JP3545478B2 - 盛り上げ画像形成用熱転写シートを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は盛り上げ画像、特に盲人用点字作成に効果的な熱転写シートに関し、更に詳しくは指による触読が容易で、触読に対する耐久性に優れた盲人用点字画像を形成し得る、盛り上げ画像形成用の熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、日本語点字標記法等に従った盲人用の点字文書をコンピューターからの出力情報に応じて印字する場合には、例えば東洋ハイブリッド株式会社製の点字プリンター”TP−32”による印字物の様に、エンボス法によって紙に触読可能な突起を形成する方法が行なわれている。
この手法によって紙に点字を印刷する為には、エンボス法により形成される突起状の点字画像部が破れないだけの厚みを持った紙を使用することが必要であり、コピー用紙などの厚さが100μmに満たない紙に点字を印刷することはできなかった。
また、エンボス法による点字の印刷は、触読する側とは反対の面に凹状のくぼみを発生させる為、晴眼者(通常の視覚能力を有する者)の為に墨字が記録された通常の印字物の裏に、同様の内容等を示す為の点字を印字しようとした場合、墨字が反対面の点字による凹模様によって読解しにくくなるという問題点を生じていた。
【0003】
この様な問題点は特開平1−238984号公報、特開平4−333858号公報に開示されている、加熱手段によってインクフィルムのインクを溶融させて点字像を形成する技術によって解決することが可能である。
しかし、通常のエンボス法による点字印刷物と同等の触読性を実現する為には、それらと同等である300μm前後の点字高が必要とされる。従って、画像情報に応じて加熱を行なう為に簡便な手段であるサーマルヘッドでこのように厚い層を熱転写シートから転写する為には、非常に高いエネルギーを熱転写シートの基材側から加えることが必要となり、かかる高エネルギーによって基材フィルムを溶融破壊してしまうという問題を生じていた。しかも、このような高エネルギーをサーマルヘッドに加えることは、サーマルヘッドの性能上の理由から非常に困難であった。
また別の方法として、加熱により分解反応によってガスを発生する発泡剤を含有する熱溶融性転写層を設けた熱転写シートを用いて、通常の熱エネルギーで画像状に転写し、転写の際の熱エネルギー又は転写後に再び加熱することによって、転写画像を膨張させ、立体視化できるようにする技術が知られている。(特開平1−238984号公報等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の如き熱転写シートを用いて、点字を作成する場合、基材シートと熱膨張層間の接着力が不適切であることにより、画像形成の為の熱エネルギーが加わった所でも被転写体に所定の画像全てが転写しなかったり、熱エネルギーが加えられていない所でも箔が転写してしまう不都合が生じていた。基材シートへの接着力を熱膨張層のバインダー樹脂によって調節しようとすると、バインダー樹脂の選択に対する制約が増加するために、熱膨張剤のバインディングという本来の目的に最も適した樹脂を選定できなくなるという問題を生じていた。また特に盲人の為の点字を転写によって作成する場合、わずかでも転写された点画素に過不足があると、目視では問題にならないものでも、触読に対しては誤読を招く重要な問題となっていた。従って、本発明の目的は、盲人用点字等の高精度が要求される立体感のある画像を形成する画像形成方法を提供することである。更には転写画像を形成する箔の切れが良好であり、指による触読が容易であり、しかも耐久性に優れた盲人用点字画像を形成することができる画像形成方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち請求項1の発明は、基材シートの一方の面に熱膨張層を形成してなる盛り上げ画像作成の為の熱転写シートにおいて、該熱膨張層と基材シートの間に剥離性調整層が形成されている盛り上げ画像形成用熱転写シートと被転写体を重ね、加熱手段により盛り上げ画像を形成後、熱膨張層と基材フィルムの間で熱転写シートを剥離し、次に前記盛り上げ画像形成物を任意の手段により加熱することにより、被転写体上の熱膨張層を発泡させて立体感のある画像を形成することを特徴とする画像形成方法である。請求項2の発明は、前記剥離性調整層が、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法である。請求項3の発明は、前記熱転写シートにおいて、熱膨張層の最表面に感熱接着層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法である。
【0006】
請求項4の発明は、前記画像が点字であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像形成方法である。
【0007】
【作用】
熱膨張層と基材の間に剥離性調整層を設けた盛り上げ画像形成用熱転写シートと被転写体を重ね、加熱手段により盛り上げ画像を形成後、熱膨張層と基材フィルムの間で熱転写シートを剥離し、次に前記盛り上げ画像形成物を任意の手段により加熱することにより、被転写体上の熱膨張層を発泡させて立体感のある画像を形成することにより、基材から転写画像を剥離する力を最適化することが容易になり、画像形成の為の印加エネルギーパターンに応じて、過不足なく正確に画像を形成することができる。また、特に好ましい実施様態による熱転写シートにより作成された点字は、エンボス法で厚紙に形成された一般の点字と同等の点字高とする為に、熱転写及び加熱発泡させても良好な弾力性を示し、指による摩擦で点字高が変化することもなく、作成された点字文書は良好な触読性を示す。
【0008】
【好ましい実施様態】
次に好ましい実施様態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0009】
(層構成)
本発明の熱転写シートの基本形態は、図1に示す様に、基材シート1の一方の面に剥離性調整層2を介して熱膨張層3を設けたことを特徴としている。
この剥離性調整層は、熱膨張層とともに被転写体上に転写されるタイプA(図2)、剥離性調整層中で凝集破壊するタイプB(図3)、転写後に基材上に剥離性調整層が残存するタイプC(図4)に大別される。
また、被転写体への接着性が十分でない場合には、図5に示す様に、熱膨張層3の最表面に、感熱接着層4を設けてもよい。
また、本発明の熱転写シートを用いて盛り上げ画像を被転写体に転写する為の加熱手段としてサーマルヘッドを使用する場合、基材フィルムの熱膨張層が形成されていない側より加熱が行なわれる為、この面に耐熱性、滑り性、或いはこの両物性を持たせる為の耐熱滑性層を設けることが好ましい。(図6)
【0010】
(基材シート)
本発明で用いる基材シートには、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材シートをそのまま用いることができると共に、その他のものも使用することができ、特に制限されない。
好ましい基材シートの具体例としては、たとえば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラスチックフィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布などがあり、又、これらを複合した基材シートであっても良い。
【0011】
上記基材シートの厚さは、その強度及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変更することが出来るが、好ましくは2〜100μm、更に好ましくは3〜25μmである。
【0012】
(剥離性調整層)
本発明では上記基材シートと熱膨張層の間に、剥離性調整層を設けることを特徴としている。
剥離性調整層は、熱転写シートにより盛り上げ画像を形成する際、画像形成の為の加熱手段により、加熱された箇所のみ熱膨張層が被転写体に接着して、その後は熱転写シートから接着部分のみを剥離させる為の力を調整する為に形成する。
この場合、剥離性調整の目的達成に支障をきたさない範囲で、剥離性調整層と熱膨張層の界面、または剥離性調整層と基材シートの界面、または剥離性調整層の層内で剥離を起こさせることができる。
【0013】
剥離性調整層と基材シートの界面、または剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合は、転写された熱膨張層の最表面に位置するように剥離性調整層形成樹脂も転写されることになる。この為、剥離性調整層形成樹脂には熱膨張層の膨張性を阻害しない樹脂を選定することが必要である。また、この場合剥離性調整層は盛り上げ画像の保護層としての機能もあるが、触読するときの指触感を損なうものであってはならない。
一方、剥離性調整層と熱膨張層の界面で剥離を起こさせる場合、転写された熱膨張層の表面には剥離性調整層形成樹脂が転写しない。このため、剥離性調整層形成樹脂の選定に際して熱膨張層の膨張性を阻害しないことへの配慮が不要となり、剥離性調整層と基材シートの界面、および剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合に比べて、剥離性調整層と熱膨張層の界面で剥離を起こさせる手法の方が剥離性調整層の材料選定に対する自由度が大きく、好ましい。
【0014】
剥離性調整層(タイプA)を形成する樹脂は、熱膨張層の加熱膨張を阻害しない熱可塑性樹脂の中から、塗布皮膜を形成できるものから選択する。そして、触読を容易にできるようにマット剤であるシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機物やポリカーボネート、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの有機物の微粒子を分散させることもできる。また剥離性調整層(タイプA)に熱膨張性マイクロカプセルを含ませることにより、転写画像と共に発泡させて触読を容易にすることもできる。
