JPH10138639A - 盛り上げ画像形成装置、および盛り上げ画像形成方法 - Google Patents

盛り上げ画像形成装置、および盛り上げ画像形成方法

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JPH10138639A
JPH10138639A JP8300413A JP30041396A JPH10138639A JP H10138639 A JPH10138639 A JP H10138639A JP 8300413 A JP8300413 A JP 8300413A JP 30041396 A JP30041396 A JP 30041396A JP H10138639 A JPH10138639 A JP H10138639A
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JP
Japan
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heat
transfer sheet
roll
image
thermal
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Application number
JP8300413A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Sawa
良裕 澤
Keiji Hirose
恵二 広瀬
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、安全性に優れ、特に、点字プリン
ターとして適した盛り上げ画像形成装置、および盛り上
げ画像形成方法の提供を課題とする。 【解決するための手段】 本発明の盛り上げ画像形成装
置、および盛り上げ画像形成方法は、基材シートの一方
の面に熱発泡剤と数平均分子量が1,000〜30,0
00の樹脂バインダーからなる熱膨張層を形成した熱転
写シート7をその熱膨張層面から被熱転写シート4と対
向配置し、前記熱転写シート7の背面より加熱手段によ
り加熱して画像状に熱膨張層を被熱転写シート4に転写
する熱膨張層転写機構(A)と、ヒートロール1により
被熱転写シートに転写された画像状の熱膨張層を発泡さ
せる発泡機構(B)とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雑誌、本、名刺、
手帳、アルバム、布地等に盛り上げ画像や立体画像を安
全に形成するのに適した盛り上げ画像形成装置、および
盛り上げ画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、雑誌、本、名刺、手帳、アルバ
ム、布地等に装飾等を目的とした立体画像や点字等を形
成するにあたって、紙等を裏面より押圧変形させて形成
する「エンボス法」が採用されているが、このようなエ
ンボス法によると、盛り上げ画像を形成できるだけの厚
みを持った紙を使用することが必要であり、コピー用紙
などの厚さが100μmに満たない紙や布に盛り上げ画
像を印刷形成することはできなかった。また、エンボス
法によると盛り上げ画像部とは反対の面に凹状のくぼみ
を発生させるため、その凹状面には通常の印字、印刷等
を施すことを困難にする、または印字切れ等を生じると
いう問題がある。
【0003】特開平1−238984号公報、特開平8
−175029号公報には、熱発泡剤を含有する熱溶融
性転写層を設けた熱転写シートを用いて、サーマルヘッ
ド等で画像状に転写し、転写の際の熱エネルギー又は転
写後に再び加熱することによって、転写画像を膨張さ
せ、立体性を向上させる技術が知られているが、サーマ
ルヘッドを使用した熱エネルギーでは転写時または転写
した後の均一加熱によってもその発泡性が低く、所要の
発泡を得るためには、例えば近赤外線、赤外線ヒータ
ー、レーザー照射等により加熱する等の後加熱が行なわ
れている。しかしながら、ヒーターを使用する場合に
は、適切な温度範囲に維持するために大量の電力を消費
し、また、紙詰まりが生じた場合には火災等の危険があ
り、その作製者が目に障害を有する人の場合、その操作
に危険性を伴うことは避けることが必要である。また、
レーザー照射等による場合には装置が大型化する等の問
題がある。また、従来プリンタにおいて、トナー定着用
のヒートロールを装備したものがあるが、ローラー表面
の硬度が大きく、本発明のごときヒートロール熱転写シ
ート上の印字部を熱膨張させるには障害となるという問
題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安全
性に優れ、特に、点字プリンターとして適した盛り上げ
画像形成装置、および盛り上げ画像形成方法の提供を課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の盛り上げ画像形
成装置は、基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平均分
子量が1,000〜30,000の樹脂バインダーから
なる熱膨張層を形成した熱転写シートをその熱膨張層面
から被熱転写シートと対向配置し、前記熱転写シートの
背面より加熱手段により加熱して画像状に熱膨張層を被
熱転写シートに転写する熱膨張層転写機構と、ヒートロ
ールにより被熱転写シートに転写された画像状の熱膨張
層を発泡させる発泡機構とからなることを特徴とする。
【0006】また、そのヒートロールが、発熱機構を内
蔵した剛性ロールと該剛性ロールと円周面で摺接するゴ
ムロールからなり、両ロール間に被熱転写シートを挟
み、両ロールの回転により被熱転写シートを搬送可能と
するものであることを特徴とする。
【0007】また、そのゴムロールにおけるゴム硬度
が、20度〜70度であることを特徴とする。
【0008】また、本発明の盛り上げ画像形成方法は、
基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平均分子量が1,
