JP2006342836A - 遠心圧制御装置 - Google Patents

遠心圧制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006342836A
JP2006342836A JP2005166938A JP2005166938A JP2006342836A JP 2006342836 A JP2006342836 A JP 2006342836A JP 2005166938 A JP2005166938 A JP 2005166938A JP 2005166938 A JP2005166938 A JP 2005166938A JP 2006342836 A JP2006342836 A JP 2006342836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
centrifugal pressure
casing
centrifugal
rotating plate
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005166938A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4815882B2 (ja
Inventor
Chiyuuyu Tei
柱勇 鄭
Ryozo Heiko
良三 平工
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2005166938A priority Critical patent/JP4815882B2/ja
Publication of JP2006342836A publication Critical patent/JP2006342836A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4815882B2 publication Critical patent/JP4815882B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

【課題】作動流体充満空間の回転により、作動流体が遠心力を受けて発生させる遠心圧を制御に有効利用し得るよう制御可能にする。
【解決手段】筐体2を駆動軸3により回転すると、内部作動流体5に遠心力が作用して筐体2内に遠心圧が発生する。この遠心圧を制御可能にするため筐体2内に回転板6を同軸に設け、これをモータ8により回転制御可能にする。回転板6の回転速度Nmを筐体回転速度Ninと同方向で、且つ、同じ値にすると、作動流体5は、回転板6が存在しない場合と同様な平均回転速度で回転され、この平均回転速度で決まる遠心力が内部作動流体5に作用して筐体2内に対応する遠心圧が発生する。Nm>Ninにすると、作動流体5の平均回転速度が速くなって筐体2内の遠心圧が上昇し、Nm< Ninにすると、作動流体5の平均回転速度が低下して筐体2内の遠心圧が低下する。
【選択図】図1

Description

本発明は、作動流体が充満されている筐体の回転による遠心力が内部作動流体に作用して筐体内部に発生する遠心圧を制御する装置に関するものである。
かかる遠心圧の制御に関しては従来、例えば特許文献1,2に記載のようなものが知られている。
特許文献1に記載のものは、湿式クラッチのピストン作動室内に発生した遠心圧がクラッチ解放時にクラッチ締結方向へ作用する弊害を回避するため、ピストンを挟んでピストン作動室と反対の側に、作動油が充満された遠心圧キャンセル室を画成し、この室内に発生した遠心圧で、ピストン作動室内の遠心圧によるピストン押し力を相殺するもので、
また特許文献2に記載のものは、同じく湿式クラッチのピストン作動室内に発生した遠心圧がクラッチ解放時にクラッチ締結方向へ作用する弊害を回避するため、クラッチの非作動時は遠心力により開かれてピストン作動室の作動油をドレンする通路を設け、これにより、クラッチの非作動時にピストン作動室内に遠心圧が発生することのないようにしたものである。
特開平05−044737号公報 特開平06−017844号公報
しかし上記従来の遠心圧制御技術にあっては何れも、遠心圧による悪影響を回避するためこれをキャンセルしたり、遠心圧が発生しないようピストン作動室の作動油をドレンするというものに過ぎず、遠心圧を調圧してこれを有効利用するというものでなかった。
このため従来の遠心圧制御技術は、遠心圧の圧力エネルギーを有効利用するよう改善し得る余地があった。
