JP3594675B2 - 盛り上げ画像形成用熱転写シート及びそれを用いた画像形成方法、画像形成物 - Google Patents

盛り上げ画像形成用熱転写シート及びそれを用いた画像形成方法、画像形成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は盛り上げ画像、特に盲人用点字作成の為に有効な熱転写シートに関し、更に詳しくは指による触読が容易で、触読に対する耐久性に優れた盲人用点字画像を形成し得る盛り上げ画像形成用熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、日本語点字標記法等に従った盲人用の点字文書をコンピューターからの出力情報に応じて印字する場合には、例えば東洋ハイブリッド株式会社製の点字プリンター”TP−32”による印字物の様に、エンボス法によって紙に触読可能な突起を形成する方法が行なわれている。
この手法によって紙に点字を印刷する為には、エンボス法により形成される突起状の点字画像部が破れないだけの厚みを持った紙を使用することが必要であり、コピー用紙などの厚さが100μmに満たない紙に点字を印刷することはできなかった。
また、エンボス法による点字の印刷は、触読する側とは反対の面に凹状のくぼみを発生させる為、晴眼者(通常の視覚能力を有するもの)の為に墨字が記録された通常の印字物の裏に、同様の内容等を示す為の墨字を印字しようとした場合、墨字が反対面の点字による凹模様によって読解しにくくなるという問題点を生じていた。
【0003】
この様な問題点は特開平1−238984号公報、特開平4−333858号公報に開示されている、加熱手段によってインクフィルムのインクを溶融させて点字像を形成する技術によって解決することが可能である。
しかし、通常のエンボス法による点字印刷物と同等の触読性を実現する為には、それらと同等である300μm前後の点字高が必要とされる。従って、画像情報に応じて加熱を行なう為に簡便な手段であるサーマルヘッドでこのように厚い層を熱転写シートから転写する為には、非常に高いエネルギーを熱転写シートの基材側から加えることが必要となり、かかる高エネルギーによって基材フィルムを溶融破壊してしまうという問題を生じていた。しかも、このような高エネルギーをサーマルヘッドに加えることは、サーマルヘッドの性能上の理由から非常に困難であった。
また別の方法として、加熱による分解反応によってガスを発生する発泡剤を含有する熱溶融性転写層を設けた熱転写シートを用いて、通常の熱エネルギーで画像状に転写し、転写の際の熱エネルギー又は転写後に再び加熱することによって、転写画像を膨張させ、立体視化できるようにする技術が知られている。(特開平1−238984号公報等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、日本語点字標記法等による盲人用の点字文書を、従来技術の熱転写シートにより作成した場合には、晴眼者が目視によって立体感を感じることは可能であるが、指での触読に対する耐久性に劣り、摩擦によって欠けが生ずる、容易に凸部の高さが減少する(つぶれる)、被転写紙から点画素の一部又は全部が剥離するといった問題点があり、さらにはエンボス法で厚紙に形成された一般の点字と触感が大きく異なる為、触読性に劣るという問題点があった。
従って、本発明の目的は指による触読が容易で、触読に対する耐久性に優れた盛り上げ画像、特に点字画像を形成することができる熱転写シートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち請求項1の発明は、基材シートの一方の面に熱膨張層を形成してなる盛り上げ画像作成の為の熱転写シートにおいて、前記熱膨張層が、発泡剤、およびポリエステル樹脂またはポリビニルアルコールの樹脂バインダーを含有し、該樹脂バインダーの数平均分子量が1,000以上30,000以下であることを特徴とする盛り上げ画像形成用熱転写シートである。また請求項2の発明は、前記発泡剤が、易揮発性炭化水素を内包する熱膨張性マイクロカプセルであることを特徴とする請求項1記載の盛り上げ画像形成用熱転写シートである。請求項3の発明は、前記熱転写シートにおいて、熱膨張層と基材フィルムの間に剥離性調整層が形成されていることを特徴とする請求項1、2記載の盛り上げ画像形成用熱転写シートである。請求項4の発明は、前記熱転写シートにおいて、熱膨張層の最表面に感熱接着層が形成されていることを特徴とする請求項1、2記載の盛り上げ画像形成用熱転写シートである。請求項5の発明は、請求項1記載の熱転写シートと被転写体を重ね、加熱手段により盛り上げ画像を形成後、熱膨張層と基材シートの間で熱転写シートを剥離し、次に前記盛り上げ画像形成物を任意の手段により加熱することにより、被転写体上の熱膨張層を発泡させて立体感のある画像を形成することを特徴とする画像形成方法である。請求項6の発明は、前記画像形成方法において、前記立体感のある画像が点字であることを特徴とする請求項5記載の画像形成方法。そして請求項7の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の盛り上げ画像形成用熱転写シートと、被転写体を重ね、加熱手段により被転写体に転写して、盛り上げ画像を形成後、熱膨張層と基材シートの間で熱転写シートを剥離して得られる画像形成物を、任意の手段により加熱することにより、被転写体上の熱膨張層が発泡され立体感のある盛り上げ画像が形成されてなる画像形成物において、該盛り上げ画像部が発泡剤、および数平均分子量が1,000以上30,000以下のポリエステル樹脂またはポリビニルアルコール樹脂を含んでいることを特徴とする画像形成物である。