000〜30,000の樹脂バインダーからなる熱膨張
層を形成した熱転写シートと、被熱転写シートとを対向
させ、加熱手段により熱膨張層を被熱転写シートに画像
転写した後、被熱転写シートにおける熱膨張層をヒート
ロールを使用して発泡させることを特徴とする。
【0009】また、そのヒートロールが、発熱機構を内
蔵した剛性ロールと該剛性ロールと円周面で摺接するゴ
ムロールからなり、両ロール間に被熱転写シートを挟
み、両ロールの回転により被熱転写シートを搬送可能と
するものであり、剛性ロールの表面温度が80℃〜20
0℃であることを特徴とする。
【0010】また、そのヒートロールの回転速度が、
1.6cm/sec〜10.0cm/secであること
を特徴とする。
【0011】また、そのヒートロールのタッチ圧が0k
g/cm2 〜5kg/cm2 であることを特徴とする。
【0012】また、上記の盛り上げ画像形成装置及び盛
り上げ画像形成方法において、盛り上げ画像が点字であ
ることを特徴する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、盛り上げ画像形成装置及
び盛り上げ画像形成方法を説明する模式図で、図中1は
剛性ローラー、2はゴムローラー、3は発熱部、4は被
転写シート、5は発泡前の印字部、6は発泡印字部、7
は盛り上げ画像形成用熱転写シート、8はサーマルヘッ
ド等の加熱記録手段であり、Aは熱膨張層転写機構、B
は発泡機構である。
【0014】図1に示すように、本発明の盛り上げ画像
形成装置は、熱膨張層転写機構A、発泡機構Bとからな
る。まず、熱膨張層転写機構Aは、盛り上げ画像形成用
熱転写シート7と被熱転写シート4とを重ねて加熱印字
手段8に供給し、熱膨張層をサーマルヘッド8により画
像状に被熱転写シート上に熱転写して印字部5を形成す
るものである。また、発泡機構Bは、印字部5を記録し
た被熱転写シート4を、発熱機構3を内蔵した剛性ロー
ル1とゴムロール2間に供給し、両ロールの回転により
搬送しつつ、印字部5を発熱機構3を内蔵した剛性ロー
ルに当接させて発泡させ、所望の発泡度を有する発泡印
字部を形成するものである。
【0015】まず、熱膨張層転写機構としては、コンピ
ューターからの画像情報に応じて加熱量をコントロール
できる従来公知の付与手段のいずれもが使用でき、例え
ばワードプロセッサーに用いられる感熱溶融転写方式用
サーマルヘッドやビデオプリンターに用いられる感熱昇
華転写方式用サーマルヘッド、更に、熱転写シートの背
面側に通電発熱層を設け、通電加熱型溶融転写方式用通
電ヘッドを用いてもよい。なお、レーザー光を加熱記録
手段としてもよく、例えば700nm以上の波長光の半
導体レーザー、YAGレーザーを光源として照射しても
よいが、装置が大がかりとなるという問題がある。
【0016】発泡機構について説明する。サーマルヘッ
ド等を用いた点字プリンタにあっては、例えば目に障害
を有する人による使用に供せられるものであるが、サー
マルヘッド等の記録手段についての安全性は一応確保さ
れるものの、記録された印字部を所望の高さまで発泡さ
せる発泡機構として、熱源が被熱転写シートの発火点に
達するものや被熱転写シートが直接熱源に接触したりす
るものは好ましくなく、熱源の温度にしても、長時間保
持するものでは不経済であり、また、ユーザーの不安感
を生じさせるので好ましくない。そのため、発泡機構と
しては、所望の温度に達するまでの時間が速く、電源を
入れたら遅くとも数分以内に使用可能となる発泡機構が
必要である。
【0017】本発明は、発泡機構として適した盛り上げ
画像形成装置を提供するものであり、ヒートロールを使
用することにより、上記の問題を解決しうることを見出
したものである。ヒートロールにおける剛性ロール1と
しては、ガラス管ローラー、アルミニュウム管ローラー
等の良好な熱伝導性を有する剛性ローラーが挙げられ、
また、その剛性ローラー1中に熱源素子3を組み込むこ
とにより、熱源と被熱転写シートとの接触を避けること
ができる。また、被熱転写シートにおける印字部は剛性
ローラーと接触状態により加熱されるため、熱効率が良
く、無駄な温度上昇を防ぐことができ、発火の危険性を
防止することが可能となり、また、経済性に優れる利点
を有する。
【0018】本発明において、被熱転写シート上の印字
部5を所望の発泡をさせるには、剛性ロールの表面温度
を80℃〜200℃、好ましくは100℃〜150℃と
するとよい。80度未満であると発泡性が得られず、ま
た、200℃を越えると印字画像が焼けつくので好まし
くない。
【0019】また、本発明においては、被熱転写シート
における印字部5の発泡を行なう空間を必要とするが、
剛性ローラー1と摺接するゴムローラー2は、エチレン
・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(略称、EPD
M)、ウレタンゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共
重合体ゴム(NBR)シリコンゴム、弗素ゴム、クロロ
プレンゴム、ネオプレンゴム等のゴム素材が使用され、
ゴム硬度が20度〜70度、好ましくは25度〜35度
のものが好ましい。ゴム硬度が20度未満であると柔ら
かすぎて、被熱転写シートにおける基材シート側にも膨
らみが生じ、裏面に突起を生じ、好ましくなく、また、
70度を越えると、後述する本発明における熱膨張層に
おいては画像が潰れてしまうという問題がある。
【0020】また、ヒートロールのタッチ圧は0kg/
cm2 〜5kg/cm2 とするとよい。5kg/cm2
を越えると印字部の発泡が妨げられるので好ましくな
い。なお、ヒートロールにおける剛性ローラー1とゴム
ローラー2とは接触していなくても、剛性ローラー1と
ゴムローラー2との間隔は被熱転写シートにおける膜厚
以内の距離であればかまわない。
【0021】また、ヒートロールの回転速度は、1.6
cm/sec〜10.0cm/sec、好ましくは2.
