JP2003072217A - 立体図形記録媒体及び立体図形記録方法、その利用方法 - Google Patents

立体図形記録媒体及び立体図形記録方法、その利用方法

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JP2003072217A
JP2003072217A JP2001266699A JP2001266699A JP2003072217A JP 2003072217 A JP2003072217 A JP 2003072217A JP 2001266699 A JP2001266699 A JP 2001266699A JP 2001266699 A JP2001266699 A JP 2001266699A JP 2003072217 A JP2003072217 A JP 2003072217A
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Hideyuki Miyake
秀之 三宅
Masafumi Hayashi
雅史 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な、かつ小型の装置により記録可能で、
かつ耐久性の高い透明/半透明の立体図形が記録可能な
媒体、その媒体への記録方法及び媒体の利用方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 立体図形記録媒体として、少なくとも透
明もしくは半透明の発泡層1、透明もしくは半透明の粘
着層2、離型層3、光熱変換材料を含有する基材4が順
次積層する構成とした。この立体図形記録媒体に光照射
を施し、所望する立体図形を簡単に形成でき、更に立体
図形を形成させた媒体から離型層3と光熱変換材料を含
有する基材4を剥離し、透明もしくは半透明の接着性を
有する立体図形記録媒体を得て、立体図形の形状を所望
する物体に対し、その立体図形記録媒体を貼付する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギーを吸収
し、記録部が立体的に発泡して、表面が隆起して記録す
る、主に点字記録を目的とする立体図形記録媒体及び立
体図形記録方法とその記録媒体の利用方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】点字表記等の立体図形を記録することに
より視覚障害者へ情報提供を行なう、立体図形記録媒体
に対する需要は非常に高く、これまでにも数多くの立体
図形記録媒体が考案されている。その中でも、透明/半
透明の粘着シートが裏面側に設けられた立体図形記録媒
体に関する要望が多い。このような記録媒体は健常者向
け情報提供を既に行なっている物品に対し、その外観や
機能を損なうことなく、新たに立体図形を追加すること
が可能であり、予め立体図形を配置することを想定して
いない場合でも媒体の貼付により立体図形情報の提供が
可能となるためである。透明/半透明の立体図形記録方
法として、これまでにも、(a)透明/半透明の樹脂フ
ィルムに対しニードル等でエンボス加工を施す、(b)
透明/半透明の溶融樹脂、硬化樹脂等を被記録媒体に滴
下するなどの方式が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
立体図形記録方法の(a)方式の場合、安価に媒体を提
供できる反面、記録及び設置後の耐久性に難があり、繰
り返し触読を行なうことにより、その立体形状が劣化す
るという欠点を有する。また、上記(b)方式について
は、(a)方式の有する耐久性に関する問題は起こり難
いものの、記録装置が大型となることが多く、容易に運
用し得るものではないという欠点を有する。したがっ
て、本発明は上記の点に鑑みなされたもので、安価な、
かつ小型の装置により記録可能で、かつ耐久性の高い透
明/半透明の立体図形が記録可能な媒体、その媒体への
記録方法及び媒体の利用方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、立体図形記録媒体として、少なくとも透
明もしくは半透明の発泡層、透明もしくは半透明の粘着
層、離型層、光熱変換材料を含有する基材が順次積層す
る構成とした。この立体図形記録媒体に光照射を施し、
所望する立体図形を簡単に形成でき、更に立体図形を形
成させた媒体から離型台紙(離型層と光熱変換材料を含
有する基材)を剥離し、透明もしくは半透明の接着性を
有する立体図形記録媒体を得て、立体図形の形状を所望
する物体に対し、その立体図形記録媒体を貼付する。し
たがって、安価であり、かつ小型の装置により立体図形
の記録が可能となり、また健常者向けに情報提供の記録
が施されている物品に対し、その外観や機能を損なうこ
となく、つまり物体の下地に表示された情報を可読な状
態で、新たに立体図形を貼付することで、簡便に立体図
形情報を追加することが可能となる。また、前記の発泡
層の粘着層が設けられた側とは反対の面に、透明もしく
は半透明の表面保護層を設けることが好ましく、印刷機
による情報記録の動作時の騒音がより小さくなり、かつ
立体図形隆起部の耐擦過性のより優れたものが得られ
る。
【0005】前記の発泡層及び粘着層の間に、透明もし
くは半透明の立体図形隆起補助層を設けることが好まし
く、これにより発泡層の記録時の膨張の際に、その膨張
圧力が立体図形隆起補助層により遮断して、立体図形隆
