JPH08197836A - インクジェット記録用透明紙 - Google Patents

インクジェット記録用透明紙

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JPH08197836A
JPH08197836A JP7009027A JP902795A JPH08197836A JP H08197836 A JPH08197836 A JP H08197836A JP 7009027 A JP7009027 A JP 7009027A JP 902795 A JP902795 A JP 902795A JP H08197836 A JPH08197836 A JP H08197836A
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JP
Japan
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pulp
sheet
paper
fine
ink
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JP7009027A
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Inventor
Hiroshi Suenaga
浩 末永
Chitose Kawamata
千登勢 河又
Hisao Ishikawa
久夫 石川
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、インクジェット方式のプリンタ
ー、及びプロッターなどを用いて高速で高品位の画像を
プリントすることができ、さらに製図用等のトレーシン
グペーパー、または第二原図用紙などとして使用するこ
とのできる透明性の良好なインクジェット記録用紙を提
供しようとするものである。 【構成】 JAPAN TAPPI No.26-78により規定される保水
度が210〜400%の微細繊維化パルプを全原料パル
プ中に70重量%以上含有し、かつサイズ剤および/ま
たは界面活性剤を含有し、坪量が20〜130g/m2、 か
つ不透明度が50%以下であるインクジェット記録用透
明紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
ター、及びプロッターなどに使用されるインクジェット
用記録シートであって、ドットの形状が均一で、鮮明で
色彩の優れた記録画像が得られ、かつ製図用などのトレ
ーシングペーパーや第二原図用紙として使用可能な透明
性の良好なインクジェット記録用シートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式のプリンターの性能
とインクの改良によって、インクジェット用紙として普
通紙を使用して、鮮明な画像、印字品位を得ることが可
能となってきた。しかし、インクジェット記録に於いて
多色且つ高速高精細の画像を得るためには、依然として
克服されなければならない点が多い。市販の上質紙、中
質紙は優れた筆記性、印刷適性を有しているものの、イ
ンクジェット被記録材として使用すると、以下に述べる
欠点を有している。
【0003】インクジェットは、記録中又は記録直後、
記録装置自体の一部あるいは指などが記録部に触れる
と、インクの受容が速やかでない場合、受容されていな
いインクがこすれて汚れが生じ、画像品位を著しく低下
させることがある。更に記録の判読が不可能になる場合
もある。また、別の場合としてはインクが被記録材に円
状に付着後、ドットからヒゲ状のもの(フェザーリン
グ)が発生し、真円度の著しく低いドットとなり、ドッ
ト形状が悪く、鮮明な画像を得ることができないことも
ある。これらの問題を改善し、プリントの品位、彩度、
外観、画像を更に魅力あるものとするために、ますます
より高度な特性を持つ記録材が要求されるようになって
いる。特にプリント速度、解像度、彩度などの向上によ
って、被記録材に対しても高速吸収性、高吸収容量、規
則的なインクのにじみ等、より高度な特性が要求される
ようになり、インク受容性被覆層を表面に設けたいわゆ
る塗工タイプのインクジェット用紙が開発されている。
【0004】例えば、特開昭62-158084 号公報には、微
