JP2007118289A - 被記録媒体及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラインヘッドを用いた装置で高速印刷を行っても、インク溢れやドットの輪郭ぼけがなく、かつ画像濃度も高く色調も鮮明な記録画像が得られる被記録媒体を提供する。
【解決手段】セルロースパルプを含む基紙と、前記基紙上に設けられたインク受容層とからなる被記録媒体において、ブリストー法による25m秒間当たりの測定において、前記基紙のインク吸収量が前記インク受容層のインク吸収量の1.5倍以上であることを特徴とする被記録媒体。
【選択図】なし
【解決手段】セルロースパルプを含む基紙と、前記基紙上に設けられたインク受容層とからなる被記録媒体において、ブリストー法による25m秒間当たりの測定において、前記基紙のインク吸収量が前記インク受容層のインク吸収量の1.5倍以上であることを特徴とする被記録媒体。
【選択図】なし
Description
本発明は、水性インクを用いた記録に適する被記録媒体及びこの被記録媒体を用いた画像形成方法に関するものである。また、特にインクの吸収能力に優れ、高速印刷において画像濃度が高く、色調が鮮明で解像度が高い被記録媒体及びこの被記録媒体を用いた画像形成方法に関するものである。
近年、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの被記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行うインクジェット方式が用いられている。このインクジェット方式を適用した記録装置は、高速低騒音、多色化が容易であり、記録パターンの融通性も大きく現像、定着が不要である、などの特徴を有する。このため、この記録装置は各種画像の記録装置として情報機器をはじめ各種の用途において急速に普及している。
さらに、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画と比較して遜色のない記録を得ることが可能である。このため、作成部数が少ない場合には通常の多色印刷や印画によるよりも安価でありフルカラー画像記録の分野にまで広く応用されつつある。また、近年のインクジェット方式においては、フルカラー画像だけでなく、記録の高速化、高精細化、高画質化が要求されるようになってきている。このため、記録特性の向上に伴って記録装置、記録方法の改良が行われてきた。
かかる要求に答えるために、従来から多種多様の形態の被記録媒体が提案されてきた。特開平2−76774号公報(特許文献1)にはシート状支持体に微粒子合成珪酸と水溶性高分子接着剤を主成分とするインク受容層を設けたインクジェット記録用シートが開示されている。このインクジェット記録用シートは、ブリストーテスターを用いて測定したインク受容層側からの吸水量が、0.1秒間で10ml/m2以上、30ml/m2以下であり、5秒間で50ml/m2以上である。このインクジェット記録用シートでは、被記録媒体の吸水速度を制御することによって高吸収性、高解像度で、鮮明な発色が得られる被記録媒体を得ることを目的としている。
特開平3−79383号公報(特許文献2)には、セルロースパルプと填料を主成分としたインクジェット記録シートが開示されている。このインクジェット記録シートは、ブリストーテスターで測定した吸水量が0.4秒間で8ml/m2以上、30ml/m2以下、2秒間で15ml/m2以上、30ml/m2以下に制御されている。この発明は、短時間(0.4秒間)の吸液速度を抑えること、及び長時間(2秒間)の吸液量を抑えてドット液滴を保持することで、ドットのぼけや濃度低下を防止するという技術思想に基づくものである。この短時間および長時間の吸水速度、吸水量の制御は、木材パルプと填料を主成分とした用紙を用い、内添及び外添サイズ剤の使用方法や使用量、填料の種類と量を制御することによって行っている。
特開平5−96844号公報(特許文献3)には、セルロースパルプを主成分とする基紙上に中間被覆層、インク受容性被覆層を設けた構成のインクジェット用紙が開示されている。このインクジェット用紙では各層の吸水量がインク受容性被覆層≧基紙>中間被覆層の関係にあり、各層の吸水量が40ml/m2で、中間被覆層の水に対する接触角が30度以下となるように制御されている。この発明は、吸水量が基紙よりも小さく濡れ性の良い中間被覆層と、中間被覆層よりも吸水量の大きいインク受容性被覆層を設けるものである。この結果、インク受容性被覆層に必要量のインクを保持させて高い発色濃度を得るという技術思想に基づくものである。
特開2001−130131号公報(特許文献4)には、紙からなる支持体の少なくとも一方の面に記録層を設けたインクジェット記録媒体が開示されている。このインクジェット記録媒体では、動的走査吸液計で測定した接触時間400msにおける蒸留水の記録媒体への転移量が30ml/m2以上で、吸収係数が1.3〜7ml/[m2・√(ms)]となるように制御されている。この発明は、多孔質顔料とアクリル系ラテックスを含有する記録層に非イオン系界面活性剤を付与することによって、インク着弾400ms後の吸水性と吸収係数を制御するという技術思想に基づくものである。
上記特許文献1〜4の何れの方法もインクの浸透性又は吸収性を所定範囲内に制御することにより、被記録媒体に十分なインク吸収性と画質を満足させようとするものである。
特開平2−76774号公報
特開平3−79383号公報
特開平5−96844号公報
特開2001−130131号公報
近年、特に印字速度の高速化への要求が高くなってきている。その結果、印字装置から、m秒単位の非常に短い時間間隔でインクの打ち込みが行われるようになってきている。こうした技術に対応するために、インクジェット記録媒体についてもより短時間で打ち込まれたインクをより効果的に吸収、定着出来る性能が要求されるようになってきている。
しかしながら、上記特許文献1、2、4のように従来の被記録媒体では、被記録媒体全体のインクの浸透性、吸収性を所定範囲内に制御することによってインク吸収性と画質を満足させるように構成されていた。このため、単に被記録媒体全体のインク吸収性を高くするだけでは印字画像の濃度低下、裏抜け、にじみが発生して満足な画像が得られないという問題点が発生していた。特にラインヘッドを持つ印字装置で一度に大量のインクを被記録媒体に付与すると、短時間にインク受容層に吸収されたインクは基紙に浸透する前にインク受容層内部で拡散が発生するという問題点があった。このように拡散が発生した場合には印字されたドットの輪郭がぼけたように見えて画像品位を著しく低下させることがあった。
