JP3518714B2 - インクジェット記録用透明紙 - Google Patents

インクジェット記録用透明紙

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JP3518714B2
JP3518714B2 JP25255096A JP25255096A JP3518714B2 JP 3518714 B2 JP3518714 B2 JP 3518714B2 JP 25255096 A JP25255096 A JP 25255096A JP 25255096 A JP25255096 A JP 25255096A JP 3518714 B2 JP3518714 B2 JP 3518714B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高度に叩解処理を
施したパルプを用いて製造される透明紙に、インクジェ
ット適性を付与したインクジェット記録用透明紙に関す
る。すなわち、含浸タイプでないナチュラルタイプの透
明紙に、インクの滲み、あふれのない優れたカラーのイ
ンクジェット適性を付与したものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、製図用の記録媒体として透明
な記録紙が用いられている。この透明な記録紙には、既
に描画された画線をトレースするため、歪みのない複製
を陽画感光方式(いわゆる青焼き)でとるために透明性
が要求された。また、画線を描画する道具として鉛筆が
多用されており、該鉛筆の筆記性が要求されていた。こ
のような理由から、透明な記録紙はトレーシングペーパ
ーと呼ばれる透明性及び筆記性を備えた紙であった。透
明な紙の製造方法としては、原料であるパルプを高度に
叩解処理しフィブリル化を十分にすすめ、十分な繊維内
及び繊維間結合を持たせることでパルプ内、パルプ間の
結合を上げ、固−気界面が無くなるようにした手法(ナ
チュラルタイプ)と紙に樹脂を含浸することで紙中の空
気を無くす手法(含浸タイプ)の2つがある。 【0003】ナチュラルタイプとしては、例えば特公昭
45−38729号、特公昭46−15723号、特公
昭52−31445号等、含浸タイプとしては、例えば
特公昭54−6645号、特公昭56−6850号、特
開昭52−46113号、特開昭52−66710号、
特開昭52−128414号、特公昭59−7840号
等の各公報が挙げられる。 【0004】トレーシングペーパーへの描画方法は、鉛
筆、からす口、ロットリング等による人の手による直接
の描画および、CADの出力としてのプロッターがあ
る。以前はプロッターの筆記具としては上記の道具が用
いられていた。しかしながら、最近のインクジェット記
録技術の進歩により、上記の筆記具がインクジェットヘ
ッドに置き換わってきている。そこで、インクジェット
記録紙としての特性がトレーシングペーパーに要求され
るようになってきた。 【0005】モノクロ用のインクジェット記録用紙とし
ては、例えば、特開平5−177921号公報が開示さ
れており、該公報では、支持体表面に、主成分がスチレ
ン−アクリル共重合物、ノナノール系またはノニルフェ
ノール系浸透剤の少なくとも一種類、及び水溶性高分子
を含有する表面サイズ液を塗布した記録用紙が提案され
ている。該公報における支持体は、填料として炭酸カル
シウム、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーあ
るいはアルケニルコハク酸無水物を含有したステキヒト
サイズ度が10〜20秒の原紙を用いており、速いイン
ク吸収速度、優れたドット形状及び印字濃度を示すイン
クジェット記録用紙が得られる。トレーシングペーパー
上に該公報記載のスチレン−アクリル共重合物を塗布し
た場合、インクの滲みが抑えられ、モノクロ用としては
満足するものが得られた。しかしながら、近年、モノク
ロからカラー印字が盛んになるにつれ、トレーシングペ
ーパーを用いたカラー印字も要求されるようになってき
