JPH08175042A - 盛り上げ画像形成用熱転写シート及びそれを用いた画像形成方法、画像形成物 - Google Patents

盛り上げ画像形成用熱転写シート及びそれを用いた画像形成方法、画像形成物

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JPH08175042A
JPH08175042A JP6337787A JP33778794A JPH08175042A JP H08175042 A JPH08175042 A JP H08175042A JP 6337787 A JP6337787 A JP 6337787A JP 33778794 A JP33778794 A JP 33778794A JP H08175042 A JPH08175042 A JP H08175042A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】盛り上げ画像、特に盲人用点字作成の為の熱転
写シートにおいて、転写画像を形成する箔の切れが良好
であり、高精度な画像形成が可能である熱転写シートを
提供する。 【構成】基材シート1の一方の面に熱膨張層3を形成し
てなる盛り上げ画像作成の為の熱転写シートにおいて、
該熱膨張層3と基材シート1の間に剥離性調整層2が形
成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は盛り上げ画像、特に盲人
用点字作成に効果的な熱転写シートに関し、更に詳しく
は指による触読が容易で、触読に対する耐久性に優れた
盲人用点字画像を形成し得る、盛り上げ画像形成用の熱
転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、日本語点字標記法等に従った盲人
用の点字文書をコンピューターからの出力情報に応じて
印字する場合には、例えば東洋ハイブリッド株式会社製
の点字プリンター”TP−32”による印字物の様に、
エンボス法によって紙に触読可能な突起を形成する方法
が行なわれている。この手法によって紙に点字を印刷す
る為には、エンボス法により形成される突起状の点字画
像部が破れないだけの厚みを持った紙を使用することが
必要であり、コピー用紙などの厚さが100μmに満た
ない紙に点字を印刷することはできなかった。また、エ
ンボス法による点字の印刷は、触読する側とは反対の面
に凹状のくぼみを発生させる為、晴眼者(通常の視覚能
力を有する者)の為に墨字が記録された通常の印字物の
裏に、同様の内容等を示す為の点字を印字しようとした
場合、墨字が反対面の点字による凹模様によって読解し
にくくなるという問題点を生じていた。
【0003】この様な問題点は特開平1−238984
号公報、特開平4−333858号公報に開示されてい
る、加熱手段によってインクフィルムのインクを溶融さ
せて点字像を形成する技術によって解決することが可能
である。しかし、通常のエンボス法による点字印刷物と
同等の触読性を実現する為には、それらと同等である3
00μm前後の点字高が必要とされる。従って、画像情
報に応じて加熱を行なう為に簡便な手段であるサーマル
ヘッドでこのように厚い層を熱転写シートから転写する
為には、非常に高いエネルギーを熱転写シートの基材側
から加えることが必要となり、かかる高エネルギーによ
って基材フィルムを溶融破壊してしまうという問題を生
じていた。しかも、このような高エネルギーをサーマル
ヘッドに加えることは、サーマルヘッドの性能上の理由
から非常に困難であった。また別の方法として、加熱に
より分解反応によってガスを発生する発泡剤を含有する
熱溶融性転写層を設けた熱転写シートを用いて、通常の
熱エネルギーで画像状に転写し、転写の際の熱エネルギ
ー又は転写後に再び加熱することによって、転写画像を
膨張させ、立体視化できるようにする技術が知られてい
る。(特開平1−238984号公報等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如き熱転写シートを用いて、点字を作成する場合、基材
シートと熱膨張層間の接着力が不適切であることによ
り、画像形成の為の熱エネルギーが加わった所でも被転
写体に所定の画像全てが転写しなかったり、熱エネルギ
ーが加えられていない所でも箔が転写してしまう不都合
が生じていた。基材シートへの接着力を熱膨張層のバイ
ンダー樹脂によって調節しようとすると、バインダー樹
脂の選択に対する制約が増加するために、熱膨張剤のバ
インディングという本来の目的に最も適した樹脂を選定
できなくなるという問題を生じていた。また特に盲人の
為の点字を転写によって作成する場合、わずかでも転写
された点画素に過不足があると、目視では問題にならな
いものでも、触読に対しては誤読を招く重要な問題とな
っていた。従って、本発明の目的は、盲人用点字等の高
精度が要求される盛り上げ画像形成用熱転写シートを提
供することである。更には転写画像を形成する箔の切れ
が良好であり、指による触読が容易であり、しかも耐久
性に優れた盲人用点字画像を形成することができる盛り
上げ画像形成用熱転写シートを提供することである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
よって達成される。即ち請求項1の発明は、基材シート
の一方の面に熱膨張層を形成してなる盛り上げ画像作成
の為の熱転写シートにおいて、該熱膨張層と基材シート
の間に剥離性調整層が形成されていることを特徴とする
盛り上げ画像形成用熱転写シートである。請求項2の発