また、上記特許文献3の被記録媒体では、インク受容層と基紙との間に、更に中間層を設けなければならず、被記録媒体の層構成が複雑となっていた。また、層構成が複雑なため各層間(インク受容性被覆層と中間被覆層間、及び中間被覆層と基紙間)の水の転移量を制御することが困難であり、使用可能な材料も限定されていた。
以上のように従来技術では、単に被記録媒体全体の吸水性を制御したり、複雑な層構成とすることにより吸水性を制御するものであった。このため、従来技術では、インク受容層と基紙からなる単純な層構成の被記録媒体における各部材(インク受容層、基紙)のインク吸収性や浸透性の関係については十分に検討されていなかった。
更に、上記特許文献1〜4の被記録媒体では、数十m秒単位という短時間での被記録媒体の厚み方向へのインク吸収性については十分に検討されていなかった。すなわち、インクの被記録媒体中への吸収過程としては、基紙及びインク受容層の厚み方向への吸収と、面方向(厚み方向と垂直な方向)への拡散を伴う吸収とがある。この吸収過程は、インクが被記録媒体に付与される際の圧力によって最初に被記録媒体の厚み方向への吸収が優先的に起こった後、徐々に面方向への吸収が起こるものと考えられる。ここで、上記特許文献に開示された被記録媒体では、数百m秒という長時間での厚み方向の吸収性を制御している。このため、このような長時間では被記録媒体の厚み方向だけでなく面方向へのインクの吸収も起こり、この両方向へのインク吸収を制御することとなる。しかしながら、インクのドットのぼけを解消するためには、基紙及びインク受容層の厚み方向へのインクの吸収過程を制御する必要があった。
そこで、本発明者は鋭意検討した結果、ドットのぼけを解消するためには、25m秒という短時間での基紙の厚み方向のインク吸収量を、インク受容層の厚み方向のインク吸収量の1.5倍以上とすれば良いことを発見した。すなわち、このような短時間では、主に被記録媒体の厚み方向へのインク吸収が優先的に起こる。このため、このような短時間でのインク吸収性を制御することにより、被記録媒体の厚み方向のインク吸収特性を制御できることとなる。また、インク受容層と基紙のインク吸収量が上記のような関係を有することにより、インク受容層中に吸収されたインクが基紙まで到達すると基紙中に優先的に吸収され、インク受容層中の面方向へ拡散しにくくなる。この傾向は、短時間で大量のインクを打ち込む高速印字型の記録装置に被記録媒体を用いた場合により顕著となり、より効果的にドットのぼけを解消することができる。
以上のように、本発明では、25m秒という短時間での基紙の厚み方向のインク吸収量を、インク受容層の厚み方向のインク吸収量の1.5倍以上とすることにより、被記録媒体のドットの輪郭ぼけ発生を防ぐことを目的とする。また、ラインヘッドを持つ印字装置で高速印字を行った場合でも画像濃度が高く色調が鮮明な画像が得られるインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。
1.セルロースパルプを含む基紙と、前記基紙上に設けられたインク受容層とからなる被記録媒体において、
ブリストー法(J.TAPPI試験法 No.51)による25m秒当たりの測定において、前記基紙のインク吸収量が前記インク受容層のインク吸収量の1.5倍以上であることを特徴とする被記録媒体。
ブリストー法(J.TAPPI試験法 No.51)による25m秒当たりの測定において、前記基紙のインク吸収量が前記インク受容層のインク吸収量の1.5倍以上であることを特徴とする被記録媒体。
本発明によれば、ラインヘッドを用いた装置で高速印刷を行ってもインク溢れやドットの輪郭ぼけがなく、かつ画像濃度も高く色調も鮮明な記録画像を得ることができる。
2.前記基紙のインク吸収量が、30ml/m2以上であることを特徴とする上記1に記載の被記録媒体。
3.前記インク受容層のインク吸収量が、15ml/m2以上であることを特徴とする上記1又は2に記載の被記録媒体。
2.前記基紙のインク吸収量が、30ml/m2以上であることを特徴とする上記1に記載の被記録媒体。
3.前記インク受容層のインク吸収量が、15ml/m2以上であることを特徴とする上記1又は2に記載の被記録媒体。
4.前記セルロースパルプが、マーセル化セルロース、フラッフ化セルロース、嵩高性セルロース及び機械パルプからなる群から選択された少なくとも1種のセルロースを含むことを特徴とする上記1〜3の何れか1項に記載の被記録媒体。
5.インク受容層を有する被記録媒体に対して、インクの液滴を前記インク受容層に付与して印字を行なう画像形成方法において、
前記被記録媒体として上記1〜4の何れか1項に記載の被記録媒体を用いることを特徴とする画像形成方法。
前記被記録媒体として上記1〜4の何れか1項に記載の被記録媒体を用いることを特徴とする画像形成方法。
6.前記インクの液滴のインク受容層への付与が、インクを吐出するノズル列を有するインクジェット記録ヘッドの前記ノズルからインクの液滴を吐出させて前記インク受容層に付与するインクジェット方法によることを特徴とする上記5に記載の画像形成方法。
本発明の代表的な効果は以下のとおりである。
1)フルラインヘッドなどを用いた超高速機で印字した場合でも良好なインク吸収性が得られる。
2)高速印字を行っても良好な発色性とドット再現性が得られる。
1)フルラインヘッドなどを用いた超高速機で印字した場合でも良好なインク吸収性が得られる。
2)高速印字を行っても良好な発色性とドット再現性が得られる。
(被記録媒体)
本発明の被記録媒体は、セルロースパルプを主成分とする基紙上にインク受容層を設けた構成を有する。また、この基紙とインク受容層とは、25m秒間当たりの測定において、基紙のインク吸収量がインク受容層のインク吸収量の1.5倍以上という関係にある。ここで、「インク吸収量」とはJ.TAPPI試験法 No.51に記載されているブリストー法により測定したインクの吸収量を表す。このインク吸収量の測定には、実施例の(1.インク吸収量)に記載のインクを用いる。なお、このインクは画像形成方法において広く一般的に用いられているインクであり、被記録媒体のインク吸収特性を評価する標準インクとして使用できるものである。上記インクと、画像形成方法に用いられるその他のインクとは、本発明の被記録媒体中のインク吸収特性において同様の傾向を示す。このため、上記標準インクによる測定において、基紙がインク受容層の1.5倍以上のインク吸収量を有する場合にはその他のインクを用いた場合であっても、本発明の効果を奏することができる。
