JP2007085477A - 磁気結合式回転動力伝達装置 - Google Patents

磁気結合式回転動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気結合式回転動力伝達装置を伝達トルク容量可変式として、トルクコンバータの代りに用い得るようにする。
【解決手段】室21内への油圧βを上昇させると、シリンダ15、キャリア12および遊星磁気輪11は、図示位置から左行して遊星磁気輪11の外周面が中心磁気輪9の外周面および外周磁気輪10の内周面と重合し、磁気輪11と、磁気輪9,10との間の磁気結合力が増大する。これにより、エンジンの回転を受ける中心磁気輪9が遊星磁気輪11を、ワンウェイクラッチ14による外周磁気輪10の逆転阻止下で、外周磁気輪10の内周面周りに転動させ、遊星磁気輪11の公転がキャリア12からスプライン23を経て変速機入力軸6に伝達される。磁気結合式回転動力伝達装置1の伝達トルク容量は、遊星磁気輪11の外周面と中心磁気輪9の外周面および外周磁気輪10の内周面との軸線方向重合量により加減し得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、相対回転する磁気輪の相互に向かい合った周面間の磁気結合により、これら磁気輪間で回転動力を伝達する磁気結合式回転動力伝達装置に関するものである。
かかる磁気結合式回転動力伝達装置としては従来、特許文献1に記載のごとき遊星型の磁気結合式回転動力伝達装置が知られている。
この遊星型磁気結合式回転動力伝達装置は、相対回転する磁気輪として、中心輪と、外周輪と、遊星輪とを具え、中心輪の外周面および外周輪の内周面に遊星輪の外周面が磁気結合関係に対向するよう中心輪、外周輪、および遊星輪を配置し、遊星輪をキャリアに回転自在に支持した構成になるものである。
かかる構成においては、中心輪、外周輪、およびキャリアの1つを固定すると、他の2つのうちの一方に入力された回転が磁気結合を介して他方から出力され、回転動力を磁気結合により伝達することができる。
かように回転動力を磁気結合により伝達する装置にあっては、トルクコンバータ等の流体式伝動装置に比べ伝達効率が高いし、歯車伝動装置などの機械式のものに比べ油ぎれ点検作業が不要でメインテナンス上有利であると共に騒音が殆ど発生しないという特長を有する。
特開2002−247833号公報
しかし特許文献1に記載されたものに代表される従来の磁気結合式回転動力伝達装置は、自動変速機に対しトルクコンバータの代わりに発進システムとして用いようとすると、以下の問題を生ずる。
つまり従来の磁気結合式回転動力伝達装置は磁気結合度合(伝達トルク容量)が一定のものであり、自動変速機に対しトルクコンバータの代わりに用いた場合、発進時にトルク容量であってエンジンに過大負荷がかかり、エンジンストール(エンスト)が発生するという問題を生ずる。
この問題解決のためには、スリップ制御により伝達トルク容量を加減可能な湿式または乾式クラッチを磁気結合式回転動力伝達装置に組み合わせて設け、発進時に当該クラッチの伝達トルク容量を漸増させることで発進制御を可能にすることが考えられる。
しかしかかるクラッチのスリップ制御は、所定の発進が得られるようなスリップ制御にすると、かなりのスリップ量を相当時間に亘って継続しなければならず、発熱によるエネルギ損失の問題や、熱によるクラッチの焼損に関する問題が新たに生じて、抜本的な解決策にはなり得ない。
本発明は、磁気結合式回転動力伝達装置を構成する磁気輪間の軸線方向整列度を変更すれば、磁気輪間の磁気結合力が変化して伝達トルク容量を加減し得るとの事実を認識し、
この原理を用いて、上記スリップ制御式クラッチの追加なしに伝達トルク容量を加減し得るようにした磁気結合式回転動力伝達装置を提案し、
もって、上記発熱によるエネルギ損失に関した新たな問題や、熱によるクラッチの焼損に関する新たな問題を生ずることなく、磁気結合式回転動力伝達装置を伝達トルク容量可変型にすることを目的とする。
