動することが可能となり、更に効率よく遠心油圧をキャンセルすることができる(請求項3に対応)。
【0040】
尚、本実施の形態ではダブルピストン型のベルト式無段変速機に適用したが、この構成に限られるものではなく、例えばシングルピストン型のベルト式無段変速機に適用しても、有効に遠心油圧をキャンセルすることができる。また、本実施の形態では、遠心キャンセル室をセカンダリプーリに設けたが、同様にプライマリプーリに設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるベルト式無段変速機の断面図である。
【図2】実施の形態1におけるベルト式無段変速機の拡大断面図である。
【図3】実施の形態1におけるベルト式無段変速機の変速機カバーを表す正面図である。
【図4】実施の形態1におけるベルト式無段変速機のセカンダリプーリを表す拡大断面図である。
【図5】実施の形態1におけるベルト式無段変速機の油圧回路を表す回路図である。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ
1a ロックアップクラッチ
2 前後進切換機構
3 ベルト式無段変速機
4 オイルポンプ
10 プライマリプーリ
12 可動プーリ
12a 延長部
13 トルクコンバータ出力軸
14 変速機入力軸
14a 固定プーリ
15 ベルト
16 従動軸
16a 固定プーリ
16f 軸心油路
16g 径方向油路
20 プライマリプーリシリンダ室
21a シール
21 固定壁
22 固定壁
24 ピストン
24a,24b シール
30 プライマリクランプ室
40 セカンダリプーリ
41 固定壁
41a シール
42 可動プーリ
42a 延長部
43 固定壁
44 ピストン
44a,44b シール
50 セカンダリクランプ室
55 遠心油圧キャンセル室
60 セカンダリプーリシリンダ室
65 連通路
70 変速機カバー
84 プレッシャレギュレータバルブ
85 プライマリ変速制御弁
87 セカンダリ変速制御弁
89 パイロットバルブ
90 クランプ力設定用減圧弁
91 プレッシャモディファイアバルブ
92 プーリ潤滑弁
100 ライン圧ソレノイド

Claims (3)

  1. ベルト式無段変速機において、
    可動プーリピストン室と隣接する固定壁と、前記可動プーリを直接押圧するピストンとの間の空間を遠心油圧キャンセル室とし、
    プーリを支持する軸に遠心キャンセル油を供給する軸心油路と、前記遠心油圧キャンセル室と前記軸心油路とを連通する連通路を設け、
    前記遠心油圧キャンセル室と前記連通路の間を前記遠心キャンセル油が液密に流通することを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 請求項1に記載のベルト式無段変速機において、
    プーリの溝幅を変更する可動プーリに推力を発生させる可動プーリピストン室を、ベルトのクランプ力発生用のクランプ室と、変速時における差推力発生用のシリンダ室とを有する二重ピストン構造とし、
    前記クランプ室と前記シリンダ室の間に前記遠心油圧キャンセル室を設けたことを特徴とするベルト式無段変速機。
  3. 請求項1または2に記載のベルト式無段変速機において、
    前記軸心油路は、前記プーリの谷部で大気開放することを特徴とするベルト式無段変速機。
JP2003196240A 2003-07-14 2003-07-14 ベルト式無段変速機 Pending JP2005030494A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003196240A JP2005030494A (ja) 2003-07-14 2003-07-14 ベルト式無段変速機
EP04014751A EP1498639A1 (en) 2003-07-14 2004-06-23 Belt continuously-variable transmission
US10/888,005 US20050014584A1 (en) 2003-07-14 2004-07-12 Belt continuously-variable transmission

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003196240A JP2005030494A (ja) 2003-07-14 2003-07-14 ベルト式無段変速機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005030494A true JP2005030494A (ja) 2005-02-03

Family

ID=33475471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003196240A Pending JP2005030494A (ja) 2003-07-14 2003-07-14 ベルト式無段変速機

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20050014584A1 (ja)
EP (1) EP1498639A1 (ja)
JP (1) JP2005030494A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006342836A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Nissan Motor Co Ltd 遠心圧制御装置
JP2015178867A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 ジヤトコ株式会社 プーリ機構,プーリ機構を有する変速機及びこれを備えた車両
JP2016130569A (ja) * 2015-01-14 2016-07-21 トヨタ自動車株式会社 ベルト式無段変速機のケース構造

