JPH09175099A - 立体画像形成用シート及びその製造方法 - Google Patents

立体画像形成用シート及びその製造方法

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JPH09175099A
JPH09175099A JP7338580A JP33858095A JPH09175099A JP H09175099 A JPH09175099 A JP H09175099A JP 7338580 A JP7338580 A JP 7338580A JP 33858095 A JP33858095 A JP 33858095A JP H09175099 A JPH09175099 A JP H09175099A
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image forming
pressure
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JP7338580A
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English (en)
Inventor
Mikio Imaeda
幹雄 今枝
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面が非常に平滑で、且つ熱転写により形成
された画像の堅牢性が高く、さらに保存時にはブロッキ
ングが生じにくい熱膨張層を持つ立体画像形成用シート
を提供する。 【解決手段】 立体画像形成用シート10は、第2の基
材51上に、第1の粘着剤層54と、発泡剤63から成
る熱膨張層62と、耐熱性を有する樹脂から成る耐熱性
樹脂層64とを順に積層して形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体画像形成用シ
ート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の立体画像形成用シートに
ついては、例えば、特公昭59−35359号公報に、
熱膨張性シート表面に、その熱膨張性シートよりも光吸
収性の高い材料で所望の画像を形成し、その表面に光照
射を行い、光吸収の差を利用して画像形成部を加熱隆起
させる技術が示されている。
【0003】また、特開昭61−72589号公報に
は、発泡記録体上に熱転写方式により光吸収性の高い材
料から成る画像を形成し、その上から光照射を行い、形
成画像の光吸収性を利用して前記発泡記録体上に形成画
像に応じた凹凸パターンを形成する技術が示されてい
る。
【0004】しかし、熱転写方式により画像を形成する
場合、被転写物の表面平滑度が、その形成画像の品位に
極めて大きな影響を及ぼすという問題があった。
【0005】このため、本出願人は、特願平7−268
10号において、熱膨張層をカレンダー加工を行うこと
により平滑化した立体画像形成用シートを提案してい
る。この立体画像形成用シートを使用すれば、熱膨張層
の表面が平滑であるために、品位の高い熱吸収性の画像
を熱転写方式で得ることができる。
【0006】さらに、本出願人は、特願平7−3492
8号において、熱膨張層の上に耐熱性樹脂層を設け、更
にカレンダー加工を行うことにより、シートの耐熱性や
印字像の堅牢度を高めつつ、印字品質を向上する技術を
提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
たカレンダー加工は製紙業界等では一般的な装置である
ものの、大がかりな装置が必要であるため、小ロットの
生産等には対応しにくいものである。また、プラスティ
ックフィルムの塗工品に対してカレンダー加工を行うこ
とはきわめてまれであることから、塗工工場では通常カ
レンダー装置を設置していない。このため、プラスティ
ックフィルムへの塗工品にカレンダー加工が必要な場合
は、外部業者での加工が必要となり、高価な加工となり
易い。
【0008】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、より安価な加工で、品質の高い
熱転写画像を得ることが可能な立体画像形成用シートを
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の立体画像形成用シートは、基材上
に、第1の粘着剤層と、加熱により発泡する材料から成
る発泡層と、耐熱性を有する樹脂から成るオーバーコー
ト層とを順に積層して形成しているので、熱転写により
形成された画像の堅牢性が高く、また、保存時にはブロ
ッキングが生じにくい。
【0010】また、請求項2に記載の立体画像形成用シ
