JP4014367B2 - インクジェット記録用透明紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造される透明紙に、インクジェット適性を付与したインクジェット記録用透明紙に関する。更に詳しくは、透明でありながらインクの滲みがなく、インクの乾燥性の良いナチュラルタイプのインクジェット記録用透明紙、加えてトナー消去性等のPPC適性兼ね備えたナチュラルタイプのインクジェット記録用透明紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、製図の複写記録媒体として透明な記録紙が用いられており、主として陽画感光方式(いわゆる青焼き)により行われている。陽画感光方式で描画された画線をトレースするためには、十分な透明性と歪みの無い透明記録紙が必要であった。このような透明記録紙はトレーシングペーパーと呼ばれ、その製造方法としては、原料であるパルプを高度に叩解処理しフィブリル化を十分に進め、十分な繊維内及び繊維間結合を持たせることでパルプ内、パルプ間の結合を上げ、固−気界面が無くなるようにした手法(以後ナチュラルタイプと称する)と紙に樹脂を含浸することで紙中の空気を無くす手法(以後含浸タイプと称する)の2つが知られている。
【0003】
ナチュラルタイプとしては、例えば特公昭45−38729号、特公昭46−15723号、特公昭52−31445号等、含浸タイプとしては、例えば特公昭54−6645号、特公昭56−6850号、特開昭52−46113号、特開昭52−66710号、特開昭52−128414号、特公昭59−7840号等の各公報が開示されている。
【0004】
従来、トレーシングペーパーへの描画方法としては、鉛筆、からす口、ロットリング等での人による筆記やCADの出力としてのペン(鉛筆、ロットリング)及びレーザー(PPC方式)プロッターにより行われていたが、近年のインクジェット記録技術の進歩により、上記の筆記具がインクジェットヘッドに置き換わってきており、インクジェット記録紙としての特性がトレーシングペーパーに要求されるようになってきた。
【0005】
インクジェット記録用透明紙としては、例えば、特開平5−177921号公報が開示されており、該公報では、支持体表面に、主成分がスチレン−アクリル共重合物、ノナノール系またはノニルフェノール系浸透剤の少なくとも一種類、及び水溶性高分子を含有する表面サイズ液を塗布した記録用紙が提案されている。該公報における支持体は、填料として炭酸カルシウム、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマーあるいはアルケニルコハク酸無水物を含有したステキヒトサイズ度が10〜20秒の原紙を用いており、速いインク吸収速度、優れたドット形状及び印字濃度を示すインクジェット記録用紙が得られるとある。しかしながら、トレーシングペーパー上に該公報記載のスチレン−アクリル共重合物等を塗布含浸した場合、含浸タイプであるためにインクジェットの水性インクの浸透が十分ではなく、特に近年増加傾向にあるカラー印字用として用いた場合には、各インクの重ね合わせである重色部で塗層が受理するインク量が多くなるため、記録層表面にインクを吸収しきれず、インク滲みやあふれ等の問題が生じ、乾燥性の点でも十分とは言えなかった。
【0006】
また、特公平6−427号公報には、支持体フィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンを主成分とする皮膜を形成させ、該ポリビニルアルコールが繊維素反応型樹脂との反応で架橋されている記録用フィルムが提案されている。ここでは、インクをポリビニルアルコール+ポリビニルピロリドン層に吸収させる構成であるが、このような本来フィルム上に設ける皮膜(塗布層)をナチュラルタイプのトレーシングペーパーに設けようとした場合、水溶性塗布液のため、塗液中の水が紙中に入ってしまい、乾燥工程でシワ、ボコツキが発生するという問題があった。このシワ、ボコツキは、記録媒体としては重大な欠陥であり、商品としての価値を著しく低下させるものであった。
【0007】
特に、カラー印字における各インクの重ね合わせである重色部では、塗層が受理するインク量が多くなるため、画像を確実に再現するには、十分なインクの吸収量、及び吸収速度を必要とし、これを達成するためには顔料を用いた塗布層を透明紙の表面に設ける必要があり、しかも、トレーシングペーパーとしての透明性を損ねることのない塗布層構造にする必要があり、このような要求に満足する透明記録体の開発が望まれていた。
【0008】
さらに、近年、顧客の要望により、透明紙にインクジェット記録適性を付加させる機能に加えて、一般のコピー機においても、使用できるような共用紙タイプのものが望まれてきており、コピー時におけるPPC適性(トナーの定着性等)も兼ね備えることが必要になってきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題点の解決を目的としてなされたものであり、高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造される透明紙に、インクジェット適性を付与したインクジェット記録用透明紙に関するものであって、透明でありながらインクの滲みがなく、インクの乾燥性の良いナチュラルタイプのインクジェット記録用透明紙、更には、トナー消去性等のPPC適性兼ね備えたナチュラルタイプのインクジェット記録用透明紙を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決するため、鋭意検討した結果、以下の発明に至った。