起補助層と反対側の発泡層が膨張をし易くする効果があ
る。よって、立体図形がより効果的に形成される。ま
た、立体図形隆起の補助のため、基材に断熱材料を用い
ることが好ましく、記録時の光照射で、基材に有する光
熱変換材料により基材自体が異常に熱くなったり、また
基材の裏面側に熱が伝導しやすくなる点を防止して、発
泡層の記録時の膨張隆起が有効に行なわれるように、発
泡層への熱伝導を無駄無く行なえる。
【0006】本発明の立体図形記録方法は、上記のいず
れか一つに記載する立体図形記録媒体に対し、所望する
図形に合わせ光照射をし、立体図形及び非立体図形を記
録することを特徴とする。また、本発明の情報記録媒体
の利用方法は、上記に記載する立体図形記録方法により
情報記録を行なった媒体から、離型層、光熱変換材料を
含有する基材を除去した記録媒体を、所望する物体に貼
付することで物体の下地に表示された情報を可読な状態
で、更に立体図形情報及び非立体図形情報を付与するこ
とを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施の形態を挙げ
て更に詳細に説明する。図1は、本発明の立体図形記録
媒体である一つの実施の形態を示す断面図であり、基材
4上に離型層3、粘着層2、発泡層1をこの順に形成し
たもので、該発泡層1と粘着層2は、透明もしくは半透
明の状態にあり、情報記録を行なった媒体から、離型層
3と光熱変換材料を含有する基材4を除去した残りの記
録媒体を、所望する物体に貼付した時に、その物体の下
地に表示された情報を隠蔽せずに、可読な状態にするこ
とができる。図2は、本発明の立体図形記録媒体である
他の実施形態を示す断面図であり、基材4上に、離型層
3、粘着層2、立体図形隆起補助層5、発泡層1、表面
保護層6をこの順に形成したもので、該表面保護層6、
発泡層1、立体図形隆起補助層5及び粘着層2は、透明
もしくは半透明の状態にあり、情報記録を行なった媒体
から、離型層3と光熱変換材料を含有する基材4を除去
した残りの記録媒体を、所望する物体に貼付した時に、
その物体の下地に表示された情報を隠蔽せずに、可読な
状態にすることができる。
【0008】以下に本発明の立体図形記録媒体を構成す
る各層の説明を行う。 (基材)基材4は立体図形の記録装置から照射される光
エネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換する機能を有
するものである。また、立体図形記録媒体に記録し、物
品に貼付するまでの間に、発泡層1、粘着層2と離型層
3が、また必要に応じて設ける立体図形隆起補助層5、
表面保護層6が、各層の有する機能を損なわないように
構造を保持する必要がある。光エネルギーを吸収し、熱
エネルギーに変換する材料(光熱変換材料)としては、
付与される光エネルギーの波長に対応した光吸収色素等
が挙げられるが、カーボンブラックが安価であり、かつ
容易に入手可能な材料として、好ましい。
【0009】上記の光吸収色素としては、例えば近赤外
線吸収色素が挙げられ、それは光を吸収し効率良く熱に
変換する物質である。例えば半導体レーザーを光源とし
て使用する場合、具体的にはフタロシアニン系色素、ス
クアリウム系色素、ニトロソ化合物及びその金属錯塩、
ポリメチン系色素、チオールニッケル塩、トリアリール
メタン系色素、インモニウム系色素、ナフトキノン系色
素、アントラセン系色素等を用いることができる。上記
の近赤外線吸収色素は700nm〜2500nm程度の
波長域で光吸収するものであるが、光吸収剤として近赤
外線のみでなく、マイクロ波、電磁波等に吸収帯を有す
るものでも使用することができる。
【0010】また、光熱変換材料として、カーボンブラ
ックやグラファイトを用いることができる。基材に対す
る光熱変換機能の付与は、上記に挙げた光熱変換材料を
基材に対し、練り込む、片面もしくは両面に塗布する等
の方法で実現可能である。この光熱変換材料の基材にお
ける含有量は、エネルギーとして光を用いる場合、通
常、画像記録に用いる光源の波長での吸光度が0.1〜
3.0になるように決めることができる。一般的には吸
光度が0.2〜1.5程度あれば良い。
【0011】また、本発明の立体図形記録媒体で使用す
る基材は、立体図形隆起の補助のため、断熱材料を用い
たものが好ましい。つまり、断熱効果に優れる材料を基
材に用いることで、与えられた光エネルギーから得られ
た熱を効率的に発泡層に与えることが可能であり、立体
図形の効率的な記録が可能になるため、望ましい。この
ような断熱効果に優れた材料としては、例えば発泡PE
Tフィルムの表面にカーボンブラックを含有した樹脂イ
ンキを塗布したものが挙げられる。
【0012】本発明の立体図形記録媒体で使用する基材
は、その基材に設ける各層の有する機能を損なわないよ
うに構造を保持するもので、基材としては、カット状態
や小巻状態やカード状態である種々の形態を使用するこ
とが出来る。その素材はセルロース等の天然繊維に限定
されず、ビニロンやナイロンやポリエステルやアクリル
などの合成繊維、ステンレス等の金属繊維、アルミナや
シリケート等の無機繊維、炭素繊維、キチン繊維、キト
サン繊維等を用いて抄き上げたもの等、記録媒体の支持
体という機能を備えていれば、その種類は問わない。上
記の天然繊維を用いた紙類としては、例えば上質紙、中
質紙、コピー用紙、アート紙、コート紙、クラフト紙、
ケント紙、板紙、図画用紙、カード用紙、更紙、グラシ
ン紙、新聞用紙、コンデンサー紙等を挙げることができ
