JP2002002092A - 両面インクジェット記録シート及び製造方法 - Google Patents

両面インクジェット記録シート及び製造方法

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JP2002002092A
JP2002002092A JP2000184947A JP2000184947A JP2002002092A JP 2002002092 A JP2002002092 A JP 2002002092A JP 2000184947 A JP2000184947 A JP 2000184947A JP 2000184947 A JP2000184947 A JP 2000184947A JP 2002002092 A JP2002002092 A JP 2002002092A
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ink jet
jet recording
recording sheet
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synthetic resin
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Yuji Iguchi
裕二 井口
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】片面あるいは両面印字後のカールの発生がな
く、インク受理層が設けられていない面のインクジェッ
ト印字性が良好な両面インクジェット記録シートを提供
する。 【解決手段】紙/合成樹脂被覆層/インク受理層を順次
積層したインクジェット記録シートの該インク受理層の
反対面に合成樹脂接着層を介して紙を貼り合わせたこと
を特徴とする両面インクジェット記録シート、該合成樹
脂接着層の厚みが15μm以上である両面インクジェッ
ト記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面に印字可能な
両面インクジェット記録シートにおいて、片面あるいは
両面印字後のカールの発生が少なく、良好な印字特性を
示す両面インクジェット記録シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録
シートに付着させ、画像・文字などの記録を行なうもの
であるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターン
の融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、
漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として
種々の用途に於いて急速に普及している。更に、多色イ
ンクジェット方式により形成される画像は、製版方式に
よる多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、
遜色のない記録を得ることが可能である。又、作成部数
が少なくて済む用途に於いては、写真技術によるよりも
安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く
応用されつつある。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質
紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面か
ら努力がなされてきた。しかし、装置の高速化・高精細
化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の
性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対しても
より高度な特性が要求されるようになった。
【0004】即ち、当該記録シートとしては、印字ドッ
トの濃度が高く色調が明るく鮮やかであること、インク
の吸収が早く印字ドットが重なった場合においてもイン
クが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横
方向への拡散が必要以上に大きくなく、且つ周辺が滑ら
かでぼやけないことなどの高い画像再現性が要求され
る。
【0005】最近のデジタルカメラの普及の影響もあ
り、インクジェット記録方式は従来の銀塩方式による記
録方法すなわち写真の代替記録方式として一般に認知さ
れるに至った。より写真に近づけるため、記録シートの
支持体も写真と同じ樹脂被覆紙、すなわち紙の両面に熱
可塑性樹脂被覆層が設けられたものが使用されるように
なった。しかし、一般的に熱可塑性樹脂被覆層の表面
は、筆記性がない。
【0006】また、インクジェット記録方式により写真
に近い品質の画像を得ることができるようになり、それ
を従来の写真ポストカードの代替として利用したいとい
う要望もでてきている。従来数十枚単位でしか業者に依
頼できなかったものが、インクジェット記録方式であれ
ば、数枚単位、それこそ1枚から作製できるようにな
り、コスト的に利便性があがる。
【0007】しかし、写真画質を謳ったインクジェット
記録シートではその支持体に樹脂被覆紙を用いたものが
多く、上記のようにインクジェット記録面の反対面は合
成樹脂被覆層となるため筆記性がない。そのため、簡単
に宛名を筆記具等で手書きすることができない。また、
インクジェット記録面の反対面の合成樹脂被覆層にはイ
ンク受理性がないため、インクジェット記録もできず、
最近普及してきた宛名書きソフトを用いてインクジェッ
トプリンターで宛名を書くということもできない。
【0008】両面に記録性を持たせたインクジェット記
録シートに関しては、特開昭56−148584、特開
平8−260382に記載があるが、どちらも紙を支持
体とし両面にインク受理層を設けたものであり、筆記具
を用いて文字を手書きした場合塗層が剥がれてしまう等
の欠点があった。また、筆記性を兼ね備えた両面インク
ジェット記録シートは特開平11−301095に開示
されている。これは両面に樹脂被覆層を持つ支持体の一
方の面にインク受理層を設け反対側の面に紙を接着剤に
よって貼り合わせた構成である。支持体にポリエチレン
樹脂被覆層を有する被覆紙を用いた場合、非常に多くの
層が重なり合った多層構成となるためカールのバランス
がとりにくくなる。特に、インクジェット記録を行いイ
ンクが表面に付着した状態でカールが発生してしまうと
いう欠点があった。また、樹脂被覆層と紙の両方に接着
