JP4815882B2 - 遠心圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、作動流体が充満されている筐体の回転による遠心力が内部作動流体に作用して筐体内部に発生する遠心圧を制御する装置に関するものである。
かかる遠心圧の制御に関しては従来、例えば特許文献1,2に記載のようなものが知られている。
特許文献1に記載のものは、湿式クラッチのピストン作動室内に発生した遠心圧がクラッチ解放時にクラッチ締結方向へ作用する弊害を回避するため、ピストンを挟んでピストン作動室と反対の側に、作動油が充満された遠心圧キャンセル室を画成し、この室内に発生した遠心圧で、ピストン作動室内の遠心圧によるピストン押し力を相殺するもので、
また特許文献2に記載のものは、同じく湿式クラッチのピストン作動室内に発生した遠心圧がクラッチ解放時にクラッチ締結方向へ作用する弊害を回避するため、クラッチの非作動時は遠心力により開かれてピストン作動室の作動油をドレンする通路を設け、これにより、クラッチの非作動時にピストン作動室内に遠心圧が発生することのないようにしたものである。
特開平05−044737号公報 特開平06−017844号公報
しかし上記従来の遠心圧制御技術にあっては何れも、遠心圧による悪影響を回避するためこれをキャンセルしたり、遠心圧が発生しないようピストン作動室の作動油をドレンするというものに過ぎず、遠心圧を調圧してこれを有効利用するというものでなかった。
このため従来の遠心圧制御技術は、遠心圧の圧力エネルギーを有効利用するよう改善し得る余地があった。
本発明は、上記の観点から、遠心圧を調圧してこれを有効利用し得るよう改善した遠心圧制御装置を提案することを目的とする。
ベルトプーリに関して上記目的を達成するため、本発明の遠心圧制御装置は、請求項に記載のごとく、以下のような構成とする。
先ず前提となるVベルトプーリについて説明するに、これは、
Vベルトを掛け渡すためのV溝を画成する一対の対向フランジを具え、一方のフランジを他方のフランジに対し軸線方向へ変位させてV溝幅を変更することにより、Vベルトの巻き掛け径を変更可能にしたVベルトプーリである。
本発明は、かかるVベルトプーリにおいて特に、
上記他方のフランジから軸線方向遠い側における上記一方のフランジの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該一方のフランジと共に回転するフランジカバーとにより、作動流体充満筐体を画成し、
該筐体内に、プーリ回転軸線と同軸に配置して回転板を収納し、
該回転板の、筐体に対する相対回転制御により筐体内作動流体の平均回転速度を変化させて、筐体内の遠心圧を制御する回転板回転制御手段を設け、
この遠心圧によりVベルトの挟み力を決定するよう構成したことを特徴とするものである。
更に、湿式クラッチに関して上記目的を達成するため、本発明の遠心圧制御装置は、請求項に記載のごとく、以下のような構成とする。
先ず前提となる湿式クラッチについて説明するに、これは、
入力側回転メンバと共に回転するクラッチプレート、および、出力側回転メンバと共に回転するクラッチプレートを、入力側回転メンバと共に回転するピストンにより相互に押圧して締結させる湿式クラッチである。
本発明は、かかる湿式クラッチにおいて特に、
上記クラッチプレートから軸線方向遠い側における上記ピストンの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該ピストンと共に回転するピストンカバーとにより、作動流体充満筐体を画成し、
該筐体内に、上記入出力側回転メンバの回転軸線と同軸に配置して回転板を収納し、
該回転板の、筐体に対する相対回転制御により筐体内作動流体の平均回転速度を変化させて、筐体内の遠心圧を制御する回転板回転制御手段を設け、
この遠心圧により前記ピストンのクラッチプレート押し付け力を決定するよう構成したことを特徴とするものである。
求項に記載の本発明による遠心圧制御装置においては、
上記他方のフランジから軸線方向遠い側における上記一方のフランジの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該一方のフランジと共に回転するフランジカバーとにより画成された作動流体充満筐体内における回転板を、筐体に対して相対回転制御することにより、筐体内作動流体の平均回転速度が変化されることとなり、結果として、この平均回転速度により決まる筐体内の遠心圧を制御し、この制御された遠心圧をVベルト挟み力の決定に用いることができる。