る。
【0013】更に、種々の熱可塑性樹脂を原料に用いて
製造されたプラスチックフィルム類であるポリエチレン
テレフタレートフィルムやポリ塩化ビニールフィルムや
ポリエチレンナフタレートフィルムやポリイミドフィル
ム、同じく熱可塑性樹脂類を抄く工程を経ずに紙状に加
工した合成紙類(例えば王子油化製、ユポFPG−15
0)等も使用することが出来る。また、ポリエチレンテ
レフタレートやポリ塩化ビニールや厚紙を用いて製造さ
れたカード類も用いることが出来る。
【0014】(発泡層)発泡層1は、印刷機より記録す
る情報のパターンに基づいて、選択的に与えられる熱エ
ネルギーを吸収することにより、隆起して発泡し、点字
のパターンを形成するものである。但し、印刷機から光
エネルギーが提供され、その立体図形記録媒体の基材が
光熱変換材料を含有するために、光エネルギーが熱エネ
ルギーに変換されて、その熱エネルギーが発泡層に伝導
する。発泡層は、発泡材料とその発泡層の構造を形成す
るためのバインダー樹脂を主体に構成される。発泡材料
は、透明もしくは半透明であり、熱刺激により体積の膨
張する材料であれば、その種別は問わない。
【0015】発泡材料としては、従来公知のもの、例え
ば、アゾジカノレポンアミド、アゾピスイソブチロニト
リル、ジニトロゾペンタメチレンテトラミン、N,N’
ジニトロソーN,N’ジメチルテレフタルアミド、P−
トルエンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾルカルボンア
ミド、P−トルエンスルホニルアジド、アセトン−P−
スルホニルヒドラゾン等の有機系発泡剤;重炭酸ナトリ
ウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等の無機
系発泡剤;内部に低温で揮発する溶媒を含有した熱膨張
性マイクロカプセル等が挙げられる。
【0016】本発明では、特に熱膨張性マイクロカプセ
ルが好ましく、低温で揮発する炭化水素を樹脂からなる
壁剤の内部に包含させたカプセル構造をとるものが好ま
しい。熱膨張性マイクロカプセルは、特定温度での加熱
によって未加熱状態の時の約約100倍程度にまで体積
が膨張するものを使用するとよい。熱膨張性マイクロカ
プセルに内包させる炭化水素としては、塩化メチル、臭
化メチル、トリクロロエタン、ジクロロエタン、n−ブ
タン、n−ヘプタン、n−プロパン、n−ヘキサン、n
−ペンタン、イソブタン、イソヘプタン、ネオペンタ
ン、石油エ−テル、フレオン等のフッ素原子を有する脂
肪族炭化水素、或いはこれら炭化水素の複数混合体等が
挙げられる。
【0017】熱膨張性マイクロカプセルの壁剤として
は、塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、
スチレン、メタクリル酸メチルアクリレート、メタクリ
ル酸エチルアクリレート、酢酸ビニル、或いはこれらの
樹脂の共重合体やブレンド物等が挙げられ、さらに必要
に応じて架橋剤を使用して架橋処理された樹脂バインダ
ーを使用してもよい。
【0018】熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、直径
0.1μm〜50μm、好ましくは0.1μm〜30μ
m、更に好ましくは0.1μm〜6μmである。このよ
うな熱膨張性マイクロカプセルは、例えば松本油脂製薬
株式会社製造の”マツモトマイクロスフェアー”シリー
ズのF−20,F−30,F−30VS,F−40,F
−50,F−80S,F−82,F−85,F−80V
S,F−100等や、日本フェライト株式会社製造の”
エクスパンセル”シリーズとして市販されている。熱膨
張性マイクロカプセルの粒径を小さくすることにより、
立体図形記録媒体の発泡層の透明性が向上する。
【0019】次に、発泡層の樹脂バインダーとしては、
皮膜の形態で、透明もしくは半透明であり、加熱により
軟化し、かつ室温で硬化する材料であれば、いずれのも
のでもよい。その樹脂バインダーは、例えばフェノキシ
樹脂、ポリ酢酸ビニルやポリアクリルエステル等のビニ
ル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレン
テレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アク
リル系樹脂、加硫ゴムや未加硫ゴム等のゴム系樹脂等が
挙げられる。ゴム系樹脂としては、例えば、クロロプレ
ンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、合成イソプレン
ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、スチ
レン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポ
リイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、塩
素化ブチルゴム等の含成ゴムや天然ゴム等の未加硫ゴ
ム、或いは加硫ゴムが挙げられる。特に好ましい樹脂と
して、ポリエステル系樹脂やゴム系樹脂が挙げられる。
【0020】樹脂バインダーの数平均分子量は1,00
0〜30,000、好ましくは3,000〜25,00
0である。数平均分子量がl,000未満では、形成さ
れた記録部の隆起部は非常にもろく、欠けやつぶれを容
易に生じてしまう。また、隆起部の耐久性への要求が非