この目的のため、本発明による磁気結合式回転動力伝達装置は、請求項1に記載のごとく、
相対回転する磁気輪の相互に向かい合った周面間の磁気結合により磁気輪間で回転動力を伝達する磁気結合式回転動力伝達装置において、
前記相対回転する磁気輪を回転軸線方向へ相対変位させるアクチュエータを設け、
該アクチュエータによる磁気輪間軸線方向相対変位で磁気輪相互の軸線方向整列度を制御して前記磁気結合の度合を加減するよう構成したことを特徴とするものである。
かかる本発明の磁気結合式回転動力伝達装置によれば、
相対回転する磁気輪の相互に向かい合った周面間の磁気結合により磁気輪間で回転動力を伝達する間、
相対回転する磁気輪をアクチュエータにより回転軸線方向へ相対変位させて磁気輪相互の軸線方向整列度を制御し、これにより上記磁気結合の度合を加減するよう構成したため、
前記したようなスリップ制御式クラッチの追加なしに、従って、クラッチの発熱によるエネルギ損失に関した新たな問題や、熱によるクラッチの焼損に関する新たな問題を生ずることなく、磁気結合式回転動力伝達装置を伝達トルク容量可変型にすることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1および図2はそれぞれ、本発明の一実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置1を、伝達トルク容量が0の状態、および、伝達トルク容量が最大の状態で示す。
磁気結合式回転動力伝達装置1を本実施例では、動力源としてのエンジン2と、自動変速機3との間に介挿するトルクコンバータの代わりに用いるのに有用な以下の構成とする。
つまり磁気結合式回転動力伝達装置1は回転ケーシング4を具え、これを、エンジン2および自動変速機3に同軸に配置してこれら両者間に介在させる。
そして、エンジン1に近い回転ケーシング4の端部をエンジン2のクランクシャフト2aに結合し、自動変速機3に近い回転ケーシング4の筒状端部4aを、自動変速機3の入力軸5が突出する変速機ケース6の前端壁により回転自在に支持する。
変速機入力軸5は、通常の自動変速機がそうであるように、変速機ケース6に結合した中空固定軸7内に回転自在に支持して変速機ケース6の前端壁より突出させ、該変速機入力軸5の突出端部を回転ケーシング4内に進入させる。
変速機入力軸5と、これに対向する回転ケーシング4の端壁との間におけるスペース内に遊星型磁気輪組8を配置し、これを、中心磁気輪9と、外周磁気輪10と、複数個の遊星磁気輪11と、これら遊星磁気輪11を回転自在に支持するキャリア12とで構成する。
中心磁気輪9は回転ケーシング4に同軸に配置してこの回転ケーシング4(従ってエンジンクランクシャフト2a)に結合し、外周磁気輪10は、回転ケーシング4に同軸に、また、中心磁気輪9と同じ軸直角面内に配置する。
ところで外周磁気輪10には自動変速機3の方向へ延在する連結筒13を設け、該連結筒13の延長先端をワンウェイクラッチ14を介して中空固定軸7上に支持する。
ワンウェイクラッチ14は、連結筒13(従って外周磁気輪10)をエンジン2と同じ方向に回転可能に支持するが、これと逆の方向には回転不能にするような向きに配置する。
遊星磁気輪11は、図1に示すごとく同じ軸直角面内に位置する中心磁気輪9および外周磁気輪10から軸線方向に完全にオフセットしたオフセット位置と、図2に示すごとく中心磁気輪9および外周磁気輪10に対し軸線方向において整列した軸線方向整列位置との間で軸線方向へ変位可能とする。
これがため、複数の遊星磁気輪11を回転自在に支持する共通なキャリア12は、エンジン2から遠い遊星磁気輪11の側に配置して、変速機入力軸5上に軸線方向相対変位可能に支持する。
そして、エンジン2から通りキャリア12の側に、本発明におけるアクチュエータに相当する油圧シリンダ15を突設し、その先端壁15aを変速機入力軸5上に軸線方向相対変位可能に支持する。
キャリア12および油圧シリンダ先端壁15aとの間において変速機入力軸5の外周上に、油圧シリンダ15の内周面に接するピストン16を設ける。