本発明の被記録媒体は、セルロースパルプを主成分とする基紙上にインク受容層を設けた構成を有する。また、この基紙とインク受容層とは、25m秒間当たりの測定において、基紙のインク吸収量がインク受容層のインク吸収量の1.5倍以上という関係にある。ここで、「インク吸収量」とはJ.TAPPI試験法 No.51に記載されているブリストー法により測定したインクの吸収量を表す。このインク吸収量の測定には、実施例の(1.インク吸収量)に記載のインクを用いる。なお、このインクは画像形成方法において広く一般的に用いられているインクであり、被記録媒体のインク吸収特性を評価する標準インクとして使用できるものである。上記インクと、画像形成方法に用いられるその他のインクとは、本発明の被記録媒体中のインク吸収特性において同様の傾向を示す。このため、上記標準インクによる測定において、基紙がインク受容層の1.5倍以上のインク吸収量を有する場合にはその他のインクを用いた場合であっても、本発明の効果を奏することができる。
従来の被記録媒体では、印字されたインク液滴をインク受容層内部に瞬時に吸収できるようインク受容層の吸収性を高くしていた。しかし、単にインク受容層の吸収性を高めるだけでは、液滴が基紙へ浸透する前にインク受容層内部で拡散して広がってしまう場合があった。このように拡散が発生することによって、被記録媒体のドットの輪郭ぼけが発生していた。
これに対して、本発明の被記録媒体では、25m秒における基紙のインク吸収量がインク受容層のインク吸収量の1.5倍以上となっている。このため、インク受容層に吸収されたインク液滴はインク受容層の面内方向へ広がることなく基紙に到達した後、基紙中に浸透していく。この結果、被記録媒体のドットの輪郭ぼけの発生を防ぐことができる。
また、基紙のインク吸収量はインク受容層のインク吸収量の、5.0倍以下が好ましく、4.5倍以下がより好ましく、4.0倍以下が更に好ましく、3.5倍以下が特に好ましい。インク受容層のインク吸収量に対する基紙のインク吸収量を5.0倍以下とすることによって、インク受容層中のインクの吸収速度自体が遅くならない。この結果、インク受容層中に吸収されたインクが基紙に移行(基紙まで到達)しにくくなって、印字ドットに輪郭ぼけが発生するといった問題が起こらない。また、4.5倍以下とすることによって印字されたインクが基紙を通り抜けて裏面まで達して画像に裏抜けが生じるといった問題が起こらない。更に、基紙とインク受容層のインク吸収量がこれらの関係にあることによって、被記録媒体を構成するインク受容層と基紙の厚み方向にバランス良くインクを吸収することができ、優れた画像特性を発現することができる。
(インク受容層)
本発明において、インク受容層を構成する多孔質顔料としては以下のものを挙げることができる。
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、シリカ、焼成クレー、カオリン、タルク、サチンホワイト、珪藻土、活性白土など、天然あるいは合成の無機顔料類
スチレン系、アクリル系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ベンゾグアナミン樹脂系の有機顔料類
多孔質顔料としては、上記のものから単独もしくは複数種を適宜選択して用いる事が出来るが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明において、インク受容層を構成する多孔質顔料としては以下のものを挙げることができる。
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、シリカ、焼成クレー、カオリン、タルク、サチンホワイト、珪藻土、活性白土など、天然あるいは合成の無機顔料類
スチレン系、アクリル系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ベンゾグアナミン樹脂系の有機顔料類
多孔質顔料としては、上記のものから単独もしくは複数種を適宜選択して用いる事が出来るが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
また、必要に応じて一般的な顔料類を併用することもできる。シリカ系顔料は、上記に例示される諸顔料類の中でも比較的小さい屈折率を有し吸油量・空孔容積といった多孔質の特性に優れている。このため、シリカ系顔料は高い記録濃度を得てインク受容性を向上させる目的で好適に使用される。
本発明のインク受容層に用いることのできるバインダーとしては、以下の水溶性高分子の中から自由に選択することができる。
ポリビニルアルコールまたはその変性体(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性)、澱粉またはその変性体(酸化、エーテル化)、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体
カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体
SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス
官能基変性重合体ラテックス
エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス
ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体など。
ポリビニルアルコールまたはその変性体(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性)、澱粉またはその変性体(酸化、エーテル化)、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体
カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体
SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス
官能基変性重合体ラテックス
エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス
ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体など。
これらのバインダーは、単独であるいは複数種混合して用いることができる。多孔質顔料とバインダーの混合比は質量基準で1:1〜30:1、より好ましくは5:1〜25:1の範囲から任意に選択できる。バインダーの量が上記範囲よりも少ない場合は、インク受容層の機械的強度が不足してひび割れや粉落ちが発生する場合があり、上記範囲よりも多い場合は細孔容積が少なくなってインクの吸収が悪くなる場合がある。
さらに、本発明ではインク受容層にカチオン性樹脂を添加して用いることが好ましい。カチオン性樹脂としては以下の材料の中から自由に選択して用いることができる。