粒子合成シリカを用い、高い水性インク吸収性、色再現
性および色濃度を持つインクジェット記録媒体の製造方
法が開示されている。すなわち、前記のような要求特性
に応じるために、微粒子合成シリカのような吸液性の優
れた白色顔料を主成分とする被覆層をセルロースパルプ
を主成分とする基紙の表面に設けることが通常実施され
ている。一方、近年、インクジェットプリンターの用途
拡大、特にインクジェットプロッターの市場開拓等か
ら、設計製図分野等で、従来の手書きによる図面作成方
法からコンピューターによるCADシステムを用いた作
図方法が一般的になりつつある。インクジェット用製図
用紙としては、一般的な普通紙・塗工紙タイプからジア
ゾコピー用の半透明タイプ(例えばトレーシングペーパ
ー等)が必要とされる。
【0005】半透明タイプのインクジェット用紙として
は、例えば特開平5-246130号公報に透明紙上に粒径3〜
10μmのシリカとエマルジョン型カチオン性導電剤を
含有した親水性高分子化合物を塗布したインクジェット
用透明紙が開示されている。一方、オーバーヘッドプロ
ジェクター用フィルムとして、例えば、特開昭60-14587
9 号公報にポリエチレンテレフタレートフィルム上に鹸
化度75%以上のポリビニルアルコールとポリビニルピ
ロリドンの混合物を塗布したシートが、また特開昭61-1
93879 号公報には、ポリエステルフィルム上に水溶性セ
ルロースとポリビニルピロリドンの混合物を塗布したシ
ートがそれぞれ開示されている。しかしながら、これら
の記録シートは、インクの受容層として親水性樹脂を用
い、樹脂の吸水・膨潤作用によってインクを定着させる
ため、大気中の湿気などでシート表面がべとついたり、
汗をかいた手などでシートを触れると指紋が転写した
り、また、シート同士のブロッキング等の問題が発生す
るため、このような問題を解決し、インクジェット記録
の可能な透明紙が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェ
ットプリンター、及びプロッターなどにより高品位の画
像を高速でプリントすることができ、さらに製図用のト
レーシングペーパー、ジアゾコピーの原稿などとして使
用することの出来る透明性の良好なインクジェット記録
用紙を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録用透明紙は、JAPAN TAPPI No.26-78により規定され
る保水度が210〜400%の微細繊維化パルプを全原
料パルプ中に70重量%以上含有し、かつサイズ剤およ
び/または界面活性剤を含有し、さらに坪量が20〜1
30g/m2、かつ不透明度が50%以下であることを特徴
とするインクジェット記録用透明紙である。本発明のイ
ンクジェット記録用透明紙においては、前記微細繊維化
パルプが、媒体撹拌ミルまたは振動式ミルにより微細化
処理して得られたものであることが好ましい。さらに本
発明のインクジェット記録用透明紙においては、前記サ
イズ剤および/または界面活性剤の含有量が、前記全原
料パルプに対して、0.1〜10重量%であることが好
ましい。
【0008】
【作用】本発明者等は、かかる現状に鑑み、鋭意研究し
た結果、保水度210〜400%を有する微細繊維化パ
ルプをシートの原料中に70重量%以上配合して製造さ
れ、且つ、界面活性剤および/または抄紙用サイズ剤を
内添、または外添することにより、インクジェットプリ
ンター/プロッターで印字ができ、かつ印字物の不透明
度が50%以下と低く、図面などに使用でき、さらに用
紙のべとつき等がないインク発色性のよいシートを得る
ことに成功した。本発明に使用される微細繊維化パルプ
は、媒体撹拌ミル(特開平4-18186 号公報)、振動ミル
(特開平6-10286 号公報)によりパルプを湿式粉砕処理
することにより得られる。これらの装置により湿式粉砕
処理されたパルプを通常の叩解装置であるリファイナー
またはビーターで処理されたパルプと比較すると、パル
プ繊維への叩解作用に大きな相違があり、パルプ物性も
大きく異なることが判った。
【0009】本発明の媒体撹拌ミル、振動ミルは、通常
のリファイナー、ビーター処理に比べ、穏やかな剪断応
力が作用していること、またパルプ繊維の繊維壁は微細
なミクロフィブリルが配向して形成されており、本発明
