JPH0966664A - 被記録媒体及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

被記録媒体及びこれを用いた画像形成方法

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JPH0966664A
JPH0966664A JP8125768A JP12576896A JPH0966664A JP H0966664 A JPH0966664 A JP H0966664A JP 8125768 A JP8125768 A JP 8125768A JP 12576896 A JP12576896 A JP 12576896A JP H0966664 A JPH0966664 A JP H0966664A
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斉 芳野
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洋 冨岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速でフルカラー印字を行っても良好な画像
が得られ、しかもインク吸収速度が早く且つインク吸収
量の大きい、さらには染料の定着速度の早い、印字ドッ
トの形状や均一性がよく、印字部の光学濃度が高く、し
かも色彩度や透明性がよく、クラックやカールの少ない
被記録媒体及び該被記録媒体を用いる画像形成方法の提
供。 【解決手段】 基材上に、ベーマイト構造を有するアル
ミナ水和物とバインダーを主成分とする多孔質インク受
容層を備えた被記録媒体のインク受容層が、内部に空隙
を有し、該空隙がこれより半径が小さい細孔を通してイ
ンク受容層表面に連通していることを特徴とする被記録
媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
た記録に好適な被記録媒体に関し、とりわけ高速で多色
印字を行ったときでも、画像濃度が高く、色調が鮮明で
あり、ビーディングの発生を抑え、且つインク吸収能力
に優れたインクジェット記録に好適な被記録媒体ならび
にこれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方式は、イン
クの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙等
の被記録媒体に付着させ、画像、文字等の記録を行うも
のであるが、高速低騒音、多色化が容易、記録パターン
の融通性が大きい、現像、定着が不要等の特徴があり、
各種画像の記録装置として情報機器をはじめ各種の用途
において急速に普及している。さらに、多色インクジェ
ット方式により形成される画像は、製版方式による多色
印刷や、カラー写真方式による印画と比較して遜色のな
い記録を得ることも可能であり、作成部数が少ない場合
には通常の多色印刷や印画によるよりも安価であること
からフルカラー画像記録分野にまで広く応用されてつつ
ある。
【0003】記録の高速化、高精細化、フルカラー化等
の記録特性の向上に伴って記録装置、記録方法の改良が
行われてきたが、被記録媒体に対しても高度な特性が要
求されるようになってきた。
【0004】かかる要求を解決するために、従来から多
種多様の被記録媒体の形態が提案されてきた。例えば特
開昭52−53012号公報には低サイズの原紙に表面
加工用塗料を浸潤させるインクジェット用紙が開示され
ている。特開昭53−49113号公報には尿素−ホル
マリン樹脂粉末を内添したシートに水溶性高分子を含浸
させたインクジェット用紙が開示されている。特開昭5
6−5830号公報には支持体表面にインク吸収性の塗
工層を設けたインクジェット記録用紙が開示され、同5
5−51583号公報には被覆層中の顔料として非晶質
シリカを用いた例が開示され、同55−144172号
公報には水性インクの着色成分を吸着する顔料塗布層を
有する受像シートが、同55−146786号公報には
水溶性高分子塗工層を用いた例が開示されている。
【0005】また、特開昭60−61286号、同60
−137685号、同62−174182号各公報には
多孔質構造のインク受容層をもつ被記録媒体が開示さ
れ、さらに米国特許4879166号、同510473
0号、特開平1−097678号、同2−276670
号、同5−024335号、同6−297831号各公
報では、擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を用いたイ
ンク受容層を有する記録シートが提案されている。
【0006】上記に示された思想はインク吸収性、解像
度、画像濃度、色彩性、色再現性、透明性等の被記録媒
体のそれぞれ特性の改良に関するものであるが、かかる
媒体であっても、最近の記録装置の進歩によってフルカ
ラー画像の高速印字が達成されてきたことに伴い、以下
の問題点が発生している。
【0007】(1)高速フルカラー印字は各単色インク
を重ね印字することにより行われるが、1色目を印字し
てから2色目以降の印字を行うまでの100m秒程度の
短い時間の間に1色目のインクを吸収して、かつ染料を
定着する必要がある。またフルカラー画像の印字は、各
色のインクを重ね印字して行っているため、単位面積当
たりの印字インク量が多くなる。
【0008】従来技術として、特開昭58−11028
7号公報には細孔半径分布に0.2〜10μmと0.0
5μm以下にピークをもつ被記録媒体が、同60−13
7685号公報にはインク受容層の容積が30〜300
%の容積をもつ微細連続通気孔をもつ被記録媒体が、同
60−245588号公報には半径4.0〜100.0
nmの細孔をもつアルミナキセロゲルを含有する被記録
媒体が、特開平2−276670号公報には細孔半径
4.0〜10.0nmの細孔容積が0.1〜0.4ml
/gの被記録媒体が開示されている。いずれもインク受
容層の細孔半径分布、細孔容積等の多孔質構造を調整し
てインク吸収速度、インク吸収量を大きくする思想であ
る。
【0009】さらに特開平5−024335号、同6−
297831号各公報には、擬ベーマイトとバインダー
からなるインク受容層をもつ被記録媒体の、インク受容
層の厚みや、顔料とバインダーの比率、インク受容層の
塗工量を調整してインク吸収速度やインク吸収量を大き
くした被記録媒体が開示されている。
【0010】しかしながら、前者では、多孔質インク吸
収層をもつ被記録媒体は一般に吸水性材料の中ではイン
ク吸収が比較的早いが、インク吸収速度をさらに高くす
るためには細孔半径を比較的大きくする必要がある。し
かし染料は比較的小さな細孔に吸着するため、細孔半径
を大きくすると染料定着速度が低下してビーディングや
ニジミが発生したり、混色部の色彩が悪くなったりす
る。大小2種類以上の細孔半径のピークをもつ多孔質構
造でも、大きな半径の細孔があるとドット形状が不均一
になったり、真円度が悪くなったりする問題がある。ま
た細孔半径が大きくなるのに伴ってインク受容層の白濁
(ヘイズ)が大きくなって透明性が悪くなったり、色彩
性や光学濃度が悪くなるという問題点がある。
【0011】また後者では、インク吸収量を大きくする
ためにインク受容層の厚みや塗工量を大きくすると、逆
にインク吸収速度が遅くなったり、染料の定着速度が遅
くなって多色印字した染料同志が定着する前に混じり合
ってしまう問題点があり、さらにバインダー量を減らす
とインク受容層の機械的な強度が低下したり、クラック
やカールが発生するという問題がある。
【0012】(2)フルカラー化のためには各色の階調
数とその調整が求められているが、階調数を高くするた
めには印字部の光学濃度を高くするとこが、また、階調
を調整するためには印字ドットの形状やその均一性が関
連してくる。
【0013】従来技術として、特開昭55−11829
号公報には2層以上の層構成をもち、最表層のインク吸
収性を1.5〜5.5mm/分で、第2層のインク吸収
性を5.5〜60.0mm/分とした被記録媒体が開示
されている。被記録媒体表面でのインク液滴の広がりを
抑えることによって解像度を得る思想であるが、インク
吸収速度が極めて遅くなってしまうという問題点があ
る。
【0014】また特開昭55−144172号公報には
インク中の染料を吸着する顔料を含む受容層を設けた被
記録媒体が、同60−232990号公報にはカチオン
性アルミニウム酸化物を含むインク受容層を設けた被記
録媒体が、同62−264988号公報にはインク中の
染料を析出させる材料を含有する被記録媒体が、さらに
特開平1−097678号公報には吸着能が20〜10
0mg/gの物質をインク吸収剤と併用した被記録媒体
が開示されている。染料の吸着能の高い材料を用いるこ
とによってインク中の染料定着量や定着速度を高くする
思想であり、印字部分の耐水性は改善されるが、インク
受容層の染料吸着量は、インク受容層を構成する材料の
比表面積や塗工量にも依存し、さらにインク吸収速度等
の要因もあるため、染料吸着量を規定した物質を用いる
だけでは高速多色印字での各色の染料の定着量や定着速
度を満足することはできない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題点が解消された、高速でフルカラー印字を
行っても良好な画像が得られ、しかもインク吸収速度が
早く且つインク吸収量の大きい、さらには染料の定着速
度の早い、印字ドットの形状や均一性がよく、印字部の
光学濃度が高く、しかも色彩度や透明性がよく、クラッ
クやカールの少ない被記録媒体及び該被記録媒体を用い
る画像形成方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題・目的は以下
に示す本発明によって解決・達成される。すなわち本発
