JPH08667A - フラッフ化セルロース系繊維の製造方法 - Google Patents

フラッフ化セルロース系繊維の製造方法

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JPH08667A
JPH08667A JP6136123A JP13612394A JPH08667A JP H08667 A JPH08667 A JP H08667A JP 6136123 A JP6136123 A JP 6136123A JP 13612394 A JP13612394 A JP 13612394A JP H08667 A JPH08667 A JP H08667A
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JP
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fiber
ozone
liquid
fibers
cellulosic
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JP6136123A
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Takaaki Nishimura
高明 西村
Osamu Kitao
修 北尾
Makoto Iwasaki
誠 岩崎
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New Oji Paper Co Ltd
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保水度が低く、液体吸収性の構造物とした時
に、液体の吸収性と放出性において優れた性能を有し、
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁者用パッド等の吸収性
構造物に好適に使用し得るセルロース系繊維の製造方法
を提供する。 【構成】 水湿潤状態にある漂白済みのセルロース系繊
維をオゾン含有ガスを用いて繊維の絶乾重量当りオゾン
添加率0.1〜2.0%で処理した後温度100〜17
0℃で加熱処理、及びフラッフ化を行なう

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、より低い保水度を有す
るフラッフ化セルロース系繊維の製造方法に関する。更
に詳しく述べれば、本発明は、紙おむつ、生理用ナプキ
ン、失禁者用パッド等の吸収性構造物に使用される吸収
性部材として用いた場合に優れた液体の吸収性と放出性
を発現するフラッフ化セルロース系繊維の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】使い捨ておむつ、生理用ナプキン、成人
用の失禁パッド等の吸収性構造物は、一般に体液を受容
し、かつ保持する為に、吸収性部材、即ち絡み合った繊
維塊からなる繊維状ウェブ構造体を有している。このよ
うな吸収性構造物が効率よく機能するためには、液体を
吸収性構造物に適用した時点から吸収性部材へ迅速に吸
収させた後、更に吸収性部材の全体にわたって分布さ
せ、最大限に体液を吸収性部材内に封じ込めておく必要
がある。
【0003】現在、木質系セルロース繊維を代表とする
セルロース系繊維は、その優れた液体吸収性ゆえに、紙
おむつ、生理用ナプキン等への吸収性部材として幅広く
利用されている。紙おむつを例に取れば、通常、紙おむ
つ本体は、液体浸透性トップシート、液体不浸透性バッ
クシート及びトップシートとバックシートの間に配置さ
れる吸収性部材とで構成されている。吸収性部材とし
て、種々の構造や物質が検討され、その技術が開示され
ている。吸収材としては、例えば吸収紙、フラッフ化パ
ルプ、高吸収性ポリマー(以下SAPと略す)等が挙げ
られる。しかしながらSAPは、液体吸収容量は大きい
が、吸収速度が小さいため、一度に多量の排尿液と接触
させてもSAPのみでは全量を吸収しきれない。従って
一旦フラッフ化パルプからなる吸収性部材にそのような
液を吸収させて取り込んだ後、徐々に時間の経過ととも
に取り込んだ液をあらためてSAPに吸収させる必要が
ある。
【0004】前記吸収性部材としては、(1)乾式で解
繊したフラッフ化セルロース系繊維で構成される構造物
をそのまま使用したもの、(2)前記フラッフ化セルロ
ース系繊維からなる構造物とSAPを組み合わせたもの
とが挙げられ、更に(2)の範疇に入るものでは、
(A)フラッフ化セルロース系繊維からなる構造物の2
層間にSAPを中間層として設けたもの、(B)フラッ
フ化セルロース系繊維からなる構造物の中にSAPを単
に混合したもの、(C)前記フラッフ化セルロース系繊
維からなる構造物の2層間にフラッフ化セルロース系繊
