JPH06297833A - インクジェット用記録紙 - Google Patents

インクジェット用記録紙

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JPH06297833A
JPH06297833A JP5089913A JP8991393A JPH06297833A JP H06297833 A JPH06297833 A JP H06297833A JP 5089913 A JP5089913 A JP 5089913A JP 8991393 A JP8991393 A JP 8991393A JP H06297833 A JPH06297833 A JP H06297833A
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清 細井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基紙の少なくとも片面に、白色顔料を含有す
る塗料を乾燥塗工量4〜10g/m2で塗工した塗工層
を設けてなるインクジェット用記録紙において、その塗
工層の厚さが薄くても、水性インクを用いたインクジェ
ット記録によるベタ印字やハーフトーン印字を行った場
合でも濃度ムラがほとんど発生することがないように
し、しかも発色鮮明性や解像性に優れ、塗工層の強度に
も優れたものとする。 【構成】 上記インクジェット用記録紙における基紙と
して、ステキヒトサイズ度が5〜70秒、みかけ密度が
0.70〜1.00g/cm3及び地合い指標値が20
以上である基紙を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性インクを用いるイ
ンクジェット記録に好適な記録紙に係り、特に、ベタ印
字部及び中間調印字部において濃度ムラがほとんど発生
しないインクジェット用記録紙に関する。
【0002】
【従来の技術】水性インクを用いるインクジェット記録
に使用されるインクジェット用記録紙としては、例え
ば、基紙上にインクを受容するための塗工層を設けた構
造のものが知られている。この種インクジェット用記録
紙においては、塗工層の強度が強く、塗工層が基紙から
剥がれるという粉落ちがなく、しかも低コストで普通紙
ライクをもたせるため、その塗工層を形成するための塗
料の塗工量を少なくしたり或いは塗工層の塗料を基紙の
繊維間に混在させることにより、その塗工層の厚さを比
較的薄くするという手段が採られている。
【0003】ところが、塗工層を薄くした従来のインク
ジェット用記録紙は、その塗工層のみではインクを吸収
しきれなくなり、結果的にインクの浸透性は基紙の影響
を受けやすくなる。そのため、基紙にインク浸透性のム
ラがあると、特にベタ印字部や中間調(ハーフトーン)
印字部においてその濃度が不均一になる濃度ムラが発生
しやすいという問題がある。
【0004】このような濃度ムラを解消するための技術
手段として、次のようなものが提案されている。例え
ば、特開昭61−68286号公報には、坪量が50〜
90g/m2及びステキヒトサイズ度が5〜100秒で
ある基材に塗工層を設けた記録紙を使用し、且つ、イン
ク吸収性を高めるために水分含有量が10〜90重量%
の水性インクを使用して印字を行うインクジェット記録
方法が、特開昭61−68287号公報には、特開昭6
1−68286号公報の記録方法と同様な記録紙を使用
し、且つ、インク吸収性を高めるために粘度が25cp
以下のインクを使用して印字を行うインクジェット記録
方法が、特開昭61−68288号公報には、特開昭6
1−68286号公報の記録方法と同様な記録紙を使用
し、且つ、ドットの拡がりを特定するため表面張力が記
録紙のそれに近い20〜60dyn/cm(20°C)
であるインクを使用して印字を行うインクジェット記録
方法がそれぞれ提案されている。また、特開昭62−2
16785号公報には、インクの吸収性を高め且つドッ
ト形状を良くするために、記録面の表面形状のパワース
ペクトルにおけるピーク波長を特定した(塗工層がな
い)基紙のみの構造からなる記録紙が提案されている。
さらに、特開平1−159287号公報には、ステキヒ
トサイズ度が1〜8秒で灰分が2〜15%である基紙を
使用し、且つ、塗工層のバインダーとして適度の疎水性
を有するものを使用する記録紙が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
61−68286号、特開昭61−68287号及び特
開昭61−68288号公報に開示の技術はいずれも、
特定の記録紙とインクを組み合せて使用することに特徴
があり、従って、基紙の坪量とステキヒトサイズ度につ
いて特定した記録紙のみでは、前記した濃度ムラを大幅
に改善することはできない。また、特開昭62−216
785号公報の記録紙は、塗工層を有していないためイ
ンク吸収性が劣るうえに印字部の発色性や解像性に欠
け、しかも、インクが基紙に直接吸収されることになる
ため繊維に沿ってのインク浸透現象が発生し、ドット形
状が悪くなり、そのため前記した濃度ムラを充分に改善
することは困難である。さらに、特開平1−15928
7号公報の記録紙においても、インクの浸透性にバラツ
キがあり、やはり前記した濃度ムラを充分に改善するこ
とは困難である。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みなされたもので、その目的は、塗工層の厚さが薄く
ても、ベタ印字部やハーフトーン印字部での濃度ムラが
ほとんど発生することがなく、しかも発色鮮明性や解像
性に優れ、塗工層の強度も強いインクジェット用記録紙
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ね、特に濃度ムラの問
題について検討した結果、ベタ印字部やハーフトーン印
字部における濃度ムラの発生は、乾燥塗工量が4〜10
g/m2という薄い(軽量の)塗工層を有するインクジ
ェット用記録紙では、その基紙の地合い指標値、ステキ
ヒトサイズ度及びみかけ密度の3つの要素に起因してい
ることを究明した。
【0008】すなわち、まず、前述したように塗工層の
薄い記録紙では、インクを塗工層で全て吸収できないた
め、その吸収しきれなかったインクを基紙において吸収
しなければならない。そのため、その記録紙における基
紙の地合いが悪い、即ち坪量分布に微小な差(バラツ
キ)があると、基紙繊維間の空隙の大きさに差が生じ、
濃度ムラが発生することを知り得た。
【0009】つまり、基紙繊維間の空隙が大きくインク
を吸収し易い部分ではインクの浸透深さが深くなってド
ット径が小さくなり、一方その空隙が小さくインクを吸
収し難い部分ではインクは横方向へ拡がるためドット径
が大きくなり、その結果、両者間においてドット径にバ
ラツキが生じ、濃度ムラが発生することを確認した。ま
た、基紙の地合いが悪いと、塗工層を形成する塗料を塗
工する際、基紙繊維間の空隙が小さい坪量の低い部分で
は繊維間の空隙が多いため塗料が基紙内に吸収されやす
く、塗工層が薄くなる。逆に、その空隙が大きい坪量の
高い部分では塗工層が厚くなる。そして、塗工層の薄い
部分では塗工層のインク吸収量が少ないためドット径が
大きくなり、一方塗工層が厚い部分では塗工層のインク
吸収量が多いためドット径が小さくなり、このように塗
工層の厚さムラが発生することによっても、ドット径に
バラツキが生じ、濃度ムラが発生することを確認した。
【0010】また、基紙のステキヒトサイズ度が5秒未
満であると、基紙のサイズ剤の効きむらが起こるため濃
度ムラが発生し、5秒以上の値となるとサイズ剤の効き
むらがなくなるため濃度ムラが発生しないことを知り得
た。
【0011】つまり、基紙のサイズ剤の効きむらが起こ
ると、サイズ剤が良く効いている部分では基紙へのイン
クの浸透が遅いので塗工層中においてインクがあふれド
ット径が大きくなる。一方、サイズ剤の効きが悪い部分
では基紙へのインクの浸透が良いのでドット径が小さく
なる。そのため、ドット径にバラツキが生じ、濃度ムラ
が発生することを確認した。また、基紙にサイズ剤が良
く効いている部分では、塗工層を形成する塗料が基紙内
部に浸透し難いため基紙上部に残りやすく、塗工層が厚
く形成される。サイズ剤の効きが悪い部分では塗料が基
紙内部に浸透しやすいために塗工層が薄くなる。このよ
うに塗工層の厚さムラが発生することによっても、前記
した理由と同様にしてドット径にバラツキが生じ、濃度
ムラが発生することを確認した。
【0012】さらに、基紙のみかけ密度も濃度ムラに影
響することを知り得た。つまり、みかけ密度が低いと基
紙の内部空隙が大きくなるため塗料が基紙内部に浸透し
やすく、塗工層が薄くなり、反対にみかけ密度が高いと
塗料が浸透し難く、塗工層が厚くなる。そのため、前記
した理由と同様にしてドット径にバラツキが生じ、濃度
ムラが発生することを確認した。
【0013】本発明者等は、このような知見に基づいて
更に研究を重ねた結果、基紙のインク浸透性のバラツキ
を最少限に抑え且つ均一な厚さの塗工層を形成できるよ
うに、基紙の地合いを良くし(微小部分の坪量分布を小
さくし)且つステキヒトサイズ度及びみかけ密度を特定
することにより、塗工層が薄いインクジェット用記録紙
においても、特に濃度ムラの発生を防止することができ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明のインクジェット用記録
紙は、基紙の少なくとも片面に、白色顔料を含有する塗
料を乾燥塗工量4〜10g/m2で塗工した塗工層を設
けてなるインクジェット用記録紙において、上記基紙と
して、ステキヒトサイズ度が5〜70秒、みかけ密度が
0.70〜1.00g/cm3及び地合い指標値が20
以上である基紙を使用することを特徴とするものであ
る。
【0015】上記の技術的手段において、基紙のステキ
ヒトサイズ度はJIS P 8122に準じて測定した
ものであり、5〜70秒、好ましくは10〜60秒であ
る。このステキヒストサイズ度が5秒未満であると、サ
イズ剤の効きむらが生じるため濃度ムラの発生を招きや
すく、反対に70秒を超えると、サイズ剤の効きが全体
的に強くなり塗工層を形成するための塗料の基紙への濡
れ性が悪くなるため塗料がはじかれやすくなり、塗工層
の厚さムラが生じて濃度ムラの発生を招く。
【0016】また、基紙のみかけ密度は0.70〜1.
00g/cm3、好ましくは0.75〜0.90g/c
3である。このみかけ密度が0.70g/cm3未満で
あると、塗料が基紙内部に浸透しやすいため塗工層が薄
くなり濃度ムラの発生を招きやすく、また塗料中のバイ
ンダー成分が基紙中に浸透して塗工層の塗工強度が低下
する。反対に1.00g/cm3より大きくなると、イ
ンクの吸収速度が著しく低下し、混色にじみなどが発生
してしまう。
【0017】更に、基紙の地合い指標値は20以上、好
ましくは25以上である。この地合い指標が20未満で
あると、前記したように濃度ムラの発生が顕著になる。
【0018】この地合い指標値は、M/K Syste
ms,Inc.(MKS社)製の3Dシートアナライザ
ー(M/K950)を使い、そのアナライザーの絞りを
直径1.5mmとし、マイクロフォーメーションテスタ
ー(MFT)を用いて測定したものである。すなわち、
3Dシートアナライザーにおける回転するドラム上にサ
ンプルを取付け、ドラム軸上に取付けられた光源と、ド
ラムの外側に光源と対応して取付けられたフォトディテ
クターによって、サンプルにおける局部的な坪量差を光
量差として測定する。このときの測定対象範囲は、フォ
トディテクターの入光部に取付けられる絞りの径で設定
される。次いで、その光量差(偏差)を増幅、A/D変
換し、64の光測定的な坪量階級に分級し、1回のスキ
ャンで100,000個のデータをとり、そのデータ分
のヒストグラム度数を得る。そして、そのヒストグラム
の最高度数(ピーク値)を、64の微小坪量に相当する
階級に分級されたもののうち100以上の度数を持つ階
級の数で割り、それを1/100にした値が地合い指標
値として算出される。この地合い指標値は、その値が大
きい程地合いが良いことを示す。
【0019】この基紙の地合いを良くする方法として
は、例えば、スクリーンや渦流式クリーナーを抄紙機の
ヘッドボックスの直前に設置して基紙原料の流動方向が
一定とならないようにしたり、或いは、分散剤、地合い
制御添加剤、リテンション及びろ水助剤等の添加薬品を
用いて原質のフロック化を管理する方法等が挙げられる
が、これら方法に限定されない。
【0020】また、上記の技術的手段において、基紙と
しては、通常、木材パルプを主原料として形成されるも
のが使用され、必要に応じてガラス繊維、合成繊維を混
合したものを使用してもよい。この基紙中には填料を配
合するが、その填料としては、重質又は軽質炭酸カルシ
ウム、タルク、カオリンクレー、二酸化チタン、ゼオラ
イト、ホワイトカーボン等の白色の填料が使用できる。
この填料は、基紙の不透明性を向上させるために5〜3
0重量%、好ましくは10〜25重量%の割合で配合す
る。この填料を30重量%を越えて過量に配合すると、
基紙の強度低下や紙粉発生が顕著となる。
【0021】この基紙は、その坪量が50〜100g/
2、好ましくは60〜90g/m2となり、しかも紙厚
が65〜150μm、好ましくは80〜140μmとな
るよう抄造される。この坪量が50g/m2未満では裏
うつりが発生しやすくなり、反対に100g/m2を越
えると紙の強さが大きくなって座屈力が増し、記録装置
内での搬送トラブルを招きやすくなる。また、紙厚につ
いても同様に65μm未満では裏うつり等が発生してし
まい、反対に150μmを超えると紙の強さが大きくな
って座屈力が増し、記録装置内での搬送ラブルを招きや
すくなる。
【0022】このような基紙の少なくとも片面に塗工す
る塗工層形成用の塗料としては、BET比表面積が10
0〜400m2/g、好ましくは200〜400m2/g
であり、平均粒子径が2〜15μmである白色顔料を含
有する塗料を使用するのが望ましい。そのような白色顔
料としては、例えば、非晶質のシリカが最適である。ま
た、白色顔料は塗料中に50〜85重量%、好ましく
は、60〜80重量%の割合で配合される。
【0023】白色顔料のBET比表面積が100m2
gを下回ると、塗工層のインク吸収容量が低下するた
め、混色にじみが発生し易くなり、反対に400m2
gを超えると、顔料の硬度が低下して極度に柔らかい顔
料となるため鉛筆等での筆記が困難となる。また、顔料
の平均粒子径が2μmを下回ると鉛筆等による筆記が困
難であり、15μmを超えると塗工層表面の凹凸が大き
くなるため凹部周囲の或る横方向へのインク流れ出しが
