JP4914134B2 - 被記録媒体及び該被記録媒体を用いた画像形成方法 - Google Patents

被記録媒体及び該被記録媒体を用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、被記録媒体及び該被記録媒体を用いた画像形成方法に関する。特に、低密度の多孔質セルロース層から構成される被記録媒体、あるいは低密度の多孔質セルロース層から構成される支持体上にインク受容層を設けた被記録媒体に関する。より詳しくは、鮮明で高品位な記録画像が得られ、且つ水性インクによって印字面が波打つコックリングと呼ばれる現象を緩和できる被記録媒体に関する。
近年、インクジェット記録方式として、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙等の被記録媒体に付着させ、画像、文字等の記録を行なうものが多用されている。この方式の記録装置は、高速低騒音、多色化が容易で、記録パターンの融通性も大きく、現像、定着が不要である等の特徴がある。このため、各種画像の記録装置として情報機器をはじめ各種の用途において急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷や、カラー写真方式による印画と比較して遜色のない記録を得ることが可能である。このため、作成部数が少ない場合には通常の多色印刷や印画よりも安価であり、フルカラー画像記録の分野にまで広く応用されつつある。
インクジェット記録方式の利用拡大に伴い、記録の高速化、高精細化、フルカラー化等の記録特性の更なる向上が要求されており、これまで記録装置、記録方法の改良が行われてきた。一方、被記録媒体に対しても高度な特性が要求されるようになってきている。即ち、被記録媒体には以下のような特性が求められている。
a)画像を形成した場合に印字ドットの濃度が高く色調が明るく鮮やかであること
b)インク吸収が早く、かつインク吸収量が大きくて印字ドットが重なった場合でもインクが流れ出したり滲んだりしないこと
c)印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくならないこと
d)印字ドットの形状が真円に近く、周辺が滑らかでぼけないこと
e)被記録媒体の白色度が高く、かつ光沢度が高いこと。
かかる要求に対応するために、従来から多種多様の被記録媒体が提案されてきている。例えば、支持体表面にインク吸収性の塗工層を設けたインクジェット記録用紙が提案されている(特許文献1参照)。また、被記録媒体用支持体に積層されるインク受容層中の顔料として非晶質シリカを用いたものが提案されている(特許文献2参照)。
更に、被記録媒体の用途の多様化に伴い記録画像の品位として、印字物のカールやコックリングの発生の低減が求められるようになってきた。ここでコックリングとは、被記録媒体の印字面に凹凸が生じたり波打ったりする現象を言う。このコックリング現象を回避する手段としては、これまでに下記に挙げるような方法の提案があった。
(1)特許文献3、4、5及び6には、特定範囲の水中伸度、浸水伸度の紙を用いた被記録媒体が記載されている。
(2)特許文献7には、インク受容層と支持体の間に撥水性成分を含むインク受理層を、又、特許文献8ではインク受容層と支持体の間にポリウレタン等の熱可塑性樹脂の隙間層を、インク浸透を防止する中間層として設ける構成が記載されている。
(3)上記した公知文献における方法とは異なる方向の解決提案としては、以下のものがある。即ち、被記録媒体に付加構造を設けるもので、特許文献9には支持体の両面にインク受理層を設けてなる被記録媒体が開示されている。特許文献10にはインク受容層の反対面にバックコート層を設けてなる被記録媒体が開示されている。また、特許文献11には支持体を貼り合せて二層化した被記録媒体が、夫々記載されている。
特開昭55−5830号公報 特開昭55−5158号公報 特開平3−38376号公報 特開平3−199081号公報 特開平7−276786号公報 特開平8−300809号公報 特開2000−158805号公報 特開2002−154268号公報 特開平2−270588号公報 特開2001−253160号公報 特開2002−2092号公報
しかしながら、特許文献3、4、5、6に記載されている技術概念は、被記録媒体全体が均等な水分を与えられた場合を前提としているものである。このため、インクジェット記録方式のように、部分的に異なる特性の液体が付与される場合には対応できないものであった。また、特許文献7,8に記載の中間層はいずれもインク浸透を防止するバリアとして作用するため、大量のインクを用いた場合、印字されたインクが支持体にまで浸透できなかった。この結果、インク吸収量やインク吸収速度が低下して、インク溢れやにじみが発生する場合があった。
本発明者は、先に列挙した先行して提案されている各種の被記録媒体に対して検討を行った。その結果、いずれの被記録媒体においても、下記の課題があることが分かった。
(1)被記録媒体の坪量や厚みによってはコックリング防止効果が得られない場合が発生した。特に厚みが150μm以下の薄い被記録媒体ではコックリングが顕著になった。すなわち、これはインク吸収によって被記録媒体が膨潤し、乾燥工程で収縮が発生するため、被記録媒体の厚みが薄くなると被記録媒体の剛性が低下して被記録媒体の膨潤・収縮による変形量が大きくなったものである。このように従来の方法では、低坪量の被記録媒体や厚みが薄い被記録媒体ではコックリングを効果的に抑制できないことが分かった。
(2)カレンダー処理で表面を平滑化した場合、コックリングの発生が著しく増加した。これは、平滑化処理によって被記録媒体を構成するセルロースの性状等(セルロース繊維の三次元的配置やセルロース繊維間の細孔構造等)が変化したためである。このように、画質向上のために被記録媒体表面を平滑化するとコックリングの発生が増加し、画質の向上とコックリング発生の抑制を両立する被記録媒体が得られなくなることが分かった。
(3)また、特許文献4、6のように原紙の水中伸度を制御した被記録媒体にインク受容層を形成すると、インク受容層を形成していない被記録媒体よりもインクのコックリング現象が顕著となった。これはインク受容層を形成する工程で、被記録媒体に水の吸収と乾燥が行われることによって水中伸度が制御できなくなったことによるものである。この結果、抄紙工程で水中伸度を制御した場合でもインク受容層を形成すると、コックリングを抑制できない場合があることが分かった。
更に、本発明者は、被記録媒体に付与するインク量を2倍、3倍に増加させて画像を形成した場合、被記録媒体自体のインク吸収能が低下し、インクの溢れや滲みが発生して良好な画質が得られない場合があることも見出した。
また、先行して提案されている各種の被記録媒体では、近年の高速印字を行なうプリンター等で画像形成を行った場合に、画質、表面光沢、カール、コックリング、紙搬送性等の点で、必ずしも満足できない場合が発生することを確認した。
カール、コックリングの現象は、いずれもインク吸収によって被記録媒体に伸縮や歪みが生じるために発生するものと考えられる。この原因を以下、詳細に説明する。従来の被記録媒体に用いられているパルプの叩解後に、セルロースが叩解液中に分散している状態を図3(a)に示す。パルプの叩解を行うと図3(a)のようにパルプを構成するセルロース22の繊維長は短くなると共に、フィブリル化(繊維の枝状の分岐が発生すること)が進んで枝状の分岐21が多数発生しその表面積が増加する。
次に、この叩解後のセルロースを用いて抄紙し被記録媒体を製造した状態を図3(b)に示す。なお、図3(b)は被記録媒体の微細な構造を部分的に示したものである。セルロース22は表面積が大きいため、多数の点で水素結合(点線部分)を形成する。この結果、被記録媒体内部の細孔の体積は減少し、密度の高い被記録媒体となる。
この後、この被記録媒体に印字を行うとセルロース内部やセルロース間にインク成分が吸収される。この結果、図4(a)に示されるようにセルロース間の多数の点で形成されていた水素結合は、インク中に含まれる水や親水性成分23によって切断される。また、セルロース自体も水等の吸収によって変形する。
次に、このインクを吸収した被記録媒体が乾燥されるとセルロースと結合した水や親水性の成分が除去され、セルロース間には再び水素結合が形成される。この際、このインク吸収によるセルロース間の水素結合の切断(図4(a))と、乾燥によるセルロース間の水素結合の形成(図4(b))とは全く同一の箇所で行われない(元の水素結合と異なる位置で水素結合が形成される)。このため、図4(b)と図3(b)の被記録媒体とでは水素結合の位置が異なり、両被記録媒体ではセルロースが異なった空間配置を有する被記録媒体となる。これは、乾燥時にインク成分の蒸発が被記録媒体内の各部で完全に均一に行われるわけではないこと、インクの吸収によってセルロース自体が変形してしまうこと、などが原因として考えられる。そして、このような現象が被記録媒体全体としてコックリングという現象となって表れるものと考えられる。
