JPH10151870A - 盛り上げ画像形成用熱転写シート、盛り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物 - Google Patents

盛り上げ画像形成用熱転写シート、盛り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物

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JPH10151870A
JPH10151870A JP8311677A JP31167796A JPH10151870A JP H10151870 A JPH10151870 A JP H10151870A JP 8311677 A JP8311677 A JP 8311677A JP 31167796 A JP31167796 A JP 31167796A JP H10151870 A JPH10151870 A JP H10151870A
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JP
Japan
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transfer sheet
thermal
raised image
forming
expansion layer
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JP8311677A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Sawa
良裕 澤
Keiji Hirose
恵二 広瀬
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、転写と同時に所望の立体化を実現
することができる盛り上げ画像形成用熱転写シート、盛
り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物の提供を
課題とする。 【解決するための手段】 本発明の盛り上げ画像形成用
熱転写シートは、基材シートの一方の面に熱膨張層を形
成した盛り上げ画像形成用熱転写シートにおいて、該熱
膨張層が熱発泡剤と数平均分子量が1,000〜30,
000の樹脂バインダー及び700nm以上に光吸収帯
を有する光吸収剤からなるものであり、また、盛り上げ
画像形成方法は、熱転写シートと被熱転写シートとを対
向させ、加熱手段で熱膨張層を転写した後、700nm
以上の波長光を使用して発泡させるか、または、熱膨張
層を転写と発泡を700nm以上の波長光を使用し、同
時に行なうものであり、更に、盛り上げ画像形成物は、
被熱転写シート上に熱膨張層を発泡させた盛り上げ画像
を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雑誌、本、名刺、
手帳、アルバム、布地等に盛り上げ画像や立体画像を形
成するのに適した盛り上げ画像形成用熱転写シート、盛
り上げ画像形成方法及び盛り上げ画像形成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、雑誌、本、名刺、手帳、アルバ
ム、布地等に装飾等を目的とした立体画像や点字等を形
成するにあたって、紙等を裏面より押圧変形させて形成
する「エンボス法」が採用されているが、このようなエ
ンボス法によると、盛り上げ画像を形成できるだけの厚
みを持った紙を使用することが必要であり、コピー用紙
などの厚さが100μmに満たない紙や布に盛り上げ画
像を印刷形成することはできなかった。また、エンボス
法によると盛り上げ画像部とは反対の面に凹状のくぼみ
を発生させるため、その凹状面には通常の印字、印刷等
を施すことを困難にする、または印字切れ等を生じると
いう問題がある。
【0003】特開平1−238984号公報、特開平8
−175029号公報には、熱発泡剤を含有する熱溶融
性転写層を設けた熱転写シートを用いて、サーマルヘッ
ド等で画像状に転写し、転写の際の熱エネルギー又は転
写後に再び加熱することによって、転写画像を膨張さ
せ、立体性を向上させる技術が知られているが、サーマ
ルヘッドを使用した熱エネルギーでは転写時または転写
した後の均一加熱によってもその発泡性が低く、また、
発泡性が低いと盛り上げ画像としての効果がなく、また
発泡しすぎると盛り上げ部が潰れるといった問題があ
り、発泡性を制御することが困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、転写
と同時に所望の立体化を実現することができる盛り上げ
画像形成用熱転写シート、盛り上げ画像形成方法および
盛り上げ画像形成物の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の盛り上げ画像形
成用熱転写シートは、基材シートの一方の面に熱膨張層
を形成した盛り上げ画像形成用熱転写シートにおいて、
該熱膨張層が熱発泡剤と数平均分子量が1,000〜3
0,000の樹脂バインダー及び700nm以上に光吸
収帯を有する光吸収剤からなることを特徴とする。
【0006】上記の熱発泡剤が易揮発性炭化水素を内包
する熱膨張性マイクロカプセルであって、その粒径が
0.1μm〜50μmであることを特徴とする。
【0007】また、本発明の盛り上げ画像形成用熱転写
体は、基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平均分子量
が1,000〜30,000の樹脂バインダー及び70
0nm以上に光吸収帯を有する光吸収剤からなる熱膨張
層を形成した熱転写シートと被熱転写シートとを剥離可
能に積層し、一体化させたことを特徴とする。
【0008】本発明の第1の盛り上げ画像形成方法は、
基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平均分子量が1,