これがため、遠心圧を調圧してこれをVベルトプーリのVベルト挟み力制御に有効利用することができ、遠心圧の圧力エネルギーを利用して、エネルギー効率を高めることができる。
更に、請求項に記載の本発明による遠心圧制御装置においては、
クラッチプレートから軸線方向遠い側における上記ピストンの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該ピストンと共に回転するピストンカバーとにより画成された作動流体充満筐体内における回転板を、筐体に対して相対回転制御することにより、筐体内作動流体の平均回転速度が変化されることとなり、結果として、この平均回転速度により決まる筐体内の遠心圧を制御し、この制御された遠心圧をクラッチプレート押し付け力の決定に用いることができる。
これがため、遠心圧を調圧してこれを湿式クラッチのクラッチプレート押し付け力制御に有効利用することができ、遠心圧の圧力エネルギーを利用して、エネルギー効率を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明のー実施例になる遠心圧制御装置を示し、1は、この遠心圧制御装置を用いたユニットのハウジングである。
遠心圧制御装置は筐体2を具え、この筐体2を駆動軸3によりエンジンなどの原動機(図示せず)に結合し、筐体2は更に、ハウジング1内に回転自在に支持すると共にスラストニードル4により軸線方向に支持する。
筐体2内には、オイル5を可とする作動流体を充満させると共に、回転板6を筐体2の回転軸線(駆動軸3)と同軸になるよう配して設ける。
回転板6の中心に制御軸7を固設し、この制御軸7を、筐体駆動軸3から遠い回転板6の側に延設して筐体2から液密封止下に、しかし筐体2に対し相対回転自在に突出させる。
制御軸7の突端には遠心圧制御モータ8のロータ9を結合し、遠心圧制御モータ8はこのロータ9と、これを取り巻くよう配置したステータ10とで構成し、ステータ10をハウジング1に固着する。
遠心圧制御モータ8は、本発明における回転板回転制御手段に相当する。
上記の構成になる遠心圧制御装置の作用を以下に説明する。
軸3を介した筐体2の回転により内部作動流体5も連れ回され、この回転による遠心力が作動流体5に作用して回転筐体2内に遠心圧が発生し、この遠心圧を本実施例においては以下のように制御することができる。
モータ8の回転速度制御や出力トルク制御により回転板6の回転速度Nmを筐体2の回転速度(原動機回転速度)Ninと同符号(正方向)で、且つ、同じ値(回転板6および筐体2間の相対回転速度を0)にすると、筐体2内の作動流体5は、回転板6が存在しない場合と同様な平均回転速度で回転されることとなり、この平均回転速度で決まる遠心力が内部作動流体5に作用して筐体2内に発生する遠心圧は、原動機回転速度Ninに対し図2(a)にαで例示するごとき変化特性を呈する。
モータ8により回転板6の回転速度Nmを筐体2の回転速度(原動機回転速度)Ninと同符号(正方向)で、且つ、これよりも高速(回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Ninが正値)にすると、筐体2内の作動流体5は、回転板6が存在しない場合よりも平均回転速度を増大されることとなり、この平均回転速度で決まる遠心力が内部作動流体5に作用して筐体2内に発生する遠心圧は、原動機回転速度Ninに対し図2(a)にβで例示するごとき変化特性を呈する。
そして、回転板6の回転速度Nmを上昇させ、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔNを大きくするにつれ、筐体2内における作動流体5の平均回転速度増大程度が増すことから、原動機回転速度Ninに対する遠心圧の変化特性は図2(a)のαからβへと変化する。
モータ8による回転板6の回転速度Nmを0にすると、筐体2内の作動流体5は回転板6からの抵抗を受けて、回転板6が存在しない場合よりも平均回転速度を低下されることとなり、この低下された平均回転速度で決まる遠心力が内部作動流体5に作用して筐体2内に発生する遠心圧は、原動機回転速度Ninに対し図2(a)にγで例示するごとき変化特性を呈する。