【0006】
【作用】
熱膨張層として数平均分子量が1,000に満たない天然ワックスや合成ワックスや低分子量樹脂、及び熱分解性ガスを生じる発泡剤を含む熱転写シートにより画像を形成、加熱発泡させてなる盛り上げ画像は、指で触れると容易に高さが減少し、点の存在の認識が非常に難しい。また弾力性に乏しく、一度減少した高さが元と同等なレベルにまでは復元しない。さらに、指先での摩擦により盛り上げ画像の部分的な欠損が発生する。これに対し本発明では、熱膨張層に含有させる樹脂バインダーはポリエステル樹脂またはポリビニルアルコールであり、数平均分子量が1,000以上のものを用いる為、形成された盛り上げ画像は丈夫であり、触読によっても欠けや潰れのおそれが少ない。また、数平均分子量が30,000以下の樹脂バインダーを用いているので、熱転写層の箔切れが良好な熱転写シートが得られる。更に、発泡剤として易揮発性炭化水素を内包する熱膨張性マイクロカプセルを含む熱膨張層を有する熱転写シートを用いて、点字画像を作成、加熱発泡して盲人用点字を作成した場合には、点字凸部の断面は、バインダー樹脂にコートされたマイクロカプセルからなる不連続な気泡が密に充填した構造になる為、高い弾力性を示し、指触においてもつぶれにくく、変形に対する復元性が良好となる。また、本発明の特に好ましい実施様態による熱転写シートを用いて作成された点字は、エンボス法で厚紙に形成された一般の点字と同等の点字高とする為に熱転写及び加熱発泡させても、良好な弾力性を示し、指による摩擦で点字高が変化することもなく、作成された点字文書は良好な触読性を示す。
【0007】
【好ましい実施様態】
次に好ましい実施様態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0008】
(層構成)
本発明の熱転写シートの基本形態は、図1に示す様に、基材シート1の一方の面に熱膨張層3を設けたものであるが、その他、図2に示す様に基材シート1と熱膨張層3の間に剥離性調整層2を設けたり、或いは図3に示す様に、熱膨張層3の最上層に感熱接着層4を設けて良い。更に、図4に示す如く、図2で示した剥離性調整層2、及び第3図で示した感熱接着層4を共に設けても良い。本発明では上記熱膨張層3は、発泡剤、好ましくは易揮発性炭化水素を内包する熱膨張性マイクロカプセル5、及び樹脂バインダーを含むことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の熱転写シートを用いて盛り上げ画像を被転写体に転写する為の加熱手段としてサーマルヘッドを使用する場合、基材フィルムの熱膨張層が形成されていない側より加熱が行なわれる為、この面に耐熱性、滑り性、或いはこの両物性を持たせる為に耐熱滑性層6を設けることが好ましい。(図5〜図8)
【0010】
(基材シート)
本発明で用いる基材シートには、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材シートをそのまま用いることができると共に、その他のものも使用することができ、特に制限されない。
好ましい基材シートの具体例としては、たとえば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラスチックフィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布などがあり、又、これらを複合した基材シートであっても良い。
上記基材シートの厚さは、その強度及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変更することが出来るが、好ましくは2〜100μm、更に好ましくは3〜25μmである。
【0011】
(剥離性調整層)
本発明では上記基材シートと熱膨張層の間に、必要に応じて剥離性調整層を設けてもよい。
剥離性調整層は、熱転写シートにより盛り上げ画像を形成する際、画像形成の為の加熱手段により、加熱された箇所のみ熱膨張層が被転写体に接着して、その後は熱転写シートから接着部分のみを剥離させる為の力を調整する為に形成する。 基材シート面に直接熱膨張層を設けた場合は、熱転写後の剥離は、基材シートと熱膨張層との間で起こさせるが、剥離性調整層を設ける場合は、剥離性調整の目的達成に支障をきたさない範囲で、剥離性調整層と熱膨張層の界面、または剥離性調整層と基材シートの界面、または剥離性調整層の層内で剥離を起こさせることができる。
