JPH08310115A - 被記録媒体とその製造方法、及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

被記録媒体とその製造方法、及びこれを用いた画像形成方法

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JPH08310115A
JPH08310115A JP7144261A JP14426195A JPH08310115A JP H08310115 A JPH08310115 A JP H08310115A JP 7144261 A JP7144261 A JP 7144261A JP 14426195 A JP14426195 A JP 14426195A JP H08310115 A JPH08310115 A JP H08310115A
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JP
Japan
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ink
alumina hydrate
recording medium
receiving layer
water
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JP7144261A
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Hiroshi Tomioka
洋 冨岡
Yuji Kondo
祐司 近藤
Takeshi Santo
剛 三東
Hitoshi Yoshino
斉 芳野
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルミナ水和物と水溶性ポリマーを含むイン
ク受容層を有する被記録媒体において、インク受容層が
アニオンによって凝集したアルミナ水和物一次粒子の凝
集構造体と水溶性ポリマーとからなる被記録媒体、及び
アルミナ水和物の一次粒子分散液中にアニオンを添加し
て凝集させた一次粒子凝集構造体と水溶性ポリマーとを
含む分散液を基材上に塗工する被記録媒体の製造方法が
提供される。 【効果】 ランダムに相互連通した細孔を有するインク
受容層が得られ、この層を有する被記録媒体はインク吸
収性、ビーディングに優れると共に透明性、平滑性、画
像濃度に優れ、かつ高い皮膜性も有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性インクを用いた記
録に適する被記録媒体及びその製造方法、これを用いた
画像形成方法に関するものであり、特にインク受容層の
透明性、画像濃度、解像度が高く、インク吸収能力や皮
膜性に優れた被記録媒体及びその製造方法、ならびにこ
れを用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方式にはイン
クの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙な
どの被記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行
う方法が採用されているが、高速低騒音、多色化が容
易、記録パターンの融通性が大きい、現像、定着が不要
などの特徴があり、各種画像の記録装置としての情報機
器をはじめ各種の用途において急速に普及している。さ
らに多色インクジェット方式により形成される画像は、
製版方式による多色印刷や、カラー写真方式による印画
と比較して遜色のない記録を得ることも可能であり、作
成部数が少ない場合には通常の多色印刷や印画によるよ
りも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで
広く応用されつつある。記録の高速化、高精細化、フル
カラー化などの記録特性の向上に伴って記録装置、記録
方法の改良が行われてきたが、被記録媒体に対しても高
度な特性が要求されるようになってきた。
【0003】かかる問題点を解決するために、従来から
多種多様の被記録媒体の形態が提案されてきた。例えば
特開昭55−5830号公報には支持体表面にインク吸
収性の塗工層を設けたインクジェット記録用紙が開示さ
れ、特開昭55−51583号公報には被覆層中の顔料
として非晶質シリカを用いた例が開示され、特開昭55
−146786号公報には水溶性高分子塗工層を用いた
例が開示されている。また近年、ベーマイト構造のアル
ミナ水和物を用いた塗工層を有する被記録媒体が提案さ
れており、例えば、米国特許明細書第4879166
号、同5104730号、特開平2−276670号公
報、同4−37576号公報、同5−32037号公報
に開示されている。
【0004】しかしながら上記の従来技術には以下の問
題点がある。
【0005】1)米国特許明細書第5104730号、
特開平2−276670号公報、同2−276671号
公報、同3−275378号公報には、平均細孔径が1
0〜30オングストロームで狭い細孔径分布を持ってい
る被記録媒体が開示されている。この細孔径分布では、