の媒体撹拌ミル、振動ミル処理ではこのミクロフィブリ
ル間の結合を弱めるように有効に力が作用しているた
め、パルプ繊維の損傷が少なく、微細化できる。このた
め柔軟性が高く、パルプ繊維の長さ方向だけでなく3次
元的に微細繊維が広がっているため、微細繊維化パルプ
を用いたシートをインクジェットプリンター/プロッタ
ーで印字するとインキがパルプ繊維に沿って滲むフェザ
ーリングが抑えられる。また、微細繊維化パルプはそれ
自体、水を保持する量が通常叩解パルプに比べ多いた
め、水性インキに触れると微細繊維化パルプは通常叩解
パルプよりも膨潤し、インキ中の水分を効率よく吸収で
きるため、優れた印字像の得られることが判った。媒体
撹拌ミルは、固定した粉砕容器に挿入した撹拌機を高速
で回転させて、粉砕容器内に充填した媒体(例、ガラス
ビーズ、アルミナビーズ等)と試料を撹拌して剪断応力
等の力を発生させて試料を粉砕する装置であり、塔式、
槽式、流通管式、アニュラー式等があるが、媒体撹拌方
式であればどの装置でも使用可能である。振動ミルは、
粉砕容器を高速振動させることにより、容器内に充填さ
れたビーズ、ボールまたはロッド間で試料を衝撃、剪断
等の力を作用させる粉砕装置である。また、本発明で使
用する微細繊維化パルプは、パルプ繊維の長さ方向だけ
でなく、3次元的に微細繊維が広がっており、通常叩解
パルプを全原料パルプ中に30%を越えない範囲で配合
しても、微細繊維が通常叩解パルプ間の空隙を埋めるよ
うにパルプ同士を結合させるため、インクジェットプリ
ンター/プロッターでの印字像は優れている。
【0010】本発明で使用する微細繊維化パルプの保水
度は、210〜400%の範囲であり、好ましくは21
0〜350%である。保水度が高い程、繊維の微細化が
進んでインクジェットプリンター/プロッターでの印字
像は鮮明となり、かつ記録シートの透明性も向上する
が、保水度が400%を越えるとシート強度が低下す
る。一方、保水度が210%未満では微細繊維化が十分
ではないため印字像は不鮮明となり、また記録シートの
透明性も低下する。ここでいう保水度はJAPAN TAPPI N
o.26-78により規定されている値である。本発明の微細
繊維化パルプの配合量は、全原料パルプの70重量%以
上、好ましくは80重量%以上であり、共に配合する通
常叩解パルプの原料の種類(叩解広葉樹漂白パルプ、叩
解針葉樹漂白パルプ、コットン、リンター、等)や叩解
度にもよるが、微細繊維化パルプの配合量が70重量%
未満では、フェザーリング等が起こり易くなり、印字の
画質が低下する。また、微細繊維化パルプと併用する通
常叩解パルプのフリーネスは、カナダ標準フリーネスで
400ml以下が好ましく、さらに300ml以下がよ
り好ましい。叩解が十分に進むことにより、パルプ繊維
の柔軟性が良好となり、シートに配合した場合、緻密な
構造を取ることが可能となる。
【0011】微細繊維化パルプの原料としては、クラフ
トパルプ化、サルファイトパルプ化、アルカリパルプ化
等で得られる針葉樹、広葉樹漂白化学パルプ、コット
ン、リンター、古紙パルプ等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。また、配合する通常叩解パルプの
原料についても、微細化パルプと同様にクラフトパルプ
化、サルファイトパルプ化、アルカリパルプ化等で得ら
れる針葉樹、広葉樹漂白化学パルプ、コットン、リンタ
ー、古紙パルプ、機械パルプ等を使用できるが、特に限
定されるものではない。
【0012】本発明においては、シート化の際にサイズ
剤および/または界面活性剤を、内添または外添する方
法により用いられる。本発明に使用される界面活性剤と
しては、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩等
のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジア
ルキルスルホコハク酸エステル塩等のスルホン酸塩、高
級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エ
ステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸
エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エス