【0012】
剥離性調整層と基材シートの界面、または剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合は、転写された熱膨張層の最表面に位置するように剥離性調整層形成樹脂も転写されることになる為、剥離性調整層形成樹脂は、熱膨張層の膨張性を阻害しない樹脂を選定することが必要である。
一方、剥離性調整層と熱膨張層の界面で剥離を起こさせる場合、転写された熱膨張層の表面には剥離性調整層形成樹脂が転写しない。このため、剥離性調整層形成樹脂の選定に際して熱膨張層の膨張性を阻害しないことへの配慮が不要となり、剥離性調整層と基材シートの界面、および剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合に比べて、剥離性調整層と熱膨張層の界面で剥離を起こさせる手法の方が剥離性調整層の材料選定に対する自由度が大きく好ましい。
【0013】
剥離性調整層を形成する為の樹脂としては、例えばマイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックス、フィシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコーンワックス等の種々のワックス類;或いはシリコーン樹脂;フッ素樹脂;アクリル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;フェノキシ樹脂;ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;エチレン、プロピレン等のオレフィン、またはオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体;アイオノマー;セルロースジアセテート、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース樹脂等が挙げられ、特に好ましいものはポリメタクリル酸エステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル系樹脂である。
【0014】
また、剥離性調整の目的達成の為に、上記樹脂を種々の架橋剤で架橋させることが可能である。例えばイソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート;ジイソシアネートをトリメチロールプロパンに付加させたアダクト体やビウレット体やトリマー等
のポリイソシアネート;エポキシ基やアジリジン基やオキサゾリン基を有する架橋剤;メラミン等の架橋剤;アルミニウムや亜鉛やチタンやジルコニウム等のキレート化剤を使用することが可能である。
剥離性調整層を架橋させる場合、それぞれの架橋反応に応じて公知の触媒を使用することが出来、例えばイソシアネートの反応にはジ−n−ブチル錫ジラウレートやジオクトエ酸錫等の錫系触媒や、テトラメチルブタンジアミンや、N,N,N’,N’,− テトラメチル−1,3− ブタンジアミン等のアミン系触媒や1,4 −ジアザ−ビシクロ〔2,2,2〕オクタン等を用いることができる。
【0015】
剥離性調整層は前記基材シートの一方の面に、上記の如き樹脂に必要に応じて架橋剤や架橋反応促進触媒等の必要な添加剤を加えたものを、適当な有機溶剤又は水に溶解したり、有機溶剤と水の混合体に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散させた分散体を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥することによって形成される。また、剥離性調整の機能を持つ複数種の剥離性調整層形成用塗工液を重ね塗りして剥離性調整層を形成しても良い。
剥離性調整層の厚みは0.05〜5μmが好ましく、0.1〜2μmであることが更に好ましい。
【0016】
熱膨張層及び剥離性調整層に用いるバインダー樹脂が熱拡散性色素に対して染着性を有しており、かつ剥離性調整層を基材フィルム上に設ける場合、剥離性調整層に任意の色の熱拡散性色素を添加することが出来る。
このように形成することにより、熱膨張層をコーティングする際の乾燥工程における熱によって、剥離性調整層に添加した熱拡散性色素が拡散することにより、熱膨張層を任意に着色することができ、発泡剤とバインダー樹脂を水に分散または溶解した液体の塗布・乾燥によって形成される熱膨張層に対しても、水に不溶または分散困難な色素を用いて染色することが可能となる。
【0017】