力を持つ接着剤層が不可欠で、製造上、接着剤の選択範
囲が狭くなる欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、片面あるいは両面印字後のカールの発生がなく、イ
ンク受理層が設けられていない面にもインクジェット印
字性あるいは筆記性を持つ両面インクジェット記録シー
トを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな問題点を解決するため鋭意研究の結果、以下の発明
に至った。
【0011】すなわち、紙/合成樹脂被覆層/インク受
理層を順次積層したインクジェット記録シートの該イン
ク受理層の反対面に合成樹脂接着層を介して紙を貼り合
わせたことを特徴とする両面インクジェット記録シート
の発明である。
【0012】また、該合成樹脂接着層の厚みが15μm
以上であると好ましい。
【0013】該インク受理層が気相法シリカを含有する
ことは好ましい態様である。
【0014】該気相法シリカの平均一次粒子径が3〜1
5nmで、かつBET法による比表面積が200m2/g以
上であるとより好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の両面インクジェット記録
シートは、紙/合成樹脂被覆層/インク受理層を順次積
層したインクジェット記録シートと紙を合成樹脂接着層
を介して貼り合わせることにより作製される。出来上が
った本発明の両面インクジェット記録シートの印字前の
カールの状況は合成樹脂接着層の厚みにより調整され、
カールの発生が全くない。また、当初予想されていなか
ったことであるが、合成樹脂接着層の厚みを15μm以
上とすることにより、印字濃度、特に黒印字濃度が向上
することが判明した。
【0016】本発明において、合成樹脂接着層を構成す
る合成樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、放
射線硬化性樹脂等が用いられるが、好ましくは熱可塑性
樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂には、ビニル樹脂、ポ
リオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂
等があるが、好ましくはポリオレフィン樹脂が用いられ
る。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、以下の物質
が挙げられる。高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等
のポリエチレン;アイソタクチック、シンジオタクチッ
ク、アタクチック、それらの混合物、エチレンとのラン
ダム共重合体又はブロック共重合体等のポリプロピレ
ン;その他ポリ−3−メチルペンテン−1、ポリエチレ
ングリコールテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、エバール、エチレン酢酸ビニル共重合体
等を単独或は混合して使用できる。
【0017】本発明において、合成樹脂接着層を介して
インクジェット記録シートに貼り合わせられる紙は木材
パルプと顔料を主成分として構成されるものであれば特
に制限されない。木材パルプとしては、LBKP、NB
KP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、
CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の
古紙パルプ等のパルプを含み、必要に応じて従来公知の
顔料やバインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上
剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以
上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイ
ヤ抄紙機等の各種装置で支持体の製造が可能であり、酸
性、中性、アルカリ性で抄造できる。紙の坪量は特に制
限されないが、本発明の両面インクジェット記録シート
がプリンターで搬送不良を起こさない範囲の厚みにおさ
めることが必要となる。
【0018】本発明において、インクジェット記録シー
トと紙を貼り合わせるには、インクジェット記録シート
の原紙面(インク受理層の反対面)あるいは貼り合わせ
られる紙の一方の面に一般の溶融押し出しダイ、Tダ
イ、多層同時押し出しダイ等のラミネーターを用いて合
成樹脂接着層を設けると同時に両者を加圧しながら重ね
合わせる方法が採られるが、特にこれに制限されること
はない。必要に応じて、紙と合成樹脂被覆層との接着性
を向上するために、原紙面上に、アイオノマー、カルボ
シル変性SBRラテックス、コロイド状アルミナ、ある
いは、エチレン/アクリル酸コポリマー等のアンカーコ
ート層を設けても良い。また、溶融樹脂した合成樹脂フ
ィルムにオゾンガスで表面処理等を施しても構わない
し、原紙面上にコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理
あるいはフレーム処理等を施し、接着性を向上しても良
い。
【0019】合成樹脂接着層の厚みは、インクジェット
記録シートと紙との接着性を阻害しない範囲であれば特
に制限されないが、15μm以上が好ましい。厚みが1
5μm以上であれば、未印字状態でのカール性が良好で
あるのはもちろんのことながら印字後のカールもより良
好となることが判明した。さらに、当初予想していなか
ったことであるが、合成樹脂接着層の厚みを15μm以
上とすることにより貼り合わせられた紙の表面にインク
ジェット記録された場合、その印字濃度が特に黒印字で
向上することが判明した。合成樹脂接着層の表面性が紙
の表面にまで影響した結果ではないかと推定される。
【0020】本発明において、紙/合成樹脂被覆層/イ
ンク受理層を順次積層したインクジェット記録シートを
構成する紙は、合成樹脂接着層を介して貼り合わせられ
る紙と同様一般的な木材パルプと顔料を主成分として構
成されるものであれば特に制限されない。
【0021】本発明において、紙/合成樹脂被覆層積層
体の該合成樹脂被覆層上にインク受理層を設ける必要が
ある。また、必要に応じて、反対面の合成樹脂接着層を
介して貼り合わせられた紙上にもインク受理層を設けて
も構わない。その手段としては、各種ブレードコータ
ー、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコー
ター、ロッドブレードコーター、ショートドウェルコー