4級アンモニウム塩、ポリアミン、アルキルアミン、ハロゲン化第4級アンモニウム塩、カチオン性ウレタン樹脂、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物。
カチオン性樹脂を添加することによって、印字画像の濃度を高くしたり、耐水性を付与することができる。
4級アンモニウム塩、ポリアミン、アルキルアミン、ハロゲン化第4級アンモニウム塩、カチオン性ウレタン樹脂、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物。
カチオン性樹脂を添加することによって、印字画像の濃度を高くしたり、耐水性を付与することができる。
本発明のインク受容層のインク吸収量は、ブリストー法で求めることができる。接触時間25m秒におけるインク吸収量は、15ml/m2以上、30ml/m2以下であることが好ましい。インク吸収量がこの範囲であれば、短い時間間隔で印字を行っても、インク溢れやにじみの発生を効果的に防止することができる。より好ましいインク吸収量は17ml/m2以上、27ml/m2以下であり、更に好ましいインク吸収量は20ml/m2以上、25ml/m2以下である。インク吸収量がこれらの範囲であれば、印字されたドットの真円度を良好に保つことができる。
なお、インク吸収量の制御は例えば、インク受容層の塗工量、インク受容層に用いる多孔質顔料の細孔径、細孔容積の選択と多孔質顔料とバインダーの混合比によって行うことができる。より具体的には、多孔質顔料の粒子径、多孔質顔料の細孔径・細孔容積、バインダーに対する多孔質顔料の含有比を大きくするとインク吸収量を大きくでき、これらの特性値を小さくするとインク吸収量を小さくすることができる。
本発明のインク受容層の塗工量は10g/m2以上、40g/m2以下が好ましい。この範囲内であれば、インク浸透速度が良好でかつ基紙との密着性が良好となる。さらに好ましい範囲は15g/m2以上、30g/m2以下であり、この範囲内であれば、インク受容層の表面を平滑化処理した場合に光沢が向上する。
(基紙)
本発明の被記録媒体を構成する基紙は、繊維状物質を主体として得ることができる。繊維状物質としては、セルロースパルプを主成分として用いることができる。セルロースパルプとしては例えば、以下のものを挙げることができる。
広葉樹材及び針葉樹材から得られるサルファイトパルプ(SP)、アルカリパルプ(AP)、クラフトパルプ(KP)等の化学パルプ
セミケミカルパルプ、セミメカニカルパルプ、機械パルプ
脱墨された二次繊維である古紙パルプ。
本発明の被記録媒体を構成する基紙は、繊維状物質を主体として得ることができる。繊維状物質としては、セルロースパルプを主成分として用いることができる。セルロースパルプとしては例えば、以下のものを挙げることができる。
広葉樹材及び針葉樹材から得られるサルファイトパルプ(SP)、アルカリパルプ(AP)、クラフトパルプ(KP)等の化学パルプ
セミケミカルパルプ、セミメカニカルパルプ、機械パルプ
脱墨された二次繊維である古紙パルプ。
また、パルプは未漂白パルプ、漂白パルプの区別及び叩解、未叩解の区別なく使用可能である。セルロースパルプとしては、更に非木材パルプである草、葉、靱皮、種毛等の繊維、例えば、わら、竹、麻、バガス、ケナフ、みつまた、コットンリンター等のパルプも使用できる。これらのセルロースパルプは単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
本発明では、上記セルロースパルプに代えて、又はセルロースパルプと共に嵩高性セルロース繊維、マーセル化セルロース、フラッフ化セルロース及びサーモメカニカルパルプなどの機械パルプを用いることが好ましい。これらのセルロースパルプは単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。これらのセルロースパルプを添加することによって被記録媒体のインク吸収速度、インク吸収量を向上させることができる。
本発明の基紙のインク吸収量はブリストー法で求めることができる。本発明においては、接触時間25m秒における基紙のインク吸収量が、インク受容層のインク吸収量の1.5倍以上であることが必要である。このように基紙とインク受容層のインク吸収量がこのような関係にあることによって、ドットの輪郭ぼけを防止することができる。
基紙のインク吸収量は、30ml/m2以上、70ml/m2以下であることが好ましい。基紙のインク吸収量が、この範囲であれば短い時間間隔で印字を行ってもインク溢れやにじみの発生を防止することができる。より好ましいインク吸収量は45ml/m2以上、60ml/m2以下であり、更に好ましいインク吸収量は55ml/m2以上、57ml/m2以下である。基紙のインク吸収量がこれらの範囲内にあることによって、インク受容層に必要以上のインクを拡散させることなく、基紙中にインクを浸透させることができる。
なお、基紙のインク吸収量は例えば、基紙のインク吸収速度、使用するセルロースパルプの種類、叩解度によって目的の値に制御することが可能である。より具体的には、基紙材料として嵩高パルプ、弱く叩解を行った軽叩解セルロースを用いたり、セルロースパルプに嵩高い填料又は多孔質填料を添加したものを用いることによりインク吸収性を挙げることができる。特に、本発明の被記録媒体の基紙では、特別な高いインク吸収性が要求されるため、嵩高セルロース、マーセル化セルロース、フラッフ化セルロース及び機械パルプの少なくとも1種を用いることが好ましい。
嵩高セルロースとしては例えば、特開平9−41300号公報に開示されているカールドファイバーや、特開平6−287886号公報に開示されるような架橋繊維を用いることができる。マーセル化セルロースとしては例えば、特開平7−34395号公報、特開平7−189168号公報、特開2003−293284号公報に示されるものを用いることができる。フラッフ化セルロースとしては例えば、特開平8−10284号公報に開示されているものを用いることができる。
さらに本発明の被記録媒体では、上記セルロースパルプ(嵩高セルロース、マーセル化セルロース、フラッフ化セルロース及び機械パルプ等)に加えて必要に応じて下記のセルロースパルプを用いることが好ましい。
微細フィブリル化セルロース、結晶化セルロース、広葉樹又は針葉樹を原料とする硫酸塩パルプ、亜硫酸塩パルプ、ソーダパルプ、ヘミセルラーゼ処理パルプ及び酵素処理化学パルプ。
これらのパルプは単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。これらのパルプの添加によって、基紙表面の平滑性向上や地合いが良くなる効果がある。
微細フィブリル化セルロース、結晶化セルロース、広葉樹又は針葉樹を原料とする硫酸塩パルプ、亜硫酸塩パルプ、ソーダパルプ、ヘミセルラーゼ処理パルプ及び酵素処理化学パルプ。