熱拡散性色素としては、従来公知の染料はいずれも本発明に使用可能であり、特に制限されない。例えば、好ましい染料として、赤色染料としてMS Red G、Macrolex Red Violet R 、Ceres Red7B 、Samaron Red HBSL、Resolin Red F3BS等が挙げられ、又、黄色染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL 、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、又、青色染料としては、カヤセットブルー714 、ワクソリンブルーAP−FW 、ホロンブリリアントブルーS−R 、MSブルー100 等が挙げられる。又、これらの熱拡散性色素を一種類のみならず二種類以上任意に混合して希望の色調を得ることも可能である。
【0018】
(熱膨張層)
本発明の熱転写シートの主たる特徴は、熱膨張層が、発泡剤、およびポリエステル樹脂またはポリビニルアルコールの樹脂バインダーを含有し、該樹脂バインダーの数平均分子量が1,000以上30,000以下であることである。
【0019】
〔発泡剤〕
本発明で使用する発泡剤としては、従来公知のものを使用することが出来、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’ジニトロソ−N,N’ジメチルテレフタルアミド、P−トルエンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾルカルボンアミド、P−トルエンスルホニルアジド、アセトン−P−スルホニルヒドラゾン等の有機系発泡剤;重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等の無機系発泡剤;内部に低温で揮発する溶媒を含有した熱膨張性マイクロカプセル等が挙げられるが、本発明では、特にこの熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。
【0020】
〔熱膨張性マイクロカプセル〕
本発明で使用される熱膨張性マイクロカプセルは、低温で揮発する炭化水素を樹脂からなる壁剤の内部に包含させたカプセル構造をとるものであり、特定温度での加熱によって未加熱状態の時の約十倍から約百倍程度に体積が膨張するものを使用する。
熱膨張性マイクロカプセルに内包させる炭化水素としては、塩化メチル、臭化メチル、トリクロロエタン、ジクロロエタン、n−ブタン、n−ヘプタン、n−プロパン、n−ヘキサン、n−ペンタン、イソブタン、イソヘプタン、ネオペンタン、石油エーテル、フレオン等のフッ素原子を有する脂肪族炭化水素、或いはこれら炭化水素の複数混合体等を用いることができる。
熱膨張性マイクロカプセルの壁剤としては、塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチルアクリレート、メタクリル酸エチルアクリレート、酢酸ビニル、或いはこれらの樹脂の共重合体やブレンド物等を用いることが出来、さらに必要に応じて架橋剤を使用することも可能である。
【0021】
熱膨張性マイクロカプセルの粒径は直径0.1〜50μmであることが好ましく、更に0.1〜30μmであることが好ましい。
上述の如き熱膨張性マイクロカプセルの市販品として、例えば松本油脂製薬株式会社製造の”マツモトマイクロスフェアー”シリーズのF−20,F−30,F−30VS,F−40,F−50,F−80S,F−82,F−85,F−80VS,F−100 等や、日本フェライト株式会社製造の”エクスパンセル”シリーズを挙げることが出来る。
熱膨張層における熱膨張性マイクロカプセルの含有割合は、樹脂バインダー100重量部に対して30重量部〜200重量部であることが好ましく、特に50重量部〜150重量部であることが好ましい。30重量部未満の場合は熱膨張層が十分に膨張せず、200重量部を越えると盛り上げ画像の触読に対する耐久性が不足してくる。
【0022】
また、発泡剤として無機系または有機系のものを用いる場合、熱膨張層における発泡剤の含有割合は、樹脂バインダー100重量部に対して20重量部〜200重量部であることが好ましく、特に40重量部〜160重量部であることが好ましい。20重量部未満の場合は、熱膨張層が十分に膨張せず、200重量部を越えると盛り上げ画像の触読に対する耐久性が不足してくる。
【0023】
〔樹脂バインダー〕
熱膨張層の樹脂バインダーを構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂またはポリビニルアルコール樹脂である。
【0024】
本発明では、これらの樹脂の数平均分子量は1,000以上であることが必要である。
数平均分子量が1,000未満であるカルナバワックスやパラフィンワックスやみつろう等の天然ワックス、或いは同じく数平均分子量が1,000未満であるポリエチレンワックスやステアリン酸やアーマーワックス等の合成ワックスを熱膨張層バインダーの主成分として用いた場合、形成された点字画像は非常にもろく、触読により欠けやつぶれを容易に生じてしまう。