ここで、回転板6の回転速度Nmを原動機回転速度Ninと同じ値から0に向け低下させ、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Ninの絶対値を大きくするにつれ、筐体2内における作動流体5の平均回転速度低下程度が強くなることから、原動機回転速度Ninに対する遠心圧の変化特性は図2(a)のαからγへと変化する。
モータ8により回転板6を筐体2と逆方向へ回転させると、筐体2内の作動流体5は、回転板6が停止している時よりも更に大きな抵抗を回転板6から受けて、平均回転速度を更に低下されることとなり、この低下された平均回転速度で決まる遠心力が内部作動流体5に作用して筐体2内に発生する遠心圧は、丁度Nm=-Ninの時、原動機回転速度Ninに対し図2(a)にδで示すごとき変化特性を呈し、
回転板6の逆回転速度Nmを0からNm=-Ninへと増大させ、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Ninの絶対値を更に大きくするにつれ、筐体2内における作動流体5の平均回転速度低下程度が更に強くなることから、原動機回転速度Ninに対する遠心圧の変化特性は図2(a)のγからδへと変化する。
なお図2(b)は、原動機回転速度Ninと、回転板回転速度Nmと、この回転板回転速度Nmを与えた時の遠心圧変化特性α,β,γ,δとの関係線図である。
ここで、図2(a),(b)に示す遠心圧変化特性α,β,γ,δ間の領域での特性について個々に考察するに、
遠心圧変化特性α,γ間の領域aでは、図3に便宜上同じ符号aを付して示すごとく、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Nnの絶対値が大きいほど遠心圧が低くなり、
また、遠心圧変化特性α,β間の領域bでは、図3に便宜上同じ符号bを付して示すごとく、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Nnが大きいほど遠心圧が高くなり、
更に、遠心圧変化特性γ,δ間の領域cでは、図3に便宜上同じ符号cを付して示すごとく、回転板6および筐体2間の相対回転速度ΔN=Nm-Nnが大きいほど遠心圧が低くなる。
ところで、回転板6の直径と、遠心圧制御幅および遠心圧制御分解能との間には、図4および図5に例示する関係が存在し、遠心圧の制御幅および制御分解能に関する要求に符合するよう回転板6の直径を定めることとする。
また、上記実施例では回転板6の回転速度を電動モータ8により制御することとしたが、これに限られるものではないし、回転板6の回転速度制御を図示せざるブレーキとの併用により行うものでもよいことは言うまでもない。
いずれにして本実施例においては、筐体2内における回転板6を、筐体2に対して相対回転制御することにより、筐体内作動流体5の平均回転速度が変化されることとなり、結果として、この平均回転速度により決まる筐体2内の遠心圧を制御することから、
遠心圧を調圧してこれを有効利用することができることとなり、遠心圧の圧力エネルギーを有効利用して、エネルギー効率を高めることができる。
図6は、Vベルト式無段変速機用のVベルトプーリに対する本発明遠心圧制御装置の適用例を示し、Vベルトプーリは固定フランジ11と、これに対しスプライン12により軸線方向相対変位可能に回転係合させた可動フランジ13とで構成する。
かかるVベルトプーリは、両フランジ11,13間に画成されたV溝にVベルト14を巻き掛けして実用に供し、可動フランジ13を固定フランジ11に対し軸線方向へ変位させてV溝幅を変更することにより、Vベルトの巻き掛け径を変更して無段変速が可能となるようにする。
可動フランジ13を固定フランジ11に対し軸線方向相対位置制御可能にするために、固定フランジ11から遠い可動フランジ13の側にフランジカバー15を嵌合して設ける。
この嵌合はスプライン16を介して行い、これによりフランジカバー15を可動フランジ13に対し軸線方向相対変位可能に回転係合させ、可動フランジ13とフランジカバー15とで、作動流体17が充満された筐体18を構成する。
なおフランジカバー15は、Vベルト式無段変速機ケース19との間におけるスラストニードル20により、可動フランジ13から遠ざかる軸線方向への移動を制限する。
作動流体17が充満された筐体18内には、回転板21をVベルトプーリ回転軸線と同軸になるよう配して設け、回転板6の中心に制御軸22を固設する。
この制御軸22を、固定フランジ11から遠い回転板21の側に延設して筐体18から液密封止下に、しかし筐体18に対し相対回転自在に突出させる。