ートは、前記基材に対して前記オーバーコート層が積層
される面とは反対側の面に第2の粘着剤層を形成し、そ
の第2の粘着剤層に剥離層を持つ剥離紙が剥離可能に貼
り合わせられているので、立体画像を形成した後に、前
記剥離紙を剥すことにより、所望の場所に貼り付けする
ことが可能になる。
【0011】また、請求項3に記載の立体画像形成用シ
ートの製造方法は、平滑な表面をもつ第1の基材の片面
に、耐熱性を有する樹脂から成るオーバーコート層と加
熱により発泡する材料から成る発泡層とを順に積層して
形成し、その発泡層の前記オーバーコート層が積層され
ていない側の面に粘着剤層を介して第2の基材を貼り合
わせることより積層体を形成する積層工程と、前記積層
工程において形成された積層体から前記第1の基材を除
去し、前記オーバーコート層を露出させる除去工程とか
ら成る。
【0012】従って、前記オーバーコート層の表面平滑
度が非常に高い立体画像形成用シートを容易に製造する
ことができる。
【0013】また、請求項4に記載の立体画像形成用シ
ートの製造方法は、前記積層工程において形成された積
層体に圧力を加えることにより、前記粘着剤層と前記発
泡層とを密着させる加圧工程を備えているので、前記粘
着剤層と前記発泡層とを確実に接着することができる。
【0014】また、請求項5に記載の立体画像形成用シ
ートの製造方法は、前記積層工程において、前記第1の
基材の片面に前記オーバーコート層と前記発泡層とを順
に積層して形成した中間シートと、前記第2の基材の両
面に粘着剤層が形成され、その粘着剤層の一方に剥離層
をもつ剥離紙が剥離可能に貼り合わせられて構成された
両面粘着シートとを、中間シートの発泡層面と両面粘着
シートの粘着剤層面とが対向するように貼り合わせて積
層体を形成し、前記加圧工程において、前記積層工程に
おいて形成された積層体に圧力を加え、前記除去工程に
おいて、前記積層体から第1の基材を除去する。
【0015】従って、前記両面粘着シートを使用して、
前記オーバーコート層の表面平滑度が非常に高い立体画
像形成用シートを容易に製造することができる。
【0016】また、請求項6に記載の立体画像形成用シ
ートの製造方法は、前記第1の基材として、ポリプロピ
レンを用いている。ポリプロピレンは、表面エネルギー
が比較的低いため、前記除去工程において第1の基材を
容易に除去することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0018】まず、本実施形態の立体画像形成用シート
10の構成について図1の断面図に基づいて説明する。
【0019】図1に示すように、立体画像形成用シート
10は、第2の基材51上に第1の粘着剤層54と、発
泡剤63を含む熱膨張層62と、耐熱性を有する樹脂か
ら成る耐熱性樹脂層64とが順に積層して形成されてい
る。一方、前記第2の基材51に対して前記熱膨張層6
2が積層される面とは反対側の面には、第2の粘着剤層
52と、剥離紙53とが順に積層して形成されている。
尚、第2の基材51は本発明の基材を、熱膨張層62は
発泡層を、耐熱性樹脂層64はオーバーコート層をそれ
ぞれ構成するものである。
【0020】次に、前記立体画像形成用シート10の製
造方法について、図2〜図5に基づいて説明する。
【0021】まず、図2に示す中間シート60及び図3
に示す両面粘着シート50を作製する。
【0022】中間シート60は、図2に示すように第1
の基材61上に耐熱性樹脂層64と、熱膨張層62とが
順に積層されて構成されている。
【0023】耐熱性樹脂層64は、第1の基材61に塗
工されて形成される。この耐熱性樹脂層62を形成する
ための樹脂には、耐熱性の他に、熱膨張層62に対する
接着性、さらには熱転写リボンを使用して熱転写工程を
行う際に、熱転写リボンとの接着性の良いものであるこ
とが要求される。このような特性をもつ樹脂として、ポ
リエステル樹脂、スチレンアクリル共重合体、ポリウレ
タン樹脂、ポリアミド樹脂等の各種樹脂が使用可能であ
る。
【0024】熱膨張層62は、熱可塑性樹脂中に、発泡
剤63が分散されて構成されている。
【0025】前記発泡剤63には、炭酸水素ナトリウム
等の重炭酸塩、各種過酸化物、ジアゾアミノベンゼン、
パラジカルボン酸アルミニウム、及びアゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ化合物等の熱分解により無毒性のガ
スを発生するものが好適に用いられる。また、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸
ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリブタジエン、あるいはそれらの共重合体からな
