JPH10129134A - 盛り上げ画像形成用熱転写シート、盛り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物 - Google Patents

盛り上げ画像形成用熱転写シート、盛り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物

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JPH10129134A
JPH10129134A JP8285125A JP28512596A JPH10129134A JP H10129134 A JPH10129134 A JP H10129134A JP 8285125 A JP8285125 A JP 8285125A JP 28512596 A JP28512596 A JP 28512596A JP H10129134 A JPH10129134 A JP H10129134A
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Japan
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transfer sheet
thermal
raised image
expansion layer
thermal expansion
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JP8285125A
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English (en)
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Yoshihiro Sawa
良裕 澤
Keiji Hirose
恵二 広瀬
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、転写と同時に所望の立体化を実現
することができる盛り上げ画像形成用熱転写シート、盛
り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物の提供を
課題とする。 【解決するための手段】 本発明の盛り上げ画像形成用
熱転写シートは、基材シート1の一方の面に必要に応じ
て離型層を介し、熱発泡剤と数平均分子量が1,000
〜30,000の樹脂バインダーからなる熱膨張層3を
形成したものであり、また、盛り上げ画像形成方法は、
熱転写シートと被熱転写シートとを対向させ、凹凸形状
により印字パターンを形成したホットスタンプにより前
記熱転写シート背面から熱圧し、熱転写シートにおける
熱膨張層を被熱転写シート上に熱転写すると同時に転写
された熱膨張層を発泡させ盛り上げ画像を形成させるも
のであり、盛り上げ画像形成物は被熱転写シート上に、
熱転写すると同時に転写された熱膨張層を発泡させた盛
り上げ画像を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雑誌、本、名刺、
手帳、アルバム、布地等に盛り上げ画像や立体画像を形
成するのに適した盛り上げ画像形成用熱転写シート、盛
り上げ画像形成方法及び盛り上げ画像形成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、雑誌、本、名刺、手帳、アルバ
ム、布地等に装飾等を目的とした立体画像や点字等を形
成するにあたって、紙等を裏面より押圧変形させて形成
する「エンボス法」が採用されているが、このようなエ
ンボス法によると、盛り上げ画像を形成できるだけの厚
みを持った紙を使用することが必要であり、コピー用紙
などの厚さが100μmに満たない紙や布に盛り上げ画
像を印刷形成することはできなかった。また、エンボス
法によると盛り上げ画像部とは反対の面に凹状のくぼみ
を発生させるため、その凹状面には通常の印字、印刷等
を施すことを困難にする、または印字切れ等を生じると
いう問題がある。
【0003】特開平1−238984号公報、特開平8
−175029号公報には、熱発泡剤を含有する熱溶融
性転写層を設けた熱転写シートを用いて、サーマルヘッ
ド等で画像状に転写し、転写の際の熱エネルギー又は転
写後に再び加熱することによって、転写画像を膨張さ
せ、立体性を向上させる技術が知られているが、サーマ
ルヘッドを使用した熱エネルギーでは転写時または転写
した後の均一加熱によってもその発泡性が低く、また、
発泡性が低いと盛り上げ画像としての効果がなく、また
発泡しすぎると盛り上げ部が潰れるといった問題があ
り、発泡性を制御することが困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、転写
と同時に所望の立体化を実現することができる盛り上げ
画像形成用熱転写シート、盛り上げ画像形成方法および
盛り上げ画像形成物の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の盛り上げ画像形
成用熱転写シートは、基材シートの一方の面に熱膨張層
を形成した熱転写シートと被熱転写シートとを対向さ
せ、凹凸形状により印字パターンを形成したホットスタ
ンプにより前記熱転写シート背面から熱圧し、熱転写シ
ートにおける熱膨張層を被熱転写シート上に熱転写する
と同時に転写された熱膨張層を発泡させ盛り上げ画像を
形成させる上記熱転写シートにおいて、該熱膨張層が熱
発泡剤と数平均分子量が1,000〜30,000の樹