常に高度である場合は、樹脂バインダーの分子量が大き
い方が良好であり、この為には樹脂バインダーの数平均
分子量は好ましくは3,000以上、特に好ましくは1
0,000以上である。また、発泡層を形成する際の塗
工適性等から、樹脂バインダーの数平均分子量は30,
000以下、好ましくは25,000以下である。
【0021】発泡層における熱膨張性マイクロカプセル
の含有割合は、樹脂バインダー1質量部に対して1質量
部〜4質量部、好ましくは、2質量部〜3質量部であ
る。1質量部未満の場合は熱膨張層が十分に膨張せず、
4質量部を越えると隆起部の耐久性が不足してくる。上
記の発泡材料とバインダー樹脂は、その両者を適宜混合
することにより、加熱により発泡層が膨張し、その後
に、冷却により発泡層の膨張形状を維持するものであ
る。
【0022】本発明では、発泡層や後述するその他の層
で、透明もしくは半透明であることを規定するが、この
半透明とは、透明状態と不透明状態の中間状態のことを
示している。発泡層と粘着層、さらに必要に応じて形成
する立体図形隆起補助層と表面保護層が透明もしくは半
透明であり、それらの層から成るものは、立体図形を形
成させた媒体から、離型層と光熱変換材料を含有する基
材を剥離した後のものであり、そのものを物体に対し、
貼付する。したがって、貼付するものが透明または半透
明であれば、その貼られる物体の下地に表示された情報
を隠蔽せず、その情報を容易に見て判読できる。上記の
貼付するものが透明の場合は、立体図形情報及び非立体
図形情報が付与された物体を観察して、その物体の下地
に表示された情報の部分と、その物体に貼付された立体
図形情報及び非立体図形情報の部分との光の屈折率の差
が少なく、立体図形情報及び非立体図形情報の部分を透
過して、物体の下地に表示された情報が見えやすい。そ
れに反して、物体に貼付するものが不透明の場合、その
物体の下地に表示された情報の部分と、その物体に貼付
された立体図形情報及び非立体図形情報の部分との光の
屈折率の差が大きく、立体図形情報及び非立体図形情報
の部分を透過して物体の下地に表示された情報を見るこ
とができない。つまり立体図形情報及び非立体図形情報
の部分を透過できない。
【0023】また、発泡層に着色剤を添加することがで
き、発泡隆起情報の色付け等の機能を付与することがで
きる。着色剤は従来公知の各種染料、顔料を使用するこ
とができ、発泡層の透明性または透過性を高めにするに
は、発泡層塗工液中で溶解する染料が好ましい。発泡層
は、基材上に(基材の粘着層上に)、上記の如き発泡層
形成材料を適当な有機溶剤及び/又は水に溶解または分
散させ、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グ
ラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形
成手段により塗布及び乾燥することによって形成され
る。なお、樹脂バインダーが架橋可能な場合には架橋剤
や架橋反応促進触媒等の必要な添加剤を加えてもよい。
発泡層の乾燥後膜厚は10μm〜100μmが好まし
く、20μm〜40μmであることが更に好ましい。発
泡層は光照射してエネルギー印加し、膨張させた段階
で、膜厚を20μm〜800μmのものとすることがで
き、特に、その膜厚を250μm〜300μm程度に調
整すると従来から有る点字物と同等の隆起高さとなりよ
り良いものである。尚、上記の発泡層の厚さは、記録媒
体に発泡層が複数ある場合は、発泡層同士が分離してい
ても、一つの記録媒体の単位で発泡層すべての厚さを合
計した厚さについて適用される。
【0024】(粘着層)本発明の立体図形記録媒体は、
基材と発泡層との間に、粘着層2を設け、また該粘着層
と基材との間に離型層を設けた構成であり、立体図形記
録媒体に光照射を施し、所望する立体図形を形成した後
に、立体図形を形成させた媒体から、離型層と光熱変換
材料を含有する基材(離型台紙)を剥離し、透明もしく
は半透明の接着性を有する立体図形記録媒体を得て、立
体図形の形状を所望する物体に対し、その立体図形記録
媒体を粘着層の粘着、接着性を利用して貼付する。つま
り、立体図形記録媒体をシール形態で利用することがで
きる。粘着層は、記録媒体を取り付けたい物品に貼り付
けるために、形成される。粘着層を構成する材料として
は、感圧性接着剤を主成分として、必要に応じて粘着性
付与剤、可塑剤、充填剤等を添加することができる。
【0025】粘着層は、透明もしくは半透明であるよう
にするために、上記の添加剤は粘着層塗工液において、
溶解状態が好ましく、分散状態のものは含有させない
か、添加しても少量にする。この透明もしくは半透明で
ある粘着層は、発泡層の膨張による立体図形の形成を損
なわない程度で、また物体に貼付した後に無理な力を加
えない限り簡単に剥がれない程度の粘着力である。か
つ、後述の離型層から円滑に剥離可能なものであれば、
いずれの粘着性物質でも用いることができる。粘着性物
質の感圧性接着剤として、例えばスチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体、スチレンブタジエンゴ
ム、ポリブテンゴム、ポリイソプレンゴム、ブチルゴ
ム、天然ゴム、合成イソプレン等に代表されるゴムに、
ロジン、ダンマー、コーパル、水添ロジン、ロジンエス
テル、インデンクロマン、ピコパール、ポリテルペン、
ニトロセルロース、アルキッド樹脂、キシレン樹脂に代
表される粘着付与性樹脂、軟化剤としてDOP,TC