た。 【0006】カラー印字において、特に各インクの重ね
合わせである重色部では、塗層が受理するインク量は多
くなる。そのため、画像を確実に再現するには、十分な
インクの吸収量、及び吸収速度を必要とし、これを達成
するためには顔料を用いた塗布層をトレーシングペーパ
ーの表面に設ける必要がある。また、トレーシングペー
パーとしての透明性を損ねることのない塗布層構造にす
る必要がある。 【0007】また、特公昭61−53958号公報によ
れば、合成シリカ及び屈折率1.44〜1.55の無機
顔料と水溶性高分子接着剤からなる被覆層をトレーシン
グペーパー、熱可塑性樹脂フィルムなどの支持体表面に
設けた第二原図用記録シートが提案されている。これに
よって、インク吸収性が高く、画像濃度が高く、解像度
が良好で、筆記性に優れ、かつ透明性に優れたトレーシ
ングペーパーを得ることができると記載されている。し
かしながら、水溶性高分子接着剤として該公報で記載さ
れているようなポリビニルアルコールを用いた場合、ポ
リビニルアルコールが経時及び湿熱下で結晶化してイン
クの吸収性が低下し、結果としてインクが滲むという問
題が生じることが判った。また、該公報に記載されてい
る他の水溶性高分子接着剤を用いた場合でも、近年の透
明紙に対するより高い透明性の要求を満足させることは
難しい。さらに、より優れた表面性(ボコツキがない)
の要求等もあり、該公報記載の水溶性高分子接着剤以外
の水溶性接着剤を用いて、低塗布量で透明性、インクジ
ェット適性等を満足させるような処方の検討が必要にな
った。 【0008】特公平6−427号公報によれば、支持体
フィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコールとポ
リビニルピロリドンを主成分とする皮膜を形成させたも
ので、該ポリビニルアルコールが繊維素反応型樹脂との
反応で架橋されている記録用フィルムが提案されてい
る。また、明細書中には、ブロッキング防止剤としてシ
リカ、アルミナ、タルク等の平均粒径0.01〜5μm
の顔料をポリビニルアルコールとポリビニルピロリドン
の合計量100重量部に対して1〜10重量部使用する
ことが記載されている。さらに、皮膜の厚さは、2〜2
0μmと記載されている。 【0009】ここでは、インクをポリビニルアルコール
+ポリビニルピロリドン層に吸収させる構成である。し
かしながら、このような本来フィルム上に設ける皮膜
(塗布層)をナチュラルタイプのトレーシングペーパー
に設けようとした場合、塗布量が多いため、塗液中の水
が紙中に入ってしまい、乾燥工程でシワ、ボコツキが発
生するという問題があった。このシワ、ボコツキの発生
を乾燥工程で抑えるためには、低速での乾燥が要求され
るため、操業性が低下してしまう。また、シワ、ボコツ
キは品質上でも重大な欠点となる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点の解決を目的としてなされたものであり、高度に叩解
処理を施したパルプを用いて製造される透明紙に、イン
クジェット適性を付与したインクジェット記録用透明紙
に関するものであって、透明でありながら滲み、あふ
れ、特に経時でのインクの滲みがないナチュラルタイプ
のインクジェット記録用透明紙をシワ、ボコツキの発生
しない安定した操業性の下で提供することを目的とする
ものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するため、鋭意検討した結果、以下の発明に至っ
た。 【0012】すなわち、本発明のインクジェット記録用
透明紙は、高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造
される透明紙上に、シリカ、ポリビニルピロリドンを主
成分とする水性塗布液を塗布してなるインクジェット記
録用透明紙であって、該シリカ(A)と該ポリビニルピ
ロリドン(B)の絶乾塗布量(A+B)が片面当り0.
5〜2.0g/m2であり、かつ、絶乾重量基準でのシリ
カとポリビニルピロリドンの混合比率(A/B)が0.