本発明は、上記の観点から、遠心圧を調圧してこれを有効利用し得るよう改善した遠心圧制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため本発明の遠心圧制御装置は、請求項1に記載のごとく、
作動流体が充満されている回転筐体を具え、該筐体の回転による遠心力が内部作動流体に作用して筐体内部に遠心圧を発生させるものにおいて、
上記筐体の回転軸線に同軸に配置して該筐体内に回転板を収納し、
該回転板の、筐体に対する相対回転制御により筐体内作動流体の平均回転速度を変化させて上記遠心圧を制御する回転板回転制御手段を設けてなることを特徴とするものである。
また、Vベルトプーリに関して同じ目的を達成するため、本発明の遠心圧制御装置は、請求項2に記載のごとく、以下のような構成とする。
先ず前提となるVベルトプーリについて説明するに、これは、
Vベルトを掛け渡すためのV溝を画成する一対の対向フランジを具え、一方のフランジを他方のフランジに対し軸線方向へ変位させてV溝幅を変更することにより、Vベルトの巻き掛け径を変更可能にしたVベルトプーリである。
本発明は、かかるVベルトプーリにおいて特に、
上記他方のフランジから軸線方向遠い側における上記一方のフランジの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該一方のフランジと共に回転するフランジカバーとにより、作動流体充満筐体を画成し、
該筐体内に、プーリ回転軸線と同軸に配置して回転板を収納し、
該回転板の、筐体に対する相対回転制御により筐体内作動流体の平均回転速度を変化させて、筐体内の遠心圧を制御する回転板回転制御手段を設け、
この遠心圧によりVベルトの挟み力を決定するよう構成したことを特徴とするものである。
更に、湿式クラッチに関して同じ目的を達成するため、本発明の遠心圧制御装置は、請求項4に記載のごとく、以下のような構成とする。
先ず前提となる湿式クラッチについて説明するに、これは、
入力側回転メンバと共に回転するクラッチプレート、および、出力側回転メンバと共に回転するクラッチプレートを、入力側回転メンバと共に回転するピストンにより相互に押圧して締結させる湿式クラッチである。
本発明は、かかる湿式クラッチにおいて特に、
上記クラッチプレートから軸線方向遠い側における上記ピストンの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該ピストンと共に回転するピストンカバーとにより、作動流体充満筐体を画成し、
該筐体内に、上記入出力側回転メンバの回転軸線と同軸に配置して回転板を収納し、
該回転板の、筐体に対する相対回転制御により筐体内作動流体の平均回転速度を変化させて、筐体内の遠心圧を制御する回転板回転制御手段を設け、
この遠心圧により前記ピストンのクラッチプレート押し付け力を決定するよう構成したことを特徴とするものである。
上記した請求項1に記載の本発明による遠心圧制御装置においては、
筐体内における回転板を、筐体に対して相対回転制御することにより、筐体内作動流体の平均回転速度が変化されることとなり、結果として、この平均回転速度により決まる筐体内の遠心圧を制御することができる。
よって、遠心圧を調圧してこれを有効利用することができ、遠心圧の圧力エネルギーを利用して、エネルギー効率を高めることができる。
また、請求項2に記載の本発明による遠心圧制御装置においては、
上記他方のフランジから軸線方向遠い側における上記一方のフランジの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該一方のフランジと共に回転するフランジカバーとにより画成された作動流体充満筐体内における回転板を、筐体に対して相対回転制御することにより、筐体内作動流体の平均回転速度が変化されることとなり、結果として、この平均回転速度により決まる筐体内の遠心圧を制御し、この制御された遠心圧をVベルト挟み力の決定に用いることができる。
これがため、遠心圧を調圧してこれをVベルトプーリのVベルト挟み力制御に有効利用することができ、遠心圧の圧力エネルギーを利用して、エネルギー効率を高めることができる。
更に、請求項4に記載の本発明による遠心圧制御装置においては、
クラッチプレートから軸線方向遠い側における上記ピストンの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該ピストンと共に回転するピストンカバーとにより画成された作動流体充満筐体内における回転板を、筐体に対して相対回転制御することにより、筐体内作動流体の平均回転速度が変化されることとなり、結果として、この平均回転速度により決まる筐体内の遠心圧を制御し、この制御された遠心圧をクラッチプレート押し付け力の決定に用いることができる。