使用する熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂、線状ポリエステル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ウレタン、アクリロニトリル、ポリイソブチレン、ネオプレン、天然ゴムなどの溶液あるいはディスパージョンがある。
好ましくは、熱膨張層の発泡剤である炭化水素のバリア層となる塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリルやアクリル樹脂である。
そしてその塗布は、グラビアコート、ロールコート、エアナイフコートなどの通常の方法でおこなわれ、塗布厚みは0.05〜5.00μmが好ましく、更に0.01〜2.00μmであることが好ましい。
【0015】
また剥離性調整層(タイプB)を形成するための樹脂は、熱転写シートから熱膨張層を転写するときの熱で、熱溶解して凝集力を低下するものであり、天然ワックスや合成ワックス、熱可塑性樹脂から選定できる。例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックス、フィシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコーンワックス等の種々のワックス類;ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの単独あるいは混合物がある。
好ましくは低分子量ポリエチレンを主とするものである。
そしてその塗布は、熱溶融したり、溶剤に加熱溶融したり、溶液にしたり、あるいはディスパージョンの状態のものをグラビアコート、ロールコート、エアナイフコートなどの通常の方法で行われ、塗布厚みは0.05〜5.00μmが好ましく、0.10〜2.00μmであることが更に好ましい。
【0016】
剥離性調整層(タイプC)を形成する樹脂は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン等のようにそれ自身が離型性をもつもの、アクリル系樹脂、線状ポリエステル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、酢酪酸セルロース等のワニスにシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ワックス、脂肪酸アミドなどの離型剤を加えたものや、上記樹脂を種々の架橋剤で架橋させたものを使用することができる。例えばイソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジイソシアネートをトリメチロールプロパンに付加させたアダクト体やビウレット体やトリマー等のポリイソシアネート、エポキシ基やアジリジン基やオキサゾリン基を有する架橋剤、メラミン等の架橋剤;アルミニウムや亜鉛やチタンやジルコニウム等のキレート化剤を使用することが可能である。
好ましくは、架橋したシリコーン樹脂や又は、ポリイソシアネートで架橋した離型剤を含むアクリル樹脂やポリエステルである。
そしてその塗布はグラビアコート、ロールコートなどの通常の方法で行われ、塗布厚みは0.05〜5.00μmが好ましく、0.01〜2.00μmであることが更に好ましい。
【0017】
また、剥離性調整の目的達成の為に、上述した剥離性調整層形成樹脂を種々の架橋剤で架橋させることが可能である。例えばイソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート;ジイソシアネートをトリメチロールプロパンに付加させたアダクト体やビウレット体やトリマー等 のポリイソシアネート;エポキシ基やアジリジン基やオキサゾリン基を有する架橋剤;メラミン等の架橋剤;アルミニウムや亜鉛やチタンやジルコニウム等のキレート化剤を使用することが可能である。
剥離性調整層を架橋させる場合、それぞれの架橋反応に応じて公知の触媒を使用することが出来、例えばイソシアネートの反応にはジ−n−ブチル錫ジラウレートやジオクトエ酸錫等の錫系触媒や、テトラメチルブタンジアミンや、N,N,N'N',-テトラメチル-1,3,-ブタンジアミン等のアミン系触媒や1,4 −ジアザ−ビシクロ〔2,2,2〕オクタン等を用いることができる。
る。
【0018】
また、別の態様として熱膨張層及び剥離性調整層に用いるバインダー樹脂が熱拡散性色素に対して染着性を有している場合、剥離性調整層に任意の色の熱拡散性色素を添加することが出来る。
このように形成することにより、熱膨張層をコーティングする際の乾燥工程における熱によって、剥離性調整層に添加した熱拡散性色素が拡散することにより、熱膨張層を任意に着色することができ、発泡剤とバインダー樹脂を水に分散または溶解した液体の塗布・乾燥によって形成される熱膨張層に対しても、水に不溶また分散困難な色素を用いて染色することが可能となる。
【0019】
熱拡散性色素としては、従来公知の染料はいずれも本発明に使用可能であり、特に制限されない。例えば、好ましい染料として、赤色染料としてMS Red G、Macrolex Red Violet R 、Ceres Red7B 、Samaron Red HBSL、Resolin Red F3BS等が挙げられ、又、黄色染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL 、PTY-52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、又、青色染料としては、カヤセットブルー714 、ワクソリンブルーAP-FW 、ホロンブリリアントブルーS-R 、MSブルー100 等が挙げられる。又、これらの熱拡散性色素を一種類のみならず二種類以上任意に混合して希望の色調を得ることも可能である。
【0020】
(熱膨張層)
本発明の熱転写シートの熱膨張層は、樹脂バインダー、発泡剤を含有していることが好ましい。
【0021】
〔発泡剤〕
本発明で使用する発泡剤としては、従来公知のものを使用することが出来、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’ジニトロソ−N,N’ジメチルテレフタルアミド、P−トルエンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾルカルボンアミド、P−トルエンスルホニルアジド、アセトン−P−スルホニルヒドラゾン等の有機系発泡剤;重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等の無機系発泡剤;内部に低温で揮発する溶媒を含有した熱膨張性マイクロカプセル等が挙げられるが、本発明では、特にこの熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。
【0022】
〔熱膨張性マイクロカプセル〕
本発明で使用される熱膨張性マイクロカプセルは、低温で揮発する炭化水素を樹脂からなる壁剤の内部に包含させたカプセル構造をとるものであり、特定温度での加熱によって未加熱状態の時の約十倍から約百倍程度に体積が膨張するものを使用する。
熱膨張性マイクロカプセルに内包させる炭化水素としては、塩化メチル、臭化メチル、トリクロロエタン、ジクロロエタン、n-ブタン、n-ヘプタン、n-プロパン、n-ヘキサン、n-ペンタン、イソブタン、イソヘプタン、ネオペンタン、石油エーテル、フレオン等のフッ素原子を有する脂肪族炭化水素、或いはこれら炭化水素の複数混合体等を用いることができる。
熱膨張性マイクロカプセルの壁剤としては、塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチルアクリレート、メタクリル酸エチルアクリレート、酢酸ビニル、或いはこれらの樹脂の共重合体やブレンド物等を用いることが出来、さらに必要に応じて架橋剤を使用することも可能である。
【0023】
熱膨張性マイクロカプセルの粒径は直径0.1〜50μmであることが好ましく、更に0.1〜30μmであることが好ましい。
上述の如き熱膨張性マイクロカプセルの市販品として、例えば松本油脂製薬株式会社製造の”マツモトマイクロスフェアー”シリーズのF-20,F-30,F-30VS,F-40,F-50,F-80S,F-82,F-85,F-80VS,F-100 等や、日本フェライト株式会社製造の”エクスパンセル”シリーズを挙げることが出来る。
熱膨張層における熱膨張性マイクロカプセルの含有割合は、樹脂バインダー100重量部に対して30重量部〜200重量部であることが好ましく、特に50重量部〜150重量部であることが好ましい。30重量部未満の場合は熱膨張層が十分に膨張せず、200重量部を越えると盛り上げ画像の触読に対する耐久性が不足してくる。
【0024】
また、発泡剤として無機系または有機系のものを用いる場合、熱膨張層における発泡剤の含有割合は、樹脂バインダー100重量部に対して20重量部〜200重量部であることが好ましく、特に40重量部〜160重量部であることが好ましい。20重量部未満の場合は、熱膨張層が十分に膨張せず、200重量部を越えると盛り上げ画像の触読に対する耐久性が不足してくる。
【0025】
〔樹脂バインダー〕
熱膨張層の樹脂バインダーを構成する材料としては、例えばフェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニルやポリアクリルエステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、加硫ゴムや未加硫ゴム等のゴム系樹脂等が挙げられる。ゴム系樹脂としては、例えば、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、合成イソプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、塩素化ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴム等の未加硫ゴム、或いは加硫ゴムが挙げられる。特に好ましい樹脂として、ポリエステル系樹脂及びゴム系樹脂を挙げることが出来る。
【0026】
本発明では、これらの樹脂の数平均分子量は1,000以上であることが好ましい。
数平均分子量が1,000未満であるカルナバワックスやパラフィンワックスやみつろう等の天然ワックス、或いは同じく数平均分子量が1,000未満であるポリエチレンワックスやステアリン酸やアーマーワックス等の合成ワックスを熱膨張層バインダーの主成分として用いた場合、形成された点字画像は非常にもろく、触読により欠けやつぶれを容易に生じてしまうおそれがある。
またこのような低分子量バインダーは、熱転写シートを用いて形成した画像を加熱発泡させて、盛り上げ画像を形成する為に必要な約60℃から140℃に加熱にすると、軟化或いは溶融することにより粘性が非常に低下しやすい。この為バインダーが被転写基材に染み込んでしまったり、形成される画像の周囲に流れ出るおそれがあり、熱膨張性マイクロカプセルが被転写基材上に保持されにくくなるという不都合を生じやすい。
【0027】
被転写材に点字画像等の微細な盛り上げ画像を熱転写する際、加熱が行なわれた箇所のみが過不足無く転写することが正確な画像形成のためには極めて重要であり、熱溶融型転写層が一定の熱転写シート剥離条件下において任意に破断(箔切れ)しなければならない。この為に樹脂バインダーの数平均分子量は30,000以下が好ましく、25,000以下であると特に好ましい。
また、点字画像等の盛り上げ画像の触読による破損に対する耐久性への要求が非常に高度である場合は、樹脂バインダーの分子量が大きい方が良好な盛り上げ画像を得ることが出来、この為には樹脂バインダーの数平均分子量は3,000以上である事が好ましく、10,000以上である事が特に好ましい。
すなわち、点字画像等の盛り上げ画像の形成の正確さと触読による破損に対する耐久性を考慮すると、樹脂バインダーは数平均分子量が1000以上かつ30,000以下であることが好ましく、更に好ましくは3,000以上かつ25,000以下、特に10,000以上25,000以下であることが特に好ましい。
【0028】
(着色剤)
熱膨張層には、必要に応じて着色剤を添加することができる。
着色剤は、熱膨張層を基材フィルム上に塗布形成するにあたって支障をきたさない範囲において任意に選ぶことが出来る。
すなわち熱膨張層の塗布に用いる溶媒又は分散媒に対して、均一に溶解又は分散する着色剤から選ばれることが好ましい。
例えば熱膨張層が水を分散媒とする水分散体を塗布して形成される場合、選択される着色剤は水に対して均一に分散又は溶解するものの中から選ばれることが好ましく、グレーもしくは黒色に着色する為にはカーボンブラックの水分散体を使用することが出来、有彩色に着色する為には各々の色に対応する水溶性又は水分散性の有機顔料又は無機顔料を使用することが出来る。
同様に熱膨張層が水と有機溶剤の混合液や、有機溶剤に、溶解または分散されたものである場合、着色剤はかかる溶媒又は分散媒に対して均一に分散又は溶解するものの中から選ばれることが好ましく、この場合も所望の色相、彩度、明度に応じて任意の着色が可能であることはいうまでもない。
又、転写シート上に熱膨張層を形成した時点では無色であるが、熱転写の為の熱エネルギーや発泡の為の熱エネルギーが加えられることにより発色する層であっても良い。また、被転写体にあらかじめ塗布されているものと接触することにより発色するものであってもよいし、加熱発泡させた点字画像を指で触ることで発色或いは他の色に変化するものであってもかまわない。
【0029】
(熱良伝導性物質)
さらに、熱膨張層に良好な熱伝導性及び溶融転写性を与える為に、熱良伝導性物質を熱膨張層に添加することが出来る。
この様な物質としては、銅やアルミニウムや酸化錫や二硫化モリブデン等の、金属或いは金属酸化物或いは金属硫化物よりなる粉末や微粉末やウイスカー、又はカーボンブラックなどの炭素質物質等を用いることが出来る。
【0030】
(熱膨張層コート方法)
熱膨張層は前記の基材シートの一方の面に、上記の如き樹脂に必要に応じて架橋剤や架橋反応促進触媒等の必要な添加剤を加えたものを、適当な有機溶剤又は水に溶解したり、有機溶剤と水の混合体に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散させた分散体を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥することによって形成される。また、剥離性調整の機能を持つ複数種の剥離性調整層形成用塗工液を重ね塗りして剥離性調整層を形成しても良い。
熱膨張層の厚みは10μm〜100μmが好ましく、20μm〜80μmであることが更に好ましい。
【0031】
また、熱溶融型転写層が一定の熱転写シート剥離条件下において任意に破断(箔切れ)する為には、バインダー樹脂は適度な引張破断強度を持つことが好ましい。すなわち、JIS-K-7127に規定される引張破断伸度が50%以上かつ2,000%以下であることが好ましく、100%以上かつ1,000%以下であることが更に好ましい。
50%未満である場合はバインダー樹脂として必要な強度が不足し、点字画像の触読による破損に対する耐久性が劣り、さらに熱転写が行なわれる前に転写シート上で熱膨張層にひびが入りやすくなるといった問題点を生ずる。
2,000%を越えると点字画像の輪郭に応じた部分で熱膨張層が破断しにくくなり、点字画像に切れ残った箔が付着して触読性を低下させたり、点字画像の一部に欠落を生ずるといった問題点を生ずる。
【0032】
(耐熱滑性層)
基材シートとして熱に弱い材料を用い、かつ点字画像を転写する為の加熱手段にサーマルヘッドを使用する場合、サーマルヘッドに接する側の表面に、サーマルヘッドの滑りを良くし、且つスティッキングを防止する為の耐熱滑性層を設けることが好ましい。耐熱滑性層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤又は滑剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とする。種々の熱可塑性樹脂を公知の架橋剤によって架橋させることは樹脂の耐熱性を向上させる為に有効な方法であり、例えば熱可塑性樹脂の側鎖や分子末端に水酸基が有る場合、ポリイソシアネート等の架橋剤を用いることが出来る。架橋剤を使用する場合は、必要に応じて触媒を使用することも出来る。
【0033】
(盛り上げ画像の被転写体)
以上の如き本発明の熱転写シートを使用して熱転写を行なう際に使用する被転体としては、カット状態や小巻状態やカード状態である種々の紙類を使用することが出来る。その素材はセルロース等の天然繊維に限定されず、ビニロンやナイロンやポリエステルやアクリルなどの合成繊維、ステンレス等の金属繊維、アルミナやシリケート等の無機繊維、炭素繊維、キチン繊維、キトサン繊維等を用いて抄き上げたもの等いずれも使用することが出来る。天然繊維を用いた紙類としては、例えば上質紙、中質紙、コピー用紙、アート紙、コート紙、クラフト紙、ケント紙、板紙、図画用紙、カード用紙、更紙、グラシン紙、新聞用紙、コンデンサー紙等を挙げることができる。
更に、種々の熱可塑性樹脂を原料に用いて製造されたプラスチックフィルム類であるポリエチレンテレフタレートフィルムやポリ塩化ビニールフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムやポリイミドフィルム、同じく熱可塑性樹脂類を抄く工程を経ずに紙状に加工した合成紙類(例えば王子油化製、ユポFPG−150)等も使用することが出来る。
また、ポリエチレンテレフタレートやポリ塩化ビニールや厚紙を用いて製造されたカード類も用いることが出来る。
【0034】
(熱転写方法)
上記の熱転写シートから被転写体に画像を転写する際に使用する熱エネルギーの付与手段は、コンピューターからの画像情報に応じて加熱量をコントロールし得る従来公知の付与手段がいずれも使用でき、例えばワードプロセッサーに用いられる感熱溶融転写方式用サーマルヘッドやビデオプリンターに用いられる感熱昇華転写方式用サーマルヘッドや、レーザー印字方式プリンターに用いられるレーザーヘッド等を用いることが出来る。更に、熱転写シートの背面側に通電発熱層を設けた場合、通電加熱型溶融転写方式用通電ヘッドを用いることも可能である。
【0035】
(熱膨張手法)
被転写体に転写された画像を発泡させる為の熱エネルギーの付与手段(加熱手段)には従来公知の付与手段がいずれも使用でき、例えばオーブンによる加熱や電熱線による熱風加熱や赤外線照射加熱やレーザー光線照射加熱や、電磁気加熱等の加熱方式、及び被転写体を加熱ロールに接触させる加熱方式等が挙げられる。
【0036】
(被転写体の応用)
本発明による熱転写シートを用いて形成される点字は、エンボス方式によって印字される点字と異なり、点字画像が形成された裏面に凹状の窪みが発生せず、健常者の為の墨字印刷が施された紙等の反対面等に、墨字情報を損なえること無く点字を印刷することが出来る。よって例えば金銭の支払い内容等を記録したレシートの裏面や表面、通常の文字印刷が施された名刺の裏面や表面、更には磁気情報が記録されたプリペイドカードの表面、あるいは航空券や乗車券等の表面や裏面に印刷することも可能である。
尚、本明細書において特に本発明の熱転写シートが効果的な点字を例にとって詳細に説明したが、盛り上げ画像は特に点字画像だけでなく、絵柄や記号、文字であってもかまわない。また盛り上げ画像をスタンプ(ハンコ)として用いることも可能である。
【0037】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明に係わる熱転写シートを用いた画像形成方法を更に具体的に説明する。なお、文中にて部又は%とあるのは特に断りの無い限り重量基準である。
【0038】
(実施例1)
基材シートとして熱膨張層を形成する面の背面に耐熱処理を施した厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの面に、下記の剥離性調整層形成用インキ組成物を乾燥厚みが1.0μmになる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥した。更にこの剥離性調整層上に下記熱膨張層形成用インキ組成物を乾燥厚みが30.0μmになる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥し、連続シート状である本発明に係わる熱転写シートを得た。
剥離性調整層塗工液組成
ポリメタクリル酸エステル樹脂 10部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−85)
メチルエチルケトン 50部
トルエン 50部
熱膨張層塗工液組成
ポリエステル水分散液 40部
(東洋紡績(株)製、バイロナールMD−1930、固形分濃度30%、樹脂
の数平均分子量約25,000)
熱膨張性マイクロカプセル 15部
(松本油脂(株)製、マツモトマイクロスフェアーF−20VS)
水 20部
【0039】
(実施例2)
実施例1の剥離性調整層塗工液に代えて下記剥離性調整層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明に係わる熱転写シートを得た。
剥離性調整層塗工液組成
ポリメタクリル酸エステル樹脂 100部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−85)
カヤセットブルー714(日本化薬(株)製) 5部
メチルエチルケトン 500部
トルエン 500部
【0040】
(実施例3)
実施例1の熱膨張層塗工液に代えて下記熱膨張層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明に係わる熱転写シートを得た。
熱膨張層塗工液組成
ポリエステル樹脂 20部
(ダイセル化学工業(株)製、PLACCEL H1P、樹脂の数平均分子量
約10,000)
熱膨張性マイクロカプセル 25部
(松本油脂(株)製、マツモトマイクロスフェアーF−20VS)
トルエン 200部
【0041】
(実施例4)
実施例1に従って調整した熱転写シートの熱膨張層上に、均一になるよう撹拌された下記の感熱接着層形成用インキ組成物を乾燥厚みが2.0μmになる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥し、本発明に係る熱転写シートを得た。
感熱接着層塗工液組成
ポリエステル水分散液 20部
(東洋紡績(株)製、バイロナールMD−1930、固形分濃度30%)
水 10部
【0042】
(実施例5)
実施例1の剥離性調整層塗工液に代えて、下記剥離性調整層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明に係わる熱転写シートを得た。
剥離性調整層塗工液組成
ビスフェノールAポリカーボネート 5部
(JANSSEN CHIMICA製造)
クロロホルム 100部
(実施例6)
実施例1の剥離性調整層塗工液に代えて下記剥離性調整層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明に係わる熱転写シートを得た。
剥離性調整層塗工液
ポリエステル樹脂(バイロン600 東洋紡績(株)製) 10部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 50部
【0043】
(比較例1)
実施例1において、剥離調整層を除いた構成とした他は、実施例1と同様にして本発明に係わる熱転写シートを得た。
【0044】
〔熱転写試験〕
前記実施例及び比較例の熱転写シートの熱膨張層塗工面を厚さ150μm の上質紙に重ね合わせ、熱転写シートの背面からサーマルヘッド(KMT−85−6MPD2−HTV)を用いて、ヘッド引加電圧12.0V、印字速度33.3ms/line 、印加パルス幅16.0ms/line の印字条件で加熱を行ない、サーマルヘッドからの加熱によって構成される約170μm四方の画素が直径約1mmの円を構成するよう画像情報を制御することで点字の文書を構成する直径約1mmの点画素を転写した。
次に、転写シートを被転写紙から剥離した後、100度のオーブン中で1分間加熱し、転写された熱膨張層を膨張させ、表1の結果を得た。尚、表1に示した各性能の評価方法は以下の通り行なった。
なお、本明細書中でいう点画素とは、直径約1mmの点が6個配置されることにより表現される盲人用の点字に於ける、個々の点を指し示す。
【0045】
(1)箔切れ性
サーマルヘッドによる加熱後、転写シートと被転写紙を剥離する際、加熱された箇所に隣接する熱膨張層が、転写シートから切れずに転写してしまう度合を3段階に評価した。
◎:箔の切れ残りは全く発生せず、加熱部と未加熱部の境界が明瞭であった。
○:箔の切れ残りはほとんど発生せず、良好な触読性を示した。
△:点画素の周囲に箔の切れ残りが付着しており、触読の際の妨げとなった。
×:点画素以外の部分が殆ど転写してしまい、点画素を指で認識することが困難であった。
(2)点字高さ
熱転写により形成した熱膨張前の点字画像を加熱膨張した後、マイクロメーターによって点字の高さを測定した。
○:200μm 以上であり、点字文書として良好に触読することが出来た。
△:100〜200μm であり、点画素の存在はわかるが、6個の点画素の各有無を判別することは困難であり、触読により点字文書を読解するのは困難であった。
×:100μm 以下であり、被転写紙から隆起していることは指触で解るが、点画素として認識することが困難であった。
(3)発泡体強度
○:熱膨張した点画素が指触によって潰れたりちぎれたりすることは殆ど無く、触読を繰り返して行なっても、触読性に変化は認められなかった。
△:触読を繰り返すうちに、熱膨張した点画素が潰れたり一部ちぎれたりしてしまい、初期の触読性が徐々に低下した。
×:熱膨張した点画素が指触で容易に潰れてしまい、点画素の存在を読み取ることが困難であった。
【0046】
(4)剥離の重さ
◎:印画後の熱転写シートを剥離することが容易であり、基材シートが伸びたり切れたりすることは無かった。
○:印画後の熱転写シートを剥離する為に◎評価のものより力を要するが、基材シートが伸びたり切れたりすることが無かった。
△:印画後の熱転写シートを剥離する為に強い力が必要であり、基材シートが伸びを生じてしまった。
×:印画後の熱転写シートを剥離する為に力が非常に強くなければならず、基材シートが破断してしまった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
以上の如く、熱膨張層と基材シート間に剥離性調整層を設けた盛り上げ画像形成用熱転写シートと被転写体を重ね、加熱手段により盛り上げ画像を形成後、熱膨張層と基材フィルムの間で熱転写シートを剥離し、次に前記盛り上げ画像形成物を任意の手段により加熱することにより、被転写体上の熱膨張層を発泡させて立体感のある画像を形成することにより、盲人用点字等の作成に使用しうる盛り上げ画像形成用熱転写シートにおける画像形成精度を高めることが可能となり、触読性に優れた盲人用点字画像を形成する事が可能となる。また、熱膨張層が易揮発性炭化水素を内包する熱膨張性マイクロカプセルと樹脂バインダーを含有した熱転写シートによって作成した点字画像を加熱することで盲人用点字を作成すると、発泡体の断面は熱膨張したマイクロカプセルによる微細な気泡が連結することなく個別に樹脂にコートされる形をとるために高い弾力性を示し、指触においてもつぶれにくく、変形に対する復元性を良好にすることが可能となる。特に好ましい実施様態による熱転写シートによって作成された点字は、エンボス法で厚紙に形成された一般の点字と同等の点字高をとらせる様に熱転写及び加熱発泡させても良好な弾力性を有し、指による摩擦で点字高が変化することもなく、作成された点字文書は良好な触読性を示す。しかも、本発明による熱転写シートを用いることにより、一般に広く普及している点字と同等な触読性を有する点字文書を、これまで印字し得なかった種々の基材、たとえばレシートや、一般の名刺の裏面に、コンピューターからの情報に応じて、熱転写方式により作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写シートの一実施例を示す断面図
【図2】本発明に係る熱転写シート(タイプA)を用いた画像形成物の断面図
【図3】本発明に係る熱転写シート(タイプB)を用いた画像形成物の断面図
【図4】本発明に係る熱転写シート(タイプC)を用いた画像形成物の断面図
【図5】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示す断面図
【図6】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示す断面図
【符合の説明】
1:基材フィルム
2:剥離性調整層
3:熱膨張層
4:感熱接着層
6:耐熱滑性層
7:被転写体
【産業上の利用分野】
本発明は盛り上げ画像、特に盲人用点字作成に効果的な熱転写シートに関し、更に詳しくは指による触読が容易で、触読に対する耐久性に優れた盲人用点字画像を形成し得る、盛り上げ画像形成用の熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、日本語点字標記法等に従った盲人用の点字文書をコンピューターからの出力情報に応じて印字する場合には、例えば東洋ハイブリッド株式会社製の点字プリンター”TP−32”による印字物の様に、エンボス法によって紙に触読可能な突起を形成する方法が行なわれている。
この手法によって紙に点字を印刷する為には、エンボス法により形成される突起状の点字画像部が破れないだけの厚みを持った紙を使用することが必要であり、コピー用紙などの厚さが100μmに満たない紙に点字を印刷することはできなかった。
また、エンボス法による点字の印刷は、触読する側とは反対の面に凹状のくぼみを発生させる為、晴眼者(通常の視覚能力を有する者)の為に墨字が記録された通常の印字物の裏に、同様の内容等を示す為の点字を印字しようとした場合、墨字が反対面の点字による凹模様によって読解しにくくなるという問題点を生じていた。
【0003】
この様な問題点は特開平1−238984号公報、特開平4−333858号公報に開示されている、加熱手段によってインクフィルムのインクを溶融させて点字像を形成する技術によって解決することが可能である。
しかし、通常のエンボス法による点字印刷物と同等の触読性を実現する為には、それらと同等である300μm前後の点字高が必要とされる。従って、画像情報に応じて加熱を行なう為に簡便な手段であるサーマルヘッドでこのように厚い層を熱転写シートから転写する為には、非常に高いエネルギーを熱転写シートの基材側から加えることが必要となり、かかる高エネルギーによって基材フィルムを溶融破壊してしまうという問題を生じていた。しかも、このような高エネルギーをサーマルヘッドに加えることは、サーマルヘッドの性能上の理由から非常に困難であった。
また別の方法として、加熱により分解反応によってガスを発生する発泡剤を含有する熱溶融性転写層を設けた熱転写シートを用いて、通常の熱エネルギーで画像状に転写し、転写の際の熱エネルギー又は転写後に再び加熱することによって、転写画像を膨張させ、立体視化できるようにする技術が知られている。(特開平1−238984号公報等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の如き熱転写シートを用いて、点字を作成する場合、基材シートと熱膨張層間の接着力が不適切であることにより、画像形成の為の熱エネルギーが加わった所でも被転写体に所定の画像全てが転写しなかったり、熱エネルギーが加えられていない所でも箔が転写してしまう不都合が生じていた。基材シートへの接着力を熱膨張層のバインダー樹脂によって調節しようとすると、バインダー樹脂の選択に対する制約が増加するために、熱膨張剤のバインディングという本来の目的に最も適した樹脂を選定できなくなるという問題を生じていた。また特に盲人の為の点字を転写によって作成する場合、わずかでも転写された点画素に過不足があると、目視では問題にならないものでも、触読に対しては誤読を招く重要な問題となっていた。従って、本発明の目的は、盲人用点字等の高精度が要求される立体感のある画像を形成する画像形成方法を提供することである。更には転写画像を形成する箔の切れが良好であり、指による触読が容易であり、しかも耐久性に優れた盲人用点字画像を形成することができる画像形成方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち請求項1の発明は、基材シートの一方の面に熱膨張層を形成してなる盛り上げ画像作成の為の熱転写シートにおいて、該熱膨張層と基材シートの間に剥離性調整層が形成されている盛り上げ画像形成用熱転写シートと被転写体を重ね、加熱手段により盛り上げ画像を形成後、熱膨張層と基材フィルムの間で熱転写シートを剥離し、次に前記盛り上げ画像形成物を任意の手段により加熱することにより、被転写体上の熱膨張層を発泡させて立体感のある画像を形成することを特徴とする画像形成方法である。請求項2の発明は、前記剥離性調整層が、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法である。請求項3の発明は、前記熱転写シートにおいて、熱膨張層の最表面に感熱接着層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法である。
【0006】
請求項4の発明は、前記画像が点字であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像形成方法である。
【0007】
【作用】
熱膨張層と基材の間に剥離性調整層を設けた盛り上げ画像形成用熱転写シートと被転写体を重ね、加熱手段により盛り上げ画像を形成後、熱膨張層と基材フィルムの間で熱転写シートを剥離し、次に前記盛り上げ画像形成物を任意の手段により加熱することにより、被転写体上の熱膨張層を発泡させて立体感のある画像を形成することにより、基材から転写画像を剥離する力を最適化することが容易になり、画像形成の為の印加エネルギーパターンに応じて、過不足なく正確に画像を形成することができる。また、特に好ましい実施様態による熱転写シートにより作成された点字は、エンボス法で厚紙に形成された一般の点字と同等の点字高とする為に、熱転写及び加熱発泡させても良好な弾力性を示し、指による摩擦で点字高が変化することもなく、作成された点字文書は良好な触読性を示す。
【0008】
【好ましい実施様態】
次に好ましい実施様態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0009】
(層構成)
本発明の熱転写シートの基本形態は、図1に示す様に、基材シート1の一方の面に剥離性調整層2を介して熱膨張層3を設けたことを特徴としている。
この剥離性調整層は、熱膨張層とともに被転写体上に転写されるタイプA(図2)、剥離性調整層中で凝集破壊するタイプB(図3)、転写後に基材上に剥離性調整層が残存するタイプC(図4)に大別される。
また、被転写体への接着性が十分でない場合には、図5に示す様に、熱膨張層3の最表面に、感熱接着層4を設けてもよい。
また、本発明の熱転写シートを用いて盛り上げ画像を被転写体に転写する為の加熱手段としてサーマルヘッドを使用する場合、基材フィルムの熱膨張層が形成されていない側より加熱が行なわれる為、この面に耐熱性、滑り性、或いはこの両物性を持たせる為の耐熱滑性層を設けることが好ましい。(図6)
【0010】
(基材シート)
本発明で用いる基材シートには、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材シートをそのまま用いることができると共に、その他のものも使用することができ、特に制限されない。
好ましい基材シートの具体例としては、たとえば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラスチックフィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布などがあり、又、これらを複合した基材シートであっても良い。
【0011】
上記基材シートの厚さは、その強度及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変更することが出来るが、好ましくは2〜100μm、更に好ましくは3〜25μmである。
【0012】
(剥離性調整層)
本発明では上記基材シートと熱膨張層の間に、剥離性調整層を設けることを特徴としている。
剥離性調整層は、熱転写シートにより盛り上げ画像を形成する際、画像形成の為の加熱手段により、加熱された箇所のみ熱膨張層が被転写体に接着して、その後は熱転写シートから接着部分のみを剥離させる為の力を調整する為に形成する。
この場合、剥離性調整の目的達成に支障をきたさない範囲で、剥離性調整層と熱膨張層の界面、または剥離性調整層と基材シートの界面、または剥離性調整層の層内で剥離を起こさせることができる。
【0013】
剥離性調整層と基材シートの界面、または剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合は、転写された熱膨張層の最表面に位置するように剥離性調整層形成樹脂も転写されることになる。この為、剥離性調整層形成樹脂には熱膨張層の膨張性を阻害しない樹脂を選定することが必要である。また、この場合剥離性調整層は盛り上げ画像の保護層としての機能もあるが、触読するときの指触感を損なうものであってはならない。
一方、剥離性調整層と熱膨張層の界面で剥離を起こさせる場合、転写された熱膨張層の表面には剥離性調整層形成樹脂が転写しない。このため、剥離性調整層形成樹脂の選定に際して熱膨張層の膨張性を阻害しないことへの配慮が不要となり、剥離性調整層と基材シートの界面、および剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合に比べて、剥離性調整層と熱膨張層の界面で剥離を起こさせる手法の方が剥離性調整層の材料選定に対する自由度が大きく、好ましい。
【0014】
剥離性調整層(タイプA)を形成する樹脂は、熱膨張層の加熱膨張を阻害しない熱可塑性樹脂の中から、塗布皮膜を形成できるものから選択する。そして、触読を容易にできるようにマット剤であるシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機物やポリカーボネート、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの有機物の微粒子を分散させることもできる。また剥離性調整層(タイプA)に熱膨張性マイクロカプセルを含ませることにより、転写画像と共に発泡させて触読を容易にすることもできる。
使用する熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂、線状ポリエステル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ウレタン、アクリロニトリル、ポリイソブチレン、ネオプレン、天然ゴムなどの溶液あるいはディスパージョンがある。
