JP3097272B2 - インクジェット用記録紙及び記録方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、水性インクでインクジ
ェット記録する際に、カラー画像の発色、鮮明性、解像
性及びインクの吸収性に優れたインクジェット用記録
紙、並びに、インクジェット記録方法に関する。
ェット記録する際に、カラー画像の発色、鮮明性、解像
性及びインクの吸収性に優れたインクジェット用記録
紙、並びに、インクジェット記録方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】水性インクを用いるインクジェット記録
において、記録紙は、インクの速やかな吸収と、インク
中の色材の記録紙上での発色並びにその鮮明性、解像性
などの特性が求められている。従来、このような特性を
持たせるために、いくつかの記録紙が提案されている。
特公昭６０─２７５８８号公報には、無サイズ紙に塗工
層を設けず、インク吸収性を向上させた記録紙が開示さ
れている。しかし、このような記録紙は、インクの吸収
性は速いものの、紙中深くまでインクが浸透するため、
インクの発色が悪く、濃度が上がらない。また、用紙の
平面方向への浸透も速いため、ドットが大きくなり高解
像度を得ることができないという欠点があり、さらに、
繊維に沿った滲み（フェザリングという）の発生により
画像品位が低下するという欠点があった。
において、記録紙は、インクの速やかな吸収と、インク
中の色材の記録紙上での発色並びにその鮮明性、解像性
などの特性が求められている。従来、このような特性を
持たせるために、いくつかの記録紙が提案されている。
特公昭６０─２７５８８号公報には、無サイズ紙に塗工
層を設けず、インク吸収性を向上させた記録紙が開示さ
れている。しかし、このような記録紙は、インクの吸収
性は速いものの、紙中深くまでインクが浸透するため、
インクの発色が悪く、濃度が上がらない。また、用紙の
平面方向への浸透も速いため、ドットが大きくなり高解
像度を得ることができないという欠点があり、さらに、
繊維に沿った滲み（フェザリングという）の発生により
画像品位が低下するという欠点があった。
【０００３】これらの欠点を解決するため、高サイズ度
の基材上に高インク吸収性を有する塗工層を多量に塗工
した記録紙が、例えば特開昭５８−７２４９５号公報に
開示されている。しかし、このような記録紙では、イン
ク吸収性を上げるために、塗工層内の顔料比率を高く
し、塗工量も多くする必要があり、オフィス等にあるコ
ピー用紙、非塗工の印刷用紙等のいわゆる普通紙とは、
異なる感触と見た目を呈し、普通紙性を具備しない。ま
た、鉛筆など、筆記部分が堅い筆記具で筆記すると、塗
工層が削られ、十分に筆記できなかったり、塗工層の強
度が弱いために、折り曲げや摩擦により粉落ちを生じ、
その結果、用紙の走行ロールに付着して走行不良を生じ
たり、ヘッドの目詰まりを生ずるという欠点があった。
の基材上に高インク吸収性を有する塗工層を多量に塗工
した記録紙が、例えば特開昭５８−７２４９５号公報に
開示されている。しかし、このような記録紙では、イン
ク吸収性を上げるために、塗工層内の顔料比率を高く
し、塗工量も多くする必要があり、オフィス等にあるコ
ピー用紙、非塗工の印刷用紙等のいわゆる普通紙とは、
異なる感触と見た目を呈し、普通紙性を具備しない。ま
た、鉛筆など、筆記部分が堅い筆記具で筆記すると、塗
工層が削られ、十分に筆記できなかったり、塗工層の強
度が弱いために、折り曲げや摩擦により粉落ちを生じ、
その結果、用紙の走行ロールに付着して走行不良を生じ
たり、ヘッドの目詰まりを生ずるという欠点があった。
【０００４】さらにこれらの欠点を解消するために、特
開昭６３─１５８３号公報では、塗工層を薄くし、基材
のステキヒストサイズ度を５秒以下とし、空隙率を５０
％以下にして密度を高く設定し、填料配合率を特定した
記録紙が提案されている。また、特開平２─１６０７９
号公報では、インク受容層表面の粗さ指数を１０ｍｌ／
ｍ2 以上とし、インク受容層表面のベック平滑度を２０
秒以下とした記録紙が提案されている。しかしながら、
特開昭６３─１５８３号公報の記録紙は、インクの吸収
性は優れているが、カラー記録をするときに基紙の空隙
が少ないため、インクの隣接する色間の境界部や異なる
色の重なり部分においてインクの溢れだしによる混色滲
みが生ずる。また、特開平２─１６０７９号公報の記録
紙は、微量塗工でインク受容層表面を粗くすることによ
り混色滲みの改善を試みているが、特に、高速、高密度
記録では、１色目を印字してから２色目を印字するまで
の時間が短く、単位面積当たりのインク量も多いところ
から、表面を粗くしただけでは混色滲みを十分に改善で
きないばかりでなく、表面を粗くしたために凹部にイン
クが流れ込み、インクドロップの紙表面における拡がり
が不均一となり、画像の品位を低下させるという欠点が
あった。
開昭６３─１５８３号公報では、塗工層を薄くし、基材
のステキヒストサイズ度を５秒以下とし、空隙率を５０
％以下にして密度を高く設定し、填料配合率を特定した
記録紙が提案されている。また、特開平２─１６０７９
号公報では、インク受容層表面の粗さ指数を１０ｍｌ／
ｍ2 以上とし、インク受容層表面のベック平滑度を２０
秒以下とした記録紙が提案されている。しかしながら、
特開昭６３─１５８３号公報の記録紙は、インクの吸収
性は優れているが、カラー記録をするときに基紙の空隙
が少ないため、インクの隣接する色間の境界部や異なる
色の重なり部分においてインクの溢れだしによる混色滲
みが生ずる。また、特開平２─１６０７９号公報の記録
紙は、微量塗工でインク受容層表面を粗くすることによ
り混色滲みの改善を試みているが、特に、高速、高密度
記録では、１色目を印字してから２色目を印字するまで
の時間が短く、単位面積当たりのインク量も多いところ
から、表面を粗くしただけでは混色滲みを十分に改善で
きないばかりでなく、表面を粗くしたために凹部にイン
クが流れ込み、インクドロップの紙表面における拡がり
が不均一となり、画像の品位を低下させるという欠点が
あった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の欠点を解消し、高速、高密度のカラー記録における
混色滲みを無くし、発色、鮮明性、解像性にも優れた高
品質の画像形成を可能とするインクジェット用記録紙、
及び、記録方法を提供しようとするものである。
記の欠点を解消し、高速、高密度のカラー記録における
混色滲みを無くし、発色、鮮明性、解像性にも優れた高
品質の画像形成を可能とするインクジェット用記録紙、
及び、記録方法を提供しようとするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、基紙の少なく
とも片面に塗工層を設けたインクジェット用記録紙にお
いて、該基紙は見掛け密度が０．６０〜０．７５ｇ／ｃ
ｍ3 で、かつ、ステキヒストサイズ度が２〜１８秒であ
り、該塗工層はＢＥＴ比表面積が１００〜４００ｍ2 ／
ｇである白色顔料を含有する塗工剤を２〜１０ｇ／ｍ2
の範囲で塗工したことを特徴とするインクジェット用記
録紙、及び、上記インクジェット用記録紙に、２０℃に
おける表面張力が４０ｄｙｎ／ｃｍ以下である水性イン
クで記録することをを特徴とするインクジェット記録方
法である。
とも片面に塗工層を設けたインクジェット用記録紙にお
いて、該基紙は見掛け密度が０．６０〜０．７５ｇ／ｃ
ｍ3 で、かつ、ステキヒストサイズ度が２〜１８秒であ
り、該塗工層はＢＥＴ比表面積が１００〜４００ｍ2 ／
ｇである白色顔料を含有する塗工剤を２〜１０ｇ／ｍ2
の範囲で塗工したことを特徴とするインクジェット用記
録紙、及び、上記インクジェット用記録紙に、２０℃に
おける表面張力が４０ｄｙｎ／ｃｍ以下である水性イン
クで記録することをを特徴とするインクジェット記録方
法である。
【０００７】
