JP2022001445A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】転写したい領域の転写層を正確に被転写体上に転写できる熱転写シートを提供する。【解決手段】熱転写シート20Eは、基材5と、その一方の面上に熱膨張性を有する中空粒子を含む熱膨張領域を備えたヒートシール層14Dと、を備え、熱膨張領域は、所定温度の加熱により膨張し、ヒートシール層14Dは第1ヒートシール層11、第2ヒートシール層12および第3ヒートシール層13を含む積層構成を有する。第2ヒートシール層12は第1ヒートシール層11よりも基材5の近くに配置され、第3ヒートシール層13は第1ヒートシール層11よりも基材5から遠くに配置される。熱膨張領域は第1ヒートシール層11に含まれ、第1ヒートシール層11は、第2ヒートシール層12および第3ヒートシール層13よりも、所定温度の加熱による膨張の程度が大きい。【選択図】図16

Description

本発明は、印画物の製造方法および印画物の製造に用いられる熱転写シートに関する。
従来、熱転写方式による印画物の製造には、基材上に受容層が設けられた熱転写受像シートや、基材上に剥離層および受容層がこの順に積層された転写層が、当該基材から剥離可能に設けられた中間転写媒体等が用いられている。前者の場合、色材層を備えた熱転写シートを用いて、熱転写受像シートの受容層上に熱転写画像を形成することによって印画物を製造できる。また、後者の場合、色材層を備えた熱転写シートを用いて、一旦、中間転写媒体の受容層上に熱転写画像を形成し、その後、当該受容層を含む転写層を所定の被転写体に転写することによって当該被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を製造できる。また、基材上に、転写性の透明保護層が設けられた保護層転写シートを用いて、熱転写画像が形成された被転写体等の上に当該保護層を転写することにより、印画物の熱転写画像の耐久性を向上させることができる。
特に中間転写媒体を用いて、例えばICカードや磁気カードのデザイン面に熱転写画像を形成する場合、ICモジュールの外部接触端子領域や磁気テープ、サインパネル領域等に熱転写画像を形成してしまうと、通信特性や磁気読み取り特性、筆記特性等が低下する可能性がある。このため、これらの領域を確実に避けて必要な部分にのみ熱転写画像を形成すること、あるいは、これらの領域に対応する転写層の一部をあらかじめ除去しておくことが必要である。また、同様の理由により、熱転写画像の保護層の形成についても、必要な領域にのみ確実に形成すること、あるいは、不要な領域に対応する転写性保護層の一部をあらかじめ除去しておくことが必要である。
特許文献1には、熱転写シートの易接着処理がされた基材上にピールオフ層を設け、基材とピールオフ層との密着性を上げながら、当該ピールオフ層と中間転写媒体の転写部とが接するように重ねて加熱することにより、所定領域の転写部を中間転写媒体から取り除くことが可能な熱転写シートが記載されている。また、特許文献2には、転写層の除去領域上の一部に溶融層を転写し、転写層の当該除去領域をピールオフ層によって除去し、当該除去領域が除去された転写層を被転写体に転写する印画物の形成方法が記載されている。このように、中間転写媒体の転写層や転写性保護層のピールオフにおいては、除去したい所定領域に転写層の一部が残存することをできる限り抑制する必要があるが、現状ではまだ改善の余地が残されている。
特開2003−326865号公報 特開2017−71217号公報
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、転写したい領域の転写層を正確に被転写体上に転写すること、および、除去したい領域の転写層を正確に除去した上で、除去された後の転写層を被転写体上に転写できる印画物の製造方法を提供することを課題とする。また、転写したい領域の転写層を正確に被転写体上に転写すること、および、除去したい領域の転写層を正確に除去した上で、除去された後の転写層を被転写体上に転写できる熱転写シートを提供することを課題とする。
本実施の形態による印画物の製造方法は、支持体の一方の面上に転写層が設けられた転写箔、基材の一方の面上にヒートシール層が設けられた熱転写シート、および被転写体を用いて、転写箔の転写層の一部を被転写体上に転写する工程を含む印画物の製造方法であって、支持体の一方の面上に転写層が設けられた転写箔を準備する転写箔の準備工程と、基材の一方の面上に、所定温度の加熱により膨張する熱膨張領域を含むヒートシール層が設けられた熱転写シートを準備する熱転写シートの準備工程と、前記ヒートシール層を所定の加熱温度により加熱し、前記ヒートシール層を前記転写層に転写するヒートシール層の転写工程と、前記ヒートシール層の転写後に、前記転写層の前記選択領域を、前記ヒートシール層を介して被転写体上に転写する転写層の転写工程と、を含む。