そこで、本発明者は鋭意検討を行った結果、上記のような課題を解決するためには以下の特性を有する被記録媒体を製造する必要があることを発見した。
(a)被記録媒体を構成する繊維の剛性が高くインク吸収、乾燥に伴う変形が少ない
(b)インク吸収、乾燥、カレンダー時等に被記録媒体を構成する繊維の相対的な空間配置が変わらない(繊維間の細孔構造が変わらない)
そして、本発明者は上記特性(a)及び(b)を有するためには、特殊な処理を施したセルロースを用いれば良いこと、また、このセルロースからなる多孔質セルロース層を低密度とすることで生じた細孔内に多孔質填料を充填させれば良いことを発見した。
更に、本発明者は細孔内に多孔質填料を特殊な充填状態で充填させることにより、多孔質填料間に形成される空隙内にインク吸収、乾燥、カレンダー時に伴うセルロースの変形を効果的に吸収し、カール、コックリング等がより起こりにくくなることを発見した。
すなわち、本発明は以下の目的を有する。本発明の第1目的は上記構成の被記録媒体とすることにより、厚みが150μm以下の薄い紙の構成の被記録媒体でも、インク吸収性が良好で、かつコックリングの発生頻度が少ない被記録媒体を提供することにある。
本発明の第2の目的は、被記録媒体表面の平滑化処理を行った場合でも、インク溢れがなく、高濃度で、色調が鮮明な画像が得られ、コックリングが抑制された被記録媒体を提供することにある。
本発明の第3の目的は、支持体上にインク受容層を設けた構成の被記録媒体であってもインク受容層を未形成の支持体と比較してコックリングの発生頻度が増加しない被記録媒体を提供することにある。
すなわち、上記の目的は、下記の本発明によって達成される。本発明の第1の実施形態は、
軽叩解セルロースパルプ、マーセル化セルロース及びフラッフ化セルロースからなる群から選択され少なくとも1種のセルロース多孔質填料とを含む多孔質セルロース層を有し、
前記多孔質填料は前記多孔質セルロース層に内添されており、
前記多孔質填料はシリカまたはシリケートであり、
前記多孔質填料の平均粒子径が1μm以上4μm以下であることを特徴とする被記録媒体である。
本発明の第2の実施形態は、
叩解セルロースパルプ、マーセル化セルロース及びフラッフ化セルロースからなる群から選択され少なくとも1種のセルロース多孔質填料とを含む多孔質セルロース層と、
前記多孔質セルロース層上に設けられたインク受容層とを有し、
前記多孔質填料は前記多孔質セルロース層に内添されており、
前記多孔質填料はシリカまたはシリケートであり、
前記多孔質填料の平均粒子径が1μm以上4μm以下であることを特徴とする被記録媒体である。
ここで、前記多孔質セルロース層の密度が、0.7g/cm3以下であることが好ましい。
ここで、前記軽叩解セルロースパルプが、カナダ標準濾水度500ml以上のパルプであること好ましい。
ここで、前記多孔質填料、シリカ及びシリケートの少なくとも一方であることが好ましい。
ここで、前記多孔質セルロース層の前記多孔質填料の含量が、灰分換算で多孔質セルロース層全体の5質量%以上、20質量%以下であることが好ましい。
上記した本発明によって得られる代表的な効果は以下の通りである。
(1)本発明の実施形態は、厚みが150μm以下の薄い被記録媒体でも、インク吸収性が良好で、コックリングの発生頻度が少ない。また、通常の100%を超えるインク量の印字を行った際にも、印字後のコックリングの発生頻度が少なく、インク吸収性が良好で印字部に裏抜けが生じない。さらに印字直後の紙の伸びを小さくすることができるため、印字直後の急激な紙の変形を抑制することができる。
(2)本発明の実施形態は、被記録媒体表面の平滑化処理を行った場合でも、インク溢れがなく、高濃度で色調が鮮明な画像を形成することができる。
(3)本発明の実施形態は、支持体上にインク受容層を設けた構成の被記録媒体であっても、インク受容層を未形成の支持体と比較してコックリングの発生頻度が増加しない。
(被記録媒体)
以下、好ましい実施の形態をあげて本発明を詳細に説明する。本発明者は、支持体単独構成の被記録媒体、並びに支持体及びインク受容層を設けた構成の被記録媒体について、インク打ち込みによる変形、コックリングを防止するための種々の検討を行った。
その結果、低密度の多孔質セルロース層に多孔質填料を内添した構成の被記録媒体、又は低密度の多孔質セルロース層に多孔質填料を内添した支持体上にインク受容層を設けた構成の被記録媒体とすることにより、コックリングの発生が低減できることを見出し本発明に至ったものである。
なお、「内添」とは被記録媒体(多孔質セルロース層)の面方向及び厚み方向にわたって多孔質填料が分布していることを表す。また、厚み方向に多孔質填料が分布するとは、多孔質セルロース層の厚み方向の全体にわたってセルロース繊維間の細孔中に多孔質填料が存在していることを表す。例えば、被記録媒体の表面近傍にのみ多孔質填料が分布する状態は「内添」には含まれない。
特に、被記録媒体の厚みが150μm以下の薄い被記録媒体やカレンダー処理で表面を平滑化した被記録媒体においても、本発明の構成の被記録媒体とすることでコックリングの発生を効果的に抑制できる。また、支持体上にインク受容層を形成した構成においては、特にインク受容層形成に起因するコックリングの発生頻度の増加を抑制できることを見出した。
本発明の被記録媒体は、軽叩解セルロースパルプ、マーセル化セルロース及びフラッフ化セルロースからなる群から選択された少なくとも1種類のセルロースを含む多孔質セルロース層と、多孔質セルロース層に内添された多孔質填料を含む。本発明の被記録媒体は、多孔質填料を内添させた多孔質セルロース層単独からなっていても、前記多孔質填料を内添させた多孔質セルロース層を支持体とし、この支持体上に更にインク受容層を設けたものであっても良い。更に、本発明の被記録媒体では、多孔質セルロース層の一方の面(被記録媒体が支持体とインク受容層を有する場合には、インク受容層が設けられた面と反対側の面)にバックコート層を設けても良い。バックコート層は記録時等におけるカールの発生の防止と印字性を良好に確保する機能を有する。このバックコート層は、例えばアルミナを含む層から形成する事ができる。アルミナとしては、ベーマイト、擬ベーマイト、γ―アルミナ、θ―アルミナ等を挙げる事ができる。ただし、これらに限るわけではない。なお、本発明の被記録媒体においてはこのバックコート層を形成する場合においても、インク受容層を設ける場合と同様に層形成時にコックリングやカールなどを効果的に抑制することができる。
本発明の被記録媒体を構成する多孔質セルロース層は、低密度であり多孔質セルロース層を構成するセルロース繊維間に多数の細孔が形成されることにより多孔性となっている。
図1は本発明の被記録媒体の一例を示す断面図である。本発明の被記録媒体は、図1に示すように、セルロース2(軽叩解セルロースパルプ、マーセル化セルロース及びフラッフ化セルロース)を主成分とする多孔質セルロース層1から構成されている。セルロース2の繊維間には細孔3があり、細孔3内には多孔質填料4が存在している。前記多孔質填料4は、細孔3内に部分的に空隙を残した状態で存在している。各多孔質填料4は1本のセルロース繊維に接するか、又は全くセルロース繊維に接していない状態で充填されている。
図2は本発明の被記録媒体の別な形態を示す断面図である。被記録媒体は、図2に示すように、多孔質填料4が内添された多孔質セルロース層からなる支持体1上にインク受容層5が形成された構造を有する。支持体1とインク受容層5との界面には境界部6があり、両者の境界部6は電子顕微鏡写真などで明確に識別することができる。また、前記インク受容層5は、多孔質無機顔料で形成されている。
図1および2に示したように、本発明の一実施態様では支持体1を構成するセルロース2の繊維間には細孔3が存在している。この細孔3内において多孔質填料4は1本のセルロース繊維に接するか、又は全くセルロース繊維に接していない状態で充填されている。また、細孔3には多孔質填料4によって完全に充填されてない空隙部分が存在する。
(作用)
本発明の被記録媒体は以下の作用を有するものと考えられる。通常、多孔質セルロース層を構成するセルロース2はインクを吸収すると膨潤し、その後、収縮する。ここで、セルロース2の繊維間の細孔3に比表面積が大きい多孔質填料4が存在することによって、多孔質セルロース層1に浸透したインク成分はセルロース2に吸収される前に多孔質填料4に吸収される。そして、この後、多孔質セルロース層1の全体(セルロース2等)に拡散していく。この際、本発明の多孔質セルロース層には厚み方向の全体にわたって多孔質填料が存在しているため、効果的にセルロース2の膨潤変形を抑制することができる。
また、たとえセルロースがインクを吸収し膨潤した場合であってもセルロース2の繊維間の細孔3に硬度の高い多孔質填料4が存在することによってセルロース繊維間に形成される細孔構造を維持することができ、多孔質セルロース層1の変形を抑制することができる。
更に、細孔内に硬度の高い多孔質填料4が存在することにより、セルロース繊維の相対的な三次元配置を維持できる。この結果、インク吸収・乾燥に伴うセルロース2間の水素結合の切断及び形成を効果的に抑制することができる。
以上のような作用により本発明の被記録媒体においては、インク吸収に伴う変形を抑制することができるものと考えられる。
本発明の被記録媒体では特に、多孔質セルロース層1は低密度であり、その平均細孔径が5μm以上10μm以下の大きな細孔となっていることが好ましい。多孔質填料4は平均粒子径が1μm以上4μm以下の大きさであることが好ましく、多孔質填料4はセルロース2の繊維間に形成される細孔内に複数個、積み重なるように充填されていることが好ましい。多孔質填料4の平均粒子径がこれらの範囲内にあることによって、有効にセルロース繊維間の細孔に充填され、より効果的にセルロース繊維の三次元配置を保持することが可能となる。
次に、本発明の被記録媒体の作用を更に詳細に説明する。
(1)厚みが薄い被記録媒体のコックリング等の防止作用
特に厚みが150μm以下の薄い被記録媒体では、被記録媒体を構成するセルロース量が少ない。このため、インク吸収に伴うセルロースの伸縮や三次元的配置の変化が、コックリングやカールなどとなって顕著に表れる。しかし、本発明の被記録媒体においては、多孔質セルロース層を構成するセルロース繊維の剛性が高く、細孔内に含む多孔質填料のためにセルロース繊維の三次元的配置も変化しにくい。このため、たとえ厚みが薄くてもインク吸収に伴うコックリングやカール等の発生を効果的に防止することができる。
(2)カレンダー処理時のコックリング等の防止作用
被記録媒体にカレンダー処理を行う場合にはカレンダー処理時の圧力によって支持体1を構成するセルロース2が変形する。この際、特にセルロース2の繊維間の細孔3は、細孔を構成するセルロースの機械的強度の弱い部分から不均一につぶされて小さくなる。しかし、本発明の被記録媒体ではセルロース2の繊維間の細孔3に硬度が高い多孔質填料4が存在するため、細孔3は体積変化が起きにくい。また、セルロースの機械的強度も均一となるため、カレンダー時に被記録媒体全体に均一に加圧することができ特定の部分に圧力が集中して不均一に細孔がつぶされることを防ぐことができる。
さらに上記効果に加えて、多孔質填料4の添加量が多い場合にはセルロース2の表面を多孔質填料4で覆うことができ、各セルロース2における表面性状のバラツキを修正して、表面特性を均一化することができる。この結果、インク吸収性の均一化を図ることができ、吸収したインクを支持体1に均一に拡散させることが可能となる。また、多孔質填料4の内部細孔および多孔質填料4間に形成される空隙によってインク吸収を行うことができ、被記録媒体のインク吸収性を高めることができる。
(3)インク受容層を有する被記録媒体のコックリング等の防止作用
インク受容層5を支持体1上に形成した被記録媒体の場合は、インク受容層5の構成材料を水分散液にして支持体1上に塗工、乾燥することによって製造される。この際、塗工された水分散液の水分が支持体1に浸透する。この浸透した水分によって支持体1を構成するセルロース2は伸縮する。しかしながら、本発明の被記録媒体ではセルロース2の繊維間の細孔3には多孔質填料4が存在している。このため、乾燥工程でセルロース2の収縮が抑制されて、インク受容層の収縮と同程度となる。この結果、インク受容層5を形成した支持体1には乾燥時の応力(歪)が残らず、被記録媒体に印字を行ったときに吸収されたインクによって支持体1のセルロース2は伸縮するが安定な印字前の形状に戻り、変形は発生しにくくなる。
以上、本発明ではこれらの構成のいずれかの組み合わせによって、インク吸収性とコックリング防止、裏抜け防止の各効果を発現するものと考えられる。なお、本発明では多孔質セルロース層は低密度で細孔内部に多孔質填料が充填されており、セルロース繊維の三次元的配置が変わりにくくなっている。また、多孔質セルロース層を構成するセルロースの剛性も高い。このため、本発明の被記録媒体は機械的強度等、実用上、必要とされる特性を全て有する。
上記被記録媒体では、細孔内に多孔質填料が充填されていることにより、インク吸収、乾燥、カレンダー時等に伴うセルロース繊維の変形を効果的に抑制し、セルロース繊維の相対的な空間配置を保持できる。しかしながら、基本的なセルロース繊維の空間配置を保持しつつもある程度、セルロース繊維の変形を可能にした方が、セルロース繊維内部に内部応力が発生せず好ましい場合がある。そこで、本発明の別の実施形態では、特別な充填状態で多孔質填料を細孔内(セルロース繊維間に形成される細孔内)に充填させることにより、セルロース繊維の変形をある程度、可能とすることができる。この結果、セルロース繊維内部により内部応力を残留しにくくすることができる。
この被記録媒体では、多孔質填料の充填状態に特徴があり細孔内に充填された各多孔質填料はそれぞれ1本のセルロース繊維に接するか、又はセルロース繊維に全く接していない。以下、この多孔質填料の充填状態を図5〜7により詳細に説明する。
図6は、セルロース繊維31で構成される細孔32内に充填された多孔質填料33の一部(灰色の多孔質填料)が、セルロース繊維の交差部34で2本のセルロース繊維に接するように充填された状態を表している。図6(a)は細孔32が、3本のセルロース繊維で形成された状態、図6(b)は細孔32が、2本のセルロース繊維で形成された状態を表している。多孔質填料の平均粒子径が、多孔質セルロース層の平均細孔径よりも相当、小さい場合にこのような充填状態となる。このようにセルロース繊維の交差部34に多孔質填料が充填され2本のセルロース繊維に接することにより、交差部においてセルロース繊維が固定されることとなる。また、セルロース繊維の交差部以外の部分についても多孔質填料の充填によって固定されている。従って、インク吸収、乾燥、カレンダー時等にセルロース繊維は変形することができず、固定されたままとなる。この結果、セルロース繊維内に部分的に内部応力が残留する場合がある。
図7(a)、(b)も図6と同様、多孔質填料33の一部(灰色の多孔質填料)が細孔32内に2本のセルロース繊維に接するように充填された状態を表している。ただ、図7の多孔質填料では、図6の多孔質填料よりも平均粒子径が大きく、細孔内の交差部34以外の部分で2本のセルロース繊維に接している点が図6とは異なる。このような充填状態の場合、多孔質填料は交差部に接していないものの細孔内の相当の部分が多孔質填料によって占めらている。このため、細孔内にインク吸収、乾燥、カレンダー時等に伴うセルロース繊維の変形を吸収できる空隙部分が少ない。また、2本のセルロース繊維の相当の部分が1つの多孔質填料に接していおり、この多孔質填料に接したセルロース繊維の部分は完全に固定されることとなる。従って、図7の場合も図6と同様、インク吸収、乾燥、カレンダー時等にセルロース繊維は変形することができず、固定される。この結果、セルロース繊維内に部分的に内部応力が残留する場合がある。なお、図6及び7では多孔質填料が2本又は3本のセルロース繊維に接している場合を示したが、多孔質填料が4本以上のセルロース繊維に接している場合にも同様の問題が起こる場合がある。
これに対して図5(a)、(b)の細孔では、各多孔質填料が1本のセルロース繊維に接しているか、又はセルロース繊維に接しないように充填されている。このような充填状態では、セルロース繊維の交差部は多孔質填料によって固定されていない。また、1つの多孔質填料によって2本以上のセルロース繊維が完全に固定される部分は存在しない。このため、インク吸収、乾燥、カレンダー時等にセルロース繊維はある程度、変形することができるが、セルロース繊維の基本的な空間位置は細孔内への多孔質填料の充填によって保持される。また、このセルロース繊維の変形は、多孔質填料間に形成される空隙中で十分、吸収することができる。このため、セルロース繊維内により内部応力が残留しにくくなる。
なお、この実施態様の充填状態では、多孔質填料は全くセルロース繊維に接していないか、又は1本のセルロース繊維のみに接していれば良い(各多孔質填料が接するセルロース繊維の本数は0本又は1本である)。また、何れの場合であっても多孔質填料はセルロース繊維以外に他の多孔質填料に接していてもいなくても良い。この場合、多孔質填料が接する他の多孔質填料の個数は限定されるわけではなく、1個又は2個以上であっても良い。また、細孔は4本以上のセルロース繊維で形成されていても良い。本実施形態の被記録媒体では、その表面近傍や内部など厚み方向の全体にわたって、多孔質填料は上記のような状態で充填されている。また、この充填状態は、多孔質セルロース層上にインク受容層が形成されていてもいなくても変わらない。
細孔内の多孔質填料の充填状態は、以下の手順によって観察することができる。
(一)被記録媒体をミクロトームを用いて厚み方向に手動でゆっくり切断し、10点の試料を準備する。
(二)(一)で準備した各試料について、切断面の任意の部分を走査電子顕微鏡(S4000(商品名)、日立製作所社製)により倍率5000倍で拡大し撮影する。
(三)撮影した写真について画像解析装置(LUZEX AP(商品名)、ニコレ社製)により2次元画像解析の方法によって多孔質填料及びセルロース繊維の境界を判別する。
(四)(三)で判別した境界に基づき、目視で各写真に写っている多孔質填料とセルロース繊維が接しているかどうかを判断する。
なお、予備実験により、このような手順で観察を行った場合、観察用の試料作成時に多孔質填料の充填状態は変化せず、多孔質填料の充填状態を正確に確認できることが分かっている。
また、上記の方法で多孔質填料の充填状態を観察した場合、走査電子顕微鏡で撮影した部分によってはセルロース繊維、多孔質填料の何れにも接してない多孔質填料(見かけ上、浮いているように見える多孔質填料)が観察される場合がある。このような多孔質填料が観察される理由としては、走査電子顕微鏡写真に写らないような微細な物が多孔質填料を支えていたり、多孔質填料の背後に走査電子顕微鏡写真に写らないような配置で他の多孔質填料等が存在し、これが写真に写った多孔質填料を支えている場合などが考えられる。本明細書ではこのような多孔質填料であっても、「1本のセルロース繊維に接しているか、又はセルロース繊維に接していない」多孔質填料に含まれるものとする。
本発明の被記録媒体では上記(一)〜(四)の手順によって判別された全ての多孔質填料が、1本のセルロース繊維に接しているか、又はセルロース繊維に接していないことが好ましい。また、上記手順によって10点の試料につき観察された全ての多孔質填料の90%以上(数基準)、典型的には95%以上(数基準)が1本のセルロース繊維に接しているか、又はセルロース繊維に接していない場合であっても本発明の効果を奏することができる。以下、本発明の被記録媒体の各構成材料等について更に詳細に説明する。
(多孔質セルロース層の構成材料)
本発明の被記録媒体は、軽叩解セルロースパルプ、マーセル化されたセルロース及びフラッフ化セルロースからなる群から選択された少なくとも1種のセルロースを含む多孔質セルロース層と、多孔質セルロース層に内添された多孔質填料とを有する。多孔質セルロース層はシート状の媒体で、多孔質セルロース層を構成するセルロース繊維間の細孔には多孔質填料が存在する。以下、被記録媒体を構成する各構成材料について説明する。
本発明では、特別なセルロースを用いることによって、各セルロース繊維間の細孔容積を確保し、かかる細孔内に多孔質填料を充填することによって多孔質セルロース層の剛性を高めコックリングを低減することができる。また、得られる被記録媒体のインク吸収速度、インク吸収量を向上させることができる。セルロースパルプの密度は特開2004−66492号公報に記載された方法で測定することができる。
(1)軽叩解セルロースパルプ
本発明において、軽叩解セルロースパルプとは、走査電子顕微鏡を用いて倍率500倍で観察した場合に、セルロース繊維表面にフィブリルが実質的に観察されないセルロースパルプを表す。軽叩解セルロースパルプとは、主に木材などのチップから作った化学パルプに叩解処理をあまり行っていない低叩解度のパルプを表す。このような軽叩解セルロースパルプを用いることにより、セルロース間に形成される水素結合の数が少なくできるため、カレンダー処理後の多孔質セルロース層の密度を0.7g/cm3以下の低密度にすることができる。また、インク吸収、乾燥に伴い不可逆的に水素結合が形成される部分が少ないため、コックリングを効果的に抑制することができる。
軽叩解セルロースパルプとして好ましいのはカナダ標準濾水度500ml以上のパルプであり、より好ましくはカナダ標準濾水度550ml以上のパルプである。この範囲の叩解度であればセルロースパルプのコシが残っている上に支持体の密度を0.7g/cm3(カレンダー処理後)より更に低密度に制御することができる。また、多孔質填料の内添量を灰分換算で20質量%まで高くすることができ、コックリング抑制効果を高くすることができる。更に好ましいのはカナダ標準濾水度600ml以上のパルプである。この範囲の叩解度であれば支持体を更に低密度にすることができる上に、多孔質セルロース層を構成するセルロース繊維間の細孔を大きくできる。このため、多孔質填料をそれぞれの填料粒子間に大きな空隙を残した形で内添することができる。
なお、軽叩解セルロースパルプに処理を行いマーセル化セルロース、フラッフ化セルロースとしても良い。更に、本発明の多孔質セルロース層が、軽叩解セルロースパルプを含む場合、多孔質セルロース層に含まれるセルロースパルプの少なくとも一種が軽叩解セルロースパルプであれば良い。
(2)マーセル化セルロース
本発明において、マーセル化セルロースとは、原料パルプをアルカリ水溶液中で処理して得られたセルロースであり、セルロース中のセルロースII(水和セルロース)の割合を高くしたものである。セルロースIIは、セルロースの結晶構造の一つであり、マーセル化セルロースを用いることにより天然セルロースよりも被記録媒体を低密度にして多孔質填料を内添することができる。また、マーセル化セルロースは結晶構造の変化により剛性が付与されているため、インクを吸収してもセルロースが変形しにくくなる。
マーセル化は公知の任意の方法で行うことができる。マーセル化方法は例えば、Rydholm編「Pulping Processes」(Interscience Publishers, 1965)及びOtt, Spurlin及びGrafflin編「Cellulose and Cellulose Derivatives」 Vol.V, Part 1 (Interscience Publishers, 1954)に記載されており、これらの方法を用いることができる。
また、アルカリ水溶液としては、例えば水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)、水酸化リチウム水溶液(LiOH)、水酸化カリウム水溶液(KOH)及び水酸化ルビジウム(RbOH)水溶液等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BTMOH)などを用いることができる。
本発明のマーセル化セルロースは、セルロースIIの含有量が80質量%以上−100質量%以下になるように処理したものが好ましい。この範囲であればセルロースの剛性を保ったままでセルロース繊維間に形成される細孔の径を大きくすることができ、多孔質セルロース層に多孔質填料を効果的に内添することができる。なお、セルロースIIの含有量は特開2003−293284号公報に記載の方法で求めることができる。
(3)フラッフ化セルロース
本発明において、フラッフ化セルロースとは、原料セルロースパルプに架橋剤を添加した後、セルロースを変形させる機械的攪拌を行ってフラッフ化と加熱処理を行い、セルロース繊維の変形を固定して得られるものである。
フラッフ化セルロースはセルロースが互いに架橋によって固定されているため、インク吸収及び乾燥によってセルロース繊維及びセルロース繊維の三次元的配置が変形しにくくなっている。また、機械的攪拌によりセルロースは内部に大きな細孔を有するように固定されるため、多孔質セルロース層の密度を低くすることができる。
この機械的攪拌は、セルロースにカールや捻れのような変形を付与し、セルロース間の架橋を促進するために行われる。機械的攪拌にはディスクリファィナー、ニーダー、ディスパーザー等を使用することができる。また、加熱処理では添加した架橋剤とセルロースとの架橋反応を促進し、機械的攪拌で付与したカール、捻れ等の変形が固定される。
架橋剤としては公知のものを広く使用できるが、例えばホルムアルデヒド、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−尿素−ホルマリン樹脂等のホルマリン系の架橋剤、グリオキザール、ジアルデヒド化合物等の二官能アルデヒド系の架橋剤、ポリカルボン酸系の架橋剤、エチレン尿素系の架橋剤等を挙げることができ、これらの中から適宜選択して使用することができる。これらの架橋剤の添加率は、架橋剤の性質やセルロースとの反応性にもよるが、絶乾セルロース重量当り固形分で1〜10質量%の範囲であることが好ましい。
得られたフラッフ化セルロースのカールファクターは0.4以上、1.0以下が好ましい。この範囲内であればセルロース繊維間の間隙を大きく取ることができる上に、セルロースの剛性を高くすることができる。また、多孔質セルロース層中でセルロース同士の絡み合いも生じ易くなる。このフラッフ化の方法及びカールファクターの測定方法としては、特開平08−000667号公報、特開平11−229289号公報等に記された方法を用いることができる。
なお、本発明で用いるセルロースは同時に、軽叩解セルロースパルプ、マーセル化セルロース、フラッフ化セルロースであっても良い。例えば、マーセル化セルロースにフラッフ化を行ったもの、軽叩解セルロースパルプにマーセル化を行ったもの、軽叩解セルロースパルプにフラッフ化を行ったもの、軽叩解セルロースパルプにマーセル化及びフラッフ化を行ったものであっても良い。
(4)パルプ
本発明の被記録媒体の多孔質セルロース層を構成するセルロース(マーセル化セルロース、フラッフ化セルロース)のためのパルプ又は軽叩解セルロースパルプとしては、必要に応じて1種類または複数種類のパルプを併用することができる。例えば、広葉樹材及び針葉樹材から得られるサルファイトパルプ(SP)、アルカリパルプ(AP)、クラフトパルプ(KP)等の化学(ケミカル)パルプや、セミケミカルパルプ、セミメカニカルパルプ、機械(メカニカル)パルプ等、更には、脱墨された二次繊維である古紙パルプが使用可能である。また、パルプは未漂白パルプ、漂白パルプの区別、及び叩解、未叩解の区別なく使用可能である。
先に述べたようにパルプとしては、非木材パルプである、草、葉、靱皮、種毛等の繊維、例えば、藁、竹、麻、バガス、エスパルト、ケナフ、楮、三椏、コットンリンター等のパルプも使用できる。本発明ではコックリング抑制のために、カレンダー処理後の多孔質セルロース層の密度は0.7g/cm3以下が好ましい。なお、パルプの叩解処理条件及び添加量を制御することで密度を0.7g/cm3以下にすることができる。
更に、本発明の被記録媒体では、上記したパルプに加えて、微細フィブリル化セルロース、結晶化セルロース、広葉樹又は針葉樹を原料とする硫酸塩パルプ、亜硫酸塩パルプ、ソーダパルプ、ヘミセルラーゼ処理パルプ及び酵素処理化学パルプ等からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加して用いることもできる。これらのパルプの添加によって、得られる被記録媒体表面の平滑性向上や、地合いが良くなるといった効果がある。なお、本発明では、被記録媒体の多孔質セルロース層としては、単層構造、多層構造のどちらの構造でも用いることができ、特に制限はない。
(5)多孔質填料
本発明の多孔質填料とは、一次粒子が結合して二次粒子の形態を取るものである。多孔質粒子の形状としては、球状、塊形、針形など各種形状のものを用いることができる。セルロース繊維との相互作用を小さくするために多孔質填料の比表面積は50m2/g以上が好ましい。多孔質填料としては多孔質のものであればいずれの材料でも用いることができ、制限はない。好ましい材料はシリカまたはシリケートなどのシリカ系材料である。これらの多孔質填料は、その細孔構造の制御が容易である。また、インク吸収能が大きく、効果的にインクを吸収することができる。このため、インク吸収によるセルロースの伸縮を効果的に防止することができる。これらの多孔質填料は単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。多孔質填料は細孔径10〜100nmの細孔を有することが好ましい。
多孔質セルロース層への多孔質填料の添加量は、灰分換算で多孔質セルロース層全体の5質量%以上、20質量%以下が好ましい。5質量%以上のとき繊維の変形を効果的に抑制することができ、20重量%以下では紙粉の発生量を少なくすることができる。なお、この場合、多孔質填料の含有量は灰分換算で示され、灰分の測定はJIS P8128に従って行うことができる。
本発明では多孔質填料は多孔質セルロース層を構成するセルロース繊維間の細孔内に充填される。本発明ではコックリング抑制を効果的に行うためには、多孔質填料を多孔質セルロース層の面方向に均一に分布させることが好ましい。ここで、面方向とは被記録媒体の厚み方向に垂直なあらゆる方向を表す。多孔質填料を面方向に均一に分布させることで、被記録媒体の面方向で均一にインクを吸収することができ、コックリング等の発生をより効果的に防止することができる。
図1、図2に示すように多孔質填料の平均粒子径は、セルロース繊維間に形成される細孔の平均細孔径よりも小さくなっている。また、本発明では多孔質填料は、一つの多孔質填料が1本のセルロース繊維に接するか、又はセルロース繊維に接しないように存在することが好ましい。
本発明で用いるセルロース繊維間に形成される細孔の平均細孔径は、5μmから10μmの範囲が好ましい。また、多孔質填料の平均粒子径は1μm以上、4μm以下が好ましい。なお、多孔質填料の平均粒子径は、走査電子顕微鏡(S4000(商品名)、日立製作所社製)で撮影した写真から任意の20個の多孔質填料を抽出し、各多孔質填料の最も長い径の部分を測定した。そして、この20個の多孔質填料の最も長い径の平均値を平均粒子径とした。
本発明の被記録媒体の坪量としては、坪量が少なく被記録媒体が極端に薄くなければ、特に制限はない。例えば、坪量が、40g/m2以上、300g/m2以下の範囲であれば、プリンター等で印字する場合の搬送性の点で好ましい。更に好ましい範囲は、坪量が45g/m2以上、200g/m2以下の範囲のものである。この範囲とすれば、紙の折り曲げ強度が高くならずに不透明度を高くすることができる。更には、多数枚印字サンプルを重ねた時に、貼り付きが発生しにくくなる。本発明においては内添サイズ剤の使用は好ましくない。
(多孔質セルロース層の製造方法)
本発明では多孔質セルロース層材料と前記多孔質填料を混合して分散液としたものを抄紙して被記録媒体を製造する。しかしながら、本発明の被記録媒体の原料である軽叩解セルロースパルプ、マーセル化セルロース及びフラッフ化セルロースと多孔質填料は比重が異なる。このため、製造方法によってはたとえ低密度の多孔質セルロース層が得られても多孔質セルロース層内に多孔質填料が十分に内添されない場合がある(多孔質セルロース層内の全体にわたって多孔質填料が均一に分布しない場合がある)。
このため、本発明では多孔質セルロース層内に多孔質填料が十分に内添されるように被記録媒体を製造する。このような方法としては、具体的に以下の方法を用いることができる。まず、軽叩解セルロースパルプ、マーセル化セルロース及びフラッフ化セルロースからなる群から選択された少なくとも1種のセルロースと、多孔質填料を含む分散液を得る。次に、この分散液を用いて、例えば、以下の方法により被記録媒体を製造する。
(A)抄紙機での抄紙時にワイヤーパートでの原料分散液の脱水速度を遅くする方法
抄紙時のワイヤーパートでの原料分散液の脱水速度を遅くすることにより、セルロース繊維間に多孔質填料を挟持させながら抄紙する十分な時間を付与することができる。このため、多孔質填料が系外に流れ出すことを防止することができる。また、脱水時にセルロース繊維の配向が揃うことを防止でき、セルロース繊維や多孔質填料の分散状態をそのまま反映した、セルロース繊維がランダムに絡み合った被記録媒体とすることができる。この結果、セルロース繊維間に多数の細孔を残して低密度化できると共に、十分な紙力を有する被記録媒体とすることができる。
(B)抄紙機での抄紙時にワイヤーパートでの原料分散液の脱水速度を早くする方法
抄紙時のワイヤーパートでの原料分散液の脱水速度を早くすることにより、セルロース繊維や多孔質填料の分散状態を混濁状態から一気に凝集状態とすることができる。この場合、セルロース繊維の配向が揃ったり、多孔質填料が系外に流れ出す時間がないため、セルロース繊維や多孔質填料の分散状態をそのまま反映した被記録媒体とすることができる。また、低密度で、セルロース繊維から構成される多数の細孔内に多孔質填料を充填させた被記録媒体を得ることができる。なお、脱水速度を早くする方法としては、原料分散液の上部から加圧する方法や、ワイヤーパートの下部から原料分散液を吸引する方法などが挙げられる。
(C)原料の機械的な分散方法
上記方法(A)もしくは(B)と併用して、又は単独で機械的処理により原料分散液中のセルロース繊維の繊維形状や多孔質填料等の分散状態を変化させることによりセルロース繊維間の絡み合いを増加させることができる。また、セルロース繊維と多孔質填料間に相互作用を行わせて、多孔質填料を効果的にセルロース繊維間の細孔内に充填させることができる。この結果、低密度で多数の細孔内に多孔質填料を充填させた被記録媒体を得ることができる。
機械的処理方法としてはせん断応力を付与する方法や圧縮力を付与する方法などを挙げることができる。好ましくは、圧縮力を加えてセルロース繊維を扁平に変形させるのが良い。セルロース繊維を扁平に変形させることにより、セルロース繊維間に多孔質填料を充填させやすくすることができる。
本発明では、上記(A)〜(C)の製造方法を用いることにより、各多孔質填料が1本のセルロース繊維に接しているか、又はセルロース繊維に接していない状態で細孔内に充填された被記録媒体とすることができる。なお、本発明の被記録媒体では必要とする多孔質填料の充填状態に応じて、上記(A)〜(C)の製造方法の処理条件を調節したり、セルロース繊維間に形成される細孔の平均細孔径と多孔質填料の平均粒子径の比を調節しても良い。
本発明では、多孔質セルロース層を構成するセルロース繊維間に形成される細孔の平均細孔径の大きさは5μm以上、10μm以下の範囲が好ましい。なお、平均細孔径は特公平7−90659号公報(水銀圧入法)に記載の方法を用いて測定することができる。
また、セルロース繊維間の細孔径は、前記多孔質セルロース層材料及び多孔質填料の特性を調整することによって制御することができる。更に、セルロース間の細孔径は抄紙時の脱水速度およびプレス工程時の押圧を制御することによっても制御可能である。
本発明では、多孔質セルロース層の1μm以下の細孔径を有する細孔の細孔容積は0.2cm3/g以上が好ましい。この細孔径の範囲の細孔は、多孔質填料を細孔内に充填させた場合に多孔質填料間の空隙として形成される細孔である。この空隙部分によって、インク吸収によるセルロースの膨潤による変形を吸収することができる。また、半径1μm以上、10μm以下の細孔の細孔容積は0.5cm3/g以上が好ましい。この範囲内であれば多孔質填料が多孔質セルロース層から脱落することを防止することができる。
本発明においては、多孔質セルロース層にはバインダーとして機能する材料は基本的には使用しない。
(インク受容層の構成材料)
本発明の被記録媒体のインク受容層を構成する主材料は、多孔質無機顔料とバインダーである。多孔質無機顔料としては、例えば、多孔質シリカ、多孔質炭酸カルシウム、多孔質炭酸マグネシウム等の中から単独又は複数種を選択して用いることができる。細孔容積が大きい点で、多孔質シリカが最も好ましい。多孔質顔料の比表面積は100m2/g以上がインク吸収性と発色濃度を高くすることができるので好ましい。
本発明のインク受容層用のバインダーとしては、下記に挙げる水溶性高分子の中から自由に選択することができる。例えば、ポリビニルアルコール又はその変性体(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性)、澱粉又はその変性体(酸化、エーテル化)、ゼラチン又はその変性体、カゼイン又はその変性体、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸又はその共重合体、アクリル酸エステル共重合体等を用いることが好ましい。これらのバインダーは、単独で或いは複数種、混合して用いることができる。
前記した多孔質無機顔料とバインダーとの混合比は、顔料100質量部に対してバインダーを5から70質量部とすることが好ましい。バインダー量が上記範囲内にあるとき、インク受容層の機械的強度が十分となりクラックや粉落ちが発生する恐れがない。また、良好なインク吸収性を有することができる。
本発明の被記録媒体ではさらに、必要に応じてカチオン性ポリマーを添加することができる。好ましいカチオン性ポリマーとしては、例えば、4級アンモニウム塩、ポリアミン、アルキルアミン、ハロゲン化第4級アンモニウム塩、カチオン性ウレタン樹脂、変性PVA、アミン・エピクロルヒドリン重付加体、ジハライド・ジアミン重付加体、ポリアミジン、ビニル(共)重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びその誘導体、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、ジシアン系カオチン樹脂、ポリアミン系カオチン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリンアンモニウムクロリド−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基をエステル部分に有する(メタ)アクリレート含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基を有するスチリル型ポリマー、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系樹脂等の材料の中から適宜に選択して用いることができる。
本発明では、上記したインク受容層や表面層の構成材料に、更に、分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等を、必要に応じて添加することも可能である。
(インク受容層の形成方法)
本発明のインク受容層を有する被記録媒体において、多孔質セルロース層上にインク受容層を形成する方法としては、まず前記した多孔質無機顔料、バインダー及びその他の添加剤等からなる水分散液を作成する。次に、塗工機を用いてこの分散液を多孔質セルロース層上に塗布、乾燥する。この際に用いる塗工方法としては、一般に用いられているブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーターブラッシュコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、スプレー装置等による塗工技術を採用することができる。
分散液の塗布量は、乾燥固形分換算で、5g/m2以上、30g/m2以下であれば、インク吸収性とコックリングの発生を抑制することができる。より好ましい塗布量の範囲は、7g/m2以上、20g/m2以下である。この範囲内であれば、インク受容層の表面強度を強くすることができる。又、必要に応じてインク受容層形成後に、カレンダーロール等を用いてインク受容層の表面平滑性を良くすることも可能である。
(カレンダー処理)
上記のようにして多孔質填料を内添させた多孔質セルロース層、又は多孔質填料を内添させた多孔質セルロース層及びインク受容層を形成した後、カレンダー処理、熱カレンダー処理やスーパーカレンダー処理を行って被記録媒体の表面を平滑にする。本発明では平滑化処理後の多孔質セルロース層の密度は0.5g/cm3以上、0.7g/cm3以下が好ましい。密度を0.5g/cm3以上にするとインク受容層形成時にクラックが入りにくくなり、密度が0.7g/cm3以下の場合には内添した填料が支持体から脱落しにくくなる。なお、密度はJIS P8118の方法で測定する。
(本発明の画像形成方法に使用するインク)
本発明の画像形成方法は、インクの液滴を被記録媒体が備えるインク受容層の表面又は多孔質セルロース層(被記録媒体の一方の面)に付与して印字を行なうものである。この際、被記録媒体として、上記構成の被記録媒体を使用することができる。この場合に使用するインクは、主として色剤(染料若しくは顔料)、水溶性有機溶剤及び水を含むものである。
染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等に代表される水溶性染料を用いることが好ましい。また、染料としては上記構成の本発明の被記録媒体との組み合わせで、定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性、その他の要求される性能を満たす画像を与えるものであれば、いずれのものも使用することができる。
顔料としては、カーボンブラック等を用いることができる。この場合に顔料インクを調製する方法としては、顔料と分散剤を併用する方法、自己分散型顔料を用いる方法、顔料をマイクロカプセル化する方法等を用いることが可能である。
水溶性染料は、一般に水、又は水と水溶性有機溶剤からなる溶媒中に溶解して使用するものである。これらの溶媒成分や、上記顔料を分散させる溶媒としては、好ましくは水と水溶性の各種有機溶剤等との混合物を使用する。この際には、インク中の水分含有量が、20質量%以上、90質量%以下の範囲内となるように調整することが好ましい。
また、上記水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール等の炭素数が1から4の範囲のアルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトン等のケトン又はケトンアルコール類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール等のアルキレン基が2から6個の炭素数を含むアルキレングリコール類、グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられ、これらから選択された1種、或いは2種以上を選択して組合せて用いることができる。
これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、特にジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類を用いることが好ましい。多価アルコール類は、インク中の水が蒸発し、水溶性染料が析出することに基づくノズルの目詰まり減少を防止するための潤滑剤としての効果が大きいため、特に好ましい。
