JP2018154057A - 印判およびその製造方法、ならびに台木付印判製造方法 - Google Patents

印判およびその製造方法、ならびに台木付印判製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の印影の印判を容易に製造することができるようにする。【解決手段】基材2とその上に積層した、所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層3とを備える熱膨張性シート10の表面に、印影の鏡像を黒色インクで印刷して光熱変換層5を形成し、熱膨張性シート10の表面に光を照射して光熱変換層5を発熱させることにより、熱膨張層3がその直下で膨張してこの領域の表面が隆起して、印面となって印判1が得られる。【選択図】図6

Description

本発明は、印判およびその製造方法に関する。
印判(印章、判子)の中でも登録して用いられる印鑑と異なり、印影が必ずしも不変でなくてよい、すなわち高い耐久性を必要としない、ゴム印や浸透印のようないわゆるスタンプは、例えば法人用であれば「FAX済」、○の中に「秘」等の定型文のものが大量生産されている。一方、独自の図案や固有名称またはこれらを定型文に組み合わせた印影等の印判は、手彫りによる作製以外では、主に印影の原稿に基づく受注生産によるため、いずれも早期入手が困難であり、また、紙等に押印された印影がイメージ通りになるとは限らない。そこで、印判を簡易に製造するための技術が開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1,2に記載された技術は、耐水性の基材上に感光性樹脂層を備えて印材とする。この印材にネガフィルムを介して太陽光等の紫外線を照射して、印影とする(スタンプ用のインク等を付着させる)領域における感光性樹脂層を硬化させる。その後、感光性樹脂層の非硬化部分を水等で洗い流して除去することにより、印面が形成される。ネガフィルムは、例えば透明なシートに印影の白黒反転パターンを印刷機で印刷したり(特許文献1)油性ペン等で描画したり、あるいは、片面全体に遮光性のスクラッチ層を被覆した透明なシートから、ニードル等でスクラッチ層を削り取って(特許文献2)作製される。
特許第3312947号公報 特開平7−144463号公報
特許文献1,2に記載された技術では、ネガフィルムを作製するために、印影の原稿を白黒反転させる必要があり、特に手作業による作製が困難である。また、感光性樹脂層を完全に硬化させるために十分な感光時間を要するが、一般的なインクジェット方式のプリンタで透明なシートにパターンを印刷した場合はインクの層が薄いので、感光時間が長いと感光性樹脂層の除去しようとする領域まで硬化してしまい、調整が困難である。
本発明の課題は、所望の印影の印判を容易に製造することができるようにすることである。
すなわち上記課題を解決するため、本発明に係る印判製造方法は、所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と前記熱膨張層が一面上に積層される基材とを備える熱膨張性シートの前記一面側に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で印影の鏡像を描画する印影描画ステップと、前記熱膨張性シートの前記一面側に前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記印影の鏡像が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記一面を隆起させる光照射ステップと、を行う。
また、本発明に係る別の印判製造方法は、所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と前記熱膨張層が一面上に積層される基材とを備える熱膨張性シートの他面側に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で印影の正像を描画する印影描画ステップと、前記熱膨張性シートの前記他面側に前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記印影の正像が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記一面を隆起させる光照射ステップと、を行う。
本発明に係る印判は、所定の温度以上に加熱されることにより膨張する熱膨張層を印面に備える構成とする。
本発明によれば、所望の印影の印判を容易に製造することができる。
本発明に係る印判の印影の外観図である。 本発明の第1の実施形態に係る印判およびその印材の構成を説明する模式図であり、(a)は印判の外観図、(b)は(a)のA−A線部分断面図、(c)は印材の断面図である。 本発明に係る印判を支持する台木の構成を説明する模式図であり、(a)は外観図、(b)は部分断面図である。 印判の製造に使用する装置の概要を説明する断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る印判の製造方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る印判の製造方法における工程を説明する模式図であり、(a)は光熱変換層形成工程における平面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)、(d)は光照射工程における断面図で(a)のB−B線断面図に相当する。 本発明の第2の実施形態に係る印判の構成を説明する模式図であり、(a)は外観図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は裏側の外観図である。 本発明の第2の実施形態に係る印判の製造方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る印判の印材の構成、および印判の製造方法における工程を説明する模式図であり、(a)は印材の断面図であり、(b)は光熱変換層形成工程、(c)は基材固定工程、(d)は光照射工程のそれぞれにおける断面図で、図7(a)のC−C線断面図に相当する。
以下、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための印判を例示するものであって、以下に限定するものではない。図面に示す部材は、説明を明確にするために、大きさや位置関係等を誇張していることがあり、また、形状を単純化していることがある。また、以下の説明において、同一のまたは同質の部材や工程については、同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
〔第1の実施形態:印判〕
本発明の第1の実施形態に係る印判の構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明に係る印判の印影の外観図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る印判およびその印材の構成を説明する模式図であり、(a)は印判の外観図、(b)は(a)のA−A線部分断面図、(c)は印材の断面図である。本明細書において、印判とは、凸状の領域が面一な凹凸を片面(印面)に有するシート状の部材であり、専ら、台木(印台)に固定されて使用される。