また、本実施の形態による印画物の製造方法は、支持体の一方の面上に転写層が設けられた転写箔、基材の一方の面上にピールオフ層が設けられた熱転写シート、および被転写体を用いて、転写箔の除去領域を熱転写シートのピールオフ層によって除去する工程と、前記除去領域が除去された後に残存する前記転写層を被転写体上に転写する工程とを含む印画物の製造方法であって、支持体の一方の面上に転写層が設けられた転写箔を準備する転写箔準備工程と、(1)基材の同一面上に、所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含むヒートシール層と、ピールオフ層と、が設けられた熱転写シート、または、(2)第1の基材の一方の面上に所定温度の加熱により膨張する熱膨張領域を含むヒートシール層が設けられた第1熱転写シートと、第2の基材の一方の面上にピールオフ層が設けられた第2熱転写シートと、を準備する熱転写シートの準備工程と、前記ヒートシール層を所定の加熱温度により加熱し、前記ヒートシール層を前記転写層の除去領域に転写するヒートシール層の転写工程と、前記ヒートシール層の転写後に、前記ピールオフ層を加熱し、前記ヒートシール層を介して前記転写層の前記除去領域を除去する除去工程と、前記除去領域が除去された後に残存する前記転写層を、被転写体上に転写する転写層の転写工程と、を含む。
また、本実施の別の形態による印画物の製造方法において、前記ヒートシール層は第1ヒートシール層および第2ヒートシール層を含む積層構成を有し、前記第2ヒートシール層は前記第1ヒートシール層よりも前記基材の近くに配置され、前記熱膨張領域は前記第1ヒートシール層に含まれ、前記第1ヒートシール層は、前記第2ヒートシール層よりも、前記所定温度の加熱による膨張の程度が大きくてもよい。
また、本実施の別の形態による印画物の製造方法において、前記ヒートシール層は第3ヒートシール層をさらに有し、前記第3ヒートシール層は前記第1ヒートシール層よりも前記基材から遠くに配置され、前記第1ヒートシール層は、前記第3ヒートシール層よりも、前記所定温度の加熱による膨張の程度が大きくてもよい。
また、本実施の形態による印画物の製造方法は、支持体の一方の面上に転写層が設けられた転写箔、基材の一方の面上にピールオフ層が設けられた熱転写シート、および被転写体を用いて、転写箔の転写層の除去領域を、熱転写シートのピールオフ層によって除去する工程と、除去領域が除去された転写層を被転写体上に転写する工程と、を含む印画物の製造方法であって、支持体の一方の面上に転写層が設けられた転写箔を準備する転写箔の準備工程と、基材の一方の面上に、所定温度の加熱により膨張する熱膨張領域を含むピールオフ層が設けられた熱転写シートを準備する熱転写シートの準備工程と、前記ピールオフ層を加熱し、前記ピールオフ層を前記転写層の除去領域に転写し、当該転写後に、前記ピールオフ層を介して前記転写層の前記除去領域を除去する除去工程と、前記除去領域が除去された後に残存する前記転写層を、被転写体上に転写する転写層の転写工程と、を含む。
また、本実施の別の形態による印画物の製造方法において、前記ピールオフ層は第1ピールオフ層および第2ピールオフ層を含む積層構成を有し、前記第2ピールオフ層は前記第1ピールオフ層よりも前記基材の近くに配置され、前記熱膨張領域は前記第1ピールオフ層に含まれ、前記第1ピールオフ層は、前記第2ピールオフ層よりも、前記所定温度の加熱による膨張の程度が大きくてもよい。
また、本実施の別の形態による印画物の製造方法において、前記ピールオフ層は第3ピールオフ層をさらに有し、前記第3ピールオフ層は前記第1ピールオフ層よりも前記基材から遠くに配置され、前記第1ピールオフ層は、前記第3ピールオフ層よりも、前記所定温度の加熱による膨張の程度が大きくてもよい。
また、本実施の別の形態による印画物の製造方法において、前記転写箔が、支持体の一方の面上に受容層を含む転写層が設けられた中間転写媒体であり、前記転写箔準備工程には、前記中間転写媒体の前記受容層上に熱転写画像を形成する工程を含んでもよい。
また、本実施の別の形態による印画物の製造方法において、前記熱転写シートは、前記基材の同一面上に、色材層およびヒートシール層が設けられたものであり、前記熱転写画像を形成する工程では、前記熱転写シートの前記色材層により、前記中間転写媒体の前記受容層上への熱転写画像の形成が行われてもよい。
また、本実施の形態による印画物の製造方法は、支持体の一方の面上に受容層を含む転写層が設けられた中間転写媒体、基材の一方の同一面上に色材層およびピールオフ層が設けられた熱転写シート、および被転写体を用いて、中間転写媒体の転写層の除去領域を、熱転写シートのピールオフ層によって除去する工程と、除去領域が除去された後に残存する転写層を被転写体上に転写する工程と、を含む印画物の製造方法であって、支持体の一方の面上に転写層が設けられており、かつ、所定温度の加熱により膨張する熱膨張領域を含む、中間転写媒体を準備する中間転写媒体の準備工程と、基材の一方の同一面上に色材層およびピールオフ層が設けられた熱転写シートを準備する熱転写シートの準備工程と、前記中間転写媒体の前記受容層上に前記所定温度よりも低い第1温度で加熱しながら熱転写画像を形成する熱転写画像の形成工程と、前記転写層の除去領域を、前記所定温度以上の第2温度で加熱し、前記除去領域の前記熱膨張領域を膨張させながら前記ピールオフ層によって前記除去領域を前記転写層から除去する除去工程と、前記除去領域が除去された後に残存する前記転写層を、被転写体上に転写する転写層の転写工程と、を含む。
また、本実施の別の形態による印画物の製造方法において、前記熱膨張領域は熱膨張性を有する中空粒子を含んでもよい。
また、本実施の形態による熱転写シートは、支持体の一方の面上に転写層が設けられた中間転写媒体に対し、当該転写層に熱転写画像を形成し、当該転写層の一部を被転写体に再転写する前に使用する熱転写シートであって、基材の一方の面上に、熱膨張性を有する中空粒子を含む熱膨張領域を備えたヒートシール層が設けられており、当該熱膨張領域は、所定温度の加熱により膨張することが可能である。
また、本実施の別の形態による熱転写シートにおいて、前記ヒートシール層は第1ヒートシール層および第2ヒートシール層を含む積層構成を有し、前記第2ヒートシール層は前記第1ヒートシール層よりも前記基材の近くに配置され、前記熱膨張領域は前記第1ヒートシール層に含まれ、前記第1ヒートシール層は、前記第2ヒートシール層よりも、前記所定温度の加熱による膨張の程度が大きくてもよい。
本実施の形態によれば、転写したい領域の転写層を正確に被転写体上に転写すること、および、除去したい領域の転写層を正確に除去した上で、除去された後の転写層を被転写体上に転写できる印画物の製造方法を提供できる。また、転写したい領域の転写層を正確に被転写体上に転写すること、および、除去したい領域の転写層を正確に除去した上で、除去された後の転写層を被転写体上に転写できる熱転写シートを提供できる。
第1実施形態の転写箔の構成を説明する断面図である。 第1実施形態の熱転写シートの構成を説明する断面図である。 第1実施形態の熱転写シートの構成を説明する平面図である。 第1実施形態のヒートシール層の転写工程を説明する断面図である。 第1実施形態の転写層の転写工程を説明する断面図である。 第2実施形態の熱転写シートの構成を説明する平面図である。 第2実施形態の除去工程を説明する断面図である。 第3実施形態の熱転写シートの構成を説明する断面図である。 第3実施形態の熱転写シートの構成を説明する平面図である。 第3実施形態のヒートシール層の転写工程を説明する断面図である。 第3実施形態の除去工程および転写層の転写工程を説明する断面図である。 第3実施形態の転写層の転写工程の他の例を説明する断面図である。 第4実施形態の熱転写画像の形成工程を説明する断面図である。 第4実施形態の除去工程を説明する断面図である。 変形例1のヒートシール層の転写工程および転写層の転写工程を説明する断面図である。 変形例2のヒートシール層の転写工程および転写層の転写工程を説明する断面図である。 変形例3の除去工程を説明する断面図である。 変形例4の転写箔が保護層転写シートである場合を説明する断面図である。 変形例4の転写層の転写工程を説明する断面図である。
以下、図面等を参照して、本開示の印画物の製造方法および熱転写シートの一例について説明する。ただし、本開示の印画物の製造方法および熱転写シートは、以下に説明する実施形態や実施例には限定されない。
なお、以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状、断面図における各層の厚さの図示等は、理解を容易にするために適宜誇張している。また、各図において、部材の断面を示すハッチングを適宜省略する。本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行、直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。また、説明の便宜上、上方または下方等という語句を用いて説明することがあるが、上下方向が逆転してもよく、左右方向についても同様とする。
1.第1実施形態
本開示の印画物の製造方法および熱転写シートに関する第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態の転写箔10の構成を説明する断面図である。図2は、本実施形態の熱転写シート20の構成を説明する断面図であり、図3は、当該熱転写シート20の構成を説明する平面図である。以下、転写箔10および熱転写シート20の構成および印画物の製造方法に係る各工程について説明する。
(a)転写箔
図1に示すように、転写箔10は、支持体1の一方の面上に転写層4が積層されて形成されている。本実施形態では、転写層4は、支持体1に近い側から順に剥離層2および受容層3が積層された中間転写媒体10である。ただし、転写箔10はこのような中間転写媒体に限らず、例えば転写層4として保護層を有する保護層転写シートであってもよい。保護層転写シートとして使用する場合については後述する。
(i)支持体
中間転写媒体10の支持体1は、材料としての限定は特にはなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルム等を使用できる。また、これらのうち、2種以上の材料のアロイ、または、積層をしたものを使用してもよい。
支持体1の厚さは、要求される剛性や耐熱性等により適宜選択することが可能であるが、例えば、3μm以上、30μm以下の範囲であることが好ましく、4μm以上、15μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
(ii)転写層
中間転写媒体10の転写層4は、受容層3を含んでおり、受容層3は、支持体1から最も遠くに積層されている。中間転写媒体10は支持体1および受容層3のみの構成であってもよく、支持体1と受容層3の間に複数の異なる材料の層を設けてもよいが、通常は、支持体1と受容層3の間に、受容層3の転写性を向上させるために剥離層2が設けられることが多い。以下、受容層3および剥離層2について説明する。
(iii)受容層
中間転写媒体10の転写層4を構成する受容層3は、材料としての限定は特にはなく、中間転写媒体に用いるものとして公知の受容層を適宜選択して用いることができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の溶剤系の樹脂を使用できる。この中では、ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましく、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いることがさらに好ましい。また、受容層3は、上記に挙げた単一の材料を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
受容層3は、上記樹脂成分とともに、離型剤を含有していてもよい。離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、および各種シリコーン樹脂などを使用できる。
また、受容層3の厚さは、例えば、1μm以上、10μm以下の範囲とできる。
(iv)剥離層
中間転写媒体10の転写層4には、転写層4の転写性または剥離性を向上させるために剥離層2を含んでもよい。剥離層2は、支持体1と受容層3とに挟まれた位置に積層されている。剥離層2の材料としては、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を使用できる。また、剥離層2は、上記に挙げた単一の材料を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
なお、剥離層2の厚さは、例えば、0.5μm以上、5μm以下の範囲とできる。
(b)熱転写シート
図2に示すように、熱転写シート20は、基材5の一方の面上にヒートシール層14が設けられており、かつ、基材5の他方の面上に背面層6が設けられた構成をとる。以下、熱転写シート20の構成について説明する。
(i)基材
熱転写シート20の基材5は、材料としての限定は特にはなく、例えば、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルフォン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムを使用できる。また、基材5は、上記に挙げた単一の材料を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
なお、基材5の厚さについて特に限定はないが、例えば、2μm以上、10μm以下の範囲とできる。
(ii)背面層
基材5の、ヒートシール層14が積層されている面とは反対側の面に当該背面層6を形成することにより、熱転写工程におけるサーマルヘッド等との粘着を防止するとともに、滑り性を向上させることができる。
背面層6としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂、ポリアミド、ポリビニルトルエン、クマロンインデン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然樹脂または合成樹脂を使用できる。また、背面層6は、上記に挙げた単一の材料を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
また、背面層6の耐熱性を向上させるため、上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、背面層6に固形あるいは液状の離型剤又は滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を使用できる。背面層6に含有される滑剤の量は、例えば、5重量%以上、50重量%以下の範囲とすることができ、10重量%以上、30重量%以下の範囲とすることがより好ましい。
(iii)ヒートシール層
ヒートシール層14は、基材5の一方の面に形成された、加熱により溶融、或いは軟化し、転写層4上に転写可能となる層である。さらに本開示のヒートシール層14は、所定温度以上に加熱した場合には、大きく熱膨張する熱膨張領域を有している。当該熱膨張領域は、本実施形態ではヒートシール層14の全体に均一に配置されているが、後述する変形例等に記載するように、ヒートシール層が多層構造であって、その一部の層だけに熱膨張領域が形成されていてもよい。また、同一層の中で特定範囲にのみ熱膨張領域が配置されるようにしてもよい。
このように、ヒートシール層14は、加熱によって溶融して転写層4に転写可能となる性質と、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質とを併せ持つことが必要であるため、これらを充足する材料について以下に説明する。
まず、ヒートシール層14に加熱によって溶融する性質を付与するために必要な成分として、例えば、紫外線吸収剤共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、ポリイソブチレン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリビニルフォルマール樹脂、ポリビニルブチラール、アセチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチルセルロース等の熱溶融性樹脂、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等がある。更に、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワックス等を使用できる。 また、アクリルウレタン樹脂等のポリウレタン、ゼラチン、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、特開平7−195826号公報及び同7−9757号公報に記載のポリアルキレノキサイド系共重合ポリマー、あるいは、特開昭62−245260号公報に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独重合体や共重合体等の樹脂も使用できる。この中で、ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂を使用することが好ましく、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を使用することがさらに好ましい。
一方、ヒートシール層14は、後述するように、所定温度より低い温度環境においてはほとんど膨張することがなく、所定温度以上の加熱時にのみ、膨張し、その後、温度が下がっても、その膨張状態を維持できる性質を有することが好ましい。このように、所定温度を境にして低温領域と高温領域で膨張度合いが大きく異なる性質を有する材料として、例えば、熱可塑性樹脂等から構成された外殻の内部に膨張剤を含有した中空部を有する熱膨張性のある中空粒子を挙げることができる。中空粒子の外殻部分の軟化点、中空部に内包された揮発性有機溶剤等から構成される膨張剤の蒸気圧との関係を調整することにより、発泡、膨張が開始される温度や最大に膨張する温度等が異なる種々の中空粒子が市販されている。当該中空粒子は、熱膨張性マイクロスフェアー、熱膨張性マイクロバルーン等とも称されている。中空粒子を構成する材料は、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂等の発泡体である有機系発泡粒子、無機中空ガラス体等が中空粒子として使用できる。
中空粒子の大きさは、加熱発泡前の平均粒径が、例えば、0.1μm以上、90μm以下の範囲であり、6μm以上、18μm以下の範囲であることが好ましい。平均粒径が当該範囲であることにより、熱膨張によるヒートシール層の形状変化の効果が十分に得られる。また、受容層の熱転写画像に、粒子由来の転写不良、いわゆるヌケが生じることを抑制できる。なお、本開示において、「平均粒径」は、中空粒子成分を水中に分散させた水分散体を調整し、この中空粒子の水分散体のものを乾燥させて乾燥体となし、その後に透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製)にて乾燥体における中空粒子(100個)を観察して、個々の粒子についてその外面側の直径(外径)を計測し、それらの値を平均して平均粒径としている。
また、上記の中空粒子の中空度合いは、熱膨張領域における平均中空率が30%〜80%の範囲であることが好ましく、50%〜80%の範囲であることがさらに好ましい。平均中空率が30%〜80%の範囲であれば、熱膨張によるヒートシール層の形状変化の効果が十分得られる。また、外殻の厚みが適度な範囲に維持され、外殻が薄くなりすぎることによる塗工時もしくは印画時のつぶれを抑制できる。なお、本開示において、「平均中空率」は、中空粒子成分を水中に分散させた水分散体を調整し、この中空粒子の水分散体のものを乾燥させて乾燥体となし、その後に透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ(株)製)にて乾燥体中における中空粒子成分をなす粒子(100個)を観察して、個々の粒子についてその内面側の直径(内径)を計測し、それらの値を平均して平均粒子内径とした。そして、平均粒子内径から中空部の体積を定めるとともに、その値を上記平均粒径(粒子外径)から粒子の見掛けの体積で除して100を乗じることで平均中空率を算出している。