0cm/sec〜8.0cm/secとするとよい。
【0022】また、本発明の盛り上げ画像形成装置は、
搬送工程がヒートロールを通すのみであり、そのスペー
スをあまり必要とせず、装置の小型化を可能とするもの
である。
【0023】次に、本発明の盛り上げ画像形成装置及び
盛り上げ画像形成方法への適用に適した盛り上げ画像形
成用熱転写シートについて説明する。
【0024】図2〜図9はその断面模式図である。図
中、11は基材シート、12は剥離性調整層、13は熱
膨張層、14は感熱接着層、15は熱発泡剤、16は耐
熱滑性層である。
【0025】本発明における盛り上げ画像形成用熱転写
シートは、図2に示す様に、基材シート11の一方の面
に熱発泡剤15及び樹脂バインダーからなる熱膨張層1
3を設けたものである。また、図3に示す様に基材シー
ト11と熱膨張層13の間に剥離性調整層12を設けて
もよく、或いは図4に示す様に、熱膨張層13の最上層
に感熱接着層14を設けてもよい。更に、図5に示す様
に、剥離性調整層12及び感熱接着層14を共に設けて
もよい。また、図6〜図9は、図2〜図5に示す熱転写
シートの背面にそれぞれ耐熱滑性層16を設けたもので
ある。
【0026】基材シート11は、従来の熱転写シートに
使用されているものと同じ基材シートをそのまま用いる
ことができ、特に制限されないが、好ましくはポリエス
テル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、
酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロ
ン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル
コール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラ
スチックフィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の
紙類、不織布などがあり、又、これらを複合した基材シ
ートであっても良い。上記基材シートの厚さは、その強
度及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変
更することが出来るが、2μm〜100μm、好ましく
は3〜25μmである。
【0027】熱膨張層13は、熱発泡剤15および数平
均分子量1,000〜30,000の樹脂バインダーを
主成分とする。
【0028】熱発泡剤15は、従来公知のもの、例え
ば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'ジニト
ロソ−N,N'ジメチルテレフタルアミド、P−トルエンス
ルホニルヒドラジド、ヒドラゾルカルボンアミド、P−
トルエンスルホニルアジド、アセトン−P−スルホニル
ヒドラゾン等の有機系発泡剤;重炭酸ナトリウム、炭酸
アンモニウム、重炭酸アンモニウム等の無機系発泡剤;
内部に低温で揮発する溶媒を含有した熱膨張性マイクロ
カプセル等が挙げられる。
【0029】本発明では、特に熱膨張性マイクロカプセ
ルが好ましく、低温で揮発する炭化水素を樹脂からなる
壁剤の内部に包含させたカプセル構造をとるものが好ま
しい。熱膨張性マイクロカプセルは、特定温度での加熱
によって未加熱状態の時の約約100倍程度にまで体積
が膨張するものを使用するとよい。熱膨張性マイクロカ
プセルに内包させる炭化水素としては、塩化メチル、臭
化メチル、トリクロロエタン、ジクロロエタン、n-ブタ
ン、n-ヘプタン、n-プロパン、n-ヘキサン、n-ペンタ
ン、イソブタン、イソヘプタン、ネオペンタン、石油エ
ーテル、フレオン等のフッ素原子を有する脂肪族炭化水
素、或いはこれら炭化水素の複数混合体等が挙げられ
る。熱膨張性マイクロカプセルの壁剤としては、塩化ビ
ニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、
メタクリル酸メチルアクリレート、メタクリル酸エチル
アクリレート、酢酸ビニル、或いはこれらの樹脂の共重
合体やブレンド物等が挙げられ、さらに必要に応じて架
橋剤を使用して架橋処理された樹脂バインダーを使用し
てもよい。
【0030】熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、直径
0.1μm〜50μm、好ましくは0.1μm〜30μ
m、更に好ましくは0.1μm〜6μmである。このよ
うな熱膨張性マイクロカプセルは、例えば松本油脂製薬
株式会社製造の”マツモトマイクロスフェアー”シリー
ズのF-20,F-30,F-30VS,F-40,F-50,F-80S,F-82,F-85,F-8
0VS,F-100 等や、日本フェライト株式会社製造の”エク
スパンセル”シリーズとして市販されている。本発明に
おいては、熱膨張性マイクロカプセルの粒径を小さくす
ることにより、転写した際のエッジ部の再現性に優れる
ものとでき転写抜けを防止することができ、また、50
μmを越えるとエッジ部の再現性に劣り、転写抜けが生
じる。
【0031】樹脂バインダーとしては、例えばフェノキ
シ樹脂、ポリ酢酸ビニルやポリアクリルエステル等のビ
ニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ア
クリル系樹脂、加硫ゴムや未加硫ゴム等のゴム系樹脂等
が挙げられる。ゴム系樹脂としては、例えば、クロロプ
レンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、合成イソプレ
ンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ス
チレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、
ポリイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、
塩素化ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴム等の未加硫ゴ
ム、或いは加硫ゴムが挙げられる。特に好ましい樹脂と
して、ポリエステル系樹脂やゴム系樹脂が挙げられる。
【0032】樹脂バインダーの数平均分子量は1,00
0〜30,000、好ましくは3.000〜25,00
0である。数平均分子量が1,000未満では、形成さ
れた立体画像は非常にもろく、欠けやつぶれを容易に生
じてしまう。またこのような低分子量バインダーは、熱
転写シートを用いて形成した画像を加熱発泡させて、盛
り上げ画像を形成する為に必要な約60℃から140℃
に加熱にすると軟化或いは溶融して粘性が非常に低下し
やすい。この為バインダーが被転写基材に染み込んでし
まったり、形成される画像の周囲に流れ出るおそれがあ
り、熱膨張性マイクロカプセルが被転写基材上に保持さ
れにくくなるという不都合を生じる。
【0033】また、点字画像等の盛り上げ画像の耐久性
への要求が非常に高度である場合は、樹脂バインダーの
分子量が大きい方が良好な盛り上げ画像を得ることが出
来、この為には樹脂バインダーの数平均分子量は好まし
くは3,000以上、特に好ましくは10,000以上
である。
【0034】また、被転写材に点字画像等の微細な盛り
上げ画像を熱転写する際、加熱が行なわれた箇所のみが
過不足無く転写することが正確な画像形成のためには極
めて重要であり、熱溶融型転写層が一定の熱転写シート
剥離条件下において任意に破断(箔切れ)しなければな
らない。この為に樹脂バインダーの数平均分子量は3
0,000以下、好ましくは25,000以下である。
【0035】熱膨張層における熱膨張性マイクロカプセ
ルの含有割合は、樹脂バインダー1重量部に対して1重
量部〜4重量部、好ましくは、1.5重量部〜2重量部
である。1重量部未満の場合は熱膨張層が十分に膨張せ
ず、4重量部を越えると盛り上げ画像部の耐久性が不足
してくる。
【0036】また、熱膨張層には、装飾性を目的とし
て、着色剤を添加することができる。好ましい染料とし
ては、赤色染料としてMS Red G、Macrolex Red Violet
R 、Ceres Red7B 、Samaron Red HBSL、Resolin Red F3
BS等が挙げられ、又、黄色染料としては、ホロンブリリ
アントイエロー6GL 、PTY-52、マクロレックスイエロー
6G等が挙げられ、又、青色染料としては、カヤセットブ
ルー714 、ワクソリンブルーAP-FW 、ホロンブリリアン
トブルーS-R 、MSブルー100 等が挙げられ、また、顔料
としては、カーボンブラック、富士色素(株)製のSP
シリーズ、三井東圧染料(株)製MGシリーズ、山陽色
素(株)製SANYO COLORシリーズが例示され
る。
【0037】着色剤を選択するにあたっては、熱膨張層
を基材フィルム上に塗布形成するにあたって支障をきた
さない範囲において任意に選ぶことが出来る。すなわち
熱膨張層の塗布に用いる溶媒又は分散媒に対して、均一
に溶解又は分散する着色剤から選ばれることが好まし
い。例えば熱膨張層が水を分散媒とする水分散体を塗布
して形成される場合、選択される着色剤は水に対して均
一に分散又は溶解するものの中から選ばれることが好ま
しく、グレーもしくは黒色に着色する為にはカーボンブ
ラックの水分散体を使用することが出来、有彩色に着色
する為には各々の色に対応する水溶性又は水分散性の有
機顔料又は無機顔料を使用することが出来る。同様に熱
膨張層が水と有機溶剤の混合液や、有機溶剤に、溶解ま
たは分散されたものである場合、着色剤はかかる溶媒又
は分散媒に対して均一に分散又は溶解するものの中から
選ばれることが好ましく、この場合も所望の色相、彩
度、明度に応じて任意の着色が可能であることはいうま
でもない。又、転写シート上に熱膨張層を形成した時点
では無色であるが、熱転写の為の熱エネルギーや発泡の
為の熱エネルギーが加えられることにより発色する層で
あっても良い。また、被熱転写シートにあらかじめ塗布
されているものと接触することにより発色するものであ
ってもよいし、加熱発泡させた画像を指で触ることで発
色或いは他の色に変化するものであってもかまわない。
【0038】着色剤として、熱膨張層形成材料に対して
不溶性の顔料を使用する場合、その粒径としては、直径
が0.01μm〜50μm、好ましくは0.01μm〜
8μmのものとするとよい。これにより、転写した際の
エッジ部の再現性により優れるものとでき、転写性に優
れるものとできる。
【0039】また、熱膨張層に良好な熱伝導性及び溶融
転写性を与える為に、熱良伝導性物質を熱膨張層に添加
することが出来る。この様な物質としては、銅やアルミ
ニウムや酸化錫や二硫化モリブデン等の、金属或いは金
属酸化物或いは金属硫化物よりなる粉末や微粉末やウイ
スカー、又はカーボンブラックなどの炭素質物質等が挙
げられる。
【0040】熱膨張層は、基材シートの一方の面に、上