明は、前記剥離性調整層が、ポリエステル樹脂、ポリメ
タクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂
からなる群から選択される少なくとも1種からなること
を特徴とする請求項1記載の盛り上げ画像形成用熱転写
シートである。請求項3の発明は、前記熱転写シートに
おいて、熱膨張層の最表面に感熱接着層が形成されてい
ることを特徴とする請求項1記載の盛り上げ画像形成用
熱転写シートである。
【0006】請求項4の発明は、前記剥離性調整層が、
熱膨張層とともに転写される関係を有することを特徴と
する請求項1記載の盛り上げ画像形成用熱転写シートで
ある。請求項5の発明は、前記剥離性調整層が、転写時
に基材側に残存する関係を有することを特徴とする請求
項1記載の盛り上げ画像形成用熱転写シートである。請
求項6の発明は、請求項1記載の熱転写シートと被転写
体を重ね、加熱手段により盛り上げ画像を形成後、熱膨
張層と基材フィルムの間で熱転写シートを剥離し、次に
前記盛り上げ画像形成物を任意の手段により加熱するこ
とにより、被転写体上の熱膨張層を発泡させて立体感の
ある画像を形成することを特徴とする画像形成方法であ
る。請求項7の発明は、前記画像が点字であることを特
徴とする請求項6記載の画像形成方法である。そして請
求項8の発明は、被転写体上に盛り上げ画像が形成され
てなる画像形成物において、該盛り上げ画像部の最表面
に剥離調整層が形成されていることを特徴とする画像形
成物である。
【0007】
【作用】熱膨張層と基材の間に剥離性調整層を設けるこ
とにより、基材から転写画像を剥離する力を最適化する
ことが容易になり、画像形成の為の印加エネルギーパタ
ーンに応じて、過不足なく正確に画像を形成することが
できる。また、剥離調整層が熱膨張層とともに転写され
る関係を有する材料から熱転写シートを構成する場合に
は、形成された点字画像の最表面に剥離性調整層材料が
付与される為、これに表面保護効果の高い材料を用いる
ことにより、触読時の指先での摩擦による点画像の欠損
や光照射による材料劣化に対する耐久性が高められる。
また、特に好ましい実施様態による熱転写シートにより
作成された点字は、エンボス法で厚紙に形成された一般
の点字と同等の点字高とする為に、熱転写及び加熱発泡
させても良好な弾力性を示し、指による摩擦で点字高が
変化することもなく、作成された点字文書は良好な触読
性を示す。
【0008】
【好ましい実施様態】次に好ましい実施様態を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。
【0009】(層構成)本発明の熱転写シートの基本形
態は、図1に示す様に、基材シート1の一方の面に剥離
性調整層2を介して熱膨張層3を設けたことを特徴とし
ている。この剥離性調整層は、熱膨張層とともに被転写
体上に転写されるタイプA(図2)、剥離性調整層中で
凝集破壊するタイプB(図3)、転写後に基材上に剥離
性調整層が残存するタイプC(図4)に大別される。ま
た、被転写体への接着性が十分でない場合には、図5に
示す様に、熱膨張層3の最表面に、感熱接着層4を設け
てもよい。また、本発明の熱転写シートを用いて盛り上
げ画像を被転写体に転写する為の加熱手段としてサーマ
ルヘッドを使用する場合、基材フィルムの熱膨張層が形
成されていない側より加熱が行なわれる為、この面に耐
熱性、滑り性、或いはこの両物性を持たせる為の耐熱滑
性層を設けることが好ましい。(図6)
【0010】(基材シート)本発明で用いる基材シート
には、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ
基材シートをそのまま用いることができると共に、その
他のものも使用することができ、特に制限されない。好
ましい基材シートの具体例としては、たとえば、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネー
ト、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ナ
イロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニル
アルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等の
プラスチックフィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙
等の紙類、不織布などがあり、又、これらを複合した基
材シートであっても良い。
【0011】上記基材シートの厚さは、その強度及び熱
伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変更するこ
とが出来るが、好ましくは2〜100μm、更に好まし
くは3〜25μmである。
【0012】(剥離性調整層)本発明では上記基材シー
トと熱膨張層の間に、剥離性調整層を設けることを特徴
としている。剥離性調整層は、熱転写シートにより盛り
上げ画像を形成する際、画像形成の為の加熱手段によ
り、加熱された箇所のみ熱膨張層が被転写体に接着し
て、その後は熱転写シートから接着部分のみを剥離させ
る為の力を調整する為に形成する。この場合、剥離性調
整の目的達成に支障をきたさない範囲で、剥離性調整層
と熱膨張層の界面、または剥離性調整層と基材シートの
界面、または剥離性調整層の層内で剥離を起こさせるこ
とができる。
【0013】剥離性調整層と基材シートの界面、または
剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合は、転写さ
れた熱膨張層の最表面に位置するように剥離性調整層形
成樹脂も転写されることになる。この為、剥離性調整層
形成樹脂には熱膨張層の膨張性を阻害しない樹脂を選定
することが必要である。また、この場合剥離性調整層は
盛り上げ画像の保護層としての機能もあるが、触読する
ときの指触感を損なうものであってはならない。一方、
剥離性調整層と熱膨張層の界面で剥離を起こさせる場
合、転写された熱膨張層の表面には剥離性調整層形成樹
脂が転写しない。このため、剥離性調整層形成樹脂の選
定に際して熱膨張層の膨張性を阻害しないことへの配慮
が不要となり、剥離性調整層と基材シートの界面、およ
び剥離性調整層の層内で剥離を起こさせる場合に比べ
て、剥離性調整層と熱膨張層の界面で剥離を起こさせる
手法の方が剥離性調整層の材料選定に対する自由度が大
きく、好ましい。
【0014】剥離性調整層(タイプA)を形成する樹脂
は、熱膨張層の加熱膨張を阻害しない熱可塑性樹脂の中
から、塗布皮膜を形成できるものから選択する。そし
て、触読を容易にできるようにマット剤であるシリカ、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウ
ムなどの無機物やポリカーボネート、ポリエチレン、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体などの有機物の微粒子を分
散させることもできる。また剥離性調整層(タイプA)
に熱膨張性マイクロカプセルを含ませることにより、転
写画像と共に発泡させて触読を容易にすることもでき
る。使用する熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂、線状ポ
リエステル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリアミ
ド、ウレタン、アクリロニトリル、ポリイソブチレン、
ネオプレン、天然ゴムなどの溶液あるいはディスパージ
ョンがある。好ましくは、熱膨張層の発泡剤である炭化
水素のバリア層となる塩化ビニル・塩化ビニリデン共重
合体、アクリロニトリルやアクリル樹脂である。そして
その塗布は、グラビアコート、ロールコート、エアナイ
フコートなどの通常の方法でおこなわれ、塗布厚みは
0.05〜5.00μmが好ましく、更に0.01〜
2.00μmであることが好ましい。
【0015】また剥離性調整層(タイプB)を形成する
ための樹脂は、熱転写シートから熱膨張層を転写すると
きの熱で、熱溶解して凝集力を低下するものであり、天
然ワックスや合成ワックス、熱可塑性樹脂から選定でき
る。例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナウ
バワックス、パラフィンワックス、フィシャートロプシ
ュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツ
ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワック
ス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性
ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコーン
ワックス等の種々のワックス類;ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリアミ
ド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂などの単独あるいは混合物がある。好ま
しくは低分子量ポリエチレンを主とするものである。そ
してその塗布は、熱溶融したり、溶剤に加熱溶融した
り、溶液にしたり、あるいはディスパージョンの状態の
ものをグラビアコート、ロールコート、エアナイフコー
トなどの通常の方法で行われ、塗布厚みは0.05〜
5.00μmが好ましく、0.10〜2.00μmであ
ることが更に好ましい。
【0016】剥離性調整層(タイプC)を形成する樹脂
は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンテ
ン、ポリプロピレン等のようにそれ自身が離型性をもつ
もの、アクリル系樹脂、線状ポリエステル、塩化ビニル
・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、
酢酪酸セルロース等のワニスにシリコーン樹脂、フッ素
樹脂、ワックス、脂肪酸アミドなどの離型剤を加えたも
のや、上記樹脂を種々の架橋剤で架橋させたものを使用
することができる。例えばイソホロンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ジイソシアネートを
トリメチロールプロパンに付加させたアダクト体やビウ
レット体やトリマー等のポリイソシアネート、エポキシ
基やアジリジン基やオキサゾリン基を有する架橋剤、メ
ラミン等の架橋剤;アルミニウムや亜鉛やチタンやジル
コニウム等のキレート化剤を使用することが可能であ
る。好ましくは、架橋したシリコーン樹脂や又は、ポリ
イソシアネートで架橋した離型剤を含むアクリル樹脂や
ポリエステルである。そしてその塗布はグラビアコー
ト、ロールコートなどの通常の方法で行われ、塗布厚み
は0.05〜5.00μmが好ましく、0.01〜2.