染料の吸着性はよいが溶媒の吸収性が不十分でビーディ
ングが発生する。ここでいうビーディングとは、先に付
与されたインクドットが被記録媒体に定着する前に次の
インクドットが先のインクドットに隣接して付与された
ときに、インクドットが横方向に不規則に移動し、その
結果隣接するドットとの間で凝集が起こり、画像濃度に
ムラが生じる現象である。
【0006】2)一般的に粒子径を小さくするとインク
受容層の透明性や平滑性などが高くなることが明らかと
なっているが、粒子同士が密に充填されるために大きな
細孔が形成されず、インク吸収性が悪いという欠点があ
った。そこで特開平5−32413号公報では小さな一
次粒子が凝集した二次粒子を用いた被記録媒体が開示さ
れているが、本発明者らが検討したところ透明性とイン
ク吸収性が同時に満足することが困難であった。また、
クラックの発生が顕著で十分なインク吸収能を有するイ
ンク受容層を形成することが困難であった。これに関し
て特開昭58−65692号公報では、一次粒子間での
凝集結合力が弱いために二次粒子の強度が低下してイン
ク受容層にクラックが発生すると述べている。そこで前
記公報では一次粒子をあらかじめ水溶性高分子の存在下
で分散させた後、凝集、乾燥して水溶性高分子を含んだ
強固な二次粒子を顔料として用いた記録用紙が開示され
ている。しかしながらこの方法では皮膜性やインク吸収
性には優れているものの、二次粒子径が大きすぎるため
にインク受容層の平滑性や透明性が低く、画像濃度が低
下し、また画像全体に白もやがかかったようになり易い
という問題点が生じた。
【0007】3)特開昭60−61286号公報では被
覆層表面から深さ方向に連通した細孔を有する被記録媒
体を形成するにあたって、無機の充填材にベントナイト
などの顔料や界面活性剤もしくは凝集剤などを添加して
構造粘性を付与することによって、三次元凝集体を形成
する方法が開示されている。しかしながら本発明者らが
検討したところ記載された充填材の粒子径が大きいため
に被覆層の透明性が低く、画像濃度や平滑性などが十分
ではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような問題に対し
て本発明者らが鋭意検討した結果、本発明は上記の問題
点を解決し得たものであり、前述した諸物性(インク吸
収性、画像濃度、解像度、ビーディング、透明性、平滑
性、皮膜性など)を満足する被記録媒体及びその製造方
法、これを用いた画像形成方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、アルミナ水和物の一次粒子分散液中にアニ
オンを添加し、凝集させた一次粒子凝集構造体を用いる
ことによって上記の問題点を解決するに至った。これま
でにも特開昭55−53591号公報、同62−183
55号公報、特開平4−323075号公報、同6−3
16145号公報などには金属塩や有機酸塩などを添加
したインクジェット用被記録媒体について開示されてい
るが、そのほとんどは被記録媒体の耐水化や変色防止な
どを目的としたものであり、本発明のような凝集構造体
の形成を目的としたものは知られていなかった。本発明
で用いられるアルミナ水和物はカチオン性のため正電荷
を帯びており、この分散液に負電荷のアニオンを付与す
ることによってチクソ性を呈することなくアルミナ水和
物の凝集が引き起こされる。こうして得られる凝集構造
体は、三次元的に一次粒子がゆるく集合した疎な構造の
集合体で、これを基材に塗工することにより、ランダム
に相互連通した細孔を有するインク受容層を形成するこ
とができる。このため、インク吸収性やビーディングな
どに優れた被記録媒体が得られる。そして本発明のイン
ク受容層は、微細な一次粒子による疎な凝集構造体であ
るために、公知の二次粒子によって構成されるインク受
容層と異なり、優れたインク吸収性と共に高い透明性や
平滑性を有する被記録媒体が得られる。さらに粒子間に
は静電的な強いインターラクションが働くことによっ
て、高い皮膜性が得られ、安定的にクラックのない厚い
インク受容層を形成することができる。
【0010】すなわち本発明は、アルミナ水和物と水溶
性ポリマーを含むインク受容層を有する被記録媒体にお
いて、該インク受容層がアニオンにより凝集したアルミ
ナ水和物一次粒子の凝集構造体と水溶性ポリマーとから
なることを特徴とする被記録媒体である。
【0011】また本発明は、アルミナ水和物の一次粒子
分散液中にアニオンを添加して凝集させた一次粒子凝集
構造体と水溶性ポリマーとを含む分散液を基材上に塗工
することを特徴とする被記録媒体の製造方法である。
【0012】以下に本発明の好適な態様を示す。
【0013】本発明の被記録媒体は、図1に示すように
基材1上に主としてアルミナ水和物と水溶性ポリマーか
らなるインク受容層2が形成された構造である。
【0014】以下に本発明で好ましく用いられるアルミ
ナ水和物の物性について説明する。本発明に用いられる
アルミナ水和物は水酸化アルミニウムと称されるものも
含み、下記一般式により定義されるものである。
【0015】Al23-n (OH)2n・mH2 O 式中、nは0,1,2または3の整数のうちいずれかを
表わし、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表わ
す。mH2 Oは多くの場合結晶格子の形成に関与しない
脱離可能な水相を表わすものであるため、mは整数でな
い値をとることができる。また、この種のアルミナ水和
物をか焼するとmは0の値に達することがある。
【0016】本発明で被記録媒体に含有されるアルミナ
水和物の製造方法としては、特に限定はされないが、例
えばバイヤー法、明バン熱分解法などのいずれの方法も
採用することができる。特に好ましくは、長鎖のアルミ
ニウムアルコキシドに対して酸を添加して加水分解する
方法が挙げられる。例えば炭素数が5以上のアルコキシ
ドであり、さらに炭素数12〜22のアルコキシドを用
いると、後述のようなアルコール分の除去、及びアルミ
ナ水和物の形状制御が容易になるために好ましい。上記
方法はアルミナヒドロゲルやカチオン性アルミナを製造
する方法と比較して不純物の混入が少なく、しかも長鎖
のアルミニウムアルコキシドは、加水分解後のアルコー
ルが除去し易いため、アルミニウムイソプロポキシドな
どの短鎖アルコキシドを用いる場合と比べ、脱アルコー
ル化が完全に行えるという利点がある。
【0017】この方法では、加水分解の開始時の溶液の
pHを6以下に設定することが非晶質アルミナ水和物を
得るために好ましい。ここでpHが8以上になると、最
終的に得られるアルミナ水和物が結晶質になる。
【0018】上記の方法によって得られたアルミナ水和
物は、水熱合成の工程を経て、粒子を成長させる(熟成
工程)。この工程の条件を調整することにより、アルミ
ナ水和物の粒子形状を特定範囲に制御することができ
る。熟成時間を適当に設定すると、粒子径が比較的均一
なアルミナ水和物一次粒子が成長する。ここで得られた
ゾルは、特開平2−276670号公報で開示されてい
るように、そのまま分散液として用いることもできる
が、本発明ではゾルをスプレードライなどの方法により
粉末化した後、分散液とすることが好ましい。この場合
アルミナ水和物の水への分散性がより向上し、一次粒子
まで分散される。
【0019】本発明のアルミナ水和物の凝集構造体は用
いるアルミナ水和物の一次粒子によってその構造が大き
く左右される。そのため好適な凝集構造体を形成するた
めには一次粒子の物性が重要である。具体的には以下の
物性を有する一次粒子が好ましい。
【0020】本発明で用いられるアルミナ水和物の一次
粒子の平均粒子径としては、5nm〜100nmが好ま
しい。ここでの平均粒子径は、アルミナ水和物を顕微鏡
あるいは電子顕微鏡によって観察したときの一次粒子の
投影面積と等しい面積を有する円の直径を示すものであ
る。平均粒子径が5nm以下では大きな細孔を形成する
のが困難であり、インク吸収性が十分ではない。また1
00nm以上では粗雑な凝集構造体が形成されるために
表面に平滑や解像度の低下が起こる。より好ましい範囲
は10nm〜80nmで、インク受容層の透明性が高
く、高い画像濃度の印字物が得られる。
【0021】また本発明で用いられるアルミナ水和物の
一次粒子の形状としては、真球度が60以下の異方性粒
子が好ましい。ここで真球度とは、一次粒子内での最小
径と最大径の比をもって下式で表わしたもので、平均粒
子径の場合と同様にアルミナ水和物の顕微鏡及び電子顕
微鏡による観察から求められる。
【0022】[真球度]=100×[最小径]/[最大
径] 完全な真球の場合は真球度は100となる。真球度が6
0以下の異方性粒子は一つの粒子の中で正と負の電荷を
持ち、面積の広い「面」の部分では正を、面積の狭い角
や陵などの「端」の部分では負に帯電する。このような
異方性粒子は凝集の際に「面」と「端」とが静電的なク
ーロン力によって接近し、図2のようなカードハウス構
造を形成する。そのためアニオンを付与した場合、カチ
オン性のアルミナ水和物一次粒子はアニオンを中心にカ
ードハウス構造を取りながら凝集して、細孔がランダム
に相互連通した凝集構造体が容易に形成される。そして
この構造体がインク吸収性の向上やビーディングの解消
に大きく寄与する。
【0023】またさらに好ましい一次粒子の形状として
は、平板状で平均アスペクト比が3〜10、平板面の平
均縦横比が0.6〜1.0である。ここでのアスペクト
比は一次粒子内の厚さと粒子径の比で表わし、縦横比は
一次粒子内の平板面の長径と短径の比で表わすものであ
る。これらはいずれも平均粒子径の場合と同様にアルミ
ナ水和物の顕微鏡及び電子顕微鏡による観察から求めら
れる。上記の範囲の平板状粒子を用いる場合は、インク
受容層の皮膜性が高く、安定的に厚い皮膜を形成するこ
とが可能である。これは平板状粒子が平板面に多く電荷
が蓄積され易いために粒子間でのインターラクションが
強く働き、凝集した際の粒子同士の接点が広く、インク
受容層を形成した際に強固な凝集構造体が形成されるた
めと考えられる。
【0024】本発明の被記録媒体において好ましく用い
られるアニオンは、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン、
硫酸イオン、燐酸イオン、燐酸一水素イオン、燐酸二水
素イオン、チオ硫酸イオンなどの無機のアニオンや、カ
ルボン酸イオンやスルホン酸イオンなどの有機酸のアニ
オンなどが挙げられ、これらは金属塩などの電解質の形
態で供給されるのが好ましい。ここで上記のようなアニ
オンを用いる理由は、本発明のアルミナ水和物の凝集構
造体を形成する上において最も効率的、かつインク受容
層物性への効果が絶大で、しかも付与量が少ないために
分散液の増粘が少なく、チクソ性を呈さないために粘度
安定性にも優れているためである。アニオンの添加量と
してはアルミナ水和物粒子が疎な凝集構造体を形成する
のに十分な量であればよく、特にアルミナ水和物中のA
23 重量に対するアニオンのイオン当量が0.00
5〜5.0meq/gの範囲であることが好ましい。添
加量が0.005meq/g未満の場合には凝集構造体
が形成し難く、インク吸収性が低下する。また、添加量
が5.0meq/gを超えると分散液の増粘が激しく、
強いチクソ性を呈するようになり、塗工が困難となる。
【0025】さらに好ましい添加量は0.01〜5.0
meq/gで、この範囲内では形成される凝集構造体が
強固なものとなり、インク受容層の皮膜性を向上するこ
とができる。
【0026】本発明によるアルミナ水和物の凝集構造体
は、アルミナ水和物を水に分散したときに生成される一
次粒子がアニオンを介して三次元的に疎に凝集したもの
である。そのため、これを基材上に塗工しても本来の粒
子径はそのまま維持されながらインク受容層が形成され
るために透明性や画像濃度が高く、OHPシートなどの
透明記録媒体や高品位記録物への利用が可能である。し
かもこのような凝集構造体から得られるインク受容層
は、そのランダムに相互連通した細孔が形成されるため
にインク吸収速度が速く、ビーディングが発生し難くな
っている。
【0027】本発明の被記録媒体において、上記アルミ
ナ水和物と組み合わせて使用するバインダーとして作用
する水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリビニールア
ルコールまたはその変性体(カチオン変性、アニオン変
性、シラノール変性)、澱粉またはその変性体(酸化、
エーテル化)、ゼラチンまたはその変性体、カカゼイン
またはその変性体、カルボキシメチルセルロース、アラ
ビヤゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、などのセルロース誘導体、S
BRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレ
ート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体
ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢
酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、
ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重
合体、アクリル酸エステル共重合体などが好ましい。こ
れらの水溶性ポリマーは、単独あるいは複数種混合で用
いることができる。
【0028】前記アルミナ水和物と水溶性ポリマーとの
混合比は、重量比で1:1〜30:1、より好ましく
は、5:1〜20:1の範囲から任意に選択できる。水
溶性ポリマーの量が上記範囲より少ない場合は、インク
受容層の機械的強度が不足して、ひび割れや粉落ちが発
生し易く、上記範囲を越える場合は、細孔容積が少なく
なってインク吸収性が低下する。
【0029】アルミナ水和物と水溶性ポリマーを含む分
散液には、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、
潤滑剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、離形剤、発泡
剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、防腐剤、防バイ剤などを添加することも可能
である。
【0030】耐水化剤としてはハロゲン化第四級アンモ
ニウム塩、第四級アンモニウム塩ポリマーなど公知の材
料の中から自由に選択して用いることができる。
【0031】インク受容層は、アルミナ水和物と水溶性
ポリマーを含む分散液を塗工装置を用いて、支持体上に
塗布、乾燥する方法により形成される。塗工方法として
は、特に制限はないが、ブレードコート方式、エアーナ
イフ方式、ロールコート方式、ブラッシュコート方式、
グラビアコート方式、キスコート方式、エクストルージ
ョン方式、スライドホッパー(スライドビード)方式、
カーテンコート方式、スプレー方式などを用いることが
できる。
【0032】被記録媒体の塗工量は、0.5〜60g/
2 、より好ましくは、5〜45g/m2 であるが、良
好なインク吸収性、解像性を得るには、15μm以上、
好ましくは20μm以上のインク受容層の厚みにする必
要がある。支持体としては適度のサイジングを施した
紙、無サイズ紙、レジンコート紙などの紙類、熱可塑性
フィルムのようなシート状物質及び布帛が使用でき、特
に制限はない。
【0033】熱可塑性フィルムの場合はポリエステル、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレ
ート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリカーボネー
トなどの透明フィルムや、アルミナ水和物やチタンホワ
イトの充填または微細な発泡による不透明化したシート
を用いることもできる。
【0034】また、上記支持体とインク受容層との接着
性を良好にするために、コロナ処理などの表面処理を行
ったり、易接着層を下引き層として設けてもよい。さら
にカールを防止するために支持体の裏面あるいは所定の
部位に樹脂層や顔料層などのカール防止層を設けること
もできる。
【0035】本発明の記録方法に使用されるインクは、
主として染料もしくは顔料などの色材、水溶性有機溶剤
及び水を含むものである。染料としては、例えば直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素など
に代表される水溶性染料が好ましく、被記録媒体との組
み合わせで定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性そ
の他の要求される性能を満たす画像を与えるものであれ
ばいずれでも使用できる。
【0036】水溶性染料は、一般に水または水と有機溶
剤からなる溶媒中に溶解して使用するものであり、これ
らの溶媒成分としては、好ましくは水と水溶性の各種有
機溶剤などとの混合物が使用されるが、インク中の水分
含有量が20〜90重量%、好ましくは60〜90重量
%の範囲内となるように調整するのが好ましい。
【0037】上記水溶性の有機溶剤としては、例えばメ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
コール、イソブチルアルコールなどの炭素数が1〜4の
アルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミドなどのアミド類、アセトン、ジアセトア
ルコールなどのケトンまたはケトンアルコール類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポ
リアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、
チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレン
グリコールなどのアルキレン基が2〜6個の炭素数を含
むアルキレングリコール類、グリセリン;エチレングリ
コールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールの低
級アルキルエーテル類などが挙げられる。
【0038】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
エチレングリコール、ジエチレングリコールなどの多価
アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどの
多価アルコールの低級アルキルエーテル類が好ましい。
多価アルコール類は、インク中の水が蒸発し、水溶性染
料が析出することに基づくノズルの目詰まり現象を防止
するための潤滑剤としての効果が大きいため、特に好ま
しい。
【0039】インクには可溶化剤を加えることもでき
る。代表的な可溶化剤は、含窒素複素環式ケトン類であ
り、その目的とする作用は、水溶性染料の溶媒に対する
溶解性を飛躍的に向上させることにある。例えば、N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノンが好ましく用いられる。さらに特性の改善
のために、粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、
pH調整剤、比抵抗調整剤、保存安定剤などの添加剤を
加えて用いることもできる。
【0040】前記被記録媒体に上記のインクを付与して
記録を行う方法としては、インクジェット記録方法が好
ましく、この記録方法はインクをノズルより効果的に離
脱させて、被記録媒体にインクを付与し得る方法であれ
ばいかなる方法でもよい。特に特開昭54−59936
号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を
受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化に
よる作用力によって、インクをノズルから吐出させるイ
ンクジェット方式は有効に使用することができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0042】アルミナ水和物の製造法:米国特許明細書
第4242271号に記載された方法でアルミニウムド
デキシドを製造した。次に米国特許明細書第42028
70号に記載された方法によりアルミニウムアルコキシ
ドを加水分解してアルミナスラリーを製造した。得られ
たアルミナスラリーにアルミナ水和物固形分が7.9%
になるまで水を加えた。アルミナスラリーのpHは9.
5であった。3.9%の硝酸溶液を加えpHを調整し
た。表1に示すそれぞれの熟成条件でコロイダルゾルを
得た。このコロイダルゾルを75℃でスプレー乾燥して
アルミナ水和物(A〜F)を得た。これらのアルミナ水
和物の形状観察(一次粒子の粒子径、真球度、アスペク
ト比及び縦横比)はアルミナ水和物をイオン交換水に分
散させてコロジオン膜上に滴下して測定試料を作り、こ
れを透過電子顕微鏡(日立製作所(株)製、H−50
0)で観察した。
【0043】
【表1】 実施例1〜7 イオン交換水65重量部に対し、各種アルミナ水和物9
重量部を加えて分散機(特殊機化(株)製)、T.K.
オートホモミクサーM型)で分散後、10%の各種添加
剤水溶液の所定量と、10%ポリビニルアルコール水溶
液(日本合成化学(株)製、ゴーセノールGH−17
R)の10重量部をそれぞれ添加、分散してアルミナ水
和物凝集構造体の分散液を得た。
【0044】これを白色ポリエステルフィルム(東レ
(株)製、ルミラーX−21、厚み100μm)と透明
ポリエステルフィルム(東レ(株)製、100Q80
D、厚み100μm、光透過率88.74%)の上にそ
れぞれバーコートし、100℃で乾燥して厚さ30μm
と50μmのインク受容層を形成する被記録媒体を得
た。各種処方及び後述の方法で測定した分散液、インク
受容層の物性の結果を表2に示す。
【0045】実施例8 実施例4で作製した被記録媒体のインク受容層断面の粒
子構造を10万倍の透過電子顕微鏡によって写真観察し
た。図3にインク受容層断面の粒子構造写真を示す。写
真観察の結果からランダムに細孔が相互連通したアルミ
ナ水和物の一次粒子凝集構造体が確認された。
【0046】分散液物性の評価・測定方法 1)分散液のTI値 B型回転粘度計(TOKIMEC社製、VISCOME
TER)と低粘度アダプターを用いて分散液の粘度を測
定した。
【0047】 TI値=6rpmでの粘度/60rpmでの粘度 ローター:No.1、測定温度:25℃
【0048】
【表2】 被記録媒体物性の評価および測定方法 1)インク受容層の塗膜状態 a)インク受容層の皮膜性 白色基材上に30μmと50μmの厚さのインク受容層
を設けた被記録媒体に対して目視により評価した。50
μmでクラックの発生が見られない場合は◎、30μm
でクラックの発生が見られない場合は○、いずれの厚さ
でもクラックが発生した場合は×とした。
【0049】b)インク受容層の平滑性 白色基材上に30μmのインク受容層を設けた被記録媒
体に対して目視により評価した。平滑面が得られ良好な
ものを○、粗面あるいは不溶物付着などによる欠陥の生
じたものを×とした。 2)インク受容層の透明性 透明基材上に30μmのインク受容層を設けた被記録媒
体に対してヘイズメーター(日本電色工業(株)製、N
HD−1001DO)を用いて光透過率を測定した。 3)印字特性 1mmに16本の割合のノズル間隔で、128本のノズ
ルを備えたインクジェットヘッドをY,M,C,Bkの
4色分備えたインクジェットプリンターを用い、下記組
成のインクにより、白色基材上に30μmのインク受容
層を設けた被記録媒体に対してインクジェット記録を行
って、インク吸収性、画像濃度、解像性、ビーディング
について評価した。
【0050】(a)インク吸収性 下記のY,M,C,Bkそれぞれのインクを単色または
多色でベタ印字した後の被記録媒体表面のインクの乾燥
状態を記録部に指で触れて調べた。単色印字でのインク
量を100%とした。インク量が300%でインクが指
に付着しないものを◎、インク量が200%でインクが
指に付着しないものを○、インク量が100%でインク
が指に付着しないものを△とした。
【0051】(b)画像濃度 下記のMインクでベタ印字した画像濃度を、マクベス反
射濃度計RD−1255を用いて評価した。いずれの実
施例においても4色中、Mの画像濃度が最も低かった。
【0052】(c)ビーディング 下記のY,M,C,Bkそれぞれのインクを単色または
多色でベタ印字した後の印字部での粒状の濃度ムラを目