これらのパルプは単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。これらのパルプの添加によって、基紙表面の平滑性向上や地合いが良くなる効果がある。
また、本発明ではパルプに填料を添加して用いることができる。填料としては多孔質のものであればいずれの材料でも用いることができ、制限はない。好ましい材料はシリカまたはシリケートなどのシリカ系材料である。これらの多孔質填料は、その細孔構造の制御が容易である。また、インク吸収能が大きく、効果的にインクを吸収することができる。これらの多孔質填料は単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
基紙の坪量としては、基紙が極端に薄くなければ特に制限はないが、40〜300g/m2の範囲がプリンターなどで印字する場合の搬送性の点で好ましい。さらに好ましい範囲は45〜200g/m2の範囲であり、紙の折り曲げ強度が高くならずに不透明度を高くすることができる。さらに多数枚印字サンプルを重ねた時に貼り付きが発生しにくくなる。
(被記録媒体の製造方法)
本発明における被記録媒体の基紙は、紙の製造方法を適用して製造することができる。この際に用いる抄紙装置としては、従来から用いられている長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどから選択して用いることが出来る。本発明では基紙の吸収性を高くするために、通常の紙の製造方法で行われるサイズプレス工程でのデンプンなどの塗工は行なわないことが好ましい。
本発明における被記録媒体の基紙は、紙の製造方法を適用して製造することができる。この際に用いる抄紙装置としては、従来から用いられている長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどから選択して用いることが出来る。本発明では基紙の吸収性を高くするために、通常の紙の製造方法で行われるサイズプレス工程でのデンプンなどの塗工は行なわないことが好ましい。
本発明では、このようにして製造した基紙上に、多孔質顔料とバインダーを水などの溶媒に分散した分散液を塗工後、乾燥してインク受容層を形成する。分散液には必要に応じて下記の成分を添加することも可能である。
分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤。
分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤。
分散液の塗工方法としては、一般的な塗工方法を選択して用いることができる。例えば、ゲートロールコーター、サイズプレス、バーコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、スプレー装置等を採用することができる。
本発明においては、基紙のインク吸収量をインク受容層のインク吸収量の1.5倍以上とする必要がある。このためには、(1)基紙のインク吸収量を従来のものよりも高くする、(2)インク受容層のインク吸収量を従来のものよりも低くする、(3)上記(1)と(2)の制御を同時に行う、ことが必要である。
ここで、上記(1)の方法の一例としては、基紙に嵩高セルロース、マーセル化セルロース、フラッフ化セルロース及び機械パルプを用いる方法がある。
上記(2)の方法の一例としては、基紙上への塗工に用いる分散液の粘度を高くする方法がある。この場合、基紙上に塗工された分散液を速やかに乾燥させて溶媒成分を蒸発させることが好ましい。また、多孔質顔料の粒子径、多孔質顔料の細孔径・細孔容積、バインダーに対する多孔質顔料の含有比を小さくする方法がある。
また、上記(3)の方法としては、上記(1)と(2)の方法を併用する方法等を用いることができる。
本発明では被記録媒体に必要に応じてカレンダー処理やスーパーカレンダー処理を行って表面を平滑にすることができる。
本発明では被記録媒体に必要に応じてカレンダー処理やスーパーカレンダー処理を行って表面を平滑にすることができる。
本発明の被記録媒体の表面抵抗は、2×1011Ω/□〜1×1013Ω/□の範囲が好ましい。被記録媒体は、記録装置内を搬送される途中に帯電する場合があり、この帯電した被記録媒体にインクジェット記録を行なうと、インクが被記録媒体にあたった後、跳ね返ってインクミストが発生する場合がある。しかし、被記録媒体の表面抵抗を上記範囲にすることにより、このようなインクミストの発生を少なくすることができる。
(インク)
本発明の画像形成方法に使用されるインクは、主として色剤(染料もしくは顔料)、水溶性有機溶剤および水を含むものが利用できる。
染料としては、本発明の被記録媒体と組み合わせて用いることで定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性その他の要求される性能を満たす画像を与えるものであれば特に限定されない。例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素などに代表される水溶性染料が好ましい。
本発明の画像形成方法に使用されるインクは、主として色剤(染料もしくは顔料)、水溶性有機溶剤および水を含むものが利用できる。
染料としては、本発明の被記録媒体と組み合わせて用いることで定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性その他の要求される性能を満たす画像を与えるものであれば特に限定されない。例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素などに代表される水溶性染料が好ましい。
顔料としてはカーボンブラック、有機顔料などが好ましく用いられる。また、顔料と分散剤を併用する方法も自己分散型顔料を用いる方法、マイクロカプセル化する方法も可能である。
水溶性染料は、一般に水、又は水と水溶性有機溶剤からなる溶媒中に溶解して使用するものであり、これらの溶媒成分としては好ましくは水と水溶性の各種有機溶剤などとの混合物が使用される。この場合、インク中の水分含有量は、20〜90質量%の範囲内となるように調整するのが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、例えば以下のものを挙げることができる。
メチルアルコールなどの炭素数が1〜4のアルキルアルコール類
ジメチルホルムアミドなどのアミド類
アセトンなどのケトンまたはケトンアルコール類
テトラヒドロフランなどのエーテル類
ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール類