ター、コンマコーター、ダイコーター、リバースロール
コーター、キスコーター、ディップコーター、カーテン
コーター、エクストルージョンコーター、ゲートロール
コーター、グラビアコーター、マイクログラビアコータ
ーなどの塗工装置を用いることが出来る。
【0022】該インク受理層の塗工量は特に制限される
ことはないが、好ましくは5g/m2以上50g/m2以下で、
更に好ましくは10g/m2以上40g/m2以下である。塗工
量が5g/m2より少なくなるとインク吸収能が低下し滲み
が発生するようになる。また、塗工量が50g/m2を超え
るとインク受理層が厚く合成樹脂被覆層表面を覆うた
め、インク受理層の粉落ちが目立つようになり、やはり
印字品位低下をもたらす。
【0023】本発明に用いられるインク受理層中には、
公知の白色顔料を1種以上用いることができる。例え
ば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チ
タン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイ
ト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、
珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリ
カ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミ
ニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイ
サイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの
白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、ア
クリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイ
クロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料
などが挙げられる。上記の中でも、インク受理成分中に
主体成分として含有する白色顔料としては、多孔性無機
顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸
マグネシウム、多孔性アルミナなどが挙げられ、特に細
孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
【0024】本発明において、インク受理層中に気相法
シリカを含有させることにより印字画像の光沢度を向上
させ、より写真に近い画像を得ることができる。本発明
に用いられる気相法シリカは、一般的には火炎加水分解
法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及
び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られている
が、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランや
トリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケ
イ素と混合した状態で使用することができる。
【0025】本発明に用いられる気相法シリカの一次粒
子の平均粒径は50nm以下であり、好ましくは3〜3
0nmであり、より好ましくは3〜15nmで、かつB
ET法による比表面積が200m2/g以上、好ましくは2
50〜500m2/gである。更に好ましい気相法シリカは
一次平均粒子径が3〜10nmでかつ比表面積が250
〜500m2/gである。本発明で云うBET法とは、気相
吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等
温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求
める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多
く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変
化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子
吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、
Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決
定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を
求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面
積が得られる。
【0026】本発明において、インク受理層に含有させ
る気相法シリカの量は、8g/m2以上が好ましく、10〜
30g/m2の範囲がより好ましい。
【0027】本発明のインク受理層にはカチオン性染料
定着剤を含有することができる。カチオン性染料定着剤
としては2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩
などが挙げられ、これらのカチオン性染料定着剤はイン
ク受理成分中の水性インクの染料分である水溶性直接染
料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル
基、アミノ基などと不溶な塩を形成するため、インク受
理成分にて染料を捕獲し、色彩性の向上や不溶な塩の形
成により水の滴下や吸湿によるインクの流れだしや滲み
だしを抑制し耐水性が向上させることができる。
【0028】また、本発明のインク受理層で用いられる
接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、酢酸
ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロー
ス誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性
ポリビニルアルコール等;スチレン−ブタジエン共重合
体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共
役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及
びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、アクリ
ル酸及びメタクリル酸の重合体又は共重合体等のアクリ
ル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等
のビニル系重合体ラテックス;或いはこれらの各種重合
体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基
変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱
硬化合成樹脂系等の水性接着剤;ポリメチルメタクリレ
ート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラー
ル、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤が挙げられ、
1種以上で使用される。
【0029】透明性が高くインクのより高い浸透性が得
られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性
バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがイ
ンクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわない
ことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤
性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に
好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポ
リビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアル
コールである。
【0030】さらに、その他の添加剤として、顔料分散
剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、
発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化
剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等をインク受理層
中に適宜配合することもできる。
【0031】また、インク受理層を設けた後には、マシ
ンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー
などのカレンダーを用いて平坦化仕上げを行っても良
い。
【0032】本発明の両面インクジェット記録シート
は、写真画質を実現するインクジェット記録シートに合
成樹脂接着層を介して紙を貼り合わせているため、当然
両面の印字が可能であるばかりでなく、貼り合わせ効果
により未印字状態はもちろん、印字後のカールの発生が
全くない。さらに、インク受理層が設けられていない紙
側に印字を行っても合成樹脂接着層の影響で印字濃度
が、特に黒で向上する。
【0033】また、インク受理層中に気相法シリカを含
有させることにより該インク受理層への印字品質がより
写真に近いものとなり、写真ポストカードに代表される
ような写真の貼り合わせ品の代替として個人での利用が
しやすくなる。
【0034】
【実施例】以下に、本発明の実施例をあげて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、
特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
【0035】〈インク受理層液1の作製〉合成非晶質シ
リカ(ファンシールX37B、徳山曹達製)10部、ポ
リビニルアルコール(PVA117、クラレ製)130
部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン100
1、住友化学工業製)20部を用い、これを調液し、固
形分濃度15%とした。これをインク受理層液1とし
た。
【0036】〈インク受理層液2の作製〉水:エチルア
ルコール=20:1の分散媒に気相法シリカ100部
(アエロジル380、日本アエロジル製、平均一次粒径
7nm、BET法による比表面積380m2/g)とカチオ
ンポリマー4部(シャロールDC902P、第一工業製
薬製)を添加して、高圧ホモジナイザーで分散した後、
ほう酸6部、ポリビニルアルコール20部(PVA23
5、クラレ製)、界面活性剤0.3部(SWAM AM
−2150、日本サーファクタント製)を添加して塗布
液(合計の固形分濃度10%)を作った。これをインク
受理層液2とした。
【0037】実施例1 坪量170g/m2の上質紙の一方の面に、低密度ポリエチ
レンを溶融押し出しダイを用いて、厚さが15μmにな
るようにラミネートし合成樹脂被覆層を設けた。インク
受理層液1を、エアーナイフコーターにより乾燥塗工量
10g/m2となるように該合成樹脂被覆層表面に塗工し、
インクジェット記録シートを得た。合成樹脂接着層とし
て、ポリプロピレンを用い、溶融押し出しダイを備えた
ラミネーターで、該合成樹脂接着層の厚さが10μmに
なるように調整して、このインクジェット記録シートの
インク受理層を設けた面の反対面に坪量40g/m2の上質
紙を貼り合わせ、実施例1の両面インクジェット記録シ
ートを得た。
【0038】実施例2 合成樹脂接着層の厚みを17μmに変更した以外は実施
例1と同様にして実施例2の両面インクジェット記録シ
ートを得た。
【0039】実施例3 インク受理層液1をインク受理層液2に変更した以外は
実施例1と同様にして実施例3の両面インクジェット記
録シートを得た。
【0040】実施例4 インク受理層液1をインク受理層液2に変更した以外は
実施例2と同様にして実施例4の両面インクジェット記
録シートを得た。
【0041】比較例1 実施例1において、合成樹脂接着層を介して上質紙を貼
り合わせなかった他は、実施例1と同様にして比較例1
の記録シートを得た。
【0042】比較例2 インク受理層液1をインク受理層液2に変更した以外は
比較例1と同様にして比較例2のインクジェット記録シ
ートを得た。
【0043】比較例3 比較例1で作製したインクジェット記録シートのインク
受理層の反対面にポリプロピレンを溶融押し出しダイを
用いて、厚さが10μmになるように、このインクジェ
ット記録シートのインク受理層を設けた面の反対面にラ
ミネートし、裏面に合成樹脂被覆層を設けたインクジェ
ット記録シートを得た。
【0044】比較例4 比較例3で作製したインクジェット記録シートのインク
