JP2001171223A - インクジェット記録紙 - Google Patents

インクジェット記録紙

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JP2001171223A
JP2001171223A JP36083999A JP36083999A JP2001171223A JP 2001171223 A JP2001171223 A JP 2001171223A JP 36083999 A JP36083999 A JP 36083999A JP 36083999 A JP36083999 A JP 36083999A JP 2001171223 A JP2001171223 A JP 2001171223A
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English (en)
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Masaki Nishimura
匡樹 西村
Takaaki Kouro
孝明 紅露
Hiromasa Kondo
博雅 近藤
Hiroshi Suenaga
浩 末永
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Oji Paper Co Ltd
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インク吸収性に優れ、高い印字濃度と高い塗膜
強度を有する古紙入りインクジェット記録紙を提供す
る。 【解決手段】原紙に多孔性顔料と接着剤を含有するイン
ク受容性塗工層を設けてなるインクジェット記録紙にお
いて、該原紙が、古紙から得られる再生パルプを含有
し、ゼオライト、シリカ及び焼成カオリンより選ばれる
少なくとも1種の填料を全パルプに対して1〜30重量%含
有し、且つ記録紙のステキヒトサイズ度(JIS-P-8122)
が40秒以下であることを特徴とするインクジェット記録
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
て記録するインクジェット記録紙に関し、特に、インク
吸収性、印字濃度および塗膜強度に優れた古紙入りイン
クジェット記録紙に関する。
【0002】
【従来の技術】水性インクを用いるインクジェット記録
方式は、記録時の騒音が少なく、カラー化が容易である
こと、高速記録が可能であること等の理由から、端末用
プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷
などへの応用が進められている。しかし、一般の印刷に
使用される上質紙やコーテッド紙はインクの吸収性が劣
るため、印字されたインクが紙表面で乾燥せずに長時間
残り、装置や連続して印字されたシートを汚染したり画
像が汚れたりするため実用性に乏しい。こうした問題を
解決するために、サイズ度の低い記録紙を用いる方法
(特開昭52-53012号公報)や尿素−ホルマリン樹脂を内
添した原紙に水溶性高分子を含浸させる方法(特開昭53
-49113号公報)が提案されている。また、インクの発色
性や再現性を高める目的で表面に無定形シリカを始めと
する種々の多孔質無機顔料類を塗布した記録用紙(特開
昭55-51583号公報、特開昭56-148585号公報)が開示さ
れている。さらに、にじみを抑えた高精細の画像を得る
目的でこれらの多孔質顔料の物性を規定(特開昭58-110
287号公報、特開昭59-185690号公報、特開昭61-141584
号公報)する等の改良が提案されており、一応の成果を
得ている。
【0003】一方、近年、都市ごみ問題や地球環境保
護、森林保護の観点から、古紙の利用推進が強く望まれ
ている。この気運は情報記録用紙の分野にも広がり、特
開平10-278416には古紙を用いたインクジェット記録紙
が開示されている。しかし、近年のインクジェットプリ
ンターの技術発展はめざましく、プリンターの性能向上
と共に記録紙側にも更なる高品質が要求され、前記技術
と古紙入り原紙の単純な組み合わせでは、満足のいく記
録品質が得られないのが現状である。
【0004】最近のインクジェットプリンターの多く
は、銀塩写真並みの高画質を得るため、インク滴の微小
化によるドット粒状感の改善や、低印字濃度インク(所
謂ライトカラーインクやフォトインク)の併用による階
調表現性の改善、さらには1ノズルあたりのインク吐出
量を可変とすることによる階調表現性の改善を図ってい
る。これらのプリンターの新技術採用により、記録媒体
の単位面積あたりに吐出されるインク量が従来のプリン
ターと比較して遥かに多くなったため、単純に多孔質顔
料を塗布した記録紙ではインク吸収性が不足し、にじみ
や画像の汚れが生じ易くなった。
【0005】また、年々高速化するプリンターの印字速
度も、この問題に拍車をかけている。これらの問題を解
決するために、通常はインク受容性塗工層の塗工量を増
やす方法、インク吸収性の高い顔料を使用する方法、接
着剤の配合比を減らす方法等が採られるが、これらの方
法は、印字濃度の低下や塗膜強度の低下を引き起こす傾
向にある。印字濃度の低下は画像再現性を損ない、塗膜
強度の低下は鉛筆による筆記性を損ない、さらに断裁時
に塗膜層が剥がれることによって生じる粉落ちの原因に
もなる。
【0006】また、一般に古紙から得られる再生パルプ