エチレングリコールなどのアルキレン基が2〜6個の炭素数を含むアルキレングリコール類グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、などの多価アルコールの低級アルキルエーテル類
水溶性有機溶剤としては、上記のものから選択された1種あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
メチルアルコールなどの炭素数が1〜4のアルキルアルコール類
ジメチルホルムアミドなどのアミド類
アセトンなどのケトンまたはケトンアルコール類
テトラヒドロフランなどのエーテル類
ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール類
エチレングリコールなどのアルキレン基が2〜6個の炭素数を含むアルキレングリコール類グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、などの多価アルコールの低級アルキルエーテル類
水溶性有機溶剤としては、上記のものから選択された1種あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
これらの中でも、ジエチレングリコールなどの多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類が好ましい。また、多価アルコール類は、インク中の水が蒸発し水溶性染料が析出することに基づくノズルの目詰まり減少を防止するための潤滑剤としての効果が大きいため、特に好ましい。
インクには可溶化剤を加えることもできる。代表的な可溶化剤は、含窒素複素環式ケトン類であり、その目的とする作用は、水溶性染料の溶媒に対する溶解性を飛躍的に向上させることにある。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましく用いられる。さらに特性の改善のために、粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗調整剤などの添加剤を加えて用いることもできる。
(画像形成方法)
被記録媒体に上記インクを付与して画像形成を行う方法には、インクジェット記録方法が好適に利用できる。このインクジェット記録方法としては、インクを微細孔(ノズル)より効果的に離脱させて、被記録媒体にインクを付与し得る方法であればいかなる方法でも良い。特に、特開昭54−59936号公報に記載されているように、熱エネルギーによりインクに急激な体積変化を生じさせ、この状態変化による作用力によってインクをノズルから吐出させる方式を有効に使用することができる。
被記録媒体に上記インクを付与して画像形成を行う方法には、インクジェット記録方法が好適に利用できる。このインクジェット記録方法としては、インクを微細孔(ノズル)より効果的に離脱させて、被記録媒体にインクを付与し得る方法であればいかなる方法でも良い。特に、特開昭54−59936号公報に記載されているように、熱エネルギーによりインクに急激な体積変化を生じさせ、この状態変化による作用力によってインクをノズルから吐出させる方式を有効に使用することができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
本発明で使用した諸物性の測定は下記の要領で行なった。
本発明で使用した諸物性の測定は下記の要領で行なった。
1.インク吸収量
動的浸透性試験装置(東洋精機製)を用いて、J.TAPPI紙、バルブ試験方法No.51に記載される方法に基づき、下記実施例1〜5で製造した試料の、下記組成からなるインクの吸収量を測定した。この際、インクと測定物(基紙、インク受容層)との接触時間は25m秒とした。インク吸収量の測定は、実施例1〜5で製造した基紙単独のものと、ポリエチレンテレフタレートシート(メリネックス705、商品名、厚み100μm、帝人デュポンフィルム社製)上に実施例1〜5と同様の方法で形成したインク受容層についてそれぞれ行った。なお、ポリエチレンテレフタレートシート上に設けたインク受容層のインク吸収量の測定時には、十分な厚さのインク受容層を設けたため、このポリエチレンテレフタレートシート表面までインクが浸透しなかった。このため、この測定ではインク受容層単独のインク吸収量の測定を行っていることとなる。
動的浸透性試験装置(東洋精機製)を用いて、J.TAPPI紙、バルブ試験方法No.51に記載される方法に基づき、下記実施例1〜5で製造した試料の、下記組成からなるインクの吸収量を測定した。この際、インクと測定物(基紙、インク受容層)との接触時間は25m秒とした。インク吸収量の測定は、実施例1〜5で製造した基紙単独のものと、ポリエチレンテレフタレートシート(メリネックス705、商品名、厚み100μm、帝人デュポンフィルム社製)上に実施例1〜5と同様の方法で形成したインク受容層についてそれぞれ行った。なお、ポリエチレンテレフタレートシート上に設けたインク受容層のインク吸収量の測定時には、十分な厚さのインク受容層を設けたため、このポリエチレンテレフタレートシート表面までインクが浸透しなかった。このため、この測定ではインク受容層単独のインク吸収量の測定を行っていることとなる。
この測定に使用するする液体(インク)としては下記組成の水性インクを用いた。
水性インク組成(合計100質量部)
染料(C.I.フードブラック2):3質量部
界面活性剤(サーフィノール465、日信化学社製):1質量部
ジエチレングリコール:5質量部
ポリエチレングリコール:10質量部
イオン交換水:81質量部
2.印字特性
ラインヘッドを用いた超高速印字を行うカードプリンターP−400CII(キヤノンアプテクス社製)を記録装置として用いて、実施例1〜5で製作した被記録媒体に印字を行った。印字する被記録媒体の大きさは、プリンターがカードプリンターのため99×150mmとした。この印字操作及び印字により得られた印字物について以下の特性を評価した。
水性インク組成(合計100質量部)
染料(C.I.フードブラック2):3質量部
界面活性剤(サーフィノール465、日信化学社製):1質量部
ジエチレングリコール:5質量部
ポリエチレングリコール:10質量部
イオン交換水:81質量部
2.印字特性
ラインヘッドを用いた超高速印字を行うカードプリンターP−400CII(キヤノンアプテクス社製)を記録装置として用いて、実施例1〜5で製作した被記録媒体に印字を行った。印字する被記録媒体の大きさは、プリンターがカードプリンターのため99×150mmとした。この印字操作及び印字により得られた印字物について以下の特性を評価した。
1)インク吸収性