好ましくは、熱膨張層の発泡剤である炭化水素のバリア層となる塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリルやアクリル樹脂である。
そしてその塗布は、グラビアコート、ロールコート、エアナイフコートなどの通常の方法でおこなわれ、塗布厚みは0.05〜5.00μmが好ましく、更に0.01〜2.00μmであることが好ましい。
【0015】
また剥離性調整層(タイプB)を形成するための樹脂は、熱転写シートから熱膨張層を転写するときの熱で、熱溶解して凝集力を低下するものであり、天然ワックスや合成ワックス、熱可塑性樹脂から選定できる。例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックス、フィシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコーンワックス等の種々のワックス類;ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの単独あるいは混合物がある。
好ましくは低分子量ポリエチレンを主とするものである。
そしてその塗布は、熱溶融したり、溶剤に加熱溶融したり、溶液にしたり、あるいはディスパージョンの状態のものをグラビアコート、ロールコート、エアナイフコートなどの通常の方法で行われ、塗布厚みは0.05〜5.00μmが好ましく、0.10〜2.00μmであることが更に好ましい。
【0016】
剥離性調整層(タイプC)を形成する樹脂は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン等のようにそれ自身が離型性をもつもの、アクリル系樹脂、線状ポリエステル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、酢酪酸セルロース等のワニスにシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ワックス、脂肪酸アミドなどの離型剤を加えたものや、上記樹脂を種々の架橋剤で架橋させたものを使用することができる。例えばイソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジイソシアネートをトリメチロールプロパンに付加させたアダクト体やビウレット体やトリマー等のポリイソシアネート、エポキシ基やアジリジン基やオキサゾリン基を有する架橋剤、メラミン等の架橋剤;アルミニウムや亜鉛やチタンやジルコニウム等のキレート化剤を使用することが可能である。
好ましくは、架橋したシリコーン樹脂や又は、ポリイソシアネートで架橋した離型剤を含むアクリル樹脂やポリエステルである。
そしてその塗布はグラビアコート、ロールコートなどの通常の方法で行われ、塗布厚みは0.05〜5.00μmが好ましく、0.01〜2.00μmであることが更に好ましい。
【0017】
また、剥離性調整の目的達成の為に、上述した剥離性調整層形成樹脂を種々の架橋剤で架橋させることが可能である。例えばイソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート;ジイソシアネートをトリメチロールプロパンに付加させたアダクト体やビウレット体やトリマー等 のポリイソシアネート;エポキシ基やアジリジン基やオキサゾリン基を有する架橋剤;メラミン等の架橋剤;アルミニウムや亜鉛やチタンやジルコニウム等のキレート化剤を使用することが可能である。
剥離性調整層を架橋させる場合、それぞれの架橋反応に応じて公知の触媒を使用することが出来、例えばイソシアネートの反応にはジ−n−ブチル錫ジラウレートやジオクトエ酸錫等の錫系触媒や、テトラメチルブタンジアミンや、N,N,N'N',-テトラメチル-1,3,-ブタンジアミン等のアミン系触媒や1,4 −ジアザ−ビシクロ〔2,2,2〕オクタン等を用いることができる。
る。
【0018】
また、別の態様として熱膨張層及び剥離性調整層に用いるバインダー樹脂が熱拡散性色素に対して染着性を有している場合、剥離性調整層に任意の色の熱拡散性色素を添加することが出来る。
このように形成することにより、熱膨張層をコーティングする際の乾燥工程における熱によって、剥離性調整層に添加した熱拡散性色素が拡散することにより、熱膨張層を任意に着色することができ、発泡剤とバインダー樹脂を水に分散または溶解した液体の塗布・乾燥によって形成される熱膨張層に対しても、水に不溶また分散困難な色素を用いて染色することが可能となる。
【0019】
熱拡散性色素としては、従来公知の染料はいずれも本発明に使用可能であり、特に制限されない。例えば、好ましい染料として、赤色染料としてMS Red G、Macrolex Red Violet R 、Ceres Red7B 、Samaron Red HBSL、Resolin Red F3BS等が挙げられ、又、黄色染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL 、PTY-52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、又、青色染料としては、カヤセットブルー714 、ワクソリンブルーAP-FW 、ホロンブリリアントブルーS-R 、MSブルー100 等が挙げられる。又、これらの熱拡散性色素を一種類のみならず二種類以上任意に混合して希望の色調を得ることも可能である。
【0020】
(熱膨張層)
本発明の熱転写シートの熱膨張層は、樹脂バインダー、発泡剤を含有していることが好ましい。
【0021】
〔発泡剤〕
本発明で使用する発泡剤としては、従来公知のものを使用することが出来、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’ジニトロソ−N,N’ジメチルテレフタルアミド、P−トルエンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾルカルボンアミド、P−トルエンスルホニルアジド、アセトン−P−スルホニルヒドラゾン等の有機系発泡剤;重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等の無機系発泡剤;内部に低温で揮発する溶媒を含有した熱膨張性マイクロカプセル等が挙げられるが、本発明では、特にこの熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。
【0022】
〔熱膨張性マイクロカプセル〕
本発明で使用される熱膨張性マイクロカプセルは、低温で揮発する炭化水素を樹脂からなる壁剤の内部に包含させたカプセル構造をとるものであり、特定温度での加熱によって未加熱状態の時の約十倍から約百倍程度に体積が膨張するものを使用する。
熱膨張性マイクロカプセルに内包させる炭化水素としては、塩化メチル、臭化メチル、トリクロロエタン、ジクロロエタン、n-ブタン、n-ヘプタン、n-プロパン、n-ヘキサン、n-ペンタン、イソブタン、イソヘプタン、ネオペンタン、石油エーテル、フレオン等のフッ素原子を有する脂肪族炭化水素、或いはこれら炭化水素の複数混合体等を用いることができる。
熱膨張性マイクロカプセルの壁剤としては、塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチルアクリレート、メタクリル酸エチルアクリレート、酢酸ビニル、或いはこれらの樹脂の共重合体やブレンド物等を用いることが出来、さらに必要に応じて架橋剤を使用することも可能である。
【0023】
熱膨張性マイクロカプセルの粒径は直径0.1〜50μmであることが好ましく、更に0.1〜30μmであることが好ましい。
上述の如き熱膨張性マイクロカプセルの市販品として、例えば松本油脂製薬株式会社製造の”マツモトマイクロスフェアー”シリーズのF-20,F-30,F-30VS,F-40,F-50,F-80S,F-82,F-85,F-80VS,F-100 等や、日本フェライト株式会社製造の”エクスパンセル”シリーズを挙げることが出来る。
熱膨張層における熱膨張性マイクロカプセルの含有割合は、樹脂バインダー100重量部に対して30重量部〜200重量部であることが好ましく、特に50重量部〜150重量部であることが好ましい。30重量部未満の場合は熱膨張層が十分に膨張せず、200重量部を越えると盛り上げ画像の触読に対する耐久性が不足してくる。
【0024】
また、発泡剤として無機系または有機系のものを用いる場合、熱膨張層における発泡剤の含有割合は、樹脂バインダー100重量部に対して20重量部〜200重量部であることが好ましく、特に40重量部〜160重量部であることが好ましい。20重量部未満の場合は、熱膨張層が十分に膨張せず、200重量部を越えると盛り上げ画像の触読に対する耐久性が不足してくる。
【0025】
〔樹脂バインダー〕
熱膨張層の樹脂バインダーを構成する材料としては、例えばフェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニルやポリアクリルエステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、加硫ゴムや未加硫ゴム等のゴム系樹脂等が挙げられる。ゴム系樹脂としては、例えば、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、合成イソプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、塩素化ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴム等の未加硫ゴム、或いは加硫ゴムが挙げられる。特に好ましい樹脂として、ポリエステル系樹脂及びゴム系樹脂を挙げることが出来る。
【0026】
本発明では、これらの樹脂の数平均分子量は1,000以上であることが好ましい。
数平均分子量が1,000未満であるカルナバワックスやパラフィンワックスやみつろう等の天然ワックス、或いは同じく数平均分子量が1,000未満であるポリエチレンワックスやステアリン酸やアーマーワックス等の合成ワックスを熱膨張層バインダーの主成分として用いた場合、形成された点字画像は非常にもろく、触読により欠けやつぶれを容易に生じてしまうおそれがある。
またこのような低分子量バインダーは、熱転写シートを用いて形成した画像を加熱発泡させて、盛り上げ画像を形成する為に必要な約60℃から140℃に加熱にすると、軟化或いは溶融することにより粘性が非常に低下しやすい。この為バインダーが被転写基材に染み込んでしまったり、形成される画像の周囲に流れ出るおそれがあり、熱膨張性マイクロカプセルが被転写基材上に保持されにくくなるという不都合を生じやすい。
【0027】
被転写材に点字画像等の微細な盛り上げ画像を熱転写する際、加熱が行なわれた箇所のみが過不足無く転写することが正確な画像形成のためには極めて重要であり、熱溶融型転写層が一定の熱転写シート剥離条件下において任意に破断(箔切れ)しなければならない。この為に樹脂バインダーの数平均分子量は30,000以下が好ましく、25,000以下であると特に好ましい。
また、点字画像等の盛り上げ画像の触読による破損に対する耐久性への要求が非常に高度である場合は、樹脂バインダーの分子量が大きい方が良好な盛り上げ画像を得ることが出来、この為には樹脂バインダーの数平均分子量は3,000以上である事が好ましく、10,000以上である事が特に好ましい。
すなわち、点字画像等の盛り上げ画像の形成の正確さと触読による破損に対する耐久性を考慮すると、樹脂バインダーは数平均分子量が1000以上かつ30,000以下であることが好ましく、更に好ましくは3,000以上かつ25,000以下、特に10,000以上25,000以下であることが特に好ましい。
【0028】
(着色剤)
熱膨張層には、必要に応じて着色剤を添加することができる。
着色剤は、熱膨張層を基材フィルム上に塗布形成するにあたって支障をきたさない範囲において任意に選ぶことが出来る。
すなわち熱膨張層の塗布に用いる溶媒又は分散媒に対して、均一に溶解又は分散する着色剤から選ばれることが好ましい。
例えば熱膨張層が水を分散媒とする水分散体を塗布して形成される場合、選択される着色剤は水に対して均一に分散又は溶解するものの中から選ばれることが好ましく、グレーもしくは黒色に着色する為にはカーボンブラックの水分散体を使用することが出来、有彩色に着色する為には各々の色に対応する水溶性又は水分散性の有機顔料又は無機顔料を使用することが出来る。
同様に熱膨張層が水と有機溶剤の混合液や、有機溶剤に、溶解または分散されたものである場合、着色剤はかかる溶媒又は分散媒に対して均一に分散又は溶解するものの中から選ばれることが好ましく、この場合も所望の色相、彩度、明度に応じて任意の着色が可能であることはいうまでもない。
又、転写シート上に熱膨張層を形成した時点では無色であるが、熱転写の為の熱エネルギーや発泡の為の熱エネルギーが加えられることにより発色する層であっても良い。また、被転写体にあらかじめ塗布されているものと接触することにより発色するものであってもよいし、加熱発泡させた点字画像を指で触ることで発色或いは他の色に変化するものであってもかまわない。
【0029】
(熱良伝導性物質)
さらに、熱膨張層に良好な熱伝導性及び溶融転写性を与える為に、熱良伝導性物質を熱膨張層に添加することが出来る。
この様な物質としては、銅やアルミニウムや酸化錫や二硫化モリブデン等の、金属或いは金属酸化物或いは金属硫化物よりなる粉末や微粉末やウイスカー、又はカーボンブラックなどの炭素質物質等を用いることが出来る。
【0030】
(熱膨張層コート方法)
熱膨張層は前記の基材シートの一方の面に、上記の如き樹脂に必要に応じて架橋剤や架橋反応促進触媒等の必要な添加剤を加えたものを、適当な有機溶剤又は水に溶解したり、有機溶剤と水の混合体に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散させた分散体を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥することによって形成される。また、剥離性調整の機能を持つ複数種の剥離性調整層形成用塗工液を重ね塗りして剥離性調整層を形成しても良い。
熱膨張層の厚みは10μm〜100μmが好ましく、20μm〜80μmであることが更に好ましい。
【0031】
また、熱溶融型転写層が一定の熱転写シート剥離条件下において任意に破断(箔切れ)する為には、バインダー樹脂は適度な引張破断強度を持つことが好ましい。すなわち、JIS-K-7127に規定される引張破断伸度が50%以上かつ2,000%以下であることが好ましく、100%以上かつ1,000%以下であることが更に好ましい。
50%未満である場合はバインダー樹脂として必要な強度が不足し、点字画像の触読による破損に対する耐久性が劣り、さらに熱転写が行なわれる前に転写シート上で熱膨張層にひびが入りやすくなるといった問題点を生ずる。
2,000%を越えると点字画像の輪郭に応じた部分で熱膨張層が破断しにくくなり、点字画像に切れ残った箔が付着して触読性を低下させたり、点字画像の一部に欠落を生ずるといった問題点を生ずる。
【0032】
(耐熱滑性層)
基材シートとして熱に弱い材料を用い、かつ点字画像を転写する為の加熱手段にサーマルヘッドを使用する場合、サーマルヘッドに接する側の表面に、サーマルヘッドの滑りを良くし、且つスティッキングを防止する為の耐熱滑性層を設けることが好ましい。耐熱滑性層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤又は滑剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とする。種々の熱可塑性樹脂を公知の架橋剤によって架橋させることは樹脂の耐熱性を向上させる為に有効な方法であり、例えば熱可塑性樹脂の側鎖や分子末端に水酸基が有る場合、ポリイソシアネート等の架橋剤を用いることが出来る。架橋剤を使用する場合は、必要に応じて触媒を使用することも出来る。
【0033】
(盛り上げ画像の被転写体)
以上の如き本発明の熱転写シートを使用して熱転写を行なう際に使用する被転体としては、カット状態や小巻状態やカード状態である種々の紙類を使用することが出来る。その素材はセルロース等の天然繊維に限定されず、ビニロンやナイロンやポリエステルやアクリルなどの合成繊維、ステンレス等の金属繊維、アルミナやシリケート等の無機繊維、炭素繊維、キチン繊維、キトサン繊維等を用いて抄き上げたもの等いずれも使用することが出来る。天然繊維を用いた紙類としては、例えば上質紙、中質紙、コピー用紙、アート紙、コート紙、クラフト紙、ケント紙、板紙、図画用紙、カード用紙、更紙、グラシン紙、新聞用紙、コンデンサー紙等を挙げることができる。
更に、種々の熱可塑性樹脂を原料に用いて製造されたプラスチックフィルム類であるポリエチレンテレフタレートフィルムやポリ塩化ビニールフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムやポリイミドフィルム、同じく熱可塑性樹脂類を抄く工程を経ずに紙状に加工した合成紙類(例えば王子油化製、ユポFPG−150)等も使用することが出来る。
また、ポリエチレンテレフタレートやポリ塩化ビニールや厚紙を用いて製造されたカード類も用いることが出来る。
【0034】
(熱転写方法)
上記の熱転写シートから被転写体に画像を転写する際に使用する熱エネルギーの付与手段は、コンピューターからの画像情報に応じて加熱量をコントロールし得る従来公知の付与手段がいずれも使用でき、例えばワードプロセッサーに用いられる感熱溶融転写方式用サーマルヘッドやビデオプリンターに用いられる感熱昇華転写方式用サーマルヘッドや、レーザー印字方式プリンターに用いられるレーザーヘッド等を用いることが出来る。更に、熱転写シートの背面側に通電発熱層を設けた場合、通電加熱型溶融転写方式用通電ヘッドを用いることも可能である。
【0035】
(熱膨張手法)
被転写体に転写された画像を発泡させる為の熱エネルギーの付与手段(加熱手段)には従来公知の付与手段がいずれも使用でき、例えばオーブンによる加熱や電熱線による熱風加熱や赤外線照射加熱やレーザー光線照射加熱や、電磁気加熱等の加熱方式、及び被転写体を加熱ロールに接触させる加熱方式等が挙げられる。
【0036】
(被転写体の応用)
本発明による熱転写シートを用いて形成される点字は、エンボス方式によって印字される点字と異なり、点字画像が形成された裏面に凹状の窪みが発生せず、健常者の為の墨字印刷が施された紙等の反対面等に、墨字情報を損なえること無く点字を印刷することが出来る。よって例えば金銭の支払い内容等を記録したレシートの裏面や表面、通常の文字印刷が施された名刺の裏面や表面、更には磁気情報が記録されたプリペイドカードの表面、あるいは航空券や乗車券等の表面や裏面に印刷することも可能である。
尚、本明細書において特に本発明の熱転写シートが効果的な点字を例にとって詳細に説明したが、盛り上げ画像は特に点字画像だけでなく、絵柄や記号、文字であってもかまわない。また盛り上げ画像をスタンプ(ハンコ)として用いることも可能である。
【0037】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明に係わる熱転写シートを用いた画像形成方法を更に具体的に説明する。なお、文中にて部又は%とあるのは特に断りの無い限り重量基準である。
【0038】
(実施例1)
基材シートとして熱膨張層を形成する面の背面に耐熱処理を施した厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの面に、下記の剥離性調整層形成用インキ組成物を乾燥厚みが1.0μmになる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥した。更にこの剥離性調整層上に下記熱膨張層形成用インキ組成物を乾燥厚みが30.0μmになる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥し、連続シート状である本発明に係わる熱転写シートを得た。