維とSAPの混合物を中間層として設けたものとに分け
ることができる。
【0005】フラッフ化セルロース系繊維としては、従
来より、薬品による改質処理が施されていない公知の針
葉樹漂白済みフラッフ化パルプが周知であるが、一般に
そのような針葉樹フラッフ化パルプからなる吸収性部材
は、液体を極めて吸収し易いので液体吸収性物質として
広汎に用いられている魅力のある材料である。この場
合、針葉樹フラッフ化パルプは、ウェブに形成されてパ
ッドのような構造物の形で用いられ、液体はまず一旦針
葉樹フラッフ化パルプの構造物に吸収された後、この構
造物の間或いはその構造物中に存在させられているSA
Pに移行させられて吸収される。しかしながら、このよ
うな針葉樹フラッフ化パルプからなる構造物をSAPと
一緒に用いた場合、液体は毛細管現象により針葉樹フラ
ッフ化パルプ繊維の繊維内腔に液体が入り込むので、繊
維が液体を吸収した後は、逆に液体を放出し難く、その
上パルプ繊維表面が親水性であるため、吸収した液体を
速やかにSAPに移行させることが非常に難しい。
【0006】このような針葉樹フラッフ化パルプが有す
る問題を解決するために、例えば特公平5−71702
号公報には、C2〜C8ジアルデヒド並びに酸官能価を
有するC2〜C8モノアルデヒドを使用してセルロース
系繊維の内部を架橋し、それによって平均保水度が28
%〜50%のように保水度を低下させる加撚剛化セルロ
ース系繊維及びそれから作られた吸収性構造物が開示さ
れている。又、特開平3−206174号公報、特開平
3−206175号公報及び特開平3−206176号
公報には、それぞれC2〜C9のポリカルボン酸を用い
てセルロース系繊維を内部架橋させ、保水度を28%〜
60%にするという前記と同じような保水度を有する架
橋繊維、前記架橋繊維の製造方法及び前記架橋繊維を含
有する吸収性構造物が開示されている。しかしながら、
このように架橋処理されたセルロース系繊維から構成さ
れた吸収性部材は、未処理のセルロース系繊維のものと
比較し、液体の吸収速度は大きく、吸液量は増加するも
のの、保水度が28%以上のように高く、まだ繊維が吸
収した液体の放出性や拡散性において満足できる性能を
示していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、液体を素早く吸収し、しかもその液体を容
易に放出するセルロース系繊維について鋭意研究した結
果、オゾン含有ガスを用いて比較的簡便な物理的及び化
学的な処理を漂白済みのセルロース系繊維に施すことに
よって、セルロース系繊維を改質し、液体の吸収と放出
に優れた性能を発現しうるセルロース系繊維が得られる
ことを見出し本発明を完成させるに至った。
【0008】本発明の目的は、保水度が低く、液体の吸
収性と放出性において優れた性能を有し、紙おむつ、生
理用ナプキン、失禁者用パッド等の吸収性構造物に好適
に使用し得るセルロース系繊維の製造方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、水湿潤状態に
ある漂白済みのセルロース系繊維をオゾン含有ガスで処
理した後、加熱処理及びフラッフ化を行うことを特徴と
するフラッフ化セルロース系繊維の製造方法である。
【0010】本発明に用いられるセルロース系繊維は、
公知のクラフトパルプ化法、サルファイトパルプ化法、
アルカリパルプ化法等のケミカルパルプ化法で得られた
パルプを漂白したものであり、これらのパルプ化に使用
される原料としては、松、杉、ヒノキ等の針葉樹材、ブ
ナ、シイ、ユーカリ等の広葉樹材、亜麻、ケナフ等の非
木材繊維が挙げられるが、特に限定するものではない。
【0011】即ち、本発明に用いられる漂白済みのセル
ロース系繊維は、前記のパルプ化で得られたパルプを塩
素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素等の塩素系薬品、酸素、
過酸化水素等の酸素系薬品、亜二チオン酸ソーダ、二酸
化チオ尿素等の還元薬品等が適宜組み合わせて用いられ
て漂白されたパルプ繊維であり、漂白薬品及びその組合
せには特に制限はないが、少なくともハンター白色度で
70%、好ましくは80〜90%に漂白されているもの
である。パルプの白色度が70%未満では、パルプをオ
ゾン含有ガスで処理する際に、パルプ中に残留するリグ
ニンとオゾンが優先的に反応し、パルプのセルロース繊
維に対するオゾン処理の酸化効果が低下するため、いた
ずらにオゾン消費量が増大し、経済的に好ましくない。
【0012】本発明のオゾン含有ガスによる漂白済みセ
ルロース系繊維の処理工程(以下、オゾン処理工程とい
う)において、オゾンの添加率はセルロース系繊維の種
類、パルプ化法及び処理後のセルロース系繊維の用途に
よって異なるが、セルロース系繊維の絶乾重量当り0.