00μmであることが更に好ましい。
【0017】また、剥離性調整の目的達成の為に、上述
した剥離性調整層形成樹脂を種々の架橋剤で架橋させる
ことが可能である。例えばイソホロンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネー
ト;ジイソシアネートをトリメチロールプロパンに付加
させたアダクト体やビウレット体やトリマー等 のポリ
イソシアネート;エポキシ基やアジリジン基やオキサゾ
リン基を有する架橋剤;メラミン等の架橋剤;アルミニ
ウムや亜鉛やチタンやジルコニウム等のキレート化剤を
使用することが可能である。剥離性調整層を架橋させる
場合、それぞれの架橋反応に応じて公知の触媒を使用す
ることが出来、例えばイソシアネートの反応にはジ−n
−ブチル錫ジラウレートやジオクトエ酸錫等の錫系触媒
や、テトラメチルブタンジアミンや、N,N,N'N',-テトラ
メチル-1,3,-ブタンジアミン等のアミン系触媒や1,4 −
ジアザ−ビシクロ〔2,2,2〕オクタン等を用いるこ
とができる。る。
【0018】また、別の態様として熱膨張層及び剥離性
調整層に用いるバインダー樹脂が熱拡散性色素に対して
染着性を有している場合、剥離性調整層に任意の色の熱
拡散性色素を添加することが出来る。このように形成す
ることにより、熱膨張層をコーティングする際の乾燥工
程における熱によって、剥離性調整層に添加した熱拡散
性色素が拡散することにより、熱膨張層を任意に着色す
ることができ、発泡剤とバインダー樹脂を水に分散また
は溶解した液体の塗布・乾燥によって形成される熱膨張
層に対しても、水に不溶また分散困難な色素を用いて染
色することが可能となる。
【0019】熱拡散性色素としては、従来公知の染料は
いずれも本発明に使用可能であり、特に制限されない。
例えば、好ましい染料として、赤色染料としてMS Red
G、Macrolex Red Violet R 、Ceres Red7B 、Samaron R
ed HBSL、Resolin Red F3BS等が挙げられ、又、黄色染
料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL 、PTY-5
2、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、又、青色
染料としては、カヤセットブルー714 、ワクソリンブル
ーAP-FW 、ホロンブリリアントブルーS-R 、MSブルー10
0 等が挙げられる。又、これらの熱拡散性色素を一種類
のみならず二種類以上任意に混合して希望の色調を得る
ことも可能である。
【0020】(熱膨張層)本発明の熱転写シートの熱膨
張層は、樹脂バインダー、発泡剤を含有していることが
好ましい。
【0021】〔発泡剤〕本発明で使用する発泡剤として
は、従来公知のものを使用することが出来、例えばアゾ
ジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、N,N’ジニトロソ
−N,N’ジメチルテレフタルアミド、P−トルエンス
ルホニルヒドラジド、ヒドラゾルカルボンアミド、P−
トルエンスルホニルアジド、アセトン−P−スルホニル
ヒドラゾン等の有機系発泡剤;重炭酸ナトリウム、炭酸
アンモニウム、重炭酸アンモニウム等の無機系発泡剤;
内部に低温で揮発する溶媒を含有した熱膨張性マイクロ
カプセル等が挙げられるが、本発明では、特にこの熱膨
張性マイクロカプセルが好ましい。
【0022】〔熱膨張性マイクロカプセル〕本発明で使
用される熱膨張性マイクロカプセルは、低温で揮発する
炭化水素を樹脂からなる壁剤の内部に包含させたカプセ
ル構造をとるものであり、特定温度での加熱によって未
加熱状態の時の約十倍から約百倍程度に体積が膨張する
ものを使用する。熱膨張性マイクロカプセルに内包させ
る炭化水素としては、塩化メチル、臭化メチル、トリク
ロロエタン、ジクロロエタン、n-ブタン、n-ヘプタン、
n-プロパン、n-ヘキサン、n-ペンタン、イソブタン、イ
ソヘプタン、ネオペンタン、石油エーテル、フレオン等
のフッ素原子を有する脂肪族炭化水素、或いはこれら炭
化水素の複数混合体等を用いることができる。熱膨張性
マイクロカプセルの壁剤としては、塩化ビニリデン、塩
化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸
メチルアクリレート、メタクリル酸エチルアクリレー
ト、酢酸ビニル、或いはこれらの樹脂の共重合体やブレ
ンド物等を用いることが出来、さらに必要に応じて架橋
剤を使用することも可能である。
【0023】熱膨張性マイクロカプセルの粒径は直径
0.1〜50μmであることが好ましく、更に0.1〜
30μmであることが好ましい。上述の如き熱膨張性マ
イクロカプセルの市販品として、例えば松本油脂製薬株
式会社製造の”マツモトマイクロスフェアー”シリーズ
のF-20,F-30,F-30VS,F-40,F-50,F-80S,F-82,F-85,F-80V
S,F-100 等や、日本フェライト株式会社製造の”エクス
パンセル”シリーズを挙げることが出来る。熱膨張層に
おける熱膨張性マイクロカプセルの含有割合は、樹脂バ
インダー100重量部に対して30重量部〜200重量
部であることが好ましく、特に50重量部〜150重量
部であることが好ましい。30重量部未満の場合は熱膨
張層が十分に膨張せず、200重量部を越えると盛り上
げ画像の触読に対する耐久性が不足してくる。
【0024】また、発泡剤として無機系または有機系の
ものを用いる場合、熱膨張層における発泡剤の含有割合
は、樹脂バインダー100重量部に対して20重量部〜
200重量部であることが好ましく、特に40重量部〜
160重量部であることが好ましい。20重量部未満の