2〜0.6である事を特徴とするものである。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット記
録用透明紙について詳細に説明する。尚、以下における
「塗布量」は、絶乾重量によるものである。 【0014】本発明でのパルプは、高度な粘状叩解によ
り、十分な内部フィブリル化と外部フィブリル化が起こ
るまで叩解を進めたものが用いられる。通常の濾水性の
評価方法では叩解の進行度合いが測定できないために、
本発明のパルプでは、JISP8121に規定されるカ
ナダ標準濾水度に準拠し、パルプ絶乾重量0.5gを1
000mlに希釈し、80メッシュの平織りブロンズワ
イヤーを用いるようにしたカナダ変法濾水度で100m
l以下まで叩解を進めたものを用いた。このように高度
に叩解したパルプを用い、抄紙機でワイヤー上での十分
な脱水とプレスでの十分な搾水を経て、ドライヤーで乾
燥による収縮を制御しながら、急激な乾燥が起こらない
ように注意して乾燥させ、ナチュラルタイプの透明紙を
得ることができる。 【0015】本発明で用いるパルプとしては、LBK
P、NBKP、LBSP、NBSP、また各種漂白非木
材パルプ等が挙げられる。使用に当たっては、それらを
数種類目的に応じた比率で混合して用いる。 【0016】本発明におけるパルプは、ダブルディスク
リファイナー、デラックスファイナー、ジョルダン等の
叩解機により、上述したカナダ変法濾水度で100ml
以下になるまで叩解したものを用いる。 【0017】本発明における叩解パルプを用いて抄紙す
る場合、長網、丸編、ツインワイヤー、オントップ、ハ
イブリッド等の抄紙機を用いることができる。 【0018】本発明で塗布される塗布液は、顔料として
粒径1.0〜5.0μmのシリカを用いる。シリカは、
塗布層にインクが付着したときの深さ方向への選択的な
インクの浸透を起こさせるために用いている。シリカの
粒径は、トレーシングペーパーとしての筆記性(鉛筆磨
耗性)からすると5.0μmより大きいと鉛筆磨耗性が
高くなり、1.0μmより小さくなると透明性の低下が
大きくなるという欠点がある。 【0019】本発明のバインダーとしては、経時および
湿熱下でのインク吸収性の低下を防止するために、それ
自体もインクの吸収能力を持つポリビニルピロリドンを
用いる。また他のバインダーも併用することができる。
他のバインダーとしては、澱粉、澱粉変性体、ポリビニ
ルアルコール等の水溶性高分子化合物が挙げられるが、
この場合、特に経時湿熱下でのインク吸収性に影響を及
ぼさない範囲で用いることが重要である。 【0020】本発明でのシリカ(A)とポリビニルピロ
リドン(B)との混合比率(A/B)は重要であり、A
/Bは0.2〜0.6が適正な範囲である。十分な塗布
量(おおよそ8.0g/m2以上)を持つ場合には、シリ
カの割合が多い方が優れている。しかしながら、ナチュ
ラルタイプの透明紙に塗布できる塗布量はせいぜい2g
/m2程度である。これは、塗布量が増えると透明性が下
がることと、ナチュラルタイプのトレーシングペーパー
の場合、塗布される水の量が多いと乾燥時のシワの問題
が起こり易く、またカールの矯正が極めて困難になるた
めである。 【0021】塗布量が2g/m2以下の場合、シリカの割
合が少ない方が好ましく、A/Bは0.2〜0.6が適
している。A/Bが0.2より小さいとインクがあふれ
てしまい、ベタ印部等では濃淡ムラが発生してしまう。
これについては、ポリビニルピロリドン自体にインク吸
収能があるものの、インク吸収能の点で優れるシリカが
少なくなった場合、相互作用で表面の撥水性が勝ったよ
うになり、結果としてあふれてしまうものと思われる。
一方、A/Bが0.6より大きいとインクが滲んでしま
う。 【0022】本発明では、トレーシングペーパーとして
の透明性を失わない範囲でインクジェット適性を持たせ
ることを目指しており、シリカ(A)とポリビニルピロ
リドン(B)の絶乾塗布量(A+B)に関しては片面当
たり0.5〜2.0g/m2を適性とする。2.0g/m2
より多いと透明度の低下が起こり始めるために不適とな