上記プリンターを用いて単色から4色までのベタ印字を行った。印字直後の被記録媒体表面のインク乾燥状態を記録部に指で触れることで確認し、インク吸収性を調べた。単色べた印字でのインク量を100%とした。
上記プリンターを用いて単色から4色までのベタ印字を行った。印字直後の被記録媒体表面のインク乾燥状態を記録部に指で触れることで確認し、インク吸収性を調べた。単色べた印字でのインク量を100%とした。
インク量300%(3色混合)でインクが指に付着しないものを◎
インク量200%(2色混合)でインクが指に付着しないものを○
インク量100%でインクが指に付着しないものを△
インク量100%でインクが指に付着するものを×
とした。
インク量200%(2色混合)でインクが指に付着しないものを○
インク量100%でインクが指に付着しないものを△
インク量100%でインクが指に付着するものを×
とした。
2)画像濃度
上記プリンターを用いてY、M、C、Bkインク単色、各インク量100%でベタ印字した画像の画像濃度をマクベス反射濃度計RD−918を用いて評価した。画像濃度は各色の光学濃度を平均化して求めた。
上記プリンターを用いてY、M、C、Bkインク単色、各インク量100%でベタ印字した画像の画像濃度をマクベス反射濃度計RD−918を用いて評価した。画像濃度は各色の光学濃度を平均化して求めた。
3)ニジミ、ビーディング、裏抜け
上記プリンターで10mm×10mmの正方形のパターンを単色または多色でベタ印字した記録部のニジミ、ビーディングを目視で評価した。
上記プリンターで10mm×10mmの正方形のパターンを単色または多色でベタ印字した記録部のニジミ、ビーディングを目視で評価した。
印字部から色材のにじみがなければ○
色材のにじみが見えれば×
とした。同様にして、
べた印字部にビーディングやはじきがなければ○
べた印字部にビーディングやはじきが発生していれば×
とした。
色材のにじみが見えれば×
とした。同様にして、
べた印字部にビーディングやはじきがなければ○
べた印字部にビーディングやはじきが発生していれば×
とした。
(実施例1)
原料パルプとして市販のマーセル化パルプ(「サルファテートHJ」)70質量部、アルカリ処理していない通常のLBKP30質量部を混合してダブルディスクリファイナーによって叩解した。この叩解時に、カナディアンスタンダードフリーネス(C.S.F.)500mlに調整して抄紙原料を得た。この抄紙原料を、長網抄紙機で坪量80g/m2に調節して抄紙して本発明の基紙を得た。この基紙は、表面サイズプレスのない無サイズ紙である。
原料パルプとして市販のマーセル化パルプ(「サルファテートHJ」)70質量部、アルカリ処理していない通常のLBKP30質量部を混合してダブルディスクリファイナーによって叩解した。この叩解時に、カナディアンスタンダードフリーネス(C.S.F.)500mlに調整して抄紙原料を得た。この抄紙原料を、長網抄紙機で坪量80g/m2に調節して抄紙して本発明の基紙を得た。この基紙は、表面サイズプレスのない無サイズ紙である。
次に下記組成の固形分濃度20質量%の水分散液を作成した。
シリカ(カープレックスBS―312AM、商品名、デグッサ社製:多孔質顔料) 80質量部(乾燥固形分換算)
サブミクロンシリカ(サイロジェット703A、商品名、グレース社製)
20質量部(乾燥固形分換算)
ポリビニルアルコール(PVA−117、商品名、クラレ社製:バインダー)
30質量部(固形分換算)
カチオン性樹脂(カチオンQ5、商品名、星光PMC社製)
10質量部(固形分換算)
B型粘度計で測定した上記分散液の粘度は980mPa・sであった。この分散液を、前記基紙上に乾燥後の塗工量が20g/m2となるようにバーコートし、次いで熱風乾燥機を用いて100℃で5分間加熱することによりインク受容層を設けた。更に、スーパーカレンダー(熊谷理機社製)で表面を平滑化して被記録媒体を得た。この被記録媒体の物性値を表1に示す。
シリカ(カープレックスBS―312AM、商品名、デグッサ社製:多孔質顔料) 80質量部(乾燥固形分換算)
サブミクロンシリカ(サイロジェット703A、商品名、グレース社製)
20質量部(乾燥固形分換算)
ポリビニルアルコール(PVA−117、商品名、クラレ社製:バインダー)
30質量部(固形分換算)
カチオン性樹脂(カチオンQ5、商品名、星光PMC社製)
10質量部(固形分換算)
B型粘度計で測定した上記分散液の粘度は980mPa・sであった。この分散液を、前記基紙上に乾燥後の塗工量が20g/m2となるようにバーコートし、次いで熱風乾燥機を用いて100℃で5分間加熱することによりインク受容層を設けた。更に、スーパーカレンダー(熊谷理機社製)で表面を平滑化して被記録媒体を得た。この被記録媒体の物性値を表1に示す。
(実施例2)
実施例1のマーセル化パルプの代わりに嵩高性セルロース繊維としてねじれ構造を有する架橋パルプ(High Bulk Additive、商品名、ウエハウザーペーパー社製)を用いて抄紙原料を得た。次に、実施例1と同じ方法で抄紙原料を抄紙して坪量80g/m2の基紙を得た。更に、実施例1と同じシン塗工液を用いて、実施例1と同じ方法で塗工を行ってインク受容層を形成した。この後、実施例1と同様に平滑化処理を行って被記録媒体を得た。この被記録媒体の物性値を表1に示す。
実施例1のマーセル化パルプの代わりに嵩高性セルロース繊維としてねじれ構造を有する架橋パルプ(High Bulk Additive、商品名、ウエハウザーペーパー社製)を用いて抄紙原料を得た。次に、実施例1と同じ方法で抄紙原料を抄紙して坪量80g/m2の基紙を得た。更に、実施例1と同じシン塗工液を用いて、実施例1と同じ方法で塗工を行ってインク受容層を形成した。この後、実施例1と同様に平滑化処理を行って被記録媒体を得た。この被記録媒体の物性値を表1に示す。
(実施例3)
カールドファイバー(商品名:HBA−FF、商品名、米国ウェアーハウザー社製)70質量部と、ダブルディスクリファイナーによってC.S.F.500mlまで叩解されたLBKP30質量部を混合して抄紙原料を得た。次に、実施例1と同じ方法で抄紙原料を抄紙して坪量80g/m2の基紙を得た。更に、実施例1と同じ塗工液を用いて、実施例1と同じ方法で塗工を行ってインク受容層を形成した。この後、実施例1と同様に平滑化処理を行って被記録媒体を得た。この被記録媒体の物性値を表1に示す。
カールドファイバー(商品名:HBA−FF、商品名、米国ウェアーハウザー社製)70質量部と、ダブルディスクリファイナーによってC.S.F.500mlまで叩解されたLBKP30質量部を混合して抄紙原料を得た。次に、実施例1と同じ方法で抄紙原料を抄紙して坪量80g/m2の基紙を得た。更に、実施例1と同じ塗工液を用いて、実施例1と同じ方法で塗工を行ってインク受容層を形成した。この後、実施例1と同様に平滑化処理を行って被記録媒体を得た。この被記録媒体の物性値を表1に示す。