第1の実施形態に係る印判1は、図1に示す印影iを押印する。印影iは、湾曲した紙の図柄、詳しくは表側の面が黒色の紙、および紙の表面上(紙の輪郭線の内側)の白抜きの「FAXED」の文字で構成され、黒色で表した領域が、所望の色のインク等(以下、スタンプインク)で紙等の被押印物に転写される。印影は、黒色(黒地)の領域および白色(白地)の領域が、それぞれの所定の幅wTMIN,wBMIN(図2(b)参照)以上に設計される。なお、図1に一点鎖線で表す枠は、印判1において印面形成の可能な領域(図2(a)の印面領域1i)を表し、すなわち、この枠に内包される寸法に印影が設計される。
印判1はシート状の部材であり、図2(a)に示すように、平面形状が横長の長方形で、印面となる一方の面(表面)に、灰色の光熱変換層5が図1に示す印影iの鏡像の形状に被覆し、この光熱変換層5が被覆した領域が隆起して凹凸を形成されている。この印影の鏡像(光熱変換層5)は、印判1の周縁の所定幅を除いた内側の印面領域1iに設けられる。そして、印判1は、図2(b)に示すように、基材2と、基材2上の全面に設けられた熱膨張層3と、熱膨張層3上の全面に設けられたインク受容層4と、インク受容層4上(表面)に部分的に設けられた光熱変換層5と、からなり、熱膨張層3が、上にインク受容層4を介して設けられた光熱変換層5の略直下において他の領域よりも厚く、上面が隆起しているために、前記したように表面に凹凸を形成されている。印判1は、隆起した領域が同一平面にあり、すなわち光熱変換層5が同一平面にある。印判1の、この面一に隆起した面を頂面と称する。なお、本明細書においては、別途記載のない限り、図2(b)、(c)およびその他の断面図における上下を同じく上下とし、すなわち印面を上に向けて説明する。印判1は、図2(c)に示す熱膨張性シート10を印材として製造される。
〔熱膨張性シート〕
印判1に用いられる熱膨張性シート10の構成について、図2(c)を参照して以下に説明する。熱膨張性シート10は、一様な厚さのシート状の部材で、基材2と、基材2上の全面に均一な厚さに設けられた熱膨張層3と、熱膨張層3上の全面に均一な厚さに設けられたインク受容層4と、を備える。熱膨張性シート10は、表面に光熱変換層5を、または裏面に光熱変換層5A(図7参照)を、それぞれ構成する黒色インクを、あるいはさらに表面に色インクを印刷されるための被印刷物であり、本発明に係る印判に限られず、表面に凹凸を有する立体造形物を製造するためのものを流用することができる。このような熱膨張性シート10は、印判1以上の寸法であればよく、光熱変換層5を形成するための印刷機に対応した寸法とし、例えばA4用紙サイズである。
(基材)
基材2は、軟質な熱膨張層3を表面で支持して、熱膨張性シート10を被印刷物として十分な、また、熱膨張層3が部分的に膨張したときに、皺を生じたり大きく波打ったりしない程度の強度(剛性)を有し、また、耐熱性を有する。本明細書において、耐熱性とは、印判1の製造における温度、特に熱膨張層3を膨張させるための加熱温度に対する耐熱性を指す。具体的には、基材2は、厚口の紙等からなる。
(熱膨張層)
熱膨張性シート10の熱膨張層3は、印判1の印材の主要部材である。熱膨張層3は、部分的に膨張することにより、印判1の表面に凹凸を形成する。このような熱膨張層3は、立体造形物を製造する公知の熱膨張性シートに適用される、熱膨張性のマイクロカプセルを含有し、熱可塑性樹脂をバインダとして基材2上に均一な厚さt0に形成された膜である。マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成され、揮発性溶媒を内包し、前記熱可塑性樹脂や揮発性溶媒の種類にもよるが、約80℃以上に加熱されると、加熱温度、さらには加熱時間に応じた大きさに膨張する。すなわち、印判1は、熱膨張性シート10の熱膨張層3が加熱された領域で限定的に発泡して、気泡によって膨張して厚さが増大し、その結果、基材2に固定されていない熱膨張層3の上面がインク受容層4ごと隆起して、表面に凹凸が形成される。熱膨張層3へのこのような部分的な加熱は、熱膨張性シート10の表面に形成された黒色インクからなる光熱変換層5(図2(b)参照)、または後記の変形例のように、熱膨張性シート10の裏面(基材2の裏面)に形成された同じく黒色インクからなる光熱変換層5A(図7参照)が、光を変換して熱を放出することによって行われる。熱膨張層3は、熱膨張性シート10の用途によっては地色を白くするように、酸化チタン等の白色顔料を含有していてもよい。熱膨張層3は、最大で膨張前の10倍程度の厚さに膨張し、所望の凹凸差に応じて、膨張前の熱膨張性シート10における、すなわち膨張させない領域(底面)における厚さt0が設計される。
(インク受容層)
インク受容層4は、熱膨張層3が一般に疎水性で膨張前においてインクを付着させ難いことから、光熱変換層5を構成する黒色インク等を付着させるために、熱膨張性シート10の最表面に設けられる。インク受容層4は、一般的なインクジェットプリンタ印刷用紙に使用されるものが適用され、空隙にインクを吸収させる多孔質のシリカ、アルミナや、膨潤してインクを吸収する高吸水性ポリマー等からなる。
熱膨張性シート10は、当該熱膨張性シート10よりも大きな寸法の基材2の原紙(巻取り紙等)の表面に、膨張前の熱膨張層3を形成し、さらにこの熱膨張層3上にインク受容層4を形成して、断裁機等で所定の寸法に断裁されて製造される。熱膨張層3、インク受容層4は、それぞれの材料を溶媒に混合、分散させたスラリーを、バーコーター方式等の公知の塗布装置で一定の厚さに塗布し、乾燥させて形成される。
印判1の構成に戻り、各要素について、熱膨張性シートにないもの、異なるものについて説明する。基材2は、平面での形状を除いて熱膨張性シート10と同様である。インク受容層4は、熱膨張層3の上面の変形に追随して被覆している。
(熱膨張層)
熱膨張層3は印判1の主要部品であり、前記したように、印判1の印面(表面)に凹凸を形成するように厚さが領域毎に異なる膜である。熱膨張層3は、印判1の表面の光熱変換層5を形成された領域(頂面)において、最も厚くかつ均一な厚さtTである。また、熱膨張層3は、光熱変換層5を形成されていない領域(底面)は、好ましくは膨張前の厚さt0であるが、厚さが均一でなくてよい。熱膨張層3は、狭い間隔で離間した光熱変換層5,5に挟まれた領域が、その両側の光熱変換層5,5によってその直下で膨張して上面が隆起する際に、引き上げられるように隆起する。したがって、熱膨張層3は、幅が一定未満の底面においては狭いほど厚くなり、前記一定以上の幅の底面においては膨張しないので均一な厚さt0になる。熱膨張層3の底面の最大厚さtBMAXは、頂面との段差(tT−tBMAX)に基づいて、印判1の表面にスタンプインクを付着させて紙等の被押印物に押印したときに、特に頂面において軟質な熱膨張層3が潰されて、厚さtBMAXの底面が被押印物に接触してスタンプインクを転写することのない値に設定される。一方、熱膨張層3は、膨張高さ(tT−t0)が大きいと、光熱変換層5の端の直下において厚さtTに到達せず頂面の端からの立下りが丸くなるので、印判1でスタンプインクを転写される黒地の領域が小さくなり、また、幅の狭い頂面を形成するのが困難になって、印影に細い線等を用いることができない。また、熱膨張層3は、膨張高さ(tT−t0)が大きくなるにしたがい、熱可塑性樹脂材料にもよるが、頂面において軟らかくなるため、印判1で転写される印影の形状が押圧に大きく依存し易く、特に線状等の幅の狭い頂面から転写された像が歪み易く、また、底面の狭い領域でも両側の頂面からスタンプインクが転写されて白抜きが潰され(消え)易い。そのため、印影に細い(狭い)線および白抜きの線等を用いることができない。言い換えると、印影の線が太く、押圧によってある程度変形して転写されてもよい場合には、熱膨張層3の膨張高さ(tT−t0)を大きく設計することができる。このような印判1は、頂面が軟質であるので、例えば被押印物の表面にある程度の凹凸があっても印影を押印し易い。