000〜30,000の樹脂バインダー及び700nm
以上に光吸収帯を有する光吸収剤からなる熱膨張層を形
成した熱転写シートと被熱転写シートとを対向させ、加
熱手段により熱膨張層を被熱転写シートに転写した後、
被熱転写シート上の熱膨張層に700nm以上の波長光
を照射して熱膨張層を発泡させ、盛り上げ画像を形成す
ることを特徴とする。
【0009】本発明の第2の盛り上げ画像形成方法は、
基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平均分子量が1,
000〜30,000の樹脂バインダー及び700nm
以上に光吸収帯を有する光吸収剤からなる熱膨張層を形
成した熱転写シートと被熱転写シートとを対向させ、7
00nm以上の波長光をパターン状に照射して熱膨張層
をパターン状に被熱転写シートに転写すると同時に被転
写シート上の熱膨張層を発泡させ、盛り上げ画像を形成
することを特徴とする。
【0010】上記の第1及び第2の盛り上げ画像形成方
法により得られる盛り上げ画像形成物において、盛り上
げ画像形成用熱転写シートにおける熱膨張層の膜厚が1
0μm〜100μmであって、かつ、盛り上げ画像部が
熱膨張層の2倍〜8倍の膜厚に形成されたものであるこ
とを特徴とする。
【0011】上記の盛り上げ画像形成物における画像が
点字であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の盛り上げ画像形成用熱転
写シートの断面模式図を図1〜図8に示す。図中、1は
基材シート、2は剥離性調整層、3は熱膨張層、4は感
熱接着層、5は熱発泡剤、6は耐熱滑性層である。
【0013】本発明の盛り上げ画像形成用熱転写シート
は、図1に示す様に、基材シート1の一方の面に熱発泡
剤5及び樹脂バインダー及び700nm以上に光吸収帯
を有する光吸収剤からなる熱膨張層3を設けたものであ
る。また、図2に示す様に基材シート1と熱膨張層3の
間に剥離性調整層2を設けるとよく、或いは図3に示す
様に、熱膨張層3の最上層に感熱接着層4を設けてもよ
い。更に、図4に示す様に、剥離性調整層2及び感熱接
着層4を共に設けてもよい。また、図5〜図8は、図1
〜図4に示す熱転写シートの背面にそれぞれ耐熱滑性層
6を設けたものである。
【0014】基材シート1は、従来の熱転写シートに使
用されているものと同じ基材シートをそのまま用いるこ
とができ、特に制限されないが、好ましくはポリエステ
ル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢
酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロ
ン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル
コール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラ
スチックフィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の
紙類、不織布などがあり、又、これらを複合した基材シ
ートであっても良い。上記基材シートの厚さは、その強
度及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変
更することが出来るが、2μm〜100μm、好ましく
は3〜25μmである。
【0015】熱膨張層3は、熱発泡剤5および数平均分
子量1,000〜30,000の樹脂バインダー及び光
吸収剤を主成分とする。
【0016】熱発泡剤5は、従来公知のもの、例えば、
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、
ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'ジニトロソ
−N,N'ジメチルテレフタルアミド、P−トルエンスルホ
ニルヒドラジド、ヒドラゾルカルボンアミド、P−トル
エンスルホニルアジド、アセトン−P−スルホニルヒド
ラゾン等の有機系発泡剤;重炭酸ナトリウム、炭酸アン
モニウム、重炭酸アンモニウム等の無機系発泡剤;内部
に低温で揮発する溶媒を含有した熱膨張性マイクロカプ
セル等が挙げられる。
【0017】本発明では、特に熱膨張性マイクロカプセ
ルが好ましく、低温で揮発する炭化水素を樹脂からなる
壁剤の内部に包含させたカプセル構造をとるものが好ま
しい。熱膨張性マイクロカプセルは、特定温度での加熱
によって未加熱状態の時の約約100倍程度にまで体積
が膨張するものを使用するとよい。熱膨張性マイクロカ
プセルに内包させる炭化水素としては、塩化メチル、臭
化メチル、トリクロロエタン、ジクロロエタン、n-ブタ
ン、n-ヘプタン、n-プロパン、n-ヘキサン、n-ペンタ
ン、イソブタン、イソヘプタン、ネオペンタン、石油エ
ーテル、フレオン等のフッ素原子を有する脂肪族炭化水
素、或いはこれら炭化水素の複数混合体等が挙げられ
る。熱膨張性マイクロカプセルの壁剤としては、塩化ビ
ニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、
メタクリル酸メチルアクリレート、メタクリル酸エチル
アクリレート、酢酸ビニル、或いはこれらの樹脂の共重
合体やブレンド物等が挙げられ、さらに必要に応じて架
橋剤を使用して架橋処理された樹脂バインダーを使用し
てもよい。
【0018】熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、直径
0.1μm〜50μm、好ましくは0.1μm〜30μ
m、更に好ましくは0.1μm〜6μmである。このよ
うな熱膨張性マイクロカプセルは、例えば松本油脂製薬
株式会社製造の”マツモトマイクロスフェアー”シリー
ズのF-20,F-30,F-30VS,F-40,F-50,F-80S,F-82,F-85,F-8
0VS,F-100 等や、日本フェライト株式会社製造の”エク
スパンセル”シリーズとして市販されている。本発明の