1〜2.0重量%の範囲で他の処理条件との組合せで選
択して用いられる。オゾンの添加率が0.1重量%未満
では低い保水度で高い吸水速度のセルロース系繊維が得
られず、又、前記添加率が2.0重量%を超えて大きく
なった場合、オゾンの有効消費率が極端に低下するので
経済的ではない。
【0013】オゾン処理工程でのセルロース系繊維の固
形分濃度は1〜40重量%、好ましくは5〜20重量%
である。オゾンとセルロース系繊維との反応は、オゾン
が水に溶解し、次いで水に溶解したオゾンがセルロース
系繊維と接触することにより生じる。つまり、セルロー
ス系繊維とオゾンとの間に介在する水の膜は薄いほど、
即ち繊維の固形分濃度が高い程反応が早くなる。従っ
て、本発明においてはセルロース系繊維とオゾンの間に
存在する水の膜をできるだけ薄くし、水に溶解したオゾ
ンが素早く繊維表面と接触できるように湿潤状態にある
セルロース系繊維には何らかの攪拌作用が与えられる。
【0014】しかしながら、前記の繊維濃度が1重量%
未満の場合、オゾンとセルロース系繊維との間に介在す
る水の膜は極めて厚くなり、たとえ攪拌作用を十分に与
えてもオゾンと繊維間の反応は極めて遅くなる。又、こ
の場合、水に溶解し、反応に寄与しないオゾン量も無視
できず、無駄となるので適さない。一方、前記繊維濃度
が40重量%を超えて高くなると、機械的な攪拌作用を
施すことが困難となり、オゾンとセルロース系繊繊維と
の反応は早くなるが、攪拌が不十分になりセルロース系
繊維に均一な反応を生成することができない。
【0015】オゾン処理工程における反応温度及び時間
はオゾンがセルロース系繊維に対し十分に作用すれば良
く、特に限定されないが、温度は10〜75℃、時間は
3〜400秒が好適である。更に、オゾン処理工程にお
ける処理時の湿潤状態にあるセルロース系繊維のpHも
特に限定しないが、中性付近より低いpH(酸性)の方
が反応が進み易いので望ましい。
【0016】オゾン処理工程で使用される攪拌装置とし
ては、オゾン含有ガスと水湿潤状態にあるセルロース系
繊維との攪拌混合が速やかに且つ均一に行われるもので
あれば特に限定はしないが、繊維の固形分濃度が8〜1
5重量%の中濃度で酸素、塩素、次亜塩素酸ソーダ、二
酸化塩素等の漂白に使用される公知の中濃度ミキサーは
本発明のための好ましい実施態様である。
【0017】本発明で用いられるオゾン含有ガスは、オ
ゾンを2〜15重量%含有する酸素、窒素からなるガス
を意味し、公知のオゾン発生法、例えば純水を電気分解
する際に触媒を用いて酸素とオゾンを発生させる電解
法、空気或いは酸素ガスにコロナ放電を行いオゾンを発
生させる体積放電法等が挙げられ、適宜選択して或いは
組み合わせて用いられる。
【0018】前記のようにしてオゾン処理が完了したセ
ルロース系繊維は、希釈洗浄後、或いは洗浄することな
く引き続き高い温度で加熱して無拘束の状態でJIS表
示の水分含有率で10重量%以下となるように加熱処理
される。即ち、本発明では前記セルロース系繊維は、風
乾状態の水分含有率以下で、且つ加熱処理が施されるこ
とにより液体の吸収と放出に優れた性能を発現するので
ある。本発明におけるセルロース系繊維の無拘束状態で
の加熱処理とは、例えば加熱前の繊維を湿式或いは乾式
でシート化して、得られるシートのたて方向又は横方向
に張力をかけた状態で加熱処理する方法ではなく、前記
加熱前の繊維をシート化せず、即ち繊維に何ら張力をか
けずに加熱処理する方法のことをいう。このようにして
加熱処理する際にセルロース系繊維の内腔に含有される
水分が蒸発揮散し、セルロース系繊維の収縮や捲縮が生