これがため、遠心圧を調圧してこれを湿式クラッチのクラッチプレート押し付け力制御に有効利用することができ、遠心圧の圧力エネルギーを利用して、エネルギー効率を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明のー実施例になる遠心圧制御装置を示し、1は、この遠心圧制御装置を用いたユニットのハウジングである。
遠心圧制御装置は筐体2を具え、この筐体2を駆動軸3によりエンジンなどの原動機(図示せず)に結合し、筐体2は更に、ハウジング1内に回転自在に支持すると共にスラストニードル4により軸線方向に支持する。
筐体2内には、オイル5を可とする作動流体を充満させると共に、回転板6を筐体2の回転軸線(駆動軸3)と同軸になるよう配して設ける。
回転板6の中心に制御軸7を固設し、この制御軸7を、筐体駆動軸3から遠い回転板6の側に延設して筐体2から液密封止下に、しかし筐体2に対し相対回転自在に突出させる。
制御軸7の突端には遠心圧制御モータ8のロータ9を結合し、遠心圧制御モータ8はこのロータ9と、これを取り巻くよう配置したステータ10とで構成し、ステータ10をハウジング1に固着する。
遠心圧制御モータ8は、本発明における回転板回転制御手段に相当する。
上記の構成になる遠心圧制御装置の作用を以下に説明する。
軸3を介した筐体2の回転により内部作動流体5も連れ回され、この回転による遠心力が作動流体5に作用して回転筐体2内に遠心圧が発生し、この遠心圧を本実施例においては以下のように制御することができる。
モータ8の回転速度制御や出力トルク制御により回転板6の回転速度Nmを筐体2の回転速度(原動機回転速度)Ninと同符号(正方向)で、且つ、同じ値(回転板6および筐体2間の相対回転速度を0)にすると、筐体2内の作動流体5は、回転板6が存在しない場合と同様な平均回転速度で回転されることとなり、この平均回転速度で決まる遠心力が内部作動流体5に作用して筐体2内に発生する遠心圧は、原動機回転速度Ninに対し図2(a)にαで例示するごとき変化特性を呈する。
モータ8により回転板6の回転速度Nmを筐体2の回転速度(原動機回転速度)Ninと同符号(正方向)で、且つ、これよりも高速(回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Ninが正値)にすると、筐体2内の作動流体5は、回転板6が存在しない場合よりも平均回転速度を増大されることとなり、この平均回転速度で決まる遠心力が内部作動流体5に作用して筐体2内に発生する遠心圧は、原動機回転速度Ninに対し図2(a)にβで例示するごとき変化特性を呈する。
そして、回転板6の回転速度Nmを上昇させ、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔNを大きくするにつれ、筐体2内における作動流体5の平均回転速度増大程度が増すことから、原動機回転速度Ninに対する遠心圧の変化特性は図2(a)のαからβへと変化する。
モータ8による回転板6の回転速度Nmを0にすると、筐体2内の作動流体5は回転板6からの抵抗を受けて、回転板6が存在しない場合よりも平均回転速度を低下されることとなり、この低下された平均回転速度で決まる遠心力が内部作動流体5に作用して筐体2内に発生する遠心圧は、原動機回転速度Ninに対し図2(a)にγで例示するごとき変化特性を呈する。
ここで、回転板6の回転速度Nmを原動機回転速度Ninと同じ値から0に向け低下させ、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Ninの絶対値を大きくするにつれ、筐体2内における作動流体5の平均回転速度低下程度が強くなることから、原動機回転速度Ninに対する遠心圧の変化特性は図2(a)のαからγへと変化する。
モータ8により回転板6を筐体2と逆方向へ回転させると、筐体2内の作動流体5は、回転板6が停止している時よりも更に大きな抵抗を回転板6から受けて、平均回転速度を更に低下されることとなり、この低下された平均回転速度で決まる遠心力が内部作動流体5に作用して筐体2内に発生する遠心圧は、丁度Nm=-Ninの時、原動機回転速度Ninに対し図2(a)にδで示すごとき変化特性を呈し、
回転板6の逆回転速度Nmを0からNm=-Ninへと増大させ、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Ninの絶対値を更に大きくするにつれ、筐体2内における作動流体5の平均回転速度低下程度が更に強くなることから、原動機回転速度Ninに対する遠心圧の変化特性は図2(a)のγからδへと変化する。