インクには可溶化剤を加えることもできる。代表的な可溶化剤としては、含窒素複素環式ケトン類が挙げられるが、その目的とする作用は、水溶性染料の溶媒に対する溶解性を飛躍的に向上させることにある。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましく用いられる。更に、インクの特性の改善のために、粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗調整剤等の添加剤を加えて用いることもできる。
(印字方法)
本発明にかかる被記録媒体に、上記で説明したようなインクを付与して画像形成を行なう方法としては、インクジェット記録方法が好適である。インクジェット記録方法としては、インクを微細孔(ノズル)より効果的に離脱させて、被記録媒体にインクを付与し得る方法であればいかなる方法でもよい。これらの中でも特に、特開昭54−59936号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット記録方式を特に有効に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明の内容は実施例によって限定されるものではない。先ず、実施例、参考例及び比較例の被記録媒体に印字物を形成する具体的な方法、及び、得られた印字物についての評価方法は、下記の通りである。
1)印字装置
インクジェットプリンター990i(キヤノン社製)をインクジェット記録装置として用い、実施例、参考例及び比較例の各被記録媒体に印字を行った。画像形成に用いたインク、染料は下記のとおりである。
・水性インク組成(合計100質量部)
染料 3質量部
界面活性剤(サーフィノール465、日信化学社製) 1質量部
ジエチレングリコール 5質量部
ポリエチレングリコール 10質量部
イオン交換水 81質量部
・上記水性インク用の染料(以下の4種類の染料のうち何れか一つの染料を用いた)
Y :C.I.ダイレクトイエロ−86
M :C.I.アシッドレッド35
C :C.I.ダイレクトブル−199
Bk:C.I.フ−ドブラック2。
2)被記録媒体
被記録媒体はそれぞれ、下記のようにして作成した210mm×297mmの大きさのものを使用して印字物を形成し、その評価を行った。印字物に対する諸物性の測定及び評価は、下記の要領で行なった。
1.印字後カール
上記プリンターで、150mm×150mmの正方形のパターンを被記録媒体の中央部に2色(インク量:200%)でべた印字を行った。その後、平らな台の上に1時間静置して、ハイトゲージ(HDM−30A(製品名):ミツトヨ社製)で反り量を測定して、下記のような5段階の基準で評価した。
カール量が1mm以下である場合をAA
カール量が1mmを超えて3mm以下である場合をA
カール量が3mmを超えて5mm以下である場合をB
カール量が5mmを超えて7mm以下である場合をC
カール量が7mmを超えるものをD
として評価した。
2.印字後のコックリング
上記プリンターで、150mm×150mmの正方形のパターンを被記録媒体の中央部に2色(インク量:200%)でべた印字した。印字直後の被記録媒体表面を目視で観察して、下記の基準で3段階評価した。
印字画像の正面及び斜め方向から観察して、コックリングや紙の変形が見られない場合をA
印字画像の斜めから観察してコックリングが観察されるが、正面からの観察ではコックリングや紙の変形が見られない場合をB
印字画像の正面からの観察で変形やコックリング等の変化が明らかに観察された場合をC
とした。
3.伸び率
上記プリンターで、150mm×150mmの正方形のパターンを被記録媒体の中央部に2色(インク量:200%)でべた印字した。被記録媒体のCD方向の印字部中央について、印字前における被記録媒体の印字部分の長さと、印字後における印字部分の長さを測定して、下記式によって伸び率を求めた。
伸び率=印字後の印字部分の長さ/印字前の印字部分の長さ。
4.吸収性
動的走査吸液計(東洋精機社製)を用いて、各被記録媒体にシアンインクを接触させて吸液量を求めて、下記の基準で評価した。
接触時間25ミリ秒での液体転移量が40cm3/m2以上の場合をAA
接触時間25ミリ秒での液体転移量が30cm3/m2以上40cm3/m2未満の場合をA
接触時間25ミリ秒での液体転移量が20cm3/m2以上30cm3/m2未満の場合をB
接触時間25ミリ秒での液体転移量が10cm3/m2以上20cm3/m2未満の場合をC
接触時間25ミリ秒での液体転移量が10cm3/m2未満の場合をDとした。
5.裏抜け
上記プリンターを用いて、単色から3色までのベタ印字を行った。印字後1時間放置してから、被記録媒体を印字面の反対側から目視観察して裏抜けを調べて、下記の基準で評価した。
インク量300%(3色混合)で裏抜けが発生していない場合をA
インク量200%(2色混合)で裏抜けが発生していない場合をB
インク量100%(単色)で裏抜けがない場合をC
インク量100%で裏抜けが観察される場合をD
とした。
その他の測定は下記の方法で行った。
A)カナダ標準濾水度
JIS−8121の方法で測定した。
B)多孔質セルロース層の灰分(多孔質セルロース層への多孔質填料の添加量に相当)
JIS−P8128の方法で測定した。
C)密度
多孔質セルロース層およびインク受容層を形成した多孔質セルロース層のカレンダー処理前、および処理後の密度はJIS P8118の方法で測定した。
D)多孔質填料の充填率
支持体(多孔質セルロース層)の断面を電子顕微鏡を用いて倍率3000倍で観察する。観察領域に元素分析を行って炭素、珪素の存在を調べる。測定結果から以下の3つに領域を分けてそれぞれの面積を求める。求めた面積から多孔質填料の充填率を計算する。
(1)炭素が検出された部分:セルロースが存在している
(2)珪素が検出された部分:多孔質填料が存在している
(3)炭素、珪素の両方とも検出されなかった部分:セルロース間の細孔
充填率(%)=珪素が検出された部分の面積/(珪素が検出された部分の面積+炭素、珪素の両方とも検出されなかった部分の面積)×100。
E)多孔質填料の充填状態の確認
明細書に記載の手順に従って、実施例1〜12及び参考例1〜2で作成した被記録媒体中の多孔質填料の充填状態を確認した。その結果、多孔質填料は被記録媒体中の面方向及び厚み方向の全体にわたって多孔質填料が分布していること(内添されていること)を確認できた。また、実施例1〜12及び参考例1〜2の被記録媒体では、セルロース繊維により形成される細孔内に存在する全ての多孔質填料がそれぞれ一本のセルロース繊維に接するか、又はセルロース繊維に接しないように充填されていた。
<実施例1>
原料パルプとして、ボルネオ産マングローブ材チップ(容積重700Kg/m3)を原料として得られたLBKP(カナダ標準濾水度680ml)をダブルディスクリファイナーによって叩解して、カナダ標準濾水度600mlに調整して原料パルプを得た。
多孔質填料としてシリカ(Sipernat350、商品名、粒子径3μm、比表面積50m2/g、デグッサ社製)を10質量%(灰分換算)、原料パルプに混合して抄紙原料(多孔質セルロース層材料)とした。
前記抄紙原料を用いて長網抄紙機を使用して坪量80g/m3に調整して抄紙した。さらに金属ロールとD硬度が85°である樹脂ロールからなるスーパーカレンダーを用いて、金属ロール温度70℃、線圧200Kg/cmで表面を平滑化して実施例1の被記録媒体を得た。
<実施例2>
実施例1と同じ原料パルプを用いて、実施例1と同じ装置で叩解してカナダ標準濾水度550mlに調整して原料パルプを得た。それ以外は実施例1と同じ方法を用いて実施例2の被記録媒体を作成した。
<実施例3>
実施例2と同じカナダ標準濾水度550mlのパルプと、カナダ標準濾水度450mlの市販のLBKPを調整してカナダ標準濾水度500mlの原料パルプを得た。それ以外は実施例1と同じ方法を用いて実施例3の被記録媒体を作成した。
<実施例4>
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)の未叩解品に、濃度15質量%の水酸化ナトリウム水溶液をパルプ濃度が5質量%となるように加え、20℃で30分間浸漬してマーセル化処理をした。次に、十分に水洗してpH7に調整した後、パルプ濃度5質量%となるように温水を加えて70℃で2時間処理し、次いで遠心脱水機を用いてパルプと温水を分別して嵩高パルプを得た。特開2003−293284号公報に記載の方法で、得られた嵩高パルプのセルロースIIの含有率を測定した結果、100質量%であり、マーセル化セルロースとなっていることが確認できた。前記嵩高パルプ30質量部と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)(カナダ標準濾水度550ml)70質量部を混合して原料パルプを得た。前記原料パルプに実施例1と同じ多孔質填料を10%(灰分換算)を混合して抄紙原料とした。