このことから、熱膨張性シート10の熱膨張層3の材料や厚さt0に基づいて、印影(光熱変換層5)の黒地の領域の最小幅wTMINにおいても熱膨張層3が膨張する厚さtTに設計し、同時に、白地の領域の最小幅wBMINにおける熱膨張層3の厚さtBMAXが、底面における所定の厚さ以下となるように設計される。または、熱膨張性シート10の熱膨張層3の膨張前後の厚さt0,tTが予め設定されてこれに基づいて、印影の黒地の領域および白地の領域の最小幅wTMIN,wBMINが設計される。なお、印判1の印面領域1i外においては、熱膨張層3が膨張していない(厚さt0である)ことが好ましい。
(光熱変換層)
光熱変換層5は、前記したように、印判1の表面に、図1に示す印影iの鏡像の形状に形成されている。光熱変換層5は、特定の波長域の光、例えば近赤外線(波長780nm〜2.5μm)を吸収して、熱に変換して放出する層であり、光熱変換成分として具体的にはカーボンブラックを含有する、一般的な印刷用の黒色(K)インク等の印刷材料からなる。光熱変換層5は、濃淡、すなわちカーボンブラックの濃度(黒色濃度)に応じて光を照射されたときの発熱温度が変化し、この温度に応じて膨張前の熱膨張層3を膨張させて、印判1の表面に凹凸を形成する。本実施形態において、光熱変換層5は、一様な濃度の灰色で印刷されている。光熱変換層5の黒色濃度は、熱膨張性シート10の熱膨張層3の仕様(膨張温度、上限温度等)および膨張前後の厚さt0,tT、光の照射量(光の強度、照射時間)等に応じて設定される。なお、本明細書において、「光」とは、別途記載のない限り、光熱変換層5のカーボンブラックによって熱に変換される近赤外線とする。
(台木)
印判1を支持する台木の構成について、図3を参照して説明する。図3は、本発明に係る印判を支持する台木の構成を説明する模式図であり、(a)は外観図、(b)は部分断面図である。台木は、一般的なゴム印等に使用されるものであり、印判1と同じかそれよりも大きな平坦な面を有した、手で把持し易い形状で、前記平坦な面にゴム等のシート状、薄板状の印判を接触させた状態で支持する。本実施形態に係る印判1は、前記したように厚口の紙からなる基材2に軟質な熱膨張層3等が積層されて、全体で可撓性を有するので、台木の平坦な面に裏面(基材2の裏面)を対面させて固定されることによって、頂面を面一な状態に支持されて使用される。ここでは、印判1を支持する台木8は、印判1の取付け、取外しの容易な交換可能な構造を有する。台木8は、概形が、印判1よりも一回り大きな長方形を底面とする角柱(直方体)であり、本体81と、前記底面の一方(上面)に設けられて本体81に着脱自在な枠体82と、を備える。なお、図3(b)において、印判1は、基材2および熱膨張層3のみを示す。
本体81は、例えばABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合樹脂)で形成され、軽量化のために中空である。本体81は、印判1を載置する平坦な面(載置面)を有し、この面に、印判1を挟んで蓋をするように枠体82を被せられる。また、本体81は、載置面において、印判1がはみ出さないように、載置した印判1を囲うように縁が全周にわたって突設している。枠体82は、底面の中央に大きな孔を空けられた浅い箱型であり、前記底面が、印判1の輪郭(図3(a)に破線で表す)を覆い、かつ孔から印面領域1iの全体を露出させる長方形の枠形である。言い換えると、印判1は、枠体82の底面の外周よりも小さく、かつ内周(孔)よりも大きい寸法に外形が設計され、また、内周よりも小さい印面領域1iに設計される。枠体82は、底面の板厚が、熱膨張層3の膨張高さ(tT−t0)未満であり、(tBMAX−t0)以下であることが好ましい。このような板厚の底面であれば、印判1が周縁の印面領域1i外で本体81の載置面に押さえ付けられて固定された状態において、枠体82の底面の外面(上面)に対して印判1の頂面が突出しているので、押印の妨げにならない。また、枠体82は、対向する側面の一方が蝶番82hで本体81に連結し、他方が本体81に設けた凹みと嵌合して固定されるように内面に爪を突設されている(図示省略)。枠体82は、このような形状で十分な強度を得られる材料で形成されればよく、本体81と同じ樹脂や、金属板等が適用される。また、台木8は、蝶番82hが印影の上下を識別する目印(当たり)とすることができる。
台木8は、枠体82の底面(上面)における内面と本体81の載置面との間隙が、熱膨張性シート10の厚さ(印判1の熱膨張層3の膨張前の厚さ)以下に、好ましくは熱膨張性シート10の厚さよりも僅かに(熱膨張層3の膨張前の厚さt0未満の差で)狭くなるように構成される。あるいは、台木8は、シート状のクッション材83を本体81の載置面上に備えて、枠体82の底面の内面までの間隙を熱膨張性シート10の厚さよりも狭くする。クッション材83は、枠体82の底面の孔(内周)よりも大きく、好ましくは印判1以上の寸法であり、本体81の載置面に接着剤等で貼り合わされていてもよいし、印判1と共に本体81と枠体82に周縁で挟まれるだけで固定されてもよい。このような構造の台木8により、印判1は、台木8に固定されたときに、周縁の印面領域1i外における熱膨張層3が枠体82の底面で押し潰され、また、クッション材83が設けられている場合は同じく押し潰されて、熱膨張層3やクッション材83の弾性によって、本体81の載置面と枠体82との間に強固に固定され、接着剤等を要しない。したがって、台木8は、同一外形(寸法)の様々な印影の印判1を付け替えて使用することができる。
〔第1の実施形態:印判の製造方法〕
(印判の製造装置)
本発明に係る印判の製造に使用する装置について、図4を参照して簡潔に説明する。図4は、印判の製造に使用する装置の概要を説明する断面図である。印判1の製造には、熱膨張性シート10に光熱変換層5を印刷する印刷機(図示省略)、熱膨張性シート10に近赤外線を照射することにより光熱変換層5を加熱して熱膨張層3を膨張させる光照射装置9、印判1の形状に切り出す鋏やカッターナイフのような刃物または打抜き機等が使用される。
印刷機は、黒色インクで光熱変換層5を印刷する印刷機であり、被印刷物が熱膨張層3の熱膨張温度以上(例えば80℃程度以上)に加熱されない方式とし、オフセット、インクジェット等の公知のものを適用することができる。さらに印刷機は、印刷品質、生産形態(大量生産、少量生産)、被印刷物である熱膨張性シート10の寸法および厚さ等に応じた仕様のものを適用する。
光照射装置9は、熱膨張性シート10の光熱変換層5を形成した表面に光を照射して、熱膨張層3を加熱させる装置である。詳しくは、光照射装置9は、印刷機のようにシート状の被照射物を一方向に搬送する搬送機構93と、光熱変換層5によって熱に変換される近赤外線を含む光を放射する光源91と、反射板92と、当該光照射装置9を冷却する冷却器(図示省略)と、を主に備える。光源91は、例えばハロゲンランプであり、被照射物へその全幅にわたって設けられる。反射板92は、光源91から被照射物へ光を効率的に照射するために、略半円柱の柱面形状の曲面に形成されて内側に鏡面を有し、光源91の被照射物と対向する側の反対側を覆う。冷却器は、空冷方式のファンや水冷方式のラジエータ等であり、反射板92の近傍に設けられる。搬送機構93は、熱膨張性シート10が熱膨張層3の膨張に伴って反る等の変形を抑制するために、搬送ローラや前後のローラに張架された搬送ベルトが上下一組で熱膨張性シート10を両面から把持して搬送する。また、搬送機構93は、光を遮ったり熱膨張層3の膨張を妨げないように、少なくとも光を照射される領域および熱膨張層3の膨張が進行する領域においては、例えば搬送幅方向の両縁のみを把持する。図4において、搬送機構93は、光を照射される領域を挟んで搬入側と搬出側とに設けられた搬送ローラであり、搬入側(図中、左側)においては熱膨張性シート10を全幅にわたって把持するように軸方向に長く、搬出側(図中、右側)においては2つに分離されて両縁のみを把持する。