なお図2(b)は、原動機回転速度Ninと、回転板回転速度Nmと、この回転板回転速度Nmを与えた時の遠心圧変化特性α,β,γ,δとの関係線図である。
ここで、図2(a),(b)に示す遠心圧変化特性α,β,γ,δ間の領域での特性について個々に考察するに、
遠心圧変化特性α,γ間の領域aでは、図3に便宜上同じ符号aを付して示すごとく、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Nnの絶対値が大きいほど遠心圧が低くなり、
また、遠心圧変化特性α,β間の領域bでは、図3に便宜上同じ符号bを付して示すごとく、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Nnが大きいほど遠心圧が高くなり、
更に、遠心圧変化特性γ,δ間の領域cでは、図3に便宜上同じ符号cを付して示すごとく、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Nnが大きいほど遠心圧が低くなる。
ところで、回転板6の直径と、遠心圧制御幅および遠心圧制御分解能との間には、図4および図5に例示する関係が存在し、遠心圧の制御幅および制御分解能に関する要求に符合するよう回転板6の直径を定めることとする。
また、上記実施例では回転板6の回転速度を電動モータ8により制御することとしたが、これに限られるものではないし、回転板6の回転速度制御を図示せざるブレーキとの併用により行うものでもよいことは言うまでもない。
いずれにして本実施例においては、筐体2内における回転板6を、筐体2に対して相対回転制御することにより、筐体内作動流体5の平均回転速度が変化されることとなり、結果として、この平均回転速度により決まる筐体2内の遠心圧を制御することから、
遠心圧を調圧してこれを有効利用することができることとなり、遠心圧の圧力エネルギーを有効利用して、エネルギー効率を高めることができる。
図6は、Vベルト式無段変速機用のVベルトプーリに対する本発明遠心圧制御装置の適用例を示し、Vベルトプーリは固定フランジ11と、これに対しスプライン12により軸線方向相対変位可能に回転係合させた可動フランジ13とで構成する。
かかるVベルトプーリは、両フランジ11,13間に画成されたV溝にVベルト14を巻き掛けして実用に供し、可動フランジ13を固定フランジ11に対し軸線方向へ変位させてV溝幅を変更することにより、Vベルトの巻き掛け径を変更して無段変速が可能となるようにする。
可動フランジ13を固定フランジ11に対し軸線方向相対位置制御可能にするために、固定フランジ11から遠い可動フランジ13の側にフランジカバー15を嵌合して設ける。
この嵌合はスプライン16を介して行い、これによりフランジカバー15を可動フランジ13に対し軸線方向相対変位可能に回転係合させ、可動フランジ13とフランジカバー15とで、作動流体17が充満された筐体18を構成する。
なおフランジカバー15は、Vベルト式無段変速機ケース19との間におけるスラストニードル20により、可動フランジ13から遠ざかる軸線方向への移動を制限する。
作動流体17が充満された筐体18内には、回転板21をVベルトプーリ回転軸線と同軸になるよう配して設け、回転板6の中心に制御軸22を固設する。
この制御軸22を、固定フランジ11から遠い回転板21の側に延設して筐体18から液密封止下に、しかし筐体18に対し相対回転自在に突出させる。
制御軸22の突端には遠心圧制御モータ23のロータ24を結合し、遠心圧制御モータ23はこのロータ24と、これを取り巻くよう配置したステータ25とで構成し、ステータ25を変速機ケース19に固着する。
遠心圧制御モータ23は、本発明における回転板回転制御手段に相当する。
上記の構成になる遠心圧制御装置付きVベルトプーリの作用を以下に説明する。
筐体18内には、固定フランジ11の中心孔11aより所定のプーリ圧Ppを常時供給し、これと、プーリの回転により筐体18内に発生し、前述したと同様に制御可能な遠心圧との協働によりVベルト14の挟み力を決定して所定の変速制御を行うことができる。
プーリの回転により筐体18内の作動流体17も連れ回され、この回転による遠心力が作動流体17に作用して筐体18内に遠心圧が発生し、この遠心圧を回転板21の回転速度制御を介し、図1〜図3につき前述したと同様にして制御する。