実施例1と同じ長網抄紙機を使用して坪量80g/m2に調整して抄紙した。また、実施例1と同じスーパーカレンダーを用いて、実施例1と同じ条件で金属ロールを用いて平滑化して実施例4の被記録媒体を得た。
<実施例5>
フラッフ化セルロースとして(NHB405、商品名、ウエアハウザー社製、カールファクター0.70)を用いた。実施例1と同じ方法で叩解処理を行ってカナダ標準濾水度600mlに調整して原料パルプを得た。それ以外は実施例1と同じ方法を用いて実施例5の被記録媒体を作成した。
<実施例6>
実施例1で用いた多孔質填料の代わりに、シリケート(Sipernat820A、商品名、粒子径5μm、比表面積85m2/g、デグッサ社製)を湿式粉砕して粒子径を4μmに調整した多孔質填料を用いた。前記多孔質填料以外は実施例1と同様に被記録媒体を作成して実施例6の被記録媒体を得た。
<実施例7>
実施例1で用いた多孔質填料の代わりに、珪酸カルシウム(CM−F、商品名、粒子径1.4μm、比表面積70m2/g、トクヤマ社製)を湿式粉砕して粒子径を1μmに調整した多孔質填料を用いた。前記多孔質填料以外は実施例1と同様に被記録媒体を作成して実施例7の被記録媒体を得た。
<実施例8>
実施例1のスーパーカレンダーの代わりに、金属ロールとD硬度が90°である樹脂ロールからなるソフトカレンダーを用いて、金属ロール温度130℃、線圧250Kg/cmで表面を平滑化した。それ以外は実施例1と同じ方法を用いて実施例8の被記録媒体を作成した。
<実施例9>
実施例1の多孔質セルロース層上にBET比表面積220m2/gの乾式シリカ(レオロシールQS−20(商品名)、徳山曹達社製)100質量部、ポリビニルアルコール(PVA117(商品名)、クラレ社製)30質量部、カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001(商品名)、住友化学社製)20質量部をイオン交換水に分散して、乾燥固形分濃度20質量%の塗工用分散液を作成した。次に、得られた塗工用分散液を、上記で得た多孔質セルロース層上にバーで塗工し、その後に乾燥して固形分量10g/m2の多孔質インク受容層を形成した。その後、金属ロールとD硬度が85°である樹脂ロールからなるスーパーカレンダーを用いて、金属ロール温度100℃、線圧200Kg/cmで多孔質インク受容層表面を平滑にして実施例9の被記録媒体を得た。
<実施例10>
実施例9で用いたインク受容層材料の代わりに、BET比表面積280m2/gの湿式シリカ(ファインシールX45(商品名)、徳山曹達社製)100質量部、ケイ素変成ポリビニルアルコール(R1130(商品名)、クラレ社製)30質量部、カチオン性樹脂(PAS−J81(商品名)、日東紡社製)10質量部を用いた。それ以外は実施例9と同じ方法を用いて実施例10の被記録媒体を作成した。
<実施例11>
実施例1と同じ原料パルプ、多孔質填料を用いて、坪量を64g/m2にした以外は実施例1と同じ方法で抄紙およびスーパーカレンダーを行って実施例11の被記録媒体を得た。
<実施例12>
実施例1と同じ原料パルプ、多孔質填料を用いて、多孔質填料の添加量を20質量%(灰分換算)にした以外は実施例1と同じ方法で抄紙およびスーパーカレンダーを行って実施例12の被記録媒体を得た。
参考例1
実施例6で用いた多孔質填料(粒子径5μm)を湿式粉砕して粒子径4.2μmに調整して用いた。前記多孔質填料以外は実施例1と同様に被記録媒体を作成して参考例1の被記録媒体を得た。
参考例2
実施例7で用いた多孔質填料(粒子径1.4μm)を粉砕して粒子径0.9μmに調整して用いた。前記多孔質填料以外は実施例1と同様に被記録媒体を作成して参考例2の被記録媒体を得た。
<比較例1>
多孔質填料を用いない以外は、実施例1と同じ方法を用いて坪量80g/m2に抄紙して比較例1の被記録媒体を得た。なお、抄紙後に被記録媒体のカレンダー処理は行わなかった。
<比較例2>
多孔質填料を用いない以外は、実施例1と同様にして被記録媒体を作成して、比較例2の被記録媒体を得た。
<比較例3>
多孔質填料を用いない以外は、実施例9と同様に被記録媒体を作成して、比較例3の被記録媒体を得た。
<比較例4>
原料パルプとして市販のLBKPを叩解してカナダ標準濾水度490mlに調整し、且つ抄紙後に被記録媒体のカレンダー処理を行わなかった以外は実施例1と同じ方法を用いて抄紙し、比較例4の被記録媒体を得た。
<比較例5>
原料パルプとして市販のLBKPを叩解してカナダ標準濾水度490mlに調整した以外は、実施例1と同様に被記録媒体を作成して、比較例5の被記録媒体を得た。
<比較例6>
原料パルプとして市販のLBKPを叩解してカナダ標準濾水度490mlに調整した。これ以外は、実施例9と同様に被記録媒体を作成して、比較例6の被記録媒体を得た。
なお、実施例1及び5〜12、参考例1〜2のカナダ標準濾水度600mlに調整した原料パルプ、実施例2〜4のカナダ標準濾水度550mlに調整した原料パルプについてそれぞれ、走査電子顕微鏡(S4000(商品名)、日立製作所社製)を用いて倍率500倍で観察した。その結果では、セルロース繊維表面にフィブリルが観察されなかった。このため、実施例1〜12、参考例1〜2で使用した上記の原料パルプは軽叩解セルロースパルプであることを確認できた。また、比較例4〜6のカナダ標準濾水度490mlに調整した原料パルプについて同様に観察したところ、セルロース繊維表面に多数のフィブリルが観察された。このため、比較例4〜6で使用した上記の原料パルプは軽叩解セルロースパルプではないことを確認できた。
上記実施例1〜12、参考例1〜2及び比較例1〜6で作成した被記録媒体についてカール、コックリング、伸び率、吸収性、裏抜けの評価を行った結果を表1に示す。
Figure 0004914134
表1の結果より、実施例1〜12及び参考例1〜2の被記録媒体ではカール、コックリング、吸収性及び裏抜けの全ての評価結果がB以上であり、伸び率もほとんどのものが1.5以下であった。これに対して、比較例では上記評価結果のいずれかはC又はCよりも悪い結果となった。比較例1の被記録媒体では厚みが157μmのためコックリング評価はBとなったが、裏抜けの評価がDとなった。インク受容層のない比較例1、2、4、5の被記録媒体では伸び率は2.0以上となった。このため、本発明の構成の被記録媒体とすることによりコックリング及びカール等を効果的に防止できることが分かる。
本発明の被記録媒体の一例を表す断面図である。 本発明の被記録媒体の一例を表す断面図である。 従来の製造途中の被記録媒体を表す断面図である。 従来の製造途中の被記録媒体を表す断面図である。 本発明の被記録媒体の多孔質填料の充填状態の一例を表す図である。 従来の被記録媒体の多孔質填料の充填状態の一例を表す図である。 従来の被記録媒体の多孔質填料の充填状態の一例を表す図である。
符号の説明
1:支持体
2:セルロースパルプ
3:パルプ繊維間の隙間
4:多孔質填料
5:インク受容層
6:支持体とインク受容層の境界(界面)
21:分岐した突起
22:セルロース
23:水
31:セルロース繊維
32:細孔
33:多孔質填料
34:交差部

Claims (5)

  1. 軽叩解セルロースパルプ、マーセル化セルロース及びフラッフ化セルロースからなる群から選択され少なくとも1種のセルロース多孔質填料とを含む多孔質セルロース層を有し、
    前記多孔質填料は前記多孔質セルロース層に内添されており、
    前記多孔質填料はシリカまたはシリケートであり、
    前記多孔質填料の平均粒子径が1μm以上4μm以下であることを特徴とする被記録媒体。
  2. 叩解セルロースパルプ、マーセル化セルロース及びフラッフ化セルロースからなる群から選択され少なくとも1種のセルロース多孔質填料とを含む多孔質セルロース層と、
    前記多孔質セルロース層上に設けられたインク受容層とを有し、
    前記多孔質填料は前記多孔質セルロース層に内添されており、
    前記多孔質填料はシリカまたはシリケートであり、
    前記多孔質填料の平均粒子径が1μm以上4μm以下であることを特徴とする被記録媒体。
  3. 前記多孔質セルロース層の密度が、0.7g/cm3以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の被記録媒体。
  4. 前記軽叩解セルロースパルプが、カナダ標準濾水度500ml以上のパルプであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の被記録媒体。
  5. 前記多孔質セルロース層の前記多孔質填料の含量が、灰分換算で多孔質セルロース層全体の5質量%以上、20質量%以下であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の被記録媒体。
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