本発明の第1の実施形態に係る印判の製造方法について、図5、図6、ならびに適宜図2および図3を参照して説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る印判の製造方法の流れを示すフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施形態に係る印判の製造方法における工程を説明する模式図であり、(a)は光熱変換層形成工程における平面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)、(d)は光照射工程における断面図で(a)のB−B線断面図に相当する。図5に示すように、本実施形態に係る印判の製造方法は、熱膨張性シート10の表面に光熱変換層5を形成する光熱変換層形成工程S11と、熱膨張性シート10の表面に光を照射する光照射工程S13と、熱膨張性シート10を切断して所望の形状に加工する切断工程S14と、を順に行う印判製造工程S10によって印判1を製造するものであり、その後、必要に応じて、印判1を台木に取り付ける台木取付工程S21を行う。
(光熱変換層形成工程)
光熱変換層形成工程S11において、図6(a)、(b)に示すように、熱膨張性シート10の表面(インク受容層4上)に、印影i(図1参照)の鏡像のパターンの光熱変換層5を黒色インクで印刷する。このとき、光熱変換層5と同時に、印判1の外形(輪郭)に一致する切取線6を印刷することができる。切取線6は、黒色インクを用いず、一般的な印刷用のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色インクのような、実質的に光吸収性のない印刷材料で印刷することが好ましい。切取線6は、後続の光照射工程S13で、当該切取線6を印刷された領域において熱膨張層3を膨張させることのないように、光熱変換層5と比較して光熱変換効率が大幅に低く、そのために、光熱変換層5を印刷するための黒色インクよりも光熱変換成分濃度の低い印刷材料を選択する。したがって、4色(CMYK)以上に対応した印刷機を用いて、光熱変換層5と切取線6を同時に印刷する。また、切取線6は、図6(a)では破線状に形成されているがこれに限られず、後続の切断工程S14で目印として視認することができればよい。このような切取線6が光熱変換層5と同時に印刷されるように、光熱変換層5(印影の鏡像)の印刷用データは切取線6を含むものとする。
(光照射工程)
光照射工程S13において、熱膨張性シート10の光熱変換層5を印刷した側の面(表面)に、光照射装置9を用いて光を照射する。光が光熱変換層5に入射し、吸収されると熱に変換され、図6(c)に示すように、熱膨張性シート10は、熱膨張層3が、光熱変換層5の黒色濃度に対応した温度に加熱されて膨張して、表面がインク受容層4と共に隆起して凹凸を形成される。ここでは、光熱変換層5の黒色濃度は一様であるため、熱膨張層3が光熱変換層5を被覆した領域において一定の厚さtTになる。熱膨張層3の加熱温度は当該熱膨張層3の材料にもよるが、約80℃以上とし、光熱変換層5の黒色濃度に対応して100〜120℃の範囲における温度に設定することが好ましい。このような温度に変換される量の光が光熱変換層5に入射するように、光照射装置9の光源91の出力や搬送速度を設定する。
(切断工程)
切断工程S14において、図6(c)に示す熱膨張層3が膨張した熱膨張性シート10を、表面の切取線6を目印に、一点鎖線で表した所定の位置で切り出して印判1を得る。切取線6が光吸収性の実質的にない色インクで印刷されていることにより、図6(c)に示すように、この部分で熱膨張層3が隆起せず、鋏等による作業の妨げにならない。印判1の加工は、印判1の輪郭の形状に対応した打抜き機で打抜き加工してもよく、また、本実施形態に係る印判1の外形は長方形であるので輪郭を1辺ずつ断裁機で切断することもできる。
(台木取付工程)
台木取付工程S21において、台木8の枠体82を開いて、本体81の載置面に裏面(基材2の裏面)を向けて印判1を載置して、枠体82で周縁を挟んで固定する。なお、必要に応じて、本体81と印判1の間にクッション材83を敷く。
本発明に係る印判の製造方法では、熱膨張性シート10において、印刷機による印刷可能領域と光照射装置9により均一な光を照射される領域との共通の領域内であれば、印判1を形成することができる。したがって、1枚の熱膨張性シート10に複数個の印判1を同時に形成してもよい。具体的には、所望の印影の鏡像を前記領域内に複数配列した印刷用データを準備し、光熱変換層形成工程S11において、このデータを用いてこれらの印影(鏡像)を配列した光熱変換層5を印刷する。前記データには、印影毎に切取線6のデータを組み入れることが好ましい。その後、前記と同様に光照射工程S13において、熱膨張性シート10の光熱変換層5を印刷された全領域に均一に光を照射して、熱膨張層3を膨張させる。そして、切断工程S14において、熱膨張層3が膨張した熱膨張性シート10から印判1を1つずつ切り出す。このような方法によれば、複数の印判1を、材料、工程数の両方において効率的に製造することができる。
1枚の熱膨張性シート10で同時に製造する複数個の印判1は、同じ印影でもよいし、異なる印影でもよい。ただし、光照射工程S13で照射される光量は同一であるので、これに対応した光熱変換層5の黒色濃度等に設定する。さらに、同じ印影の鏡像に対して、黒色濃度および黒地、白地の各線幅を少しずつ変えた光熱変換層5のパターンを配列して印刷してもよい。これにより、イメージ通りまたはより近い印影を転写することのできる印判1を、光熱変換層形成工程S11、光照射工程S13の各一回の処理で得ることができる。
光熱変換層形成工程S11において熱膨張性シート10に印刷される切取線6は、前記したように光照射工程S13で熱膨張層3を膨張させなければよく、このような十分に低い光熱変換効率となるのであれば、切取線6を黒色インクで低い黒色濃度に(淡く)印刷することもできる。あるいは、切断工程S14で切断の妨げにならない程度の小さい膨張高さであれば、切取線6を印刷された領域において熱膨張層3が膨張してもよく、切取線6を、目印として視認可能な程度に低い黒色濃度に印刷してもよい。さらに、切取線6は、黒色濃度と線幅(光熱変換層5の最小幅wTMIN未満)の組合せによって、視認可能としつつ熱膨張層3の膨張高さを抑えることができる。切取線6を、光熱変換層5と同様に黒色インクで、かつ光熱変換層5よりも低濃度の黒色濃度で印刷することにより、光熱変換層形成工程S11において黒色一色に対応した印刷機を使用して、切断工程S14における目印を熱膨張性シート10に形成することができる。