P,DBP,BBP等の可塑剤、塩化パラフィン、動植
物性油脂、鉱物油などを添加したゴム系粘着剤、或いは
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸オクチル、ア
クリル酸デシルのようなアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸オク
チル、メタクリル酸デシルのようなメタクリル酸エステ
ルなどのエステル類の単独重合体ないしは共重合体を適
当な溶剤に溶解して得られるアクリル系感圧粘着剤、或
いはこれらのエステル類とアクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸などの官能基を有
するビニル化合物との共重合体を適当な溶剤に溶解して
得られるアクリル系感圧接着剤が用いられる。この官能
基を有する共重合体を用いる場合、耐熱性凝集効果を更
に上げるため官能基と反応するイソシアネート系の有機
架橋剤を少量添加したもの等が用いられる。
【0026】また、接着剤として、例えばポリエチレン
等のポリオレフィン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等の酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチレンアクリレ
ート、エチレン−イソブチルアクリレート等のアクリル
酸エステル共重合体系、ナイロン6、ナイロン6.6、
ナイロン10、ナイロン12、N−メトキシメチル化ナ
イロン等のポリアミド系、テレフタル酸系のポリエステ
ル系、ポリビニルブチラール系、ポリ酢酸ビニル系、ア
セテート、メチルセルロース、アセテートブチレート等
のセルロース誘導体系、ポリメチルメタクリレート等の
ポリメタクリル酸エステル系、ポリビニルメチルエーテ
ル等のポリビニルエーテル系、ポリウレタン系、ポリカ
ーボネート系、スチレン−ブタジエン−スチレン等のス
チレン系ブロック共重合体系、スチレンブタジエン、イ
ソプレン、ブチルゴム等の合成ゴム系、又はこれらに含
まれない特殊ゴム系、天然ゴム系、又、以上に含まれな
いアクリル系共重合体から選ばれる1種または2種以上
の混合物が用いられる。粘着層は、上記のような感圧性
接着剤を主成分として、必要に応じて粘着性付与剤、可
塑剤、充填剤等を添加した粘着層用塗工液を従来公知の
方法で例えば、グラビアコート、グラビアリバースコー
ト、ロールコート等の方法で、塗工、乾燥して形成する
ことができる。粘着剤の塗工量は、乾燥後の塗工量とし
て、2〜30g/m2程度である。
【0027】(離型層)本発明の立体図形記録媒体の粘
着層と接する位置に離型層3を形成する。立体図形記録
媒体に光照射を施し、所望する立体図形を形成し、更に
立体図形を形成させた媒体から、離型層と光熱変換材料
を含有する基材から成る離型台紙を剥離し、透明もしく
は半透明の接着性を有する立体図形記録媒体を得て、立
体図形の形状を所望する物体に対し、その立体図形記録
媒体を貼付する。したがって、粘着層との剥離の際に、
離型層は光熱変換材料を含有する基材側と接着し、粘着
層と接する面で剥離する。
【0028】離型層を構成する材料としては、ポリメチ
ルシロキサン等を主体とするシリコーン系離型剤または
ポリオレフィン、フッ素系、シリコーンアクリル系、ワ
ックス系コーティング用離型剤等を用いて形成される。
離型層は、離型層用塗工液を従来公知の方法で塗工、乾
燥して形成することができる。離型層の塗工量は、乾燥
後の塗工量として、0.05〜2.0g/m2程度であ
る。また、離型層は基材上にポリエチレン等の合成樹脂
をラミネートして形成することも可能である。
【0029】(立体図形隆起補助層)本発明の立体図形
記録媒体において、発泡層及び粘着層の間に、透明もし
くは半透明の立体図形隆起補助層5を設けることができ
る。この立体図形隆起補助層を設けると、発泡層の記録
時の膨張の際に、その膨張圧力が立体図形隆起補助層に
より遮断して、立体図形隆起補助層と反対側の発泡層が
膨張し易くなる。よって、立体図形がより効果的に形成
される。立体図形隆起補助層は透明または半透明であ
り、記録時における発泡層の膨張圧力に反発し、該補助
層自体はその膨張圧力に対し変形しにくい性質をもつ材
料であればその形態は問わない。つまり、立体図形隆起
補助層をポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂をラ
ミネートして形成したり、各種の合成樹脂を主体とした
塗工液により塗布して形成することもできる。
【0030】(表面保護層)本発明の立体図形記録媒体
は、記録面の表面層に透明もしくは半透明のフィルムを
ラミネートするか、もしくは樹脂塗工液を塗布した表面
保護層6を設けることができ、印刷機による情報記録の
動作時の騒音を小さくでき、かつ立体図形隆起部の耐擦
過性の優れたものとなる。ラミネート方式で表面保護層
を設ける場合、透明もしくは半透明のフィルム基材とし
て、アセテート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
エステル、セロファン等が挙げられ、記録情報としての
隆起形状が再現でき、隆起部の耐擦過性をもたせるため
に、フィルム基材の厚さは3〜70μm程度が好まし
く、用いられる。
【0031】上記のような樹脂フィルムでラミネートす
る場合、ヒートシール性が低い時には、接着層をラミネ