る殻材の内部にプロパンやブタン、ペンタン等の低沸点
の気化性物質を封入して、直径10〜20μmのマイク
ロカプセル化した熱膨張性カプセルを、発泡剤63とし
て用いても良い。
【0026】そして、これらの発泡剤63を、バインダ
ーとして用いる樹脂の溶液あるいはエマルジョン中に、
ロールミル、サンドミル等の公知の分散装置を用いて分
散する。この分散液が、公知の塗布装置を用いて、第1
の基材61上に塗布され、さらに乾燥されて熱膨張層6
2が形成される。
【0027】前記バインダー用の樹脂には、発泡剤63
が加熱されることにより熱分解して、ガスを発生した
時、あるいは熱膨張性カプセルが熱膨張した時に、同時
に熱軟化して安定な熱膨張層62を形成できるように、
酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー等の熱可塑
性樹脂が好適に用いられる。
【0028】次に、中間シート60に使用する第1の基
材61について説明する。前記第1の基材61に要求さ
れる特性としては、表面が平滑であることの他、前記熱
膨張層62を一時的に塗工でき、且つ図3に示す前記両
面粘着シート50と貼付した後に、容易に除去できるも
のでなければならない。表面が平滑な特性を備えたもの
としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレ
ン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、アラミドなどの各種プラスティックフィルムがあ
げられる。中でも、ポリプロピレンフィルムは、表面エ
ネルギーが比較的低いため、除去が容易であり、且つ価
格も低いため、特に好ましい。しかしながら、フィルム
表面に表面エネルギーを調整するための塗工層を設けれ
ば、いずれのフィルムも同様に使用することが可能であ
る。
【0029】一方、両面粘着シート50は、図3に示す
ように第2の基材51の両面に感圧接着性をもつ第1の
粘着剤層54及び第2の粘着剤層52が形成されてお
り、前記第2の粘着剤層52の下面に剥離層(図示せ
ず)を両面にもつ剥離紙53が設けられている。
【0030】第2の基材51は、10〜30μm程度の
厚みを持ち、一定以上の引っ張り強度のあるシートであ
ればよく、好ましくはPETフィルム、ポリプロピレン
などのプラスティックフィルムが好適に用いられる。
【0031】前記第1と第2の粘着剤層54及び52
は、ワックス系、アクリル系、シリコン系及びゴム系等
の粘着剤がトルエン、メチルエチルケトン等の溶剤に溶
解された塗工液、あるいはエマルジョン化された水性の
塗工液が公知の塗布装置を用いて、前記第2の基材51
に塗布乾燥されることにより形成される。
【0032】前記両面粘着シート50を作成する手順
は、まず第2の基材51の一方の面に、塗工により第2
の粘着剤層52が形成され、前記第2の粘着剤層52
に、剥離紙53が圧着される。次いで、前記第2の基材
51の他の面に塗工により第1の粘着剤層54が形成さ
れる。両面粘着シート50は通常、巻かれた状態で取り
扱われ、この場合、前記第1の粘着剤層54には、前記
剥離紙53の背面に形成された剥離層(図示せず)が圧
着された形となる。前記剥離紙53は、紙あるいはポリ
プロピレン、PET等のプラスチックフィルム基材の両
面に、シリコーン系あるいはポリエチレン、PVA、ア
ルキッド樹脂等の剥離層を形成したもので、特に、シリ
コーン系のものが好適に用いられる。
【0033】以上の手順により両面粘着シート50が得
られるのであるが、このような両面粘着シートは、市場
に多種多様のものが流通しているので、好ましい粘着特
性を持つ両面粘着シートを選択して用いれば、手軽に、
しかも安価に立体画像形成用シートを得ることができ
る。
【0034】次に、前記手順で作成された中間シート6
0と両面粘着シート50とを、中間シート60の熱膨張
層62側と両面粘着シート50の第1の粘着剤層54側
とが対向するようにして圧着することにより、図4に示
すような積層体11を得る。この積層体11を得るまで
の工程が本発明の積層工程に対応している。
【0035】次に、得られた積層体11に圧力を加える
ことにより前記中間シート60と両面粘着シート50と
を密着させる。この工程が本発明の加圧工程に対応して
いる。
【0036】そして、図5に示すように、第1の基材6
1を除去して耐熱性樹脂層64を露出させ、最終的な立
体画像形成用シート10を得ることができる。この第1
の基材61を除去する工程が本発明の除去工程に対応し
ている。
【0037】こうして得られた立体画像形成用シート1
0の熱膨張層62の表面は、第1の基材61の表面状態
を反映したものであるため、非常に平滑度が高くなる。
【0038】従来、塗工を行っただけの熱膨張層の表面