じる。オゾン処理が完了した時の繊維の固形分濃度が2
0重量%以下の場合は、脱水プレスのような機械的な力
で脱液し、30〜45重量%に濃縮して加熱処理すると
蒸発エネルギー負荷を軽減でき、更に加熱処理に先立ち
或いは同時にレファイナー、ニーダー、ディスパーザー
等の公知の装置により繊維に機械的な攪拌を伴って剪断
力を与えると繊維の収縮度や捲縮度を増加させることが
できる。
【0019】前記加熱処理のために使用される装置とし
ては、静置式や搬送式のどちらでも良く、又加熱用熱源
としては熱風、赤外線、高周波等が挙げられ適宜選択し
て使用される。加熱処理のための温度は、セルロース系
繊維の含有する水分が蒸発して揮散する温度、例えば1
00〜170℃、好ましくは140〜160℃である。
前記温度が100℃未満では、加熱処理に時間がかかり
過ぎて効率が悪く、170℃を越える温度で加熱処理し
た場合、セルロース系繊維自体が着色するので適さな
い。加熱処理時間は、JIS法による水分含有率が10
重量%以下に達し、繊維形態を固定するのに最低限必要
な時間を与えれば良く、加熱処理後に繊維が風乾水分ま
で吸湿しても繊維の性能には変化がない。
【0020】加熱処理の前工程又は後工程において、若
しくは加熱処理の間或いは加熱処理と同時に、セルロー
ス系繊維にはフラッフ化処理を施すが、用いられる装置
は繊維塊を単繊維化できる能力を有する解繊装置であれ
ば種類を限定しない。例えば、解繊装置としては、ワー
リングブレンダー、回転ディスクリファイナー、その他
の公知のフラッファー等が挙げられ、これらのなかから
適宜選択して用いられる。
【0021】本発明によれば、オゾン処理したセルロー
ス系繊維は、吸収部材として用いる場合、パッドのよう
な構造物とされ、SAPとの組み合わせで使用される。
前記繊維の液体吸収性は、吸収量と吸収速度によって表
されるが、これらは繊維間及び繊維内へ毛細管現象によ
って液体が取り込まれる現象が大きな要因と考えられ
る。一方、保水度は繊維表面及び繊維壁内や内腔に保持
された水分の割合を示すものであり、繊維の親水性の度
合い、表面積、繊維壁や内腔の体積等によって影響され
る。即ち、本発明によりセルロース系繊維が改質される
機構は、まだ十分に解明されていないが、漂白済みのセ
ルロース系繊維の親水性基である水酸基(−OH)の一
部がオゾンにより酸化されて疎水性基であるカルボニル
基(−CO)に変換されており、又、前記したように加
熱処理によって前記繊維の内腔に含有されていた水分が
蒸発揮散することにより、繊維の収縮やそれに伴う捲縮
が生じ、更に、前記繊維にフラッフ化を施し、繊維同士
を引き離して単繊維化することにより、シートと比較し
て繊維間の液体の移動や保持速度がよりスムーズにな
り、且つ繊維の1本1本の比表面積が広くなるため、繊
維の液体吸収性が向上すると考えられる。これらの現象
の相乗効果により、前記繊維を構造物とした場合、繊維
が液体と接触しても液体は繊維の内腔迄は入り込み難く
なっていると考えられる。従って、前記構造物の中に素
早く取り込まれた液体は、例えばSAPのような吸収性
能が高い部材が隣接していると、容易にSAPへ移行す
るので、液体を放出し易い繊維であるということができ
る。
【0022】以上に説明した如く、本発明は、漂白済み
のセルロース系繊維にオゾン処理を行った後加熱処理及
びフラッフ化することによりこのようなセルロース系繊
維を用いた構造物の優れた液体吸収性を変えないで、或
いは若干高くして比較的簡単にセルロース系繊維の保水
度を下げることができ、従って繊維内或いは繊維間に架