光熱変換層形成工程S11において、切取線6に代えて、黒色インクで切取補助線5c(図6(d)参照)を印刷してもよい。切取補助線5cは、印判1の輪郭よりも僅かに外側に線状(実線)に描画されることが好ましい。切取補助線5cにより、光照射工程S13で、図6(d)に示すように、熱膨張層3が切取補助線5cの直下において膨張して、印判1の輪郭(図中、一点鎖線で表す)の僅かに外側で塀状に隆起する。ここでは、切取補助線5cの線幅が光熱変換層5の最小幅wTMINよりも狭いため、この領域の厚さは頂面の厚さtTよりも小さい。このように塀状に隆起した内側の側壁にカッターナイフ等を当てて切断することにより、設計した印判1の輪郭に沿って正確な位置で切断される。また、切取補助線5cによって熱膨張層3の膨張した部分が印判1から切り離されるので、膨張高さにかかわらず切取補助線5cが印影と共に転写されることがない。または、切取補助線5cは、印判1の輪郭よりも僅かに内側に描画されてもよい。この場合には、印判1は、周縁において表面が隆起しているが、この隆起した部分を、台木取付工程S21で、台木8の枠体82で押し潰すように固定されればよい。切取補助線5cは、光熱変換層5と同様に黒色インクで印刷するので、光熱変換層形成工程S11において黒色一色に対応した印刷機を使用することができる。
(変形例)
印判1は、表面の光熱変換層5に加えて、裏面(基材2の裏面)にも所望の像を印刷されていてもよい(図示せず)。例えば、裏面に印影の正像を印刷されていることによって、印判1は、印影を容易に視認することができ、台木8に取り付ける際の取り違え等を防止することができる。そのために、光照射工程S13よりも前に、光熱変換層形成工程S11と同様に印刷機で、熱膨張性シート10の裏面に印影の正像を印刷する。この場合には、熱膨張性シート10の表面に切取線6を印刷せずに、印影の正像と共に切取線を裏面に印刷してもよい。なお、この熱膨張性シート10の裏面への印刷は、光熱変換層形成工程S11の前後どちらで行ってもよい。熱膨張性シート10の裏面に印刷される印影の正像および切取線は、切取線6と同様、黒色インクを用いず、一般的な印刷用の色インクで印刷することが好ましい。あるいは、熱膨張性シート10の裏面に黒色インクで印影の正像等を印刷してもよいが、光照射工程S13で、光が熱膨張層3および基材2を透過して裏面に印刷された黒色インクに到達しても、熱膨張層3の膨張に影響しないような十分に低い黒色濃度とする。なお、印判1の裏面に色インクで(または黒色インクで淡く)印刷されるパターンは、印影の正像や切取線の他に、印判1に関する注釈(例えば、印影の上側を示す三角形、「持出禁止」の文字等)であってもよい。
印判1は、表面の光熱変換層5のように、裏面にも黒色インクで高い黒色濃度に印影の正像を印刷されていてもよい(図示せず)。熱膨張性シート10の表面に印影の鏡像(光熱変換層5)を、裏面に印影の正像を、それぞれ黒色インクで印刷されていることにより、光照射工程S13で、表面の光熱変換層5で吸収されなかった一部の光が、熱膨張層3および基材2を透過して裏面に印刷された黒色インクに到達して吸収され、熱に変換されて熱膨張層3の膨張を増幅させる。したがって、熱膨張層3の膨張高さ(tT−t0)、すなわち印判1の頂面と底面の段差を大きくすることができる。このような印影の正像は、表面から見て光熱変換層5と完全に重複するように、言い換えれば表面と裏面とに熱膨張性シート10を挟んで対称に黒色インクのパターンが形成されるように、位置合わせの精度よく印刷されることが好ましい。
印判1は、表面の光熱変換層5で被覆されていない領域、すなわち底面にオーバーコート層を被覆してもよい(図示せず)。オーバーコート層は、印刷面の美観を向上させるための、通常のインク(黒色インク、色インク)で印刷された上を被覆する透明なインクであり、スタンプインクの付着し難い(はじき易い)材料が選択される。印判1は、このようなオーバーコート層を設けることにより、転写された印影のスタンプインクの滲みが抑制される。オーバーコート層は、光照射工程S13の前に、熱膨張性シート10の表面に印刷されればよく、光熱変換層形成工程S11で、透明なインクに対応した印刷機を用いて、光熱変換層5と同時に印刷することが好ましい。
前記実施形態においては、A4用紙サイズ等の熱膨張性シート10に対して光照射工程S13にて光を照射して熱膨張層3を膨張させた後に、切断工程S14で印判1を切り出しているが、印判1または1つの印判1を内包する小さな寸法に切り出した熱膨張性シート10に対して光を照射してもよい。すなわち、光照射工程S13の前に切断工程S14を行う。また、光照射工程S13において、被照射物が小さく、光照射装置9の搬送機構93で把持することが困難である場合、1つの印判1の表面全体に同時に均一な強さの光を照射することのできる光照射装置を用いることが好ましい。このような光照射装置は、搬送機構が不要であり、例えば普通はがき大の領域で均一な強さの光を照射するように構成した光源および反射板、ならびに被照射物を固定する載置台を備える。載置台は、光で加熱され難いように、光を透過するガラス板等が好ましい。例えば、光を下方へ照射するように光源および反射板を配置し、その下にガラス板を水平に固定する。また、前記光照射装置は、タイマー機能および光源の出力調整機能の少なくとも一方を備えて、光を設定した時間だけ照射したり、所望の強さに設定して照射することが好ましい。熱膨張性シート10に光を照射する際には、熱膨張性シート10を、表面を上に向けて載置台上に載置し、クリップ等で周縁部(印面領域1i外)を載置台と共に把持したり、剥離可能な接着剤等で裏面を載置台に貼り付けて固定して、熱膨張層3の膨張に伴って反る等の変形を抑制することが好ましい。
光熱変換層5は、印刷機を用いずに形成することもできる。光熱変換層形成工程S11において、例えば、黒色インクのフェルトペン、墨汁と筆、鉛筆等の筆記具で、手描きにて熱膨張性シート10の表面に印影の鏡像を形成する。筆記具は、一定の黒色濃度で描画でき、また、熱膨張層3が軟質であるので筆圧の高くないものが好ましく、具体的にはフェルトペンが好ましい。光熱変換層5を描画する前に、熱膨張性シート10の表面に色インクのフェルトペン等で下描きしてもよい。あるいは、印影の正像を描画したトレーシングペーパー等を裏返して、熱膨張性シート10の表面にカーボン紙で転写して下描きとしてもよい。また、印刷機を用いないので、光熱変換層形成工程S11の前に切断工程S14を行って、熱膨張性シート10を印判1の外形に切断してもよい。
印判1は、枠体82のない台木の載置面に接着して固定されてもよい。すなわち、台木取付工程S21において、印判1を裏面(基材2の裏面)で台木に貼り合わせて固定する。貼り合わせる手段は特に限定されず、基材2と台木の材料に対応した接着剤や両面テープ等を適用することができる。台木は、木材や樹脂等の必要な強度を有する材料からなり、印面(印影)の上側を識別するための目印(当たり)が付されていてもよい。また、裏面に印影の正像を印刷した印判1は、透明なアクリル樹脂製の台木に貼り付けられることにより、印影が視認可能となる。このような方法で台木に固定されることで、印判1は、特に外形の大きなものであっても、中央が台木の載置面から浮き上がること等なく、印面全体が平坦に支持される。また、印判1は、周縁も含めて表面全体が露出しているので、端まで印面領域1iを設けられていてもよい。
印判1は、印面を平坦にして台木に固定されなくてもよい。基材2の厚さや剛性等にもよるが、印判1はある程度の可撓性を有し、円柱の柱面等の可展面に変形させることができるので、被押印物の形状に対応した載置面を有する台木に接着して固定されてもよい。また、例えば、印判1は、持ち手に回転自由に軸支された円筒形の台木に一周するように貼り付けられて、ローラースタンプとして、印判1の印影を繰り返し帯状に連続して転写することができる。
〔第2の実施形態:印判〕