明は、基材上に、ベーマイト構造を有するアルミナ水和
物とバインダーを主成分とする多孔質インク受容層を備
えた被記録媒体において、該インク受容層が、内部に空
隙を有し、該空隙が、これより半径が小さい細孔を通し
てインク受容層表面に連通していることを特徴とする、
被記録媒体を開示するものである。
【0017】また本発明は、被記録媒体にインクを付与
して画像を形成する画像形成方法において、該被記録媒
体が、前記本発明の被記録媒体であることを特徴とす
る、画像形成方法を開示するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において、被記録媒体は基
材上に、主としてべーマイト構造を示すアルミナ水和物
とバインダーから形成されている多孔質インク受容層
(以下、インク受容層)が形成された構成である。必要
に応じてインク受容層の上に傷つき防止等のために保護
層や搬送性向上のために粒子等を含む層を形成すること
も可能である。
【0019】アルミナ水和物は正電荷をもっているため
インク染料の定着がよく、発色がよい画像を得られるの
と、黒色インクの茶変、耐光性での変色等の問題点がな
いために、インク受容層に用いる材料としては好ましい
ものである。
【0020】本発明の被記録媒体中に用いるアルミナ水
和物としては、X線回折法で、べーマイト構造を示すア
ルミナ水和物が染料定着性と発色、インク吸収性、透明
性がよいので好ましい。
【0021】アルミナ水和物は下記の一般式により定義
される。
【0022】Al23-n (OH)2n・mH2 O ただし式中、nは0〜3の整数の一つを表し、mは0〜
10、好ましくは0〜5の値を有する。mH2 Oの表現
は、多くの場合に結晶格子の形成に関与しない脱離可能
な水相を表すものであり、そのために、mは整数でない
値をとることもできる。
【0023】一般にベーマイト構造を示すアルミナ水和
物の結晶は、その(020)面が巨大平面を形成する層
状化合物であり、X線回折図形に特有の回折ピークを示
す。完全ベーマイトの他に擬ベーマイトと称する、過剰
な水を(020)面の層間に含んだ構造をとることもで
きる。この擬ベーマイトのX線回折図形はベーマイトよ
りもブロードな回折ピークを示す。
【0024】ベーマイトと擬ベーマイトは明確に区別の
できるものではないので、本発明では特に断わらない限
り、両者を含めてベーマイト構造を示すアルミナ水和物
(以下、アルミナ水和物)と言う。(020)面が面間
隔及び(020)の結晶厚さは、回折速度2θが14〜
15°に現れるピークを測定して、ピークの回折角度2
θと半値幅Bから、面間隔はブラッグ(Bragg)の
式で、結晶厚さはシェラー(Scherrer)の式を
用いて求めることができる。(020)の面間隔はアル
ミナ水和物の親水性・疎水性の目安として用いることが
できる。 本発明で用いるアルミナ水和物の製造方法と
しては、特に限定されないが、ベーマイト構造をもつア
ルミナ水和物を製造できる方法であれば、例えば、アル
ミニウムアルコキシドの加水分解、アルミン酸ナトリウ
ムの加水分解等の公知の方法で製造することができる。
【0025】特開昭56−120508号公報に開示さ
れているように、X線回折的に無定形のアルミナ水和物
を、水の存在下で50℃以上で加熱処理することによっ
てベーマイト構造に変えて用いることができる。特に好
ましく用いることができる方法は、長鎖のアルミニウム
アルコキシドに対して酸を添加して加水分解・解膠を行
うことによってアルミナ水和物を得る方法である。
【0026】ここで、長鎖のアルミニウムアルコキシド
とは、例えば炭素数が5以上のアルコキシドであり、さ
らに炭素数12〜22のアルコキシドを用いると、後述
するようにアルコール分の除去、及びアルミナ水和物の
形状制御が容易になるため好ましい。
【0027】添加する酸としては有機酸、無機酸の中か
ら1種または2種以上を自由に選択して用いることがで
きるが、加水分解の反応効率及び得られたアルミナ水和
物の形状制御、分散性の点で硝酸が最も好ましい。この
工程の後に水熱合成等を行って粒子径を制御することも
可能である。硝酸を含むアルミナ水和物分散液を用いて
水熱合成を行うと、水溶液中の硝酸がアルミナ水和物表
面に硝酸根として取り込まれて水分散性を向上させるこ
とができる。
【0028】上記アルミニウムアルコキシドの加水分解
による方法は、アルミナヒドロゲルやカチオン性アルミ
ナを製造する方法と比較して各種イオン等の不純物が混
入し難いという利点がある。さらに長鎖のアルミニウム
アルコキシドは加水分解後の長鎖のアルコールが、例え
ば、アルミニウムイソプロキシド等の短鎖のアルコキシ
ドを用いる場合と比較してアルミナ水和物の脱アルコー
ルを完全に行うことができるという利点もある。加水分
解の開始時の溶液のpHを6未満に設定することが好ま
しい。pHが8を越えると、最終的に得られるアルミナ
水和物が結晶質になるので好ましくない。
【0029】また、本発明で用いられるアルミナ水和物
としては、X線回折法でベーマイト構造を示すものであ
れば、二酸化チタン等の金属酸化物を含有したアルミナ
水和物を用いることもできる。含有比率はアルミナ水和
物の0.01〜1.00重量%が光学濃度が高くなるの
で好ましく、より好ましくは、0.13〜1.00重量
%であり、染料の吸着速度が速くなって、ニジミやビー
ディングが発生し難くなる。さらに前記二酸化チタンは
チタンの価数が+4価であることが必要である。二酸化
チタンの含有量は硼酸に融解してICP法で調べること
ができる。またアルミナ水和物中の二酸化チタンの分布
とチタンの価数はESCAを用いて分析することができ
る。
【0030】アルミナ水和物の表面をアルゴンイオンで
100秒、500秒エチングして、チタンの含有量の変
化を調べることができる。二酸化チタンはチタンの価数
が+4価よりも小さくなると、二酸化チタンが触媒とし
て働くようになってバインダーが劣化してひび割れや粉
落ちが発生し易くなる。
【0031】二酸化チタンの含有はアルミナ水和物の表
面近傍だけでもよく、内部まで含有していてもよい。ま
た含有量が表面から内部にかけて変化していてもよい。
表面のごく近傍にのみ二酸化チタンが含有されている
と、アルミナ水和物のバルクの性質が維持され易いの
で、さらに好ましい。
【0032】二酸化チタンを含有したアルミナ水和物の
製造方法としては、例えば学会出版センター刊「表面の
科学」第327頁(田丸謙二編、1985年)に記載さ
れているような、アルミニウムアルコキシドとチタンア
ルコキシドの混合液を加水分解して製造する方法が好ま
しい。その他の方法としては前記アルミニウムアルコキ
シドとチタンアルコキシドの混合液を加水分解するとき
に結晶成長の核としてアルミナ水和物を添加して製造す
ることもできる。
【0033】二酸化チタンの代わりにマグネシウム、カ
ルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、硼素、シ
リコン、ゲルマニウム、錫、鉛、ジルコニウム、インジ
ウム、燐、パナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モ
リブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル、ルテニウム等の酸化物を含有させて用いること
ができるが、インク染料の吸着性と分散性の点からは二
酸化チタンが最も好ましい。また上記金属の酸化物は着
色しているものが多いが、二酸化チタンは無色であるの
で、その点からも好ましい。
【0034】アルミナ水和物の形状は、アルミナ水和物
を水、アルコール等に分散させてコロジオン膜上に滴下
して測定用試料を作り、透過型電子顕微鏡で観察して求
めることができる。アルミナ水和物の中で擬ベーマイト
には前記文献(Rocek J., etal, Applied Catalysis,
74巻、29〜36頁、1991年)に記載されたよう
に、繊毛状とそれ以外の形状があることが一般に知られ
ている。
【0035】本発明において繊毛状または平板形状のい
ずれの形状のアルミナ水和物でも用いることができる。
アルミナ水和物の形状(粒子形、粒子径、アスペクト
比)はアルミナ水和物をイオン交換水に分散させてコロ
ジオン膜上に滴下して測定用試料を作り、この試料を透
過型電子顕微鏡で観察を行うことによって測定すること
ができる。
【0036】発明者等の知見によれば平板状の形状のほ
うが針状または毛状束(繊毛状)よりも水への分散性が
よく、これを用いてインク受容層を形成すると、アルミ
ナ水和物粒子の配向がランダムになるために、細孔容積
が大きく、且つ細孔径分布が幅広くなるのでより好まし
い。ここで毛状束形状とは針状のアルミナ水和物が側面
同志を接して髪の毛の束のように集まった状態をいう。
平板形状の粒子のアスペクト比は特公平5−16015
号公報に定義されている方法で求めることができる。ア
スペクト比は粒子の厚さに対する直径の比で示される。
ここで直径とは、アルミナ水和物を顕微鏡または電子顕
微鏡で観察したときの粒子の投影面積と等しい面積を有
する円の直径を示すものとする。縦横比はアスペクト比
と同じように観察して平板面の最小値を示す直径と最大
値を示す直径の比で表わされる。また毛状束形状の場合
には、アスペクト比を求める方法は、毛状束を形成する
個々の針状のアルミナ水和物粒子を円柱として上下の円
の直径と長さをそれぞれ求めて、その比をとって求める
ことができる。
【0037】最も好ましいアルミナ水和物の形状は、平
板状では平均アスペクト比が3〜10の範囲で、平均粒
子直径が1.0〜50nmの範囲が好ましく、毛状束で
は平均アスペクト比が3〜10の範囲で、平均粒子長さ
が1.0〜50nmの範囲が好ましい。平均粒子直径ま
たは平均粒子長さが上記範囲内であれば光の散乱を抑え
ることができるためインク受容層の透明性を良好にする