【作用】本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭
意検討を重ねた結果、インクジェット用記録紙の基紙に
ついては、基紙の空隙構造が特に混色滲みにおいて重要
であり、一定量以上の空隙を基紙内部に確保することが
必要であることを見いだした。そして、基紙の少なくと
も片面に設けた塗工層の材料及び構造により、インクで
形成されるドットの形状、大きさ、画像の濃度などが影
響を受け、画像の発色、鮮明性、解像性が左右されるこ
とを見いだした。また、カラー記録を行うときには、特
定の水性インクを用いることにより、混色滲みの発生を
抑えて一層優れた高品位の画像を得ることができること
を見いだした。
意検討を重ねた結果、インクジェット用記録紙の基紙に
ついては、基紙の空隙構造が特に混色滲みにおいて重要
であり、一定量以上の空隙を基紙内部に確保することが
必要であることを見いだした。そして、基紙の少なくと
も片面に設けた塗工層の材料及び構造により、インクで
形成されるドットの形状、大きさ、画像の濃度などが影
響を受け、画像の発色、鮮明性、解像性が左右されるこ
とを見いだした。また、カラー記録を行うときには、特
定の水性インクを用いることにより、混色滲みの発生を
抑えて一層優れた高品位の画像を得ることができること
を見いだした。
【０００８】即ち、本発明は、見掛け密度が０．６０〜
０．７５ｇ／ｃｍ3 で、かつ、ステキヒストサイズ度が
２〜１８秒である基紙の少なくとも片面に対し、ＢＥＴ
比表面積が１００〜４００ｍ2 ／ｇである白色顔料を含
有する塗工剤、好ましくは白色顔料の含有量が５０〜８
５重量％である塗工剤の量を２〜１０ｇ／ｍ2 で塗工し
た記録紙を用いることにより、記録ヘッドから噴射され
るインクが、まず初めに塗工層の高比表面積を有する白
色顔料の空隙にインク中の染料が効果的に捕捉され、鮮
やかな発色と適度のドットの拡がりを呈することにな
る。さらに、見掛け密度が低い基紙の多量の空隙の毛細
管引力でインク溶媒が急激に吸収される。そして、基紙
内部の空隙量も多いため、ベタ画像のような単位面積当
たりのインク量が多い場合や、２色のインクによるベタ
画像の重ね記録の場合においても、塗工層へのインクの
溢れだしがなく、シャープで解像性に優れ、かつ異なる
２色の境界部や重ね合わせ部分での混色滲みの無い高品
位の画像を得ることができる。その上、２０℃の表面張
力が４０ｄｙｎ／ｃｍ以下のインクを用いて上記の記録
紙に記録すると、インクの基紙への濡れ性がさらに良好
となるため、基紙へのインクの吸収速度が一層向上し、
混色滲みの無い、解像性、発色に優れた高品位の画像を
得ることができる。また、塗工層の塗工剤量が２〜１０
ｇ／ｍ2 と軽量であるため、塗工層の強度に優れ、見た
目も感触もともに普通紙に近い記録紙を得ることができ
る。
０．７５ｇ／ｃｍ3 で、かつ、ステキヒストサイズ度が
２〜１８秒である基紙の少なくとも片面に対し、ＢＥＴ
比表面積が１００〜４００ｍ2 ／ｇである白色顔料を含
有する塗工剤、好ましくは白色顔料の含有量が５０〜８
５重量％である塗工剤の量を２〜１０ｇ／ｍ2 で塗工し
た記録紙を用いることにより、記録ヘッドから噴射され
るインクが、まず初めに塗工層の高比表面積を有する白
色顔料の空隙にインク中の染料が効果的に捕捉され、鮮
やかな発色と適度のドットの拡がりを呈することにな
る。さらに、見掛け密度が低い基紙の多量の空隙の毛細
管引力でインク溶媒が急激に吸収される。そして、基紙
内部の空隙量も多いため、ベタ画像のような単位面積当
たりのインク量が多い場合や、２色のインクによるベタ
画像の重ね記録の場合においても、塗工層へのインクの
溢れだしがなく、シャープで解像性に優れ、かつ異なる
２色の境界部や重ね合わせ部分での混色滲みの無い高品
位の画像を得ることができる。その上、２０℃の表面張
力が４０ｄｙｎ／ｃｍ以下のインクを用いて上記の記録
紙に記録すると、インクの基紙への濡れ性がさらに良好
となるため、基紙へのインクの吸収速度が一層向上し、
混色滲みの無い、解像性、発色に優れた高品位の画像を
得ることができる。また、塗工層の塗工剤量が２〜１０
ｇ／ｍ2 と軽量であるため、塗工層の強度に優れ、見た
目も感触もともに普通紙に近い記録紙を得ることができ
る。
【０００９】本発明の記録紙に使用する基紙は、ＪＩＳ
Ｐ８１１８による見掛け密度を０．６０〜０．７５ｇ／
ｃｍ3 の範囲で調製する必要があり、０．６５〜０．７
３ｇ／ｃｍ3 の範囲が好ましい。見掛け密度が０．７５
ｇ／ｃｍ3 を越えると基紙の内部にインクを吸引するた
めの空隙が少なくなり、色重ね部分及び隣接する色の境
界部分に混色滲みが発生する。また、見掛け密度が０．
６０ｇ／ｃｍ3 を下回ると基紙を構成する繊維間の結合
面積を低下させて基紙の強度を低下させ、記録紙の搬送
時に紙送りロールとの摩擦により紙むけのような現象を
引き起こしたり、インクが基紙の空隙に十分吸引されす
ぎて裏うつりを生ずる。
Ｐ８１１８による見掛け密度を０．６０〜０．７５ｇ／
ｃｍ3 の範囲で調製する必要があり、０．６５〜０．７
３ｇ／ｃｍ3 の範囲が好ましい。見掛け密度が０．７５
ｇ／ｃｍ3 を越えると基紙の内部にインクを吸引するた
めの空隙が少なくなり、色重ね部分及び隣接する色の境
界部分に混色滲みが発生する。また、見掛け密度が０．
６０ｇ／ｃｍ3 を下回ると基紙を構成する繊維間の結合
面積を低下させて基紙の強度を低下させ、記録紙の搬送
時に紙送りロールとの摩擦により紙むけのような現象を
引き起こしたり、インクが基紙の空隙に十分吸引されす
ぎて裏うつりを生ずる。
【００１０】かかる基紙の見掛け密度を得るために、基
紙の坪量を５０〜１００ｇ／ｍ2 、好ましくは６０〜９
０ｇ／ｍ2 とし、基紙の紙厚を６５〜１５０μｍ、好ま
しくは８０〜１４０μｍとなるように抄造する。そし
て、Ｊ．ＴＡＰＰＩ紙パルプ試験方法Ｎｏ．４８−８５
に準拠した水銀圧入法での基紙の単位面積を当たり空隙
容量を３７ｍｌ／ｍ2 以上、好ましくは４０ｍｌ／ｍ2
以上となるように坪量、紙厚を調製することが望しい。
水銀圧入法での基紙の単位面積を当たり空隙容量が３７
ｍｌ／ｍ2 を下回ると、混色滲みが発生するため好まし
くない。また、紙厚が１５０μを越えると、紙のこわさ
が大きくなるため座屈力が増し、記録装置内での搬送時
にトラブルとなる。さらに、紙厚が６５μｍを下回る
と、裏うつりを生じて好ましくない。
紙の坪量を５０〜１００ｇ／ｍ2 、好ましくは６０〜９
０ｇ／ｍ2 とし、基紙の紙厚を６５〜１５０μｍ、好ま
しくは８０〜１４０μｍとなるように抄造する。そし
て、Ｊ．ＴＡＰＰＩ紙パルプ試験方法Ｎｏ．４８−８５
に準拠した水銀圧入法での基紙の単位面積を当たり空隙
容量を３７ｍｌ／ｍ2 以上、好ましくは４０ｍｌ／ｍ2
以上となるように坪量、紙厚を調製することが望しい。
水銀圧入法での基紙の単位面積を当たり空隙容量が３７
ｍｌ／ｍ2 を下回ると、混色滲みが発生するため好まし
くない。また、紙厚が１５０μを越えると、紙のこわさ
が大きくなるため座屈力が増し、記録装置内での搬送時
にトラブルとなる。さらに、紙厚が６５μｍを下回る
と、裏うつりを生じて好ましくない。
【００１１】また、基紙のＪＩＳＰ８１２２のステキヒ
ストサイズ度は２〜１８秒、好ましくは５〜１５秒とす
る。ステキヒストサイズ度が１８秒を越えると、基紙内
の空隙が多いが、短時間で多量のインクを吸引すること
ができず、混色滲みが発生する。ステキヒストサイズ度
が２秒を下回ると、裏うつりや、基紙内のインクの吸収
領域が大きくなり、基紙が膨潤して記録ヘッドと記録紙
が接触するため、接触による汚れが発生する。また、記
録紙に付着したインクが乾燥してカックルと呼ばれる紙
しわが顕著になり好ましくない。
ストサイズ度は２〜１８秒、好ましくは５〜１５秒とす
る。ステキヒストサイズ度が１８秒を越えると、基紙内
の空隙が多いが、短時間で多量のインクを吸引すること
ができず、混色滲みが発生する。ステキヒストサイズ度
が２秒を下回ると、裏うつりや、基紙内のインクの吸収
領域が大きくなり、基紙が膨潤して記録ヘッドと記録紙