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1650477B1 (de) * 2004-10-23 2008-08-27 LuK Lamellen und Kupplungsbau Beteiligungs KG Kegelscheibenumschlingungsgetriebe, sowie Fahrzeug mit einem derartigem Getriebe
EP1655511B1 (en) * 2004-11-08 2013-01-09 JATCO Ltd Double piston and belt type continuously variable transmission
US20060154761A1 (en) * 2005-01-11 2006-07-13 Brown Albert W Single chain continuously variable transmission
DE102005026616A1 (de) * 2005-06-09 2006-12-14 Zf Friedrichshafen Ag Stufenloses Automatgetriebe, insbesondere Umschlingungsgetriebe, und Verfahren zur Montage des Variators des Getriebes in das Gehäuse
EP2222970B1 (en) 2007-11-21 2012-08-15 Robert Bosch GmbH Shaft-and-flange component for a pulley of a continuously variable transmission
WO2012035624A1 (ja) * 2010-09-15 2012-03-22 トヨタ自動車株式会社 車両用ベルト式無段変速機
WO2012131999A1 (ja) * 2011-03-31 2012-10-04 トヨタ自動車株式会社 ベルト式無段変速機
NL1039977C2 (en) * 2012-12-27 2014-06-30 Bosch Gmbh Robert HYDRAULICALLY ACTUATED CONTINUOUSLY VARIABLE TRANSMISSION.
US10054211B2 (en) * 2015-07-20 2018-08-21 Dennis Zulawski Drive clutch

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3223241B2 (ja) * 1997-03-17 2001-10-29 本田技研工業株式会社 ベルト式無段変速機
JP2687041B2 (ja) * 1990-10-29 1997-12-08 本田技研工業株式会社 ベルト式無段変速機
JP3131064B2 (ja) * 1993-01-27 2001-01-31 愛知機械工業株式会社 無段変速機の溝可変プーリ
KR0164937B1 (ko) * 1994-06-27 1998-12-15 쯔지 요시후미 연속 가변 변속기용 풀리 장치
JP3277087B2 (ja) * 1995-01-10 2002-04-22 愛知機械工業株式会社 可動フランジを備えた無段変速機
JP3248615B2 (ja) * 1997-01-24 2002-01-21 愛知機械工業株式会社 ベルト式無段変速機のプーリ用シリンダ構造
DE19920063C1 (de) * 1999-05-03 2001-01-18 Daimler Chrysler Ag Vorrichtung mit einer ersten Welle und mit zumindest einer mit der ersten Welle rotierenden Kolben-Zylindereinheit zur Verstellung eines Bauteils
DE10037136A1 (de) * 1999-09-02 2001-03-08 Luk Lamellen & Kupplungsbau Getriebe
JP4752089B2 (ja) * 2000-05-17 2011-08-17 トヨタ自動車株式会社 ベルト式無段変速機
JP3929739B2 (ja) * 2001-10-11 2007-06-13 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 自動変速機の油圧制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006342836A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Nissan Motor Co Ltd 遠心圧制御装置
JP2015178867A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 ジヤトコ株式会社 プーリ機構,プーリ機構を有する変速機及びこれを備えた車両
JP2016130569A (ja) * 2015-01-14 2016-07-21 トヨタ自動車株式会社 ベルト式無段変速機のケース構造

Also Published As

Publication number Publication date
US20050014584A1 (en) 2005-01-20
EP1498639A1 (en) 2005-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8092325B2 (en) Continuously variable belt transmission for a vehicle
US6997831B2 (en) Vehicular transmission
US7377373B2 (en) Hydraulic control apparatus for hydraulic power transmission with lock-up clutch
US8562463B2 (en) Belt type continuously variable transmission
JP2005030494A (ja) ベルト式無段変速機
US6656084B2 (en) Apparatus for controlling clutch between vehicle engine and transmission
JP4289407B2 (ja) 油圧供給装置
CA2327633C (en) Flow passage structure for shaft-press-fitted flange members
JP2012013130A (ja) 油圧制御装置
JP5477181B2 (ja) 油圧制御装置
JP4438337B2 (ja) 無段変速機の油圧制御装置
JP4275617B2 (ja) ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP2776055B2 (ja) 車両用直結クラッチ付流体式伝動装置の油圧制御装置
JP5115322B2 (ja) ベルト式無段変速機
JP2005003012A (ja) ベルト式無段変速機
JP2002021991A (ja) 無段変速機の油圧制御装置
JP2005299803A (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP4745533B2 (ja) 自動変速機
JP2008101723A (ja) ベルト式無段変速機
JP2009236182A (ja) 無段変速機の制御装置
JP2006275276A (ja) ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP2006046525A (ja) 無段変速機の油圧制御装置
JP5045544B2 (ja) ベルト式無段変速機
JP4618225B2 (ja) ベルト式無段変速機
JP2009115115A (ja) 車両用自動変速機の油圧回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050207

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20051111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070123

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070522