(実施例4)
原料パルプとしてボルネオ産マングローブ材チップを原料として得られたLBKPをダブルディスクリファイナーによって叩解して、C.S.F.550mlに調整した。多孔質填料としてシリカ(Sipernat350、商品名、粒子径3μm、比表面積50m2/g、デグッサ社製)を10質量%(灰分換算)となるように原料パルプに混合して抄紙原料とした。次に、実施例1と同じ方法で抄紙して坪量80g/m2の基紙を得た。更に、実施例1と同じ塗工液を用いて実施例1と同じ方法で塗工を行ってインク受容層を形成した。この後、実施例1と同様に平滑化処理を行って被記録媒体を得た。この被記録媒体の物性値を表1に示す。
原料パルプとしてボルネオ産マングローブ材チップを原料として得られたLBKPをダブルディスクリファイナーによって叩解して、C.S.F.550mlに調整した。多孔質填料としてシリカ(Sipernat350、商品名、粒子径3μm、比表面積50m2/g、デグッサ社製)を10質量%(灰分換算)となるように原料パルプに混合して抄紙原料とした。次に、実施例1と同じ方法で抄紙して坪量80g/m2の基紙を得た。更に、実施例1と同じ塗工液を用いて実施例1と同じ方法で塗工を行ってインク受容層を形成した。この後、実施例1と同様に平滑化処理を行って被記録媒体を得た。この被記録媒体の物性値を表1に示す。
(実施例5)
実施例4と同じ基紙を用いて、実施例1の塗工液の代わりに下記組成の塗工液を用いた以外は実施例1と同じ方法で塗工を行って塗工量が20g/m2のインク受容層を形成した。分散液の粘度は900mPa・sであった。次に、実施例1と同様に平滑化処理を行って被記録媒体を得た。この被記録媒体の物性値を表1に示す。
固形分濃度15質量%の水分散液
シリカ(カープレックスBS―312AM、商品名、デグッサ社製)
70質量部(乾燥固形分換算)
サブミクロンシリカ(サイロジェット703A、商品名、グレース社製)
30質量部(乾燥固形分換算)
ポリビニルアルコール(PVA−117、商品名、クラレ社製:バインダー)
30質量部(固形分換算)
カチオン性樹脂(カチオンWS547、商品名、星光PMC社製)
20質量部(固形分換算)
実施例4と同じ基紙を用いて、実施例1の塗工液の代わりに下記組成の塗工液を用いた以外は実施例1と同じ方法で塗工を行って塗工量が20g/m2のインク受容層を形成した。分散液の粘度は900mPa・sであった。次に、実施例1と同様に平滑化処理を行って被記録媒体を得た。この被記録媒体の物性値を表1に示す。
固形分濃度15質量%の水分散液
シリカ(カープレックスBS―312AM、商品名、デグッサ社製)
70質量部(乾燥固形分換算)
サブミクロンシリカ(サイロジェット703A、商品名、グレース社製)
30質量部(乾燥固形分換算)
ポリビニルアルコール(PVA−117、商品名、クラレ社製:バインダー)
30質量部(固形分換算)
カチオン性樹脂(カチオンWS547、商品名、星光PMC社製)
20質量部(固形分換算)
表1の結果より、基紙のインク吸収量をインク受容層のインク吸収量の1.5倍とすることでインク吸収性、画像濃度、ニジミ、ビーディング、裏抜けに優れた被記録媒体が得られることが分かる。
Claims (6)
- セルロースパルプを含む基紙と、前記基紙上に設けられたインク受容層とからなる被記録媒体において、
ブリストー法(J.TAPPI試験法 No.51)による25ms当たりの測定において、前記基紙のインク吸収量が前記インク受容層のインク吸収量の1.5倍以上であることを特徴とする被記録媒体。 - 前記基紙のインク吸収量が、30ml/m2以上であることを特徴とする請求項1に記載の被記録媒体。
- 前記インク受容層のインク吸収量が、15ml/m2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の被記録媒体。
- 前記セルロースパルプが、マーセル化セルロース、フラッフ化セルロース、嵩高性セルロース及び機械パルプからなる群から選択された少なくとも1種のセルロースを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の被記録媒体。
- インク受容層を有する被記録媒体に対して、インクの液滴を前記インク受容層に付与して印字を行なう画像形成方法において、
前記被記録媒体として請求項1〜4の何れか1項に記載の被記録媒体を用いることを特徴とする画像形成方法。 - 前記インクの液滴のインク受容層への付与が、インクを吐出するノズル列を有するインクジェット記録ヘッドの前記ノズルからインクの液滴を吐出させて前記インク受容層に付与するインクジェット方法によることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
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---|---|---|---|---|
DE112010002965T5 (de) | 2009-07-17 | 2012-10-11 | Mitsubishi Paper Mills Ltd. | Beschichtetes Druckpapier |
JP2017071089A (ja) * | 2015-10-06 | 2017-04-13 | 三菱製紙株式会社 | 産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙 |
-
2005
- 2005-10-26 JP JP2005311376A patent/JP2007118289A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112010002965T5 (de) | 2009-07-17 | 2012-10-11 | Mitsubishi Paper Mills Ltd. | Beschichtetes Druckpapier |
US8609210B2 (en) | 2009-07-17 | 2013-12-17 | Mitsubishi Paper Mills Limited | Coated printing paper |
JP2017071089A (ja) * | 2015-10-06 | 2017-04-13 | 三菱製紙株式会社 | 産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙 |
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