が接触するため、接触による汚れが発生する。また、記
録紙に付着したインクが乾燥してカックルと呼ばれる紙
しわが顕著になり好ましくない。
【００１２】本発明の基紙に使用するパルプは、特に限
定されるものではなく、広葉樹晒クラフトパルプ（ＬＢ
ＫＰ）、針葉樹晒クラフトパルプ（ＬＵＫＰ）等の化学
パルプ、グランドパルプ（ＧＰ）、サーモメカニカルパ
ルプ（ＴＭＰ）等の高収率パルプ、古紙パルプ、さらに
は綿パルプ等の非木材パルプなどを利用できる。また、
目的に応じて合成繊維、ガラス繊維等を混合することも
可能である。これらのパルプのろ水度は、見掛け密度が
０．６０〜０．７５ｇ／ｃｍ3 である基紙を得るため
に、ＪＩＳＰ８１２１による測定法で３５０〜７５０ｍ
ｌＣ．Ｓ．Ｆの範囲、好ましくは４００〜７００ｍｌ
Ｃ．Ｓ．Ｆの範囲になるように調製する。３５０ｍｌ
Ｃ．Ｓ．Ｆを下回ると高密度の紙になり、見掛け密度が
０．７５ｇ／ｃｍ3 以下の基紙を得ることが困難であ
り、７５０ｍｌＣ．Ｓ．Ｆを越えると極端に紙力が低下
するため好ましくない。
定されるものではなく、広葉樹晒クラフトパルプ（ＬＢ
ＫＰ）、針葉樹晒クラフトパルプ（ＬＵＫＰ）等の化学
パルプ、グランドパルプ（ＧＰ）、サーモメカニカルパ
ルプ（ＴＭＰ）等の高収率パルプ、古紙パルプ、さらに
は綿パルプ等の非木材パルプなどを利用できる。また、
目的に応じて合成繊維、ガラス繊維等を混合することも
可能である。これらのパルプのろ水度は、見掛け密度が
０．６０〜０．７５ｇ／ｃｍ3 である基紙を得るため
に、ＪＩＳＰ８１２１による測定法で３５０〜７５０ｍ
ｌＣ．Ｓ．Ｆの範囲、好ましくは４００〜７００ｍｌ
Ｃ．Ｓ．Ｆの範囲になるように調製する。３５０ｍｌ
Ｃ．Ｓ．Ｆを下回ると高密度の紙になり、見掛け密度が
０．７５ｇ／ｃｍ3 以下の基紙を得ることが困難であ
り、７５０ｍｌＣ．Ｓ．Ｆを越えると極端に紙力が低下
するため好ましくない。
【００１３】基紙に充填する填料としては、重質炭酸カ
ルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、カオリンクレ
ー、二酸化チタン、ゼオライト、ホワイトカーボン等の
白色填料を使用することができる。基紙への含有量は、
基紙の空隙を増加させ、不透明性を向上させるために、
５重量％以上、好ましくは１０重量％以上含有させる。
なお、３０重量％を越えて充填すると、基紙の強度を低
下させ、紙粉の発生が顕著になるため、５〜３０重量
％、好適には１０〜２５重量％含有させることが望まし
い。
ルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、カオリンクレ
ー、二酸化チタン、ゼオライト、ホワイトカーボン等の
白色填料を使用することができる。基紙への含有量は、
基紙の空隙を増加させ、不透明性を向上させるために、
５重量％以上、好ましくは１０重量％以上含有させる。
なお、３０重量％を越えて充填すると、基紙の強度を低
下させ、紙粉の発生が顕著になるため、５〜３０重量
％、好適には１０〜２５重量％含有させることが望まし
い。
【００１４】また、基紙の抄紙法は、酸性抄紙、中性抄
紙のいずれでもよいが、抄紙法に応じて上記填料を選択
する必要がある。インク中の色材、特に染料の発色、画
像の耐候性の観点から、中性抄紙法が望ましい。なお、
基紙には、必要に応じて歩留向上剤、紙力向上剤や、画
像の耐水性を付与するためにカチオン化ポリマー等を添
加してもよい。
紙のいずれでもよいが、抄紙法に応じて上記填料を選択
する必要がある。インク中の色材、特に染料の発色、画
像の耐候性の観点から、中性抄紙法が望ましい。なお、
基紙には、必要に応じて歩留向上剤、紙力向上剤や、画
像の耐水性を付与するためにカチオン化ポリマー等を添
加してもよい。
【００１５】本発明の記録紙は、上記の基紙に対し、Ｂ
ＥＴ法による比表面積が１００〜４００ｍ2 ／ｇの範囲
にある白色顔料を主原料として含む塗工剤を基紙の少な
くとも片面に２〜１０ｇ／ｍ2 で塗工したものである。
高吸収性の基紙を用いる場合は、塗工層が２〜１０ｇ／
ｍ2 と軽量であるため、塗工層に使用する顔料は高い比
表面積を有する微粒子を用い、塗工層中の含有量を少な
くとも５０重量％以上とすることが好ましい。
ＥＴ法による比表面積が１００〜４００ｍ2 ／ｇの範囲
にある白色顔料を主原料として含む塗工剤を基紙の少な
くとも片面に２〜１０ｇ／ｍ2 で塗工したものである。
高吸収性の基紙を用いる場合は、塗工層が２〜１０ｇ／
ｍ2 と軽量であるため、塗工層に使用する顔料は高い比
表面積を有する微粒子を用い、塗工層中の含有量を少な
くとも５０重量％以上とすることが好ましい。
【００１６】即ち、本発明で使用する塗工剤用顔料とし
ては、ＢＥＴ比表面積が１００〜４００ｍ2 ／ｇ、好ま
しくは２００〜３５０ｍ2 ／ｇであり、平均粒子径が２
〜１５μｍである白色顔料が使用される。具体的には、
非晶質のシリカ、アルミナ等が挙げられるがこの限りで
はない。上記の顔料は塗工層中に５０〜８５重量％、好
ましくは６０〜８０重量％含有するのが望ましい。顔料
のＢＥＴ比表面積が１００ｍ2 ／ｇを下回ると、インク
中の染料を塗工層の顔料で捕捉する量が少なくなり、画
像濃度が低下するとともに、塗工層でのインクの吸収速
度も低下するため、混色滲みが発生するので好ましくな
い。また、顔料のＢＥＴ比表面積が２００ｍ2 ／ｇ以上
になると、インクの発色が良好となり、混色滲みも全く
見られなくなる。しかし、３５０ｍ2 ／ｇを越えると、
顔料の硬度が徐々に柔らかくなり、４００ｍ2 ／ｇを越
えると、極度に柔らかくなるので、鉛筆などの筆記が困
難となる。
ては、ＢＥＴ比表面積が１００〜４００ｍ2 ／ｇ、好ま
しくは２００〜３５０ｍ2 ／ｇであり、平均粒子径が２
〜１５μｍである白色顔料が使用される。具体的には、
非晶質のシリカ、アルミナ等が挙げられるがこの限りで
はない。上記の顔料は塗工層中に５０〜８５重量％、好
ましくは６０〜８０重量％含有するのが望ましい。顔料
のＢＥＴ比表面積が１００ｍ2 ／ｇを下回ると、インク
中の染料を塗工層の顔料で捕捉する量が少なくなり、画
像濃度が低下するとともに、塗工層でのインクの吸収速
度も低下するため、混色滲みが発生するので好ましくな
い。また、顔料のＢＥＴ比表面積が２００ｍ2 ／ｇ以上
になると、インクの発色が良好となり、混色滲みも全く
見られなくなる。しかし、３５０ｍ2 ／ｇを越えると、
顔料の硬度が徐々に柔らかくなり、４００ｍ2 ／ｇを越
えると、極度に柔らかくなるので、鉛筆などの筆記が困
難となる。
【００１７】顔料の平均粒子径２μｍを下回ると鉛筆な
どの筆記が困難になり、１５μｍを越えると、塗工層表
面の２次元幾何学構造の影響、即ち、顔料の表面に沿っ
たインクの流れの影響により、ドットの形状が不均一に
なったり、混色滲みを発生させる。基紙の見掛け密度が
０．６０〜０．７５ｇ／ｃｍ3 、ステキヒストサイズ度
が２〜１８秒でＢＥＴ比表面積が１００〜４００ｍ2 ／
ｇである顔料を含有する塗工剤が２〜１０ｇ／ｍ2 で塗
工されていても、塗工層内の顔料含有量が５０重量％を
下回ると、顔料のＢＥＴ比表面積が１００ｍ2 ／ｇを下
回る場合と同様の悪影響、即ち、混色にじみや画像濃度
の低下を生ずる。顔料含有量が８５重量％を越えると、
塗工層の強度が低下し、粉落ち、鉛筆等の筆記が困難に
なり、好ましくない。なお、非晶質シリカなどに対し、
耐水性、耐光性等を付与するためにＣａ，Ａｌ，Ｍｇ等
のカチオン性を有する金属イオンで修飾することも可能
である。
どの筆記が困難になり、１５μｍを越えると、塗工層表
面の２次元幾何学構造の影響、即ち、顔料の表面に沿っ
たインクの流れの影響により、ドットの形状が不均一に
なったり、混色滲みを発生させる。基紙の見掛け密度が
０．６０〜０．７５ｇ／ｃｍ3 、ステキヒストサイズ度
が２〜１８秒でＢＥＴ比表面積が１００〜４００ｍ2 ／
ｇである顔料を含有する塗工剤が２〜１０ｇ／ｍ2 で塗
工されていても、塗工層内の顔料含有量が５０重量％を