る。また、塗布量が多くなることで塗布乾燥時の収縮に
よるシワ、ボコツキの問題が発生する。また、0.5g
/m2より少ないと、インクの滲みが発生する。 【0023】本発明と前記特公平6−427号公報では
基本構成はよく似ているが、該公報では、支持体をフィ
ルムとしてインクを架橋化されたポリビニルアルコール
+ポリビニルピロリドン層に吸収させることが基本構成
である。また、該ポリビニルアルコール/ポリビニルピ
ロリドンが6/4〜4/6が好ましく、ブロッキング防
止剤としてシリカを該ポリビニルアルコールとポリビニ
ルピロリドンの合計量に対して1〜10%用いることが
記載されている。 【0024】該公報では、支持体としてインク吸収性の
ないフィルムを用いるため3〜10g/m2と多い塗布量
を必要としている。これらの塗布量をナチュラルタイプ
のトレーシングペーパーの上に設けようとした場合、乾
燥時にシワ、ボコツキが発生し、操業上、品質上重大な
問題が発生する。一方、本発明では、塗布層は基本的に
はインクの染顔料を留め、定着させるための塗布層であ
り、インクの溶媒分は支持体側で吸収させる構成となっ
ている。ナチュラルタイプのトレーシングペーパーはフ
ィルムとは異なり、それ自体にインク吸収能力がある。
また、高密度、高平滑であるために低塗布量でも均一な
塗布層を設けることが可能である。これによって必要最
小限の塗布層を設けることで、乾燥時のシワ、ボコツキ
の発生を無くすことができ、インクジェット適性も十分
なものが得られる。 【0025】また、該公報では、架橋化ポリビニルアル
コール/ポリビニルピロリドンの重量比が6/4〜4/
6が好ましいと記載されている。しかしながら、本発明
で規定した塗布量、かつこの重量比とした場合には、経
時湿熱下のポリビニルアルコールの結晶化によるインク
吸収性の低下から、結果としてそのような条件下ではイ
ンクの滲みが発生してしまう。一方、本発明では、塗布
層がシリカとポリビニルピロリドンを主成分とするもの
で形成されているため、経時湿熱下でのインク吸収性の
低下が起こらないため、前述したような問題は発生しな
い。 【0026】また、該公報では、ブロッキング防止剤と
してシリカを用いることが記載されているが、その割
合、つまり、シリカ/(ポリビニルアルコール+ポリビ
ニルピロリドン)が0.01〜0.1であるが故にイン
クがあふれるという問題が発生する。一方、本発明で
は、顔料であるシリカの役目も異なり、結果としてブロ
ッキング防止剤としても作用しているが、基本的には前
述したようにインクの深さ方向への浸透を促進させるた
めの役目である。そして、シリカ/ポリビニルピロリド
ンの混合比率を0.2〜0.6とすることで、インクの
あふれを抑制している。 【0027】一般的に、ナチュラルタイプのトレーシン
グペーパーに対する塗布液の溶媒としては、水もしくは
有機溶媒を用いることができるが、有機溶媒の中でも水
と混合可能なアルコール系のような有機溶媒と水との混
合溶媒は適さない。これは、水がトレーシングペーパー
の原材料であるセルロースの膨潤剤であることに理由が
ある。水とアルコール、アセトン等の有機溶媒を混合す
ると溶媒自体の表面張力が下がり、セルロースの非晶部
分に入っていくため、パルプ間の繊維間結合を破壊し、
透明性を低下させ、また非常に多くの溶媒分が紙中に入
るため乾燥時に凹凸となりやすい。したがって、特開平
5−246130号に記載されている様な、水−アルコ
ール系の塗布液を用いることはできない。 【0028】本発明で用いる塗布方法は、エアーナイ
フ、カーテン、ブレード、ロッド、ゲートロール、グラ
ビア等を挙げることができる。 【0029】本発明で用いる乾燥方法は、エアードライ
ヤーを用いた乾燥だけではシワの発生、カール調整が難
しいので、できればドラムドライヤーを併設した乾燥設
備を用いることが望ましい。また、最終的なカール調整
方法として蒸気を噴霧する設備、カレンダーを併設して
いることが望ましい。場合によっては、裏面に水もしく
は水性塗布液を塗布する方法も選択される。 【0030】本発明の基本構成では、シリカ及びポリビ