ことができる。平均アスペクト比が上記範囲内であれば
インク受容層を形成したときに粒子間に隙間が形成され
るため多孔質構造を容易に形成することができる。
【0038】平均粒子直径または平均粒子長さが上記の
範囲の下限よりも小さいと、細孔径分布が狭くなってイ
ンク吸収速度が低下し、上記範囲の上限よりも大きいと
インク受容層にヘイズが発生し易く透明性が低下する。
平均アスペクト比が上記範囲の下限よりも小さい場合に
は、インク受容層の細孔径分布範囲が狭くなってインク
吸収速度が低下し、上記範囲の上限よりも大きい場合に
は、アルミナ水和物の粒子径を揃えて製造することが困
難になる。
【0039】本発明の被記録媒体は主としてアルミナ水
和物とバインダーを用いて多孔質のインク受容層を形成
することにより得られる。被記録媒体の各種特性は、用
いるアルミナ水和物やバインダーの種類と量比率、添加
剤の種類・添加量、さらにアルミナ水和物を分散した塗
工液の分散条件、乾燥時の加熱条件によって変えること
ができる。
【0040】本発明におけるインク受容層は、その内部
に空隙を有し、該空隙は、これより半径の小さな細孔を
通してインク受容層表面に連通した構造を有するもので
あり、好ましくはインク受容層内部で空隙が細孔により
相互に連通した構造を有するものである。
【0041】前記インク受容層の細孔は、細孔半径分布
における最大ピークが2.0〜20.0nmの範囲のも
のが好ましい。この範囲内であればインク吸収速度と染
料の定着速度の両者を早くして、ニジミやブリーディン
グの発生を防止することができる。
【0042】最大ピークの範囲が上記範囲の上限を越え
ると染料の定着速度が低下してニジミが発生したり、印
字されたドットの真円度が低下する傾向にある。また、
上記範囲の下限未満では、インク吸収速度が低下し易く
なる。
【0043】ここでニジミとは、一定面積にベタ印字し
たとき、染料で着色された部分の面積が印字面積よりも
広く(大きく)なる現象を言い、ブリーディングとは、
多色でベタ印字した部分の異色の境界にニジミが発生し
て、染料が定着しないで混合してしまう現象を言う。
【0044】インク受容層の細孔容積は0.4〜1.0
ml/gの範囲であることが好ましい。この範囲内であ
ればインク吸収量、インク吸収速度が良好である。さら
に前記細孔容積が0.4〜0.6ml/gの範囲であれ
ばインク受容層のヘイズを低減させて透明性をよくする
ことができる上に、機械的強度を高めてクラックの発生
を抑えることができるのでより好ましい。
【0045】細孔容積が上記範囲の上限を越えるとイン
ク受容層のクラックや剥がれ、粉落ちが発生したり、ヘ
イズが発生して透明性が低下し易くなる。上記範囲の下
限未満ではインク吸収量が不足してインクの溢れが発生
したり、インク吸収速度が不足して印字部におけるイン
クの定着性が低下する傾向にある。さらにインク受容層
の単位面積当たりの細孔容積は8ml/m2 以上である
ことが好ましい。この範囲では高速印字を行ってもイン
クの溢れが発生しない。さらに好ましくは20ml/m
2 以上の範囲で、多色印字を行ったときでもインクの溢
れが発生しない。単位面積当たりの細孔容積が、上記範
囲の下限未満では、特に多色印字を行った場合に、イン
ク受容層からインクが溢れて画像にニジミが発生し易
い。細孔容積を調整する方法としてはアルミナ水和物の
熟成条件や塗工液の分散・乾燥条件の制御等一般的に多
孔質材料の細孔容積を調整する方法の中から選択して用
いることができる。
【0046】また細孔容積を大きくする方法としては例
えば特開昭56−120508号公報に記載されている
種々の方法を用いることができる。単位面積当たりの細
孔容積を上記範囲にする方法は、同様にアルミナ水和物
や塗工液、塗工・乾燥条件やインク受容層の厚み等の調
整によって達成することができる。
【0047】さらにインク受容層の細孔の細孔容積は、
細孔半径2.0〜20.0nmの細孔容積が全細孔容積
の80%以上であることが好ましい。上記範囲内であれ
ば、インク受容層の透明性や表面の平滑度を高くするこ
とができる。上記範囲の下限未満ではインク受容層の透
明性が低下したり機械的強度が低下してクラックや粉落
ちが発生し易くなる。
【0048】なお、上記したインク受容層の細孔半径分
布、細孔容積は窒素吸着脱離方法によって求めることが
できる。同方法では同時にBET比表面積、等温窒素吸
脱着曲線も求めることができる。
【0049】次に、本発明におけるインク受容層内部の
空隙は、図1及び図2のインク受容層の断面図または写
真代用図に示すようにインク受容層の内部のみに存在
し、図3に示すように、窒素吸着脱離法や水銀圧入法、
X線小角散乱、レーザー顕微鏡等の一般的な細孔構造の
測定方法では測定できない。空隙の半径、容積比率等は
インク受容層の断面を電子顕微鏡等で観察して、その写
真上で測定して求めることができる。
【0050】本発明におけるインク受容層内部の空隙の
役割は、インク受容層表面まで通じた細孔を通してイン
ク受容層内部に浸透してきたインクをインク受容層の横
(面内)方向に拡散させることである。これによって細
孔内にインクが溜ることによるインク吸収速度の低下を
防止することであり、100m秒程度の短い時間間隔で
重ね印字を行ったときの2色目以降のインクの吸収速度
を向上させることである。
【0051】インク受容層内部の空隙の半径は、細孔の
半径よりも大きいことが必要で、細孔の前記ピーク半径
よりも1.5倍以上大きいことが望ましい。上記範囲内
では上記した拡散等の役割を十分に果たすことができ、
最近の高速フルカラー印字装置での高速で且つ単位面積
当たりのインク量が多い印字を行ってもインクを速やか
に吸収してインクの溢れを防止することができる。特に
望ましい範囲は半径50.0〜200.0nmの範囲で
あり、この範囲ではインク吸収層の白濁やクラックの発
生を確実に防止することができる。半径が200.0n
mを越えるとインク受容層が白濁し易く、これにより透
明性が低下する上に、機械的強度が不足してクラックが
入り易くなる。
【0052】空隙の半径が細孔のピーク半径の1.5倍
未満では、空隙による拡散等の効果が弱くなって細孔の
インク吸収速度を十分には向上できないか、逆にインク
吸収速度を低下させたり、多色印字を行ったときに2色
目以降の印字でインクの溢れが発生する場合がある。空
隙の容積はインク受容層の体積の1〜10%であること
が好ましい。この範囲内では被記録媒体を折り曲げたと
きにもインク受容層にクラックが発生し難くなり、且つ
印字部にしわ等の変形が発生し難くなる。
【0053】本発明において、インク受容層の吸水量は
0.4〜1.0ml/gの範囲が好ましい。この範囲内
であれば、多色印字のように繰り返し多量のインクを用
いて重ね印字したときのインクの溢れを防止することが
できる。より好ましい範囲は、0.6〜0.9ml/g
の範囲であり、この範囲内であれば印字前後のインク受
容層の、クラックや変形を防止することができる。吸水
量が上記範囲の上限を越えるとインク受容層の機械的強
度が不足してクラックや剥がれ、粉落ちが発生したり、
透明性が低下し易く、上記範囲の下限未満では、多色印
字を行ったときに2色目以降のインクの吸収速度が低下
したり、2色目以降に印字したドットの径が大きくなっ
て混色部の色味の均一性が低下し易い。
【0054】また、インク受容層の吸水量は10〜50
g/m2 の範囲が好ましい。この範囲であれば高速でフ
ルカラー印字のように、特に単位時間当たりのインク付
与量が多い印字を行っても、べーディングやニジミの発
生を防止することができる。さらに15〜40g/m2
の範囲では印字するインク量に対する選択幅が広くなっ
てドット径が印字量に依存せずに一定になる。吸水量が
上記範囲の上限を越えると印字するインク量が少ないと
きにドット径が小さくなって白抜けが発生し易く点描風
の不自然な画像になり易く、上記範囲の下限未満では高
速でフルカラー印字を行ったときにインクの溢れやビー
ディングが発生し易くなる。
【0055】ここで吸水量は以下の方法にしたがって測
定することができる。インク受容層が形成された被記録
媒体を1辺の長さが100mmの正方形に切断する。そ
の中央部にイオン交換水を少量ずつ滴下し、その都度へ
ら等で均一に延ばして吸収させる。この操作をイオン交
換水が溢れるまで繰り返す。試料表面に残ったイオン交
換水は布等で拭き取る。イオン交換水の吸収前後の被記
録媒体の重量差から吸水量を求める。
【0056】本発明において、インク受容層の面内拡散
係数は0.7〜1.0の範囲が好ましい。この範囲内で
あれば、100m秒程度の短い時間間隔で2〜4色以上
の重ね印字を行ったときにもインク吸収速度が低下しな
い。
【0057】ここでインク受容層の面内拡散係数とは、
印字されたインクがインク受容層の面内に拡散するし易
さを示す量であり、以下のように前記被記録媒体の吸水
量と被記録媒体の1点の吸収量により求めることができ
る。被記録媒体の1点の吸収量は以下の方法で求めるこ
とができる。吸水量と同様に、インク受容層が形成され
た被記録媒体を一辺の長さが100mmの正方形に切断
して、その中央の1点にイオン交換水を少量ずつ滴下し
て吸収させる。このときに滴下したイオン交換水が、滴
下した地点で吸収される前にインク受容層の表面上で広
がらないようにすることが必要である。吸水量の測定と
同様にこの操作を溢れるまで繰り返してイオン交換水の
吸収前後の被記録媒体の重量差から被記録媒体の1点の
吸収量を求める。そして、「被記録媒体の1点の吸収量
/被記録媒体の吸水量」を求めて面内拡散係数とする。
【0058】本発明のインク受容層のBET比表面積は
70〜300m2 /gの範囲にあることが好ましく、平
均粒子直径または平均粒子長さが1.0〜50nmのア
ルミナ水和物を含むものが好ましい。板状で平均粒子直
径が1.0〜50nmまたは針状で平均粒子長さが1.