盛り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物におい
ては、熱膨張性マイクロカプセルの粒径を小さくするこ
とにより、転写した際のエッジ部の再現性に優れるもの
とでき転写抜けを防止することができ、また、50μm
を越えるとエッジ部の再現性に劣り、転写抜けが生じ
る。
【0019】樹脂バインダーとしては、例えばフェノキ
シ樹脂、ポリ酢酸ビニルやポリアクリルエステル等のビ
ニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ア
クリル系樹脂、加硫ゴムや未加硫ゴム等のゴム系樹脂等
が挙げられる。ゴム系樹脂としては、例えば、クロロプ
レンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、合成イソプレ
ンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ス
チレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、
ポリイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、
塩素化ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴム等の未加硫ゴ
ム、或いは加硫ゴムが挙げられる。特に好ましい樹脂と
して、ポリエステル系樹脂やゴム系樹脂が挙げられる。
【0020】樹脂バインダーの数平均分子量は1,00
0〜30,000、好ましくは3.000〜25,00
0である。数平均分子量が1,000未満では、形成さ
れた立体画像は非常にもろく、欠けやつぶれを容易に生
じてしまう。またこのような低分子量バインダーは、熱
転写シートを用いて形成した画像を加熱発泡させて、盛
り上げ画像を形成する為に必要な約60℃から140℃
に加熱にすると、軟化或いは溶融することにより粘性が
非常に低下しやすい。この為バインダーが被転写基材に
染み込んでしまったり、形成される画像の周囲に流れ出
るおそれがあり、熱膨張性マイクロカプセルが被転写基
材上に保持されにくくなるという不都合を生じる。
【0021】また、点字画像等の盛り上げ画像の耐久性
への要求が非常に高度である場合は、樹脂バインダーの
分子量が大きい方が良好な盛り上げ画像を得ることが出
来、この為には樹脂バインダーの数平均分子量は好まし
くは3,000以上、特に好ましくは10,000以上
である。
【0022】また、被転写材に点字画像等の微細な盛り
上げ画像を熱転写する際、加熱が行なわれた箇所のみが
過不足無く転写することが正確な画像形成のためには極
めて重要であり、熱溶融型転写層が一定の熱転写シート
剥離条件下において任意に破断(箔切れ)しなければな
らない。この為に樹脂バインダーの数平均分子量は3
0,000以下、好ましくは25,000以下である。
【0023】熱膨張層における熱膨張性マイクロカプセ
ルの含有割合は、樹脂バインダー1重量部に対して1重
量部〜4重量部、好ましくは、1.5重量部〜2重量部
である。1重量部未満の場合は熱膨張層が十分に膨張せ
ず、4重量部を越えると盛り上げ画像部の耐久性が不足
してくる。
【0024】次に、本発明は、熱膨張層中に光吸収剤を
含有させることを特徴とする。従来、レーザー加熱等に
よる盛り上げ画像形成方法が知られているが、熱膨張層
中に光吸収剤を添加することにより、その発泡性に優
れ、特に、発泡性の制御を可能とするものである。
【0025】700nm以上の光吸収帯を有する光吸収
剤、例えば700nm〜1100nmに光吸収帯を有す
るものとしては、例えば日本化薬(株)製のKayas
orbシリーズ等が例示される。なお、波長光が110
0nm以上のマイクロ波、電磁波等に吸収帯を有する光
吸収剤でもよい。
【0026】光吸収剤の添加量としては、樹脂バインダ
ー100重量部に対して3重量部〜160重量部、好ま
しくは5重量部〜10重量部である。
【0027】光吸収剤の添加量が、3重量部より少ない
と、その発泡に時間がかかり、しかも、発泡性の制御が
困難となり、また、160重量部より多いと画像強度が
弱くなる。
【0028】また、熱膨張層には、装飾性を目的とし
て、着色剤を添加することができる。好ましい染料とし
ては、赤色染料としてMS Red G、Macrolex Red Violet
R 、Ceres Red7B 、Samaron Red HBSL、Resolin Red F3
BS等が挙げられ、又、黄色染料としては、ホロンブリリ
アントイエロー6GL 、PTY-52、マクロレックスイエロー
6G等が挙げられ、又、青色染料としては、カヤセットブ
ルー714 、ワクソリンブルーAP-FW 、ホロンブリリアン
トブルーS-R 、MSブルー100 等が挙げられ、また、顔料
としては、カーボンブラック、富士色素(株)製のSP
シリーズ、三井東圧染料(株)製MGシリーズ、山陽色
素(株)製SANYO COLORシリーズが例示され
る。
【0029】着色剤を選択するにあたっては、熱膨張層
を基材フィルム上に塗布形成するにあたって支障をきた
さない範囲において任意に選ぶことが出来る。すなわち
熱膨張層の塗布に用いる溶媒又は分散媒に対して、均一
に溶解又は分散する着色剤から選ばれることが好まし
い。例えば熱膨張層が水を分散媒とする水分散体を塗布
して形成される場合、選択される着色剤は水に対して均
一に分散又は溶解するものの中から選ばれることが好ま
しく、グレーもしくは黒色に着色する為にはカーボンブ
ラックの水分散体を使用することが出来、有彩色に着色
する為には各々の色に対応する水溶性又は水分散性の有
機顔料又は無機顔料を使用することが出来る。同様に熱
膨張層が水と有機溶剤の混合液や、有機溶剤に、溶解ま
たは分散されたものである場合、着色剤はかかる溶媒又
は分散媒に対して均一に分散又は溶解するものの中から
選ばれることが好ましく、この場合も所望の色相、彩
度、明度に応じて任意の着色が可能であることはいうま
でもない。又、転写シート上に熱膨張層を形成した時点
では無色であるが、熱転写の為の熱エネルギーや発泡の
為の熱エネルギーが加えられることにより発色する層で
あっても良い。また、被熱転写シートにあらかじめ塗布
されているものと接触することにより発色するものであ
ってもよいし、加熱発泡させた画像を指で触ることで発
色或いは他の色に変化するものであってもかまわない。
【0030】着色剤として、熱膨張層形成材料に対して
不溶性の顔料を使用する場合、その粒径としては、直径
が0.01μm〜50μm、好ましくは0.01μm〜
8μmのものとするとよい。これにより、転写した際の
エッジ部の再現性により優れるものとでき、転写性に優
れるものとできる。
【0031】また、熱膨張層に良好な熱伝導性及び溶融
転写性を与える為に、熱良伝導性物質を熱膨張層に添加
することが出来る。この様な物質としては、銅やアルミ
ニウムや酸化錫や二硫化モリブデン等の、金属或いは金
属酸化物或いは金属硫化物よりなる粉末や微粉末やウイ
スカー、又はカーボンブラックなどの炭素質物質等が挙
げられる。
【0032】熱膨張層は、基材シートの一方の面に、上
記の如き熱膨張層形成材料を適当な有機溶剤及び/又は
水に溶解または分散させ、例えばグラビア印刷法、スク
リーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコー
ティング法等の形成手段により塗布及び乾燥することに
よって形成される。なお、樹脂バインダーが架橋可能な
場合には架橋剤や架橋反応促進触媒等の必要な添加剤を
加えてもよい。熱膨張層の乾燥後膜厚は10μm〜10
0μmが好ましく、20μm〜40μmであることが更
に好ましい。
【0033】次に、剥離性調整層2について説明する。
本発明では上記基材シートと熱膨張層の間に、必要に応
じて剥離性調整層を設けてもよい。剥離性調整層は、熱
転写シートにより盛り上げ画像を形成する際、画像形成
の為の加熱手段により、加熱された箇所のみ熱膨張層が
被転写体に接着して、その後は熱転写シートから接着部
分のみ剥離させるための力を調整するために形成する。
【0034】基材シート面に直接、熱膨張層を設けた場
合は、熱転写後の剥離は基材シートと熱膨張層との間で
起こさせるが、剥離性調整層を設ける場合は、剥離調整
の目的達成に支障をきたさない範囲で、剥離性調整層と
熱膨張層との界面、または剥離性調整層の層内で剥離を
起こさせることができる。
【0035】剥離性調整層と基材シートの界面、または
剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合は、転写さ
れた熱膨張層の最表面に位置するように剥離性調整層形
成樹脂も転写されることになるため、剥離性調整層形成
樹脂は、熱膨張層の膨張性を阻害しない樹脂を選定する
ことが必要である。一方、剥離性調整層と熱膨張層の界
面で剥離を起こさせる場合、転写された熱膨張層の表面
に剥離性調整層形成樹脂が転写しない。このため、剥離
性調整層形成樹脂の選定に際して熱膨張層の膨張性への
配慮が不要となり、剥離性調整層と基材シートの界面、
および剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合に比
して、剥離性調整層と熱膨張層との界面で剥離を起こさ
せる手法の方が剥離性調整層の材料選定に対する自由度
が大きく好ましい。
【0036】剥離性調整層を形成するための樹脂として
は、例えばマイクロクリスタリンワックス、カルナウバ
ワックス、パラフィンワックス、フィシャートロプシュ
ワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロ
ウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワック
ス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性
ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコーン
ワックス等の種々のワックス類が挙げられる。或いはシ
リコーン樹脂;フッ素樹脂;アクリル樹脂;ポリカーボ
ネート樹脂;フェノキシ樹脂;また、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ポリマー;
ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エ
ステル、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー;
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹
脂;ポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;エチレ
ン、プロピレン等のオレフィン、またはオレフィンと他
のビニルポリマーとの共重合体;アイオノマー;セルロ
ースジアセテート、エチルヒドロキシエチルセルロース
等のセルロース樹脂等が挙げられ、特に好ましいのはポ
リメタクリル酸エステル系樹脂、ポリアクリル酸エステ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂である。
【0037】また、剥離性調整の目的達成のために、上
記樹脂を種々の架橋剤で架橋させることが可能である。
例えばイソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート;ジ
イソシアネートをトリメチロールプロパンに付加させた
アダクト体、ビューレット体、トリマー等のポリイソシ
アネート;エポキシ基やアジリジン基を有する架橋剤;
メラミン等の架橋剤;アルミニウム、亜鉛、チタン、ジ
ルコニウム等のキレート化剤を使用するが可能である。
剥離性調整層を架橋させる場合、それぞれの架橋反応に
応じて公知の触媒を使用することができ、例えばイソシ
アネートの反応にはジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ
オクトエ酸錫等の錫系触媒や、テトラメチルブタンジア
ミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブ
タンジアミン等のアミン系触媒や、1,4−ジアザ−ビ
シクロ〔2,2,2〕オクタン等を用いることができ
る。
【0038】剥離性調整層は、上記の剥離性調整層形成
樹脂を有機溶剤又は水に溶解または分散した後、グラビ
ア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバ
ースロールコーティング法等の形成手段により乾燥時、
0.1g/m2 〜1g/m2、好ましくは0.3g/m
2 〜0.7g/m2 で塗布形成されるとよい。剥離性調
整層は、複数層としてもよい。
【0039】図3に示す感熱接着層4について説明す
る。感熱接着層は、被熱転写シートに対しての接着性を
向上させることを目的する。
【0040】感熱接着層は、マイクロクリスタリンワッ
クス、パラフィンワックス、カルナバワックス等のワッ
クス類、アクリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、エ
チレン・プロピレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン
ゴム、ニトリルゴム、塩素化ブチルゴム等の合成ゴムや
天然ゴム等の未加硫ゴム、あるいは加硫ゴム、ポリ酢酸
ビニルやポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ
アミド等の熱可塑性樹脂を単独、または混合物を使用し
て形成するとよく、乾燥時0.1g/m2 〜5g/
2 、好ましくは1g/m2 〜3g/m2 で塗布される
とよい。
【0041】なお、感熱接着層に任意の着色剤を添加し
ておき、サーマルヘッド等の印字エネルギーを適宜調節
することにより、感熱接着層のみを転写することも可能
であり、点字の下に所望の墨字を印字することができる
が、この場合には着色剤の添加量は接着性を損なわない
ようにすることが必要である。
【0042】また、図4に示す如く、剥離調整層2と感
熱接着層4を同時に形成してもよい。
【0043】次に、図5〜図8に示す耐熱滑性層6につ
いて説明する。耐熱滑性層6は記録手段がサーマルヘッ
ドの場合に設けられものであり、記録手段がレーザー光
による場合には不要である。
【0044】耐熱性樹脂としては、ウレタン樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が例示され
る。また、種々の熱可塑性樹脂を公知の架橋剤によって
架橋させることは樹脂の耐熱性を向上させたものでもよ
く、例えば熱可塑性樹脂の側鎖や分子末端に水酸基を有
する場合、ポリイソシアネート等の架橋剤を用いること
が出来る。架橋剤を使用する場合は、必要に応じて触媒
を使用するとよい。
【0045】耐熱滑性層は、耐熱性樹脂及び滑剤とを有
機溶剤または水に溶解、または分散した後、グラビア印
刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバース
ロールコーティング法等の形成手段により、乾燥時0.
9g/m2 〜1.1g/m2で形成されるとよい。
【0046】次に、本発明における盛り上げ画像形成用
熱転写体は、盛り上げ画像形成用熱転写シートと被熱転
写シートとを積層したものである。
【0047】被熱転写シートとしては、カット状態や小
巻状態やカード状態である種々の紙類を使用することが
出来る。その素材はセルロース等の天然繊維に限定され
ず、ビニロンやナイロンやポリエステルやアクリルなど
の合成繊維、ステンレス等の金属繊維、アルミナやシリ
ケート等の無機繊維、炭素繊維、キチン繊維、キトサン
繊維等を用いて抄き上げたもの等いずれも使用すること
が出来る。天然繊維を用いた紙類としては、例えば上質
紙、中質紙、コピー用紙、アート紙、コート紙、クラフ
ト紙、ケント紙、板紙、図画用紙、カード用紙、更紙、
グラシン紙、新聞用紙、コンデンサー紙等を挙げること
ができる。更に、種々の熱可塑性樹脂を原料に用いて製
造されたプラスチックフィルム類であるポリエチレンテ
レフタレートフィルムやポリ塩化ビニールフィルムやポ
リエチレンナフタレートフィルムやポリイミドフィル
ム、同じく熱可塑性樹脂類を抄く工程を経ずに紙状に加
工した合成紙類(例えば王子油化製、ユポFPG−15
0)等も使用することが出来る。また、ポリエチレンテ
レフタレートやポリ塩化ビニールや厚紙を用いて製造さ
れたカード類も用いることが出来る。
【0048】本発明の盛り上げ画像形成用熱転写体は、
熱転写シートと被熱転写シートとを剥離可能に積層し、
一体化させたものである。なお、一体化するにあたり例
えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオ
ノマー樹脂、ポリエチレンワックス、ポリオレフィン等
の弱粘着層を介して積層してもよい。
【0049】本発明の盛り上げ画像形成用熱転写体は、
熱転写装置に熱転写シートと被熱転写シートとを別個に
供給する必要がなく、簡便なものとできる。
【0050】次に、本発明の第1の盛り上げ画像形成方
法について説明する。第1の盛り上げ画像形成方法は、
熱転写シートと被熱転写シートとを対向させ、加熱手段
により熱膨張層を被熱転写シートに転写した後、被熱転
写シート上の熱膨張層に700nm以上の波長光を照射
して熱膨張層を発泡させ、盛り上げ画像を形成するもの
である。
【0051】盛り上げ画像形成用熱転写シートの熱膨張
層を被熱転写シート上に転写する際の加熱手段として
は、コンピューターからの画像情報に応じて加熱量をコ
ントロールできる従来公知の付与手段のいずれもが使用
でき、例えばワードプロセッサーに用いられる感熱溶融
転写方式用サーマルヘッドやビデオプリンターに用いら
れる感熱昇華転写方式用サーマルヘッド、更に、熱転写
シートの背面側に通電発熱層を設け、通電加熱型溶融転
写方式用通電ヘッドを用いてもよい。
【0052】熱膨張層を被熱転写シートに転写し、熱転
写シートを剥離除去した後、転写された熱膨張層に70
0nm以上の波長光を照射して熱発泡剤を発泡させ、盛
り上げ画像を形成する。700nm以上の波長光の光源
としては特に限定しないが、キセノンランプ、ハロゲン
ランプ、半導体レーザー、YAGレーザーを光源として
照射するとよく、熱膨張層の発泡の程度は照射時間、出
力等を制御することにより、容易に制御することができ
る。また、加熱に際してホットプレート等の熱源を使用
しないので、安全性が高く、特に、熱膨張層を点字とす
るような場合に適した記録方法である。
【0053】また、本発明の第2の盛り上げ画像形成方
法は、熱転写シートと被熱転写シートとを対向させ、7
00nm以上の波長光をパターン状に照射して熱膨張層
をパターン状に被熱転写シートに転写すると同時に被転
写シート上の熱膨張層を発泡させ、盛り上げ画像を形成
するものである。
【0054】この第2の画像形成方法においては、熱転
写シートと被熱転写シートとを対向させ、700nm以
上の波長光の半導体レーザー、YAGレーザーを、出力
15mW以上、100μm程度の口径で照射することに
より、熱膨張層の被熱転写シートへの転写と発泡を同時
に行なわせ、その後、熱転写シートを剥離除去するもの
である。
【0055】この方法によると、盛り上げ画像形成物が
一段階で作製でき、効率的であり、しかも、熱膨張層の
発泡の程度は照射時間を制御することにより、容易に制
御することができる。また、加熱に際してホットプレー
ト等の熱源を使用しないので、安全性が高いものであ
る。
【0056】特に、本発明における盛り上げ画像を点字
とする場合には、一般の点字と同等の点字高を容易に形
成することができ、しかも、良好な弾力性を示し、指に
よる摩擦で点字高が変化することもなく、作成された点
字文書は良好な触読性を示すものである。
【0057】次に、本発明の盛り上げ画像形成物は、盛
り上げ画像形成用熱転写シートにおける10μm〜10
0μmの膜厚の熱膨張層を、被熱転写シートに熱転写し
て膨張させた段階で、膜厚を20μm〜800μmのも
のとすることができる。盛り上げ画像が点字の場合に
は、特に、膜厚を250μm〜300μm程度に調整す
るとよい。
【0058】本発明の盛り上げ画像形成物は、エンボス
方式によるものとは異なり、盛り上げ画像が形成された
裏面に凹状の窪みが発生しないので、裏面における印字
情報を損なうことがなく、例えば金銭の支払い内容等を
記録したレシートの裏面や表面、通常の文字印刷が施さ
れた名刺の裏面や表面、更には磁気情報が記録されたプ
リペイドカードの表面、あるいは航空券や乗車券等の表
面や裏面に盛り上げ画像を印刷することが可能である。
特に、盛り上げ画像を点字とする場合には、裏面の晴眼
者用の墨字情報を損なうことなく、盛り上げ画像を形成
することができる。
【0059】また、発泡剤として熱膨張性マイクロカプ
セルを使用する場合、凸部の断面は、バインダー樹脂に
コートされたマイクロカプセルからなる不連続な気泡が
密に充填した構造になる為、高い弾力性を示し、また、
指触においてもつぶれにくく、変形に対する復元性が良
好であり、擦過性に優れるものである。
【0060】なお、本発明の盛り上げ画像形成物は、盛
り上げ画像を形成した後、さらに、金箔等の着色溶融イ
ンキ層を設けた熱転写シートを使用し、同様に盛り上げ
画像部等に金箔等の着色溶融インキ層を転写し、より装
飾性に優れるものとしてもよい。また、本発明の盛り上
げ画像形成物をスタンプ(ハンコ)として用いることも
可能である。
【0061】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
について更に具体的に説明する。なお、文中において
「部」又は「%」は、特に断りの無い限り重量基準であ
る。
【0062】
【実施例】
(実施例1) (盛り上げ画像形成用熱転写シートの作製)厚さ6μm
のPETフイルムの一方の面に、下記の耐熱滑性層形成
塗工液をを乾燥時約1.0g/m2 の塗布量となるよう
に塗布・乾燥し、加熱熟成して硬化処理し、耐熱滑性層
を形成した。
【0063】 ・ポリビニルブチラール樹脂(エスレニックBX−1、積水化学工業(株)製) ・・・・ 1.60部 ・ポリイソシアネート(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株 )製 ・・・・ 8.46部 ・燐酸エステル系界面活性剤(プライサーフA208S、第一工業製薬(株)製 ) ・・・・ 1.36部 ・タルク(ミクロエースL−1、日本タルク製)・・・・ 0.32部 ・メチルエチルケトン ・・・・ 38.43部 ・トルエン ・・・・ 38.43部 次いで、PETフイルムの他方の面に、下記の組成の剥
離性調整層形成用塗工液をワイアバーで乾燥時0.3g
/m2 の割合で塗布し、ドライヤーで仮乾燥後、80℃
のオーブン中で1分乾燥して剥離性調整層を形成した。
【0064】 ・ ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン200) ・・・・ 5部 ・ トルエン ・・・・ 50部 ・ メチルエチルケトン ・・・・ 50部 更に、剥離性調整層上に、下記組成の熱膨張層形成用塗
工液をワイアバーで乾燥時30g/m2 の割合で塗布
し、ドライヤーで仮乾燥後、80℃のオーブン中で1分
乾燥して熱膨張層を形成した。
【0065】 ・ ポリエステル(東洋紡績(株)製、バイロナールMD−1930) ・・・・ 10部 ・ 熱膨張性マイクロカプセル(日本フェライト(株)製、商品名「エクスパン セル」DU551−20、粒径2〜4μm、壁材:塩化ビニリデン−アクリロニ トリル共重合体、内包物:イソブタン) ・・・ 25部 ・ 光吸収剤(アントラキノン系化合物、日本化薬(株)製IR−750) ・・・ 3.5部 ・水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 20部 また、熱膨張層上に、下記組成の感熱接着層形成用塗工