記の如き熱膨張層形成材料を適当な有機溶剤及び/又は
水に溶解または分散させ、例えばグラビア印刷法、スク
リーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコー
ティング法等の形成手段により塗布及び乾燥することに
よって形成される。なお、樹脂バインダーが架橋可能な
場合には架橋剤や架橋反応促進触媒等の必要な添加剤を
加えてもよい。熱膨張層の乾燥後膜厚は10μm〜10
0μmが好ましく、20μm〜40μmであることが更
に好ましい。
【0041】次に、図3に示す剥離性調整層12につい
て説明する。本発明では上記基材シートと熱膨張層の間
に、必要に応じて剥離性調整層を設けてもよい。剥離性
調整層は、熱転写シートにより盛り上げ画像を形成する
際、画像形成の為の加熱手段により、加熱された箇所の
み熱膨張層が被転写体に接着して、その後は熱転写シー
トから接着部分のみ剥離させるための力を調整するため
に形成する。
【0042】基材シート面に直接、熱膨張層を設けた場
合は、熱転写後の剥離は基材シートと熱膨張層との間で
起こさせるが、剥離性調整層を設ける場合は、剥離調整
の目的達成に支障をきたさない範囲で、剥離性調整層と
熱膨張層との界面、または剥離性調整層の層内で剥離を
起こさせることができる。
【0043】剥離性調整層と基材シートの界面、または
剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合は、転写さ
れた熱膨張層の最表面に位置するように剥離性調整層形
成樹脂も転写されることになるため、剥離性調整層形成
樹脂は、熱膨張層の膨張性を阻害しない樹脂を選定する
ことが必要である。一方、剥離性調整層と熱膨張層の界
面で剥離を起こさせる場合、転写された熱膨張層の表面
に剥離性調整層形成樹脂が転写しない。このため、剥離
性調整層形成樹脂の選定に際して熱膨張層の膨張性への
配慮が不要となり、剥離性調整層と基材シートの界面、
および剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合に比
して、剥離性調整層と熱膨張層との界面で剥離を起こさ
せる手法の方が剥離性調整層の材料選定に対する自由度
が大きく好ましい。
【0044】剥離性調整層を形成するための樹脂として
は、例えばマイクロクリスタリンワックス、カルナウバ
ワックス、パラフィンワックス、フィシャートロプシュ
ワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロ
ウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワック
ス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性
ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコーン
ワックス等の種々のワックス類が挙げられる。或いはシ
リコーン樹脂;フッ素樹脂;アクリル樹脂;ポリカーボ
ネート樹脂;フェノキシ樹脂;また、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ポリマー;
ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エ
ステル、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー;
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹
脂;ポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;エチレ
ン、プロピレン等のオレフィン、またはオレフィンと他
のビニルポリマーとの共重合体;アイオノマー;セルロ
ースジアセテート、エチルヒドロキシエチルセルロース
等のセルロース樹脂等が挙げられ、特に好ましいのはポ
リメタクリル酸エステル系樹脂、ポリアクリル酸エステ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂である。
【0045】また、剥離性調整の目的達成のために、上
記樹脂を種々の架橋剤で架橋させることが可能である。
例えばイソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート;ジ
イソシアネートをトリメチロールプロパンに付加させた
アダクト体、ビューレット体、トリマー等のポリイソシ
アネート;エポキシ基やアジリジン基を有する架橋剤;
メラミン等の架橋剤;アルミニウム、亜鉛、チタン、ジ
ルコニウム等のキレート化剤を使用するが可能である。
剥離性調整層を架橋させる場合、それぞれの架橋反応に
応じて公知の触媒を使用することができ、例えばイソシ
アネートの反応にはジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ
オクトエ酸錫等の錫系触媒や、テトラメチルブタンジア
ミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブ
タンジアミン等のアミン系触媒や、1,4−ジアザ−ビ
シクロ〔2,2,2〕オクタン等を用いることができ
る。
【0046】剥離性調整層は、上記の剥離性調整層形成
樹脂を有機溶剤又は水に溶解または分散した後、グラビ