0〜50nmの微粒子を用い且つインク受容層の比表面
積が70〜300m2 /gの範囲であれば光の散乱が少
なくなるのでインク受容層の透明性が良好となり、且つ
前記微細なアルミナ水和物を用いることでアルミナ水和
物への染料の定着速度、定着量を高くすることができ
る。
【0059】BET比表面積が上記範囲の下限よりも小
さい場合には、インク受容層が白濁し易く、染料の吸着
点が不足するために染料の耐水性が不十分になる場合が
ある。BET比表面積が上記範囲の上限よりも大きい場
合には、インク受容層にクラックが発生し易くなる。
【0060】本発明におけるインク受容層の細孔は、さ
らに詳しくは、以下に示す細孔構造Aもしくは細孔構造
Bとすることができ、必要に応じて選択または併用する
ことができる。
【0061】細孔構造Aでは、前記インク受容層の平均
細孔径は2.0〜20.0nmで細孔径分布の半値幅は
2.0〜15.0nmが好ましい。特開平4−2671
80号、同5−16517号各公報に記載されているよ
うに、インク中の染料は特定の半径の細孔に選択的に吸
着・定着されるが、この平均細孔半径と半値幅であれ
ば、染料の選択幅が広くなって、染料吸着能と染料吸着
速度指数がインク中の染料の種類に依存しなくなる。よ
り好ましい半値幅は4.0〜10.0nmの範囲であ
る。この範囲内であればさらに染料の定着速度の選択幅
を広くすることができる。ここで平均細孔半径は特開昭
51−38298号、特開平4−202011号各公報
に示されるように、細孔容積とBET比表面積より求め
られるものである。また細孔径分布の半値幅とは、平均
細孔半径の頻度の半分の頻度である細孔半径の幅を示す
ものである。平均細孔半径が上記範囲の上限よりも大き
くなった場合は、インク中の染料の吸着・定着が低下し
画像にニジミが発生し易くなり、上記範囲の下限よりも
小さくなった場合には、インクの吸収が低下してビーデ
ィングが発生し易い。半値幅が上記範囲の上限よりも大
きい場合には、インク中の溶媒成分の吸収が低下してニ
ジミが発生し易くなり、上記範囲の下限よりも小さい場
合にはインクの選択の幅が狭くなり、染料や材料組成の
異なるインクでの印字で染料の定着速度、定着量やドッ
ト径が異なる場合がある。インク受容層の細孔半径分布
を幅広くすることは、例えば特願平6−114671号
公報に開示されているように、用いるアルミナ水和物の
粒子径を不揃いにすることによって実現することができ
る。
【0062】細孔構造Bは、前記インク受容層の細孔径
分布において、2つ以上のピークをもっている構造であ
る。この細孔分布では細孔を機能分離して、比較的大き
い細孔でインク中の溶媒成分を早く吸収し、比較的小さ
い細孔でインク中の染料を早く吸着・定着する。その結
果、インク吸収と染料の定着の双方とも良好なインク受
容層を得ることができる。ピークの一つは細孔半径1
0.0nm以下が好ましく、より好ましくは1.0〜
6.0nmである。他のピークは細孔半径10.0〜2
0.0nmの範囲が好ましい。
【0063】本発明ではインク中の溶媒と染料の比率か
ら、細孔半径分布の頻度は、後者の細孔半径10.0〜
20.0nnmのピークが前者細孔半径10.0nm以
下のピークよりも大きいことが好ましい。細孔半径1
0.0nm以下の細孔容積は全細孔容積の0.1〜10
%であることが染料の定着速度の点で好ましく、より好
ましくは1〜5%の範囲であり、この範囲内であればイ
ンク吸収速度と染料吸着速度の双方とも良好になる。
【0064】インク受容層の細孔半径分布に複数のピー
クを2つ以上もたせる方法は、例えば特願平6−114
669号公報に開示されているように、用いるアルミナ
水和物の水熱合成の時間を長くする、異方性をもつ形状
のアルミナを用いる等の方法の中から必要に応じて選択
して用いることができる。
【0065】本発明の被記録媒体はインク受容層の1点
に30ngのインクを滴下して、1mm2 当たり16×
16ドットの印字を行ったときの吸収時間が400m秒
以下の範囲であることが好ましい。上記範囲内であれば
高速で印字したときにインクの吸収速度不足による溢れ
やニジミが発生することを防ぐことができる。上記範囲
の上限を越えるると印字速度を早くしたときにインクの
溢れやビーディングが発生し易くなる。さらに本発明の
被記録媒体は、インク受容層に30ngインクを1mm
2 当たり16×16ドットの印字を100m秒間で2回
連続して行ったときの吸収時間が、600m秒以下の範
囲であることが好ましい。その上、同じ印字を3回連続
して行ったときの吸収時間が1200m秒以下の範囲で
あることが好ましい。上記範囲内であれば高密度印字を
行ったときでもインクの溢れが発生しない上に、多色印
字を行ったときに、前に印字されたインクの影響による
後に印字したインクの吸収速度の低下がなくなる。上記
範囲の上限を越えると高速印字や多色印字を行ったとき
にインクの溢れやビーディングが発生する場合がある。
上記インク吸収時間は被記録媒体のインク受容層の細孔
構造を内部空隙とそれと連通する細孔をもつようにする
ことで達成することができる。
【0066】本発明の被記録媒体中のアルミナ水和物の
(020)面の面間隔は0.617nmを越え、0.6
20nm未満の範囲が好ましい。この範囲内ではインク
の染料や材料の選択幅を広くすることができる。疎水
性、親水性の染料のいずれの染料を用いて印字しても、
あるいは併用してもニジミやハジキが少なくなり、さら
に各染料の光学濃度やドット径が均一になる。
【0067】この理由は(020)面の面間隔が上記範
囲内であれば、被記録媒体中のアルミナ水和物の疎水
性、親水性の量比率が適度な範囲であるため、各種染料
の定着及び溶媒の吸収がよく、またバインダー樹脂との
結合力も強くなるためクラックが発生せず、且つアルミ
ナ水和物の層間に含まれる水分量も定量で多過ぎないた
めカールも小さくなると推測している。
【0068】(020)面の面間隔が上記範囲の下限未
満では触媒活性点が増えるため印字部の経時変色が起こ
り易くなる。さらにアルミナ水和物表面の疎水性が強く
なるため、インクへの濡れ性が不足してハジキが生じた
り、親水性の染料では逆にニジミやビーディングが発生
し易くなり、さらにバインダー樹脂との結合力が弱くな
るためクラックや粉落ちが発生し易くなる。
【0069】(020)面の面間隔が上記範囲の上限を
越えるとアルミナ水和物の層間に含まれる水分が多くな
って、製造時や経時で変化する水分量が多くなるため、
被記録媒体にカールやクラックが発生し易くなる。また
吸水率が高いため、環境条件によってカールやタックが
発生したり、インク吸収量や吸収時間が変化し易い。さ
らにアルミナ水和物表面が親水性になるため、疎水性の
強い染料を用いた場合にはニジミやビーディングが発生
し易くなり、且つ染料の耐水性が低下し易い。
【0070】(020)面の面間隔を上記範囲内に調整
する方法は、例えば(020)面の面間隔が0.617
nmを越え0.620nm未満であるアルミナ水和物の
粉末を用いて分散液を作り、アルミナ水和物の転移温度
以下の温度で乾燥してインク受容層を設ける方法、アル
ミナ水和物の分散液を(020)面の面間隔が0.61
7nmを越え0.620nm未満になる温度で乾燥して
インク受容層を形成する方法、(020)面の面間隔が
0.617nm以下のアルミナ水和物と(020)面の
面間隔が0.620nm以上の水和物を混合して用いる
方法であり、これらの方法の中から必要に応じて選択し
て用いることができる。
【0071】本発明における被記録媒体中のアルミナ水
和物の(020)面の結晶厚さは6.0〜10.0nm
の範囲が好ましく、この範囲内であると透明性、吸収性
及び染料吸着性・定着性がよく、クラックが少なくな
る。上記範囲の下限未満では染料吸着性・定着性は低下
して印字部の光学濃度が低くなる傾向にある。またバイ
ンダーとの結合力が弱くなってクラックが発生し易くな
る。上記範囲の上限を越えるとヘイズが発生するため透
明性が低下し、さらに印字部の光学濃度が低くなる傾向
にある。発明者等の知見によれば、(020)面の面間
隔と(020)面の結晶厚さは相関があるので、(02
0)面の面間隔が上記範囲内であれば(020)面の結
晶厚さを6.0〜10.0nmの範囲に調整することが
できる。
【0072】前記インク受容層の細孔構造等は用いるア
ルミナ水和物で決まるのではなく、バインダーの種類や
混合量、塗工液の濃度、粘度、分散状態、塗工装置、塗
工ヘッド、塗工量、乾燥風の風量、温度、送風方向等の
種々の製造条件によって変化するので本発明で請求して
いるインク受容層の特性を得るためには製造条件を最適
な範囲に制御する必要がある。
【0073】本発明では、アルミナ水和物にその他の添
加物を加えて用いることができる。添加物としては、各
種金属酸化物、2価以上の金属の塩、カチオン性有機物
質の中から必要に応じて自由に選択して用いることがで
きる。
【0074】金属酸化物としては、シリカ、シリカアル
ミナ、ボリア、シリカボリア、マグネシア、シリカマグ
ネシア、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛等の酸化物、
水酸化物、2価以上の金属の塩としては、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等の塩、塩化マグネシウム、臭化カル
シウム、硝酸カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化亜
鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化物塩、カオリ
ン、タルク等が好ましい。カチオン性有機物質としては
4級アンモニウム塩、ポリアミン、アルキルアミン等が
好ましい。添加物の添加量としては、顔料の20重量%
以下がよい。
【0075】本発明で用いるバインダーとしては、水溶
性高分子の中から1種または2種以上を自由に選択して
用いることができる。例えばポリビニルアルコールまた
はその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたは
その変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴ
ム、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導
体、SBRラテックス等の共役ジエン系共重合体ラテッ
クス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、ポリビニ
ルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、ア
クリル酸エステル共重合体等が好ましい。
【0076】アルミナ水和物とバインダーの混合比は重
量基準で5:1〜20:1の間から任意に選択できる。
バインダーの量が上記範囲の下限よりも少ない場合はイ
ンク受容層の機械的強度が不足して、ひび割れや粉落ち
が発生し易く、上記範囲の上限よりも多い場合は細孔容
積が少なくなってインクの吸収性が低下する。
【0077】アルミナ水和物、バインダーには必要に応
じて顔料分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性
変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、抑泡剤、離型
剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤を必要に応じて添
加することも可能である。耐水化剤としてはハロゲン化
第4級アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩ポリマー
等の公知の材料の中から自由に選択して用いることがで
きる。
【0078】本発明においてインク受容層を形成するた
めに用いる基材としては、適度のサイジングを施した
紙、無サイズ紙、ポリエチレン等を用いたレジンコート
紙等の紙類や熱可塑性フィルムのようなシート状物質で
あれば使用でき、特に制限はない。熱可塑性フィルムの
場合はポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリエチ
レン、ポリカーボネート等の透明フィルムや、顔料の充
填または微細な発泡による不透明化したシートを用いる
こともできる。
【0079】本発明の被記録媒体の形成方法は、アルミ
ナ水和物を含む分散液にバインダーを添加してから基材
上に塗工・乾燥してインク受容層を形成することができ
る。また、必要に応じて後乾燥や裁断、梱包、検査等を
行うことができる。
【0080】本発明において内部空隙とそれらを連通し
てインク受容層表面まで貫通する細孔をもつインク受容
層を形成する方法は、特に制限はないが以下の4種類の
方法の中から1種または2種以上の方法を選択して用い
ることができる。 (1)アルミナ水和物とバインダーを含む分散液を基材
に塗工してから乾燥条件を制御して表面付近を先に乾燥
させて空隙のない膜を形成してから、内部に残った溶媒
成分を乾燥してインク受容層を形成する方法。 (2)アルミナ水和物の凝集体を作り、前記アルミナ水
和物の凝集体と、これを含む分散液の表面張力を高くす
る材料または膜形成力の強い材料を添加して塗工・乾燥
してインク受容層を得る方法。 (3)アルミナ水和物の分散液に、分散液の分散媒より
も沸点の高い溶媒を添加してから基材に塗工して、前記
高沸点溶媒の沸点以下の温度で表面付近を乾燥させて緻
密な膜を形成してから内部に残った溶媒を徐々に乾燥さ
せる方法。または前記分散液に、分散液の表面張力を高
くする材料または膜形成力の強い材料を添加して塗工・
乾燥する方法。 (4)アルミナ水和物の凝集体とバインダーを含む分散
液を基材に塗工した上に、凝集させていない微粒子アル
ミナ水和物とバインダーを含む分散液を塗工して乾燥さ
せる方法。
【0081】アルミナ水和物の凝集体を形成する方法
は、アルミナ水和物を含む水分散液にアニオン、カチオ
ン、塩等の電解質をチクソ性を示さない程度の量を添加
する方法、アルミナ水和物を自己凝集させて2次または
3次以上の大きなキセロゲルを作り、湿式または乾式の
粉砕処理、さらに必要に応じて分級処理を行う方法、ア
ルミナ水和物を含む水分散液にシェアーを加えて凝集さ
せる方法、アルミナ水和物を含む水分散液を一度乾燥さ
せて一次粒子間の結合をもったキセロゲルを形成する方
法、アルミナ水和物のヒドロゲルに酸等の分散剤を添加
してから、所定の粒子径になるまで分散処理を施す方
法、アルミナ水和物に有機物質等を添加してグラフト重
合等の方法で造粒する方法等がある。アルミナ水和物の
凝集体を用いる場合、空隙の大きさを本発明の規定範囲
内にするためには凝集体の粒子直径は0.1〜50μm
の範囲が好ましい。
【0082】分散液の表面張力を高くする材料または膜
形成力の高い材料としては、メラミン系材料、アルデヒ
ド系材料、硼酸または硼酸塩等のバインダーを架橋させ
ることのできる材料(架橋剤)、または比較的高分子量
の樹脂、例えば重合度2000以上のポリビニルアルコ
ール樹脂、アクリル系樹脂等が好ましく用いられる。分
散液の分散媒よりも沸点の高い溶媒としては、例えばD
MF、エチレングリコール、プロピレンブリコールまた
はそれらのエステル等、沸点が100℃以上で180℃
以下の溶媒が好ましく用いられる。
【0083】アルミナ水和物を含む分散液の分散処理方
法としては、一般に分散に用いられている方法の中から
選択して用いることができる。用いる装置としてはボー
ルミルやサンドミル等の摩砕型の分散機よりもホモミキ
サーや回転羽等の緩やかな攪拌の方が好ましい。ずり応
力は分散液の粘度や量、容積によって異なるが、0.1
〜100.0N/m2 の範囲が好ましい。上記範囲以上
の強いずり力を加えると分散液がゲル化したり、結晶構
造が変化して無定形になる。さらに0.1〜20.0N
/m2 の範囲であれば細孔構造が破壊されて細孔容積が
小さくなるのを防止できるのでより好ましい。
【0084】分散時間は分散液の量や容器の大きさ、分
散液の温度等によって異なるが、30時間以下が結晶構
造の変化を防止する点から好ましく、さらに10時間以
下であれば細孔構造を上記範囲内に制御することができ
る。分散処理中は分散液の温度を冷却または保温等を行
って一定範囲に保ってもよい。好ましい温度範囲は分散
処理方法、材料、粘度によって異なるが10〜100℃
である。上記範囲下限より低いと分散処理が不十分であ
ったり、凝集が発生する。上記範囲上限より高いとゲル
化したり、結晶構造が無定形に変化する。
【0085】本発明においては、インク受容層を設ける
場合のアルミナ水和物分散液の塗工方法としては一般に
用いられているブレードコーター、エアナイフコータ
ー、ロールコーター、ブラッシュコーター、カーテンコ
ーター、バーコーター、グラビアコーター、スプレー装
置等を用いることができる。分散液の塗工量は乾燥固形
分換算で0.5〜60g/m2 が好ましく、この範囲内
であればインク吸収量とインク吸収速度を満足すること
ができる。その上印字された染料の定着速度、定着量も
満足することができ、印字部のニジミが少なく且つ耐水
性もよい。
【0086】さらに好ましくは乾燥固形分換算で5〜4
5g/m2 の範囲であり、この範囲内であればクラック
やカールを防止することができる。上記範囲の上限より
も塗工量が多くなるとクラックが入り易くなる上にイン
ク吸収速度が遅くなってしまい、上記範囲の下限よりも
塗工量が少なくなるとインク吸収量が不足する上に、染
料吸着速度指数も低下してしまう。また必要に応じて塗
工後にカレンダーロール等を用いてインク受容層の表面
平滑性をよくすることも可能である。
【0087】本発明の画像形成方法に使用されるインク
は、主として色剤(染料或いは顔料)、水溶性有機溶剤
及び水を含むものである。染料としては、例えば、直接
染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等
に代表される水溶性染料が好ましく、上記の被記録媒体
との組み合わせにより定着性、発色性、鮮明性、安定
性、耐光性その他の要求される性能を満たす画像を与え
るものであれば、いずれの染料でもよい。
【0088】水溶性染料は、一般に水または水と有機溶
剤からなる溶媒中に溶解して使用するものであり、これ
らの溶媒成分としては、好ましくは水と水溶性の各種有
機溶剤等との混合物が使用されるが、インク中の水分含
有量が、20〜90重量%の範囲内となるように調整す
るのが好ましい。
【0089】上記水溶性の有機溶剤としては、例えばメ
チルアルコール等の炭素数が1〜4のアルキルアルコー
ル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトン等
のケトンまたはケトンアルコール類、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、ポリエチレングリコール等のポリア
ルキレングリコール類、エチレングリコール等のアルキ
レン基が2〜6個の炭素数を含むアルキレングリコール
類、グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテール類等が挙げ
られる。
【0090】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングエリ
コールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級ア
ルキルエーテル類が好ましい。多価アルコール類は、イ
ンク中の水が蒸発し、水溶性染料が析出することに基づ
くノズルの目詰まり現象を防止するための潤滑剤として
の効果が大きいため、特に好ましい。
【0091】インクには可溶化剤を加えることもでき
る。代表的な可溶化剤は、含窒素複素環式ケトン類であ
り、その目的とする作用は、水溶性染料の溶媒に対する
溶解性を飛躍的に向上させることにある。例えばN−メ
チル−2−ピロリドン、1,3,−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノンが好ましく用いられる。さらに特性の改善
のために、以下の添加剤を加えて用いることもできる。
粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整
剤、比抵抗調整剤等。
【0092】前記被記録媒体に上記インクを付与して記
録を行う方法は、インクジェット記録方法であり、該記
録方法はインクをノズルより効果的に離脱させて、被記
録媒体にインクを付与し得る方法であればいかなる方法
でもよい。特に特開昭54−59936号公報に記載さ
れている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが
急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によ
って、インクをノズルから吐出させるインクジェット方
式は有効に使用することができる。
【0093】前記引用した先行技術と比較検討した結
果、本発明と従来技術との差異は以下に示す通りであ
る。 (1)特開昭58−11287号公報には細孔半径分布
に0.2〜10μmの範囲と0.05μmの範囲のそれ
ぞれにピークをもつインク受容層を有する被記録媒体が
開示されている。さらに0.05μm以下の細孔容積が
0.2ml/g以上であることも開示されている。ここ
で開示されている思想は、印字されインクはシート表面
の大きな細孔に一度吸収されて、その後で細孔容積の大
きな0.05μm以下の細孔に取り込まれていくもので
ある。それに対して本発明は、インク受容層は内部にあ
る空隙と、それらを相互に連通しインク受容層表面まで
連通する細孔をもつ構造である。
【0094】本発明も前記従来技術と同じように2種類
の細孔をもっているが異なった細孔構造である。インク
受容層内部の空隙自体は表面まで連通していないので細
孔半径分布に現れない。思想的には以下の2点で異なっ
ている。第1の相違点は、インク受容層の表面まで貫通
するのは比較的細孔半径の小さい細孔のみで、この細孔
で印字されたインクを吸収する。この細孔の最大半径を
2.0〜20.0nmにすることで、インク受容層の透
明性とインク吸収速度をよくすることができる。第2の
相違点は、細孔よりも半径が大きい空隙はインク受容層
内部のみにあって、細孔と連結して細孔のインク吸収速
度を向上させ、且つ細孔が吸収したインクを急速にイン
ク受容層の面内方向に拡散させる。そのため高速重ね印
字のときでも前に印字された履歴を受けずに高速にイン
ク吸収を行うことができる。また、多色印字したドット
の形状が、記録順序や前の印字の履歴に関係なく均一に
なる。これらの思想は前記従来例には記載されていない
ものである。
【0095】(2)特開昭55−11829号公報には
2層以上の層構成をもち、最表層のインク吸収性を1.