(以下、古紙パルプと称する)を含有する原紙に受容層
を設けた記録体はインク吸収性が悪く、にじみや画像汚
れが悪くなる問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は古紙を
含有する原紙を用い、且つにじみ等の問題がなく、イン
ク吸収性に優れたインクジェット記録体を提供すること
である。さらに、本発明は高い印字濃度と高い塗膜強度
を有する古紙入りインクジェット記録紙を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】[1]原紙に多孔性顔料
と接着剤を含有するインク受容性塗工層を設けてなるイ
ンクジェット記録紙において、該原紙が、古紙から得ら
れる再生パルプを含有し、ゼオライト、シリカ及び焼成
カオリンより選ばれる少なくとも1種の填料を全パルプ
に対して1〜30重量%含有し、且つ記録紙のステキヒトサ
イズ度(JIS-P-8122)が40秒以下であることを特徴とす
るインクジェット記録紙。 [2]ゼオライト、シリカ及び焼成カオリンより選ばれ
る少なくとも1種の填料がゼオライトである[1]記載
のインクジェット記録紙。 [3]ゼオライト、シリカ及び焼成カオリンが吸油量
(JIS-K-5101)100ml/100g以上の填料である[1]また
は[2]記載のインクジェット記録紙。 [4]原紙が古紙から得られる再生パルプを全パルプの
10重量%以上含有する[1]〜[3]のいずれかに記
載のインクジェット記録紙。
【0009】[5]インク受容性塗工層の多孔性顔料が
シリカ、アルミナ、ゼオライトより選ばれる少なくとも
1種を含有することを特徴とする[1]〜[4]のいず
れかに記載のインクジェット記録紙。 [6]パルプとして、古紙から得られる再生パルプのみ
を使用することを特徴とする[1]〜[5]のいずれか
に記載のインクジェット記録紙。 [7]古紙がオフィス古紙を含有する[1]〜[6]の
いずれかに記載のインクジェット記録紙。 [8]インク受容性塗工層中の接着剤がシラノール変性
ポリビニルアルコールを含有する[1]〜[7]のいず
れかに記載のインクジェット記録紙。 [9]古紙から得られる再生パルプのフリーネス(JI
S−P−8121カナダ標準濾水度)が200〜350
mlであることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか
に記載のインクジェット記録紙。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者等は、上記手段によりイ
ンクジェット記録特性や塗膜強度が著しく向上したイン
クジェット記録体が得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0011】本発明に用いる古紙パルプの原料は特に限
定されるものではなく、新聞古紙、印刷古紙、ダンボー
ル古紙、包装紙古紙、オフィス古紙等、任意の古紙を使
用することができる。古紙から再生パルプを得る方法も
特に限定されるものではないが、一般的には、古紙を離
解してパルプ懸濁液を得る離解工程、パルプ懸濁液中の
異物を分離する粗選、精選工程、印刷インキを分離する
脱墨工程、色を白くする漂白工程を経て再生パルプ化が
行われる。また、印刷等が施されていない古紙を原料と
した、脱墨工程を必要としない離解パルプの使用も可能
である。本発明では、好ましくは前記再生パルプを全パ
ルプ中に10重量%以上含有させ、好ましくは40重量
%以上、より好ましくは70重量%以上含有させる。
【0012】古紙パルプ以外のパルプ成分としては、針
葉樹晒クラフトパルプや広葉樹晒クラフトパルプ等の化
学パルプ、GP、BCTMP、MP等の機械パルプ、ケナフ等の
非木材原料から得られるパルプ等に代表される抄紙用パ
ルプが挙げられ、これらを併用することができる。材種
は特に限定されるものではないが、N材の高配合はフェ
ザリングを誘発する場合があるので、N材の配合率は古
紙パルプ以外のパルプ成分の60%以下であることが好ま
しい。
【0013】古紙再生パルプのフリーネスは200〜350ml
が好ましい。フリーネス350mlを越える古紙パルプを得
るには原料古紙を著しく限定する必要がある。一方、フ
リーネス200ml未満では、にじみが悪化する恐れがあ
る。より好ましくは240〜330 ml、最も好ましくは260〜
320 mlである。尚、古紙パルプ以外のパルプ成分を併用
する場合、そのフリーネスは特に限定しないが、180
〜550ml程度が好ましい。
【0014】内添する填料はゼオライト、無定型シリカ
等のシリカ、焼成カオリンより選ばれる少なくとも1種
を含有する。好ましくはゼオライトまたは焼成カオリン
であり、ゼオライトは、優れたインク吸収性,記録保存
性を有し最も好ましい。また吸油量は100ml/100g以上の
填料が好ましい。これによりにじみのない優れた記録が
得られる。より好ましくは120ml/100g以上、最も好まし
くは140ml/100g以上である。上限は特にないが、360ml/
100g程度まで入手できる。他の填料を併用することもで
きる。例えば、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、ホ
ワイトカーボン、珪藻土、酸化チタン、活性白土、硫酸
バリウム等の無機顔料、尿素ホルマリン樹脂、ナイロン
パウダー、ポリエチレンパウダー等の有機顔料が挙げら
れる。
【0015】ゼオライト、無定型シリカ等のシリカ、焼