ート基材に設けることが好ましい。接着層に使用する樹
脂として、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリプロピレ
ン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。接着層は、
固形分で厚さ0.1〜20g/m2程度で形成する。こ
のラミネート方式では、ホットスタンパー、熱ロール、
ラインヒーター、アイロン等の加熱手段を用いて、点字
及び隆起パターン記録媒体の印字面の表層に、表面保護
層を形成することができる。また、ラミネート方式とし
て、上記のラミネート基材をヒートシールだけでなく、
熱で溶融した樹脂を押出して表面保護層を形成すること
も可能である。
【0032】次に、表面保護層を樹脂塗工液を塗布して
形成する場合について、説明する。表面保護層は少なく
ともバインダー樹脂から構成されるが、記録情報として
の隆起形状が再現でき、隆起部の耐擦過性等の耐久性を
もつ樹脂組成を選定する。一般的には、エチルセルロー
ス、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース
誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エ
チル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリ
ビニルブチラール等のビニル重合体、ポリアミド、ポリ
ウレタン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド
樹脂等の熱硬化型の樹脂を用いることができる。また、
上記の樹脂に、点字及び隆起パターン記録媒体の耐擦過
性を向上させるための滑剤、汚染防止のための界面活性
剤、耐候性能を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防
止剤等を加えてもよい。表面保護層は前記の発泡層と同
様の方法で形成することができ、厚みは2〜20μm程
度が好ましい。
【0033】(立体図形記録方法)本発明の立体図形記
録方法は、上記に説明してきた立体図形記録媒体に対
し、所望する図形に合わせ光照射をし、立体図形及び非
立体図形を記録するものである。図3は、本発明の立体
図形記録方法の一例を説明する概略図であり、図3
(1)に示す基材4上に、離型層3、粘着層2、立体図
形隆起補助層5、発泡層1、表面保護層6をこの順に形
成した立体図形記録媒体があり、該表面保護層6、発泡
層1、立体図形隆起補助層5及び粘着層2は、透明もし
くは半透明の状態にあり、情報記録を行なった該記録媒
体から、離型層3と光熱変換材料を含有する基材4を除
去した残りの記録媒体が、所望する物体に貼付される
が、その貼付される記録媒体が透明もしくは半透明であ
る。図3(1)では立体図形記録媒体に対し、表面保護
層6側の光源7から所望する図形に合わせた光照射を行
なう。
【0034】立体図形記録媒体への光照射による情報記
録を行う手段としては、基材4に含有する光熱変換材料
の光吸収する波長域の光線を照射して記録し、発泡層1
を発泡させ、記録情報に応じて隆起部8を形成する。
(図3(2)参照)例えば、700nm〜1100nm
程度の波長光の光源としては、キセノンランプ、ハロゲ
ンランプ、半導体レーザー、YAGレーザーを光源とし
て照射することができ、発泡層1の発泡の程度は照射時
間、出力等を制御することにより、容易に制御すること
ができる。
【0035】本発明における立体図形記録媒体は、一般
の点字と同等の点字高を容易に形成することができ、し
かも、指による摩擦で点字高が変化することもなく、作
製された点字文書は良好な触読性を示すものである。本
発明の立体図形記録媒体は、エンボス方式によるものと
は異なり、記録情報が形成された裏面に凹状の窪みが発
生しないので、裏面における印字等の情報を損なうこと
がなく、例えば金銭の支払い内容等を記録したレシート
の裏面や表面、通常の文字印刷が施された名刺の裏面や
表面、更には磁気情報が記録されたプリペイドカードの
表面、あるいは航空券や乗車券等の表面や裏面に点字情
報や盛り上げの画像を形成することが可能である。
【0036】図3(2)に示すように、立体図形記録媒
体に光源7から光照射による光刺激が加えられ、発泡層
1中の発泡材料が膨張する。この場合、光源7から光照
射され、その光エネルギーが基材4に含有する光熱変換
材料により、熱エネルギーに変換され、その熱エネルギ
ーが発泡層1に伝導して、発泡層1が膨張する。また、
その発泡層1の膨張に合わせて、発泡層1の上にある表
面保護層6が変形する。そして、この立体図形記録媒体
には立体図形隆起補助層5が設けてあるので、発泡層1
の膨張が表面保護層6側とは反対側に変形することを防
止している。光照射による光刺激を充分なエネルギーで
行なうことにより、図3(2)に示すような隆起部8と
して発泡層1が隆起するが、その刺激が弱い場合、発泡
層に含有する発泡材料は膨張するが発泡層1は隆起しな
い状態となり、発泡層が白濁してくる。また、光刺激が
ない部分は、透明もしくは半透明の元の状態にある。し
たがって、本発明における非立体図形情報の記録部分
は、上記の発泡層が隆起せず、白濁した状態と、発泡層
が透明もしくは半透明の記録する前の状態の、大別する
と、2通りある。よって、光刺激の充分なエネルギーに
より、立体図形情報の記録を行ない、弱めの光刺激を加