剥離性調整層塗工液組成
ポリメタクリル酸エステル樹脂 10部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−85)
メチルエチルケトン 50部
トルエン 50部
熱膨張層塗工液組成
ポリエステル水分散液 40部
(東洋紡績(株)製、バイロナールMD−1930、固形分濃度30%、樹脂
の数平均分子量約25,000)
熱膨張性マイクロカプセル 15部
(松本油脂(株)製、マツモトマイクロスフェアーF−20VS)
水 20部
【0039】
(実施例2)
実施例1の剥離性調整層塗工液に代えて下記剥離性調整層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明に係わる熱転写シートを得た。
剥離性調整層塗工液組成
ポリメタクリル酸エステル樹脂 100部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−85)
カヤセットブルー714(日本化薬(株)製) 5部
メチルエチルケトン 500部
トルエン 500部
【0040】
(実施例3)
実施例1の熱膨張層塗工液に代えて下記熱膨張層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明に係わる熱転写シートを得た。
熱膨張層塗工液組成
ポリエステル樹脂 20部
(ダイセル化学工業(株)製、PLACCEL H1P、樹脂の数平均分子量
約10,000)
熱膨張性マイクロカプセル 25部
(松本油脂(株)製、マツモトマイクロスフェアーF−20VS)
トルエン 200部
【0041】
(実施例4)
実施例1に従って調整した熱転写シートの熱膨張層上に、均一になるよう撹拌された下記の感熱接着層形成用インキ組成物を乾燥厚みが2.0μmになる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥し、本発明に係る熱転写シートを得た。
感熱接着層塗工液組成
ポリエステル水分散液 20部
(東洋紡績(株)製、バイロナールMD−1930、固形分濃度30%)
水 10部
【0042】
(実施例5)
実施例1の剥離性調整層塗工液に代えて、下記剥離性調整層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明に係わる熱転写シートを得た。
剥離性調整層塗工液組成
ビスフェノールAポリカーボネート 5部
(JANSSEN CHIMICA製造)
クロロホルム 100部
(実施例6)
実施例1の剥離性調整層塗工液に代えて下記剥離性調整層塗工液を使用し、他は実施例1と同様にして本発明に係わる熱転写シートを得た。
剥離性調整層塗工液
ポリエステル樹脂(バイロン600 東洋紡績(株)製) 10部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 50部
【0043】
(比較例1)
実施例1において、剥離調整層を除いた構成とした他は、実施例1と同様にして本発明に係わる熱転写シートを得た。
【0044】
〔熱転写試験〕
前記実施例及び比較例の熱転写シートの熱膨張層塗工面を厚さ150μm の上質紙に重ね合わせ、熱転写シートの背面からサーマルヘッド(KMT−85−6MPD2−HTV)を用いて、ヘッド引加電圧12.0V、印字速度33.3ms/line 、印加パルス幅16.0ms/line の印字条件で加熱を行ない、サーマルヘッドからの加熱によって構成される約170μm四方の画素が直径約1mmの円を構成するよう画像情報を制御することで点字の文書を構成する直径約1mmの点画素を転写した。
次に、転写シートを被転写紙から剥離した後、100度のオーブン中で1分間加熱し、転写された熱膨張層を膨張させ、表1の結果を得た。尚、表1に示した各性能の評価方法は以下の通り行なった。
なお、本明細書中でいう点画素とは、直径約1mmの点が6個配置されることにより表現される盲人用の点字に於ける、個々の点を指し示す。
【0045】
(1)箔切れ性
サーマルヘッドによる加熱後、転写シートと被転写紙を剥離する際、加熱された箇所に隣接する熱膨張層が、転写シートから切れずに転写してしまう度合を3段階に評価した。
◎:箔の切れ残りは全く発生せず、加熱部と未加熱部の境界が明瞭であった。
○:箔の切れ残りはほとんど発生せず、良好な触読性を示した。
△:点画素の周囲に箔の切れ残りが付着しており、触読の際の妨げとなった。
×:点画素以外の部分が殆ど転写してしまい、点画素を指で認識することが困難であった。
(2)点字高さ
熱転写により形成した熱膨張前の点字画像を加熱膨張した後、マイクロメーターによって点字の高さを測定した。
○:200μm 以上であり、点字文書として良好に触読することが出来た。
△:100〜200μm であり、点画素の存在はわかるが、6個の点画素の各有無を判別することは困難であり、触読により点字文書を読解するのは困難であった。
×:100μm 以下であり、被転写紙から隆起していることは指触で解るが、点画素として認識することが困難であった。
(3)発泡体強度
○:熱膨張した点画素が指触によって潰れたりちぎれたりすることは殆ど無く、触読を繰り返して行なっても、触読性に変化は認められなかった。
△:触読を繰り返すうちに、熱膨張した点画素が潰れたり一部ちぎれたりしてしまい、初期の触読性が徐々に低下した。
×:熱膨張した点画素が指触で容易に潰れてしまい、点画素の存在を読み取ることが困難であった。
【0046】
(4)剥離の重さ
◎:印画後の熱転写シートを剥離することが容易であり、基材シートが伸びたり切れたりすることは無かった。
○:印画後の熱転写シートを剥離する為に◎評価のものより力を要するが、基材シートが伸びたり切れたりすることが無かった。
△:印画後の熱転写シートを剥離する為に強い力が必要であり、基材シートが伸びを生じてしまった。
×:印画後の熱転写シートを剥離する為に力が非常に強くなければならず、基材シートが破断してしまった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
以上の如く、熱膨張層と基材シート間に剥離性調整層を設けた盛り上げ画像形成用熱転写シートと被転写体を重ね、加熱手段により盛り上げ画像を形成後、熱膨張層と基材フィルムの間で熱転写シートを剥離し、次に前記盛り上げ画像形成物を任意の手段により加熱することにより、被転写体上の熱膨張層を発泡させて立体感のある画像を形成することにより、盲人用点字等の作成に使用しうる盛り上げ画像形成用熱転写シートにおける画像形成精度を高めることが可能となり、触読性に優れた盲人用点字画像を形成する事が可能となる。また、熱膨張層が易揮発性炭化水素を内包する熱膨張性マイクロカプセルと樹脂バインダーを含有した熱転写シートによって作成した点字画像を加熱することで盲人用点字を作成すると、発泡体の断面は熱膨張したマイクロカプセルによる微細な気泡が連結することなく個別に樹脂にコートされる形をとるために高い弾力性を示し、指触においてもつぶれにくく、変形に対する復元性を良好にすることが可能となる。特に好ましい実施様態による熱転写シートによって作成された点字は、エンボス法で厚紙に形成された一般の点字と同等の点字高をとらせる様に熱転写及び加熱発泡させても良好な弾力性を有し、指による摩擦で点字高が変化することもなく、作成された点字文書は良好な触読性を示す。しかも、本発明による熱転写シートを用いることにより、一般に広く普及している点字と同等な触読性を有する点字文書を、これまで印字し得なかった種々の基材、たとえばレシートや、一般の名刺の裏面に、コンピューターからの情報に応じて、熱転写方式により作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写シートの一実施例を示す断面図
【図2】本発明に係る熱転写シート(タイプA)を用いた画像形成物の断面図
【図3】本発明に係る熱転写シート(タイプB)を用いた画像形成物の断面図
【図4】本発明に係る熱転写シート(タイプC)を用いた画像形成物の断面図
【図5】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示す断面図
【図6】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示す断面図
【符合の説明】
1:基材フィルム
2:剥離性調整層
3:熱膨張層
4:感熱接着層
6:耐熱滑性層
7:被転写体
Claims (4)
- 基材シートの一方の面に熱膨張層を形成してなる盛り上げ画像作成の為の熱転写シートにおいて、該熱膨張層と基材シートの間に剥離性調整層が形成されている盛り上げ画像形成用熱転写シートと被転写体を重ね、加熱手段により盛り上げ画像を形成後、熱膨張層と基材フィルムの間で熱転写シートを剥離し、次に前記盛り上げ画像形成物を任意の手段により加熱することにより、被転写体上の熱膨張層を発泡させて立体感のある画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
- 前記剥離性調整層が、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
- 前記熱転写シートにおいて、熱膨張層の最表面に感熱接着層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
- 前記画像が点字であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像形成方法。
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