ア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバ
ースロールコーティング法等の形成手段により乾燥時、
0.1g/m2 〜1g/m2、好ましくは0.3g/m
2 〜0.7g/m2 で塗布形成されるとよい。剥離性調
整層は、複数層としてもよい。
【0047】図4に示す感熱接着層14について説明す
る。感熱接着層は、被熱転写シートに対しての接着性を
向上させることを目的する。
【0048】感熱接着層は、マイクロクリスタリンワッ
クス、パラフィンワックス、カルナバワックス等のワッ
クス類、アクリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、エ
チレン・プロピレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン
ゴム、ニトリルゴム、塩素化ブチルゴム等の合成ゴムや
天然ゴム等の未加硫ゴム、あるいは加硫ゴム、ポリ酢酸
ビニルやポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ
アミド等の熱可塑性樹脂を単独、または混合物を使用し
て形成するとよく、乾燥時0.1g/m2 〜5g/
2 、好ましくは1g/m2 〜3g/m2 で塗布される
とよい。なお、感熱接着層に任意の着色剤を添加してお
き、サーマルヘッド等の印字エネルギーを適宜調節する
ことにより、感熱接着層のみを転写するこも可能である
が、この場合には着色剤の添加量は接着性を損なわない
ようにすることが必要である。
【0049】また、図5に示す如く剥離調整層12と感
熱接着層14を同時に設けてもよい。
【0050】次に、図6〜図9に示す耐熱滑性層16
は、加熱手段としてサーマルヘッドを使用して記録する
場合に適するものである。
【0051】耐熱性樹脂としては、ウレタン樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が例示され
る。また、種々の熱可塑性樹脂を公知の架橋剤によって
架橋させることは樹脂の耐熱性を向上させたものでもよ
く、例えば熱可塑性樹脂の側鎖や分子末端に水酸基を有
する場合、ポリイソシアネート等の架橋剤を用いること
が出来る。架橋剤を使用する場合は、必要に応じて触媒
を使用するとよい。
【0052】耐熱滑性層は、耐熱性樹脂に滑剤を添加
し、有機溶剤または水に溶解、または分散した後、グラ
ビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリ
バースロールコーティング法等の形成手段により、乾燥
時0.9g/m2 〜1.1g/m2 で形成されるとよ
い。
【0053】次に、本発明に使用する被熱転写シートと
しては、カット状態や小巻状態やカード状態である種々
の紙類を使用することが出来る。その素材はセルロース
等の天然繊維に限定されず、ビニロンやナイロンやポリ
エステルやアクリルなどの合成繊維、ステンレス等の金
属繊維、アルミナやシリケート等の無機繊維、炭素繊
維、キチン繊維、キトサン繊維等を用いて抄き上げたも
の等いずれも使用することが出来る。天然繊維を用いた
紙類としては、例えば上質紙、中質紙、コピー用紙、ア
ート紙、コート紙、クラフト紙、ケント紙、板紙、図画
用紙、カード用紙、更紙、グラシン紙、新聞用紙、コン
デンサー紙等を挙げることができる。更に、種々の熱可
塑性樹脂を原料に用いて製造されたプラスチックフィル
ム類であるポリエチレンテレフタレートフィルムやポリ
塩化ビニールフィルムやポリエチレンナフタレートフィ
ルムやポリイミドフィルム、同じく熱可塑性樹脂類を抄
く工程を経ずに紙状に加工した合成紙類(例えば王子油
化製、ユポFPG−150)等も使用することが出来
る。また、ポリエチレンテレフタレートやポリ塩化ビニ
ールや厚紙を用いて製造されたカード類も用いることが
出来る。
【0054】本発明においては、熱転写シートと被熱転
写シートとは剥離可能に積層されて、記録に供される
が、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、
アイオノマー樹脂、ポリエチレンワックス、ポリオレフ
ィン等の弱粘着層を介して剥離可能に一体化させ、熱膨
張層転写工程、次いで発泡工程に付し、発泡させた後、
熱転写シートを剥離してもよい。この場合、熱転写装置
に熱転写シートと被熱転写シートとを別個に供給する必
要がなく、簡便化できる。
【0055】次に、本発明の盛り上げ画像形成装置、お
よび盛り上げ画像形成方法により得られる盛り上げ画像
形成物は、盛り上げ画像形成用熱転写シートにおける1
0μm〜100μmの膜厚の熱膨張層を、被熱転写シー
トに熱転写して、発泡させた段階で、膜厚を20μm〜
800μmのものとすることができるが、点字の場合に
は、特に、膜厚を250μm〜300μm程度に調整す
るとよい。このようにして得られる発泡を有する熱膨張
層は、5kg/cm2 以上の荷重に耐えることができ
る。
【0056】本発明の盛り上げ画像形成物は、エンボス
方式によるものとは異なり、盛り上げ画像が形成された
裏面に凹状の窪みが発生しないので、裏面における印字
情報を損なうことがなく、例えば金銭の支払い内容等を
記録したレシートの裏面や表面、通常の文字印刷が施さ
れた名刺の裏面や表面、更には磁気情報が記録されたプ
リペイドカードの表面、あるいは航空券や乗車券等の表
面や裏面に盛り上げ画像を印刷することが可能である。
特に、盛り上げ画像を点字とする場合には、裏面の晴眼