下回ると、顔料のＢＥＴ比表面積が１００ｍ2 ／ｇを下
回る場合と同様の悪影響、即ち、混色にじみや画像濃度
の低下を生ずる。顔料含有量が８５重量％を越えると、
塗工層の強度が低下し、粉落ち、鉛筆等の筆記が困難に
なり、好ましくない。なお、非晶質シリカなどに対し、
耐水性、耐光性等を付与するためにＣａ，Ａｌ，Ｍｇ等
のカチオン性を有する金属イオンで修飾することも可能
である。
【００１８】塗工層に使用するバインダーとしては、完
全けん化ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニル
アルコール、シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体等のポリビニルアルコール誘導体；カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体；ポリ
ビニルピロリドン、酸化澱粉、変性澱粉、ゼラチン、カ
ゼイン、アクリル酸系重合体などの水溶性高分子を１種
または２種以上組み合わせて使用することができる。さ
らに、酢酸ビニルエマルジョン、ＳＢＲラテックス、ア
クリル系エマルジョン等の水分散系高分子を目的に応じ
て混合してもよい。好ましくは、完全けん化ポリビニル
アルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、シラノ
ール基変性ビニルアルコール共重合体等のポリビニルア
ルコール系高分子が、インク吸収性及び塗工層の強度の
観点から好ましく、さらに、シラノール基変性ビニルア
ルコール共重合体を使用すると、塗工層の強度がさらに
向上するため、染料を捕捉するための顔料の含有量を増
加させることが可能となるので最も好ましい。
全けん化ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニル
アルコール、シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体等のポリビニルアルコール誘導体；カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体；ポリ
ビニルピロリドン、酸化澱粉、変性澱粉、ゼラチン、カ
ゼイン、アクリル酸系重合体などの水溶性高分子を１種
または２種以上組み合わせて使用することができる。さ
らに、酢酸ビニルエマルジョン、ＳＢＲラテックス、ア
クリル系エマルジョン等の水分散系高分子を目的に応じ
て混合してもよい。好ましくは、完全けん化ポリビニル
アルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、シラノ
ール基変性ビニルアルコール共重合体等のポリビニルア
ルコール系高分子が、インク吸収性及び塗工層の強度の
観点から好ましく、さらに、シラノール基変性ビニルア
ルコール共重合体を使用すると、塗工層の強度がさらに
向上するため、染料を捕捉するための顔料の含有量を増
加させることが可能となるので最も好ましい。
【００１９】その他、塗工層の水性インク画像の耐水性
を付与する目的で、ポリエチレンイミン、ポリアリルア
ミン塩等のアミン系高分子や、そのアンモニウム塩及び
アクリル系化合物とアンモニウム塩との共重合体などの
カチオン性水性高分子や、水溶性金属塩を１種または２
種以上組み合わせて使用することができる。さらに、必
要に応じて、蛍光増白剤、界面活性剤、防カビ剤、分散
剤などを含有させることもできる。
を付与する目的で、ポリエチレンイミン、ポリアリルア
ミン塩等のアミン系高分子や、そのアンモニウム塩及び
アクリル系化合物とアンモニウム塩との共重合体などの
カチオン性水性高分子や、水溶性金属塩を１種または２
種以上組み合わせて使用することができる。さらに、必
要に応じて、蛍光増白剤、界面活性剤、防カビ剤、分散
剤などを含有させることもできる。
【００２０】上記の塗工剤は、２〜１０ｇ／ｍ2 、好ま
しくは５〜８ｇ／ｍ2 の範囲で塗工するが、２ｇ／ｍ2
を下回ると、記録紙表面に部分的に繊維がでるため、イ
ンクドットの形状が不均一になり易く、１０ｇ／ｍ2 を
上回ると、塗工層の強度が低下して普通紙性が損なわれ
易くなる。
しくは５〜８ｇ／ｍ2 の範囲で塗工するが、２ｇ／ｍ2
を下回ると、記録紙表面に部分的に繊維がでるため、イ
ンクドットの形状が不均一になり易く、１０ｇ／ｍ2 を
上回ると、塗工層の強度が低下して普通紙性が損なわれ
易くなる。
【００２１】さらに、本発明の記録紙は、ドットの形状
を真円に近くし、ざらつきの少ないドットにするため、
記録紙の表面を必要に応じてスーパーカレンダー等の処
理により、基紙の見掛け密度を０．６０〜０．７５ｇ／
ｃｍ3 に入る範囲においてベック平滑度を２５秒以上に
仕上げることが好ましい。
を真円に近くし、ざらつきの少ないドットにするため、
記録紙の表面を必要に応じてスーパーカレンダー等の処
理により、基紙の見掛け密度を０．６０〜０．７５ｇ／
ｃｍ3 に入る範囲においてベック平滑度を２５秒以上に
仕上げることが好ましい。
【００２２】本発明の記録方法は、上記の特定記録紙に
従来の水性インクで記録するもので、カラー記録を行う
ときにも混色滲みの発生を抑えることができ、発色、鮮
明性、解像性に優れた画像を得ることができる。特に、
本発明の記録方法では、上記の特定記録紙に対し、２０
℃における表面張力が４０ｄｙｎ／ｃｍ以下の水性イン
クで記録することにより、上記の記録方法より一層優れ
た高品位の画像を得ることができる。即ち、噴射される
インクが記録紙の塗工層を通過して基紙に吸引される
が、塗工層を通過する際にインクの染料が高比表面積を
有する顔料に効果的に捕捉され、その後、低表面張力の
インクは空隙量が多く、吸引力の大きな基紙に瞬時に吸
引される。したがって、２色以上のベタ画像を重ねる場
合や、隣接する２色のベタ画像の境界部でのインクの溢
れだしによる混色滲みを防止することができる。また、
基紙へのインクの吸収が速いため、塗工紙中でのインク
の広がりを抑えることができ、解像度の高いシャープな
画像を得ることができる。
従来の水性インクで記録するもので、カラー記録を行う
ときにも混色滲みの発生を抑えることができ、発色、鮮
明性、解像性に優れた画像を得ることができる。特に、
本発明の記録方法では、上記の特定記録紙に対し、２０
℃における表面張力が４０ｄｙｎ／ｃｍ以下の水性イン
クで記録することにより、上記の記録方法より一層優れ
た高品位の画像を得ることができる。即ち、噴射される
インクが記録紙の塗工層を通過して基紙に吸引される
が、塗工層を通過する際にインクの染料が高比表面積を
有する顔料に効果的に捕捉され、その後、低表面張力の
インクは空隙量が多く、吸引力の大きな基紙に瞬時に吸
引される。したがって、２色以上のベタ画像を重ねる場
合や、隣接する２色のベタ画像の境界部でのインクの溢
れだしによる混色滲みを防止することができる。また、
基紙へのインクの吸収が速いため、塗工紙中でのインク
の広がりを抑えることができ、解像度の高いシャープな
画像を得ることができる。
【００２３】この記録方法に用いる水性インクの染料と
しては、従来公知の水溶性の酸性染料、直接染料、塩基
性染料、反応性染料、食用染料等を挙げることができ
る。これらの染料はインク中に０．５〜１５重量％、好
ましくは１〜１０重量％含有させることができる。ま
た、必要に応じて、分散染料、顔料着色ポリマー、ワッ
クス等を色材として用いてもよい。水性インクの溶媒
は、脱イオンした水を主溶媒とすることが好ましい。ま
た、記録ヘッドノズルでの乾燥防止を主目的として保湿
剤を含有させることが好ましく、例えばエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール等の多価アルコール等を使
用することができるが、これらに限定されるものではな
い。
しては、従来公知の水溶性の酸性染料、直接染料、塩基
性染料、反応性染料、食用染料等を挙げることができ
る。これらの染料はインク中に０．５〜１５重量％、好