脂バインダーからなるものであることを特徴とする。
【0006】上記の熱転写シートが、基材シート上にワ
ックスとゴム系樹脂とからなる離型層を介して熱膨張層
を形成したものであることを特徴とする。
【0007】上記の熱発泡剤が、易揮発性炭化水素を内
包する熱膨張性マイクロカプセルであって、その粒径が
0.1μm〜50μmであることを特徴とする。
【0008】上記の熱膨張層が、数平均分子量が1,0
00〜30,000の樹脂バインダー1重量部に対して
熱発泡剤1重量部〜4重量部の割合からなるものである
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明の盛り上げ画像形成方法は、
基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平均分子量が1,
000〜30,000の樹脂バインダーからなる熱膨張
層を形成した熱転写シートと被熱転写シートとを対向さ
せ、凹凸形状により印字パターンを形成したホットスタ
ンプにより前記熱転写シート背面から熱圧し、該熱膨張
層を被熱転写シート上に熱転写すると同時に被熱転写シ
ート上の熱膨張層を発泡させて盛り上げ画像を形成する
ことを特徴とする。
【0010】上記のホットスタンプの印圧温度が100
℃〜200℃であり、印圧時間が0.5秒〜1.5秒で
あることを特徴とする。
【0011】また、本発明の盛り上げ画像形成物は、基
材シートの一方の面に熱発泡剤と数平均分子量が1,0
00〜30,000の樹脂バインダーからなる熱膨張層
を形成した熱転写シートと被熱転写シートとを対向さ
せ、凹凸形状により印字パターンを形成したホットスタ
ンプにより前記熱転写シート背面から熱圧し、該熱膨張
層を被熱転写シート上に熱転写すると同時に被熱転写シ
ート上の熱膨張層を発泡させて盛り上げ画像部を形成し
た後、熱転写シートを剥離除去して得られる盛り上げ画
像形成物において、前記熱膨張層の膜厚が10μm〜1
00μmであって、かつ、盛り上げ画像部が熱膨張層の
2倍〜8倍の高さに形成されたものであることを特徴と
する。
【0012】上記の盛り上げ画像形成物における画像が
点字であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の盛り上げ画像形成用熱転
写シートの断面模式図を図1〜図8に示す。図中、1は
基材シート、2は離型層、3は熱膨張層、4は感熱接着
層、5は熱発泡剤、6は耐熱層である。
【0014】本発明の盛り上げ画像形成用熱転写シート
は、図1に示す様に、基材シート1の一方の面に熱発泡
剤5及び樹脂バインダーからなる熱膨張層3を設けたも
のである。また、図2に示す様に基材シート1と熱膨張
層3の間に離型層2を設けるとよく、或いは図3に示す
様に、熱膨張層3の最上層に感熱接着層4を設けてもよ
い。更に、図4に示す様に、離型層2、及び感熱接着層
4を共に設けてもよい。また、図5〜図8は、図1〜図
4に示す熱転写シートの背面にそれぞれ耐熱層6を設け
たものである。
【0015】基材シート1は、従来の熱転写シートに使
用されているものと同じ基材シートをそのまま用いるこ
とができ、特に制限されないが、好ましくはポリエステ
ル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢
酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロ
ン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル
コール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラ
スチックフィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の
紙類、不織布などがあり、又、これらを複合した基材シ
ートであっても良い。上記基材シートの厚さは、その強
度及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変
更することが出来るが、2μm〜100μm、好ましく
は3〜25μmである。
【0016】熱膨張層3は、熱発泡剤5および数平均分
子量1,000〜30,000の樹脂バインダーを主成
分とする。
【0017】熱発泡剤5は、従来公知のもの、例えば、
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、
ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'ジニトロソ
−N,N'ジメチルテレフタルアミド、P−トルエンスルホ
ニルヒドラジド、ヒドラゾルカルボンアミド、P−トル
エンスルホニルアジド、アセトン−P−スルホニルヒド
ラゾン等の有機系発泡剤;重炭酸ナトリウム、炭酸アン
モニウム、重炭酸アンモニウム等の無機系発泡剤;内部
に低温で揮発する溶媒を含有した熱膨張性マイクロカプ
セル等が挙げられる。
【0018】本発明では、特に熱膨張性マイクロカプセ
ルが好ましく、低温で揮発する炭化水素を樹脂からなる
壁剤の内部に包含させたカプセル構造をとるものが好ま
しい。熱膨張性マイクロカプセルは、特定温度での加熱
によって未加熱状態の時の約約100倍程度にまで体積
が膨張するものを使用するとよい。熱膨張性マイクロカ
プセルに内包させる炭化水素としては、塩化メチル、臭
化メチル、トリクロロエタン、ジクロロエタン、n-ブタ
ン、n-ヘプタン、n-プロパン、n-ヘキサン、n-ペンタ
ン、イソブタン、イソヘプタン、ネオペンタン、石油エ
ーテル、フレオン等のフッ素原子を有する脂肪族炭化水
素、或いはこれら炭化水素の複数混合体等が挙げられ
る。熱膨張性マイクロカプセルの壁剤としては、塩化ビ
ニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、
メタクリル酸メチルアクリレート、メタクリル酸エチル
アクリレート、酢酸ビニル、或いはこれらの樹脂の共重
合体やブレンド物等が挙げられ、さらに必要に応じて架
橋剤を使用して架橋処理された樹脂バインダーを使用し
てもよい。
【0019】熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、直径
0.1μm〜50μm、好ましくは0.1μm〜30μ
m、更に好ましくは0.1μm〜6μmである。このよ
うな熱膨張性マイクロカプセルは、例えば松本油脂製薬
株式会社製造の”マツモトマイクロスフェアー”シリー
ズのF-20,F-30,F-30VS,F-40,F-50,F-80S,F-82,F-85,F-8
0VS,F-100 等や、日本フェライト株式会社製造の”エク
スパンセル”シリーズとして市販されている。本発明の
盛り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物におい
ては、熱膨張性マイクロカプセルの粒径を小さくするこ
とにより、ホットスタンプにより転写した際のエッジ部
の再現性に優れるものとでき転写抜けを防止することが
できるものである。なお、粒径が50μmを越えるとエ
ッジ部の再現性に劣り、転写抜けが生じる。
【0020】樹脂バインダーとしては、例えばフェノキ
シ樹脂、ポリ酢酸ビニルやポリアクリルエステル等のビ
ニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ア
クリル系樹脂、加硫ゴムや未加硫ゴム等のゴム系樹脂等
が挙げられる。ゴム系樹脂としては、例えば、クロロプ
レンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、合成イソプレ
ンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ス
チレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、
ポリイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、
塩素化ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴム等の未加硫ゴ
ム、或いは加硫ゴムが挙げられる。特に好ましい樹脂と
して、ポリエステル系樹脂やゴム系樹脂が挙げられる。
【0021】樹脂バインダーの数平均分子量は1,00
0〜30,000、好ましくは3.000〜25,00
0である。数平均分子量が1,000未満では、形成さ
れた立体画像は非常にもろく、欠けやつぶれを容易に生
じてしまう。またこのような低分子量バインダーは、熱
転写シートを用いて形成した画像を加熱発泡させて、盛
り上げ画像を形成する為に必要な約60℃から140℃
に加熱にすると、軟化或いは溶融することにより粘性が
非常に低下しやすい。この為バインダーが被転写基材に
染み込んでしまったり、形成される画像の周囲に流れ出
るおそれがあり、熱膨張性マイクロカプセルが被転写基
材上に保持されにくくなるという不都合を生じる。
【0022】また、点字画像等の盛り上げ画像の耐久性
への要求が非常に高度である場合は、樹脂バインダーの
分子量が大きい方が良好な盛り上げ画像を得ることが出
来、この為には樹脂バインダーの数平均分子量は好まし
くは3,000以上、特に好ましくは10,000以上
である。
【0023】また、被転写材に点字画像等の微細な盛り
上げ画像を熱転写する際、加熱が行なわれた箇所のみが
過不足無く転写することが正確な画像形成のためには極
めて重要であり、熱溶融型転写層が一定の熱転写シート
剥離条件下において任意に破断(箔切れ)しなければな
らない。この為に樹脂バインダーの数平均分子量は3
0,000以下、好ましくは25,000以下である。
【0024】熱膨張層における熱膨張性マイクロカプセ
ルの含有割合は、樹脂バインダー1重量部に対して1重
量部〜4重量部、好ましくは、2重量部〜3重量部であ
る。1重量部未満の場合は熱膨張層が十分に膨張せず、
4重量部を越えると盛り上げ画像部の耐久性が不足して
くる。
【0025】本発明においては、ホットスタンプを使用
して熱転写シートにおける熱膨張層を被熱転写シートに
転写するものであるが、ホットスタンプの熱圧条件の関
係で、熱膨張層における熱膨張性マイクロカプセルの粒
径とその含有割合が重要であり、熱膨張性マイクロカプ
セルの粒径を小さくし、特に好ましくは、0.1μm〜
6μmの範囲のものとすることにより、ホットスタンプ
により転写した際のエッジ部の再現性に優れ、転写抜け
を防止することができ、かつ、含有量を多くし、樹脂バ
インダー1重量部に対して、特に好ましくは、2重量部
〜3重量部とすることにより、熱膨張層の膨張性と共に
盛り上げ画像部の耐久性に優れるものとできるものであ
る。
【0026】なお、熱膨張層には、装飾性を目的とし
て、着色剤を添加することができる。好ましい染料とし
て、赤色染料としてMS Red G、Macrolex Red Violet R
、CeresRed7B 、Samaron Red HBSL、Resolin Red F3BS
等が挙げられ、又、黄色染料としては、ホロンブリリア
ントイエロー6GL 、PTY-52、マクロレックスイエロー6G
等が挙げられ、又、青色染料としては、カヤセットブル
ー714 、ワクソリンブルーAP-FW 、ホロンブリリアント
ブルーS-R 、MSブルー100 等が挙げられる。
【0027】また、顔料としては、カーボンブラック、
富士色素(株)製のSPシリーズ、三井東圧染料(株)
製MGシリーズ、山陽色素(株)製SANYO COL
ORシリーズが例示されれる。
【0028】着色剤を選択するにあたっては、熱膨張層
を基材フィルム上に塗布形成するにあたって支障をきた
さない範囲において任意に選ぶことが出来る。すなわち
熱膨張層の塗布に用いる溶媒又は分散媒に対して、均一
に溶解又は分散する着色剤から選ばれることが好まし
い。例えば熱膨張層が水を分散媒とする水分散体を塗布
して形成される場合、選択される着色剤は水に対して均
一に分散又は溶解するものの中から選ばれることが好ま
しく、グレーもしくは黒色に着色する為にはカーボンブ
ラックの水分散体を使用することが出来、有彩色に着色
する為には各々の色に対応する水溶性又は水分散性の有
機顔料又は無機顔料を使用することが出来る。同様に熱
膨張層が水と有機溶剤の混合液や、有機溶剤に、溶解ま
たは分散されたものである場合、着色剤はかかる溶媒又
は分散媒に対して均一に分散又は溶解するものの中から
選ばれることが好ましく、この場合も所望の色相、彩
度、明度に応じて任意の着色が可能であることはいうま
でもない。又、転写シート上に熱膨張層を形成した時点
では無色であるが、熱転写の為の熱エネルギーや発泡の
為の熱エネルギーが加えられることにより発色する層で
あっても良い。また、被熱転写シートにあらかじめ塗布
されているものと接触することにより発色するものであ
ってもよいし、加熱発泡させた画像を指で触ることで発
色或いは他の色に変化するものであってもかまわない。
【0029】着色剤として、熱膨張層形成材料に対して
不溶性の顔料を使用する場合、その粒径としては、直径
が0.01μm〜50μm、好ましくは0.01μm〜
8μmのものとするとよい。これにより、ホットスタン
プにより転写した際のエッジ部の再現性において、より
優れ、転写性に優れるものとできる。
【0030】また、熱膨張層に良好な熱伝導性及び溶融
転写性を与える為に、熱良伝導性物質を熱膨張層に添加
することが出来る。この様な物質としては、銅やアルミ
ニウムや酸化錫や二硫化モリブデン等の、金属或いは金
属酸化物或いは金属硫化物よりなる粉末や微粉末やウイ
スカー、又はカーボンブラックなどの炭素質物質等が挙
げられる。
【0031】熱膨張層は、基材シートの一方の面に、上
記の如き熱膨張層形成材料を適当な有機溶剤及び/又は
水に溶解または分散させ、例えばグラビア印刷法、スク
リーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコー
ティング法等の形成手段により塗布及び乾燥することに
よって形成される。なお、樹脂バインダーが架橋可能な
場合には架橋剤や架橋反応促進触媒等の必要な添加剤を
加えてもよい。熱膨張層の乾燥後膜厚は10μm〜10
0μmが好ましく、20μm〜40μmであることが更
に好ましい。
【0032】次に、離型層2について説明する。本発明
においては、ホットスタンプを使用して熱膨張層を被熱
転写シートに転写する際の転写性を改良することを目的
として、図2に示すように、基材シートと熱膨張層の間
に離型層を設けるとよい。
【0033】離型層は、好ましくはワックス類とゴム系
樹脂とからなる。ワックス類としては、例えばマイクロ
クリスタリンワックス、カルナウバワックス、パラフィ
ンワックス、フィシャートロプシュワックス、各種低分
子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタ
ロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワッ
クス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エス
テル、脂肪酸アミド、シリコーンワックス等の種々のワ
ックス類が挙げられる。
【0034】また、ゴム系樹脂としては、例えば、クロ
ロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、合成イソ
プレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴ
ム、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン
ゴム、ポリイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリル
ゴム、塩素化ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴム等の未
加硫ゴム、或いは加硫ゴムが挙げられる。
【0035】ワックス類とゴム系樹脂の混合割合は、ワ
ックス類1重量部に対してゴム系樹脂を1重量部〜10
重量部、好ましくは3重量部〜8重量部とするとよい。
ゴム系樹脂が1重量部より少ないと箔切れが悪くなり、
また、10重量部より多いと剥離性が悪化する。
【0036】離型層は、上記のワックス類とゴム系樹脂
を有機溶剤又は水に溶解または分散した後、グラビア印
刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバース
ロールコーティング法等の形成手段により乾燥時、0.
1g/m2 〜1g/m2 、好ましくは0.3g/m2
0.7g/m2 で塗布形成されるとよい。離型層は、複
数層としてもよい。なお、離型層は熱膨張層と共に転写
される場合があるので、熱膨張層の膨張性を阻害しない
材料を選定することが必要である。
【0037】図3に示す感熱接着層4について説明す
る。感熱接着層は、被熱転写シートに対しての接着性を
向上させることを目的する。
【0038】感熱接着層は、マイクロクリスタリンワッ
クス、パラフィンワックス、カルナバワックス等のワッ
クス類、アクリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、エ
チレン・プロピレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン
ゴム、ニトリルゴム、塩素化ブチルゴム等の合成ゴムや
天然ゴム等の未加硫ゴム、あるいは加硫ゴム、ポリ酢酸
ビニルやポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ
アミド等の熱可塑性樹脂を単独、または混合物を使用し
て形成するとよく、乾燥時0.1g/m2 〜10g/m
2 、好ましくは2g/m2 〜5g/m2で塗布されると
よい。
【0039】次に、図5〜図8に示す耐熱層6は、ホッ
トスタンプと熱転写シートとの熱接着を防止することを
目的として設けられるものであり、耐熱性樹脂と熱離型
剤とからなる。
【0040】耐熱性樹脂としては、ウレタン樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が例示され
る。また、種々の熱可塑性樹脂を公知の架橋剤によって
架橋させることは樹脂の耐熱性を向上させたものでもよ
く、例えば熱可塑性樹脂の側鎖や分子末端に水酸基を有
する場合、ポリイソシアネート等の架橋剤を用いること
が出来る。架橋剤を使用する場合は、必要に応じて触媒
を使用するとよい。
【0041】耐熱層は、耐熱性樹脂を有機溶剤または水
に溶解、または分散した後、グラビア印刷法、スクリー
ン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティ
ング法等の形成手段により、乾燥時0.9g/m2
1.1g/m2 で形成されるとよい。
【0042】本発明における被熱転写シートは、カット
状態や小巻状態やカード状態である種々の紙類を使用す
ることが出来る。その素材はセルロース等の天然繊維に
限定されず、ビニロンやナイロンやポリエステルやアク
リルなどの合成繊維、ステンレス等の金属繊維、アルミ
ナやシリケート等の無機繊維、炭素繊維、キチン繊維、
キトサン繊維等を用いて抄き上げたもの等いずれも使用
することが出来る。天然繊維を用いた紙類としては、例
えば上質紙、中質紙、コピー用紙、アート紙、コート
紙、クラフト紙、ケント紙、板紙、図画用紙、カード用
紙、更紙、グラシン紙、新聞用紙、コンデンサー紙等を
挙げることができる。更に、種々の熱可塑性樹脂を原料
に用いて製造されたプラスチックフィルム類であるポリ
エチレンテレフタレートフィルムやポリ塩化ビニールフ
ィルムやポリエチレンナフタレートフィルムやポリイミ
ドフィルム、同じく熱可塑性樹脂類を抄く工程を経ずに
紙状に加工した合成紙類(例えば王子油化製、ユポFP
G−150)等も使用することが出来る。また、ポリエ
チレンテレフタレートやポリ塩化ビニールや厚紙を用い
て製造されたカード類も用いることが出来る。
【0043】次に、本発明における盛り上げ画像形成方
法について説明する。本発明においては、熱転写シート
から被熱転写シートに画像を転写する際に、ホットスタ
ンプを使用することを特徴とする。ホットスタンプは、
熱転写シートとの当接面に、凹凸形状により印字パター
ンが形成されたものであり、印字パターンは、ネガ、ポ
ジいずれでもよい。
【0044】ホットスタンプの印加条件は、印圧温度が
100℃〜200℃、好ましくは160℃〜170℃で
あり、また、印圧時間が0.5秒〜1.5秒、好ましく
は0.6秒〜1秒とするとよく、これにより、熱膨張層
は、被熱転写シートに転写されると同時に発泡させるこ
とができ、その発泡性は上記ホットスタンプの印加条件
を適宜調整することにより容易に制御できる。
【0045】本発明の盛り上げ画像形成用熱転写シー
ト、および盛り上げ画像形成方法によると、ホットスタ
ンプを使用し、熱膨張層を熱転写すると同時に転写され
た熱膨張層を発泡させるのに適し、また、生産性に優れ
るものであり、しかも、エッジ等の転写性に優れ、熱膨
張層の箔切れを良好なものとできる。
【0046】特に、本発明における盛り上げ画像を点字
とする場合には、一般の点字と同等の点字高を容易に形
成することができ、しかも、良好な弾力性を示し、指に
よる摩擦で点字高が変化することもなく、作成された点
字文書は良好な触読性を示すものである。
【0047】次に、本発明の盛り上げ画像形成物は、盛
り上げ画像形成用熱転写シートにおける10μm〜10
0μmの膜厚の熱膨張層が、被熱転写シートに熱転写及
び膨張された段階で、膜厚が20μm〜800μmのも
のとすることができる。盛り上げ画像が点字の場合に
は、特に、膜厚を250μm〜300μm程度に調整す
るとよい。
【0048】本発明の盛り上げ画像形成物は、エンボス
方式によるものとは異なり、盛り上げ画像が形成された
裏面に凹状の窪みが発生しないので、裏面における印字
情報を損なうことがなく、例えば金銭の支払い内容等を
記録したレシートの裏面や表面、通常の文字印刷が施さ
れた名刺の裏面や表面、更には磁気情報が記録されたプ
リペイドカードの表面、あるいは航空券や乗車券等の表
面や裏面に盛り上げ画像を印刷することが可能である。
特に、盛り上げ画像を点字とする場合には、裏面の晴眼
者用の墨字情報を損なうことなく、盛り上げ画像を形成
することができる。
【0049】また、発泡剤として熱膨張性マイクロカプ
セルを使用する場合、凸部の断面は、バインダー樹脂に
コートされたマイクロカプセルからなる不連続な気泡が
密に充填した構造になる為、高い弾力性を示し、また、
指触においてもつぶれにくく、変形に対する復元性が良
好であり、擦過性に優れるものである。
【0050】なお、本発明の盛り上げ画像形成物は、盛
り上げ画像を形成した後、さらに、金箔等の着色溶融イ
ンキ層を設けた熱転写シートを使用し、同様にホットス
タンプにより盛り上げ画像部等に金箔等の着色溶融イン
キ層を転写し、より装飾性に優れるものとしてもよい。
また、本発明の盛り上げ画像形成物をスタンプ(ハン
コ)として用いることも可能である。
【0051】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
について更に具体的に説明する。なお、文中において
「部」又は「%」は、特に断りの無い限り重量基準であ
る。
【0052】
【実施例】
(実施例1) (盛り上げ画像形成用熱転写シートの作製)基材である
6.0μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フ
イルムの一方の面に、下記の帯電防止層形成用塗液 ・ポリエチレングリコール#20,000(MERCK−Schuchardt 社製) ・・・・ 4.0部 ・ポリイソシアネート(コロネート2030、日本ポリウレタン工業(株)製) ・・・・ 0.6部 ・硝酸リチウム(関東化学(株)製) ・・・・ 0.3部 ・メチルエチルケトン ・・・・ 80.0部 を約0.1g/m2 の乾燥塗布量となるように塗布・乾
燥し、更にこの帯電防止層上に、下記の耐熱層形成用塗
液 ・ポリビニルブチラール樹脂(エスレニックBX−1、積水化学工業(株)製) ・・・・ 1.60部 ・ポリイソシアネート(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株 )製 ・・・・ 8.46部 ・燐酸エステル系界面活性剤(ペライサーフA208S、第一工業製薬(株)製 ) ・・・・ 1.36部 ・タルク(ミクロエースL−1、日本タルク製)・・・・ 0.32部 ・メチルエチルケトン ・・・・ 38.43部 ・トルエン ・・・・ 38.43部 を乾燥時約1.0g/m2 の塗布量となるように塗布・
乾燥し、加熱熟成して硬化処理し、耐熱層を形成した。
【0053】次いで、PETフイルムの他方の面に、下
記の組成の離型層形成用塗工液をワイアバーで乾燥時
0.3g/m2 の割合で塗布し、ドライヤーで仮乾燥
後、80℃のオーブン中で1分乾燥して離型層を形成し
た。
【0054】 ・ カルナバワックス ・・・ 80部 ・ ゴム系樹脂(日本ゼオン(株)製、Nippol LX430) ・・・ 49部 ・ 水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 400部 更に、離型層上に、下記組成の熱膨張層形成用塗工液を
ワイアバーで乾燥時30g/m2 の割合で塗布し、ドラ
イヤーで仮乾燥後、80℃のオーブン中で1分乾燥して
熱膨張層を形成し、本発明の盛り上げ画像形成用熱転写
シートを作製した。
【0055】 ・ ポリエステル(数平均分子量20,000、東洋紡績(株)製、バイロナー ルMD−1930) ・・・ 10部 ・ 熱膨張性マイクロカプセル(日本フェライト(株)製、商品名「エクスパン セル」DU551−20、粒径2〜4μm、壁材:塩化ビニリデン−アクリロニ トリル共重合体、内包物:イソブタン) ・・・ 25部 ・水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 30部 (盛り上げ画像形成方法および盛り上げ画像形成物)上
記で作製した盛り上げ画像形成用熱転写シートと厚さ1
50μm の上質紙とを重ね、熱転写シートの背面よりホ
ットスタンプ(和光精機(株)製RS−5、パターン形
状:縦3cm、横5mmの長方形パターン)を使用し、
160℃、0.7秒間熱圧した。
【0056】熱圧後、盛り上げ画像形成用熱転写シート
と上質紙とを剥離し、本発明の盛り上げ画像形成物を得
た。
【0057】(実施例2)実施例1における盛り上げ画
像形成用熱転写シートにおいて、熱膨張層形成用塗工液
を下記の組成に代えた以外は、実施例1と同様にして熱
転写シートを作製し、実施例1と同様にして、盛り上げ
画像形成物を得た。
【0058】 ・ ポリエステル(数平均分子量20,000、東洋紡績(株)製、バイロナー ルMD−1930) ・・・ 10部 ・ 熱膨張性マイクロカプセル(日本フェライト(株)製、商品名「エクスパン セル」DU551−20、粒径2〜4μm、壁材:塩化ビニリデン−アクリロニ トリル共重合体、内包物:イソブタン) ・・・ 10部 ・水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 30部 (実施例3)実施例1における盛り上げ画像形成用熱転
写シートにおいて、熱膨張層形成用塗工液を下記の組成
に代えた以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを
作製し、実施例1と同様にして、盛り上げ画像形成物を
得た。
【0059】 ・ ポリエステル(数平均分子量20,000、東洋紡績(株)製、バイロナー ルMD−1930) ・・・ 10部 ・ 熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂(株)製、マツモトマイクロフェアー 、F−30VS、粒径12〜14μm) ・・・ 25部 ・水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 30部 (実施例4)実施例1における盛り上げ画像形成用熱転
写シートにおいて、熱膨張層形成用塗工液の塗工量を2
0g/m2 とした以外は、実施例1と同様にして熱転写
シートを作製し、実施例1と同様にして、盛り上げ画像
形成物を得た。
【0060】(実施例5)実施例1における盛り上げ画
像形成用熱転写シートにおいて、熱膨張層形成用塗工液
の塗工量を40g/m2 とした以外は、実施例1と同様
にして熱転写シートを作製し、実施例1と同様にして、
盛り上げ画像形成物を得た。
【0061】(比較例1)実施例1における盛り上げ画
像形成用熱転写シートにおいて、熱膨張層形成用塗工液
を下記の組成に代えた以外は、実施例1と同様にして熱
転写シートを作製し、実施例1と同様にして盛り上げ画
像形成物を得た。
【0062】 ・ポリビニルアルコール(数平均分子量500) ・・・ 10部 ・熱膨張性マイクロカプセル(日本フェライト(株)製、商品名「エクスパンセ ル」DU551−20、粒径2〜4μm、壁材:塩化ビニリデン−アクリロニト リル共重合体、内包物:イソブタン) ・・・ 25部 ・水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 30部 (比較例2)実施例1における盛り上げ画像形成用熱転
写シートにおいて、熱膨張層形成用塗工液を下記の組成
に代えた以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを
作製し、実施例1と同様にして盛り上げ画像形成物を得
た。
【0063】 ・ポリビニルアルコール(数平均分子量100,000) ・・・ 10部 ・熱膨張性マイクロカプセル(日本フェライト(株)製、商品名「エクスパンセ ル」DU551−20、粒径2〜4μm、壁材:塩化ビニリデン−アクリロニト リル共重合体、内包物:イソブタン) ・・・ 25部 ・水/イソプロパノール(1/1) ・・・ 30部 上記の各実施例、比較例で得た盛り上げ画像形成物につ
い、その箔切れ性、発泡の高さ、擦過強度について下記
のごとく評価した。結果を下記表1に示す。
【0064】(1)箔切れ性 ホットスタンプによる加熱後、転写シートと被熱転写紙
とを剥離する際に、加熱された箇所に隣接する熱膨張層
が、転写シートから切れずに転写してしまう度合を下記
の3段階で評価した。
【0065】 ○:箔の切れ残りは全く発生せず、加熱部と未加熱部と
の境界が明瞭であった。 △:箔の切れ残りは殆ど発生せず、加熱部と未加熱部と
の境界が明瞭であった。 ×:加熱部以外の周囲に箔の切れ残りが付着しており、
加熱部と未加熱部の境界が不明瞭であった。
【0066】(2)発泡の高さ ホットスタンプによる加熱転写後、(株)東京精密製
「3次元表面粗さ形状測定機 SURFCOM570
A」を用いて盛り上げ画像部の高さ(膜厚)を測定し
た。
【0067】○:200μm以上であり、画像の盛り上
がりが視覚で容易に識別できる。
【0068】 △:100〜200μmであり、画像の盛り上がりが視
覚で容易に識別できる。 ×:100μm以下であり、画像の盛り上がりが指触で
識別できる。
【0069】(3)擦過強度 ○:熱膨張した点画素が指触によって潰れたり、千切れ
たりすることは殆どなく、指触を繰り返しおこなって
も、指触性に大きな変化はなかった。
【0070】△:指触を繰り返すうちに、熱膨張した画
像が潰れたり、千切れる部分が発生し、初期の指触性が
徐々に低下した。
【0071】×:熱膨張した画像が指触で容易に潰れた
り、千切れたりした。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】本発明の盛り上げ画像形成用熱転写シー
トおよび盛り上げ画像形成方法は、ホットスタンプを使
用し、熱膨張層を熱転写すると同時に転写された熱膨張
層を発泡させるのに適し、しかも、エッジ等の転写性に
優れ、熱膨張層の箔切れが良好なものとできる。また、
転写と同時に発泡させるものであり、生産性に優れるも
のである。また、本発明における盛り上げ画像を点字と
する場合には、エンボス法で厚紙に形成された一般の点
字と同等の点字高を容易に形成することができ、しか
も、良好な弾力性を示し、指による摩擦で点字高が変化
することもなく、作成された点字文書は良好な触読性を
示すものである。
【0074】また、本発明の盛り上げ画像形成物は、エ
ンボス方式によるものとは異なり、盛り上げ画像が形成
された裏面に凹状の窪みが発生しないので、裏面におけ
る印字情報を損なうことがなく、例えば金銭の支払い内
容等を記録したレシートの裏面や表面、通常の文字印刷
が施された名刺の裏面や表面、更には磁気情報が記録さ
れたプリペイドカードの表面、あるいは航空券や乗車券
等の表面や裏面に盛り上げ画像を印刷することが可能で
ある。また、盛り上げ画像を点字とする場合には、裏面
の晴眼者用の墨字情報を損なうことなく、盛り上げ画像
を形成することができる。
【0075】また、本発明の盛り上げ画像形成物は、発
泡剤として熱膨張性マイクロカプセルを使用する場合、
凸部の断面は、バインダー樹脂にコートされたマイクロ
カプセルからなる不連続な気泡が密に充填した構造にな
る為、高い弾力性を示し、また、指触においてもつぶれ
にくく、変形に対する復元性が良好であり、擦過性に優
れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る熱転写シートの一実施
例を示す断面図である。
【図2】 図2は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図3】 図3は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図4】 図4は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図5】 図5は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図6】 図6は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図7】 図7は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【図8】 図8は、本発明に係る熱転写シートの他の一
実施例を示す断面図である。
【符合の説明】
1は基材シート、2は離型層、3は熱膨張層、4は感熱
接着層、5は熱発泡剤、6は耐熱層である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41M 5/26 M A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの一方の面に熱膨張層を形成
    した熱転写シートと被熱転写シートとを対向させ、凹凸
    形状により印字パターンを形成したホットスタンプによ
    り前記熱転写シート背面から熱圧し、熱転写シートにお
    ける熱膨張層を被熱転写シート上に熱転写すると同時に
    転写された熱膨張層を発泡させ盛り上げ画像を形成させ
    る上記熱転写シートにおいて、該熱膨張層が熱発泡剤と
    数平均分子量が1,000〜30,000の樹脂バイン
    ダーからなるものであることを特徴とする盛り上げ画像
    形成用熱転写シート。
  2. 【請求項2】 熱転写シートが、基材シート上にワック
    スとゴム系樹脂とからなる離型層を介して熱膨張層を形
    成したものであることを特徴とする請求項1記載の盛り
    上げ画像形成用熱転写シート。
  3. 【請求項3】 熱発泡剤が、易揮発性炭化水素を内包す
    る熱膨張性マイクロカプセルであって、その粒径が0.
    1μm〜50μmであることを特徴とする請求項1、ま
    たは請求項2記載の盛り上げ画像形成用熱転写シート。
  4. 【請求項4】 熱膨張層が、数平均分子量が1,000
    〜30,000の樹脂バインダー1重量部に対して熱発
    泡剤1重量部〜4重量部の割合からなるものであること
    を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の
    盛り上げ画像形成用熱転写シート。
  5. 【請求項5】 基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平
    均分子量が1,000〜30,000の樹脂バインダー
    からなる熱膨張層を形成した熱転写シートと被熱転写シ
    ートとを対向させ、凹凸形状により印字パターンを形成
    したホットスタンプにより前記熱転写シート背面から熱
    圧し、該熱膨張層を被熱転写シート上に熱転写すると同
    時に被熱転写シート上の熱膨張層を発泡させて盛り上げ
    画像を形成することを特徴とする盛り上げ画像形成方
    法。
  6. 【請求項6】 ホットスタンプの印圧温度が100℃〜
    200℃であり、印圧時間が0.5秒〜1.5秒である
    ことを特徴とする請求項5記載の盛り上げ画像形成方
    法。
  7. 【請求項7】 基材シートの一方の面に熱発泡剤と数平
    均分子量が1,000〜30,000の樹脂バインダー
    からなる熱膨張層を形成した熱転写シートと被熱転写シ
    ートとを対向させ、凹凸形状により印字パターンを形成
    したホットスタンプにより前記熱転写シート背面から熱
    圧し、該熱膨張層を被熱転写シート上に熱転写すると同
    時に被熱転写シート上の熱膨張層を発泡させ、盛り上げ
    画像部を形成した後、熱転写シートを剥離除去して得ら
    れる盛り上げ画像形成物において、前記熱膨張層の膜厚
    が10μm〜100μmであって、かつ、盛り上げ画像
    部が該熱膨張層の2倍〜8倍の膜厚に形成されたもので
    あることを特徴とする盛り上げ画像形成物。
  8. 【請求項8】 盛り上げ画像形成物における画像が点字
    であることを特徴とする請求項7記載の画像形成物。
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