平滑度は、ベック平滑度で示すと20秒前後であった
が、前記方法によって得られる立体画像形成用シート1
0では、ベック平滑度は1,000秒以上の値が得られ
ている。
【0039】このように、本実施形態の立体画像形成用
シートの製造方法によれば、簡単な方法で、且つ低コス
トで表面の平滑度の高い立体画像形成用シートを得るこ
とができる。
【0040】続いて、前記方法により得られた立体画像
形成用シート10を用いた立体画像シートの作成方法
を、図6及び図7を参照して説明する。ここで、立体画
像形成用シート10を用いて、その上面に点字等の立体
画像を形成したものを立体画像シートとする。
【0041】まず、図6に示すように、前記立体画像形
成用シート10の耐熱性樹脂層64上に、例えば、熱転
写記録装置に一般的に用いられている熱転写リボン72
を重ね、この熱転写リボン72の背面から、熱転写記録
装置に設けられたサーマルヘッド71を押し当てる。サ
ーマルヘッド71が、画像信号に基づいて制御回路(図
示せず)に制御されて発熱すると、熱転写リボン72上
の対応する箇所のインク層が溶融し、耐熱性樹脂層64
の表面に融着する。そして、インクが冷却した後で前記
熱転写リボン72を剥がし取れば、熱転写リボン72の
インク層の画像部だけが耐熱性樹脂層64へと転移し
て、耐熱性樹脂層64上に、図形や文字等の画像65が
形成される。
【0042】本実施形態においては、耐熱性樹脂層64
上に画像65を形成するのに熱転写記録装置のサーマル
ヘッド71を用いたが、その他のものを用いることも可
能である。例えば、熱転写リボン72の背面を、画像信
号に基づいて強度変調されたレーザ光を走査して加熱
し、強度のレーザ光が照射された熱転写リボン72に対
応する箇所のインク層を溶融させて耐熱性樹脂層64の
表面に融着させても良い。
【0043】ここで、熱転写リボン72のインクには、
光を吸収して発熱する材料を使用する。例えば、黒色の
画像を得たい場合、カーボンブラックを用いれば良い。
カーボンブラックは、可視光から近赤外までの光を吸収
して、その光エネルギーを熱に変えるという性質をもっ
ている。一方、黒色以外の画像が必要な場合には、例え
ば、赤色、青色、黄色等の公知の染・顔料をインクに用
いる。しかし、これらの染・顔料では赤外領域の光吸収
が少ないために、十分な光エネルギーを熱に変えること
ができない。そこで、スズ、アンチモン、あるいはイン
ジウムの酸化物を主成分とする複合酸化物を適宜インク
組成に混合することにより、赤外領域の光吸収を大きく
することが必要である。
【0044】次に、光照射について説明すると、図7に
示すように、光吸収性をもつ画像65が形成された立体
画像形成用シート10に対して、ランプ73を用いて光
を照射する。ランプ73には、タングステンランプ、ハ
ロゲンランプ及びキセノンランプ等の可視光から赤外領
域までの光を放射することができるランプが用いられ
る。
【0045】このランプ73により、耐熱性樹脂層64
上に形成された光吸収性をもつ画像65に光が照射され
ると、光は、画像65に吸収されて、熱エネルギーに変
わる。このため、画像65の下方の熱膨張層62が加熱
される。熱膨張層62に、発泡剤63を使用した場合に
は、その発泡剤63の加熱分解による発泡により、熱膨
張層62の表面が隆起する。また、熱膨張層62に熱膨
張性カプセルを使用した場合には、カプセルの膨張によ
り熱膨張層62が膨張し、このため、耐熱性樹脂層64
の表面が隆起する。これにより、画像65に対応する部
分に立体画像が形成された立体画像シート12が形成さ
れる。
【0046】この時、ランプ73によって光照射を行う
と同時に、ファン74で前記耐熱性樹脂層64の表面付
近に送風を行うと、耐熱性樹脂層64の近くの雰囲気温
度の上昇を防ぐことができる。これにより、光吸収して
昇温する部分と、光反射して昇温しない部分との温度差
を大きくすることができ、このため耐熱性樹脂層64の
隆起させたい箇所だけを隆起させることができ、立体画
像の分解能を高めることができる。
【0047】この光照射によって耐熱性樹脂層64上に
形成された光吸収性をもつ画像65の温度は100℃以
上となる。このため、耐熱性樹脂層64を介しての、こ
の画像65からの熱伝導により、熱膨張層が加熱される
のである。
【0048】このように、本実施の形態の立体画像形成
用シートの製造方法によれば、耐熱性樹脂層64の表面
平滑度がベック平滑度で1,000秒以上となっている
ので、熱転写方式によりカスレ等のない高品質の印字を
行うことができ、ひいては欠け等のない高品位の立体画
像を形成することが可能である。
【0049】また、図8に示すように、作成された立体
画像シート12は第2の粘着剤層52を介して剥離紙5