またこのような低分子量バインダーは、熱転写シートを用いて形成した画像を加熱発泡させて、盛り上げ画像を形成する為に必要な約60℃から140℃に加熱にすると、軟化或いは溶融することにより粘性が非常に低下しやすい。この為バインダーが被転写基材に染み込んでしまったり、形成される画像の周囲に流れ出るおそれがあり、熱膨張性マイクロカプセルが被転写基材上に保持されにくくなるという不都合を生じる。
【0025】
被転写材に点字画像等の微細な盛り上げ画像を熱転写する際、加熱が行なわれた箇所のみが過不足無く転写することが正確な画像形成のためには極めて重要であり、熱溶融型転写層が一定の熱転写シート剥離条件下において任意に破断(箔切れ)しなければならない。この為に樹脂バインダーの数平均分子量は30,000以下が好ましく、25,000以下であると特に好ましい。
また、点字画像等の盛り上げ画像の触読による破損に対する耐久性への要求が非常に高度である場合は、樹脂バインダーの分子量が大きい方が良好な盛り上げ画像を得ることが出来、この為には樹脂バインダーの数平均分子量は3,000以上である事が好ましく、10,000以上である事が特に好ましい。
すなわち、点字画像等の盛り上げ画像の形成の正確さと触読による破損に対する耐久性を考慮すると、樹脂バインダーは数平均分子量が1000以上かつ30,000以下であることが好ましく、更に好ましくは3,000以上かつ25,000以下、特に10,000以上25,000以下であることが特に好ましい。
【0026】
(着色剤)
熱膨張層には、必要に応じて着色剤を添加することができる。
着色剤は、熱膨張層を基材フィルム上に塗布形成するにあたって支障をきたさない範囲において任意に選ぶことが出来る。
すなわち熱膨張層の塗布に用いる溶媒又は分散媒に対して、均一に溶解又は分散する着色剤から選ばれることが好ましい。
例えば熱膨張層が水を分散媒とする水分散体を塗布して形成される場合、選択される着色剤は水に対して均一に分散又は溶解するものの中から選ばれることが好ましく、グレーもしくは黒色に着色する為にはカーボンブラックの水分散体を使用することが出来、有彩色に着色する為には各々の色に対応する水溶性又は水分散性の有機顔料又は無機顔料を使用することが出来る。
同様に熱膨張層が水と有機溶剤の混合液や、有機溶剤に、溶解または分散されたものである場合、着色剤はかかる溶媒又は分散媒に対して均一に分散又は溶解するものの中から選ばれることが好ましく、この場合も所望の色相、彩度、明度に応じて任意の着色が可能であることはいうまでもない。
又、転写シート上に熱膨張層を形成した時点では無色であるが、熱転写の為の熱エネルギーや発泡の為の熱エネルギーが加えられることにより発色する層であっても良い。また、被転写体にあらかじめ塗布されているものと接触することにより発色するものであってもよいし、加熱発泡させた点字画像を指で触ることで発色或いは他の色に変化するものであってもかまわない。
【0027】
(熱良伝導性物質)
さらに、熱膨張層に良好な熱伝導性及び溶融転写性を与える為に、熱良伝導性物質を熱膨張層に添加することが出来る。
この様な物質としては、銅やアルミニウムや酸化錫や二硫化モリブデン等の、金属或いは金属酸化物或いは金属硫化物よりなる粉末や微粉末やウイスカー、又はカーボンブラックなどの炭素質物質等を用いることが出来る。
【0028】
(熱膨張層コート方法)
熱膨張層は前記の基材シートの一方の面に、上記の如き樹脂に必要に応じて架橋剤や架橋反応促進触媒等の必要な添加剤を加えたものを、適当な有機溶剤又は水に溶解したり、有機溶剤と水の混合体に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散させた分散体を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥することによって形成される。また、剥離性調整の機能を持つ複数種の剥離性調整層形成用塗工液を重ね塗りして剥離性調整層を形成しても良い。
熱膨張層の厚みは10μm〜100μmが好ましく、20μm〜80μmであることが更に好ましい。
【0029】
(耐熱滑性層)
基材シートとして熱に弱い材料を用い、かつ点字画像を転写する為の加熱手段にサーマルヘッドを使用する場合、サーマルヘッドに接する側の表面に、サーマルヘッドの滑りを良くし、且つスティッキングを防止する為の耐熱滑性層を設けることが好ましい。耐熱滑性層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤又は滑剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とする。種々の熱可塑性樹脂を公知の架橋剤によって架橋させることは樹脂の耐熱性を向上させる為に有効な方法であり、例えば熱可塑性樹脂の側鎖や分子末端に水酸基が有る場合、ポリイソシアネート等の架橋剤を用いることが出来る。架橋剤を使用する場合は、必要に応じて触媒を使用することも出来る。
【0030】
(盛り上げ画像の被転写体)