5〜5.5mm/分で、第2層のインク吸収性を5.5
〜60.0mm/分とした被記録媒体が開示されてい
る。被記録媒体表面でのインク液滴の広がりを抑えるこ
とによって解像度を得る思想である。それに対して本発
明は、インク受容層は内部に空隙と、空隙を連通しイン
ク受容層表面まで貫通した細孔をもつ構造である。前記
細孔の最大ピークの半径を2.0〜20.0nmに制御
してインクの吸収速度と染料の定着速度を共に早くする
ことによって、印字されたインク液滴がインク受容層表
面で広がる前に吸収、定着されて、ドット形状の制御を
行って解像度を得る思想である。さらに空隙によって細
孔のインクの吸収速度をさらに早くして、且つ細孔が吸
収したインクを面内に拡散することによって多数回印字
を行うときのインクの吸収速度の低下も防ぐことができ
る。これらの思想については上記従来例には記載されて
いない。
【0096】(3)特開昭60−245588号公報に
は細孔半径4.0〜100,0nmのアルミナキセロゲ
ルを用いた被記録媒体が、特開平2−267760号公
報には擬ベーマイトを用いていて細孔半径4.0〜1
0.0nmの細孔容積が0.1〜0.4ml/gである
インク受容層をもつ被記録媒体が開示されている。特定
の細孔構造のアルミナ水和物を用いることによってイン
ク受容層の透明性やインク吸収性、発色、解像度等を得
る思想である。
【0097】本発明はインク受容層は空隙とそれを連通
しインク受容層表面まで貫通する細孔をもつ構造であ
り、高速で多数回の重ね印字での良好なインク吸収速度
と、インク吸収性やドット形状の均一性を得る思想であ
る。これらの思想は上記従来例には記載がない。
【0098】(4)特開昭60−61286号公報には
インク受容層の厚み方向に形成され、表面に貫通した細
孔をもつ被記録媒体が開示されていて、その製造方法と
しては顔料を含む分散液に凝集剤等を添加して塗工液に
構造粘性(チクソトロピー性)を付与させることによっ
て三次元凝集立体構造を形成することが開示されてい
る。同60−137685号公報にはインク受容層の体
積の30〜300%の微細連続通気孔をもつ被記録媒体
が開示されていて、微細孔連続通気孔は水不溶性で水よ
り不揮発性の液体を水に乳化混合した液を用いて顔料、
バインダーの分散液を作って形成する方法も開示されて
いる。同62−174182号公報には炭酸カルシウ
ム、カオリン等の無機顔料を含む分散液にpH調整、加
温、冷却、無機または高分子凝集剤の添加等の手段で凝
集させた凝集体で、水銀圧入法で測定した直径が0.1
μm以上である細孔をもっている凝集体を含む被記録媒
体が開示されている。それに対して本発明の被記録媒体
は前記した細孔構造をもち、前記従来技術とは異なるも
のである。インク吸収機構等については上記従来例では
記載がない。
【0099】(5)特開平5−24335号公報にはバ
インダーと擬ベーマイトからなる多孔質層を20〜10
0μmの厚さでもち、溶媒吸収量が5ml/m2 である
被記録媒体が開示されている。多孔質の細孔構造は平均
細孔半径が1.5〜5.0nmで、平均細孔半径の±1
nmの細孔容積が全細孔容積の45%以上であることが
示されている多孔質層の厚みを制御することによってイ
ンク吸収量を制御する思想である。それに対して本発明
の被記録媒体は上記インク受容層内部の空隙とそれらを
連通する細孔をもつ構造である。この構造によって高速
印字での良好なインク吸収性や多数回印字での良好な吸
収性を得るものである。これらの思想については上記従
来例では記載がない。
【0100】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではな
い。本発明において使用した諸物性の測定は下記の装
置、インク、方法によって行った。なお、組成等の配合
割合を示す部数は、特記されない限り重量基準に拠る。
【0101】(A:印字装置)1mmに16本の割合の
ノズル間隔で、128本のノズルを備えたドロップオン
デマンドタイプのインクジェットヘッドをY,M,C,
Bkの4色分備え、ノズル列と垂直方向に走査して画像
形成するインクジェットプリンターを用いて、下記組成
のインクで、1ドットの印字につき30ngのインクを
吐出させてインクジェット記録を行った。また1mm2
当たり16×16ドットでの単色インクの印字でのイン
ク量を100%として、単色インクを2色用いた2色印
字では、インク量が単色印字の2倍になるので200
%、以下同様に3色、4色印字をそれぞれ300%、4
00%とした。さらに上記の100〜400%印字を重
ねて行うことによって800%までの印字を行った。
【0102】(B:インク染料) Y : C.I.ダイレクトイエロー86 M : C.I.アッシドレッド35 C : C.I.ダイレクトブルー199 Bk: C.I.フードブラック2 (C:インク組成1(単色インク)) 染料 3部 ジエチレングリコール 5部 ポリエチレングリコール 10部 水 82部 (D:インク組成2(クリアーインク)) ジエチレングリコール 5部 ポリエチレングリコール 10部 水 85部。
【0103】(1.インク吸収時間、インク吸収量)染
料はBkで、インク組成1のインクを用いて、前記記録
装置で被記録媒体の1点に1ドット分として30ngイ
ンクを吐出して、1mm2 当たり16×16ドットの印
字(印字量100%)及び、1mm2 当たり16×16
ドットの印字を印字間隔100m秒で2〜3回連続して
(印字量200%、300%)行って、印字部のインク
吸収過程を顕微鏡を通してビデオに収録してフレーム数
よりインク吸収時間を求めた。
【0104】同様に1mm2 当たり16×16ドットの
印字(印字量100%)から、1mm2 当たり32×3
2ドットの印字(印字量400%)までの多色ベタ印字
を行って、印字直後のインク吸収による被記録媒体表面
のインクの乾燥状態を記録部に指で触れて調べた。イン
ク量400%でインクが指に付着しないものを「◎」、
インク量300%でインクが指に付着しないものを
「○」、インク量100%でインクが指に付着しないも
のを「△」、同100%でインクが指に付着すれば
「×」とした。
【0105】(2.ドット直径)インク組成2のクリア
ーインクを用いて、前記装置で被記録媒体に1ドット分
として30ngのインクを1mm2 当たり16×16ド
ットの印字(インク量100%)を1〜3回100m秒
間隔で重ね印字し、さらにクリアーインク印字部に、
Y,M,C,Bkの染料でインク組成1のインクを用い
て低密度の印字を行ってドット直径の比を求めた。クリ
アーインクなし部に印字したドットを1色目、クリアー
インク100%、200%。300%印字部に印字した
ドットをそれぞれ2,3,4色目とした。
【0106】一般に2色目以降はドット直径が1色目よ
りも大きくなるので、1色目に印字した印字ドットの直
径を基準として2色目〜4色目のドット直径の比を求め
た。各大きさのドットについて画像とドットの直径比を
比較してドット直径比が1.0〜1.2を良好とした。
各色について2色目、3色目ドットの直径比がそれぞれ
良好であれば「○」、いずれかの色で2色目までのドッ
ト直径比が良好であれば「△」、いずれかの色で2色目
のドット直径比が良好でなければ「×」とした。
【0107】(3.真円度)インク組成2のクリアーイ
ンクを用いて、前記装置で被記録媒体に1ドット分とし
て30ngのインクを1mm2 当たり16×16ドット
の印字(インク量100%)を1〜3回100m秒間隔
で重ね印字し、さらにクリアーインク印字部にY,M,
C,Bkの染料でインク組成1のインクを用いて低密度
の印字を行ってドット直径の比を求めた。クリアーイン
クなし部に印字したドットを1色目、クリアーインク1
00%、200%、300%印字部に印字したドットを
それぞれ2,3,4色目とした。
【0108】各色の印字ドットの真円度を特開昭61−
3777号公報に記載された方法と同じ方法で求めた。
真円度はドットが真円ならば1.0になり、ドットの周
辺がギザギザが激しくなるほど大きな値になる。各形状
のドットに付いて画像と真円度を比較して真円度が1.
5以下を良好とした。印字インク量が300%で各色の
真円度がそれぞれ良好であれば「○」、インク量100
%で真円度が良好であれば「△」、同条件で真円度が不
良であれば「×」とした。
【0109】(4.光学濃度)Y,M,C,Bkそれぞ
れの染料で、インク組成1のインクを用いて、前記装置
を用いて、各色の印字インク量100%(単色)でベタ
印字した画像の光学濃度を、マクベス反射濃度計RD−
918を用いて評価した。透明な基材上にインク受容層
を形成した場合には、被記録媒体の裏側に電子写真用紙
(EW−500キャノン社製)を置いて測定した。
【0110】(5.混色部の色味)Y,M,C,Bkそ
れぞれの染料でインク組成1のインクを用い、前記装置
を用いて橙色(Y+M)、緑色(Y+C)、紫色(M+
C)、黒色(Y+M+C)の印字を各色の印字インク量
100%で順序を変えて印字を行った。印字順序を変え
たときの色味の差をインク受容層の表面と裏面で目視で
観察した。上記4色の混色部中3色以上で色味の差がな
ければ「○」、1色〜2色で色味の差がなければ
「△」、各色で色味に差があれば「×」とした。
【0111】(6.ニジミ、ブリーディング、ビーディ
ング、ハジキ)Y,M,C,Bkそれぞれの染料でイン
ク組成1のインクを用いて、前記装置を用いて印字イン
ク量100%(単色)から400%(4色)まで変えた
ベタ印字して、ニジミ、ブリーディング、ビーディン
グ、ハジキをインク受容層の表面と裏面で目視で評価し
た。印字インク量300%で発生していなければ
「○」、インク量100%で発生していなければ
「△」、同条件で発生すれば「×」とした。
【0112】本発明ではニジミ、ブリーディング、ビー
ディング、ハジキは以下のように定義する。ニジミと
は、一定面積にベタ印字したとき、染料で着色された部
分が印字の面積よりも広く(大きく)なる現象を言う。
ブリーディングとは、多色でベタ印字した部分の境界に
ニジミが発生して、染料が定着しないで混合してしまう
現象を言う。ビーディングとは、被記録媒体に印字され
たインク液滴が吸収等の過程で凝集して大きな液滴にな
るために発生する現象である。視覚的にはビーズ球程度
の大きさの色ムラとして認識されるものである。ハジキ
とはベタ印字した部分で、染料で着色されない部分のこ
とを言う。
【0113】(7.透明性)透明PETフィルムにアル
ミナ水和物を塗工した試料をJIS K−1705にし
たがってヘイズメーター(日本電色社製、NDH−10
01DP)でヘイズを測定した。
【0114】(8.クラック)試料を297×210m
mの大きさに切断してクラックの長さを目視で測定し
た。1mm以上長さのクラックのないものを「○」、5
mm以上のクラックのないものを「△」、5mm以上の
クラックのあるものを「×」とした。
【0115】(9.カール)試料を297×210mm
の大きさに切断して、平らな台の上に静置してハイトゲ
ージで反り量を測定した。反りが1mm以下のものを
「○」、同3mm以下を「△」、同3mm以上を「×」
とした。