すなわち、本発明は、高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造された透明紙上に塗布液を塗布してなるインクジェット記録用透明紙において、該塗布液がアクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(A)を主成分であり、かつ、30〜300mg/m2の絶乾塗布量であり、該塗布液が、該アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(A)とビニルピロリドン重合体(B)からなり、かつ重量混合比率(A/B)が1〜4の絶乾塗布量であるインクジェット記録用透明紙である。
【0012】
該塗布液が、該表面サイズ剤(A)、該ビニルピロリドン重合体(B)及びカチオン性インク定着剤(C)からなり、かつ、カチオン性インク定着剤(C)と該ビニルピロリドン重合体(B)の重量混合比率(C/B)が5〜10の絶乾塗布量であるとより好ましい。
【0013】
また、高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造された透明紙上に塗布液を塗布してなるインクジェット記録用透明紙において、該塗布液がカチオン性ポリウレタン系樹脂を主成分とするインク定着剤であり、かつ、該カチオン性ポリウレタン樹脂が500〜1500mg/m2の絶乾塗布量であるインクジェット記録用透明紙である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録用透明紙について詳細に説明する。
【0015】
本発明でのパルプは、高度な粘状叩解により、十分な内部フィブリル化と外部フィブリル化が起こるまで叩解を進めたものが用いられ、高度に叩解したパルプを抄紙機のワイヤー上で十分な脱水とプレスでの十分な搾水を経て、ドライヤーで乾燥による収縮を制御しながら、急激な乾燥が起こらないように注意して乾燥させ、ナチュラルタイプの透明紙を得ることができる。
【0016】
本発明で用いるパルプとしては、LBKP、NBKP、LBSP、NBSP等や各種漂白非木材パルプ等が挙げられる。使用に当たっては、それらを単独で或いは数種類目的に応じた比率で混合して用いることができる。
【0017】
本発明におけるパルプの叩解には、一般的な抄紙の際に用いられるダブルディスクリファイナー、デラックスファイナー、ジョルダン等の叩解機によることができる。
【0018】
本発明によるインクジェット記録用透明紙の透明性は、JIS P8138 B法による不透明度が50%以下であることが好ましい。不透明度が50%を超える場合には、本来の透明紙としての機能が得られにくい。また、インクジェット記録用透明紙の坪量としては30g/m2〜200g/m2が好ましく、55g/m2〜105g/m2が特に好ましい。
【0019】
本発明における叩解パルプを用いて抄紙する場合、長網、丸網、ツインワイヤー、オントップ、ハイブリッド等の抄紙機を用いることができ、必要に応じてカレンダー掛けの処理により、透明度を調節することができる。
【0020】
水系塗布液を用いて透明紙に塗布すると、紙層の繊維間で形成したセルロースの水素結合領域に水分子が侵入し、水分子とセルロース分子間の水酸基間で水素結合を形成し、セルロース分子間の距離が増加する事により透明紙が膨潤し、乾燥時には水が抜け収縮する事によりボコツキ及びシワが発生する。ところが、本発明では、塗布後の紙匹の乾燥をシリンダードライヤーを使用とする事で、シリンダードライヤー面に紙匹が固定される事により、乾燥時に収縮が起こり難いため、ボコツキ及びシワのないインクジェット記録用透明紙を得ることができる。
【0021】
本発明第1の発明で塗布される塗布液は、表面サイズ剤としてスチレン/アクリル酸系重合体、アクリロニトリル/ビニルホマール/アクリル酸エステル共重合体等のアクリル樹脂系のエマルジョンタイプのものを用いることが好ましい。また、アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤は、塗布層にインクが付着した時の平面方向へのインクの広がりを防止するために用いる。表面サイズ剤の絶乾塗布量は30mg/m2未満の場合には、インクの平面方向の広がりを防止できず、また、300mg/m2以上の場合には、表面サイズ剤は平面方向のインクの広がりを防止すると共に、水分の吸収を防止する能力があるため、インクの厚さ方向の浸透を阻害する。
また、カチオン性インク定着剤を併用する場合には、カチオン性のアクリル樹脂系のエマルジョンタイプの表面サイズ剤を選択する事が望ましい。これは、アクリル樹脂系のエマルジョンタイプの表面サイズ剤がアニオン性の場合、塗布液の調合時にカチオン性インク定着剤と凝固等の反応が起こり、互いにその機能性を相殺するからである。
【0022】
本発明第2の発明の塗布液に用いられるビニルピロリドン重合体は、インク吸収剤として配合され、ビニルピロリドン重合体は水及び特定の溶剤に可溶であり、塗布乾燥した状態でインクの溶媒を吸収する能力を持つために用いる。
【0023】
本発明第2の発明でのアクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(A)とビニルピロリドン重合体(B)との重量混合比率は重要であり、A/Bは1〜4が適正な範囲である。A/Bが1未満では塗布層のインク吸収能力が高く印字性は好ましいものの、紙の表面がべたついた状態となる。これについては、高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造された透明紙上にビニルピロリドン重合体を塗布した場合、ビニルピロリドン重合体は殆ど紙表面に留まっており、ビニルピロリドン重合体自体にインクを吸収する能力に併せて空気中等の水分を吸収する能力もある為、表面サイズ剤の水分の吸収を阻止する能力よりビニルピロリドン重合体の水分を吸収する能力が優ったようになり、結果として紙の表面がべたつき、枚葉の通紙性等で重送等のトラブルが発生し易くなる。一方、A/Bが4を超える場合にはビニルピロリドン重合体自体にインクを吸収する能力があるものの、表面サイズ剤の撥水する能力が優る為、あふれた状態となり、ベタ印字部等では濃淡ムラが発生する。
【0024】
本発明第3の発明は、カチオン性インク定着剤、ビニルピロリドン重合体及びアクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤を主成分とした塗布液を塗布してなるインクジェット記録用透明紙である。本発明で使用されるカチオン性インク定着剤は、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩等からなるものであり、該カチオン性インク定着剤(C)と該ビニルピロリドン重合体(B)の重量混合比率(C/B)との重量混合比率は重要であり、C/Bは5〜10が適正な範囲である。C/Bが5未満ではインク定着能力が劣りインクの印字性が劣る。これについては、インクが塗布層に印字された時、ビニルピロリドン重合体はインクの溶媒成分を主に吸収するが、インク定着剤はインクの染料成分を主に定着する。高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造された透明紙は、紙層が緻密であり、インクを吸収し難いため、発生する。一方、C/Bが10を超える場合にはインク定着能力は充分であるが、塗布液の安定性が悪く、塗工時塗りムラが発生し、ベタ印字時に濃度ムラとなる。
【0025】
本発明第4の発明で塗布されるカチオン性ポリウレタン系樹脂を主成分とするインク定着剤は、塗布層にインクが付着した時インクの染料成分を吸着し、インクの溶媒成分を紙層に吸収させるため、結果として、平面方向へのインクの広がりを防止する。インク定着剤の絶乾塗布量は500mg/m2未満の場合には、インクの定着が充分でないため平面方向の広がりを防止できず、また、1500mg/m2以上の場合には、高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造された透明紙は、紙層が緻密でインク定着剤が紙表面で被膜を形成してしまうため、インクの厚さ方向の浸透を阻害する。
【0026】
本発明で用いる塗布方法は、ゲートロールコーター、インクラインドサイズプレス等の各種塗布方法を挙げることができる。
【0027】
塗布後の乾燥方法としては、ドラムドライヤー、ヤンキードライヤー等を用いる事が好ましい。また、最終的な表面の平滑性を調整するため、カレンダー処理をすることが望ましい。
【0028】
本発明の塗布液には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光染料等の各種添加剤を適宜用いることができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下における「部」、「塗布量」は絶乾重量によるものである。なお、実施例、比較例で得られたインクジェット記録用透明紙の諸特性は次の方法により評価を行った。
【0030】
<インク滲み>
エプソン社製インクジェットプリンターPM750Cを用いて印字を行い、細線のインク滲みを目視評価した。2重色(赤、緑、青)印字部で全くないものを1、単色(黒、シアン、イエロー、マゼンダ)印字部で全くないものを2、僅かにあるものを3、多少あるものを4、かなりあるものを5で評価した。1〜3が実用上問題ないレベルであり、4が実用上の下限レベルである。
【0031】
<インク乾燥性>
エプソン社製インクジェットプリンターPM750Cを用いて印字を行い、印字終了より1分経過後に、上質紙を重ねその上から擦った時にインクの転写の程度を目視評価した。インクの転写の全くないものを1、インクの転写の多少あるものを2、インクの転写のかなりあるものを3で評価した。1、2が実用上問題ないレベルである。
【0032】
<ベタ部の濃度ムラ>
エプソン社製インクジェットプリンターPM750Cを用いて印字を行い、黒ベタ部の印字濃度ムラを目視評価した。ムラが全くないものを1、ムラが僅かにあるものを2、ムラが多少あるものを3、ムラがかなりあるものを4で評価した。1,2が実用上問題ないレベルであり、3が実用上の下限レベルである。
【0033】
<トナー消去後の再加筆性>
KIP製7090型のPPC機を用いて、図面を複写し、トナーの乗っている画像部分をベンジルアルコールで1分間浸透させた後、余分なベンジルアルコールを吸い取り紙で除いたのち、プラスチック製消しゴムで消去し、その消去部分にパーカー製インクペンで筆記した場合のインクの滲み程度を目視評価した。インクの滲みが全くないものを1、インクの滲みが僅かにあるものを2、インクの滲みが多少あるものを3、かなりあるものを4で評価した。1、2が実用上問題ないレベルであり、3が実用上の下限レベルである。
【0034】
<インク定着性>
エプソン社製インクジェットプリンターPM750Cを用いて印字を行い、印字乾燥後、細線部に水滴を垂らし、インクの滲みを目視評価した。インクの滲みが全くないものを1、インクの滲みが僅かにあるものを2、インクの滲みが多少あるものを3、インクの滲みがかなりあるものを4で評価した。1、2が実用上問題ないレベルであり、3が実用上の下限レベルである。
【0035】
<ベタツキ>
23℃,50%RH環境で調湿した後、きれいな素手で触って、手にくっつかないものを1、僅かにべたつき感があるものを2、べたつき感があり若干手にくっつくものを3、くっついてくるものを4とした。3が実用上の下限レベルである。
【0036】
<透明度>
透明度は、JIS P8138のB法に準拠して測定した不透明度を100%から差し引いた値である。数値が大きい程、透明性が大であることを示す。
【0037】
<透明紙の作製>
パルプを十分な内部フィブリル化と外部フィブリル化が起こるまで叩解を進め、これに必要によりサイズ剤等の各種添加剤を添加し、抄紙機のワイヤー上で十分な脱水とプレスでの十分な搾水を行い、ドライヤーで収縮を制御しながら乾燥させ、坪量が75g/m2の透明紙Aを作製した。透明度は70%であった。叩 解条件をやや緩めて同様に抄紙することにより、坪量が55g/m2で透明度が 55%の透明紙Bを得た。
【0038】
参考例1
アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(商品名ハーサイズKN−925)の0.3%水溶液を塗布液として、透明紙Aにインクラインドサイズプレスにて、絶乾塗布量が30mg/m2になるように塗布して参考例1のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0039】
参考例2
アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤の2%水溶液を塗布液として、絶乾塗布量を200mg/m2にした以外は参考例1と同様にして参考例2のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0040】
参考例3
アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤の3%水溶液を塗布液として、絶乾塗布量を300mg/m2にした以外は参考例1と同様にして参考例3のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0041】
参考例4
透明紙Aの代わりに透明紙Bを用いた以外は参考例2と同様にして参考例4のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0042】
実施例
アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(商品名ハーサイズKN−925)の2%水溶液1000部(乾燥固形部20部)に対して、ビニルピロリドン重合体(商品名ルビスコールK−90)15部を混合攪拌した塗布液を、透明紙Aにインクラインドサイズプレスにて、絶乾塗布量が350mg/m2になるように塗布して実施例のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0043】
実施例
ビニルピロリドン重合体の配合部数を乾燥固形部で20部にし、絶乾塗布量が250mg/m2になるように塗布した以外は実施例と同様にして実施例のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0044】
実施例
ビニルピロリドン重合体の配合部数を乾燥固形部で10部にし、絶乾塗布量が300mg/m2になるように塗布した以外は実施例と同様にして実施例のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0045】
実施例
ビニルピロリドン重合体の配合部数を乾燥固形部で20部にし、絶乾塗布量が400mg/m2になるように塗布した以外は実施例と同様にして実施例のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0046】
参考例5
ビニルピロリドン重合体の配合部数を乾燥固形部で3部にし、絶乾塗布量が230mg/m2になるように塗布した以外は実施例と同様にして参考例5のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0047】
参考例6
ビニルピロリドン重合体の配合部数を乾燥固形部で30部にし、絶乾塗布量が500mg/m2になるように塗布した以外は実施例と同様にして参考例6のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0048】
実施例
ビニルピロリドン重合体(商品名ルビスコールK−90)の1%水溶液1000部(乾燥固形部10部)に対して、インク定着剤(商品名ジェットフィックス36N)乾燥固形部30部、カチオン性アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(商品名バソプラスト265D)10部を混合攪拌した塗布液を、透明紙Aにインクラインドサイズプレスにて、絶乾塗布量が500mg/m2になるように塗布して実施例のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0049】
実施例
インク定着剤の配合部数を乾燥固形部で50部にし、絶乾塗布量を700mg/m2にした以外は実施例と同様にして実施例のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0050】
実施例
インク定着剤の配合部数を乾燥固形部で100部にし、絶乾塗布量を1200mg/m2にした以外は実施例と同様にして実施例のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0051】
実施例
カチオン性インク定着剤の配合部数を乾燥固形部で10部にし、絶乾塗布量が300mg/m2になるように塗布した以外は実施例と同様にして実施例のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0052】
実施例
カチオン性インク定着剤の配合部数を乾燥固形部で180部にし、絶乾塗布量が2000mg/m2になるように塗布した以外は実施例と同様にして実施例のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0053】
実施例10
カチオン性ポリウレタン系樹脂を主成分とするインク定着剤(商品名CW−24A)の5%水溶液を塗布液として、透明紙Aにインクラインドサイズプレスにて、絶乾塗布量が500mg/m2になるように塗布して実施例10のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0054】
実施例11
カチオン性ポリウレタン系樹脂を主成分とするインク定着剤の15%水溶液を塗布液として、絶乾塗布量を1500mg/m2にした以外は実施例10と同様にして実施例11のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0055】
比較例1
アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤をアクリル樹脂系ナトリウム塩水溶液タイプの表面サイズ剤(ポリマロン356)にし、絶乾塗布量が100mg/m2になるように塗布した以外は参考例1と同様にして比較例1のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0056】
比較例2
アクリル系表面サイズ剤をアクリル樹脂系アンモニウム塩水溶液タイプの表面サイズ剤(ハーサイズNK−915)にし、絶乾塗布量が100mg/m2になるように塗布した以外は参考例4と同様にして比較例2のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0057】
比較例3
アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(商品名ハーサイズKN−925)の絶乾塗布量を10mg/m2にした以外は参考例1と同様にして比較例3のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0058】
比較例4
アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(商品名ハーサイズKN−925)の絶乾塗布量を500mg/m2にした以外は参考例1と同様にして比較例4のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0059】
比較例5
ビニルピロリドン重合体(商品名ルビスコールK−90)の1%水溶液100部(乾燥固形部1部)に対して、インク定着剤(商品名ジェットフィックス36N)乾燥固形部10部、カチオン性アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(商品名バソプラスト265D)0.2部を混合攪拌した塗布液を、透明紙Bにインクラインドサイズプレスにて、絶乾塗布量が1120mg/m2になるように塗布して比較例5のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0060】
比較例6
カチオン性ポリウレタン系樹脂を主成分とするインク定着剤(商品名CW−24A)の3%水溶液を塗布液として、透明紙Aにインクラインドサイズプレスにて、絶乾塗布量が300mg/m2になるように塗布して比較例のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0061】
比較例7
カチオン性ポリウレタン系樹脂を主成分とするインク定着剤の20%水溶液を塗布液として、絶乾塗布量を2000mg/m 2 にした以外は比較例5と同様にして比較例のインクジェット記録用透明紙を得た。
【0062】
得られた実施例、参考例、比較例のインクジェット記録用透明紙を用いて上記項目の評価を行い、その結果を表1、表2、表3、表4にまとめた。
【0063】
【表1】
Figure 0004014367
【0064】
表1の実施例1は参考例2と比較して、ベタ部濃度ムラが向上するものの、再加筆性が低下することが解る。
【0065】