えるか、または光刺激を加えない条件で、非立体図形情
報の記録が可能となる。
【0037】そして、図3(3)に示すように、立体図
形情報と非立体図形情報を記録した立体図形記録媒体に
おいて、離型層3付きの基材4を粘着層2から剥離し、
立体図形情報を設けたい物体に対し、物体と粘着層を重
ねて、貼付する。その貼付するラベル9は、透明または
半透明であるため、そのラベル貼付位置にある、物体の
下地に表示された情報を隠蔽せず、その情報を容易に見
て判読できる。言い換えれば、その物体の外観や機能を
損なうことなく、物体に立体図形情報と非立体図形情報
を追加して記録することが可能となる。
【0038】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
について更に具体的に説明する。尚、文中において
「部」又は「%」は、特に断りの無い限り質量基準であ
る。
【実施例】(実施例1)下記組成の発泡材料を乾燥成膜
し、40μm厚の発泡層を得た。 <発泡層材料の組成> 松本油脂(株)製 発泡マイクロカプセル F30VS 15部 東洋紡績(株)製 ポリエステル樹脂 バイロナールMD1930 85部
【0039】次に、基材として、市販の日本加工製紙
(株)製 NKコート73を用い、この片面に下記の光
熱変換材料を固形分で2g/m2塗布し、基材に対し光
熱変換機能を付与した。 <光熱変換材料の組成> 富士色素(株)製 カーボンブラック SP−8556 33部 東洋紡績(株)製 ポリエステル樹脂 バイロナールMD1930 67部
【0040】上記の基材の光熱変換材料塗布面に対し、
離型層として信越化学工業(株)製剥離紙用シリコーン
KS−705Fを固形分で0.5g/m2塗布、成膜
し、離型層を伴った光熱変換機能を有する基材を作製し
た。更に、上記の離型層の上に粘着層として市販の綜研
化学(株)製 アクリル粘着剤 E−1054Kを固形
分で20g/m2塗布、乾燥し、予め加工した発泡層を
貼り合せることで、実施例1の立体図形記録媒体を得
た。この立体図形記録媒体の発泡層側の面からレーザー
光源(波長780nm)により出力1W、0.1Wの光
刺激を施し、立体図形情報及び非立体図形情報を記録し
た媒体を得た。尚、出力1Wの光刺激を加えた部分が立
体図形情報となり、出力0.1Wの光刺激を加えた部分
が白濁した非立体図形情報となった。この媒体から離型
層及び基材を剥離し、任意の物品に媒体を貼付すること
により、物品の外観や機能を損なうことなく、立体図形
情報及び非立体図形情報を設けた。
【0041】(実施例2)立体図形隆起補助層として、
市販の東レ(株)製 PETフィルム ルミラーT60
(厚み60μm)を用い、これに対し以下の組成の発泡
層材料を塗布、乾燥し、40μm厚の発泡層を得た。 <発泡層材料の組成> 松本油脂(株)製 発泡マイクロカプセル F30VS 15部 東洋紡績(株)製 ポリエステル樹脂 バイロナールMD1930 85部
【0042】離型層を予めもつ基材として、市販のユニ
チカ(株)製 離型PETフィルムEMBLET SC
−25Rを用い、これに対し下記の光熱変換材料を固形
分で2g/m2塗布し、離型層及び光熱変換機能が付与
された基材を得た。 <光熱変換材料の組成> 富士色素(株)製 カーボンブラック SP−8556 33部 東洋紡績(株)製 ポリエステル樹脂 バイロナールMD1930 67部
【0043】更に、基材の離型層側の上面に粘着層とし
て、綜研化学(株)製 アクリル粘着剤 E−1054
Kを固形分で20g/m2塗布、乾燥し、予め作製した
発泡層、立体図形隆起補助層と貼り合せ(粘着層と立体
図形隆起補助層を重ね合せて)、実施例2の立体図形記
録媒体を作製した。この立体図形記録媒体の発泡層の面
に対し、レーザー光源(波長780nm)により出力1
W、0.1Wの光刺激を施し、立体図形情報及び非立体
図形情報を記録した媒体を得た。尚、出力1Wの光刺激
を加えた部分が立体図形情報となり、出力0.1Wの光
刺激を加えた部分が白濁した非立体図形情報となった。
この媒体から離型層及び基材を剥離し、任意の物品に媒
体を貼付することにより、物品の外観や機能を損なうこ
となく、立体図形情報及び非立体図形情報を設けた。
【0044】(実施例3)立体図形隆起補助層として、
市販の東レ(株)製 PETフィルム ルミラーT60
(厚み60μm)を用い、これに対し以下の組成の発泡
層材料を塗布、乾燥し、40μm厚の発泡層を得た。 <発泡層材料の組成> 松本油脂(株)製 発泡マイクロカプセル F30VS 15部 東洋紡績(株)製 ポリエステル樹脂 バイロナールMD1930 85部
【0045】表面保護層として、東レ合成フィルム製ポ
リプロピレンフィルム トレファン3501 50μm
厚を用い、これに対し綜研化学(株)製 アクリル粘着
剤E−1054Kを固形分で20g/m2塗布、乾燥
し、予め加工した発泡層の立体図形隆起補助層のある側
と逆の面と貼り合せた。離型層を予めもつ基材として、
市販のユニチカ(株)製 離型PETフィルムEMBL
ET SC−25Rを用い、これに対し下記の光熱変換
材料を固形分で2g/m2塗布し、離型層及び光熱変換
機能が付与された基材を得た。 <光熱変換材料の組成> 富士色素(株)製 カーボンブラック SP−8556 33部 東洋紡績(株)製 ポリエステル樹脂 バイロナールMD1930 67部
【0046】更に、基材の離型層側の上面に粘着層とし
て、綜研化学(株)製 アクリル粘着剤 E−1054
Kを固形分で20g/m2塗布、乾燥し、予め作製した