成カオリンよりえらばれる少なくとも1種の填料の配合
量は、全パルプに対して1〜30重量%,好ましくは5
〜25重量%である必要がある。1重量%未満ではにじみ
が悪化する場合があり、30重量%を越える場合は印字
濃度が低下する場合がある。
【0016】本発明の原紙は、酸性あるいは中性抄紙で
通常の方法により調製できるが、古紙由来の炭酸カルシ
ウムが混入する場合があるので、中性抄紙が特に好まし
い。本発明の原紙は、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン・プロピレン共重合体、ポリスチレン、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有重
合体、6-ナイロン、66-ナイロン等のポリアミド系繊
維、ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、
ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート・ヴァリレート共
重合体等の脂肪族ポリエステル繊維、ビニロン繊維等を
含有していてもよい。
【0017】さらに、ロジン系サイズ剤、アルケニルコ
ハク酸無水物、アルキルケテンダイマー等に代表される
サイズ剤を内添或いは外添することができる。酸化澱
粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱
粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキ
シセルロース、ヒドロキシセルロース、完全鹸化または
部分鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビ
ニルアルコール、珪素変成ポリビニルアルコール等のポ
リビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル
共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メ
タクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合
体のアルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合
体アルカリ塩、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸
エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタ
ジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ス
チレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテック
スに代表される接着剤を含有していてもよい。
【0018】抄紙方法は特に限定されるものではなく、
長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等を用
いて抄紙される。原紙のステキヒトサイズ度(JIS-P-81
22)は40秒以下が好ましい。より好ましくは33秒以
下である。40秒を越えると、にじみの悪化や画像汚れ
が生じる恐れがある。ステキヒトサイズ度の調整には、
原紙の内添サイズ剤量を調整して添加したり、外添サイ
ズ剤をサイズプレス等で付与する際の付与量を調整する
等の手段で行うことができる。内添サイズ、外添サイズ
は併用することができる。にじみ抑制には内添サイズを
施すことが特に好ましい。原紙の緊度は特に限定される
ものではないが、0.5〜1.2であることが好ましい。0.5
未満では搬送性が悪化する場合があり、1.2を越える場
合はにじみが悪化する場合がある。
【0019】本発明のインク受容性塗工層に使用される
多孔性顔料としては非晶質シリカ、アルミナ、ゼオライ
トの少なくとも1種が好ましい。例えば非晶質シリカの
構造は特に限定されるものではないが、インク受容性の
制御が容易であることなどから、キセロゲルを経由して
製造することによって得られる多孔性構造を有するもの
が望ましい。また、シリカ以外のキセロゲル系多孔質顔
料を併用することもできる。キセロゲル系多孔質顔料
は、例えば、 (1)シリカの他、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸
化マグネシウム等のヒドロゲル形成物質を原料とし、こ
のようなヒドロゲルを乾燥してキセロゲルにした後、粉
砕、分級して用いる方法。 (2)ヒドロゲルの状態で適当な二次、三次凝集体の大
きさに造粒し、乾燥した後、さらに加熱処理することに
より焼結、結晶化等を進行させ、酸化物の1次粒子間の
結合を強化して用いる方法。 (3)コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の微粒
子懸濁液中で尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマ
リン樹脂等を生成させる段階で、その生成条件を調節す
ることにより、目的とする二次粒子径に造粒された微小
粒子とした後、乾燥して用いたり、さらには必要に応じ
て焼結された粒子として使用する方法。等、公知の種々
の方法を利用して製造することができ、市販されてい
る。