【0116】(10.タック)被記録媒体の表面を指で
触って付着しなければ「○」、付着すれば「×」とし
た。
【0117】(11.BET比表面積、細孔半径分布、
細孔容積、等温脱離曲線特性)被記録媒体を十分加熱・
脱気してから窒素吸着脱離法を用いて測定した。 (12.空隙の半径・容積率)被記録媒体をミクロトー
ムで切断してインク受容層を薄片にして透過電子顕微鏡
(日立社製、H−600)でインク受容層の断面を倍率
20万倍になるように写真撮影して受容層内部の空隙の
半径を求めた。また同写真より空隙の面積を求めて写真
の全面積に対する比率を求めて容積率(%)を導いた。
【0118】(13.吸水量・面内拡散指数)インク受
容層が形成された被記録媒体を1辺の長さが100mm
の正方形に切断する。その中央部にイオン交換水を少量
ずつ滴下し、その都度へら等で均一に延ばして吸収させ
る。この操作をインクが溢れるまで繰り返す。試料表面
に残ったイオン交換水は布等で拭き取る。イオン交換水
の吸収前後の被記録媒体の重量差から吸水量を求める。
さらに以下の方法で被記録媒体の1点の吸収量を求め
て、被記録媒体の1点の吸収量/被記録媒体の吸水量を
求めて面内拡散係数とする。インク受容層の形成された
被記録媒体を1辺の長さが100mmの正方形に切断し
て、その中央の1点にイオン交換水を少量ずつ滴下して
吸収させる。このときに滴下したイオン交換水が、滴下
した地点で吸収される前にインク受容層の表面上で広が
らないようにすることが必要である。インク吸収量の測
定と同様にこの操作を溢れるまで繰り返してイオン交換
水の吸収前後の被記録媒体の重量差から被記録媒体の1
点の吸収量を求める。
【0119】(14.(020)面の面間隔、(02
0)面の結晶厚さ)粉末は試料セルを用い、被記録媒体
をシート形状のまま試料台に設置した。 (15.粒子形状)アルミナ水和物をイオン交換水に分
散させてコロジオン膜上に滴下して測定用試料を作り、
この試料を透過型電子顕微鏡(日立社製、H−500)
で観察してアスペクト比、縦横比、粒子形を求めた。
【0120】(16.二酸化チタン量の分析)二酸化チ
タンの含有量は、アルミナ水和物を硼酸塩に融解させて
ICP法(セイコー電子社製、SPS4000)で調べ
た。二酸化チタンの分布はESCA(Surface Science
Instruments 社製、Model 2803)を用いて分析した。ア
ルミナ水和物の表面をアルゴンイオンで100秒、50
0秒エッチングして、含有量の変化を調べた。
【0121】(アルミナ水和物合成例1,2)米国特許
4242271号公報に記載された方法でアルミニウム
アルコキサイドを製造した。米国特許4202870号
公報に記載された方法で前記アルミニウムドデキシドを
加水分解してアルミナスラリーを製造した。このアルミ
ナスラリーをアルミナ水和物の固形分が7.9重量%に
なるまで水を加えた。アルミナスラリーのpHは9.5
であった。3.9重量%の硝酸溶液を加えてpHを調整
した。
【0122】表1に示す熟成条件でアルミナ水和物のコ
ロイダルゾルを得た。このアルミナ水和物のコロイダル
ゾルを入口温度120℃でスプレー乾燥してアルミナ水
和物粉末を得た。アルミナ水和物の結晶構造はベーマイ
トで、粒子形状は平板形状であった。アルミナ水和物の
物性値をそれぞれ上記の方法で測定した。測定結果を表
1に示す。
【0123】
【表1】 (アルミナ水和物合成例3,4)実施例1と同じ方法で
アルミニウムドデキシドを製造した。実施例と同じ方法
で同アルミニウムドデキシドを加水分解してアルミナス
ラリーを製造した。前記アルミニウムドデキシドとイソ
プロピルチタン(キシダ化学社製)を重量混合比が10
0:5の比になるように混合した。前記アルミナスラリ
ーを結晶成長の核として、実施例1と同じ方法で加水分
解を行って二酸化チタン含有アルミナスラリーを製造し
た。アルミナ水和物の固形分濃度が7.9重量%になる
まで水を加えた。アルミナスラリーのpHは9.5であ
った。3.9重量%の硝酸溶液を加えてpHを調整し
た。
【0124】表1に示す熟成条件でアルミナ水和物のコ
ロイダルゾルを得た。このアルミナ水和物のコロイダル
ゾルを実施例1と同じようにスプレー乾燥してアルミナ
水和物を得た。実施例1と同じようにアルミナ水和物は
ベーマイト構造で、平板形状であった。アルミナ水和物
の物性値をぞれぞれ上記の方法で測定した。測定結果を
表1に示す。二酸化チタンは表面近傍にのみ存在してい
た。
【0125】(アルミナ水和物合成例5)特開平5−3
2414号公報の比較例1の方法にしたがってアルミナ
ゾルを合成した。実施例1と同じ方法で前記アリミナゾ
ルをスプレー乾燥してアルミナ水和物を得た。アルミナ
水和物はベーマイト構造で、針状の粒子形状であった。
測定結果を表1に示す。
【0126】[実施例1]合成例1のアルミナ水和物粉
末をイオン交換水に分散して固形分濃度15重量%の分
散液Aを得た。このアルミナ水和物の分散液Aに塩化ナ
トリウム(キシダ化学)をアルミナ水和物固形分量の1
/150になる量(重量基準)を添加した。ホモミキサ
ー(特殊機化)で2000回転/分で5分間攪拌して分
散液Bを得た。これとは別にポリビニルアルコール(ゴ
ーセノールNH18、日本合成化学工業社製)を同じよ
うにイオン交換水に溶解・分散して固形分濃度10重量
%の分散液Cを得た。
【0127】上記アルミナ水和物分散液Bとポリビニル
アルコール分散液Cを、ポリビニルアルコール固形分と
アルミナ水和物固形分が重量混合比で1:10になる量
を計量・混合して、前記ホモミキサーで8000回転/
分で10分間攪拌して混合分散液Dを得た。厚み100
μmの透明PETフィルム(ルミラー、東レ社製)の上
に、前記混合分散液Dをダイコートした。前記分散液が
塗布されたPETフィルムをオーブン(ヤマト科学社
製)に入れて、温度100℃で5分間加熱・乾燥して塗
工層の表面付近を急速に乾燥した。さらにオーブンで1
20℃まで温度を上げながら乾燥して厚さ30μmのイ
ンク受容層が形成された被記録媒体を得た。その後で同
じオーブンを用いて120℃で10分間加熱処理を行っ
た。被記録媒体の物性値をそれぞれ上記の方法で測定し
た。測定結果を表2に示す。
【0128】
【表2】 [実施例2]実施例1と同じ合成例1のアルミナ水和物
分散液Aに、カチオン性高分子電解質としてポリエチレ
ンイミン(キシダ化学社製)を固形分換算でアルミナ水
和物の固形分量の2/100になる量を添加した。この
分散液を実施例1と同じ装置、方法で攪拌して分散液B
1を得た。実施例1における分散液Bに代えて上記の分
散液B1を用いた他は、実施例1と同様にして被記録媒
体を得た。被記録媒体の物性値をそれぞれ上記の方法で
測定した。測定結果を表2に示す。
【0129】[実施例3]実施例1と同じ合成例1のア
ルミナ水和物分散液Aに、カチオン性高分子電解質とし
てメチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体(G
AF社製)を固形分換算でアルミナ水和物の固形分量の
2/100になる量を添加した。この分散液を実施例1
と同じ装置、方法で攪拌して分散液B2を得た。実施例
1における分散液Bに代えて上記の分散液B2を用いた
他は、実施例1と同様にして被記録媒体を得た。被記録
媒体の物性値をそれぞれ上記の方法で測定した。測定結
果を表2に示す。
【0130】[実施例4]合成例1のアルミナ水和物の
コロイダルゾルを熱風循環乾燥炉(サタケ社製)を用い
て170℃で加熱・乾燥してアルミナ水和物のキセロゲ
ルを得た。上記アルミナ水和物のキセロゲルをガラスビ
ーズを用いて振動ボールミル(入江商会)で粉砕した。
20μm以上の粒子を分級して取り除いてからイオン交
換水を添加して固形分濃度が15重量%のアルミナ水和
物分散液を得た。実施例と同じ装置、方法で攪拌して分
散液B3を得た。実施例1における分散液Bに代えて、
分散液B3を用いた他は、実施例1と同様にして被記録
媒体を得た。被記録媒体の物性値をそれぞれ上記の方法
で測定した。測定結果を表2に示す。
【0131】[実施例5]実施例1と同じ方法で合成例
1のアルミナ水和物の固形分濃度15重量%の分散液を
作った。この分散液をペイントシェーカー(レッドデビ
ル社製)で10分間攪拌して分散液B4を得た。実施例
1における分散液Bに代えて、分散液B4を用いた他
は、実施例1と同様にして被記録媒体を得た。被記録媒
体の物性値をそれぞれ上記の方法で測定した。測定結果
を表3に示す。
【0132】
【表3】 [実施例6]合成例1のアルミナ水和物のコロイダルゾ
ルにコロイダルゾル全量の5/100の量のエチレング
リコール(キシダ化学社製)を添加して、実施例1と同
じ方法で攪拌した。前記スプレードライヤーを用いて入
口温度145℃で乾燥してキセロゲルを得た。前記キセ
ロゲルにイオン交換水を添加して固形分濃度が15重量
%のアルミナ水和物分散液を得た。実施例1と同じ装
置、方法で攪拌して分散液B5を得た。実施例1におけ
る分散液Bに代えて、分散液B5を用いた他は、実施例
1と同様にして被記録媒体を得た。被記録媒体の物性値
をそれぞれ上記の方法で測定した。測定結果を表3に示
す。
【0133】[実施例7]合成例1のアルミナ水和物の
コロイダルゾルをイオン交換膜を通してから得られたヒ
ドロゲルケーキをイオン交換水で洗浄した。前記ヒドロ
ゲルケーキに固形分濃度で15重量%になる量のイオン
交換水を添加してから、実施例1と同じ装置で攪拌して
分散液B6を得た。実施例1における分散液Bに代え
て、分散液B6を用いた他は、実施例1と同様にして被
記録媒体を得た。被記録媒体の物性値をそれぞれ上記の
方法で測定した。測定結果を表3に示す。
【0134】[実施例8]実施例1における混合分散液
Dに特殊反応系アルデヒド樹脂(スミレーズレジン50
04、住友化学社製)を固形分換算で前記混合分散液の
固形分量の5重量%の量を添加し、実施例1と同じ装
置、方法で攪拌して塗工用分散液Eを得た。実施例1と
同じフィルム基材に実施例1と同じ装置、方法で前記分
散液を塗工した。実施例1と同じ装置で100℃で10
分間加熱、乾燥を行って厚み30μmのインク受容層が
形成された被記録媒体を得た。その後実施例1と同じ方
法で加熱処理を行った。被記録媒体の物性値をそれぞれ
上記の方法で測定した。測定結果を表3に示す。
【0135】[実施例9]分子量の大きいポリビニルア
ルコール(PVA124H、クレラ社製)をイオン交換
水に溶解・分散して固形分濃度10重量%の溶液を得
た。このポリビニルアルコール分散液C1に実施例1の
分散液Bを実施例1と同じ固形分混合比になるように計
量・混合し、さらに反応系樹脂(スミレーズレジン80
2、住友化学社製)を固形分換算で前記混合分散液の固
形分量の5重量%の量を添加した。実施例1と同じ方法
で攪拌して塗工用分散液Fを得た。実施例1と同じフィ
ルム基材に実施例1と同じ装置、方法で前記分散液を塗
工した。実施例1と同じ装置で100℃で10分間加熱
・乾燥を行って厚み30μmのインク受容層が形成され
た被記録媒体を得た。その後で実施例1と同じ方法で加
熱処理を行った。被記録媒体の物性値をそれぞれ上記の