以上の如き本発明の熱転写シートを使用して熱転写を行なう際に使用する被転体としては、カット状態や小巻状態やカード状態である種々の紙類を使用することが出来る。その素材はセルロース等の天然繊維に限定されず、ビニロンやナイロンやポリエステルやアクリルなどの合成繊維、ステンレス等の金属繊維、アルミナやシリケート等の無機繊維、炭素繊維、キチン繊維、キトサン繊維等を用いて抄き上げたもの等いずれも使用することが出来る。天然繊維を用いた紙類としては、例えば上質紙、中質紙、コピー用紙、アート紙、コート紙、クラフト紙、ケント紙、板紙、図画用紙、カード用紙、更紙、グラシン紙、新聞用紙、コンデンサー紙等を挙げることができる。
更に、種々の熱可塑性樹脂を原料に用いて製造されたプラスチックフィルム類であるポリエチレンテレフタレートフィルムやポリ塩化ビニールフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムやポリイミドフィルム、同じく熱可塑性樹脂類を抄く工程を経ずに紙状に加工した合成紙類(例えば王子油化製、ユポFPG−150)等も使用することが出来る。
また、ポリエチレンテレフタレートやポリ塩化ビニールや厚紙を用いて製造されたカード類も用いることが出来る。
【0031】
(熱転写方法)
上記の熱転写シートから被転写体に画像を転写する際に使用する熱エネルギーの付与手段(加熱手段)は、コンピューターからの画像情報に応じて加熱量をコントロールし得る従来公知の付与手段がいずれも使用でき、例えばワードプロセッサーに用いられる感熱溶融転写方式用サーマルヘッドやビデオプリンターに用いられる感熱昇華転写方式用サーマルヘッドや、レーザー印字方式プリンターに用いられるレーザーヘッド等を用いることが出来る。更に、熱転写シートの背面側に通電発熱層を設けた場合、通電加熱型溶融転写方式用通電ヘッドを用いることも可能である。
【0032】
(熱膨張方法)
被転写体に転写された画像を発泡させる為の熱エネルギーの付与手段には従来公知の付与手段がいずれも使用でき、例えばオーブンによる加熱や電熱線による熱風加熱や赤外線照射加熱やレーザー光線照射加熱や、電磁気加熱等の加熱方式、及び被転写体を加熱ロールに接触させる加熱方式等が挙げられる。
【0033】
(被転写体の応用)
本発明による熱転写シートを用いて形成される点字は、エンボス方式によって印字される点字と異なり、点字画像が形成された裏面に凹状の窪みが発生せず、晴眼者の為の墨字印刷が施された紙等の反対面等に、墨字情報を損なえること無く点字を印刷することが出来る。よって例えば金銭の支払い内容等を記録したレシートの裏面や表面、通常の文字印刷が施された名刺の裏面や表面、更には磁気情報が記録されたプリペイドカードの表面、あるいは航空券や乗車券等の表面や裏面に印刷することも可能である。
尚、本明細書において特に本発明の熱転写シートが効果的な点字を例にとって詳細に説明したが、盛り上げ画像は特に点字だけでなく、絵柄や記号、文字であってもかまわない。また盛り上げ画像をスタンプ(ハンコ)として用いることも可能である。
【0034】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明に係わる熱転写シートを更に具体的に説明する。なお、文中にて部又は%とあるのは特に断りの無い限り重量基準である。
【0035】
(実施例1)
基材シートとして熱膨張層を形成する面の背面に耐熱処理を施した厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの面に、均一となるよう撹拌された下記の熱膨張層形成用インキ組成物を乾燥厚みが30.0μmになる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥し、連続フィルム状の本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0036】
(実施例2)
実施例1の熱膨張層塗工液に代えて下記熱膨張層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0037】
(実施例3)
実施例1の熱膨張層塗工液に代えて下記熱膨張層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0038】
(実施例4)
実施例1に従って調整した熱転写シートの熱膨張層上に、均一になるよう撹拌された下記の感熱接着層形成用インキ組成物を乾燥厚みが2.0μmになる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥し、本発明に係る熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0039】
(実施例5)
基材シートとして熱膨張層を形成する面の背面に耐熱処理を施した厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの面に、下記の剥離性調整層形成用インキ組成物を乾燥厚みが1.0μmになる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥した。更にこの剥離性調整層上に実施例1と同じ熱膨張層形成用インキ組成物を乾燥厚みが30.0μmになる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥し、連続フィルム状の本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0040】
(実施例6)
実施例5の剥離性調整層塗工液に代えて下記剥離性調整層塗工液を使用し、他は実施例5と同様にして本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0041】
(実施例7)
実施例1の熱膨張層塗工液に代えて下記熱膨張層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0042】
(実施例8)
実施例1の熱膨張層塗工液に代えて下記熱膨張層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
(実施例9)
実施例1の熱膨張性塗工液に代えて下記熱膨張層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0043】
(比較例1)
実施例1の熱膨張層塗工液に代えて下記熱膨張層塗工液を使用し他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0044】
(比較例2)
実施例1の熱膨張層塗工液に代えて下記熱膨張層塗工液を使用し他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0045】
(比較例3)
実施例1の熱膨張層塗工液に代えて下記熱膨張層塗工液を使用し他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0046】
(比較例4)
実施例1の熱膨張層塗工液に代えて下記熱膨張層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写シートを得た。
Figure 0003594675
【0047】
〔熱転写試験〕
前記実施例及び比較例の熱転写シートの熱膨張層塗工面を厚さ150μm の上質紙に重ね合わせ、熱転写シートの背面からサーマルヘッド(KMT−85−6MPD2−HTV)を用いて、ヘッド引加電圧12.0V、印字速度33.3ms/line 、印加パルス幅16.0ms/line の印字条件で加熱を行ない、サーマルヘッドからの加熱によって構成される約170μm四方の画素が直径約1mmの円を構成するよう画像情報を制御することで点字の文書を構成する直径約1mmの点画素を転写した。
次に、転写シートを被転写紙から剥離した後、100度のオーブン中で1分間加熱し、転写された熱膨張層を膨張させ、表1、2の結果を得た。尚、表1、2に示した各性能の評価方法は以下の通り行なった。
なお、本明細書中でいう点画素とは、直径約1mmの点が6個配置されることにより表現される盲人用の点字に於ける、個々の点を指し示す。
【0048】
(1)箔切れ性
サーマルヘッドによる加熱後、転写シートと被転写紙を剥離する際、加熱された箇所に隣接する熱膨張層が、転写シートから切れずに転写してしまう度合を4段階に評価した。
◎:箔の切れ残りは全く発生せず、加熱部と未加熱部の境界が明瞭であった。
○:箔の切れ残りはほとんど発生せず、良好な触読性を示した。
△:点画素の周囲に箔の切れ残りが付着しており、触読の際の妨げとなった。
×:点画素以外の部分が殆ど転写してしまい、点画素を指で認識することが困
難であった。
【0049】
(2)点字高さ
熱転写により形成した熱膨張前の点字画像を加熱膨張した後、マイクロメーターによって点字の高さを測定した。
○:200μm以上であり、点字文書として良好に触読することが出来た。
△:100〜200μmであり、点画素の存在はわかるが、6個の点画素の各有無を判別することは困難であり、触読により点字文書を読解するのは困難であった。
×:100μm以下であり、被転写紙から隆起していることは指触で解るが、
点画素として認識することが困難であった。
(3)発泡体強度
◎:熱膨張した点画素が指触によって潰れたりちぎれたりすることは全くなく、触読を繰り返し行っても触読性に変化は全く認められなかった。
○:熱膨張した点画素が指触によって潰れたりちぎれたりすることは殆ど無く、触読を繰り返して行なっても、触読性に大きな変化は認められなかった。
△:触読を繰り返すうちに、熱膨張した点画素が潰れたり一部ちぎれたりしてしまい、初期の触読性が徐々に低下した。
×:熱膨張した点画素が指触で容易に潰れてしまい、点画素の存在を読み取ることが困難であった。
【0050】
【表1】