【0020】インク受容性塗工層に含有する顔料として
は、キセロゲル系多孔性顔料の他、必要に応じて例え
ば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸
カルシウム、珪酸マグネシウム、ホワイトカーボン、ア
ルミナ、水酸化アルミニウム等の無機顔料類、スチレン
系、アクリル系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ベンゾ
グアナミン樹脂系の有機顔料類を併用することもでき
る。
【0021】また、本発明のインク受容性塗工層に用い
る接着剤としてデンプン及びその誘導体、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイ
ン、ゼラチン、大豆タンパク等の天然または半合成高分
子類、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリ
ビニルピロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹
脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リアクリルアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、メ
タクリル酸メチル・ブタジエン共重合体、エチレン・酢
酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体樹脂の水溶液ま
たは水分散体、あるいは上記の樹脂類にアニオン性また
はカチオン性残基を導入した変性重合体等の公知の材料
を適宜用いることができる。中でもシラノール変性ポリ
ビニルアルコールは、高い塗膜強度が得られるため好ま
しい。
【0022】さらに、水性インクでの印字画像の耐水性
を向上させる目的で、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリ
アミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロ
ルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹
脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、
ポリジアリルアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物等
のカチオン系高分子化合物を併用することも出来る。さ
らに必要に応じ、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、抑泡
剤、発泡剤、離型剤、浸透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、滑
剤、染料、蛍光増白剤、その他当該技術分野で公知の各
種助剤も使用することができる。
【0023】インク受容性塗工層は、印字後の記録媒体
のボコツキや波打ち、所謂コックリングの防止等を目的
に、2層以上の構成にすることもできる。支持体に近接
する塗工層には、キセロゲル系多孔質顔料と非キセロゲ
ル系顔料を併用することが好ましい。
【0024】インク受容性塗工層を塗工する手段として
はサイズプレス、ゲートロール、ロールコーター、バー
コーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコータ
ー、ブレードコーター、ダイコーター、カーテンコータ
ーなど通常使用されている塗工手段から適宜選択するこ
とができる。
【0025】塗工量についての制約は特になく、求める
記録品質に応じて決定することができるが、2g/m2
上、40g/m2以下であることが好ましい。インクジェット
記録体のステキヒトサイズ度(JIS-P-8122)は40秒以
下が好ましい。より好ましくは33秒以下である。40
秒を越えると、にじみの悪化や画像汚れが生じる問題が
ある。
【0026】塗工後、画像再現性の向上、搬送性の向上
等を目的に、スーパーカレンダー処理することが好まし
い。本発明ではプリンターのインク付与量は約20g/
2以上(例えば20〜40g/m2)と多い場合でもに
じみのない良好な記録を得ることができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、もちろんこれらの例に限定されるものでは
ない。なお実施例に於て示す部数および%は重量部およ
び重量%を意味する。実施例中の諸物性の測定方法を以
下に示す。 1)印字濃度 セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM-700
Cを用いて720dpiの記録密度で印字を行い、印字濃度を
測定した。その結果、優れた印字濃度を示したものを
A、やや薄いが実用上問題のないレベルのものをB、薄す
ぎて実用に耐えないものをCとランク付けした。 2)印字乾燥性 インク吸収性の評価のために、印字乾燥性を評価した。
セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM-700
Cを用いて720dpiの記録密度で100%濃度印字を行い、そ
の部分の乾燥状態を目視で評価し、光沢がなくなるまで
の時間を印字乾燥性の尺度とした。排紙後数秒以内に光
沢のなくなるものをA、光沢は数秒間以上残るが、実用