筐体18内に遠心圧が低くなるよう回転板21の回転速度を制御すると、これとプーリ圧Ppとの和値である筐体内圧も低くなり、このとき、可動フランジ13が固定フランジ11との間にVベルト14を挟むベルト挟圧力も低下する。
これにより図6の上半分に示すごとく、Vベルト14は可動プーリ13を固定プーリ11から遠ざかる矢印方向へ変位させながら動力伝達を行い、Vベルト14のプーリ巻き掛け円弧径が小さくなり、対応した方向への無段変速が生起される。
筐体18内に遠心圧が高くなるよう回転板21の回転速度を制御すると、これとプーリ圧Ppとの和値である筐体内圧も高くなり、このとき、可動フランジ13が固定フランジ11との間にVベルト14を挟むベルト挟圧力も大きくなる。
これにより図6の下半分に示すごとく、可動プーリ13はVベルト14を径方向外方へ追い出しながら固定プーリ11に接近する矢印方向へ変位しながら動力伝達を行い、Vベルト14のプーリ巻き掛け円弧径が大きくなり、対応した方向への無段変速が生起される。
本実施例においては、遠心圧を調圧してこれをVベルトプーリのVベルト挟み力制御に有効利用することができ、遠心圧の圧力エネルギーを有効利用して、エネルギー効率を高めることができる。
そして、筐体18内に所定のプーリ圧Ppを供給し、これと遠心圧との協働によりVベルトの挟み力を制御するから、小さな遠心力で、つまりプーリ回転数の小さなものにおいてもこの制御が可能である。
図7は、湿式クラッチに対する本発明遠心圧制御装置の適用例を示し、
湿式クラッチは、入力側回転メンバ31と共に回転するクラッチプレート32、および、出力側回転メンバ33と共に回転するクラッチプレート34よりなるクラッチパックと、入力側回転メンバ31にスプライン35を介して軸線方向変位可能に回転係合させたピストン36とを具え、
このピストン36によりクラッチプレート32,34を相互に押圧してクラッチの締結状態を得るものとする。
ピストン36をクラッチプレート32,34に対し軸線方向相対位置制御可能にするために、クラッチプレート32,34から遠いピストン36の側にピストンカバー37を嵌合して設ける。
この嵌合はスプライン38を介して行い、これによりピストンカバー37をピストン36に対し軸線方向相対変位可能に回転係合させ、ピストン36とピストンカバー37とで、作動流体39が充満された筐体40を構成する。
なおピストンカバー37は、変速機ケース41との間におけるスラストニードル42により、クラッチプレート32,34から遠ざかる軸線方向への移動を制限する。
作動流体39が充満された筐体40内には、回転板43を湿式クラッチ回転軸線と同軸になるよう配して設け、回転板43の中心に制御軸44を固設する。
この制御軸44を、クラッチプレート32,34から遠い回転板43の側に延設して筐体40から液密封止下に、しかし筐体40に対し相対回転自在に突出させる。
制御軸44の突端には遠心圧制御モータ45のロータ46を結合し、遠心圧制御モータ45はこのロータ46と、これを取り巻くよう配置したステータ47とで構成し、ステータ47を変速機ケース41に固着する。
遠心圧制御モータ45は、本発明における回転板回転制御手段に相当する。
上記の構成になる遠心圧制御装置付き湿式クラッチの作用を以下に説明する。
筐体40内には、図示せざる油路より所定圧を供給し、これと、湿式クラッチの回転により筐体40内に発生し、前述したと同様に制御可能な遠心圧との協働によりクラッチの締結力を決定して所定のクラッチ締結制御を行うことができる。
ここで上記の所定圧は、筐体40内に作動流体39を充満させるのに必要な圧力に定める。
湿式クラッチの回転により筐体40内の作動流体39も連れ回され、この回転による遠心力が作動流体39に作用して筐体40内に遠心圧が発生し、この遠心圧を回転板43の回転速度制御を介し、図1〜図3につき前述したと同様にして制御する。
筐体40内に遠心圧が低くなるよう回転板43の回転速度を制御すると、この遠心圧による力に抗してピストン36が図示せざるリターンスプリングにより、或いはクラッチプレート32,34間の離反力により、図7の上半分に示すごとくクラッチプレート32,34から後退し、これらクラッチプレート32,34の押し付け力を0にして湿式クラッチを解放状態にする。
筐体40内に遠心圧が高くなるよう回転板43の回転速度を制御すると、この遠心圧がピストン36を図7の下半分に示すごとく、図示せざるリターンスプリングに抗しクラッチプレート32,34を相互に押圧して湿式クラッチを締結状態にし、この時のクラッチ締結力(クラッチプレート32,34の押し付け力)を遠心圧により制御することができる。
本実施例においては、遠心圧を調圧してこれを湿式クラッチの締結力制御に有効利用することができ、遠心圧の圧力エネルギーを有効利用して、エネルギー効率を高めることができる。