ましくは１〜１０重量％含有させることができる。ま
た、必要に応じて、分散染料、顔料着色ポリマー、ワッ
クス等を色材として用いてもよい。水性インクの溶媒
は、脱イオンした水を主溶媒とすることが好ましい。ま
た、記録ヘッドノズルでの乾燥防止を主目的として保湿
剤を含有させることが好ましく、例えばエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール等の多価アルコール等を使
用することができるが、これらに限定されるものではな
い。
【００２４】上記水性インクの表面張力は、溶媒中に表
面張力調整剤を添加して、２０℃において４０ｄｙｎ／
ｃｍ以下に調整する必要があるが、好ましくは２５〜４
０ｄｙｎ／ｃｍ、さらに好ましくは３０〜４０ｄｙｎ／
ｃｍに調整する。２０℃におけるインクの表面張力が４
０ｄｙｎ／ｃｍを越えると、混色滲みが見られるように
なり、３０ｄｙｎ／ｃｍを下回ると、インクのプリント
ヘッドからの吐出が不安定になり易くプリントヘッドの
選択幅が狭くなり、さらに２５ｄｙｎ／ｃｍを下回る
と、多くの場合インクプリントヘッドからの吐出不良が
発生するため好ましくない。
面張力調整剤を添加して、２０℃において４０ｄｙｎ／
ｃｍ以下に調整する必要があるが、好ましくは２５〜４
０ｄｙｎ／ｃｍ、さらに好ましくは３０〜４０ｄｙｎ／
ｃｍに調整する。２０℃におけるインクの表面張力が４
０ｄｙｎ／ｃｍを越えると、混色滲みが見られるように
なり、３０ｄｙｎ／ｃｍを下回ると、インクのプリント
ヘッドからの吐出が不安定になり易くプリントヘッドの
選択幅が狭くなり、さらに２５ｄｙｎ／ｃｍを下回る
と、多くの場合インクプリントヘッドからの吐出不良が
発生するため好ましくない。
【００２５】インクの表面張力を調整するためには、種
々の表面張力調整剤を使用することができる。例えば、
高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテ
ル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α
−オレフィンスルホン酸塩、高級アルコールエチレンオ
キサイド付加物のリン酸エステル等のアニオン界面活性
剤類；アミン塩型、第４級アンモニウム塩型カチオン界
面活性剤類；アミノ酸型、ベタイン型両性界面活性剤
類；高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキ
ルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレ
ンオキサイド付加物、高級脂肪酸アミン及び脂肪酸アミ
ドのエチレンオキサイド付加物、グリセリン及びペンタ
エリスリットの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステ
ル、脂肪酸アルカノールアミド、酸化エチレン・酸化プ
ロピレンブロック共重合体等の非イオン界面活性剤類；
さらに、シリコーン系、フッ素系のイオン性及び非イオ
ン性の界面活性剤類を挙げることができる。
々の表面張力調整剤を使用することができる。例えば、
高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテ
ル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α
−オレフィンスルホン酸塩、高級アルコールエチレンオ
キサイド付加物のリン酸エステル等のアニオン界面活性
剤類；アミン塩型、第４級アンモニウム塩型カチオン界
面活性剤類；アミノ酸型、ベタイン型両性界面活性剤
類；高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキ
ルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレ
ンオキサイド付加物、高級脂肪酸アミン及び脂肪酸アミ
ドのエチレンオキサイド付加物、グリセリン及びペンタ
エリスリットの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステ
ル、脂肪酸アルカノールアミド、酸化エチレン・酸化プ
ロピレンブロック共重合体等の非イオン界面活性剤類；
さらに、シリコーン系、フッ素系のイオン性及び非イオ
ン性の界面活性剤類を挙げることができる。
【００２６】通常、界面活性剤としては分類されない
が、弱界面活性能を有すると考えられる、水溶性若しく
は親水性基を有する物質も使用することができ、例え
ば、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリン等多価アルコール類のア
ルキルもしくはアルキルフェニル等のエーテル類；炭酸
エチレン、炭酸プロピレン、乳酸エステル等の酸誘導体
類；イソプロピルアルコール、ｎ−ブチルアルコール、
２−ブタノール、イソブチルアルコール、ｔｅｒｔ−ブ
チルアルコール、ペンタノール類、ベンジルアルコー
ル、シクロヘキサノール等のアルコール類などを挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。
が、弱界面活性能を有すると考えられる、水溶性若しく
は親水性基を有する物質も使用することができ、例え
ば、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリン等多価アルコール類のア
ルキルもしくはアルキルフェニル等のエーテル類；炭酸
エチレン、炭酸プロピレン、乳酸エステル等の酸誘導体
類；イソプロピルアルコール、ｎ−ブチルアルコール、
２−ブタノール、イソブチルアルコール、ｔｅｒｔ−ブ
チルアルコール、ペンタノール類、ベンジルアルコー
ル、シクロヘキサノール等のアルコール類などを挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。
【００２７】プリントヘッドからインク液滴として吐出
されるインクは、紙と接触して記録紙中に浸透してイン
ク滴の表面積は急激に増加する。したがって、インク調
整時にインクの表面張力を４０ｄｙｎ／ｃｍ以下に調整
しても、インクが記録紙に浸透する際の、インクと記録
紙の界面におけるインクの表面張力が実効的に４０ｄｙ
ｎ／ｃｍを越えると、本発明の効果が減少する。本発明
の効果を十分に発揮するためには、インクが記録紙に浸
透する際にも、インクと記録紙の界面におけるインクの
表面張力が実効的に４０ｄｙｎ／ｃｍ以下を維持し続け
るように調整することが望ましい。インクが記録紙中を
浸透する際のインクと記録紙の界面における実効インク
表面張力を測定することは困難であるが、次の例により
理解できる。一般に界面活性剤をインクに添加すると、
界面活性剤の添加濃度がその臨界ミセル濃度（c.m.c.)
以上ではインクの表面張力は一定となる。しかしなが
ら、界面活性剤濃度が臨界ミセル濃度（c.m.c.) 以上の
条件で同じ表面張力を有するインクでも界面活性剤の濃
度が低いインクより、界面活性剤の濃度が高いインクの
方が本発明の効果が十分に達成される。この効果は上記
のメカニズムで説明することができる。
されるインクは、紙と接触して記録紙中に浸透してイン
ク滴の表面積は急激に増加する。したがって、インク調
整時にインクの表面張力を４０ｄｙｎ／ｃｍ以下に調整
しても、インクが記録紙に浸透する際の、インクと記録
紙の界面におけるインクの表面張力が実効的に４０ｄｙ
ｎ／ｃｍを越えると、本発明の効果が減少する。本発明
の効果を十分に発揮するためには、インクが記録紙に浸
透する際にも、インクと記録紙の界面におけるインクの
表面張力が実効的に４０ｄｙｎ／ｃｍ以下を維持し続け
るように調整することが望ましい。インクが記録紙中を
浸透する際のインクと記録紙の界面における実効インク
表面張力を測定することは困難であるが、次の例により
理解できる。一般に界面活性剤をインクに添加すると、
界面活性剤の添加濃度がその臨界ミセル濃度（c.m.c.)