テル塩等から成るアニオン性界面活性剤、脂肪族アミン
塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩の
ような芳香族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム
塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等の複素環4
級アンモニウム塩等からなるカチオン性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル等のエーテル型、ポリオキ
シエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステルなどのエーテルエステル
型、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル等のエステル型、ポリオキシエチ
レン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン
等の含窒素型等からなるノニオン(非イオン)性界面活
性剤が挙げられるが、これらの中から1種或いは2種以
上を適宜選択して用いてもよい。これらの中でも、カチ
オン性界面活性剤が好ましく、中でも脂肪族アミン塩、
脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩のよう
な芳香族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ピ
リジニウム塩、イミダゾリニウム塩等の複素環4級アン
モニウム塩等が特に好ましく、記録の鮮明なインクジェ
ット記録用透明紙が得られる。その理由としては明らか
でないが、通常市販されているインクジェットプリンタ
ー用のインクの成分として、アニオン性成分が含まれて
いることが一因であると考えられる。これらの界面活性
剤の添加量は、その種類や微細繊維化パルプまたは繊維
状セルロース、及びインクジェットプリンター用のイン
クへの付着性などによって異なり、一概には特定できな
いが、微細繊維化パルプを主体とする全原料パルプに対
して、絶乾固形分で0.1〜10重量%が好ましく、よ
り好ましくは0.5〜8重量%で、所望の範囲の嵩高さ
を有するシートが得られ、インクジェット印字適性に優
れると同時に、鉛筆書きした場合にもシート裏面に跡が
残るようなこともなく、また不透明度も50%以下に保
たれる。前記の如き界面活性剤の優れた効果について
は、微細繊維状パルプをシート化するときに内添または
外添することにより、界面活性剤がセルロースの親水基
部分に付加し、セルロースの湿潤マットが乾燥する際
に、微細繊維状パルプのセルロース繊維と別の繊維の間
に生じる水素結合がかなりの部分で阻害され、微細繊維
と繊維との間に小さな空隙ができ、その結果、インクジ
ェット用インクの染み込み性能が向上し優れた記録適性
が得られるものと思われる。
【0013】本発明に使用される抄紙用サイズ剤として
は、ロジン系サイズ剤、あるいはアルケニル無水コハク
酸系、アルキルケテンダイマー系、シリコン系、ワック
ス系、石油樹脂系等の合成サイズ剤等を挙げることがで
き、これらの中から適宜用いることができる。これらの
サイズ剤の使用量は、一概には特定できないが、微細繊
維化パルプを主体とする全原料パルプに対して、絶乾固
形分で0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜8重量
%がより好ましい。理由は明らかではないが、前記界面
活性剤と同様な効果が得られる。
【0014】本発明の基紙の不透明度は50%以下であ
り、不透明度が50%を越えると、本発明の記録用紙の
用途の一例として、ジアゾコピー等に用いた場合に、鮮
明な複写像が得られない。本発明の微細繊維化パルプか
らシートを作製する場合、脱水性が通常叩解パルプに比
べて悪いが、例えば脱水能を強化した連続式抄紙機
(A)のワイヤー上、またはスチールベルトの代わりに
ワイヤーベルトを使用した連続式流延装置(B)のワイ
ヤー上に固形分濃度0.5〜3重量%の原料を用い押出
法により紙層を形成し、その後プレス処理、乾燥処理す
ることによりシートを作製することができるが、これに
よりシート作製法を限定するものではない。
【0015】
〔評価基準〕
◎:非常に良好で、実用的に全く問題なし。 ○:良好で、実用的に問題なし。 △:やや劣り、実用的にやや問題あり。 ×:かなり悪く、実用的に問題あり。(7)インク吸収速度の測定法 (6)におけるインクジェット記録の直後、ベタ印刷部
分(2色刷り部)のテカリがなくなるまでに要する時間
を測定した。時間が短い程インク吸収速度が大であるこ
とを示し、10秒以内であることが記録紙としての必要
条件である。
【0016】実施例2 内添サイズ剤を使用せず、サイズ剤としてスチレン系サ
イズ剤(商標:カーボミュール、ディックハーキュレス
社製)を0.3g/m2塗布(外添)した以外は、実施例1
と同様にして絶乾坪量60g/m2のシートを作製した。
【0017】実施例3 固形分濃度1%の広葉樹漂白クラフトパルプの水懸濁液
を、六筒式サンドグラインダー(アイメックス(株)
製、処理容量300ml)にて処理し、保水度390
%、長さ加重平均繊維長が0.54mmである微細繊維化
パルプを得た。この微細繊維化パルプ100%配合原料
に、界面活性剤としてアニオン性界面活性剤(商標:フ
ァインソフト70、第一工業製薬(株)製)を絶乾パル
プ当たり固形分として5%加え、よく撹拌した後は、実
施例1と同様にして絶乾坪量60g/m2のシートを作製し
た。
【0018】実施例4 アニオン性界面活性剤(商標:ファインソフト70、第
一工業製薬(株)製)を内添する代わりに、カチオン性
界面活性剤(商標:ソフノンSSK−15、東邦化学
(株)製)をシート表面に0.5g/m2塗布(外添)した
以外は実施例3と同様にして、絶乾坪量60g/m2のシー
トを作製した。
【0019】実施例5 固形分濃度1.5%の針葉樹漂白クラフトパルプの水懸
濁液を、実験用振動ミル(型式:MB−1、中央化工機
(株)製、容量3400ml)にて処理し、保水度22
0%、長さ加重平均繊維長が2.08mmである微細繊維
化パルプを得た。また、固形分濃度3%の針葉樹漂白ク
ラフトパルプの水懸濁液を12インチリファイナー(熊
谷理機工業社製)にて処理し、カナダ標準フリーネス2
00mlの叩解パルプを得た。そして、配合割合が微細
繊維化パルプ80%、リファイナー叩解パルプ20%の
混合原料パルプを得た。この原料パルプに、アニオン性
界面活性剤(商標:ファインソフト70、第一工業製薬
(株)製)を絶乾パルプ当たり固形分として5%、ロジ
ンサイズ剤(商標:SPE、荒川化学(株)製)を絶乾
パルプ当り1%、サイズ定着剤(硫酸バンド)を絶乾パ
ルプ当り5%加え、よく撹拌した後は、実施例1と同様
にして絶乾坪量30g/m2のシートを作製した。
【0020】実施例6 アニオン性界面活性剤を内添する代わりに、シート作製
後に、カチオン性界面活性剤(商標:エレガノールAH
F、明成化学工業(株)製)を0.3g/m2塗布(外添)
したこと以外、実施例5と同様にして絶乾坪量30g/m2
のシートを作製した。
【0021】実施例7 ロジンサイズ剤を内添する代わりに、シート作製後にス
チレン系サイズ剤(商標:カーボミュール、ディックハ
ーキュレス社製)を0.3g/m2塗布(外添)したこと以
外、実施例5と同様にして絶乾坪量30g/m2のシートを
作製した。
【0022】比較例1 固形分濃度3%の針葉樹漂白クラフトパルプの水懸濁液
を12インチリファイナー(熊谷理機工業社製)にて処
理し、カナダ標準フリーネス30mlの叩解パルプを得
た。このリファイナー叩解パルプを微細繊維化パルプの
代わりに使用すること以外、実施例1と同様にして絶乾
坪量60g/m2のシートを作製した。
【0023】比較例2 サイズ剤を除いたこと以外は、実施例1と同様にして、
絶乾坪量60g/m2のシートを作製した。
【0024】比較例3 界面活性剤を除いたこと以外は、実施例3と同様にし
て、絶乾坪量60g/m2のシートを作製した。
【0025】比較例4 サイズ剤および界面活性剤を除いた以外は、実施例5と
同様にして絶乾坪量30g/m2のシートを作製した。
【0026】比較例5 微細繊維化パルプが、保水度190%までダイノミルで
処理して得られたこと以外は、実施例1と同様にして絶
乾坪量60g/m2のシートを作製した。
【0027】比較例6 微細繊維化パルプが、保水度420%まで六筒式サンド