ニルピロリドンであるが、その他に、2級アミン、3級
アミン、4級アンモニウム塩等からなるカチオン性イン
ク定着剤や消泡剤等が適宜用いられる。 【0031】本発明で用いる透明紙の基材としては、貼
り合わせタイプのトレーシングペーパーでも良い。貼り
合わせタイプのトレーシングペーパーは、ナチュラルタ
イプのトレーシングペーパーとポリエチレンテレフタレ
ート等の透明樹脂フィルムとの貼り合わせで得られ、ト
レーシングペーパー側に水性塗布液を塗布することが出
来る。貼り合わせ方法はドライラミネート、紫外線硬化
法、電子線硬化法等が挙げられる。 【0032】 【実施例】以下で、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明はこれによりに限定されるものではない。
以下における「部」、「塗布量」は絶乾重量によるもの
である。なお、実施例、比較例で得た諸特性は次の評価
方法で評価した。 【0033】<インクジェット適性>HP(ヒューレッ
トパッカード)社製プロッターデザインジェット750
Cを用いて内蔵のデモサンプルを印字して、重色細線の
インク滲み、ロゴ(重色ベタ部)のインクあふれを目視
評価した。全くないものを○、多少あるものを△、かな
りあるものを×で評価した。合格レベルは△以上であ
る。 【0034】<経時安定性>経時及び湿熱下での印字品
質の変化を経時安定性として評価し、40℃、80%R
Hで1週間調湿したサンプルを、上に記述した方法で印
字し、インクの滲みを評価した。全くないものを○、多
少あるものを△、滲んでいるものを×で評価した。合格
レベルは△以上である。 【0035】<透明度>透明度は、JIS P8138
のB法に準拠して測定した不透明度を100%から差し
引いた値である。 【0036】<シワ、ボコツキ>塗布乾燥後の紙面のシ
ワ、ボコツキの程度を目視で評価した。シワ、ボコツキ
のないものを○、若干あるものを△、かなりあるものを
×で評価した。合格レベルは△以上である。 【0037】実施例1 シリカ(徳山曹達製ファインシールX37B:粒径3.
7μm)100部に対してポリビニルピロリドン(BA
SF製ルビスコールK−90:分子量320000)を
500部、耐水化剤(住友化学製SR1001:ジアリ
ルアミン−アクリルアミド共重合体)を30部、撥水剤
(クラレ製OM6000:エチレン酢酸ビニルエマルジ
ョン)を10部、消泡剤(日信化学製オレフィンE10
04)を1部配合し、シリカとポリビニルピロリドンの
絶乾塗布量が1.5g/m2になるようにナチュラルタイ
プのトレーシングペーパー(三菱製紙製DXトレーシン
グペーパーN75:透明度72.3%)上にエアナイフ
コーターで塗布した。得られたインクジェット記録用透
明紙の諸特性を表1に示す。 【0038】実施例2 実施例1において、ポリビニルピロリドンの配合部数を
300部にした以外は実施例1と同じである。得られた
インクジェット記録用透明紙の諸特性を表1に示す。 【0039】実施例3 実施例1において、ポリビニルピロリドンの配合部数を
170部にした以外は実施例1と同じである。得られた
インクジェット記録用透明紙の諸特性を表1に示す。 【0040】実施例4〜5 実施例1において、シリカとポリビニルピロリドンの絶
乾塗布量を表1記載のようにした以外は実施例1と同じ
である。得られたインクジェット記録用透明紙の諸特性
を表1に示す。 【0041】実施例6〜7 実施例3において、シリカとポリビニルピロリドンの絶
乾塗布量を表1記載のようにした以外は実施例1と同じ
である。得られたインクジェット記録用透明紙の諸特性
を表1に示す。 【0042】比較例1 実施例1において、ポリビニルピロリドンの配合部数を
600部にした以外は実施例1と同じである。得られた
インクジェット記録用透明紙の諸特性を表1に示す。 【0043】比較例2 実施例1において、ポリビニルピロリドンの配合部数を
150部にした以外は実施例1と同じである。得られた
インクジェット記録用透明紙の諸特性を表1に示す。 【0044】比較例3〜4 実施例1において、シリカとポリビニルピロリドンの絶