第1の実施形態に係る印判の製造方法においては印影の鏡像を形成する必要があるが、正像を形成して印影を押印する印判を製造することもできる。以下、第2の実施形態に係る印判について、図1および図7を参照して説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る印判の構成を説明する模式図であり、(a)は外観図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は裏側の外観図である。前記実施形態(図1〜6参照)と同一の要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
第2の実施形態に係る印判1Aは、図1に示す、第1の実施形態に係る印判1と同じ印影iを押印する。印判1Aは、印判1と同様、平面形状が横長の長方形のシート状の部材であり、図3に示すように、台木に固定されて使用される。印判1Aは、図7(a)に示すように、表面が、湾曲した紙の形状に膨張し、さらにこの膨張した領域内で、「FAXED」の鏡文字の形状に凹んでいる。すなわち、印判1Aは、図2(a)、(b)に示す印判1と同様の表面形状を有する。印判1Aは、図7(b)に示すように、光透過基材22と基材21とが接着層23を挟んで積層されてなる基材2Aと、基材2A上(基材21上)の全面に設けられた熱膨張層3と、光透過基材22と基材21の界面(基材21の下面)に部分的に設けられた光熱変換層5Aと、からなり、熱膨張層3が、光熱変換層5Aの基材21を介した略直上において他の領域よりも厚く、上面(表面)が隆起しているために、表面に凹凸を形成されている。光透過基材22および接着層23が光を透過するので、印判1Aは、図7(c)に示すように、裏面に光熱変換層5Aが視認される。光熱変換層5Aが形成された領域で熱膨張層3が隆起しているので、印判1Aの裏面から見た光熱変換層5Aは、図7(a)に示す印判1Aの印面(表面)の鏡像、すなわち図1に示す印影iの正像である。なお、図7(c)は、図7(a)に対して上下対称に示しているため、光熱変換層5Aが180°回転して表される。印判1Aは、図9(a)に示す熱膨張性シート10Aを印材として製造される。
(熱膨張性シート)
印判1Aに用いられる熱膨張性シート10Aの構成について、図9(a)を参照して以下に説明する。図9(a)は、本発明の第2の実施形態に係る印判の印材の構成を説明する断面図である。熱膨張性シート10Aは、一様な厚さのシート状の部材で、基材21と、基材21上の全面に均一な厚さに設けられた熱膨張層3と、を備える。熱膨張性シート10Aは、裏面に光熱変換層5Aを構成する黒色インクを印刷されるための被印刷物であり、熱膨張性シート10と同様、光熱変換層5Aを形成するための印刷機に対応した寸法とし、例えばA4用紙サイズである。
基材21は、熱膨張性シート10の基材2と同様に、耐熱性を有し、軟質な熱膨張層3を表面で支持して、熱膨張性シート10Aを被印刷物として十分な強度を有する一方、裏面に形成される光熱変換層5Aが放出した熱を、当該基材21における面方向への拡散を抑えて熱膨張層3に伝播させ易いように、前記強度が確保される程度に厚さが小さいことが好ましい。また、基材21は、裏面にインクを印刷することのできる材料とし、具体的には、一般的な印刷用紙等からなる。
熱膨張層3は、膨張の前後のそれぞれについて、第1の実施形態と同様の構造である。なお、本実施形態に係る印判1Aおよびその印材である熱膨張性シート10Aは、表面にインク受容層4を備えなくてよい。第1の実施形態にて説明したように、熱膨張層3は、膨張前においてインクを付着させ難い。しかし、膨張して気泡を有する多孔質になるとインクを吸収するので、印判1Aは、頂面においては表面にスタンプインクが付着し、一方、表面の頂面以外の領域すなわち底面にはスタンプインクが付着し難いので、転写された印影のスタンプインクの滲みが抑制される。ただし、熱膨張性シート10Aは、熱膨張性シート10と同様に表面にインク受容層4を備えてもよく、特に、熱膨張層3の構造や、印判1Aにおける熱膨張層3の膨張高さ等によって、膨張後の熱膨張層3の表面にスタンプインクが十分に付着しない場合には、インク受容層4を備える構成とする。
光透過基材22は、熱膨張性シート10Aを、熱膨張層3を膨張させる前に、その裏面で貼り合わせてこれを支持することにより、熱膨張層3が部分的に膨張したときに、皺を生じたり大きく波打ったりしないようにする。そのために、光透過基材22は、十分な強度を有し、少なくとも熱膨張性シート10Aよりも高い剛性を有する。さらに、光透過基材22は、耐熱性を有し、また、熱膨張性シート10Aの裏面に印刷された光熱変換層5Aに光が照射されるように、光を透過する材料からなる。一方、光透過基材22は厚過ぎると、印判1Aの形状に切断することが困難になる。このような光透過基材22は、例えば、OHPシート等に用いられるポリエステル等からなる耐熱性の樹脂フィルムを適用することができる。
接着層23は、熱膨張性シート10A(基材21)と光透過基材22とを貼り合わせる接着剤であり、詳しくは、基材21の裏面およびこの裏面に印刷された光熱変換層5Aと、光透過基材22の表面と、を貼り合わせる。接着層23は、基材21および光透過基材22に対応した公知の材料を適用することができ、さらに、熱膨張層3が部分的に膨張したときに、基材21が追随して変形しようとして光透過基材22から剥離することのない強い粘着性、十分な耐熱性、および光透過性を有するものが好ましく、これらの条件を満足するものであれば、例えば両面テープ等でもよい。
光熱変換層5Aは、熱膨張性シート10Aの裏面に印影の正像で形成されること以外は、第1の実施形態に係る印判1の光熱変換層5と同様の構成である。すなわち、光熱変換層5Aは、熱膨張層3が所定の厚さtTに膨張するように黒色濃度や線幅の最小値wTMINが設計され、また、光熱変換層5A,5Aに挟まれた間隙において熱膨張層3が厚さtBMAXを超えないように最小値wBMINが設計される(図2(b)参照)。
〔第2の実施形態:印判の製造方法〕
本発明の第2の実施形態に係る印判の製造方法について、図8および図9を参照して説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る印判の製造方法の流れを示すフローチャートである。図9(b)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る印判の製造方法における工程を説明する模式図であり、(b)は光熱変換層形成工程、(c)は基材固定工程、(d)は光照射工程のそれぞれにおける断面図で、図7(a)のC−C線断面図に相当する。図8に示すように、本実施形態に係る印判の製造方法は、熱膨張性シート10Aの裏面に光熱変換層5Aを形成する光熱変換層形成工程S11Aと、熱膨張性シート10Aの裏面に光透過基材22を貼り合わせる基材固定工程S12と、熱膨張性シート10Aの裏面に光を照射する光照射工程S13Aと、熱膨張性シート10Aを切断して所望の形状に加工する切断工程S14と、を順に行う印判製造工程S10Aによって印判1Aを製造するものであり、その後、必要に応じて、印判1Aを台木に取り付ける台木取付工程S21を行う。以下、第2の実施形態に係る印判1Aを製造する各工程について、特に第1の実施形態に係る印判1を製造する工程と相違する工程を詳細に説明する。なお、第2の実施形態に係る印判の製造に使用する装置は、第1の実施形態にて説明したものを使用することができる。
(光熱変換層形成工程)