3が貼り合わされているので、剥離紙53を剥がし取れ
ば、前記第2の粘着剤層52が露出し、様々な生活什器
等に立体画像シート12を貼り付けることが可能とな
る。
【0050】また、本実施形態においては、予め平滑な
表面をもつ第1の基材61上に耐熱性樹脂層64を設け
てあるので、前記第1の基材61を剥がしとるのみで平
滑な耐熱性樹脂層64の表面が現れる。
【0051】尚、本発明は以上詳述した実施の形態に限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲にお
いて、種々の変更を加えることができる。
【0052】例えば、前記実施の形態においては、予め
平滑な表面をもつ第1の基材61上に耐熱性樹脂層64
を設けたが、前記第1の基材61に直接熱膨張層62を
形成し、前記第1の基材61を剥し取った後に前記耐熱
性樹脂層64を塗工して形成してもよい。尚、この場合
には、前記耐熱性樹脂層64を塗工する場合の塗工液
は、前記熱膨張層62の表面を侵す成分を含まないこと
が必要となる。このため、耐熱性樹脂層の塗工液には、
水分散タイプの樹脂を用いることが望ましい。たとえ
ば、水分散性のポリエステル、アクリルエマルジョン、
水分散性ポリウレタンなどがこうした目的に好適に用い
られる。
【0053】また、前記実施形態においては、図4に示
されるような両面粘着シート50を使用して、簡便に立
体画像形成用シート10を作製しているが、これを、第
1の基材61に耐熱性樹脂層64及び熱膨張層62とを
順に塗工して形成した中間シート60と、一方の面に粘
着剤を塗工した第2の基材51とを貼り合わせて作製し
てもよい。この場合、前記第1の基材61を剥がし取
り、さらに、前記第2の基材51の前記粘着剤を塗工し
た面とは反対の面に粘着剤を塗工し、剥離紙を貼り付け
れば、前記実施の形態で得られるものと同構成の立体画
像形成用シート10が得られる。
【0054】また、前記第1の基材61に熱膨張層62
を塗工したものと、粘着剤を塗工した第2の基材51と
を貼り合わせ、前記第1の基材61を剥がし取った後
に、耐熱性樹脂層62を塗工し、さらに、前記第2の基
材51の前記粘着剤を塗工した面とは反対の面に粘着剤
を塗工し、剥離紙を貼り付ければ、前記実施の形態で得
られるものと同構成の立体画像形成用シート10が得ら
れる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、請
求項1に記載の立体画像形成用シートは、基材上に、第
1の粘着剤層と、加熱により発泡する材料から成る発泡
層と、耐熱性を有する樹脂から成るオーバーコート層と
を順に積層して形成しているので、熱転写により形成さ
れた画像の堅牢性が高く、また、保存時にはブロッキン
グが生じにくい。
【0056】また、請求項2に記載の立体画像形成用シ
ートは、前記基材に対して前記オーバーコート層が積層
される面とは反対側の面に第2の粘着剤層を形成し、そ
の第2の粘着剤層に剥離層を持つ剥離紙が剥離可能に貼
り合わせられているので、立体画像を形成した後に、前
記剥離紙を剥すことにより、所望の場所に貼り付けする
ことが可能になる。
【0057】また、請求項3に記載の立体画像形成用シ
ートの製造方法は、平滑な表面をもつ第1の基材の片面
に、耐熱性を有する樹脂から成るオーバーコート層と加
熱により発泡する材料から成る発泡層とを順に積層して
形成し、その発泡層の前記オーバーコート層が積層され
ていない側の面に粘着剤層を介して第2の基材を貼り合
わせることより積層体を形成する積層工程と、前記積層
工程において形成された積層体から前記第1の基材を除
去し、前記オーバーコート層を露出させる除去工程とか
ら成る。
【0058】従って、前記オーバーコート層の表面平滑
度が非常に高い立体画像形成用シートを容易に製造する
ことができる。
【0059】また、請求項4に記載の立体画像形成用シ
ートの製造方法は、前記積層工程において形成された積
層体に圧力を加えることにより、前記粘着剤層と前記発
泡層とを密着させる加圧工程を備えているので、前記粘
着剤層と前記発泡層とを確実に接着することができる。
【0060】また、請求項5に記載の立体画像形成用シ
ートの製造方法は、前記積層工程において、前記第1の
基材の片面に前記オーバーコート層と前記発泡層とを順
に積層して形成した中間シートと、前記第2の基材の両
面に粘着剤層が形成され、その粘着剤層の一方に剥離層
をもつ剥離紙が剥離可能に貼り合わせられて構成された
両面粘着シートとを、中間シートの発泡層面と両面粘着
シートの粘着剤層面とが対向するように貼り合わせて積
層体を形成し、前記加圧工程において、前記積層工程に
おいて形成された積層体に圧力を加え、前記除去工程に
おいて、前記積層体から第1の基材を除去する。