発生し、これにより記録時のドット形状が不均一になり
濃度ムラが発生したり混色にじみが発生しやすくなる。
さらに、白色顔料の配合量が50%を下回ると、顔料の
BET比表面積が100m2/gを下回る時と同様の悪
影響があり、反対に85重量%を超えると、塗工層の強
度が低下し、粉落ちが発生し易やすくなったり、鉛筆等
による筆記が困難となる。
【0024】また、非晶質のシリカの白色顔料は、耐水
性や耐光性等を付与するためCa、Al、Mg等のカチ
オン性を有する金属イオンにより修飾しても構わない。
更に、目的に応じて、BET比表面積が100m2/g
を下回る顔料を少量配合してもよい。
【0025】塗料におけるバインダー成分としては、完
全けん化ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニル
アルコール、シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体等のポリビニルアルコール誘導体、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリ
ビニルピロリドン、酸化澱粉、変性澱粉、ゼラチン、カ
ゼイン、アクリル酸系重合体等の水溶性高分子を単独で
又は複数組み合せて使用する。なかでも、完全けん化ポ
リビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコー
ル、シラノール基変性ビニルアルコール共重合体等のポ
リビニルアルコール系高分子が塗工層の強度の観点から
好ましく、さらには、シラノール基変性ビニルアルコー
ル共重合体が塗工層の強度をより向上させることがで
き、しかもインク中の染料を捕捉するための顔料の配合
量を増加させることができることから最も好ましい。
【0026】その他、塗工層に水性インクの画像の耐水
性を付与する目的で、その塗料中にポリエチレンイミ
ン、ポリアクリルアミン塩等のアミン系高分子やその4
級塩の他、アクリル系化合物とアンモニウム塩との共重
合体等からなるカチオン性水性高分子や水溶性金属塩を
単独で又は2種以上組み合せて配合することができる。
更に、塗料中には必要に応じて、蛍光増白剤、界面活性
剤、防カビ剤、分散剤等を含有させてもよい。
【0027】本発明の記録紙は、このような塗料を前記
した基紙の少なくとも片面に乾燥塗工量が4〜10g/
2、好ましくは4〜8g/m2となるように塗工する。
この塗工量が4g/m2未満であると、その塗工層中に
基紙の繊維が混在してしまうため、インクの浸透性にバ
ラツキが生じドット径が不均一となって濃度ムラが発生
すると同時に、発色性や解像性の悪化する。反対に10
g/m2を越えると塗工層自体の強度が悪化し、粉落ち
発生の原因となる。塗工手段としては、リバースコータ
ー、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ゲート
ロールコーター等の手段を適宜採用することができる。
【0028】また、本発明においては、記録紙に印字さ
れるドットが真円に近く、その周端にざらつきが少ない
ドット形状となるようにするため、記録紙の表面を必要
に応じてスーパーカレンダー等の処理によりベック平滑
度が25秒以上、好ましくは25〜100秒となるよう
に仕上げる。
【0029】
【作用】上記した技術的手段の記録紙は、基紙の空隙分
布が均一でかつその基紙に形成される塗工層の厚さが均
一であるため、たとえ塗工層が薄くとも、インクの浸透
性が記録紙全域にわたって(微小な領域単位において
も)均一となり、従来公知の水性インクによるインクジ
ェット記録によりベタ及びハーフトーンの記録を行った
場合でも濃度ムラが発生することがない。しかも、記録
される画像は発色鮮明性や解像性に優れており、更に、
塗工層の強度も充分なものである。なお、この記録紙は
従来公知の水性インクを用いるインクジェット記録法に
使用することができ、その記録法に使用する水性インク
等についても特に限定されない。
【0030】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさ
らに詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0031】実施例1〜8及び比較例1〜8 原料パルプとして広葉樹晒クラフトパルプを使用し、坪