油圧シリンダ15の内周面と、ピストン16の外周面との間にシールリング17を介在させ、キャリア12の内周面と、変速機入力軸5の外周面との間にシールリング18を介在させ、油圧シリンダ先端壁15aと、変速機入力軸5の外周面との間にシールリング19を介在させて、ピストン16の両側に液密封止のトルク容量低下室20およびトルク容量増大室21を画成する。
室20内には、油圧シリンダ先端壁15aとピストン16との間に戻しバネ22を縮設し、これにより油圧シリンダ15およびキャリア12を介して遊星磁気輪11を図1のオフセット位置に向け附勢する。
室21内には、変速機入力軸5と油圧シリンダ15(従ってキャリア12)との間を、軸線方向相対変位可能に回転係合させるスプライン23を設ける。
変速機入力軸5には、室20に通じる油孔24と、室21に通じる油孔25とを設ける。
油孔24は、変速機入力軸5と中空固定軸7との間において一対のシールリング26,27により区画された環状空所28、および、中空固定軸7に設けた径方向孔29を順次経て、中空固定軸7および回転ケーシング筒状端部4a間にあってシールリング35で仕切られた環状通路30に通じさせ、この環状通路30にトルク容量低下油圧αを供給する。
また油孔25は、変速機入力軸5と中空固定軸7との間においてシールリング27により環状空所28から隔絶された環状通路31に通じさせ、この環状通路31にトルク容量増大油圧βを供給する。
上記実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置の作用を以下に説明する。
トルク容量低下油圧αは、環状通路30から、径方向孔29、環状空所28、および油孔24を順次経てトルク容量低下室20内に達し、油圧シリンダ15、キャリア12および遊星磁気輪11を、遊星磁気輪11の外周面が中心磁気輪9の外周面および外周磁気輪10の内周面と全く重合しない図1のオフセット位置に向け、同図の右方向へ附勢する。
トルク容量増大油圧βは、環状通路31から、油孔25を経てトルク容量増大室21内に達し、油圧シリンダ15、キャリア12および遊星磁気輪11を、遊星磁気輪11の外周面が全体的に中心磁気輪9の外周面および外周磁気輪10の内周面と重合した図2の軸線方向整列位置に向け、同図の左方向へ附勢する。
室21内へのトルク容量増大油圧βを上昇させ、または、室20内のトルク容量低下油圧αを低下させ、トルク容量増大油圧βによるスラストが、室20内のトルク容量低下油圧αによるスラストおよび戻しバネ22の設定バネ力によるスラストとの和値に相当する大きさになると、
油圧シリンダ15、キャリア12および遊星磁気輪11は、図1のオフセット位置から図2の軸線方向整列位置へと軸線方向に変位する。
このとき、磁気輪11と、磁気輪9,10との軸線方向整列度は、遊星磁気輪11の外周面がその全幅に亘って中心磁気輪9の外周面および外周磁気輪10の内周面と向き合う整列度となり、
図3に示すようなN極とS極とによる遊星磁気輪11と、中心磁気輪9および外周磁気輪10との間の磁気結合力が最大となる。
この状態では、エンジン2からの回転動力を受ける中心磁気輪9が遊星磁気輪11を回転させ、遊星磁気輪11は反力で外周磁気輪10を逆方向へ回転させようとする。
ところで外周磁気輪10は、連結筒13を介しワンウェイクラッチ14により当該逆方向への回転を阻止されており、当初の回転位置に止まる。
よって遊星磁気輪11は、外周磁気輪10を反力受けとしてその内周面の周りで自転しながら公転する。
この公転は、キャリア12からスプライン23を経て変速機入力軸6に伝達され、変速機入力軸5の回転速度は、エンジン回転数を中心磁気輪9の外径および外周磁気輪10の内径間の比により減速したものとなる。
この時における磁気結合式回転動力伝達装置1の伝達トルク容量は、遊星磁気輪11の外周面がその全幅に亘り中心磁気輪9の外周面および外周磁気輪10の内周面と向き合っているため、最大となる。
この状態で、室21内へのトルク容量増大油圧βを低下させ、または、室20内のトルク容量低下油圧αを増大させ、トルク容量増大油圧βによるスラストが、室20内のトルク容量低下油圧αによるスラストおよび戻しバネ22の設定バネ力によるスラストとの和値よりも小さくなると、その差に応じて、
油圧シリンダ15、キャリア12および遊星磁気輪11は、図2の軸線方向整列位置から図1のオフセット位置へと軸線方向に変位する。
このとき、磁気輪11と、磁気輪9,10との軸線方向整列度は、遊星磁気輪11の外周面がその幅の一部のみにおいて中心磁気輪9の外周面および外周磁気輪10の内周面と向き合う整列度となり、
図3に示すようなN極とS極とによる遊星磁気輪11と、中心磁気輪9および外周磁気輪10との間の磁気結合力が、油圧シリンダ15、キャリア12および遊星磁気輪11の上記軸線方向につれて低下する。
従って、油圧シリンダ15、キャリア12および遊星磁気輪11の上記軸線方向につれ磁気結合式回転動力伝達装置1の伝達トルク容量は、遊星磁気輪11の外周面と、中心磁気輪9の外周面および外周磁気輪10の内周面との幅方向オーバーラップ量が減少することにより低下する。
そして、遊星磁気輪11の外周面と、中心磁気輪9の外周面および外周磁気輪10の内周面との幅方向オーバーラップ量が0となる図1のオフセット位置において、磁気結合式回転動力伝達装置1の伝達トルク容量は0となり、エンジン回転を変速機入力軸5へ伝達しなくなる。
ちなみに、トルク容量増大油圧βとトルク容量低下油圧αとの差に対する、遊星磁気輪11の図1に示すオフセット位置から図2に示す軸線方向整列位置への移動距離dの変化特性は図4に例示するごとくになり、この遊星磁気輪移動距離dに対して、磁気結合式回転動力伝達装置1は伝達トルク容量を図5に例示するごとくに変化される。
よって、磁気結合式回転動力伝達装置1の要求伝達トルク容量が決まれば、それを実現するための遊星磁気輪移動距離d、従ってトルク容量増大油圧βとトルク容量低下油圧αとの差圧が決まり、この差圧を指令することで磁気結合式回転動力伝達装置1の如何なる要求伝達トルク容量もこれを実現することができる。
これがため、従来の磁気結合式回転動力伝達装置のようにスリップ制御式クラッチを追加しなくても、従って、クラッチの発熱によるエネルギ損失に関した新たな問題や、熱によるクラッチの焼損に関する新たな問題を生ずることなく、磁気結合式回転動力伝達装置1を伝達トルク容量可変型にすることができ、
これを、エンジン2および自動変速機3間に、トルクコンバータの代わりに用いて、同様に機能させることが可能となる。
また、エンジントルクTeが図6に例示するように変動して音振上問題となるエンジントルク変動が発生する運転時は、中心磁気輪9および外周磁気輪10に対する遊星磁気輪11の軸線方向整列度を決定するに際し、図6に示すごとくエンジントルク変動を伝えない範囲でできるだけ大きな伝達トルク容量Tsとなるよう当該整列度(磁気結合式回転動力伝達装置1の伝達トルク容量)を決定するのがよい。
これにより、音振上問題となるエンジントルク変動が車輪駆動系に伝達されるのを防止して音振対策を施すことができる。
更に磁気結合式回転動力伝達装置1を、中心磁気輪9と、外周磁気輪10と、遊星磁気輪11と、キャリア12とよりなる遊星型磁気結合式回転動力伝達装置として構成したため、上記したごとく中心磁気輪9を入力要素とし、外周磁気輪10を反力受け要素とし、キャリア12(遊星磁気輪11)を出力要素とすることで、エンジン回転を減速してトルク増大下に変速機入力軸5へ伝達することができる。
この場合、実施例のごとくキャリア12(遊星磁気輪11)を容量可変要素として軸線方向へ変位させるようにすれば、これを変速機入力軸5上に変位可能に支持すると共にこの変位を司るアクチュエータを変速機入力軸5上に設定することができ、変速機入力軸5の流用による構成の簡易化が可能である。
なお、上記実施例では磁気結合式回転動力伝達装置1を、中心磁気輪9と、外周磁気輪10と、遊星磁気輪11と、キャリア12とよりなる遊星型磁気結合式回転動力伝達装置として構成したが、この遊星型のものに限られるものではなく任意の型式の磁気結合式回転動力伝達装置に構成することができる。