方法で測定した。測定結果を表4に示す。
【0136】
【表4】 [実施例10]実施例1のポリビニルアルコール分散液
Cと実施例9のポリビニルアルコール分散液C1を固形
分混合比が1:1になるように混合して、実施例1と同
じ方法で攪拌してポリビニルアルコール混合分散液を得
た。このポリビニルアルコール混合分散液に実施例1の
塩化ナトリウムを添加したアルミナ水和物の分散液Bを
実施例1と同じ固形分混合比になるように計量・混合
し、さらにポリアミド系樹脂(スミレーズレジン500
1、住友化学社製)を固形分換算で前記混合分散液の固
形分量の5重量%の量を添加した。実施例1と同じ方法
で攪拌して塗工用分散液Gを得た。実施例1と同じフィ
ルム基材に実施例1と同じ装置、方法で前記分散液を塗
工した。実施例1と同じ装置で100℃で10分間加熱
・乾燥を行って厚み30μmのインク受容層が形成され
た被記録媒体を得た。その後で実施例1と同じ方法で加
熱処理を行った。被記録媒体の物性値をそれぞれ上記の
方法で測定した。測定結果を表4に示す。
【0137】[実施例11]イオン交換水とジメチルホ
ルムアミド(キシダ化学)を8:2の割合で混合して混
合溶媒aを得た。この混合溶媒に合成例1のアルミナ水
和物粉末を分散して固形分濃度15重量%の分散液を得
た。さらにこの混合分散液に実施例1と同じポリビニル
アルコール分散液Cを実施例1と同じ固形分混合比にな
るように計量・混合し、実施例1と同じ装置、方法で攪
拌して塗工用分散液Hを得た。実施例1と同じフィルム
基材に実施例1と同じ装置、方法で前記分散液を塗工し
た。実施例1と同じ装置で100℃で10分間加熱・乾
燥を行って厚み30μmのインク受容層をが形成された
被記録媒体を得た。その後で実施例1と同じ方法で加熱
処理を行った。被記録媒体の物性値をそれぞれ上記の方
法で測定した。測定結果を表4に示す。
【0138】[実施例12]実施例11における混合溶
媒aをイオン交換水とエチルセルソルブ(キシダ化学)
を8:2の割合で混合した混合溶媒bに代えたことを除
いて実施例11と同様にして被記録媒体を得た。被記録
媒体の物性値をそれぞれ上記の方法で測定した。測定結
果を表4に示す。
【0139】[実施例13]実施例1の混合分散液Dを
塗工用分散液1とし、実施例1の混合分散液Dにおいて
塩化ナトリウムを加えない分散液を塗工用分散液2とし
た。実施例1と同じフィルム基材に実施例1と同じ装置
で前記分散液1を塗工し、実施例1と同じ装置で100
℃で1分間加熱を行った後で、前記分散液2を前記分散
液1の固形分換算で1/20の量を同じ装置で塗工し、
100℃で10分間加熱・乾燥をして厚み30μmのイ
ンク受容層をが形成された被記録媒体を得た。その後で
実施例1と同じ方法で加熱処理を行った。被記録媒体の
物性値をそれぞれ上記の方法で測定した。測定結果を表
5に示す。
【0140】
【表5】 [実施例14]実施例11と同じイオン交換水とジメチ
ルホルムアミドの混合溶媒にアルミナ水和物を分散した
分散液と、実施例1と同じポリビニルアルコール分散液
を実施例11と同じ比率で混合した。さらにアルミナ水
和物とポリビニルアルコールの固形分量の5重量%のメ
ラミン系樹脂(スミレーズレジン613S、住友化学社
製)を添加して、実施例1と同じ装置、方法で攪拌して
塗工用分散液を得た。実施例11と同じ方法で塗工・乾
燥して厚み30μmのインク受容層の形成された被記録
媒体を得た。その後で実施例1と同じ方法で加熱処理を
行った。被記録媒体の物性値をそれぞれ上記の方法で測
定した。測定結果を表5に示す。
【0141】[実施例15]実施例1における合成例1
のアルミナ水和物に代えて、合成例2のアルミナ水和物
を用いたことを除いて、実施例1と同様にして被記録媒
体を得た。被記録媒体の物性値をそれぞれ上記の方法で
測定した。測定結果を表5に示す。
【0142】[実施例16]実施例1における合成例1
のアルミナ水和物に代えて、合成例3のアルミナ水和物
を用いたことを除いて、実施例1と同様にして被記録媒
体を得た。被記録媒体の物性値をそれぞれ上記の方法で
測定した。測定結果を表5に示す。
【0143】[実施例17]実施例1における合成例1
のアルミナ水和物に代えて、合成例4のアルミナ水和物
を用いたことを除いて、実施例1と同様にして被記録媒
体を得た。被記録媒体の物性値をそれぞれ上記の方法で
測定した。測定結果を表6に示す。
【0144】
【表6】 [実施例18]実施例1における合成例1のアルミナ水
和物に代えて、合成例5のアルミナ水和物を用いたこと
を除いて、実施例1と同様にして被記録媒体を得た。被
記録媒体の物性値をそれぞれ上記の方法で測定した。測
定結果を表6に示す。
【0145】
【発明の効果】本発明の被記録媒体、及び画像形成方法
を用いることによって以下に列挙するような優れた効果
が奏される。すなわち、 (1)インク受容層の内部に空隙をもち、さらに該空隙
を相互連通しインク受容層の表面まで連通する細孔をも
つ構造によって、高速で繰り返した数回の印字を行って
も2色目以降の印字に対するインク吸収速度の低下を防
ぐことができる。また吸収されたインクの溶媒成分が面
内に速やかに拡散することができるので、各色のドット
径、ドット形状が印字順序等に関係なく均一になり混色
部の色味が同一になる。
【0146】(2)インク受容層の表面にまで連通する
細孔の最大半径を2.0〜20.0nmにし、この範囲
の細孔容積を全細孔容積の80%以上とすることで、イ
ンク受容層の透明性をよくして、かつインク吸収速度と
インク染料の定着速度を早くすることができるため、印
字されたドットの真円度をよくすることができる。さら
に多数回印字を行ったときも印字順序に関係なく各色の
ドット形状やドット径が均一になる。特に混色部の色味
が印字されたインク量に対応した色になるために色再現
性が優れている。 (3)被記録媒体の吸水量を0.4〜1.0ml/gに
し、さらに面内拡散係数を0.7〜1.0にすることに
よって、高速での多量のインクを印字してもインクの溢
れの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク受容層の細孔構造を示す模式断
面図。
【図2】実施例1のインク受容層の断面(インク受容層
の表面近傍)における粒子構造を示す図。
【図3】実施例1のインク受容層の窒素吸着脱離法によ
る細孔半径分布を示す図。
【符号の説明】
1 被記録媒体 2 インク受容層 3 基材 4 細孔 5 内部の空隙

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、ベーマイト構造を有するアル
    ミナ水和物とバインダーを主成分とする多孔質インク受
    容層を備えた被記録媒体において、該インク受容層が、
    内部に空隙を有し、該空隙が、これより半径が小さい細
    孔を通してインク受容層表面に連通していることを特徴
    とする被記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記空隙の半径が、前記細孔の半径の
    1.5倍以上である請求項1記載の被記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記細孔の半径が、2.0〜20.0n
    mの範囲に最大ピークを有する請求項1記載の被記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記空隙の半径が、50.0〜200.
    0nmの範囲にある請求項1記載の被記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記インク受容層の細孔容積が、0.4
    〜1.0ml/gの範囲にある請求項1記載の被記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 前記インク受容層の細孔容積が、0.4
    〜0.6ml/gの範囲にある請求項5記載の被記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 前記細孔半径2.0〜20.0nmの細
    孔容積が、全細孔容積の80%以上である請求項1記載
    の被記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記空隙の容積が、インク受容層の体積
    の1〜10%の範囲にある請求項1記載の被記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記インク受容層の吸水量が、0.4〜
    1.0ml/gの範囲にある請求項1記載の被記録媒
    体。
  10. 【請求項10】 前記インク受容層の面内拡散係数が、
    0.7〜1.0の範囲にある請求項1記載の被記録媒
    体。
  11. 【請求項11】 前記インク受容層の、30ngのイン
    クを1mm2 当たり16×16ドットの密度で印字した
    ときのインクの吸収時間が、400m秒以下である請求
    項1記載の被記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記インク受容層の、30ngのイン
    クを1mm2 当たり16×16ドットの密度の印字を1
    00m秒間隔で2回連続したときのインク吸収時間が、
    600m秒以下である請求項1記載の被記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記インク受容層の、30ngのイン
    クを1mm2 当たり16×16ドットの密度で印字を1
    00m秒間隔で3回連続したときのインクの吸収時間
    が、1200m秒以下である請求項1記載の被記録媒
    体。
  14. 【請求項14】 被記録媒体にインクを付与して画像を
    形成する画像形成方法において、該被記録媒体が、請求
    項1ないし13のいずれかに記載の被記録媒体であるこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  15. 【請求項15】 前記インクを付与する方式に、インク
    ジェット方式を用いる請求項14記載の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 前記インクジェット方式が、インクに
    熱エネルギーを作用させてインク液滴を吐出させる方式
    である請求項15記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 前記インク液滴を吐出させる方式が、
    イエロー、シアン、マゼンタの3色のカラーインクを用
    いてカラー印字を行う方式である請求項14記載の画像
    形成方法。
  18. 【請求項18】 前記3色のカラーインクに加えてブラ
    ックインクを用いる請求項17記載の画像形成方法。
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