以上ではインクの表面張力は一定となる。しかしなが
ら、界面活性剤濃度が臨界ミセル濃度（c.m.c.) 以上の
条件で同じ表面張力を有するインクでも界面活性剤の濃
度が低いインクより、界面活性剤の濃度が高いインクの
方が本発明の効果が十分に達成される。この効果は上記
のメカニズムで説明することができる。
【００２８】界面活性剤を過剰に添加すると、気泡、吐
出不良、画像の過度の広がりによる低解像化、記録紙中
への高浸透によるインクの裏抜けや、低発色濃度といっ
た２次障害を発生するので、表面張力調整剤の添加濃度
は慎重に設定する必要があるが、その化学構造によって
効果が異なるため、添加濃度を一律に規定することが難
しい。通常は、上記の表面張力調整剤群の物質を使用
する場合はインク中に約０．１〜５重量％、好ましくは
約０．８〜２．０重量％添加すると良好な結果が得られ
る。また、表面張力調整剤群の物質を使用する場合は
インク中に約１〜４０重量％、好ましくは約２〜１５重
量％添加するのが有効である。表面張力調整剤群、若
しくは、群の物質の中で２種以上組み合わせたり、両
群の物質を併用してもよいが、その場合は上記の添加濃
度に準拠して設定することができる。
出不良、画像の過度の広がりによる低解像化、記録紙中
への高浸透によるインクの裏抜けや、低発色濃度といっ
た２次障害を発生するので、表面張力調整剤の添加濃度
は慎重に設定する必要があるが、その化学構造によって
効果が異なるため、添加濃度を一律に規定することが難
しい。通常は、上記の表面張力調整剤群の物質を使用
する場合はインク中に約０．１〜５重量％、好ましくは
約０．８〜２．０重量％添加すると良好な結果が得られ
る。また、表面張力調整剤群の物質を使用する場合は
インク中に約１〜４０重量％、好ましくは約２〜１５重
量％添加するのが有効である。表面張力調整剤群、若
しくは、群の物質の中で２種以上組み合わせたり、両
群の物質を併用してもよいが、その場合は上記の添加濃
度に準拠して設定することができる。
【００２９】本発明の記録方法に用いるインクは、上記
の成分以外に、防カビ剤、粘度調整剤、ＰＨ調整剤等を
含有してもよい。インクの粘度は特に限定されないが、
インクの吐出安定性及び画質の観点から、２０℃におけ
る粘度が１〜８ｃｐ、特に１〜５ｃｐであることが好ま
しい。このようなインクは、本発明の記録紙に印字する
ことにより、良好な画像を形成できると同時に、富士ゼ
ロックス社製Ｌ紙等の電子写真用転写紙等の普通紙にベ
タ画像（１ｃｍ×１ｃｍ）を記録する場合にもインクの
乾燥時間は約１０秒以下となる。
の成分以外に、防カビ剤、粘度調整剤、ＰＨ調整剤等を
含有してもよい。インクの粘度は特に限定されないが、
インクの吐出安定性及び画質の観点から、２０℃におけ
る粘度が１〜８ｃｐ、特に１〜５ｃｐであることが好ま
しい。このようなインクは、本発明の記録紙に印字する
ことにより、良好な画像を形成できると同時に、富士ゼ
ロックス社製Ｌ紙等の電子写真用転写紙等の普通紙にベ
タ画像（１ｃｍ×１ｃｍ）を記録する場合にもインクの
乾燥時間は約１０秒以下となる。
【００３０】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって、本発明を
より詳細に説明するが、これらの重量部により限定され
るものではない。 （実施例１）基紙のパルプは、ろ水度５９０ｍｌＣ．
Ｓ．Ｆ．まで叩解したＬＢＫＰを使用し、填料は、重質
炭酸カルシウム（ソフトン１２００：備北粉化工業社
製）を１５重量％含有させ、さらに、サイズ剤としてア
ルケニル無水コハク酸（ファイブラン８１：王子ナショ
ナル社製）を０．０４重量％含有させ、サイズ剤の定着
剤として、カチオン化でんぷん（Ｃａｔｅ１５：王子ナ
ショナル社製）を０．８重量％含有させた。このように
して得た紙料を用い、坪量が７５ｇ／ｍ2 、見掛け密度
が０．６５ｇ／ｃｍ3 となるように抄紙して基紙とし
た。この基紙上に合成非晶質シリカ微粒子（ＢＥＴ比表
面積３００ｍ2 ／ｇのミズカシルＰ−７８Ｄ：水沢化学
工業社製）を７０重量％含み、バインダーとして、完全
けん化されたポリビニルアルコール（ＰＶＡ１１７：ク
ラレ社製）を２５重量％含み、耐水化剤として、水性の
カチオン性ポリマー（エボミンＰ１０００：日本触媒工
業社製）を５重量％含有する塗工剤を８ｇ／ｍ2 となる
ように塗工した。その後、記録紙の塗工面のベック平滑
度が２８秒となるように仕上げて記録紙Ａを得た。
より詳細に説明するが、これらの重量部により限定され
るものではない。 （実施例１）基紙のパルプは、ろ水度５９０ｍｌＣ．
Ｓ．Ｆ．まで叩解したＬＢＫＰを使用し、填料は、重質
炭酸カルシウム（ソフトン１２００：備北粉化工業社
製）を１５重量％含有させ、さらに、サイズ剤としてア
ルケニル無水コハク酸（ファイブラン８１：王子ナショ
ナル社製）を０．０４重量％含有させ、サイズ剤の定着
剤として、カチオン化でんぷん（Ｃａｔｅ１５：王子ナ
ショナル社製）を０．８重量％含有させた。このように
して得た紙料を用い、坪量が７５ｇ／ｍ2 、見掛け密度
が０．６５ｇ／ｃｍ3 となるように抄紙して基紙とし
た。この基紙上に合成非晶質シリカ微粒子（ＢＥＴ比表
面積３００ｍ2 ／ｇのミズカシルＰ−７８Ｄ：水沢化学
工業社製）を７０重量％含み、バインダーとして、完全
けん化されたポリビニルアルコール（ＰＶＡ１１７：ク
ラレ社製）を２５重量％含み、耐水化剤として、水性の
カチオン性ポリマー（エボミンＰ１０００：日本触媒工
業社製）を５重量％含有する塗工剤を８ｇ／ｍ2 となる
ように塗工した。その後、記録紙の塗工面のベック平滑
度が２８秒となるように仕上げて記録紙Ａを得た。
【００３１】この記録紙を用い、次に示すインクでカラ
ー記録試験を行った。記録評価結果は表３に示した。 （インクセットＡ） 染料 黒インク C.I Direct Black 154：表面張力37dyn/cm ２．５重量％ シアンインク C.I Acid Blue 9 ：表面張力38dyn/cm ２．５重量％ マゼンタインク C.I Direct Red 227 ：表面張力37dyn/cm ２．５重量％ イエローインク C.I Direct Yellow 86：表面張力36dyn/cm ２．５重量％ 溶媒（黒、シアン、マゼンダ、イエローインク共通） 水 ７７重量％ エチレングリコール １２重量％ ジエチレングリコールモノブチルエーテル ８．５重量％ 表面張力 黒インク ３７ｄｙｎ／ｃｍ シアンインク ３８ｄｙｎ／ｃｍ マゼンタインク ３７ｄｙｎ／ｃｍ イエローインク ３６ｄｙｎ／ｃｍ
ー記録試験を行った。記録評価結果は表３に示した。 （インクセットＡ） 染料 黒インク C.I Direct Black 154：表面張力37dyn/cm ２．５重量％ シアンインク C.I Acid Blue 9 ：表面張力38dyn/cm ２．５重量％ マゼンタインク C.I Direct Red 227 ：表面張力37dyn/cm ２．５重量％ イエローインク C.I Direct Yellow 86：表面張力36dyn/cm ２．５重量％ 溶媒（黒、シアン、マゼンダ、イエローインク共通） 水 ７７重量％ エチレングリコール １２重量％ ジエチレングリコールモノブチルエーテル ８．５重量％ 表面張力 黒インク ３７ｄｙｎ／ｃｍ シアンインク ３８ｄｙｎ／ｃｍ マゼンタインク ３７ｄｙｎ／ｃｍ イエローインク ３６ｄｙｎ／ｃｍ
【００３２】（実施例２〜１５、比較例１〜１７）実施
例１に対し、表１に示すように坪量、見掛け密度、パル
プのろ水度、填料の種類及び量、内添剤種類及び量を変
更した基紙上に、顔料の種類及び含有量、バインダーの
種類及び含有量、耐水化剤の種類及び配合量を変更して
平滑度を２７〜３０秒となるように仕上げた記録紙Ｂ〜
Ｉを実施例の記録紙Ａと同様の手順で得た。なお、各記
録紙に使用した填料は次のとおりである。 記録紙Ｂ 軟質炭酸カルシウム：ＴＰ１２１（奥多摩工
業） 記録紙Ｃ カオリンクレー：ＡＡカオリン（山陽クレー
工業） 記録紙Ｄ 重質炭酸カルシウム：ソフトン１８００（備
北粉化工業） 記録紙Ｅ 軟質炭酸カルシウム：ＴＰ１２１（奥多摩工
業） 記録紙Ｆ 軟質炭酸カルシウム：ＴＰ１２１（奥多摩工
業） 記録紙Ｇ 重質炭酸カルシウム：ソフトン１８００（備
北粉化工業） 記録紙Ｈ 軟質炭酸カルシウム：ＴＰ１２１（奥多摩工
業） 記録紙Ｉ 重質炭酸カルシウム：ソフトン１８００（備
北粉化工業）
例１に対し、表１に示すように坪量、見掛け密度、パル
プのろ水度、填料の種類及び量、内添剤種類及び量を変
更した基紙上に、顔料の種類及び含有量、バインダーの
種類及び含有量、耐水化剤の種類及び配合量を変更して
平滑度を２７〜３０秒となるように仕上げた記録紙Ｂ〜
Ｉを実施例の記録紙Ａと同様の手順で得た。なお、各記
録紙に使用した填料は次のとおりである。 記録紙Ｂ 軟質炭酸カルシウム：ＴＰ１２１（奥多摩工
業） 記録紙Ｃ カオリンクレー：ＡＡカオリン（山陽クレー
工業） 記録紙Ｄ 重質炭酸カルシウム：ソフトン１８００（備
北粉化工業） 記録紙Ｅ 軟質炭酸カルシウム：ＴＰ１２１（奥多摩工
業） 記録紙Ｆ 軟質炭酸カルシウム：ＴＰ１２１（奥多摩工
業） 記録紙Ｇ 重質炭酸カルシウム：ソフトン１８００（備