そして、いずれの型式の磁気結合式回転動力伝達装置であっても、これを構成する磁気輪の少なくも1つを他の磁気輪に対し相対的に軸線方向へオフセットさせることで、前記したと同様に磁気結合式回転動力伝達装置を可変容量式にすることができて、同様な作用効果を達成することができる。
また、遊星磁気輪11を軸線方向へ変位させるアクチュエータとして、2個の油圧室20,21を持つ復動式油圧シリンダ15を用いたが、1個の油圧室に供給する油圧の制御により弾性力との釣り合い下で遊星磁気輪11を軸線方向へ変位させる単動式油圧シリンダをアクチュエータとして用いてもよいし、電気式のアクチュエータなどでもよいのは勿論である。
図7〜図9は本発明の他の実施例を示し、本実施例においては磁気結合式回転動力伝達装置1を、伝達トルク容量が最大である状態において更に入出力要素間の直結が可能な構成にする。
これがため、キャリア12に対し軸線方向に正対する中心磁気輪9の箇所にクラッチプレート32を一体的に設け、このクラッチプレート32と向かい合うキャリア12の箇所にクラッチフェーシング33を貼着し、これらで直結クラッチを構成する。
これらクラッチプレート32およびクラッチフェーシング33間の軸線方向離間距離は、遊星磁気輪11が図7のオフセット位置(図1に示すと同じ位置)から、図8の軸線方向整列位置(図2に示すと同じ位置)へ向かうにつれて減少し、遊星磁気輪11が更に同方向へ変位して図9に示す直結位置に達した時にクラッチフェーシング33がクラッチプレート32に押圧されて、出力側磁気輪である遊星磁気輪11(キャリア12)を入力側磁気輪である中心磁気輪9に直結するものとする。
なお、遊星磁気輪11が図8の軸線方向整列位置から図9の直結位置に達するまでの間、遊星磁気輪11の外周面がその全幅に亘って中心磁気輪9の外周面および外周磁気輪10の内周面と対向し、遊星磁気輪11と、中心磁気輪9および外周磁気輪10との間の磁気結合力を最大に保って磁気結合式回転動力伝達装置1の伝達トルク容量を最大にしているものとする。
かように磁気結合式回転動力伝達装置1の伝達トルク容量を最大にする遊星磁気輪11のストローク端で入出力要素間を直結する本実施例の構成によれば、直結状態で入出力要素間の相対回転(スリップ)を0にし得ることから、トルクコンバータのロックアップによると同様な伝動効率の向上という作用効果を達成することができる。
ここで、上記した2実施例の磁気結合式回転動力伝達装置1を、エンジンおよび自動変速機間においてトルクコンバータの代わりに用いる場合の流用のし易さを説明する。
図10は、図示しなかったが図の左側におけるエンジンと、同じく図示しなかったが図の右側における自動変速機との間に、ロックアップ式のトルクコンバータaを介挿する場合におけるトルクコンバータの設置構造を示す。
トルクコンバータaは、ポンプインペラb、タービンランナc、およびステータdとよりなり、ポンプインペラbおよびタービンランナcは向かい合わせに対向配置し、これらの間にステータdを介在させる。
ポンプインペラbはコンバータカバーeを介してエンジンクランクシャフトに結合し、タービンランナcは変速機入力軸fに駆動結合し、ステータdはワンウェイクラッチgを介して中空固定軸h上に取り付ける。
中空固定軸hは、変速機ケースに取り付けられて固定状態にもので、この中空固定軸h内に変速機入力軸fを回転自在に支持する。
コンバータカバーeから遠いポンプインペラbの端部に筒状部iを突設し、これを中空固定軸hの外周に回転自在に配置して、コンバータカバーeから遠いポンプインペラbの端部を回転自在に支承する。
トルクコンバータaは更に、入出力要素間を直結可能にするロックアップクラッチjをタービンランナcに結合して設け、このロックアップクラッチjをコンバータカバーeに対向させると共に軸線方向へ変位可能に配置する。
トルクコンバータ作動油は矢印kで示すように、中空固定軸hおよび筒状部i間の環状隙間を経てトルクコンバータa内に向かわせ、トルクコンバータa内より矢印mで示すように中空固定軸hおよび変速機入力軸f間の環状隙間を経て排除する。