そして、筐体40内に所定圧を供給し、筐体40内に作動流体39が確実に充満されるようにしたから、上記の遠心力制御が正確になり上記の作用効果を確実なものにすることができる。
なお、図6の実施例において筐体18に給排する所定圧、および、図7の実施例において筐体40に給排する所定圧は、制御終了時のタイムチャートを示す図8から明らかなごとく、作動圧制御フラグのON→OFF切り替え時(図8にt1で示す)およびOFF→ON切り替え時に行われる遠心圧制御の終了および開始に調時して排除したり供給するのがよい。
この場合、図6の筐体18内における作動圧、および、図7の筐体40内における作動圧の落差が大きくて、制御の応答性を改善することができる。
本発明の一実施例になる遠心圧制御装置を示す概念図である。 同実施例になる遠心圧制御装置の動作特性を示し、 (a)は、原動機回転速度に対する遠心圧の変化特性図、 (b)は、原動機回転速度と、回転板回転速度と、この回転板回転速度を与えた時における遠心圧変化特性との関係を示す説明図である。 同実施例になる遠心圧制御装置の遠心圧特性を、原動機および回転板間における相対回転速度との関連において、回転板の回転速度域ごとに示す特性線図である。 同実施例の遠心圧制御装置における回転板の直径に対する遠心圧制御幅の変化特性を示す特性線図である。 同実施例の遠心圧制御装置における回転板の直径に対する遠心圧制御分解能の変化特性を示す特性線図である。 本発明の遠心圧制御装置をVベルト式無段変速機のプーリV溝幅制御に用いた適用例を示すVベルトプーリの縦断側面図である。 本発明の遠心圧制御装置を湿式クラッチの締結制御に用いた適用例を示す湿式クラッチの縦断側面図である。 図6および図7の適用例において、遠心圧制御に際し筐体内へ給排する所定圧の給排タイミングを示すタイムチャートである。
符号の説明
1 ユニットハウジング
2 筐体
3 駆動軸
4 スラストニードル
5 作動流体
6 回転板
7 制御軸
8 遠心圧制御モータ(回転板回転制御手段)
9 ロータ
10 ステータ
11 Vベルトプーリ固定フランジ
12 スプライン
13 Vベルトプーリ可動フランジ
14 Vベルト
15 フランジカバー
16 スプライン
17 作動流体
18 筐体
19 Vベルト式無段変速機ケース
20 スラストニードル
21 回転板
22 制御軸
23 遠心圧制御モータ(回転板回転制御手段)
24 ロータ
25 ステータ
31 入力側回転メンバ
32 クラッチプレート
33 出力側回転メンバ
34 クラッチプレート
35 スプライン
36 ピストン
37 ピストンカバー
38 スプライン
39 作動流体
40 筐体
41 変速機ケース
42 スラストニードル
43 回転板
44 制御軸
45 遠心圧制御モータ(回転板回転制御手段)
46 ロータ
47 ステータ

Claims (12)

  1. 作動流体が充満されている回転筐体を具え、該筐体の回転による遠心力が内部作動流体に作用して筐体内部に遠心圧を発生させるものにおいて、
    前記筐体の回転軸線に同軸に配置して該筐体内に回転板を収納し、
    該回転板の、筐体に対する相対回転制御により筐体内作動流体の平均回転速度を変化させて前記遠心圧を制御する回転板回転制御手段を設けてなることを特徴とする遠心圧制御装置。
  2. Vベルトを掛け渡すためのV溝を画成する一対の対向フランジを具え、一方のフランジを他方のフランジに対し軸線方向へ変位させてV溝幅を変更することにより、Vベルトの巻き掛け径を変更可能にしたVベルトプーリにおいて、
    前記他方のフランジから軸線方向遠い側における前記一方のフランジの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該一方のフランジと共に回転するフランジカバーとにより、作動流体充満筐体を画成し、
    該筐体内に、プーリ回転軸線と同軸に配置して回転板を収納し、
    該回転板の、筐体に対する相対回転制御により筐体内作動流体の平均回転速度を変化させて、筐体内の遠心圧を制御する回転板回転制御手段を設け、
    この遠心圧によりVベルトの挟み力を決定するよう構成したことを特徴とするVベルトプーリの遠心圧制御装置。
  3. 請求項2に記載の遠心圧制御装置において、
    前記筐体内に、前記遠心圧とは別の所定圧を供給し、この所定圧と遠心圧との協働によりVベルトの挟み力を決定するよう構成したことを特徴とするVベルトプーリの遠心圧制御装置。