乾塗布量を表1記載のようにした以外は実施例1と同じ
である。得られたインクジェット記録用透明紙の諸特性
を表1に示す。 【0045】比較例5〜6 実施例3において、シリカとポリビニルピロリドンの絶
乾塗布量を表1記載のようにした以外は実施例1と同じ
である。得られたインクジェット記録用透明紙の諸特性
を表1に示す。 【0046】比較例7 実施例2において、ポリビニルピロリドンの代わりにポ
リビニルアルコール(クラレ製PVA405)を用いた
以外は実施例2と同じである。得られたインクジェット
記録用透明紙の諸特性を表1に示す。 【0047】 【表1】 【0048】以上の実施例、比較例を表1にまとめた。
表中のPVP、PVAは、それぞれポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコールの配合部数であり、Siはシ
リカ、またSi/Pは、シリカ/ポリビニルピロリドン
(ポリビニルアルコール)の混合比率である。また、塗
布量は片面当たりの絶乾重量である。 【0049】評価:表1の実施例1〜7から、シリカ
(A)、ポリビニルピロリドン(B)の絶乾塗布量(A
+B)が片面当たり0.5〜2.0g/m2の範囲内で、
かつシリカとポリビニルピロリドンの混合比率(A/
B)が0.2〜0.6の範囲内にあることで透明性を保
ちながら、インクの滲み、経時湿熱下での滲み、インク
のあふれのない優れたインクジェット適性を有する透明
紙がシワ、ボコツキ発生しない安定した操業性の下で得
られることが解る。 【0050】表1の比較例1〜2から、混合比率(A/
B)が0.2より小さいとインクあふれが発生し、0.
6より大きいと滲みが発生することが解る。 【0051】表1の比較例3〜6から、絶乾塗布量が
2.0g/m2より多いところでは、シワ、ボコツキが発
生し、操業性はもちろん品質上重大な欠点が発生してし
まう。また、ここで混合比率(A/B)によっては透明
性の低下が著しいことも解る。一方、0.5g/m2より
少ないところではインクの滲みが発生してしまうことが
解る。 【0052】比較例7から、ポリビニルピロリドンの代
わりにポリビニルアルコールを用いた場合、経時安定性
に問題が有り、経時でインク吸収性が低下することによ
って滲みが発生することが解る。 【0053】 【発明の効果】以上のことから、本発明のインクジェッ
ト記録用透明紙、すなわち高度に叩解処理を施したパル
プを用いて製造される透明紙に、シリカ、ポリビニルピ
ロリドンを主成分とする水性塗布液を塗布してなるイン
クジェット記録用透明紙において、該シリカ(A)と該
ポリビニルピロリドン(B)を特定の絶乾塗布量と混合
比率とすることで、透明性を保ちながら、インク滲み、
特に経時での滲み、インクあふれのない優れたインクジ
ェット適性を有するインクジェット記録用透明紙をシ
ワ、ボコツキの発生しない安定した操業性の下で得られ
ることが明らかになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−192589(JP,A) 特開 昭62−160269(JP,A) 特開 昭63−115779(JP,A) 特開 平7−149040(JP,A) 特開 平8−20160(JP,A) 特開 平8−99458(JP,A) 特開 平8−197836(JP,A) 特開 平6−184998(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 高度に叩解処理を施したパルプを用いて
    製造される透明紙上に、シリカ、ポリビニルピロリドン
    を主成分とする水性塗布液を塗布してなるインクジェッ
    ト記録用透明紙であって、該シリカ(A)と該ポリビニ
    ルピロリドン(B)の絶乾塗布量(A+B)が片面当り
    0.5〜2.0g/m2であり、かつ絶乾重量基準でシリ
    カとポリビニルピロリドンの混合比率(A/B)が0.
    2〜0.6であることを特徴とするインクジェット記録
    用透明紙。
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