液をワイアバーで乾燥時3g/m2 の割合で塗布し、ド
ライヤーで仮乾燥後、80℃のオーブン中で1分乾燥し
て感熱接着層を形成し、本発明の盛り上げ画像形成用熱
転写シートを作製した。
【0066】 ・ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製バイロナールMD−1930) ・・・・ 30部 ・水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 100部 (盛り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物) 上記で作製した盛り上げ画像形成用熱転写シートと厚さ
150μm の上質紙とを重ね、熱転写シートの背面から
サーマルヘッド(KMT−85−6MPD2−HTV)
を用いて、ヘッド印加電圧12.0V、印字速度33.
3ms/lineの印字条件で加熱し、サーマルヘッド
からの加熱により構成される約170μm四方の画素が
直径1mmの円を構成するように画像情報を制御し、直
径1mmの点画素を転写した。
【0067】次に、転写シートを被熱転写シートから剥
離したところ、転写パターンにおけるエッジ部も欠けが
なく、箔切れに優れ、転写性に優れるものであった。
【0068】次いで、被転写シートにおける点画素にY
AGレーザー(1060nm、光径100μm)を照射
し、本発明の盛り上げ画像形成物を得た。盛り上げ部の
高さを計測したところ、250μmであった。
【0069】(実施例2) (盛り上げ画像形成用熱転写シートの作製)実施例1の
盛り上げ画像形成用熱転写シートにおいて、剥離性調整
層を設けないで、熱膨張層を直接PETフイルムに積層
した以外は、実施例1と同様に盛り上げ画像形成用熱転
写シートを作製した。
【0070】この盛り上げ画像形成用熱転写シートと、
厚さ150μm の上質紙とを重ね、熱転写シートの背面
から直径1mmの点画素を形成するように、YAGレー
ザー(1060nm、光径100μm)を照射した。
【0071】次に、転写シートを被熱転写シートから剥
離したところ、転写パターンにおけるエッジ部も欠けが
なく、箔切れに優れ、転写性に優れるものであり、被転
写シートにおける盛り上げ部の高さを計測したところ、
250μmであった。
【0072】(比較例1)実施例1における盛り上げ画
像形成用熱転写シートにおいて、熱膨張層塗工液を下記
の組成に代えた以外は、実施例1と同様にして熱転写シ
ートを作製し、実施例1と同様にして盛り上げ画像形成
物を得た。
【0073】 ・ ポリビニルアルコール(数平均分子量500) ・・・ 10部 ・ 熱膨張性マイクロカプセル(日本フェライト(株)製、商品名「エクスパン セル」DU551−20、粒径2〜4μm、壁材:塩化ビニリデン−アクリロニ トリル共重合体、内包物:イソブタン) ・・・ 25部 ・ 光吸収剤(アントラキノン系化合物、日本化薬(株)製IR−750) ・・・ 3.5部 ・ 水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 20部 得られた盛り上げ画像形成物における立体画像は、脆
く、容易に潰れるものであった。
【0074】(比較例2)実施例1における盛り上げ画
像形成用熱転写シートにおいて、熱膨張層塗工液を下記
の組成に代えた以外は、実施例1と同様にして熱転写シ
ートを作製し、実施例1と同様にして盛り上げ画像形成
物を得た。
【0075】 ・ ポリビニルアルコール(数平均分子量1000) ・・・ 10部 ・ 熱膨張性マイクロカプセル(日本フェライト(株)製、商品名「エクスパン セル」DU551−20、粒径2〜4μm、壁材:塩化ビニリデン−アクリロニ トリル共重合体、内包物:イソブタン) ・・・ 25部 ・ 光吸収剤(富士色素(株)製 FUJISPグリーン7188) ・・・ 3.5部 ・ 水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 20部 得られた盛り上げ画像形成物における立体画像は、箔切
れが悪く、転写されない部分があった。
【0076】
【発明の効果】本発明の盛り上げ画像形成用熱転写シー
トおよび盛り上げ画像形成方法は、熱膨張層の発泡を、
700nm以上の波長光の照射時間を制御することによ
り容易に制御することができる。また、加熱に際してホ
ットプレート等の熱源を使用しないので、安全性が高
く、特に、熱膨張層を点字とするような場合に適した記
録方法である。また、700nm以上の波長光を使用し
て熱膨張層の転写を行なうことにより、盛り上げ画像形
成物が一段階で作製でき効率的なものとできる。
【0077】また、本発明における盛り上げ画像を点字
とする場合には、エンボス法で厚紙に形成された一般の
点字と同等の点字高を容易に形成することができ、しか
も、発泡剤として熱膨張性マイクロカプセルを使用する
場合、凸部の断面は、バインダー樹脂にコートされたマ
イクロカプセルからなる不連続な気泡が密に充填した構
造になる為、高い弾力性を示し、また、指触においても
つぶれにくく、変形に対する復元性が良好であり、擦過
性に優れるものである。
【0078】また、本発明の盛り上げ画像形成物は、エ
ンボス方式によるものとは異なり、盛り上げ画像が形成
された裏面に凹状の窪みが発生しないので、裏面におけ
る印字情報を損なうことがなく、例えば金銭の支払い内
容等を記録したレシートの裏面や表面、通常の文字印刷
が施された名刺の裏面や表面、更には磁気情報が記録さ
れたプリペイドカードの表面、あるいは航空券や乗車券
等の表面や裏面に盛り上げ画像を印刷することが可能で
ある。また、盛り上げ画像を点字とする場合には、裏面
の晴眼者用の墨字情報を損なうことなく、盛り上げ画像
を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る熱転写シートの一実施
例を示す断面図である。