  4. 入力側回転メンバと共に回転するクラッチプレート、および、出力側回転メンバと共に回転するクラッチプレートを、入力側回転メンバと共に回転するピストンにより相互に押圧して締結させる湿式クラッチにおいて、
    前記クラッチプレートから軸線方向遠い側における前記ピストンの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該ピストンと共に回転するピストンカバーとにより、作動流体充満筐体を画成し、
    該筐体内に、前記入出力側回転メンバの回転軸線と同軸に配置して回転板を収納し、
    該回転板の、筐体に対する相対回転制御により筐体内作動流体の平均回転速度を変化させて、筐体内の遠心圧を制御する回転板回転制御手段を設け、
    この遠心圧により前記ピストンのクラッチプレート押し付け力を決定するよう構成したことを特徴とする湿式クラッチの遠心圧制御装置。
  5. 請求項4に記載の遠心圧制御装置において、
    前記筐体内に、前記遠心圧とは別の所定圧を供給して作動流体が確実に充満されるよう構成したことを特徴とする湿式クラッチの遠心圧制御装置。
  6. 請求項3または5に記載の遠心圧制御装置において、
    前記遠心圧と所定圧とを同時に制御するよう構成したことを特徴とする遠心圧制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記回転板回転制御手段は、前記回転板を前記筐体と同方向へ、該筐体よりも低速度で回転させるものであり、これにより、回転板を筐体と同方向へ同速度で回転させる場合よりも、筐体内作動流体の平均回転速度を低下させて前記遠心圧を低下させると共に、回転板および筐体間の相対回転速度が大きいほど前記遠心圧を低くするよう構成したことを特徴とする遠心圧制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記回転板回転制御手段は、前記回転板を前記筐体と同方向へ、該筐体よりも高速度で回転させるものであり、これにより、回転板を筐体と同方向へ同速度で回転させる場合よりも、筐体内作動流体の平均回転速度を上昇させて前記遠心圧を高くすると共に、回転板および筐体間の相対回転速度が大きいほど前記遠心圧を高くするよう構成したことを特徴とする遠心圧制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記回転板回転制御手段は、前記回転板を前記筐体と逆方向へ回転させるものであり、これにより、回転板を回転させない場合よりも、筐体内作動流体の平均回転速度を低下させて前記遠心圧を低くすると共に、回転板および筐体間の相対回転速度が大きいほど前記遠心圧を低くするよう構成したことを特徴とする遠心圧制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記遠心圧の制御幅および制御分解能に関する要求に符合するよう前記回転板の直径を定めたことを特徴とする遠心圧制御装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記回転板回転制御手段は、前記回転板を電動モータにより回転させるものである遠心圧制御装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記回転板回転制御手段は、前記回転板の回転制御をブレーキにより行うものである遠心圧制御装置。

JP2005166938A 2005-06-07 2005-06-07 遠心圧制御装置 Expired - Fee Related JP4815882B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005166938A JP4815882B2 (ja) 2005-06-07 2005-06-07 遠心圧制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005166938A JP4815882B2 (ja) 2005-06-07 2005-06-07 遠心圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006342836A true JP2006342836A (ja) 2006-12-21
JP4815882B2 JP4815882B2 (ja) 2011-11-16

Family