者用の墨字情報を損なうことなく、盛り上げ画像を形成
することができる。
【0057】また、発泡剤として熱膨張性マイクロカプ
セルを使用する場合、凸部の断面は、バインダー樹脂に
コートされたマイクロカプセルからなる不連続な気泡が
密に充填した構造になる為、高い弾力性を示し、また、
指触においてもつぶれにくく、変形に対する復元性が良
好であり、擦過性に優れるものである。
【0058】なお、本発明の盛り上げ画像形成物は、盛
り上げ画像を形成した後、さらに、金箔等の着色溶融イ
ンキ層を設けた熱転写シートを使用し、同様に盛り上げ
画像部等に金箔等の着色溶融インキ層を転写し、より装
飾性に優れるものとしてもよい。また、本発明の盛り上
げ画像形成物をスタンプ(ハンコ)として用いることも
可能である。
【0059】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
について更に具体的に説明する。なお、文中において
「部」は、特に断りの無い限り重量基準である。
【0060】
【実施例】
(盛り上げ画像形成用熱転写シートの作製)厚さ12μ
mのPETフイルムの一方の面に、下記の耐熱滑性層形
成塗工液をを乾燥時約1.0g/m2 の塗布量となるよ
うに塗布・乾燥し、加熱熟成して硬化処理し、耐熱滑性
層を形成した。
【0061】 ・ポリビニルブチラール樹脂(エスレニックBX−1、積水化学工業(株)製) ・・・・ 1.60部 ・ポリイソシアネート(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株 )製 ・・・・ 8.46部 ・燐酸エステル系界面活性剤(ペライサーフA208S、第一工業製薬(株)製 ) ・・・・ 1.36部 ・タルク(ミクロエースL−1、日本タルク製)・・・・ 0.32部 ・メチルエチルケトン ・・・・ 38.43部 ・トルエン ・・・・ 38.43部 次いで、PETフイルムの他方の面に、下記の組成の剥
離性調整層形成用塗工液をワイアバーで乾燥時0.3g
/m2 の割合で塗布し、ドライヤーで仮乾燥後、80℃
のオーブン中で1分乾燥して剥離性調整層を形成した。
【0062】 ・ ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン200) ・・・・ 20部 ・ トルエン ・・・・ 50部 ・ メチルエチルケトン ・・・・ 50部 更に、得られた剥離性調整層上に、下記組成の熱膨張層
形成用塗工液をワイアバーで乾燥時40g/m2 の割合
で塗布し、ドライヤーで仮乾燥後、80℃のオーブン中
で1分乾燥して熱膨張層を形成した。
【0063】 ・ ポリエステル(東洋紡績(株)製、バイロナールMD−1930) ・・・・ 10部 ・ 熱膨張性マイクロカプセル(日本フェライト(株)製、商品名「エクスパン セル」DU551−20、粒径2〜4μm、壁材:塩化ビニリデン−アクリロニ トリル共重合体、内包物:イソブタン) ・・・ 10部 ・水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 20部 また、熱膨張層上に、下記組成の感熱接着層形成用塗工
液をワイアバーで乾燥時3g/m2 の割合で塗布し、ド
ライヤーで仮乾燥後、80℃のオーブン中で1分乾燥し
て感熱接着層を形成し、本発明の盛り上げ画像形成用熱
転写シートを作製した。
【0064】 ・ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製MD−1930) ・・・・ 30部 ・水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 100部 (盛り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物)上
記で作製した盛り上げ画像形成用熱転写シートと厚さ1
50μm の上質紙とを重ね、熱転写シートの背面からサ
ーマルヘッド(KMT−85−6MPD2−HTV)を
用いて、ヘッド印加電圧12.0V、印字速度33.3
ms/lineの印字条件で加熱し、サーマルヘッドか
らの加熱により構成される約170μm四方の画素が直
径1mmの円を構成するように画像情報を制御し、直径
1mmの点画素を転写した。
【0065】次に、転写シートを被熱転写シートから剥
離したところ、転写パターンにおけるエッジ部も欠けが
なく、箔切れに優れ、転写性に優れるものであった。
【0066】発泡機構として使用するヒートロールとし
ては、内部に熱源としてヒーターを有する外径3cmの
アルミ管と外径3cmのゴムローラー(外面にゴム硬度
29度のウレタンゴム膜設けたもの)とからなり、タッ
チ圧を2kg/cm2 とし、アルミ管の表面温度、及び
回転速度を下記のごとく変化させ、印字部を有する被熱
転写シートを発泡させ、その発泡高さについて評価した
結果を下記の表1に示す。なお、評価結果における○印
は、高さが250μm以上であり、また、△は高さが1
00〜250μmのものである。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明の盛り上げ画像形成装置、および
盛り上げ画像形成方法は、点字プリンターとして特に目
に障害を有する人にとって安全性に優れるものであり、
また、エンボス法で厚紙に形成された一般の点字と同等
の点字高を容易に形成することができ、しかも、高い弾
力性を示し、また、指触においてもつぶれにくく、変形