場合は、熱膨張層が十分に膨張せず、200重量部を越
えると盛り上げ画像の触読に対する耐久性が不足してく
る。
【0025】〔樹脂バインダー〕熱膨張層の樹脂バイン
ダーを構成する材料としては、例えばフェノキシ樹脂、
ポリ酢酸ビニルやポリアクリルエステル等のビニル系樹
脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル
系樹脂、加硫ゴムや未加硫ゴム等のゴム系樹脂等が挙げ
られる。ゴム系樹脂としては、例えば、クロロプレンゴ
ム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、合成イソプレンゴ
ム、ブチルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、スチレ
ン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリ
イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、塩素
化ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴム等の未加硫ゴム、
或いは加硫ゴムが挙げられる。特に好ましい樹脂とし
て、ポリエステル系樹脂及びゴム系樹脂を挙げることが
出来る。
【0026】本発明では、これらの樹脂の数平均分子量
は1,000以上であることが好ましい。数平均分子量
が1,000未満であるカルナバワックスやパラフィン
ワックスやみつろう等の天然ワックス、或いは同じく数
平均分子量が1,000未満であるポリエチレンワック
スやステアリン酸やアーマーワックス等の合成ワックス
を熱膨張層バインダーの主成分として用いた場合、形成
された点字画像は非常にもろく、触読により欠けやつぶ
れを容易に生じてしまうおそれがある。またこのような
低分子量バインダーは、熱転写シートを用いて形成した
画像を加熱発泡させて、盛り上げ画像を形成する為に必
要な約60℃から140℃に加熱にすると、軟化或いは
溶融することにより粘性が非常に低下しやすい。この為
バインダーが被転写基材に染み込んでしまったり、形成
される画像の周囲に流れ出るおそれがあり、熱膨張性マ
イクロカプセルが被転写基材上に保持されにくくなると
いう不都合を生じやすい。
【0027】被転写材に点字画像等の微細な盛り上げ画
像を熱転写する際、加熱が行なわれた箇所のみが過不足
無く転写することが正確な画像形成のためには極めて重
要であり、熱溶融型転写層が一定の熱転写シート剥離条
件下において任意に破断(箔切れ)しなければならな
い。この為に樹脂バインダーの数平均分子量は30,0
00以下が好ましく、25,000以下であると特に好
ましい。また、点字画像等の盛り上げ画像の触読による
破損に対する耐久性への要求が非常に高度である場合
は、樹脂バインダーの分子量が大きい方が良好な盛り上
げ画像を得ることが出来、この為には樹脂バインダーの
数平均分子量は3,000以上である事が好ましく、1
0,000以上である事が特に好ましい。すなわち、点
字画像等の盛り上げ画像の形成の正確さと触読による破
損に対する耐久性を考慮すると、樹脂バインダーは数平
均分子量が1000以上かつ30,000以下であるこ
とが好ましく、更に好ましくは3,000以上かつ2
5,000以下、特に10,000以上25,000以
下であることが特に好ましい。
【0028】(着色剤)熱膨張層には、必要に応じて着
色剤を添加することができる。着色剤は、熱膨張層を基
材フィルム上に塗布形成するにあたって支障をきたさな
い範囲において任意に選ぶことが出来る。すなわち熱膨
張層の塗布に用いる溶媒又は分散媒に対して、均一に溶
解又は分散する着色剤から選ばれることが好ましい。例
えば熱膨張層が水を分散媒とする水分散体を塗布して形
成される場合、選択される着色剤は水に対して均一に分
散又は溶解するものの中から選ばれることが好ましく、
グレーもしくは黒色に着色する為にはカーボンブラック
の水分散体を使用することが出来、有彩色に着色する為
には各々の色に対応する水溶性又は水分散性の有機顔料
又は無機顔料を使用することが出来る。同様に熱膨張層
が水と有機溶剤の混合液や、有機溶剤に、溶解または分
散されたものである場合、着色剤はかかる溶媒又は分散
媒に対して均一に分散又は溶解するものの中から選ばれ
ることが好ましく、この場合も所望の色相、彩度、明度
に応じて任意の着色が可能であることはいうまでもな
い。又、転写シート上に熱膨張層を形成した時点では無
色であるが、熱転写の為の熱エネルギーや発泡の為の熱
エネルギーが加えられることにより発色する層であって
も良い。また、被転写体にあらかじめ塗布されているも
のと接触することにより発色するものであってもよい
し、加熱発泡させた点字画像を指で触ることで発色或い
は他の色に変化するものであってもかまわない。
【0029】(熱良伝導性物質)さらに、熱膨張層に良
好な熱伝導性及び溶融転写性を与える為に、熱良伝導性
物質を熱膨張層に添加することが出来る。この様な物質
としては、銅やアルミニウムや酸化錫や二硫化モリブデ
ン等の、金属或いは金属酸化物或いは金属硫化物よりな
る粉末や微粉末やウイスカー、又はカーボンブラックな
どの炭素質物質等を用いることが出来る。
【0030】(熱膨張層コート方法)熱膨張層は前記の
基材シートの一方の面に、上記の如き樹脂に必要に応じ
て架橋剤や架橋反応促進触媒等の必要な添加剤を加えた
ものを、適当な有機溶剤又は水に溶解したり、有機溶剤
と水の混合体に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散
させた分散体を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印
刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング
法等の形成手段により塗布及び乾燥することによって形
成される。また、剥離性調整の機能を持つ複数種の剥離
性調整層形成用塗工液を重ね塗りして剥離性調整層を形
成しても良い。熱膨張層の厚みは10μm〜100μm
が好ましく、20μm〜80μmであることが更に好ま
しい。
【0031】また、熱溶融型転写層が一定の熱転写シー
ト剥離条件下において任意に破断(箔切れ)する為に
は、バインダー樹脂は適度な引張破断強度を持つことが
好ましい。すなわち、JIS-K-7127に規定される引張破断
伸度が50%以上かつ2,000%以下であることが好
ましく、100%以上かつ1,000%以下であること
が更に好ましい。50%未満である場合はバインダー樹
脂として必要な強度が不足し、点字画像の触読による破
損に対する耐久性が劣り、さらに熱転写が行なわれる前
に転写シート上で熱膨張層にひびが入りやすくなるとい
った問題点を生ずる。2,000%を越えると点字画像
の輪郭に応じた部分で熱膨張層が破断しにくくなり、点
字画像に切れ残った箔が付着して触読性を低下させた
り、点字画像の一部に欠落を生ずるといった問題点を生
ずる。
【0032】(耐熱滑性層)基材シートとして熱に弱い
材料を用い、かつ点字画像を転写する為の加熱手段にサ
ーマルヘッドを使用する場合、サーマルヘッドに接する
側の表面に、サーマルヘッドの滑りを良くし、且つステ
ィッキングを防止する為の耐熱滑性層を設けることが好
ましい。耐熱滑性層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤又
は滑剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とする。
種々の熱可塑性樹脂を公知の架橋剤によって架橋させる
ことは樹脂の耐熱性を向上させる為に有効な方法であ
り、例えば熱可塑性樹脂の側鎖や分子末端に水酸基が有
る場合、ポリイソシアネート等の架橋剤を用いることが
出来る。架橋剤を使用する場合は、必要に応じて触媒を
使用することも出来る。
【0033】(盛り上げ画像の被転写体)以上の如き本
発明の熱転写シートを使用して熱転写を行なう際に使用
する被転体としては、カット状態や小巻状態やカード状
態である種々の紙類を使用することが出来る。その素材
はセルロース等の天然繊維に限定されず、ビニロンやナ
イロンやポリエステルやアクリルなどの合成繊維、ステ
ンレス等の金属繊維、アルミナやシリケート等の無機繊
維、炭素繊維、キチン繊維、キトサン繊維等を用いて抄
き上げたもの等いずれも使用することが出来る。天然繊
維を用いた紙類としては、例えば上質紙、中質紙、コピ
ー用紙、アート紙、コート紙、クラフト紙、ケント紙、
板紙、図画用紙、カード用紙、更紙、グラシン紙、新聞
用紙、コンデンサー紙等を挙げることができる。更に、
種々の熱可塑性樹脂を原料に用いて製造されたプラスチ
ックフィルム類であるポリエチレンテレフタレートフィ
ルムやポリ塩化ビニールフィルムやポリエチレンナフタ
レートフィルムやポリイミドフィルム、同じく熱可塑性
樹脂類を抄く工程を経ずに紙状に加工した合成紙類(例
えば王子油化製、ユポFPG−150)等も使用するこ
とが出来る。また、ポリエチレンテレフタレートやポリ
塩化ビニールや厚紙を用いて製造されたカード類も用い
ることが出来る。
【0034】(熱転写方法)上記の熱転写シートから被
転写体に画像を転写する際に使用する熱エネルギーの付
与手段は、コンピューターからの画像情報に応じて加熱
量をコントロールし得る従来公知の付与手段がいずれも
使用でき、例えばワードプロセッサーに用いられる感熱
溶融転写方式用サーマルヘッドやビデオプリンターに用
いられる感熱昇華転写方式用サーマルヘッドや、レーザ
ー印字方式プリンターに用いられるレーザーヘッド等を
用いることが出来る。更に、熱転写シートの背面側に通
電発熱層を設けた場合、通電加熱型溶融転写方式用通電
ヘッドを用いることも可能である。
【0035】(熱膨張手法)被転写体に転写された画像
を発泡させる為の熱エネルギーの付与手段(加熱手段)
には従来公知の付与手段がいずれも使用でき、例えばオ
ーブンによる加熱や電熱線による熱風加熱や赤外線照射
加熱やレーザー光線照射加熱や、電磁気加熱等の加熱方
式、及び被転写体を加熱ロールに接触させる加熱方式等
が挙げられる。
【0036】(被転写体の応用)本発明による熱転写シ
ートを用いて形成される点字は、エンボス方式によって
印字される点字と異なり、点字画像が形成された裏面に
凹状の窪みが発生せず、健常者の為の墨字印刷が施され
た紙等の反対面等に、墨字情報を損なえること無く点字
を印刷することが出来る。よって例えば金銭の支払い内
容等を記録したレシートの裏面や表面、通常の文字印刷
が施された名刺の裏面や表面、更には磁気情報が記録さ
れたプリペイドカードの表面、あるいは航空券や乗車券
等の表面や裏面に印刷することも可能である。尚、本明
細書において特に本発明の熱転写シートが効果的な点字
を例にとって詳細に説明したが、盛り上げ画像は特に点
字画像だけでなく、絵柄や記号、文字であってもかまわ
ない。また盛り上げ画像をスタンプ(ハンコ)として用
いることも可能である。
【0037】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明に係わ
る熱転写シートを更に具体的に説明する。なお、文中に
て部又は%とあるのは特に断りの無い限り重量基準であ
る。
【0038】(実施例1)基材シートとして熱膨張層を
形成する面の背面に耐熱処理を施した厚さ6.0μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムの面に、下記の剥