ポンプインペラbはエンジンにより駆動されて内部作動流体を遠心力によりタービンランナcに指向させる。
タービンランナcに向かった作動流体はステータdにより整流されてポンプインペラbに戻され、この間ステータdによる反力下でタービンランナcはトルク増大下に駆動され、変速機入力軸fにエンジン回転をトルク増大下に伝達することができる。
トルクコンバータによるトルク増大作用が不要な低負荷、高速回転時は、トルクコンバータのスリップによる燃費の悪化を回避するため、変速機入力軸fに設けた中心孔nを経て矢印pで示すようにロックアップクラッチjおよびコンバータカバーe間における室を排圧する。
この室の圧力低下によりロックアップクラッチjは、トルクコンバータ内圧でコンバータカバーeに押圧され、エンジン回転をそのままロックアップクラッチjを経て変速機入力軸fに伝達する。
かかるトルクコンバータaの代わりに、前記した2実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置1をエンジンおよび自動変速機間に介挿するに際しては、
筒状部iを、回転ケーシング4の筒状端部4aとして用い、
中空固定軸hを、中空固定軸7として用い、
変速機入力軸fを、変速機入力軸5として用い、
変速機入力軸fの中心孔nを、油孔25として用いるべく中心孔nの開口端をプラグ34により塞ぎ、
変速機入力軸fに油孔24を追加して形成し、
中空固定軸hおよび変速機入力軸f間にシールリング26,27を配置し、
中空固定軸hおよび筒状部i間にシールリング35を配置し、
中空固定軸hに径方向孔29を設けることにより、
一部の設計変更のみにより簡単に、トルクコンバータaを磁気結合式回転動力伝達装置1を置換して、エンジンおよび自動変速機間に介在させることができる。
本発明の一実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置を、トルク容量が0にされた状態で示す線図的縦断側面図である。 同実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置を、トルク容量が最大にされた状態で示す線図的縦断側面図である。 同実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置の磁気輪間における磁気結合を説明するのに用いた模式図である。 同実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置内のアクチュエータを作動させる油圧と、このアクチュエータにより変位される遊星磁気輪の移動距離との関係を示した特性線図である。 同実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置の伝達トルク容量変化特性を、遊星磁気輪の移動距離との関係として示す特性線図である。 同実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置に設定すべき伝達トルク容量を、音振上問題となるエンジントルク変動がある場合について示すタイムチャートである。 本発明の他の実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置を、トルク容量が0にされた状態で示す線図的縦断側面図である。 同実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置を、トルク容量が最大にされた状態で示す線図的縦断側面図である。 同実施例になる磁気結合式回転動力伝達装置を、入出力間が直結された状態で示す線図的縦断側面図である。 エンジンと自動変速機との間に通常介在させるトルクコンバータの設置構造を示す縦断側面図である。
符号の説明
1 磁気結合式回転動力伝達装置
2 エンジン
3 自動変速機
4 回転ケーシング
4a 筒状端部
5 変速機入力軸
6 変速機ケース
7 中空固定軸
8 遊星型磁気輪組
9 中心磁気輪