表面保護層、発泡層、立体図形隆起補助層からなるもの
と貼り合せ(粘着層と立体図形隆起補助層を重ね合せ
て)、実施例3の立体図形記録媒体を作製した。この立
体図形記録媒体の表面保護層の面に対し、レーザー光源
(波長780nm)により出力1W、0.1Wの光刺激
を施し、立体図形情報及び非立体図形情報を記録した媒
体を得た。尚、出力1Wの光刺激を加えた部分が立体図
形情報となり、出力0.1Wの光刺激を加えた部分が白
濁した非立体図形情報となった。この媒体から離型層及
び基材を剥離し、任意の物品に媒体を貼付することによ
り、物品の外観や機能を損なうことなく、立体図形情報
及び非立体図形情報を設けた。
【0047】上記の実施例1〜3にて作製し、情報記録
した各立体図形記録媒体に対し、立体図形の隆起高さを
表面粗さ測定機として、東京精密(株)製サーフコム1
400−3DFを用いて測定したところ、平均隆起高さ
として、実施例1:200μm、実施例2:250μ
m、実施例3:300μmの結果であった。立体図形隆
起補助層を有する実施例2と実施例3の平均隆起高さが
比較的大きく、立体図形がより効果的に形成されること
が確認された。また、情報記録した各立体図形記録媒体
に対し、立体図形の耐久性評価として、スガ試験機製
摩擦試験機 FR−2Sにて荷重200g、ガーゼ面に
対しての耐擦過性評価を実施し、摩擦後の立体図形の外
観を目視にて判定したところ、実施例3は図形がほぼ原
型を留めているのに対し、実施例1及び実施例2は図形
輪郭に若干の劣化が認められた。これで、表面保護層を
有する記録媒体は立体図形隆起部で耐擦過性がより優れ
ていることが確認できた。
【0048】
【発明の効果】本発明の立体図形記録媒体は、少なくと
も透明もしくは半透明の発泡層、透明もしくは半透明の
粘着層、離型層、光熱変換材料を含有する基材が順次積
層する構成である。この立体図形記録媒体に光照射を施
し、所望する立体図形を簡単に形成でき、更に立体図形
を形成させた媒体から離型台紙(離型層と光熱変換材料
を含有する基材)を剥離し、透明もしくは半透明の接着
性を有する立体図形記録媒体を得て、立体図形の形状を
所望する物体に対し、その立体図形記録媒体を貼付す
る。したがって、安価であり、かつ小型の装置により立
体図形の記録が可能となり、また健常者向けに情報提供
の記録が施されている物品に対し、その外観や機能を損
なうことなく、つまり物体の下地に表示された情報を可
読な状態で、新たに立体図形を貼付することで、簡便に
立体図形情報を追加することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体図形記録媒体である一つの実施の
形態を示す断面図である。
【図2】本発明の立体図形記録媒体である他の実施形態
を示す断面図である。
【図3】本発明の立体図形記録方法の一例を説明する概
略図である。
【符号の説明】
1 発泡層 2 粘着層 3 離型層 4 基材 5 立体図形隆起補助層 6 表面保護層 7 光源 8 隆起部 9 ラベル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 538 G11B 7/24 538A Fターム(参考) 2H113 AA03 AA04 BA27 BA29 BB32 BB33 CA13 DA03 DA21 DA41 DA54 DA57 FA05 FA14 FA29 FA44 5D029 JA04 JB25 MA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも透明もしくは半透明の発泡
    層、透明もしくは半透明の粘着層、離型層、光熱変換材
    料を含有する基材が順次積層されたことを特徴とする立
    体図形記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記の発泡層の粘着層が設けられた側と
    は反対の面に、透明もしくは半透明の表面保護層を設け
    たことを特徴とする請求項1に記載する立体図形記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記の発泡層及び粘着層の間に、透明も
    しくは半透明の立体図形隆起補助層を設けたことを特徴
    とする請求項1または2に記載する立体図形記録媒体。
  4. 【請求項4】 立体図形隆起の補助のため、基材に断熱
    材料を用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    一つに記載する立体図形記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載する
    立体図形記録媒体に対し、所望する図形に合わせ光照射
    をし、立体図形及び非立体図形を記録することを特徴と
    する立体図形記録方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載する立体図形記録方法に
    より情報記録を行なった媒体から、離型層、光熱変換材
    料を含有する基材を除去した記録媒体を、所望する物体
    に貼付することで物体の下地に表示された情報を可読な
    状態で、更に立体図形情報及び非立体図形情報を付与す
    る情報記録媒体の利用方法。
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