ID=37639951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005166938A Expired - Fee Related JP4815882B2 (ja) 2005-06-07 2005-06-07 遠心圧制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4815882B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0224129U (ja) * 1988-08-03 1990-02-16
JP2003049867A (ja) * 2001-07-11 2003-02-21 Hyundai Motor Co Ltd 自動変速機のクラッチピストンリターン装置
JP2005030494A (ja) * 2003-07-14 2005-02-03 Jatco Ltd ベルト式無段変速機
JP2005133787A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Aisin Aw Co Ltd 流体伝動装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0224129U (ja) * 1988-08-03 1990-02-16
JP2003049867A (ja) * 2001-07-11 2003-02-21 Hyundai Motor Co Ltd 自動変速機のクラッチピストンリターン装置
JP2005030494A (ja) * 2003-07-14 2005-02-03 Jatco Ltd ベルト式無段変速機
JP2005133787A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Aisin Aw Co Ltd 流体伝動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4815882B2 (ja) 2011-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5455328B2 (ja) ハイブリッド車両のための流体力学的連結装置
JP4605676B2 (ja) 力伝達装置
JP5968331B2 (ja) 駆動力伝達装置
JP2009527709A (ja) モータ乗物変速機のオイルポンプのための駆動装置
JP2008501901A (ja) 動力推進装置用、特に自動車車両用の伝達モジュール
JP2006010080A (ja) 発進クラッチ及びトルク検出装置を有する固定ディスクアセンブリ
JP3076554B2 (ja) トルクコンバータにおける第一のクラッチ装置の及び第二のクラッチ装置の係合力のコントロール/調節のための方法
EP3018387B1 (en) Clutch hydraulic system for vehicle
JP2012180881A (ja) 油圧制御装置
WO2014192352A1 (ja) オイルポンプ駆動制御装置
CN209385283U (zh) 一种行走双速液压马达装置
KR102478084B1 (ko) 크랭크축 풀리의 토크증대기구
FR3108068B1 (fr) Double embrayage humide
JP2007333074A (ja) 流体伝動装置と出力部材との接続構造ならびにこれに用いる出力部材
JP2008064125A (ja) ベルト式無段変速機
JP4815882B2 (ja) 遠心圧制御装置
JP2008014423A (ja) 湿式摩擦クラッチ装置
JP2007085477A (ja) 磁気結合式回転動力伝達装置
JP5060338B2 (ja) 車両用トランスミッションのオイルポンプ駆動用スプロケット支持構造
WO2014054692A1 (ja) ブリーザ構造
JP2008002550A (ja) 動力伝達装置
CN104065240A (zh) 永磁无级变速减速机
JP4597954B2 (ja) 特に摩擦クラッチに用いられる、磁気粘性流体によって調節されるアクチュエータ
JP2006349095A (ja) 遠心圧アクチュエータ
US20150345604A1 (en) Lockup clutch for a torque converter

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110815

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140909

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees