JP2016056839A - ベルト式無段変速機の軸支持構造 - Google Patents

ベルト式無段変速機の軸支持構造 Download PDF

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Abstract

【課題】チェーンベルトにおけるピンがシーブを押し広げる荷重の変化に起因して、ケースが振動することを抑制することができるベルト式無段変速機の軸支持構造を提供する。【解決手段】回転軸を回転自在に保持するベアリングと、そのベアリングに軸線方向の締結力を作用させてケースに固定する第1固定手段55(56,58,59)とを備え、各プーリにおける回転軸線を通る基準平面を基準として、回転軸の回転方向におけるピンが各シーブに接触し始める位置までの角度、または回転軸の回転方向におけるピンが各シーブから抜け出る位置までの角度と、ベアリングの回転方向における基準平面から締結力を作用させる位置までの角度とを一致させるように構成されている。【選択図】図1

Description

この発明は、一対のプーリと、それらプーリに巻き掛けられたベルトとにより構成されたベルト式無段変速機に関するものであり、特にそれら各プーリの回転軸を支持する構造に関するものである。
特許文献1には、オイルポンプの支持構造が記載されている。このオイルポンプは、軸線方向の一方に延出した回転軸にドリブンスプロケットが連結されており、そのドリブンスプロケットに、変速機の入力軸に連結されたドライブスプロケットからチェーンベルトを介してトルクが伝達されるように構成されている。また、オイルポンプの他方側の端部が、ケースに固定されている。このようにオイルポンプを支持すると、トルクの伝達に伴って、オイルポンプが捩り振動する可能性がある。そのように捩り振動が生じることを抑制するために、特許文献1に記載されたオイルポンプの支持構造は、オイルポンプ本体における回転軸が延出した側の端面とケースとを、チェーンベルトの張力方向と平行に配置された保持部材により連結するように構成されている。
特開2006−70916号公報
ところで、チェーンベルトは、複数の板状のリンクをピンにより環状に連結して構成されている。そのチェーンベルトを、互いに対向するシーブによって挟み付けてトルクを伝達するように構成されたベルト式無段変速機では、トルク伝達時に、ピンがシーブに断続的に挟み込まれ、またピンがシーブから断続的に抜け出る。そのようにピンがシーブに挟み込まれる際には、ピンがシーブを押し広げる押圧力が、シーブに作用する。また、隣り合うピン同士が所定の間隔を空けて配置されているため、先行するピンがシーブに挟み込まれてから後続するピンがシーブに挟み込まれるまでは、ピンがシーブに接触し始める位置における上記押圧力が一時的に低下する。それとは反対に、シーブからピンが抜け出る際には、ピンがシーブを押し広げる押圧力が低下し、先行するピンがシーブから抜け出てから後続するピンがシーブから抜け出るまでは、ピンがシーブから抜け出る位置における上記押圧力が徐々に増大する。そして、上記の押圧力に応じたモーメントが回転軸に作用する。したがって、上述したように押圧力が断続的に変化すると、回転軸が振動する可能性がある。また、回転軸が振動すると、回転軸を保持するベアリングを介してケースに振動が伝達されて、ケースが膜振動する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、チェーンベルトにおけるピンがシーブを押し広げる荷重の変化に起因して、ケースが振動することを抑制することができるベルト式無段変速機の軸支持構造を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転軸と一体化された固定シーブと、前記回転軸と一体に回転するとともに該回転軸の軸線方向に移動することができるように該回転軸に嵌合した可動シーブとをそれぞれ有する一対のプーリと、複数の板状のリンクおよび前記リンクに形成された連結孔に嵌め込まれて前記リンク同士を環状に連結するとともに両端面が前記各シーブに接触して動力伝達面となるピンを有するチェーンベルトと、前記回転軸を回転自在に保持するベアリングと、前記ベアリングの軸線方向に締結力を作用させて、前記ベアリングと前記ケースとを固定する第1固定手段とを備えたベルト式無段変速機の軸支持構造において、前記各プーリにおける回転軸線を通る基準平面を基準として、前記回転軸の回転方向における前記ピンが前記各シーブに接触し始める位置までの角度、または前記回転軸の回転方向における前記ピンが前記各シーブから抜け出る位置までの角度と、前記ベアリングの回転方向における前記基準平面から前記締結力を作用させる位置までの角度とを一致させるように構成されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ベアリングの回転方向における前記基準平面から前記締結力を作用させる位置までの角度が、前記可動シーブが前記固定シーブに最も接近した場合における前記回転軸の回転方向での前記基準平面から前記ピンが前記各シーブに接触し始める位置までの角度と、前記可動シーブが前記固定シーブから最も離隔した場合における前記回転軸の回転方向での前記基準平面から前記ピンが前記各シーブに接触し始める位置までの角度との間のいずれかの角度を含むことを特徴とするベルト式無段変速機の軸支持構造である。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記ベアリングの回転方向における前記基準平面から前記締結力を作用させる位置までの角度が、前記可動シーブが前記固定シーブに最も接近した場合における前記回転軸の回転方向での前記基準平面から前記ピンが前記各シーブから抜け出る位置までの角度と、前記可動シーブが前記固定シーブから最も離隔した場合における前記回転軸の回転方向での前記基準平面から前記ピンが前記各シーブから抜け出る位置までの角度との間のいずれかの角度を含むことを特徴とするベルト式無段変速機の軸支持構造である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記回転軸の中心軸線を挟んで前記第1固定手段とは反対側の位置で、前記ベアリングに軸線方向の締結力を作用させて、前記ベアリングと前記ケースとを固定する第2固定手段を更に備えていることを特徴とするベルト式無段変速機の軸支持構造である。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記ベアリングを前記ケースとにより挟み付けるプレート部材を更に備え、前記第1固定手段は、前記プレート部材を前記ケースに固定することにより、前記ベアリングに軸線方向の締結力を作用させて、前記ベアリングと前記ケースとを固定するように構成されていることを特徴とするベルト式無段変速機の軸支持構造である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記可動シーブを前記回転軸の軸線方向に移動させるように、前記可動シーブの背面に油圧を作用させる油圧アクチュエータを備え、前記油圧アクチュエータに連通した第1油路が、前記ケースに形成され、前記第1固定手段は、前記第1油路が形成された位置からずれた位置で、前記締結力を作用させるように構成されていることを特徴とするベルト式無段変速機の軸支持構造である。
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの発明において、前記ベアリングを潤滑する潤滑用オイルが流動する第2油路が、前記ケースに形成され、前記第1固定手段は、前記第2油路が形成された位置からずれた位置で、前記締結力を作用させるように構成されていることを特徴とするベルト式無段変速機の軸支持構造である。
この発明によれば、回転軸を回転自在に保持するベアリングの軸線方向に締結力を作用させて、ベアリングとケースとを固定している。また、各プーリにおける回転軸線を通る基準平面を基準として、回転軸の回転方向におけるピンが各シーブに接触し始める位置までの角度、または回転軸の回転方向におけるピンが各シーブから抜け出る位置までの角度と、ベアリングに締結力を作用させる位置までの角度とを一致させる。このようにベアリングをケースに固定することにより、ピンが各シーブに接触し始める際に、またはピンが各シーブから抜ける際に、回転軸に作用する荷重に対する支持剛性を高くすることができる。そのため、回転軸が撓むことを抑制することができるので、回転軸が振動することを抑制することができる。または回転軸が振動した場合に、その回転軸を支持するベアリングが振動することを抑制することができる。そのように回転軸やベアリングが振動することを抑制することにより、ケースが膜振動することを抑制することができる。
また、回転軸の中心軸線を挟んで第1固定手段とは反対側の位置で第2固定手段によりベアリングをケースに固定することで、それら各固定手段に挟まれた部分の剛性を向上させることができる。その結果、回転軸やベアリングが振動した場合であっても、ケースが膜振動することを抑制することができる。
この発明におけるベアリングとケースとを固定する部分の一例を説明するためのケースの側面図である。 この発明に係るベルト式無段変速機の構成の一例を説明するための断面図である。 チェーンベルトの構成の一例を説明するための拡大図である。 ストッパープレートの構成の一例を説明するための正面図である。 チェーンベルトと各シーブとが接触し始める位置、または抜け出る位置を説明するための模式図である。
この発明で対象とすることができるベルト式無段変速機は、固定シーブと可動シーブとをそれぞれ有する一対のプーリと、各シーブに接触する動力伝達面を有するチェーンベルトとを備えている。そのように構成されたベルト式無段変速機の構成の一例を図2に示している。図2に示すベルト式無段変速機(以下、CVTと記す)1は、従来知られたものとほぼ同一に構成されており、エンジンなどの動力源からトルクが伝達される入力軸2と、その入力軸2に連結されたプライマリプーリ3と、駆動輪などの出力部材にトルクを伝達する出力軸4と、その出力軸4に連結されたセカンダリプーリ5と、それらのプーリ3,5に巻き掛けられた無端状のチェーンベルト6とによって構成されている。なお、入力軸2と出力軸4とは平行に配置されている。
プライマリプーリ3は、円錐形状の第1固定シーブ7と第1可動シーブ8とによって構成され、その第1固定シーブ7が、入力軸2に一体に形成されている。また、第1可動シーブ8は、入力軸2と一体に回転するとともに、軸線方向に移動することができるようにスプラインなどにより入力軸2に係合している。具体的には、第1可動シーブ8の内周部分には、背面側(図中における左側)に延出した中空状の第1ボス部9が一体に形成されており、その第1ボス部9の内周面と、入力軸2の外周面とがスプライン係合している。そして、それら各シーブ7,8における円錐面10,11が、入力軸2の軸線方向で対向して配置されており、それら円錐面10,11により第1V溝12が形成されている。
また、第1可動シーブ8の外周部には、背面側に突出した第1円筒部13が形成されており、その第1円筒部13の内周面に液密状に接触する第1シリンダ14が、入力軸2に嵌合している。この第1シリンダ14は、環状に形成された部材であって、その中空部が入力軸2に嵌合している。また、第1シリンダ14は、すり鉢状に形成され、その外周部分が、外側を向くように屈曲し、その端面が第1円筒部13の内周面に対向している。そして、第1シリンダ14と第1円筒部13とを液密状に封止するための第1シール部材15が、上記端面と第1円筒部13の内周面との間に設けられている。なお、第1シリンダ14は、第1可動シーブ8が第1固定シーブ7から最も離隔した際に、第1ボス部9の先端面と接触しないように入力軸2に嵌合している。なおまた、上記第1シリンダ14は、入力軸2の端部から嵌合させ、入力軸2に形成された段差部に接触させることにより、軸線方向に位置決めされている。
上述したように第1シリンダ14と第1円筒部13とを形成することにより、それらの部材に囲われた空間(以下、第1油圧室と記す)16が液密状に維持されるので、図2に示す例では、第1油圧室16にオイルを供給することにより、第1可動シーブ8を第1固定シーブ7側に押圧するように構成されている。すなわち、油圧によって第1可動シーブ8に押圧力を作用させる油圧アクチュエータとして機能するように構成されている。
ここで、上記第1油圧室16にオイルを供給する構成について簡単に説明する。図2に示す例では、入力軸2には、所定の長さの第1中空部17が入力軸2の端部から形成されている。その第1中空部17における先端部(図中における右側の部分)には、入力軸2の外周面に向けた第1貫通孔18が形成されている。また、第1ボス部9には、第1油圧室16に連通した第2貫通孔19が形成されている。そして、第1中空部17の開口部には、図示しないトルクコンバータや前後進切替機構などの他の装置とともにCVT1を囲うケース20と一体に形成された第1油路21が連通している。したがって、第1中空部17から第1貫通孔18および第2貫通孔19を介して第1油圧室16にオイルが供給される。なお、第1ボス部9と入力軸2とが係合した部分を潤滑するように、第1貫通孔18から入力軸2の外周側に流動したオイルが供給されるように構成されている。
図2に示すセカンダリプーリ5も、上記プライマリプーリ3と同様に構成されている。その構成を簡単に説明する。図2に示すセカンダリプーリ5は、出力軸4の一方の端部(図中における左側の端部)に円錐形状の第2固定シーブ22が一体に形成されている。また、円錐形状の第2可動シーブ23の背面側に第2ボス部24が延出して形成されており、その第2ボス部24と出力軸4とがスプライン係合している。すなわち、第2可動シーブ23は、出力軸4と一体に回転するとともに、軸線方向に移動することができるように係合している。そして、第2固定シーブ22における円錐面25と、第2可動シーブ23における円錐面26とが、軸線方向で対向して配置されており、それら各円錐面25,26により第2V溝27が形成されている。
また、第2可動シーブ23の外周部には、背面側に突出した第2円筒部28が形成されており、その第2円筒部28の内周面に液密状に接触する第2シリンダ29が、出力軸4に嵌合している。この第2シリンダ29は、環状に形成された部材であって、その中空部が出力軸4に嵌合している。また、第2シリンダ29は、すり鉢状に形成され、その外周部分が、外側を向くように屈曲し、その端面と第2円筒部28の内周面とが対向している。そして、上記端面と第2円筒部28とを液密状に封止するために、その端面と第2円筒部28との間に第2シール部材30が設けられている。さらに、第2可動シーブ23を第2固定シーブ22側に押圧するリターンスプリング31が、第2可動シーブ23と第2シリンダ29との間に設けられている。なお、第2シリンダ29は、第2可動シーブ23が第2固定シーブ22から最も離隔した際に、第2ボス部24の先端面と接触しないように配置され、また、上記第2シリンダ29は、出力軸4の端部から嵌合させ、出力軸4に形成された段差部に接触させることにより、軸線方向に位置決めがされている。
上述したように第2シリンダ29と第2円筒部28とを形成することにより、それらの部材に囲われた空間(以下、第2油圧室と記す)32が液密状に維持されるので、図2に示す例では、その第2油圧室32にオイルを供給することにより、第2可動シーブ23を第2固定シーブ22側に押圧するように構成されている。すなわち、油圧によって第2可動シーブ23に押圧力を作用させる油圧アクチュエータとして機能するように構成されている。
ここで、第2油圧室32にオイルを供給する構成について簡単に説明する。図2に示す例では、出力軸4における上記第2固定シーブ22が形成された側の端部から所定の長さの第2中空部33が出力軸4に形成されている。その第2中空部33における先端部(図中における右側の部分)、より具体的には、第2可動シーブ23が嵌合している部分には、出力軸4の外周面に向けた第3貫通孔34が形成されている。また、第2ボス部24には、第2油圧室32に連通した第4貫通孔35が形成されている。そして、第2中空部33の開口部には、ケース20と一体に形成された第2油路36が連通している。したがって、第2中空部33から第3貫通孔34および第4貫通孔35を介して第2油圧室32にオイルが供給される。なお、第2ボス部24と出力軸4とが係合した部分を潤滑するように、第3貫通孔34から出力軸4の外周側に流動したオイルが供給されるように構成されている。
そして、出力軸4の他方側の端部には、出力ギヤ37がスプライン係合しており、その出力ギヤ37を介して図示しない駆動輪にトルクが伝達されるように構成されている。
上述したように構成されたプライマリプーリ3とセカンダリプーリ5とに、無端状のチェーンベルト6が巻き掛けられている。より具体的には、それぞれのV溝12,27に亘って、チェーンベルト6が巻き掛けられている。ここで、チェーンベルト6の構成の一例を、図3を参照しつつ説明する。なお、図3における横方向がチェーンベルト6の長手方向を示しており、縦方向がチェーンベルト6の厚み方向を示している。図3に示すチェーンベルト6は、チェーンベルト6の幅と同一の長さに形成され、かつ互いに平行に配置された複数のピン38と、そのピン38により環状に連結される複数のリンク39とによって構成されている。ここに示すリンク39は、ピン38が通される連通孔40が形成された環状の板部材であって、その両端部分にピン38の外径とほぼ同一の内径のピン保持部41が形成されている。より具体的には、それぞれのピン保持部41に挟まれた中央部分の幅が、ピン38の外径よりも小さく形成され、ピン38がピン保持部41からチェーンベルト6の長手方向に移動しないように形成されている。そして、複数のリンク39をチェーンベルト6の幅方向に積層するとともに、隣り合うリンク39同士を、ピン保持部41間の距離分、チェーンベルト6の長手方向にずらして配置した後に、積層されたリンク39からピン38の両端部が幅方向に突出するように、ピン保持部41にピン38を挿入してリンク39を環状に連結している。なお、リンク39とピン38とは相対回転することができるように構成されている。
上記チェーンベルト6は、剛性を向上させるためなど種々の条件に応じて、ピン保持部41に複数のピン38を挿入してもよく、またはピン38の断面形状を楕円状など種々の形状に形成してもよい。具体的には、従来知られているチェーンベルトと同様に、ピン保持部41に断面形状が楕円状に形成された2つのピン38を挿入する。また、2つのピン38同士が対向する面が面接触するように平面に形成するとともに、所定の位置から互いに離隔する方向に傾斜した傾斜面を形成する。このように形成されたピン38をリンク39に挿入したチェーンベルトでは、リンク39が回動した場合に、その傾斜面が接触するように2つのピン38が相対的に回動するため、リンク39とピン38との摺動抵抗を低減することができる。
また、リンク39の両端にそれぞれ貫通孔を形成して、その貫通孔にピン38を挿入するように構成していてもよい。すなわち、ピン38やリンク39の形状または構成は、特に限定されない。
つぎに、上述したように構成されたCVT1の支持構造について説明する。図2に示す例では、入力軸2の軸線方向におけるプライマリプーリ3よりもエンジン側(図中における右側)の部分が、第1ベアリング42により回転自在に保持されている。具体的には、入力軸2には、第1固定シーブ7の背面側の部分に、段差部が形成されており、第1ベアリング42におけるインナーレース42aの一方の側面がエンジン側から段差部に接触するように、第1ベアリング42が入力軸2に嵌め合わされている。また、第1ベアリング42のアウターレース42bは、ケース20に固定されている。具体的には、ケース20には、環状に形成された環状壁部43が形成されており、その環状壁部43の内周面にアウターレース42bが挿入されている。
また、入力軸2の先端部(図中における左側の端部)は、第2ベアリング44により回転自在に保持されている。具体的には、第2ベアリング44におけるインナーレース44aの一方の側面が、第1シリンダ14に接触するように、入力軸2に嵌め合わされ、他方の側面がナットなどの第1固定部材45により第1シリンダ14側に押圧されて固定されている。すなわち、第2ベアリング44は、第1シリンダ14と第1固定部材45とに挟まれている。また、第2ベアリング44のアウターレース44bは、ケース20に嵌め合わされている。さらに、ケース20は、アウターレース44bよりも外周側で、CVT1側に突出して形成され、その突出部に軸線方向に接触する環状の第1ストッパープレート46が設けられている。この第1ストッパープレート46は、アウターレース44bが軸線方向に移動することを抑制するためのものであり、第1ストッパープレート46の内周部とアウターレース44bとが軸線方向で接触するように配置されている。すなわち、第1ストッパープレート46をケース20に取り付けることにより、アウターレース44bが、ケース20の側面と、第1ストッパープレート46の内周側の側面とに挟まれて第2ベアリング44の軸線方向に固定されるように構成されている。
ここで、第1ストッパープレート46の構成について説明する。図4は、第1ストッパープレート46の構成の一例を説明するための正面図である。図4に示す第1ストッパープレート46は、六角形状に形成されており、その中央部分に第5貫通孔47が形成されている。この第1ストッパープレート46は、図2に示すように第1シリンダ14の一部と、軸線方向で重なるように配置されている。したがって、軸線方向で重なる第1シリンダ14の一部の外径よりも第5貫通孔47の内径が大きく形成されている。また、第5貫通孔47は、第2ベアリング44のアウターレース44bよりも大きく形成されている。さらに、第1ストッパープレート46は、二つのボルトによりケース20に固定されるように構成されており、第5貫通孔47を挟んで両側にそれぞれ雌ねじ部48が形成されている。また、第1ストッパープレート46は、上記アウターレース44bと接触するものであり、その第5貫通孔47の内部には、第2ベアリング44のアウターレース44bと接触する係止部49が形成されている。図4に示す例では、各雌ねじ部48の中心を通る直線を挟んで両側に、第5貫通孔47の内周側に突出した係止部49が、第5貫通孔47の円周方向における所定の範囲に形成されている。なお、係止部49は、第2ベアリング44のアウターレース44bの側面に接触して、第2ベアリング44の軸線方向に締結力を作用させることができればよいので、第5貫通孔47の内側の全域に形成されていてもよい。したがって、第2ベアリング44を挟んだ状態で、ケース20と第1ストッパープレート46とをねじ止めすることにより、第2ベアリング44のアウターレース44bの軸線方向の位置が決められる。また、上記のように係止部49は、円周方向にある程度の長さを有するので、第1ストッパープレート46と第2ベアリング44とは、実質的に一体になる。
また、図2に示す例では、出力軸4の一方の端部(第2固定シーブ22が形成された側の端部)が、第3ベアリング50により回転自在に保持されている。具体的には、出力軸4には、第2固定シーブ22の背面側に段差部が形成されており、第3ベアリング50のインナーレース50aにおける一方の側面がその段差部の側面に接触するように、第3ベアリング50が出力軸4に嵌め合わされており、ナットなどの第2固定部材51により他方の側面が第2固定シーブ22側に押圧されて固定されている。すなわち、第3ベアリング50を、第2固定シーブ22と第2固定部材51とにより挟み付けて、その第3ベアリング50が軸線方向に移動することを抑制している。また、第3ベアリング50のアウターレース50bは、第2ベアリング44のアウターレース44bと同様に、ケース20に嵌合するとともに、上述した第1ストッパープレート46と同様に構成された第2ストッパープレート52と、ケース20とに挟まれて軸線方向の位置決めがされている。
さらに、出力軸4の他方の端部には、上述したように出力ギヤ37が係合しており、その出力ギヤ37の両端部が、ケース20に嵌合した第4ベアリング53および第5ベアリング54により回転自在に保持されている。
つぎに、図2に示すCVT1の作用について説明する。図2に示すCVT1は、入力軸2を介してエンジンから第1固定シーブ7および第1可動シーブ8にトルクが伝達される。そのように第1固定シーブ7と第1可動シーブ8とに伝達されたトルクは、円錐面10,11とピン38の端面とに生じる摩擦力によってチェーンベルト6に伝達される。そして、チェーンベルト6のトルクは、円錐面25,26とピン38の端面とに生じる摩擦力によって第2固定シーブ22および第2可動シーブ23に伝達され、そのトルクが出力軸4を介して出力ギヤ37に伝達される。
上述したように第1固定シーブ7および第1可動シーブ8とチェーンベルト6とは、摩擦力によってトルクを伝達し、第2固定シーブ22および第2可動シーブ23とチェーンベルト6とも同様に摩擦力によってトルクを伝達する。その摩擦力を発生させるように上述した第2油圧室32に油圧が供給される。具体的には、第2可動シーブ23を押圧する荷重を増大させるように油圧を増大させる。そのように油圧を増大させると、第2固定シーブ22と第2可動シーブ23とがチェーンベルト6を挟み付ける挟圧力が増大する。その結果、チェーンベルト6の張力が増大して、チェーンベルト6と第1固定シーブ7および第1可動シーブ8との摩擦力が増大し、かつチェーンベルト6と第2固定シーブ22および第2可動シーブ23との摩擦力が増大する。
また、プライマリプーリ3およびセカンダリプーリ5に巻き掛けられるチェーンベルト6の巻き掛け半径を変化させることにより変速比を変化させるように構成されている。具体的には、要求される変速比に応じて第1油圧室16に供給する油量を制御し、第1可動シーブ8を軸線方向に移動させて第1V溝12の溝幅を変化させることにより変速するように構成されている。なお、チェーンベルト6の周長は一定であり、上記のように第2可動シーブ23は、第2固定シーブ22側に押圧されている。したがって、第1V溝12の溝幅を変化させることにより、第2V溝27の溝幅がそれに追従して変化する。図5には、CVT1の変速比が最大の場合におけるチェーンベルト6の位置を実線で示し、変速比が最小の場合におけるるチェーンベルト6の位置を破線で示している。
また、上述したように変速比を変更すると、チェーンベルト6の巻き掛け半径が変化するため、変速比に応じて第1固定シーブ7および第1可動シーブ8にピン38が接触し始める位置、または第2固定シーブ22および第2可動シーブ23にピン38が接触し始める位置が変化する。同様に変速比に応じて第1固定シーブ7および第1可動シーブ8からピン38が抜ける位置、または第2固定シーブ22および第2可動シーブ23からピン38が抜ける位置が変化する。図5には、CVT1の変速比が最大の際に、第1固定シーブ7と第1可動シーブ8とにピン38が接触し始める位置を、a点と示し、第2固定シーブ22と第2可動シーブ23とにピン38が接触し始める位置を、b点と示し、第1固定シーブ7と第1可動シーブ8とからピン38が抜ける位置を、c点と示し、第2固定シーブ22と第2可動シーブ23とからピン38が抜ける位置を、d点と示している。また、CVT1の変速比が最小の際に、第1固定シーブ7と第1可動シーブ8とにピン38が接触し始める位置を、e点と示し、第2固定シーブ22と第2可動シーブ23とにピン38が接触し始める位置を、f点と示し、第1固定シーブ7と第1可動シーブ8とからピン38が抜ける位置を、g点と示し、第2固定シーブ22と第2可動シーブ23とからピン38が抜ける位置を、h点と示している。
上述したように構成されたCVT1は、ピン38が各シーブ7,8(22,23)に接触し始めること、またはピン38が各シーブ7,8(22,23)から抜け出ることに起因してケース20が膜振動する可能性がある。そのケース20が膜振動する原理について説明する。なお、ピン38が各シーブ7,8に接触し始めること、またはピン38が各シーブ7,8から抜け出ることに起因してケース20が膜振動する原理と、ピン38が各シーブ22,23に接触し始めること、またはピン38が各シーブ22,23から抜け出ることに起因してケース20が膜振動する原理とはほぼ同一なので、以下の説明では、ピン38が各シーブ7,8に接触し始めること、またはピン38が各シーブ7,8から抜け出ることに起因してケース20が膜振動する原理について説明する。
上述したように複数のピン38がチェーンベルト6の長手方向に所定の間隔を空けて配置されているので、CVT1がトルクを伝達している際には、断続的にピン38が第1固定シーブ7と第1可動シーブ8とに接触する。そのようにピン38が第1固定シーブ7と第1可動シーブ8とに接触し始める際には、各シーブ7,8を押し広げる。これは、チェーンベルト6に張力が作用しており、また上記第1油圧室16にオイルが供給されて第1可動シーブ8が第1固定シーブ側に押圧されているためである。そのように各シーブ7,8を押し広げる荷重に基づくモーメントが入力軸2に作用するので、ピン38が各シーブ7,8に接触し始める位置における第1V溝12の幅が広がるように、各ベアリング42,44を支点として、入力軸2が撓む。この際、入力軸2の軸線方向において、チェーンベルト6が巻き掛けられている箇所と同一の位置が、最も大きく撓む。また、入力軸2は、その入力軸2の回転方向におけるピン38が各シーブ7,8に接触し始める位置に向けて撓む。
また、CVT1がトルクを伝達している際には、断続的にピン38が第1固定シーブ7と第1可動シーブ8とから抜け出る。そのようにピン38が第1固定シーブ7と第1可動シーブ8とから抜け出る際には、ピン38を押圧する押圧力に対抗した反力がなくなる。そのように押圧力に対抗した反力がなくなると、ピン38が抜け出る位置における第1V溝12の幅が狭まるように、第1油圧室16に供給された油圧に基づくモーメントが入力軸2に作用するので、各ベアリング42,44を支点として、入力軸2が撓む。この際、入力軸2の軸線方向において、チェーンベルト6が巻き掛けられている箇所と同一の位置が、最も大きく撓む。また、入力軸2は、その入力軸2の回転方向におけるピン38が各シーブ7,8から抜け出る位置と反対方向の位置に向けて撓む。図5には、変速比が最大の際に入力軸2が撓む方向を矢印で示している。
上述したようにCVT1がトルクを伝達している際に入力軸2が撓み変形すると、第2ベアリング44が傾斜する場合がある。具体的には、円周方向におけるピン38が各シーブ7,8に接触し始める位置と同一の位置、またはピン38が各シーブ7,8から抜け出る位置とは円周方向で反対側の位置(180度回転した位置)で、第2ベアリング44がケース20を押圧するように傾斜する場合がある。それとは反対に、円周方向におけるピン38が各シーブ7,8に接触し始める位置とは円周方向で反対側の位置、またはピン38が各シーブ7,8から抜け出る位置と同一の位置で、第2ベアリング44がケース20から離隔するように傾斜する場合がある。図2には、入力軸2が図中における下側に撓み変形した場合に、第2ベアリング44が傾斜する方向を矢印で示している。そのように第2ベアリング44が傾斜した場合には、ケース20が外側に押圧される。また、上述したように第1ストッパープレート46が第2ベアリング44と実質的に一体になっているため、第2ベアリング44が傾斜した場合には、第1ストッパープレート46を介して内側に向けて引っ張られる。
上述したようにピン38は、リンク39に挿入されており、チェーンベルト6の長手方向に所定の間隔を空けて配置されている。したがって、各シーブ7,8を押し広げる荷重が断続的に変化するので、入力軸2や第2ベアリング44、あるいはケース20が振動する可能性がある。
そのため、図2に示す例では、ピン38が各シーブ7,8に接触することに起因して、またはピン38が各シーブ7,8から抜け出ることに起因して、ケース20が膜振動することを抑制するために、入力軸2の支持剛性を向上させるとともに、ケース20の剛性を向上させることができるように、第2ベアリング44をケース20に固定している。より具体的には、第2ベアリング44を押圧する第1ストッパープレート46を固定する位置を定めている。
ここで、第1ストッパープレート46をケース20に固定する位置について説明する。上述したように入力軸2の回転方向におけるピン38が各シーブ7,8に接触し始める位置に向けて入力軸2が撓み、または入力軸2の回転方向におけるピン38が各シーブ7,8から抜け出る位置と反対方向の位置に向けて入力軸2が撓む。したがって、入力軸2は、上記のように撓む方向と同一方向に振動する。また、そのように入力軸2が振動した際には、第2ベアリング44は、入力軸2と出力軸4とが通る平面を基準として、入力軸2の回転方向における振幅が最も大きくなる位置までの角度、すなわち、ピン38が各シーブ7,8に接触し始める位置までの角度θ1、またはピン38が各シーブ7,8から抜け出る位置までの角度θ2と同一の角度の位置が、軸線方向に最も移動することになる。言い換えると、その位置の振幅が最も大きくなる。
上述したように第2ベアリング44は、第1ストッパープレート46とケース20とにより挟まれている。したがって、上記のように第2ベアリング44が振動すると、それに追従して第1ストッパープレート46が振動する。そのため、その振幅が最も大きくなる位置で、第1ボルト55により第1ストッパープレート46をケース20に固定するように構成されている。すなわち、入力軸2と出力軸4とが通る平面(以下、基準平面と記す)Sを基準として、ピン38が各シーブ7,8に接触し始める位置までの角度θ1、またはピン38が各シーブ7,8から抜け出る位置までの角度θ2と同一の角度の位置で、第1ボルト55により第1ストッパープレート46とケース20とを固定している。なお、第1ボルト55は、第1ストッパープレート46とケース20とに軸線方向の締結力を作用させるものであり、また、上述したように第1ストッパープレート46は、第2ベアリング44と実質的に一体化されたものであるため、この第1ボルト55が、この発明を実施した場合における第1固定手段に相当する。
図1は、入力軸2の回転方向における基準平面Sからピン38が各シーブ7,8から抜け出る位置までの角度θ2と、基準平面Sと第1ボルト55が設けられている位置までの角度とが同一の位置となるように、第1ボルト55により第1ストッパープレート46を固定している状態を示す、ケース20の側面図である。なお、図1に示す例では、さらに、後述するように第1ボルト55により第1ストッパープレート46を固定する位置と第2ベアリング44の回転中心を挟んで反対側の位置で、第2ボルト56により第1ストッパープレート46を固定している。
また、上述したようにピン38が各シーブ7,8に接触し始める位置や、ピン38が各シーブ7,8から抜ける位置は、変速比に応じて変化する。したがって、ピン38が各シーブ7,8に接触し始める位置は、図5におけるa点とe点とを通る直線上のいずれかになる。同様にピン38が各シーブ7,8から抜ける位置は、図5におけるc点とg点とを通る直線上のいずれかになる。そのため、CVT1が伝達するトルクや入力軸2に作用する負荷などに応じて、第1ボルト55を、図5にハッチングを付しているいずれかの領域と回転方向で同一となる領域内で、第1ストッパープレート46とケース20とを固定すればよい。すなわち、入力軸2の回転方向において、基準平面Sからa点までの角度θ1と、基準平面Sからe点までの角度との範囲内、または基準平面Sからc点までの角度θ2と、基準平面Sからg点までの角度との範囲内で、第1ストッパープレート46とケース20とを固定すればよい。言い換えると、基準平面Sを基準として、最大変速比での入力軸2の回転方向におけるピン38が各シーブ7,8に接触し始める位置までの角度θ1と、最小変速比での入力軸2の回転方向におけるピン38が各シーブ7,8に接触し始める位置までの角度との範囲内、または、最大変速比でのピン38が各シーブ7,8から抜け出る位置までの角度θ2と、最小変速比でのピン38が各シーブ7,8から抜け出る位置までの角度との範囲内のいずれかで、第1ストッパープレート46とケース20とを固定すればよい。
このように第1ボルト55により第1ストッパープレート47とケース20とを固定することにより、トルクの伝達時に入力軸2に作用する撓み方向の荷重に対して、第2ベアリング44と、第1ストッパープレート46と、ケース20との剛性が寄与するので、入力軸2の支持剛性を向上させることができる。その結果、入力軸2が撓むことを抑制すること、または入力軸2の振動を抑制することができる。したがって、入力軸2が撓むことあるいは振動することに起因してケース20が膜振動することを抑制することができる。
さらに、第1ストッパープレート46は、入力軸2の回転中心を挟んで第1ボルト55とは反対側の位置で、第2ボルト56によりケース20に固定されている。
そのように第1ボルト55と第2ボルト56とで第1ストッパープレート46とケース20とを固定することにより、第1ボルト55と第2ボルト56との間が、第1ストッパープレート46を介して連結されることになるため、ケース20の剛性を向上させることができる。その結果、入力軸2が振動し、その振動がケース20に伝達された場合に、ケース20が軸線方向に撓むことを抑制することができる。なお、上記のように第1ボルト55と第2ボルト56とを設けた場合には、ケース20の剛性を向上させるために形成されるリブなどを減らすことができる。
また、図1に示すように第1油圧室16に連通した第1油路21や、第2油圧室32に連通した第2油路36がケース20に形成されている。さらに、図1や図2に示すように各ベアリング44,50などを潤滑するオイルが流動する潤滑用油路57がケース20に形成されている。したがって、上記第1ボルト55や第2ボルト56により第1ストッパプレート46をケース20に固定する位置は、上記各油路21,36,57が形成された位置からずれた位置に形成することが好ましい。なお、図1では、各油路21,36,57を明確に示すために、各油路21,36,57が形成されている箇所にハッチングを付している。
なお、上述したように出力軸4にも、入力軸2と同様に荷重が作用し、または入力軸2と同様に振動する可能性がある。したがって、第2ストッパープレート52も第1ボルト55と同様に、第3ボルト58によりケース20に固定すればよい。すなわち、基準平面Sを基準として、ピン38が各シーブ22,23に接触し始める位置までの角度、またはピン38が各シーブ22,23から抜け出る位置までの角度と同一の角度の位置で、第3ボルト58により第2ストッパープレート52とケース20とを固定すればよい。また、ケース20の剛性を向上させるためには、出力軸4の回転中心を挟んで第3ボルト58とは反対側の位置で第4ボルト59により第2ストッパープレート52をケース20に固定すればよい。