制御軸22の突端には遠心圧制御モータ23のロータ24を結合し、遠心圧制御モータ23はこのロータ24と、これを取り巻くよう配置したステータ25とで構成し、ステータ25を変速機ケース19に固着する。
遠心圧制御モータ23は、本発明における回転板回転制御手段に相当する。
上記の構成になる遠心圧制御装置付きVベルトプーリの作用を以下に説明する。
筐体18内には、固定フランジ11の中心孔11aより所定のプーリ圧Ppを常時供給し、これと、プーリの回転により筐体18内に発生し、前述したと同様に制御可能な遠心圧との協働によりVベルト14の挟み力を決定して所定の変速制御を行うことができる。
プーリの回転により筐体18内の作動流体17も連れ回され、この回転による遠心力が作動流体17に作用して筐体18内に遠心圧が発生し、この遠心圧を回転板21の回転速度制御を介し、図1〜図3につき前述したと同様にして制御する。
筐体18内に遠心圧が低くなるよう回転板21の回転速度を制御すると、これとプーリ圧Ppとの和値である筐体内圧も低くなり、このとき、可動フランジ13が固定フランジ11との間にVベルト14を挟むベルト挟圧力も低下する。
これにより図6の上半分に示すごとく、Vベルト14は可動プーリ13を固定プーリ11から遠ざかる矢印方向へ変位させながら動力伝達を行い、Vベルト14のプーリ巻き掛け円弧径が小さくなり、対応した方向への無段変速が生起される。
筐体18内に遠心圧が高くなるよう回転板21の回転速度を制御すると、これとプーリ圧Ppとの和値である筐体内圧も高くなり、このとき、可動フランジ13が固定フランジ11との間にVベルト14を挟むベルト挟圧力も大きくなる。
これにより図6の下半分に示すごとく、可動プーリ13はVベルト14を径方向外方へ追い出しながら固定プーリ11に接近する矢印方向へ変位しながら動力伝達を行い、Vベルト14のプーリ巻き掛け円弧径が大きくなり、対応した方向への無段変速が生起される。
本実施例においては、遠心圧を調圧してこれをVベルトプーリのVベルト挟み力制御に有効利用することができ、遠心圧の圧力エネルギーを有効利用して、エネルギー効率を高めることができる。
そして、筐体18内に所定のプーリ圧Ppを供給し、これと遠心圧との協働によりVベルトの挟み力を制御するから、小さな遠心力で、つまりプーリ回転数の小さなものにおいてもこの制御が可能である。
図7は、湿式クラッチに対する本発明遠心圧制御装置の適用例を示し、
湿式クラッチは、入力側回転メンバ31と共に回転するクラッチプレート32、および、出力側回転メンバ33と共に回転するクラッチプレート34よりなるクラッチパックと、入力側回転メンバ31にスプライン35を介して軸線方向変位可能に回転係合させたピストン36とを具え、
このピストン36によりクラッチプレート32,34を相互に押圧してクラッチの締結状態を得るものとする。
ピストン36をクラッチプレート32,34に対し軸線方向相対位置制御可能にするために、クラッチプレート32,34から遠いピストン36の側にピストンカバー37を嵌合して設ける。
この嵌合はスプライン38を介して行い、これによりピストンカバー37をピストン36に対し軸線方向相対変位可能に回転係合させ、ピストン36とピストンカバー37とで、作動流体39が充満された筐体40を構成する。
なおピストンカバー37は、変速機ケース41との間におけるスラストニードル42により、クラッチプレート32,34から遠ざかる軸線方向への移動を制限する。
作動流体39が充満された筐体40内には、回転板43を湿式クラッチ回転軸線と同軸になるよう配して設け、回転板43の中心に制御軸44を固設する。
この制御軸44を、クラッチプレート32,34から遠い回転板43の側に延設して筐体40から液密封止下に、しかし筐体40に対し相対回転自在に突出させる。
制御軸44の突端には遠心圧制御モータ45のロータ46を結合し、遠心圧制御モータ45はこのロータ46と、これを取り巻くよう配置したステータ47とで構成し、ステータ47を変速機ケース41に固着する。
遠心圧制御モータ45は、本発明における回転板回転制御手段に相当する。
上記の構成になる遠心圧制御装置付き湿式クラッチの作用を以下に説明する。
筐体40内には、図示せざる油路より所定圧を供給し、これと、湿式クラッチの回転により筐体40内に発生し、前述したと同様に制御可能な遠心圧との協働によりクラッチの締結力を決定して所定のクラッチ締結制御を行うことができる。
ここで上記の所定圧は、筐体40内に作動流体39を充満させるのに必要な圧力に定める。
湿式クラッチの回転により筐体40内の作動流体39も連れ回され、この回転による遠心力が作動流体39に作用して筐体40内に遠心圧が発生し、この遠心圧を回転板43の回転速度制御を介し、図1〜図3につき前述したと同様にして制御する。
筐体40内に遠心圧が低くなるよう回転板43の回転速度を制御すると、この遠心圧による力に抗してピストン36が図示せざるリターンスプリングにより、或いはクラッチプレート32,34間の離反力により、図7の上半分に示すごとくクラッチプレート32,34から後退し、これらクラッチプレート32,34の押し付け力を0にして湿式クラッチを解放状態にする。
筐体40内に遠心圧が高くなるよう回転板43の回転速度を制御すると、この遠心圧がピストン36を図7の下半分に示すごとく、図示せざるリターンスプリングに抗しクラッチプレート32,34を相互に押圧して湿式クラッチを締結状態にし、この時のクラッチ締結力(クラッチプレート32,34の押し付け力)を遠心圧により制御することができる。
本実施例においては、遠心圧を調圧してこれを湿式クラッチの締結力制御に有効利用することができ、遠心圧の圧力エネルギーを有効利用して、エネルギー効率を高めることができる。
そして、筐体40内に所定圧を供給し、筐体40内に作動流体39が確実に充満されるようにしたから、上記の遠心力制御が正確になり上記の作用効果を確実なものにすることができる。
なお、図6の実施例において筐体18に給排する所定圧、および、図7の実施例において筐体40に給排する所定圧は、制御終了時のタイムチャートを示す図8から明らかなごとく、作動圧制御フラグのON→OFF切り替え時(図8にt1で示す)およびOFF→ON切り替え時に行われる遠心圧制御の終了および開始に調時して排除したり供給するのがよい。
この場合、図6の筐体18内における作動圧、および、図7の筐体40内における作動圧の落差が大きくて、制御の応答性を改善することができる。
本発明の一実施例になる遠心圧制御装置を示す概念図である。 同実施例になる遠心圧制御装置の動作特性を示し、 (a)は、原動機回転速度に対する遠心圧の変化特性図、 (b)は、原動機回転速度と、回転板回転速度と、この回転板回転速度を与えた時における遠心圧変化特性との関係を示す説明図である。 同実施例になる遠心圧制御装置の遠心圧特性を、原動機および回転板間における相対回転速度との関連において、回転板の回転速度域ごとに示す特性線図である。 同実施例の遠心圧制御装置における回転板の直径に対する遠心圧制御幅の変化特性を示す特性線図である。 同実施例の遠心圧制御装置における回転板の直径に対する遠心圧制御分解能の変化特性を示す特性線図である。 本発明の遠心圧制御装置をVベルト式無段変速機のプーリV溝幅制御に用いた適用例を示すVベルトプーリの縦断側面図である。 本発明の遠心圧制御装置を湿式クラッチの締結制御に用いた適用例を示す湿式クラッチの縦断側面図である。 図6および図7の適用例において、遠心圧制御に際し筐体内へ給排する所定圧の給排タイミングを示すタイムチャートである。
符号の説明
1 ユニットハウジング
2 筐体
3 駆動軸
4 スラストニードル
5 作動流体
6 回転板
7 制御軸
8 遠心圧制御モータ(回転板回転制御手段)
9 ロータ
10 ステータ
11 Vベルトプーリ固定フランジ
12 スプライン
13 Vベルトプーリ可動フランジ
14 Vベルト
15 フランジカバー
16 スプライン
17 作動流体
18 筐体
19 Vベルト式無段変速機ケース
20 スラストニードル
21 回転板
22 制御軸
23 遠心圧制御モータ(回転板回転制御手段)
24 ロータ
25 ステータ
31 入力側回転メンバ
32 クラッチプレート
33 出力側回転メンバ
34 クラッチプレート
35 スプライン
36 ピストン
37 ピストンカバー
38 スプライン
39 作動流体
40 筐体
41 変速機ケース
42 スラストニードル
43 回転板
44 制御軸
45 遠心圧制御モータ(回転板回転制御手段)
46 ロータ
47 ステータ

Claims (11)

  1. Vベルトを掛け渡すためのV溝を画成する一対の対向フランジを具え、一方のフランジを他方のフランジに対し軸線方向へ変位させてV溝幅を変更することにより、Vベルトの巻き掛け径を変更可能にしたVベルトプーリにおいて、