比較例1、2から、アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(A)以外ではインク滲みが発生することが解る。比較例3、4から、アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(A)で、30mg/m2未満では滲みが発生し、300mg/m2を越える場合ではインクの乾燥性が悪いことが解る。さらに、比較例5では、参考例1と比較して、インク滲みは良化するものの、再加筆性が大幅に低下し、実用性に乏しいものとなってしまうことが解る。
【0066】
【表2】
Figure 0004014367
【0067】
表2の実施例から、アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(A)、ポリビニルピロリドン(B)の重量混合比率(A/B)が1〜4の範囲内にあることで、インクの滲み、ベタ部のインクの濃度ムラがなく、インクの乾燥性の優れたインクジェット適性を有する透明紙が得られることが解る。A/Bが1より小さい参考例6は、ベタツキが発生し易くなり、A/Bが4より大きい参考例5は、ベタ部のインクの濃度ムラが発生し易くなる傾向を示すので好ましくない。
【0068】
【表3】
Figure 0004014367
【0069】
表3の実施例から、カチオン性インク定着剤(C)とビニルピロリドン重合体(B)の重量混合比率(C/B)が5〜10の範囲にあることで、インクの滲み、インクの乾燥性、インクの定着性に優れたインクジェット適性を有する透明紙が得られることが解る。実施例から、C/Bが5未満ではインク定着能力が劣り、インクの滲みも発生し、10を超える場合にはベタ印字時にインクの濃度ムラとなる。
【0070】
【表4】
Figure 0004014367
【0071】
表4の実施例10、11から、インク定着剤の絶乾塗布量が500〜1500mg/m2の範囲にあることで、インクの滲み、インクの定着性に優れたインクジェット適性を有する透明紙が得られることが解る。比較例6、7から、500mg/m2未満の場合には、インクの滲みが発生し、1500mg/m2以上ではインクの濃度ムラが発生することがわかる。
【0072】
【発明の効果】
以上のことから、本発明のインクジェット記録用透明紙、すなわち高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造される透明紙に、アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(A)を塗布してなるインクジェット記録用透明紙において、特定の塗布量とし、該表面サイズ剤(A)とビニルピロリドン重合体を主成分とした塗布液を塗布してなるインクジェット記録用透明紙において、該表面サイズ剤(A)と該ビニルピロリドン重合体(B)を特定の重量混合比率とすることで、ベタ部のインクの濃度ムラの少なく、べたつきのない更に優れたインクジェット適性を有するインクジェット記録用透明紙を得ることができた。
【0074】
更には、インク定着剤(C)とビニルピロリドン重合体(B)を主成分とした塗布液を塗布してなるインクジェット記録用透明紙において、該表面サイズ剤(A)と該ビニルピロリドン重合体(B)を特定の重量混合比率とすること特定の重量混合比率とする事で、インク滲み、インク乾燥性が良好で、ベタ印字で濃度ムラが少なく、インク定着性の良好な更に優れたインクジェット適性を有するインクジェット記録用透明紙を得ることができた。
【0075】
また、高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造される透明紙に、カチオン性ウレタン樹脂系インク定着剤を塗布してなるインクジェット記録用透明紙において、特定の塗布量とすることで、インク滲み、ベタ印字で濃度ムラの少なく、インク乾燥性の優れたインクジェット適性を有するインクジェット記録用透明紙を得ることができた。

Claims (3)

  1. 高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造された透明紙上に塗布液を塗布してなるインクジェット記録用透明紙において、該塗布液がアクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(A)が主成分であり、かつ30〜300mg/m2の絶乾塗布量であり、該塗布液が、該アクリル樹脂系エマルジョンタイプの表面サイズ剤(A)とビニルピロリドン重合体(B)からなり、かつ重量混合比率(A/B)が1〜4の絶乾塗布量であることを特徴とするインクジェット記録用透明紙。
  2. 該塗布液が、該表面サイズ剤(A)、該ビニルピロリドン重合体(B)及びカチオン性インク定着剤(C)からなり、かつ、カチオン性インク定着剤(C)と該ビニルピロリドン重合体(B)の重量混合比率(C/B)が5〜10の絶乾塗布量であることを特徴とする請求項記載のインクジェット記録用透明紙。
  3. 高度に叩解処理を施したパルプを用いて製造された透明紙上に塗布液を塗布してなるインクジェット記録用透明紙において、該塗布液がカチオン性ポリウレタン系樹脂を主成分とするインク定着剤であり、かつ、該カチオン性ポリウレタン樹脂が500〜1500mg/m2の絶乾塗布量であることを特徴とするインクジェット記録用透明紙。
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