橋構造を設けることなく、その繊維を用いた構造物の液
体の吸収性と放出性が極めて優れ、しかも柔軟性を備え
たセルロース系繊維を製造することができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれらに限定されるものでは
ない。又実施例及び比較例内において%とあるのはすべ
て重量%示す。
【0024】実施例1 ハンター白色度81.2%の商業規模で製造した針葉樹
晒クラフトパルプ(以下、NBKPという)を固形分で
10%のパルプ濃度に調整し、このパルプを攪拌装置付
きの反応容器内に入れ、オゾン発生装置(型式:EDP
−20−W−FAD型、環境保全開発社製)で発生した
オゾン含有ガスを150g/Nm3で前記容器内に導入
し、温度30℃で60秒間処理した。オゾン添加量は、
絶乾パルプ重量当り0.8%であった。このようにして
処理した後のパルプを固形分濃度で30%まで脱水し、
手でほぐした後、熱風を熱源とする加熱処理装置内に入
れ、150℃にて3時間加熱処理し、乾燥した。その
後、得られた加熱処理パルプを少量ずつブレンダーに入
れてパルプ塊を微小単独の繊維に離解してフラッフ化セ
ルロース系繊維を得た。
【0025】得られたフラッフ化セルロース系繊維の保
水度、その繊維を用いた構造物(パッド)の液体吸収速
度及び荷重なしと荷重あり(2.5KPaの圧力に相当
の荷重)の状態での液体吸収量を下記の試験法で測定
し、繊維の品質評価を行った。
【0026】試験法 (1)保水度 乾燥セルロース系繊維を実験用ワーリングブレンダー
(ワーリング社製)により解繊し、そのセルロース系繊
維を0.5g採取し、イオン交換水100mlを入れた
栓付きの容器に入れ、24時間室温にて浸漬した。浸漬
した前記繊維をG2のガラスフィルター上に移し、吸引
して捕集した。このときの固形分濃度は15%となるよ
うに調整した。繊維を乗せたままガラスフィルターを遠
心分離器(国産遠心器社製)にセットし、1500Gの
遠心力で20分間遠心脱水した。次に、遠心脱水された
繊維をガラスフィルターより取り出し、湿潤状態の重量
(W)を測定した後、続いて105℃の熱風循環式乾燥
器内で恒量になるまで乾燥し、乾燥重量(D)を測定し
た。保水度は下記式(1)より絶乾繊維重量当りの水分
量で算出した。 保水度(%)={(W−D)/D}×100 ・・・(1)
【0027】(2)液体吸収速度 乾燥セルロース系繊維をワーリングブレンダーにより解
繊し、得られたフラッフパルプ(4g)採取し、40メ
ッシュの金網を内部(側面と底部)に張った直径54m
mの透明なプラスチック製パイプの中にフラッフパルプ
を導いて、反対側から小型クリーナーを用いて一定真空
度で吸引し、金網上に密度0.04g/cm3の吸収性
構造物(パッド)を形成させた。次いで、この構造物の
上に2.5KPaの圧力に相当する荷重を均一にかけ、
この時の構造体の高さ(h)を測定した後、前記パイプ
径より大きい直径の容器に入った液体の代表として用い
た人工尿(尿素1.9%、塩化ナトリウム0.8%、塩
化カルシウム0.1%、硫酸マグネシウム0.1%を含
む水溶液)の表面に浸し、人工尿が透明パイプ中の吸収
性構造物の上端まで浸透するに要した時間tを測定し、
吸収性構造物の液体(人口尿)の吸収速度を式(2)か
ら算出した。 液体吸収速度(cm/秒)=h/t・・・(2)
【0028】(3)液体吸収量 前記液体吸収速度を測定する方法(2)において、液体
を吸収させる前の構造物の絶乾重量(w0)を求めてお
き、更に液体を吸収させた後の構造物の重量(w1)を求
め、式(3)より絶乾繊維重量当りの液体吸収量(2.