離性調整層形成用インキ組成物を乾燥厚みが1.0μm
になる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥した。更にこ
の剥離性調整層上に下記熱膨張層形成用インキ組成物を
乾燥厚みが30.0μmになる様にグラビア印刷にて塗
布及び乾燥し、連続シート状である本発明の熱転写シー
トを得た。剥離性調整層塗工液組成 ポリメタクリル酸エステル樹脂 10部 (三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−85) メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部熱膨張層塗工液組成 ポリエステル水分散液 40部 (東洋紡績(株)製、バイロナールMD−1930、固形分濃度30%、 樹脂の数平均分子量約25,000) 熱膨張性マイクロカプセル 15部 (松本油脂(株)製、マツモトマイクロスフェアーF−20VS) 水 20部
【0039】(実施例2)実施例1の剥離性調整層塗工
液に代えて下記剥離性調整層塗工液を使用し、他は実施
例1と同様にして本発明の熱転写シートを得た。剥離性調整層塗工液組成 ポリメタクリル酸エステル樹脂 100部 (三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−85) カヤセットブルー714(日本化薬(株)製) 5部 メチルエチルケトン 500部 トルエン 500部
【0040】(実施例3)実施例1の熱膨張層塗工液に
代えて下記熱膨張層塗工液を使用し、他は実施例1と同
様にして本発明の熱転写シートを得た。熱膨張層塗工液組成 ポリエステル樹脂 20部 (ダイセル化学工業(株)製、PLACCEL H1P、 樹脂の数平均分子量約10,000) 熱膨張性マイクロカプセル 25部 (松本油脂(株)製、マツモトマイクロスフェアーF−20VS) トルエン 200部
【0041】(実施例4)実施例1に従って調整した熱
転写シートの熱膨張層上に、均一になるよう撹拌された
下記の感熱接着層形成用インキ組成物を乾燥厚みが2.
0μmになる様にグラビア印刷にて塗布及び乾燥し、本
発明に係る熱転写シートを得た。感熱接着層塗工液組成 ポリエステル水分散液 20部 (東洋紡績(株)製、バイロナールMD−1930、固形分濃度30%) 水 10部
【0042】(実施例5)実施例1の剥離性調整層塗工
液に代えて、下記剥離性調整層塗工液を使用し、他は実
施例1と同様にして本発明の熱転写シートを得た。剥離性調整層塗工液組成 ビスフェノールAポリカーボネート 5部 (JANSSEN CHIMICA製造) クロロホルム 100部 (実施例6)実施例1の剥離性調整層塗工液に代えて下
記剥離性調整層塗工液を使用し、他は実施例1と同様に
して本発明の熱転写シートを得た。剥離性調整層塗工液 ポリエステル樹脂(バイロン600 東洋紡績(株)製) 10部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部
【0043】(比較例1)実施例1において、剥離調整
層を除いた構成とした他は、実施例1と同様にして本発
明の熱転写シートを得た。
【0044】〔熱転写試験〕前記実施例及び比較例の熱
転写シートの熱膨張層塗工面を厚さ150μm の上質紙
に重ね合わせ、熱転写シートの背面からサーマルヘッド
(KMT−85−6MPD2−HTV)を用いて、ヘッ
ド引加電圧12.0V、印字速度33.3ms/line 、印
加パルス幅16.0ms/line の印字条件で加熱を行な
い、サーマルヘッドからの加熱によって構成される約1
70μm四方の画素が直径約1mmの円を構成するよう
画像情報を制御することで点字の文書を構成する直径約
1mmの点画素を転写した。次に、転写シートを被転写
紙から剥離した後、100度のオーブン中で1分間加熱
し、転写された熱膨張層を膨張させ、表1の結果を得
た。尚、表1に示した各性能の評価方法は以下の通り行
なった。なお、本明細書中でいう点画素とは、直径約1
mmの点が6個配置されることにより表現される盲人用
の点字に於ける、個々の点を指し示す。
【0045】(1)箔切れ性 サーマルヘッドによる加熱後、転写シートと被転写紙を
剥離する際、加熱された箇所に隣接する熱膨張層が、転
写シートから切れずに転写してしまう度合を3段階に評
価した。 ◎:箔の切れ残りは全く発生せず、加熱部と未加熱部の
境界が明瞭であった。 ○:箔の切れ残りはほとんど発生せず、良好な触読性を
示した。 △:点画素の周囲に箔の切れ残りが付着しており、触読
の際の妨げとなった。 ×:点画素以外の部分が殆ど転写してしまい、点画素を
指で認識することが困難であった。 (2)点字高さ 熱転写により形成した熱膨張前の点字画像を加熱膨張し
た後、マイクロメーターによって点字の高さを測定し
た。 ○:200μm 以上であり、点字文書として良好に触読
することが出来た。 △:100〜200μm であり、点画素の存在はわかる
が、6個の点画素の各有無を判別することは困難であ
り、触読により点字文書を読解するのは困難であった。 ×:100μm 以下であり、被転写紙から隆起している
ことは指触で解るが、点画素として認識することが困難
であった。 (3)発泡体強度 ○:熱膨張した点画素が指触によって潰れたりちぎれた
りすることは殆ど無く、触読を繰り返して行なっても、
触読性に変化は認められなかった。 △:触読を繰り返すうちに、熱膨張した点画素が潰れた
り一部ちぎれたりしてしまい、初期の触読性が徐々に低
下した。 ×:熱膨張した点画素が指触で容易に潰れてしまい、点
画素の存在を読み取ることが困難であった。
【0046】(4)剥離の重さ ◎:印画後の熱転写シートを剥離することが容易であ
り、基材シートが伸びたり切れたりすることは無かっ
た。 ○:印画後の熱転写シートを剥離する為に◎評価のもの
より力を要するが、基材シートが伸びたり切れたりする
ことが無かった。 △:印画後の熱転写シートを剥離する為に強い力が必要
であり、基材シートが伸びを生じてしまった。 ×:印画後の熱転写シートを剥離する為に力が非常に強
くなければならず、基材シートが破断してしまった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】以上の如く、熱膨張層と基材シート間に
剥離性調整層を設けることにより、盲人用点字等の作成
に使用しうる盛り上げ画像形成用熱転写シートにおける
画像形成精度を高めることが可能となり、触読性に優れ
た盲人用点字画像を形成する事が可能となる。また、熱
膨張層が易揮発性炭化水素を内包する熱膨張性マイクロ
カプセルと樹脂バインダーを含有した熱転写シートによ
って作成した点字画像を加熱することで盲人用点字を作
成すると、発泡体の断面は熱膨張したマイクロカプセル
による微細な気泡が連結することなく個別に樹脂にコー
トされる形をとるために高い弾力性を示し、指触におい
てもつぶれにくく、変形に対する復元性を良好にするこ
とが可能となる。特に好ましい実施様態による熱転写シ
ートによって作成された点字は、エンボス法で厚紙に形
成された一般の点字と同等の点字高をとらせる様に熱転
写及び加熱発泡させても良好な弾力性を有し、指による
摩擦で点字高が変化することもなく、作成された点字文
書は良好な触読性を示す。しかも、本発明による熱転写
シートを用いることにより、一般に広く普及している点
字と同等な触読性を有する点字文書を、これまで印字し
得なかった種々の基材、たとえばレシートや、一般の名
刺の裏面に、コンピューターからの情報に応じて、熱転
写方式により作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写シートの一実施例を示す断
面図
【図2】本発明に係る熱転写シート(タイプA)を用い
た画像形成物の断面図
【図3】本発明に係る熱転写シート(タイプB)を用い
た画像形成物の断面図
【図4】本発明に係る熱転写シート(タイプC)を用い
た画像形成物の断面図
【図5】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示
す断面図
【図6】本発明に係る熱転写シートの他の一実施例を示
す断面図
【符合の説明】
1:基材フィルム 2:剥離性調整層 3:熱膨張層 4:感熱接着層 6:耐熱滑性層 7:被転写体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 3/16 5/26 5/30 7416−2H B41M 5/26 E 7416−2H J

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シートの一方の面に熱膨張層を形成し
    てなる盛り上げ画像作成の為の熱転写シートにおいて、
    該熱膨張層と基材シートの間に剥離性調整層が形成され
    ていることを特徴とする盛り上げ画像形成用熱転写シー
    ト。
  2. 【請求項2】前記剥離性調整層が、ポリエステル樹脂、
    ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステ
    ル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種からな
    ることを特徴とする請求項1記載の盛り上げ画像形成用
    熱転写シート。
  3. 【請求項3】前記熱転写シートにおいて、熱膨張層の最
    表面に感熱接着層が形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の盛り上げ画像形成用熱転写シート。
  4. 【請求項4】前記剥離性調整層が、熱膨張層とともに転
    写される関係を有することを特徴とする請求項1記載の
    盛り上げ画像形成用熱転写シート。
  5. 【請求項5】前記剥離性調整層が、転写時に基材側に残
    存する関係を有することを特徴とする請求項1記載の盛
    り上げ画像形成用熱転写シート。
  6. 【請求項6】請求項1記載の熱転写シートと被転写体を
    重ね、加熱手段により盛り上げ画像を形成後、熱膨張層
    と基材フィルムの間で熱転写シートを剥離し、次に前記
    盛り上げ画像形成物を任意の手段により加熱することに
    より、被転写体上の熱膨張層を発泡させて立体感のある
    画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  7. 【請求項7】前記画像が点字であることを特徴とする請
    求項6記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】被転写体上に盛り上げ画像が形成されてな
    る画像形成物において、該盛り上げ画像部の最表面に剥
    離調整層が形成されていることを特徴とする画像形成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998005506A1 (fr) * 1996-08-01 1998-02-12 Sigma Koki Co., Ltd. Procede et appareil de transfert de motifs, milieu de transfert et imprimante en braille
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