【0061】従って、前記両面粘着シートを使用して、
前記オーバーコート層の表面平滑度が非常に高い立体画
像形成用シートを容易に製造することができる。
【0062】また、請求項6に記載の立体画像形成用シ
ートの製造方法は、前記第1の基材として、ポリプロピ
レンを用いている。ポリプロピレンは、表面が平滑な特
性を有するため、前記第1の基材を除去すると表面平滑
度が非常に高いオーバーコート層を得ることができ、ま
た、表面エネルギーが比較的低いという特性を有するた
め、前記除去工程において第1の基材を容易に除去する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の立体画像形成用シートの断面図
である。
【図2】第1の基材上に耐熱性樹脂層と熱膨張層とを形
成した中間シートの断面図である。
【図3】第2の基材の両面に粘着剤層を形成し、一方の
粘着剤層に剥離紙を貼り合わせた両面粘着シートの断面
図である。
【図4】中間シートと両面粘着シートとを貼り合わせて
得られる積層体の断面図である。
【図5】積層体から第1の基材を除去する工程を示す説
明図である。
【図6】立体画像形成用シートに、光吸収性の画像を熱
転写する工程を示す説明図である。
【図7】立体画像形成用シートに形成された画像を立体
化させる工程を示す説明図である。
【図8】熱膨張後の立体画像シートから剥離紙を剥がし
取る工程を示す説明図である。
【符号の説明】
10 立体画像形成用シート 11 積層体 50 両面粘着シート 51 第2の基材 52 粘着剤層 53 剥離紙 54 粘着剤層 60 中間シート 61 第1の基材 62 熱膨張層 63 発泡剤 64 耐熱性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/26 B41M 5/26 S

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、 第1の粘着剤層と、 加熱により発泡する材料から成る発泡層と、 耐熱性を有する樹脂から成るオーバーコート層と、を順
    に積層して形成したことを特徴とする立体画像形成用シ
    ート。
  2. 【請求項2】 前記基材に対して前記オーバーコート層
    が積層される面とは反対側の面に第2の粘着剤層を形成
    し、その第2の粘着剤層に剥離層を持つ剥離紙が剥離可
    能に貼り合わせられていることを特徴とする請求項1に
    記載の立体画像形成用シート。
  3. 【請求項3】 平滑な表面をもつ第1の基材の片面に、
    耐熱性を有する樹脂から成るオーバーコート層と加熱に
    より発泡する材料から成る発泡層とを順に積層して形成
    し、その発泡層の前記オーバーコート層が積層されてい
    ない側の面に粘着剤層を介して第2の基材を貼り合わせ
    ることより積層体を形成する積層工程と、 前記積層工程において形成された積層体から前記第1の
    基材を除去し、前記オーバーコート層を露出させる除去
    工程と、 から成ることを特徴とする立体画像形成用シートの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記積層工程において形成された積層体
    に圧力を加えることにより、前記粘着剤層と前記発泡層
    とを密着させる加圧工程を備えたことを特徴とする請求
    項3に記載の立体画像形成用シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記積層工程において、前記第1の基材
    の片面に前記オーバーコート層と前記発泡層とを順に積
    層して形成した中間シートと、前記第2の基材の両面に
    粘着剤層が形成され、その粘着剤層の一方に剥離層をも
    つ剥離紙が剥離可能に貼り合わせられて構成された両面
    粘着シートとを、中間シートの発泡層面と両面粘着シー
    トの粘着剤層面とが対向するように貼り合わせて積層体
    を形成し、前記加圧工程において、前記積層工程におい
    て形成された積層体に圧力を加え、前記除去工程におい
    て、前記積層体から第1の基材を除去することを特徴と
    する請求項3乃至4のいずれかに記載の立体画像形成用
    シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の基材として、ポリプロピレン
    を用いたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに
    記載の立体画像形成用シートの製造方法。
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