5KPaの圧力に相当する荷重をかけた状態)(%)を
算出した。又、前記と同様の方法により、前記金網上に
密度0.04g/cm3の吸収性構造物を形成させた
後、その構造物の上に荷重をかけることなく、前記パイ
プ径より大きい直径の容器に入った人工尿液の表面に浸
し、人工尿液を吸収性構造物の上端まで吸収浸透させ
た。液体を吸収させる前の構造物の絶乾重量(w0)と
液体を吸収させた後の構造物の重量(w1)を測定し、
式(3)より絶乾繊維重量当りの液体吸収量(荷重な
し)(%)を算出した。 液体吸収量(%)={(w1−w0)/w0}×100・・・(3)
【0029】実施例2 オゾン処理後の加熱処理温度を105℃とした以外は実
施例1と同様にして、フラッフ化セルロース系繊維を
得、その品質評価のため試験した。
【0030】実施例3 白色度70.8%のNBKPを用い、オゾン添加率を
2.0%とした以外は実施例1と同様にして、フラッフ
化セルロース系繊維を得、その品質評価のため試験し
た。
【0031】実施例4 オゾン処理に際し、パルプ濃度を20%、処理温度を1
0℃、処理時間を120秒とした以外は実施例1と同様
にして、フラッフ化セルロース系繊維を得、その品質評
価のため試験した。
【0032】実施例5 白色度84.9%の市販広葉樹晒クラフトパルプ(以下
LBKPという)を用いた以外は実施例1と同様にし
て、フラッフ化セルロース系繊維を得、その品質評価の
ため試験した。
【0033】実施例6 オゾン処理後の加熱処理温度を165℃にした以外は実
施例1と同様にして、フラッフ化セルロース系繊維を
得、その品質評価のため試験した。
【0034】実施例7 オゾン処理に際し、オゾン添加率を1.0%、処理温度
70℃としたこと、及びオゾン処理後洗浄、脱水し水分
含有率が30%としフラッフ化を施した後、加熱処理し
て乾燥したこと以外は実施例1と同様にして、フラッフ
化セルロース系繊維を得、その品質評価のため試験し
た。
【0035】実施例8 オゾン処理に際し、オゾン添加率を0.5%、パルプ濃
度を5%、処理時間を300秒とした以外は実施例1と
同様にして、フラッフ化セルロース系繊維を得、その品
質評価のため試験した。
【0036】比較例1 オゾン処理を行わないこと以外は実施例1と同様にし
て、フラッフ化セルロース系繊維を得、その品質評価の
ため試験した。
【0037】比較例2 オゾン処理に際し、オゾン添加率を0.05%としたこ
と以外は、実施例1と同様にして、フラッフ化セルロー
ス系繊維を得、その品質評価のため試験した。
【0038】実施例及び比較例で得られた結果を表1に
示した。
【0039】
【表1】
【0040】表から明らかなとおり、本発明によるセル
ロース系繊維は保水度が低く、液体の放出性に優れてお
り、又前記繊維を用いた構造物の吸水速度は速く、しか
も吸液量は低下しておらず、液体の吸収性に優れている
(実施例1〜8)。これに対し、オゾン処理を施さない
従来法によるセルロース系繊維は、吸液量は高いが、保
水値が高いので放出性が悪く、吸水速度が低い(比較例
1)。更に、オゾン処理に際しオゾン添加率が低いと得
られる繊維は保水値が高いので液体の放出性が悪く、又
構造物の吸水速度が低く所望の水準の液体吸収性が得ら
れず(比較例2)、共に適さない。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、漂白済
みのセルロース系繊維にオゾン処理を行い、更に加熱処
理及びフラッフ化を施すことにより、本発明は、セルロ
ース系繊維に液体吸収性の構造物とした時必要な優れた
液体吸収性と放出性を合わせ持たしめることができ、紙
おむつ、生理用ナプキン、失禁者用パッド等の吸収性構
造物に適したセルロース系繊維の製造方法を提供すると
いう効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 11/20 D21H 5/14 B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水湿潤状態にある漂白済みのセルロース
    系繊維をオゾン含有ガスで処理した後、加熱処理及びフ
    ラッフ化を行うことを特徴とするフラッフ化セルロース
    系繊維の製造方法。
JP6136123A 1994-06-17 1994-06-17 フラッフ化セルロース系繊維の製造方法 Pending JPH08667A (ja)

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Cited By (6)

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