受理層の反対面にインク受理層液1を用いて、エアーナ
イフコーターにより乾燥塗工量5g/m2となるようにイン
ク受理層を塗工し、比較例4の両面インクジェット記録
シートを得た。
【0045】〈試験方法〉 1)白紙カール性 実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シート
をA4判に断裁した後、23℃50%Rh環境にインク
受理層面を上にして24時間放置する。24時間後に四
隅の持ち上がり高さを測定して平均値をだす。持ち上が
り高さが少ないほど白紙カール性は良好で、特に4mm
以内なら全く問題がない。
【0046】2)片面印字カール性 実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シート
をA4判に断裁した後、インクジェットプリンター(キ
ャノン(株)製BJ F850)でインクジェット記録
シートのインク受理層面に写真画像を全面印字した。印
字後、23℃50%Rh環境にインク受理層面を上にし
て24時間放置する。24時間後に四隅の持ち上がり高
さを測定して平均値をだす。持ち上がり高さが少ないほ
ど片面印字カール性は良好で、特に6mm以内なら全く
問題がない。
【0047】3)両面印字カール性 実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シート
をA4判に断裁した後、インクジェットプリンター(キ
ャノン(株)製BJ F850)でインクジェット記録
シートのインク受理層面に写真画像を全面印字する。さ
らに、インク受理層面の反対面に文字を全面で印字し両
面に印字したインクジェット記録シートを得る。両面印
字後、23℃50%Rh環境にインク受理層面を上にし
て24時間放置する。24時間後に四隅の持ち上がり高
さを測定して平均値をだす。持ち上がり高さが少ないほ
ど両面印字カール性は良好で、特に8mm以内なら全く
問題がない。
【0048】4)印字濃度 実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シート
をA4判に断裁した後、インク受理層の反対面にインク
ジェットプリンター(キャノン(株)製BJF850)
でブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色100
%のベタ印字を行い、マクベスRD919で印字部の濃
度を測定した。値は大きい方が印字濃度が高く印字性が
良好であることを示す。なお、比較例3で作製したイン
クジェット記録シートではインクが定着せず評価できな
かった。
【0049】5)筆記性 実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シート
をA4判に断裁した後、HBの鉛筆を用いてインク受理
層の反対面に手書きにて筆記を行う。かすれ、つっかか
り、反対面への型付きが全くないものを筆記性を優、か
すれ、つっかかり、反対面への型付きがややあるものを
筆記性を並、実用上問題となるかすれ、つっかかり、反
対面への型付きが発生したものを筆記性を劣と判定し
た。
【0050】
【表1】
【0051】表1より明らかなように本発明の両面イン
クジェット記録シートは特に片面あるいは両面印字後の
カールの発生が比較例に比べて小さい。実施例2、4の
ように合成樹脂接着層の厚みを15μm以上とすること
により印字後、特に両面印字後のカール性がさらに良好
となることが分かる。一方、合成樹脂接着層の厚みを1
5μm以上とすることにより印字濃度、特に黒の印字濃
度が際だって向上していることが判る。
【0052】また、筆記性においては、実施例のインク
ジェット記録シートはすべて良好な筆記性を示すもの
の、比較例1,2は反対面への型付きがひどく、また、
比較例3は全く書くことができないため筆記性が劣とな
った。一方、比較例4は両面にインク受理層が設けられ
ているため、印字濃度は良好であるが、インク受理層の
塗層強度が弱く筆記性が全くない。
【0053】
【発明の効果】本発明の両面インクジェット記録シート
は、合成樹脂接着層を介してインクジェット記録シート
と紙を貼り合わせているため、両面印字が可能であるば
かりでなく、貼り合わせ効果により未印字状態はもちろ
ん、印字後のカールの発生が少なく、その取り扱いにお
いて非常に有効である。そのため、写真ポストカードに
代表されるような写真の貼り合わせ品の代替品として個
人での利用がしやすくなる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙/合成樹脂被覆層/インク受理層を順
    次積層したインクジェット記録シートの該インク受理層
    の反対面に合成樹脂接着層を介して紙を貼り合わせたこ
    とを特徴とする両面インクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 該合成樹脂接着層の厚みが15μm以上
    であることを特徴とする請求項1記載の両面インクジェ
    ット記録シート。
  3. 【請求項3】 該インク受理層が気相法シリカを含有す
    ることを特徴とする請求項1、2記載の両面インクジェ
    ット記録シート。
  4. 【請求項4】 該気相法シリカの平均一次粒子径が3〜
    15nmで、かつBET法による比表面積が200m2/g
    以上である請求項3記載の両面インクジェット記録シー
    ト。
  5. 【請求項5】 紙/合成樹脂被覆層/インク受理層を順
    次積層した後に、該インク受理層の反対面に、合成樹脂
    接着層を介して紙を貼り合わせることを特徴とする両面
    インクジェット記録シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7815984B2 (en) 2005-07-12 2010-10-19 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium and image forming method using the same
US7815985B2 (en) 2004-06-01 2010-10-19 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium, production process of the recording medium and image forming process using the recording medium

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