【図2】 図2は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図3】 図3は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図4】 図4は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図5】 図5は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図6】 図6は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図7】 図7は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図8】 図8は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【符合の説明】
1は基材シート、2は剥離性調整層、3は熱膨張層、4
は感熱接着層、5は熱発泡剤、6は耐熱滑性層である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41M 5/26 J

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの一方の面に熱膨張層を形成
    した盛り上げ画像形成用熱転写シートにおいて、該熱膨
    張層が熱発泡剤と数平均分子量が1,000〜30,0
    00の樹脂バインダー及び700nm以上に光吸収帯を
    有する光吸収剤からなることを特徴とする盛り上げ画像
    形成用熱転写シート。
  2. 【請求項2】 熱発泡剤が易揮発性炭化水素を内包する
    熱膨張性マイクロカプセルであって、その粒径が0.1
    μm〜50μmであることを特徴とする請求項1記載の
    盛り上げ画像形成用熱転写シート。
  3. 【請求項3】 基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平
    均分子量が1,000〜30,000の樹脂バインダー
    及び700nm以上に光吸収帯を有する光吸収剤からな
    る熱膨張層を形成した熱転写シートと被熱転写シートと
    を剥離可能に積層し、一体化させたことを特徴とする盛
    り上げ画像形成用熱転写体。
  4. 【請求項4】 基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平
    均分子量が1,000〜30,000の樹脂バインダー
    及び700nm以上に光吸収帯を有する光吸収剤からな
    る熱膨張層を形成した熱転写シートと被熱転写シートと
    を対向させ、加熱手段により熱膨張層を被熱転写シート
    に転写した後、被熱転写シート上の熱膨張層に700n
    m以上の波長光を照射して熱膨張層を発泡させ、盛り上
    げ画像を形成することを特徴とする盛り上げ画像形成方
    法。
  5. 【請求項5】 基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平
    均分子量が1,000〜30,000の樹脂バインダー
    及び700nm以上に光吸収帯を有する光吸収剤からな
    る熱膨張層を形成した熱転写シートと被熱転写シートと
    を対向させ、700nm以上の波長光をパターン状に照
    射して熱膨張層をパターン状に被熱転写シートに転写す
    ると同時に被転写シート上の熱膨張層を発泡させ、盛り
    上げ画像を形成することを特徴とする盛り上げ画像形成
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項4、または請求項5記載の盛り上
    げ画像形成方法により得られる盛り上げ画像形成物にお
    いて、盛り上げ画像形成用熱転写シートにおける熱膨張
    層の膜厚が10μm〜100μmであって、かつ、盛り
    上げ画像部が熱膨張層の2倍〜8倍の膜厚に形成された
    ものであることを特徴とする盛り上げ画像形成物。
  7. 【請求項7】 盛り上げ画像形成物における画像が点字
    であることを特徴とする請求項6記載の画像形成物。
JP8311677A 1996-11-22 1996-11-22 盛り上げ画像形成用熱転写シート、盛り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物 Pending JPH10151870A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008026373A1 (fr) * 2006-08-31 2008-03-06 Japan Science And Technology Agency Procédés d'impression sur une résine moulée et résines thermoplastiques moulées
JP2019217688A (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 カシオ計算機株式会社 樹脂成形シート、樹脂成形シートの製造方法及び造形物の製造方法
US11084247B2 (en) * 2018-08-10 2021-08-10 Casio Computer Co., Ltd. Resin molded sheet and production method of resin molded sheet, and shaped article and production method of shaped article
WO2022154120A1 (ja) * 2021-01-18 2022-07-21 大日本印刷株式会社 印画物の製造方法、印画物及び熱転写シート

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