北粉化工業） 記録紙Ｈ 軟質炭酸カルシウム：ＴＰ１２１（奥多摩工
業） 記録紙Ｉ 重質炭酸カルシウム：ソフトン１８００（備
北粉化工業）
【００３３】また、各記録紙に使用した内添剤は次のと
おりである。 記録紙Ｂ アルキルケテンガイマー系サイズ剤：サイリ
ーンＨ７０（花王） 記録紙Ｃ ロジンサイズ：サイズバインＥ（荒川化学工
業） 記録紙Ｄ アルケニル無水コハク酸系サイズ剤：ファイ
ブラン８１（王子ナショナル） 記録紙Ｅ アルキルケテンガイマー系サイズ剤：サイリ
ーンＨ７０（花王） 記録紙Ｆ アルキルケテンガイマー系サイズ剤：サイリ
ーンＨ７０（花王） 記録紙Ｇ アルケニル無水コハク酸系サイズ剤：ファイ
ブラン８１（王子ナショナル） 記録紙Ｈ アルキルケテンガイマー系サイズ剤：サイリ
ーンＨ７０（花王） 記録紙Ｉ アルケニル無水コハク酸系サイズ剤：ファイ
ブラン８１（王子ナショナル）
おりである。 記録紙Ｂ アルキルケテンガイマー系サイズ剤：サイリ
ーンＨ７０（花王） 記録紙Ｃ ロジンサイズ：サイズバインＥ（荒川化学工
業） 記録紙Ｄ アルケニル無水コハク酸系サイズ剤：ファイ
ブラン８１（王子ナショナル） 記録紙Ｅ アルキルケテンガイマー系サイズ剤：サイリ
ーンＨ７０（花王） 記録紙Ｆ アルキルケテンガイマー系サイズ剤：サイリ
ーンＨ７０（花王） 記録紙Ｇ アルケニル無水コハク酸系サイズ剤：ファイ
ブラン８１（王子ナショナル） 記録紙Ｈ アルキルケテンガイマー系サイズ剤：サイリ
ーンＨ７０（花王） 記録紙Ｉ アルケニル無水コハク酸系サイズ剤：ファイ
ブラン８１（王子ナショナル）
【００３４】各記録紙の塗工層に使用した顔料は次のと
おりである。 記録紙Ｂ シリカ：トクシールＸ３７（徳山曹達） 記録紙Ｃ シリカ：ミズカシルＰ−６２８（水沢化学工
業） 記録紙Ｄ シリカ：ミズカシルＰ−７８Ｄ（水沢化学工
業） 記録紙Ｅ シリカ：ミズカシルＮＰ−８（水沢化学工
業） 記録紙Ｆ シリカ：トクシールＸ３７（徳山曹達） 記録紙Ｇ シリカ：ミズカシルＰ−７８Ｄ（水沢化学工
業） 記録紙Ｈ シリカ：ミズカシルＰ−５２７（水沢化学工
業） 記録紙Ｉ シリカ：ミズカシルＰ−７８Ｄ（水沢化学工
業）
おりである。 記録紙Ｂ シリカ：トクシールＸ３７（徳山曹達） 記録紙Ｃ シリカ：ミズカシルＰ−６２８（水沢化学工
業） 記録紙Ｄ シリカ：ミズカシルＰ−７８Ｄ（水沢化学工
業） 記録紙Ｅ シリカ：ミズカシルＮＰ−８（水沢化学工
業） 記録紙Ｆ シリカ：トクシールＸ３７（徳山曹達） 記録紙Ｇ シリカ：ミズカシルＰ−７８Ｄ（水沢化学工
業） 記録紙Ｈ シリカ：ミズカシルＰ−５２７（水沢化学工
業） 記録紙Ｉ シリカ：ミズカシルＰ−７８Ｄ（水沢化学工
業）
【００３５】各記録紙の塗工層に使用したバインダーは
次のとおりである。 記録紙Ｂ シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体：ＰＶＡ２１３０（クラレ） 記録紙Ｃ シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体：ＰＶＡ２１３０（クラレ） 記録紙Ｄ ポリビニルアルコール：ＰＶＡ１１７（クラ
レ） 記録紙Ｅ シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体：ＰＶＡ２１３０（クラレ） 記録紙Ｆ シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体：ＰＶＡ２１３０（クラレ） 記録紙Ｇ ポリビニルアルコール：ＰＶＡ１１７（クラ
レ） 記録紙Ｈ シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体：ＰＶＡ２１３０（クラレ） 記録紙Ｉ ポリビニルアルコール：ＰＶＡ１１７（クラ
レ）
次のとおりである。 記録紙Ｂ シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体：ＰＶＡ２１３０（クラレ） 記録紙Ｃ シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体：ＰＶＡ２１３０（クラレ） 記録紙Ｄ ポリビニルアルコール：ＰＶＡ１１７（クラ
レ） 記録紙Ｅ シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体：ＰＶＡ２１３０（クラレ） 記録紙Ｆ シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体：ＰＶＡ２１３０（クラレ） 記録紙Ｇ ポリビニルアルコール：ＰＶＡ１１７（クラ
レ） 記録紙Ｈ シラノール基変性ビニルアルコール共重合
体：ＰＶＡ２１３０（クラレ） 記録紙Ｉ ポリビニルアルコール：ＰＶＡ１１７（クラ
レ）
【００３６】各記録紙の塗工層に使用した耐水化剤は次
のとおりである。 記録紙Ｂ 水性カチオンポリマー：ＰＡＳ−Ｊ１１（日
東紡） 記録紙Ｃ 水性カチオンポリマー：エボミンＰ１０００
（日本触媒工業） 記録紙Ｄ 水性カチオンポリマー：エボミンＰ１０００
（日本触媒工業） 記録紙Ｅ 水性カチオンポリマー：ＰＡＳ−Ｊ１１（日
東紡） 記録紙Ｆ 水性カチオンポリマー：ＰＡＳ−Ｊ１１（日
東紡） 記録紙Ｇ 水性カチオンポリマー：エボミンＰ１０００
（日本触媒工業） 記録紙Ｈ 水性カチオンポリマー：ＰＡＳ−Ｊ１１（日
東紡） 記録紙Ｉ 水性カチオンポリマー：エボミンＰ１０００
（日本触媒工業）
のとおりである。 記録紙Ｂ 水性カチオンポリマー：ＰＡＳ−Ｊ１１（日
東紡） 記録紙Ｃ 水性カチオンポリマー：エボミンＰ１０００
（日本触媒工業） 記録紙Ｄ 水性カチオンポリマー：エボミンＰ１０００
（日本触媒工業） 記録紙Ｅ 水性カチオンポリマー：ＰＡＳ−Ｊ１１（日
東紡） 記録紙Ｆ 水性カチオンポリマー：ＰＡＳ−Ｊ１１（日
東紡） 記録紙Ｇ 水性カチオンポリマー：エボミンＰ１０００
（日本触媒工業） 記録紙Ｈ 水性カチオンポリマー：ＰＡＳ−Ｊ１１（日
東紡） 記録紙Ｉ 水性カチオンポリマー：エボミンＰ１０００
（日本触媒工業）
【００３７】
【表１】
【００３８】次に、実施例１のインクセットＡのうち、
染料及びその含有量は変化させずに、表２に示すように
溶媒組成のみを変化させたインクセットＢ〜Ｇ並びにイ
ンクセットＡを上記の記録紙に対して適宜組み合わせ、
表３に示すように実施例１〜１９及び表４に示すように
比較例１〜１７を得た。
染料及びその含有量は変化させずに、表２に示すように
溶媒組成のみを変化させたインクセットＢ〜Ｇ並びにイ
ンクセットＡを上記の記録紙に対して適宜組み合わせ、
表３に示すように実施例１〜１９及び表４に示すように
比較例１〜１７を得た。
【００３９】
【表２】
【００４０】
【表３】
【００４１】
【表４】
【００４２】これらの実施例及び比較例の記録評価は、
黒色、シアン色、マゼンダ色、イエロー色の４個の記録
ヘッドを有し、１ｍｍ当たりに１２ドットの記録密度能
力を有するインクジェット記録装置を使用してカラー記
録を行い、その結果を表３に示した。混色滲みの評価
は、一辺が２ｃｍの正方形のシアン色のベタ画像上に、
一辺が１ｃｍの正方形のマゼンダ色のインクのベタ画像
を重ねることにより評価した。重なり部分の色は、減法
混色により赤色に発色するので、シアン色と赤色の境界
部における滲みを混色滲みとみなして目視で確認し、そ
の優劣を◎（混色滲みの発生なし）、○（ごく僅かの混
色滲み発生）、△（少し混色滲み発生）、×（混色滲み
発生）で表記した。発色、鮮明性は、目視でカラー画像
を確認し、その優劣を◎（非常に良い）、○（良い）、
△（普通）、×（悪い）で表記した。解像性の評価は、
８ポイントの明朝体で「濃」と「富」の文字を記録し、
その了解度、文字品位を目視により判定し、その優劣を
◎（文字の了解度、品位ともに非常に良い）、○（文字
の了解度、品位ともに良い）、△（少し文字つぶれてい
る）、×（文字がつぶれている。）で表記した。記録紙
の塗工層の強度は、記録紙を折り曲げ、その折り曲げ部
分に２ｋｇの金属ロールを転がし、その時の塗工層の剥
がれの優劣を◎（全く剥がれない）、○（わずかに剥が
れる）、△（少し剥がれる）、×（かなり剥がれる）で
表記した。
黒色、シアン色、マゼンダ色、イエロー色の４個の記録
ヘッドを有し、１ｍｍ当たりに１２ドットの記録密度能
力を有するインクジェット記録装置を使用してカラー記
録を行い、その結果を表３に示した。混色滲みの評価
は、一辺が２ｃｍの正方形のシアン色のベタ画像上に、
一辺が１ｃｍの正方形のマゼンダ色のインクのベタ画像
を重ねることにより評価した。重なり部分の色は、減法
混色により赤色に発色するので、シアン色と赤色の境界
部における滲みを混色滲みとみなして目視で確認し、そ
の優劣を◎（混色滲みの発生なし）、○（ごく僅かの混
色滲み発生）、△（少し混色滲み発生）、×（混色滲み
発生）で表記した。発色、鮮明性は、目視でカラー画像
を確認し、その優劣を◎（非常に良い）、○（良い）、
△（普通）、×（悪い）で表記した。解像性の評価は、
８ポイントの明朝体で「濃」と「富」の文字を記録し、
その了解度、文字品位を目視により判定し、その優劣を
◎（文字の了解度、品位ともに非常に良い）、○（文字