10 外周磁気輪
11 遊星磁気輪
12 キャリア
13 連結筒
14 ワンウェイクラッチ
15 油圧シリンダ
16 ピストン
17 シールリング
18 シールリング
19 シールリング
20 トルク容量低下室
21 トルク容量増大室
22 戻しバネ
23 スプライン
24 トルク容量低下圧油孔
25 トルク容量増大圧油孔
26 シールリング
27 シールリング
28 環状空所
29 径方向孔
30 環状通路
31 環状通路
32 クラッチプレート
33 クラッチフェーシング
34 プラグ
35 シールリング

Claims (7)

  1. 相対回転する磁気輪の相互に向かい合った周面間の磁気結合により磁気輪間で回転動力を伝達する磁気結合式回転動力伝達装置において、
    前記相対回転する磁気輪を回転軸線方向へ相対変位させるアクチュエータを設け、
    該アクチュエータによる磁気輪間軸線方向相対変位で磁気輪相互の軸線方向整列度を制御して前記磁気結合の度合を加減するよう構成したことを特徴とする磁気結合式回転動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の磁気結合式回転動力伝達装置において、
    前記相対回転する磁気輪として、中心輪と、外周輪と、遊星輪とを具え、中心輪の外周面および外周輪の内周面に遊星輪の外周面が磁気結合関係に対向するよう中心輪、外周輪、および遊星輪を配置した遊星型磁気結合式回転動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載の磁気結合式回転動力伝達装置において、
    前記アクチュエータは、前記遊星輪を回転自在に支持するキャリアを軸線方向に変位させるものである磁気結合式回転動力伝達装置。
  4. 請求項3に記載の磁気結合式回転動力伝達装置において、
    前記キャリアを変速機入力軸上に回転回転係合させて前記遊星輪の公転が変速機入力軸に伝達されるよう支持し、
    前記アクチュエータを、前記キャリアおよび変速機入力軸間に画成した油圧シリンダで構成することを特徴とする磁気結合式回転動力伝達装置。
  5. 請求項4に記載の磁気結合式回転動力伝達装置において、
    前記中心輪を動力源に結合し、前記外周輪を動力源の回転方向とは逆の方向へ回転不能にするワンウェイクラッチを介して変速機ケースに支持した磁気結合式回転動力伝達装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気結合式回転動力伝達装置において、
    音振上問題となるトルク変動が発生する運転時、前記アクチュエータによる磁気輪間軸線方向整列度が、前記トルク変動を伝えない範囲でできるだけ大きなトルクを伝達するような整列度となる構成にしたことを特徴とする磁気結合式回転動力伝達装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気結合式回転動力伝達装置において、
    前記磁気輪間回転伝達力が増大する前記アクチュエータによる磁気輪間軸線方向相対変位端で、前記磁気輪のうち入力側磁気輪および出力側磁気輪間を直結する直結クラッチを設けたことを特徴とする磁気結合式回転動力伝達装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011007227A (ja) * 2009-06-24 2011-01-13 Miyagi Prefecture 動力伝達装置
CN103337991A (zh) * 2013-06-24 2013-10-02 宁波新大陆磁制品有限公司 磁力驱动电力传输系统
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JP2022043949A (ja) * 2020-09-04 2022-03-16 ▲福衛▼ 澤田 クラッチ装置及び衝突緩和機構

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