Figure 0003594675
【0051】
【表2】
Figure 0003594675
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明の如く、発泡剤と特定の数平均分子量を有するポリエステル樹脂またはポリビニルアルコールのバインダー樹脂を含む熱膨張層を設けた熱転写シートを用いて形成した盛り上げ画像は丈夫であり、触読により欠けやつぶれを生じない。また、熱膨張層を被転写体に転写させるときの箔切れも良好である。また、発泡剤として、易揮発性炭化水素を内包する熱膨張性マイクロカプセルを用いた熱転写シートによって作成した点字等の盛り上げ画像は、高い弾力性を示し、指触においてもつぶれにくく、変形に対する復元性が良好である。特に好ましい実施様態による熱転写リボンによって作成された点字は、エンボス法で厚紙に形成された一般の点字と同等の点字高とする為に熱転写及び加熱発泡させても良好な弾力性を有し、指による摩擦で点字高が変化することもなく、作成された点字文書は良好な触読性を示す。しかも、本発明による熱転写シートを用いることにより、一般に広く普及している点字と同等な触読性を有する点字文書を、これまで印字し得なかった種々の基材、たとえばレシートや、一般の名刺の裏面に、コンピューターからの情報に応じて、熱転写方式により作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写シートの一実施例を示す断面図
【図2】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示す断面図
【図3】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示す断面図
【図4】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示す断面図
【図5】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示す断面図
【図6】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示す断面図
【図7】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示す断面図
【図8】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示す断面図
【符合の説明】
1:基材シート
2:剥離性調整層
3:熱膨張層
4:感熱接着層
5:熱膨張性マイクロカプセル
6:耐熱滑性層

Claims (7)

  1. 基材シートの一方の面に熱膨張層を形成してなる盛り上げ画像作成の為の熱転写シートにおいて、前記熱膨張層が、発泡剤、およびポリエステル樹脂またはポリビニルアルコールの樹脂バインダーを含有し、該樹脂バインダーの数平均分子量が1,000以上30,000以下であることを特徴とする盛り上げ画像形成用熱転写シート。
  2. 前記発泡剤が、易揮発性炭化水素を内包する熱膨張性マイクロカプセルであることを特徴とする請求項1記載の盛り上げ画像形成用熱転写シート。
  3. 前記熱転写シートにおいて、熱膨張層と基材フィルムの間に剥離性調整層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の盛り上げ画像形成用熱転写シート。
  4. 前記熱転写シートにおいて、熱膨張層の最表面に感熱接着層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の盛り上げ画像形成用熱転写シート。
  5. 請求項1記載の熱転写シートと被転写体を重ね、加熱手段により盛り上げ画像を形成後、熱膨張層と基材シートの間で熱転写シートを剥離し、次に前記盛り上げ画像形成物を任意の手段により加熱することにより、被転写体上の熱膨張層を発泡させて立体感のある画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  6. 前記画像形成方法において、前記立体感のある画像が点字であることを特徴とする請求項5記載の画像形成方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の盛り上げ画像形成用熱転写シートと、被転写体を重ね、加熱手段により被転写体に転写して、盛り上げ画像を形成後、熱膨張層と基材シートの間で熱転写シートを剥離して得られる画像形成物を、任意の手段により加熱することにより、被転写体上の熱膨張層が発泡され立体感のある盛り上げ画像が形成されてなる画像形成物において、該盛り上げ画像部が発泡剤、および数平均分子量が1,000以上30,000以下のポリエステル樹脂またはポリビニルアルコール樹脂を含んでいることを特徴とする画像形成物。
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