上問題のないものをB、光沢が数十秒間以上残り、実用
上問題を起こす可能性のあるものをCとランク付けし
た。
【0028】3)にじみインク吸収性の評価のために、
にじみを評価した。セイコーエプソン社製インク ジェットプリンターPM-700Cを用いて720dpiの記録密度
で200%濃度印字を行い、異なった色の隣り合った部分の
にじみ状態を目視で評価した。その結果、にじみがほと
んど認められなかったものをA、ややにじみが認められ
るが実用上問題のないレベルのものをB、にじみが大き
すぎて実用に耐えないものをCとランク付けした。 4)塗膜強度 インクジェット記録紙の塗工層表面にスコッチクリアテ
ープ(商品名:CH-24、住友スリーエム製)を接着した
後、直ちにテープを剥がした場合の記録紙表面の状態を
目視で評価した。その結果、塗膜表面がほとんど剥がれ
なかったものをA,部分的に剥がれたものをB、完全に剥
がれたものをCとランク付けした。
【0029】実施例1 1)脱墨古紙パルプの調製 古紙として、コンピューターのアウトプット用紙(リボ
ン印字)とコピー用紙(トナー印字)を各々絶乾25g分
とり、ディスインテグレータ−(容積:2リットル、東
西精機(株)製)に水950gと共に入れ、5分間離解した。
この固形分濃度5%の離解スラリーを150meshの篩上で固
形分濃度25%まで濃縮した後、この脱水パルプに、パル
プ絶乾固形分に対する薬品の純固形分濃度で、苛性ソー
ダ0.4%、珪酸ソーダ0.8%、過酸化水素0.15%、脱墨剤(F
W-235、東邦化学製)0.2%を加えて十分に攪拌し、PFIミ
ル(熊谷理機(株)製)にて1000回転処理することにより
ディスパージング処理を施した。PFIミルから取り出し
たパルプを、耐熱性ビニール袋に入れ手で揉んで再度攪
拌した後、60℃の温水に、中に温水が入らないように2
時間浸せきしてソーキング処理を行った。このソーキン
グ処理したパルプに水を加え固形分濃度5%とした後ディ
スインテグレーターにて2分間離解した。このスラリー
に水を加え固形分濃度0.7%としたスラリーから4.5リッ
トルを取り、テストフローテーター(容量:4.5リット
ル、極東振興(株)製)に入れ、30秒毎にフロスを板で掻
き出しながら4分間フローテーション処理を施した。そ
の後、フローテーターの下部抜き出し口から2リットル
を抜き出し脱墨古紙パルプサンプルとして供した。この
パルプのフリーネスは330ml、白色度は87.3%であった。
【0030】2)離解古紙パルプの調製 古紙として、印刷されていない(未使用の)上質アート
紙を絶乾50g分とり、ディスインテグレーターに60℃の
温水950gと共に入れ、5分間離解した。このスラリー
を、12inchテストリファイナーのクリアランスを0.30mm
として1回通し、再度ディスインテグレーターにて2分間
離解し離解古紙パルプとして供した。このパルプのフリ
ーネスは280ml、白色度は88.2%であった。 3)配合パルプの調製 上記1)脱墨古紙パルプと2)離解古紙パルプを絶乾重量
で2:1の割合で配合し、古紙原紙の製造に供した。この
配合パルプのフリーネスは310mlであった。
【0031】4)古紙原紙の製造 下記配合の調成液を、JIS-P-8222の手漉き紙調製方法に
準じて手漉きし、ステキヒトサイズ度10秒、緊度0.8の
古紙原紙を得た。 古紙パルプ(フリーネス310ml)100部、ゼオライト(チ
クソレックス17、RHODIAKOFRAN社製、 吸油量150ml/
100g) 10部 (製造した紙中にて、 全パルプに対して
10%となるように調製)、ロジンエマルジョンサイズ
1部、硫酸バンド 3部
【0032】(古紙入りインクジェット記録紙の製造)
得られた古紙原紙の片面に、下記配合のインク受容性塗
工層用塗液を、乾燥後の塗工量が8g/m2となるようにメ
イヤーバーを用いて塗工乾燥した後、スーパーカレンダ
ー処理してインクジェット記録紙を得た。 キセロゲル系多孔性非晶質シリカ (ファイ
ンシールX-60、トクヤマ社製)100部,シラノール変性
ポリビニルアルコール(R-1130、クラレ社製)20部,SB
Rラテックス(JSR0617、旭化成社製) 5部,
ポリジメチルアンモニウムクロライド系カチオン樹脂
(PAS-H-10L、日東紡績社製)5部 記録体のステキヒトサイズ度は11秒であった。
【0033】実施例2 実施例1と同様にしてインクジェット記録紙を得た。但
し、古紙原紙の製造において、填料のゼオライトのかわ
りにシリカ(トクシールGU-N、トクヤマ社製、吸油量 1
90〜240ml/100g)を使用した。原紙サイズ度6秒、記録
体のステキヒトサイズ度は7秒であった。 実施例3 実施例1と同様にしてインクジェット記録紙を得た。但
し、古紙原紙の製造において、ゼオライトの配合量を全
パルプに対して20%(20部)とした。原紙サイズ度6
秒、記録体のステキヒトサイズ度は7秒であった。
【0034】実施例4 実施例1と同様にしてインクジェット記録紙を得た。但
し、古紙原紙の製造において、ロジンエマルジョンサイ
ズの添加量を2部とし、ステキヒトサイズ度を30秒とし
た。記録体のステキヒトサイズ度は31秒であった。
【0035】実施例5 実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
但し、古紙入りインクジェット記録紙の製造において、
受容性塗工層のキセロゲル系多孔性非晶質シリカとし