視により評価した。インク量300%で発生していなけ
れば◎、インク量200%で発生していなければ○、イ
ンク量100%で発生していなければ△とした。
【0053】 インク組成 染料 5部 エチレングリコール 10部 ポリエチレングリコール 10部 水 75部 インク染料 Y:C.I.ダイレクトイエロー86 M:C.I.アッシドレッド35 C:C.I.ダイレクトブルー199 Bk:C.I.フードブラック2
【0054】
【発明の効果】アルミナ水和物の一次粒子分散液中にア
ニオンを添加し、凝集させた一次粒子凝集構造体を用い
ることにより、表面から深さ方向に相互連通した細孔を
有するインク受容層が得られる。このインク受容層を有
する被記録媒体はインク吸収性、ビーディングに優れる
と共に透明性、平滑性、画像濃度に優れ、かつ高い皮膜
性も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被記録媒体の実施形態を示す断面図で
ある。
【図2】本発明のアルミナ水和物の凝集構造を示す模式
図である。
【図3】本発明の実施例4で作製した被記録媒体のイン
ク受容層断面の透過電子顕微鏡による粒子構造写真であ
る。
【符号の説明】
1 支持体 2 インク受容層
フロントページの続き (72)発明者 芳野 斉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ水和物と水溶性ポリマーを含む
    インク受容層を有する被記録媒体において、該インク受
    容層がアニオンにより凝集したアルミナ水和物一次粒子
    の凝集構造体と水溶性ポリマーとからなることを特徴と
    する被記録媒体。
  2. 【請求項2】 アルミナ水和物の一次粒子の平均粒子径
    が5nm〜100nmであることを特徴とする請求項1
    に記載の被記録媒体。
  3. 【請求項3】 アルミナ水和物の一次粒子が真球度60
    以下の異方性粒子であることを特徴とする請求項1に記
    載の被記録媒体。
  4. 【請求項4】 インク受容層中のアニオンのイオン当量
    が、アルミナ水和物の中のAl23 重量に対して0.
    005〜5.0meq/gであることを特徴とする請求
    項1に記載の被記録媒体。
  5. 【請求項5】 アルミナ水和物の一次粒子分散液中にア
    ニオンを添加して凝集させた一次粒子凝集構造体と水溶
    性ポリマーとを含む分散液を基材上に塗工することを特
    徴とする被記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 インクの小滴を微細孔から吐出させて被
    記録媒体に付与して印字を行うインクジェット記録方法
    において、請求項1に記載の被記録媒体を用いることを
    特徴とする画像形成方法。
  7. 【請求項7】 インクに熱エネルギーを作用させてイン
    クの小滴を形成する請求項6に記載の画像形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002520151A (ja) * 1998-07-15 2002-07-09 マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ 生物学的テンプレート上の高分子電解質
US6511169B1 (en) * 2001-08-01 2003-01-28 Eastman Kodak Company Ink jet printing method
US6528146B2 (en) 1999-02-16 2003-03-04 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium and image formation employing the same

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