グラインダーで処理して得られたこと以外は、実施例3
と同様にして絶乾坪量60g/m2のシートを作製した。ま
た、比引裂強度が35となり、実施例3のシートより3
2%低下した。
【0028】比較例7 微細繊維化パルプを60%、リファイナー叩解パルプを
40%配合して混合パルプを調整したこと以外は、実施
例5と同様にして絶乾坪量30g/m2のシートを作製た。
【0029】比較例8 絶乾坪量を15g/m2としたこと以外は、実施例5と同様
にしてシートを作製した。
【0030】比較例9 絶乾坪量を140g/m2としたこと以外は、実施例2と同
様にしてシートを作製た。
【0031】各実施例および比較例で得られたシートの
物性および各種用途における品質適性を評価し、結果を
表1に示す。表1より明らかなように、保水度が210
〜400%の微細繊維化パルプを用いて、サイズ剤およ
び/または界面活性剤を添加して得られたシートは、イ
ンクジェットプリンター用透明紙としての適性があり、
この用途に充分使用することができる(実施例1〜
7)。また、リファイナー叩解に代表される通常叩解方
法で、フリーネスが30ml程度までパルプを叩解して
も、不透明度は50%以下のシートが得られるが、イン
クジェットプリンター用紙としての適性が満たされない
(比較例1)。微細繊維化パルプを用いた場合でも、サ
イズ剤または界面活性剤のいづれをも添加しない場合、
透明性はあるものの、同様にインクジェットプリンター
用紙としての適性が得られない(比較例2〜4)。ま
た、保水度が210%未満であるとパルプが充分微細化
されていないため、インクジェットプリンター用紙適性
において、特にフェザーリングの問題が出て来る(比較
例5)。保水度が400%を越えた場合は、シートの不
透明度は下がるが、シートの強度、特に比引裂強度が急
激に低下するため不適である(比較例6)。微細繊維化
パルプと通常叩解パルプからなる原料パルプ中に、フリ
ーネス400ml未満の通常叩解パルプを、30%を越
えて配合した場合には、インクジェット適性が悪くなり
不適である(比較例7)。また本発明のシートの絶乾坪
量は、20〜130g/m2の範囲にあるべきである。絶乾
坪量がこれより低いと、インクジェット用紙として利用
した場合には、紙厚が薄いためインクがシートに吸収し
きれずにブリーディングを起こし(比較例8)、逆に絶
乾坪量が高過ぎると、不透明度が50%を越える(比較
例9)。インク吸収時間については、実施例1〜7にお
いては、すべて8秒以下であり、実用上問題ない範囲で
ある。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用透明紙
は、トレーシングペーパーとして透明性、筆記性に優れ
ているだけでなく、カラーインクジェットプリンター、
およびプロッター用透明紙としても使用できるという効
果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JAPAN TAPPI No.26-78により規定される
    保水度が210〜400%の微細繊維化パルプを全原料
    パルプ中に70重量%以上含有し、かつサイズ剤および
    /または界面活性剤を含有し、坪量が20〜130g/
    m2、 かつ不透明度が50%以下であることを特徴とする
    インクジェット記録用透明紙。
  2. 【請求項2】 前記微細繊維化パルプが、パルプ水懸濁
    液を媒体撹拌ミルまたは振動式ミルにより微細化処理し
    て得られたものである請求項1記載のインクジェット記
    録用透明紙。
  3. 【請求項3】 前記サイズ剤および/または界面活性剤
    の含有量が、前記全原料パルプに対して、0.1〜10
    重量%である請求項1または2記載のインクジェット記
    録用透明紙。
JP7009027A 1995-01-24 1995-01-24 インクジェット記録用透明紙 Pending JPH08197836A (ja)

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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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