て、ファインシールX-60(トクヤマ社製)のかわりにカ
ープレックスFPS-101(塩野義製薬社製)を用いた。記
録体のステキヒトサイズ度は11秒であった。
【0036】実施例6 実施例1と同様にしてインクジェット記録紙を得た。但
し、古紙入りインクジェット用紙の製造において、ポリ
ジメチルアンモニウムクロライド系カチオン樹脂(PAS-
H-10L、日東紡績社製)のかわりに、ポリジアリルジメ
チルアンモニウムクロライド系カチオン樹脂(ユニセン
スCP-103、センカ社製)を使用した。記録体のステキヒ
トサイズ度は11秒であった。
【0037】実施例7 実施例1と同様にしてインクジェット記録紙を得た。但
し、古紙パルプの調製において、配合パルプを叩解して
フリーネスを180mlとした。原紙のサイズ度は16秒
で、記録体のステキヒトサイズ度は18秒であった。 比較例1 実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
但し、古紙パルプの調製において、ゼオライトを添加し
なかった。原紙のサイズ度は10秒であり、記録体のス
テキヒトサイズ度は10秒であった。 比較例2 実施例1と同様にしてインクジェット記録紙を得た。但
し、古紙原紙の製造において、ロジンエマルジョンサイ
ズの添加量を3部とし、ステキヒトサイズ度を60秒とし
た。記録体のステキヒトサイズ度は61秒であった。 比較例3 実施例1と同様にしてインクジェット記録紙を得た。但
し、古紙原紙の製造において、ゼオライトのかわりに炭
酸カルシウム(Brilliant-15、白石カルシウム社製、吸
油量44ml/100g)を使用した。原紙サイズ度は11秒で
あり、記録体のステキヒトサイズ度は11秒であった。 比較例4 実施例1と同様にしてインクジェット記録紙を得た。但
し、古紙原紙の製造において、填料の配合量を全パルプ
に対して40%(40部)とした。原紙のステキヒトサイズ
度は2秒、記録体のサイズ度は2秒であった。以上の11
種類の記録紙について記録濃度、印字乾燥性、にじみ、
塗膜強度を評価した結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】表1から明らかなように本発明の実施例
は、比較例に比べ、印字濃度、印字乾燥性、にじみ、塗
膜強度、すべてに優れたインクジェット記録紙であっ
た。すなわち、本発明の古紙入りインクジェット記録紙
は、インク吸収性に優れ、高い印字濃度と高い塗膜強度
を有するものである。
フロントページの続き (72)発明者 末永 浩 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 Fターム(参考) 2H086 BA15 BA21 BA32 BA33 BA41 BA42 BA47

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙に多孔性顔料と接着剤を含有するイン
    ク受容性塗工層を設けてなるインクジェット記録紙にお
    いて、該原紙が、古紙から得られる再生パルプを含有
    し、ゼオライト、シリカ及び焼成カオリンより選ばれる
    少なくとも1種の填料を全パルプに対して1〜30重量%含
    有し、且つ記録紙のステキヒトサイズ度(JIS-P-8122)
    が40秒以下であることを特徴とするインクジェット記録
    紙。
  2. 【請求項2】ゼオライト、シリカ及び焼成カオリンより
    選ばれる少なくとも1種の填料がゼオライトである請求
    項1記載のインクジェット記録紙。
  3. 【請求項3】ゼオライト、シリカ及び焼成カオリンが吸
    油量(JIS-K-5101)100ml/100g以上の填料である請求項
    1または2記載のインクジェット記録紙。
  4. 【請求項4】原紙が古紙から得られる再生パルプを全パ
    ルプの10重量%以上含有する請求項1〜3のいずれか
    に記載のインクジェット記録紙。
  5. 【請求項5】古紙から得られる再生パルプのフリーネス
    (JIS−P−8121カナダ標準濾水度)が200〜
    350mlであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載のインクジェット記録紙。
  6. 【請求項6】古紙がオフィス古紙を含有する請求項1〜
    5のいずれかに記載のインクジェット記録紙。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003078174A1 (fr) * 2002-03-15 2003-09-25 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Papier pour impression par jet d'encre
JP2006256320A (ja) * 2005-02-18 2006-09-28 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録用紙
JP2008083588A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Suntory Ltd ラベル、ラベルの製造方法、ラベルの線剥離強度の経時安定化方法、ラベルの線剥離強度の調整方法、及び容器

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