    前記他方のフランジから軸線方向遠い側における前記一方のフランジの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該一方のフランジと共に回転するフランジカバーとにより、作動流体充満筐体を画成し、
    該筐体内に、プーリ回転軸線と同軸に配置して回転板を収納し、
    該回転板の、筐体に対する相対回転制御により筐体内作動流体の平均回転速度を変化させて、筐体内の遠心圧を制御する回転板回転制御手段を設け、
    この遠心圧によりVベルトの挟み力を決定するよう構成したことを特徴とするVベルトプーリの遠心圧制御装置。
  2. 請求項1に記載の遠心圧制御装置において、
    前記筐体内に、前記遠心圧とは別の所定圧を供給し、この所定圧と遠心圧との協働によりVベルトの挟み力を決定するよう構成したことを特徴とするVベルトプーリの遠心圧制御装置。
  3. 入力側回転メンバと共に回転するクラッチプレート、および、出力側回転メンバと共に回転するクラッチプレートを、入力側回転メンバと共に回転するピストンにより相互に押圧して締結させる湿式クラッチにおいて、
    前記クラッチプレートから軸線方向遠い側における前記ピストンの面と、この面から遠ざかる軸線方向への移動を制限されて該ピストンと共に回転するピストンカバーとにより、作動流体充満筐体を画成し、
    該筐体内に、前記入出力側回転メンバの回転軸線と同軸に配置して回転板を収納し、
    該回転板の、筐体に対する相対回転制御により筐体内作動流体の平均回転速度を変化させて、筐体内の遠心圧を制御する回転板回転制御手段を設け、
    この遠心圧により前記ピストンのクラッチプレート押し付け力を決定するよう構成したことを特徴とする湿式クラッチの遠心圧制御装置。
  4. 請求項3に記載の遠心圧制御装置において、
    前記筐体内に、前記遠心圧とは別の所定圧を供給して作動流体が確実に充満されるよう構成したことを特徴とする湿式クラッチの遠心圧制御装置。
  5. 請求項2または4に記載の遠心圧制御装置において、
    前記遠心圧と所定圧とを同時に制御するよう構成したことを特徴とする遠心圧制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記回転板回転制御手段は、前記回転板を前記筐体と同方向へ、該筐体よりも低速度で回転させるものであり、これにより、回転板を筐体と同方向へ同速度で回転させる場合よりも、筐体内作動流体の平均回転速度を低下させて前記遠心圧を低下させると共に、回転板および筐体間の相対回転速度が大きいほど前記遠心圧を低くするよう構成したことを特徴とする遠心圧制御装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記回転板回転制御手段は、前記回転板を前記筐体と同方向へ、該筐体よりも速度で回転させるものであり、これにより、回転板を筐体と同方向へ同速度で回転させる場合よりも、筐体内作動流体の平均回転速度を上昇させて前記遠心圧を高くすると共に、回転板および筐体間の相対回転速度が大きいほど前記遠心圧を高くするよう構成したことを特徴とする遠心圧制御装置。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記回転板回転制御手段は、前記回転板を前記筐体と方向へ回転させるものであり、これにより、回転板を回転させない場合よりも、筐体内作動流体の平均回転速度を低下させて前記遠心圧をくすると共に、回転板および筐体間の相対回転速度が大きいほど前記遠心圧をくするよう構成したことを特徴とする遠心圧制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記遠心圧の制御幅および制御分解能に関する要求に符合するよう前記回転板の直径を定めたことを特徴とする遠心圧制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記回転板回転制御手段は、前記回転板を電動モータにより回転させるものである遠心圧制御装置。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の遠心圧制御装置において、
    前記回転板回転制御手段は、前記回転板の回転制御をブレーキにより行うものである遠心圧制御装置。
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