の了解度、品位ともに良い）、△（少し文字つぶれてい
る）、×（文字がつぶれている。）で表記した。記録紙
の塗工層の強度は、記録紙を折り曲げ、その折り曲げ部
分に２ｋｇの金属ロールを転がし、その時の塗工層の剥
がれの優劣を◎（全く剥がれない）、○（わずかに剥が
れる）、△（少し剥がれる）、×（かなり剥がれる）で
表記した。
【００４３】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用し、サイズ
度が低く高空隙量を有する基紙対し、高比表面積を有す
る白色顔料を含有する塗工層を軽量に設けた記録紙に、
表面張力の小さいインクで記録することにより、混色滲
みが無く、発色、鮮明性、解像性に優れた記録画像の形
成を可能とし、かつ、塗工層の強度にも優れた記録紙を
提供することができるようになった。
度が低く高空隙量を有する基紙対し、高比表面積を有す
る白色顔料を含有する塗工層を軽量に設けた記録紙に、
表面張力の小さいインクで記録することにより、混色滲
みが無く、発色、鮮明性、解像性に優れた記録画像の形
成を可能とし、かつ、塗工層の強度にも優れた記録紙を
提供することができるようになった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−1584（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−227686（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−1578（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−135682（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−160674（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−43290（ＪＰ，Ａ) 特開 ２−258284（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B41M 5/00
Claims (3)
- 【請求項１】 基紙の少なくとも片面に塗工層を設けた
インクジェット用記録紙において、該基紙は見掛け密度
が０．６０〜０．７５ｇ／ｃｍ3 で、かつ、ステキヒス
トサイズ度が２〜１８秒であり、該塗工層はＢＥＴ比表
面積が１００〜４００ｍ2 ／ｇである白色顔料を含有す
る塗工剤を２〜１０ｇ／ｍ2 の範囲で塗工したことを特
徴とするインクジェット用記録紙。 - 【請求項２】 上記塗工剤中の白色顔料の含有量を５０
〜８５重量％としたことを特徴とする請求項１記載のイ
ンクジェット用記録紙。 - 【請求項３】 請求項１又は２記載のインクジェット用
記録紙に、２０℃における表面張力が４０ｄｙｎ／ｃｍ
以下である水性インクで記録することを特徴とするイン
クジェット記録方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04052589A JP3097272B2 (ja) | 1992-03-11 | 1992-03-11 | インクジェット用記録紙及び記録方法 |
| US08/024,756 US5616409A (en) | 1992-03-11 | 1993-03-02 | Ink jet recording medium and recording method |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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ID=12918983
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
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| EP0887199B1 (en) * | 1997-06-26 | 2004-03-31 | Mitsubishi Paper Mills, Ltd. | Ink jet recording sheet |
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| US7056969B2 (en) * | 2001-10-09 | 2006-06-06 | Kanzaki Specialty Papers, Inc. | Ink jet recording material suitable for use in wide format printing applications |
| EP1650044B1 (en) * | 2003-07-07 | 2012-09-19 | Sony Corporation | Ink jet recording method and ink jet printer |
| RU2347028C2 (ru) * | 2003-12-22 | 2009-02-20 | Акцо Нобель Н.В. | Бумага, содержащая простой эфир целлюлозы, содержащий четвертичный азот |
| CN101316718B (zh) * | 2005-10-20 | 2014-01-01 | 株式会社理光 | 记录油墨、记录介质、油墨-介质组件、油墨记录物、喷墨记录方法、和喷墨记录设备 |
| US8602550B2 (en) | 2009-07-03 | 2013-12-10 | Mitsubishi Paper Mills Limited | Coated printing paper |
| JP5315151B2 (ja) * | 2009-07-15 | 2013-10-16 | キヤノン株式会社 | 光学機器およびそれを備えた撮像装置及び揺れ補正方法 |
| CN103119219B (zh) | 2010-09-29 | 2015-04-15 | 三菱制纸株式会社 | 印刷用涂料纸和形成印刷图像的方法 |
| DE112013000961T5 (de) | 2012-02-13 | 2014-10-23 | Mitsubishi Paper Mills Limited | Light Weight Coated-Papier und Druckherstellungsverfahren unter Verwendung desselben |
| DE102013007602A1 (de) * | 2013-05-03 | 2014-11-06 | Schattdecor Ag | Verfahren zur Herstellung einer bedruckbaren ein- oder mehrschichtigen Materialbahn sowie eine danach hergestellte Materialbahn und eine zugehörige Anlage zur Herstellung einer derartigen Materialbahn |
| CN107735458B (zh) | 2015-05-08 | 2020-10-30 | 赢创运营有限公司 | 抗渗色二氧化硅和硅酸盐颜料及其制备方法 |
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|---|---|---|---|---|
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| JPS6027588A (ja) * | 1983-07-27 | 1985-02-12 | Ricoh Co Ltd | 自動ナンバリング装置 |
| JPS631583A (ja) * | 1986-06-20 | 1988-01-06 | Canon Inc | 被記録材 |
| US5266383A (en) * | 1988-03-04 | 1993-11-30 | Canon Kabushiki Kaisha | Recording medium and ink jet recording method by use thereof |
| JP2962727B2 (ja) * | 1988-07-04 | 1999-10-12 | キヤノン株式会社 | 被記録材及びこれを用いたインクジェット記録方法 |
-
1992
- 1992-03-11 JP JP04052589A patent/JP3097272B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-03-02 US US08/024,756 patent/US5616409A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5616409A (en) | 1997-04-01 |
| JPH05254239A (ja) | 1993-10-05 |
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