また、上述した例では、第1ストッパープレート46や第2ストッパープレート52を二箇所でケース20に固定する例を挙げて説明したが、その固定する箇所の数は限定されない。したがって、三箇所以上でケース20に第1ストッパープレート46や第2ストッパープレート52を固定する場合には、いずれか一箇所を固定するボルトと基準平面とがなす角度が、回転軸2(4)の回転方向における基準平面Sからピン38が各シーブ7,8(22,23)に接触し始める位置までの角度、または基準平面Sからピン38が各シーブ7,8(22,23)から抜け出る位置までの角度と同一になるようにすればよい。
さらに、上述した例では、第2ベアリング44や第3ベアリング50は、ストッパープレート46(52)とケース20とに挟まれた構成を挙げて説明したが、要は、それらのベアリング44,50の軸線方向にケース20と固定することができればよい。したがって、アウターレースに雌ねじを形成してねじ止めするように構成していてもよい。
1…ベルト式無段変速機(CVT)、 2…入力軸、 3…プライマリプーリ、 4…出力軸、 5…セカンダリプーリ、 6…チェーンベルト、 7,22…固定シーブ、 8,23…可動シーブ、 16,32…油圧室、 20…ケース、 21,36…油路、 28…ピン、 39…リンク、 40…連通孔、 42,44,50,53,54…ベアリング、 46,52…ストッパープレート、 55,56,58,59…ボルト、 57…潤滑用油路。

Claims (7)

  1. 回転軸と一体化された固定シーブと、前記回転軸と一体に回転するとともに該回転軸の軸線方向に移動することができるように該回転軸に嵌合した可動シーブとをそれぞれ有する一対のプーリと、
    複数の板状のリンクおよび前記リンクに形成された連結孔に嵌め込まれて前記リンク同士を環状に連結するとともに両端面が前記各シーブに接触して動力伝達面となるピンを有するチェーンベルトと、
    前記回転軸を回転自在に保持するベアリングと、
    前記ベアリングの軸線方向に締結力を作用させて、前記ベアリングと前記ケースとを固定する第1固定手段と
    を備えたベルト式無段変速機の軸支持構造において、
    前記各プーリにおける回転軸線を通る基準平面を基準として、前記回転軸の回転方向における前記ピンが前記各シーブに接触し始める位置までの角度、または前記回転軸の回転方向における前記ピンが前記各シーブから抜け出る位置までの角度と、前記ベアリングの回転方向における前記基準平面から前記締結力を作用させる位置までの角度とを一致させるように構成されていることを特徴とするベルト式無段変速機の軸支持構造。
  2. 前記ベアリングの回転方向における前記基準平面から前記締結力を作用させる位置までの角度が、前記可動シーブが前記固定シーブに最も接近した場合における前記回転軸の回転方向での前記基準平面から前記ピンが前記各シーブに接触し始める位置までの角度と、前記可動シーブが前記固定シーブから最も離隔した場合における前記回転軸の回転方向での前記基準平面から前記ピンが前記各シーブに接触し始める位置までの角度との間のいずれかの角度を含むことを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機の軸支持構造。
  3. 前記ベアリングの回転方向における前記基準平面から前記締結力を作用させる位置までの角度が、前記可動シーブが前記固定シーブに最も接近した場合における前記回転軸の回転方向での前記基準平面から前記ピンが前記各シーブから抜け出る位置までの角度と、前記可動シーブが前記固定シーブから最も離隔した場合における前記回転軸の回転方向での前記基準平面から前記ピンが前記各シーブから抜け出る位置までの角度との間のいずれかの角度を含むことを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機の軸支持構造。
  4. 前記回転軸の中心軸線を挟んで前記第1固定手段とは反対側の位置で、前記ベアリングに軸線方向の締結力を作用させて、前記ベアリングと前記ケースとを固定する第2固定手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のベルト式無段変速機の軸支持構造。
  5. 前記ベアリングを前記ケースとにより挟み付けるプレート部材を更に備え、
    前記第1固定手段は、前記プレート部材を前記ケースに固定することにより、前記ベアリングに軸線方向の締結力を作用させて、前記ベアリングと前記ケースとを固定するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のベルト式無段変速機の軸支持構造。
  6. 前記可動シーブを前記回転軸の軸線方向に移動させるように、前記可動シーブの背面に油圧を作用させる油圧アクチュエータを備え、
    前記油圧アクチュエータに連通した第1油路が、前記ケースに形成され、
    前記第1固定手段は、前記第1油路が形成された位置からずれた位置で、前記締結力を作用させるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のベルト式無段変速機の軸支持構造。
  7. 前記ベアリングを潤滑する潤滑用オイルが流動する第2油路が、前記ケースに形成され、
    前記第1固定手段は、前記第2油路が形成された位置からずれた位置で、前記締結力を作用させるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のベルト式無段変速機の軸支持構造。
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