に対する復元性が良好であり、擦過性に優れるものであ
る。
【0069】また、本発明の盛り上げ画像形成物は、エ
ンボス方式によるものとは異なり、盛り上げ画像が形成
された裏面に凹状の窪みが発生しないので、裏面におけ
る印字情報を損なうことがなく、例えば金銭の支払い内
容等を記録したレシートの裏面や表面、通常の文字印刷
が施された名刺の裏面や表面、更には磁気情報が記録さ
れたプリペイドカードの表面、あるいは航空券や乗車券
等の表面や裏面に盛り上げ画像を印刷することが可能で
ある。また、盛り上げ画像を点字とする場合には、裏面
の晴眼者用の墨字情報を損なうことなく、盛り上げ画像
を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る盛り上げ画像形成装置
を説明するための図である。
【図2】 図2は、本発明で使用する熱転写シートの一
実施例を示す断面図である。
【図3】 図3は、本発明で使用する熱転写シートの他
の一実施例を示す断面図である。
【図4】 図3は、本発明で使用する熱転写シートの他
の一実施例を示す断面図である。
【図5】 図5は、本発明で使用する熱転写シートの他
の一実施例を示す断面図である。
【図6】 図6は、本発明で使用する熱転写シートの他
の一実施例を示す断面図である。
【図7】 図7は、本発明で使用する熱転写シートの他
の一実施例を示す断面図である。
【図8】 図8は、本発明で使用する熱転写シートの他
の一実施例を示す断面図である。
【図9】 図9は、本発明で使用する熱転写シートの他
の一実施例を示す断面図である。
【符合の説明】
1は剛性ローラー、2はゴムローラー、3は発熱部、4
は被転写シート、5は発泡前の印字部、6は発泡印字
部、7は盛り上げ画像形成用熱転写シート、8はサーマ
ルヘッド等の加熱記録手段、Aは熱膨張層転写機構、B
は発泡機構、11は基材シート、12は剥離性調整層、
13は熱膨張層、14は感熱接着層、15は熱発泡剤、
16は耐熱滑性層である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平
    均分子量が1,000〜30,000の樹脂バインダー
    からなる熱膨張層を形成した熱転写シートをその熱膨張
    層面から被熱転写シートと対向配置し、前記熱転写シー
    トの背面より加熱手段により加熱して画像状に熱膨張層
    を被熱転写シートに転写する熱膨張層転写機構と、ヒー
    トロールにより被熱転写シートに転写された画像状の熱
    膨張層を発泡させる発泡機構とからなることを特徴とす
    る盛り上げ画像形成装置。
  2. 【請求項2】 ヒートロールが、発熱機構を内蔵した剛
    性ロールと該剛性ロールと円周面で摺接するゴムロール
    からなり、両ロール間に被熱転写シートを挟み、両ロー
    ルの回転により被熱転写シートを搬送可能とするもので
    あることを特徴とする請求項1記載の盛り上げ画像形成
    装置。
  3. 【請求項3】 ゴムロールにおけるゴム硬度が、20度
    〜70度であることを特徴とする請求項2記載の盛り上
    げ画像形成装置。
  4. 【請求項4】 盛り上げ画像が点字であることを特徴す
    る請求項1〜3のいずれか1項記載の盛り上げ画像形成
    装置。
  5. 【請求項5】 基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平
    均分子量が1,000〜30,000の樹脂バインダー
    からなる熱膨張層を形成した熱転写シートと、被熱転写
    シートとを対向させ、加熱手段により熱膨張層を被熱転
    写シートに画像転写した後、被熱転写シートにおける熱
    膨張層をヒートロールを使用して発泡させることを特徴
    とする盛り上げ画像形成方法。
  6. 【請求項6】 ヒートロールが、発熱機構を内蔵した剛
    性ロールと該剛性ロールと円周面で摺接するゴムロール
    からなり、両ロール間に被熱転写シートを挟み、両ロー
    ルの回転により被熱転写シートを搬送可能とするもので
    あり、剛性ロールの表面温度が80℃〜200℃である
    ことを特徴とする請求項5記載の盛り上げ画像形成方
    法。
  7. 【請求項7】 ヒートロールの回転速度が、1.6cm
    /sec〜10.0cm/secであることを特徴とす
    る請求項5、または請求項6記載の盛り上げ画像形成方
    法。
  8. 【請求項8】 ヒートロールのタッチ圧が0kg/cm
    2 〜5kg/cm2であることを特徴とする請求項5〜
    7のいずれか1項記載の盛り上げ画像形成方法。
  9. 【請求項9】 盛り上げ画像が点字であることを特徴す
    る請求項5〜8のいずれか1項記載の盛り上げ画像形成
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106994846A (zh) * 2015-10-01 2017-08-01 阿尔卑斯电气株式会社 图像形成方法、图像形成物的制造方法、及面板的制造方法
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JPWO2022154120A1 (ja) * 2021-01-18 2022-07-21

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