光熱変換層形成工程S11Aにおいて、図9(b)に示すように、熱膨張性シート10Aの裏面(基材21の裏面上)に、印影i(図1参照)の正像のパターンの光熱変換層5A(図7(c)参照)を黒色インクで印刷する。このとき、第1の実施形態の光熱変換層形成工程S11と同様、光熱変換層5Aと同時に、印判1Aの外形(輪郭)に一致する切取線6Aを印刷することができる。切取線6Aは、第1の実施形態の切取線6と同様に、色インクのような、黒色インクよりも光熱変換成分濃度の低い印刷材料で印刷することが好ましい。また、熱膨張性シート10Aの裏面に、切取線6Aの他に、第1の実施形態の変形例で説明した印判1Aに関する注釈を色インクで印刷してもよい。
(基材固定工程)
基材固定工程S12において、図9(c)に示すように、熱膨張性シート10Aの裏面に光透過基材22を接着層23で貼り合わせる。この段階で、光透過基材22は、熱膨張性シート10Aと同じまたはそれよりも大きく、光照射装置9に対応した寸法とする。また、熱膨張性シート10Aと光透過基材22を貼り合わせた後に、必要に応じて、断裁して端を切り落として光照射装置9に対応した寸法に加工してもよい。
(光照射工程)
光照射工程S13Aにおいて、熱膨張性シート10Aの光透過基材22を貼り合わせた側(裏面)に光照射装置9を用いて光を照射する。光を照射する面以外は、第1の実施形態の光照射工程S13にて説明した通りである。光が光透過基材22および接着層23を透過して光熱変換層5Aに吸収されて熱に変換されると、この熱が厚さ方向に基材21を経由して熱膨張層3に伝播して、図9(d)に示すように、熱膨張性シート10Aは、熱膨張層3が加熱されて膨張して、表面が隆起して凹凸を形成される。
(切断工程)
切断工程S14において、図9(d)に示す熱膨張層3が膨張した熱膨張性シート10Aおよびこれに貼り合わされた光透過基材22を、裏面から視認される切取線6Aを目印に、第1の実施形態と同様に、一点鎖線で表した所定の位置で切り出して印判1Aを得る。
(台木取付工程)
台木取付工程S21において、印判1Aを、第1の実施形態と同様に、台木8(図3参照)に取り付けて、またはその他の所望の台木に貼り付ける等して固定する。特に、本実施形態に係る印判1Aは、裏面に印影の正像である光熱変換層5Aが光透過基材22を透過して視認されるので、透明なアクリル樹脂製の台木に貼り付けられることにより、印影が視認可能となる。
光熱変換層形成工程S11Aにおいて、切取線6Aを、黒色インクで、目印として光透過基材22越しに視認可能な程度に、かつ熱膨張層3が膨張しないような低い(淡い)黒色濃度に印刷してもよい。切取線6Aを、光熱変換層5Aと同様に黒色インクで、かつ光熱変換層5Aよりも低濃度の黒色濃度で印刷することにより、光熱変換層形成工程S11Aにおいて黒色一色に対応した印刷機を使用することができる。あるいは、切取線6Aに代えて、黒色インクで、図6(d)に示す切取補助線5cと同様に、印判1Aの輪郭よりも僅かに外側に切取補助線を印刷してもよい。光熱変換層5Aと共に黒色インクで熱膨張性シート10Aの裏面に印刷した切取補助線により、熱膨張性シート10Aの表面が印判1Aの輪郭に沿って隆起するので、切断工程S14において目印となり、カッターナイフや断裁機等を使用する場合に、平坦な裏面を下に向けて載置して作業することができる。
(変形例)
光照射工程S13Aの前に切断工程S14を行ってもよい。また、基材固定工程S12において、予め印判1Aの外形に加工された光透過基材22を熱膨張性シート10Aに貼り合わせてもよい。このとき、熱膨張性シート10Aを印判1Aの外形に切断してから光透過基材22と貼り合わせてもよいし、先に光透過基材22を貼り合わせて、光透過基材22の外形に沿って熱膨張性シート10Aを切断してもよい。これらの場合、第1の実施形態の変形例にて説明したように、印判1Aの裏面全体に同時に光を照射することのできる光照射装置を用いることが好ましい。光を下方へ照射する前記光照射装置の場合、熱膨張性シート10Aの裏面を上に向けて光透過基材22をガラス板(載置台)の下面に接触させて、クリップ等で周縁部を把持する等して固定する。また、光透過基材22が予め印判1Aの外形に加工されている場合には、耐熱性と高い強度を有するポリカーボネート板等を適用することができる。熱膨張性シート10Aは、このような光透過基材22に貼り合わされることにより、光照射工程S13Aで光照射装置の載置台に固定されなくても変形しない。また、このような高い強度の光透過基材22により、印判1Aは印面が平坦に保持されているので、そのまま、あるいはつまみ状の持ち手を裏面(光透過基材22)の中央部に接着する等して、使用することができる。
光熱変換層5Aは、第1の実施形態の光熱変換層5と同様、印刷機を用いずに手描き等で熱膨張性シート10Aの裏面(基材21の裏面)に形成することもできる。特に本実施形態では、光熱変換層5Aがそのまま印影の正像となるので、文字等を描画することが容易である。また、印影を黒色インクや黒色トナー等で印刷、複写された紙を、熱膨張性シート10Aの裏面に接着剤等で貼り付けてもよい。この印刷された紙は、基材21と同様、熱を伝達させ易いように厚さが小さいことが好ましい。また、印刷された紙は、印影の黒地の領域があればよいので、印判1Aの外形や印面領域1i(図2(a)参照)よりも小さく切り出したものでもよく、さらには2以上に分離した紙で1つの印影を構成してもよい。これらの場合、光熱変換層形成工程S11Aの前に切断工程S14を行って、熱膨張性シート10Aを印判1Aの外形に切断してもよい。
印判1Aは、印材に第1の実施形態の熱膨張性シート10(図2(c)参照)を用いてもよく、この場合には光透過基材22が不要であり、基材固定工程S12を行わない。熱膨張性シート10の基材2は厚さが大きいため、光照射工程S13Aにおいて、裏面に形成した光熱変換層5Aから放出された熱が、基材2を経由して熱膨張層3に伝播する際に、厚さ方向だけでなく面方向へも拡散する。その結果、熱膨張性シート10を印材とする印判1Aは、光熱変換層5Aの端の直上近傍において厚さtTに到達せず頂面の端からの立下りが丸くなる傾向がある。したがって、細い(狭い)線および白抜きの線等の微細なパターンの印影を得ることが困難である。一方で、熱膨張性シート10を印材とする印判1Aは、工程数が少なく、立体造形物を製造するための熱膨張性シート10を流用して簡易に製造することができるので、例えば太字のフェルトペン等で描画したような粗いパターンの印影を押印する印判を速やかに得るために好適である。
以上のように、本発明によれば、所望の印影の印判が容易にかつ速やかに得られる。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
《請求項1》
所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの前記一面側に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で印影の鏡像を描画する印影描画ステップと、
前記熱膨張性シートの前記一面側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記印影の鏡像が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記一面を隆起させる光照射ステップと、を行うことを特徴とする印判製造方法。
《請求項2》
所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの他面側に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で印影の正像を描画する印影描画ステップと、
前記熱膨張性シートの前記他面側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記印影の正像が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記一面を隆起させる光照射ステップと、を行うことを特徴とする印判製造方法。
《請求項3》
前記印影描画ステップよりも後のステップであり、かつ、前記光照射ステップよりも前のステップとして、前記熱膨張性シートの前記他面側に、前記光照射ステップで照射する光を透過する光透過基材を貼り付ける基材固定ステップを行うことを特徴とする請求項2に記載の印判製造方法。
《請求項4》
前記光照射ステップよりも前のステップとして、前記熱膨張性シートの他面側に前記印影の正像を描画する表示印影描画ステップを行うことを特徴とする請求項1に記載の印判製造方法。
《請求項5》
前記熱膨張性シートを切断して所望の形状に加工する切断ステップをさらに行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の印判製造方法。
《請求項6》
前記切断ステップを前記印影描画ステップよりも後に行い、
前記切断ステップで切断される切断線を、前記印影描画ステップで描画することを特徴とする請求項5に記載の印判製造方法。
《請求項7》
前記印影描画ステップおよび前記表示印影描画ステップよりも後のステップとして、前記熱膨張性シートを切断して所望の形状に加工する切断ステップを行い、
前記切断ステップで切断される切断線を、前記表示印影描画ステップで描画することを特徴とする請求項4に記載の印判製造方法。
《請求項8》
前記切断線を、前記印影描画ステップで前記印影を描画するために用いられる前記印刷材料よりも光熱変換成分濃度が低濃度な印刷材料で描画することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の印判製造方法。
《請求項9》
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の印判製造方法を行って印判を製造する印判製造ステップと、台木に他面側を向けて前記印判を固定する台木取付ステップと、を行うことを特徴とする台木付印判製造方法。
《請求項10》
請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の印判製造方法を行って印判を製造する印判製造ステップと、台木に他面側を向けて前記印判をその周縁に接触させた枠体で固定する台木取付ステップと、を行い、
前記印判製造ステップは、前記切断ステップで前記枠体に対応させた外形に加工して前記印判を製造することを特徴とする台木付印判製造方法。
《請求項11》
所定の温度以上に加熱されることにより膨張する熱膨張層を印面に備えることを特徴とする印判。
《請求項12》
前記熱膨張層上にインク受容層を有し、印面の凸状の領域に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分が付着している請求項11に記載の印判。
10,10A 熱膨張性シート
1,1A 印判
2 基材
21 基材
22 光透過基材
3 熱膨張層インク受容層
4 インク受容層
5,5A 光熱変換層
5c 切取補助線
6,6A 切取線
8 台木
i 印影
S10,S10A 印判製造工程
S11,S11A 光熱変換層形成工程
S12 基材固定工程
S13,S13A 光照射工程
S14 切断工程
S21 台木取付工程

Claims (12)

  1. 所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの前記一面側に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で印影の鏡像を描画する印影描画ステップと、
    前記熱膨張性シートの前記一面側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記印影の鏡像が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記一面を隆起させる光照射ステップと、を行うことを特徴とする印判製造方法。
  2. 所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの他面側に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で印影の正像を描画する印影描画ステップと、
    前記熱膨張性シートの前記他面側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記印影の正像が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記一面を隆起させる光照射ステップと、を行うことを特徴とする印判製造方法。
  3. 前記印影描画ステップよりも後のステップであり、かつ、前記光照射ステップよりも前のステップとして、前記熱膨張性シートの前記他面側に、前記光照射ステップで照射する光を透過する光透過基材を貼り付ける基材固定ステップを行うことを特徴とする請求項2に記載の印判製造方法。
  4. 前記光照射ステップよりも前のステップとして、前記熱膨張性シートの他面側に前記印影の正像を描画する表示印影描画ステップを行うことを特徴とする請求項1に記載の印判製造方法。
  5. 前記熱膨張性シートを切断して所望の形状に加工する切断ステップをさらに行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の印判製造方法。
  6. 前記切断ステップを前記印影描画ステップよりも後に行い、
    前記切断ステップで切断される切断線を、前記印影描画ステップで描画することを特徴とする請求項5に記載の印判製造方法。
  7. 前記印影描画ステップおよび前記表示印影描画ステップよりも後のステップとして、前記熱膨張性シートを切断して所望の形状に加工する切断ステップを行い、
    前記切断ステップで切断される切断線を、前記表示印影描画ステップで描画することを特徴とする請求項4に記載の印判製造方法。
  8. 前記切断線を、前記印影描画ステップで前記印影を描画するために用いられる前記印刷材料よりも光熱変換成分濃度が低濃度な印刷材料で描画することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の印判製造方法。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の印判製造方法を行って印判を製造する印判製造ステップと、台木に他面側を向けて前記印判を固定する台木取付ステップと、を行うことを特徴とする台木付印判製造方法。
  10. 請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の印判製造方法を行って印判を製造する印判製造ステップと、台木に他面側を向けて前記印判をその周縁に接触させた枠体で固定する台木取付ステップと、を行い、
    前記印判製造ステップは、前記切断ステップで前記枠体に対応させた外形に加工して前記印判を製造することを特徴とする台木付印判製造方法。
  11. 所定の温度以上に加熱されることにより膨張する熱膨張層を印面に備えることを特徴とする印判。
  12. 前記熱膨張層上にインク受容層を有し、印面の凸状の領域に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分が付着している請求項11に記載の印判。
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