量が80g/m2(但し、実施例4及び比較例7は70
g/m2、実施例5は100g/m2、比較例4は60g
/m2)で、みかけ密度、ステキヒトサイズ度及び地合
い指標値が表1に示す値となるように抄紙し、基紙をそ
れぞれ用意した。
【0032】次に、これら各基紙の片面に下記の組成成
分、 微粒子合成非晶質シリカ(BET比表面積300m2
g、水沢化学工業製、ミズカシルP−78D):72重
量% ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA117):2
3重量% 耐水化剤(日本触媒工業製、エポミンP1000):5
重量% を含有する塗工剤としての塗料を表1に示す乾燥塗工量
で塗工して塗工層を形成した。しかる後、その塗工面の
ベック平滑度が30秒となるように仕上げ、各実施例及
び比較例の記録紙を得た。
【0033】
【表1】
【0034】これら記録紙を用い、黒色、シアン色、マ
ゼンタ色、イエローの4色のインクジェット式記録ヘッ
ドを有し300dpiの記録密度能力をもつプリンター
と、粘度が1〜8cpで表面張力が40dyn/cm以
下の水性インクを使用して画像記録を行い、各記録紙に
おける画像の濃度ムラ、発色鮮明性、解像性及び塗工層
の強度についてそれぞれ調べ、その評価を行った。各評
価については以下に示す方法に従って行った。
【0035】濃度ムラは、シアン色インクで50%のハ
ーフトーンパターンを印字後、得られた画像を目視によ
り観察し、以下の基準にて評価した。 ◎:濃度ムラを発生しない、○:ごく僅かの濃度ムラ発
生、△:濃度ムラが少し発生、×:濃度ムラが発生。
【0036】発色鮮明性は、上記プリンターでカラー画
像を印字後、得られたカラー画像の発色鮮明性について
目視により観察し、その優劣を以下の基準にて評価し
た。 ◎:非常に良い、○:良い、△:普通、×:悪い。
【0037】解像性は、8ポイントの明朝体で『濃』、
『富』の文字を記録し、その了解度、文字品位を目視に
より判定し、その優劣を以下の基準にて評価した。 ◎:文字の了解度、品位ともに非常に良い、○:文字の
了解度、品位ともに良い、△:少し文字がつぶれてい
る、×:文字がつぶれている。
【0038】塗工層の強度は、記録紙を折り曲げ、その
折り曲げ部分に2kgの金属ロールを転がし、このとき
の塗工層の剥がれの状態を観察し、その優劣を以下の基
準にて評価した。 ◎:全く剥がれない、○:わずかに剥がれる、△:少し
剥がれる、×:かなり剥がれる。
【0039】以上の各評価の結果について表2に併せて
示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
塗工層の厚さが薄くとも、ベタ印字部及びハーフトーン
印字部における濃度ムラがなく、しかも発色鮮明性や解
像性に優れた、水性インクを用いたインクジェット記録
法による画像記録が可能になる。また、その塗工層は強
度的に充分に優れたものであり、粉落ちが発生すること
もない。さらに、本発明の記録紙は、塗工層形成用の塗
料の塗工量が微量であるため低コストなものであるとと
もに、その感触や外観が共に普通紙に近いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 21/14 7199−3B D21H 5/00 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙の少なくとも片面に、白色顔料を含
    有する塗料を乾燥塗工量4〜10g/m2で塗工した塗
    工層を設けてなるインクジェット用記録紙において、上
    記基紙として、ステキヒトサイズ度が5〜70秒、みか
    け密度が0.70〜1.00g/cm3及び地合い指標
    値が20以上である基紙を使用することを特徴とするイ
    ンクジェット用記録紙。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5589259A (en) * 1994-06-30 1996-12-31 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink jet recording paper
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