以上のように、ヒートシール層14には、加熱によって溶融して転写層4に転写可能となる性質と、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質とを併せ持つことが要求される。このため、上述のような熱溶融させるための成分と、所定温度以上で熱膨張する成分とを混合した構成とすることができ、あるいは、両者を別の層として形成し、これらの積層体とした構成としてもよい。
(iv)色材層
また、図3に示すように、熱転写シート20は、図2で説明したヒートシール層14が配置された面に隣接して、基材5の同一面上に、色相が異なる複数の色材層15を面順次に設けてもよい。本実施形態では、イエロー色材層(Y)、マゼンタ色材層(M)、シアン色材層(C)から構成された色材層15と、ヒートシール層14が面順次に設けられている。なお、これらの色材層15は、色材、バインダー樹脂を含有している。色材、バインダー樹脂は、昇華型熱転写シートの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。
(c)印画物の製造方法の説明
次に、第1実施形態の印画物の製造方法について、図を参照しながら説明する。
(i)転写箔の準備工程
本実施形態の転写箔の準備工程は、図1に示すように、支持体1の一方の面上に転写層4を構成する剥離層2および受容層3がこの順に積層された転写箔10である中間転写媒体10を準備する工程である。支持体1並びに転写層4を構成する剥離層2および受容層

3の材料構成は上述したとおりであるが、剥離層2は必須ではなく、また、剥離層2以外の他の層が支持体1および受容層3の間にさらに追加されていてもよい。
(ii)熱転写シートの準備工程
本実施形態の熱転写シートの準備工程は、図2および図3に示すように、基材5の一方の同一面上に、ヒートシール層14および色相が異なる複数の色材層15が同一面上に面順次に設けられ、かつ、基材5の他方の面上に背面層6が設けられた熱転写シート20を準備する工程である。色材層15は単色のみの層であってもよい。また、ヒートシール層14は、上述したとおり、加熱によって溶融して転写層4に転写可能となる性質と、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質とを併せ持つものである。
(iii)ヒートシール層の転写工程
本実施形態のヒートシール層の転写工程について、図4に基づき説明する。図4(a)は、転写箔10である中間転写媒体10と熱転写シート20とを重ねて、熱転写シート20の背面層6側からサーマルヘッド31により加熱し、ヒートシール層14の一部を中間転写媒体10側に転写する工程を説明する図である。また、図4(b)は、当該工程後に、ヒートシール層14の一部14Aが、中間転写媒体10の受容層3の一部の領域に転写された状態を示す図である。
中間転写媒体10の受容層3には、あらかじめ、熱転写シート20の色材層15の各色相面が重ねられ、サーマルヘッド31による所定位置への加熱が各色相ごとに繰り返されることによって、所定の熱転写画像16が形成されている。このように熱転写画像16が形成された中間転写媒体10の受容層3の面と、熱転写シート20のヒートシール層14の面とが図4(a)に示すように向かい合って重ねられ、サーマルヘッド31による所定位置への加熱を行うことにより、加熱された部分のヒートシール層14の一部14Aが、図4(b)のように中間転写媒体10の受容層3側に転写される。
このとき、受容層3側に転写されたヒートシール層14の一部14Aは、所定温度、すなわち当該ヒートシール層14の熱膨張領域が熱膨張を開始する起点となる温度またはそれ以上の温度がサーマルヘッド31から加えられるため、ヒートシール層14の一部14Aの転写後の厚さは元の加熱されていないヒートシール層14の厚さよりも大きくなっている。このようにサーマルヘッド31により、ヒートシール層14の熱膨張領域に対して、所定領域に対してのみ所定温度の加熱をすることによって、当該所定領域のみを熱膨張させることができる。
本実施形態では、ヒートシール層14の一部14Aをサーマルヘッド31によって所定温度に加熱することにより、当該ヒートシール層14の一部14Aが膨張し、その厚さが他の部分よりも大きくなる。したがって、熱膨張領域を有しないヒートシール層を用いた場合と比べ、ヒートシール層14の一部14Aが中間転写媒体10の受容層3を押し付ける荷重が大きくなるため、当該一部14Aと受容層3との密着性が向上する。また、膨張したヒートシール層14の一部14Aのみを正確に受容層3側に転写でき、転写を予定していない周囲の領域における余分な転写が抑制される。
また、図4(b)に図示するように、中間転写媒体10の、ヒートシール層14の一部14Aの下層に位置する転写層4の受容層3および剥離層2の一部、すなわち、中間転写媒体10の受容層3の表面に垂直な方向に離隔した位置から当該受容層3を見たときに、ヒートシール層14の一部14Aと重なる転写層4の領域である4A、または、受容層3および剥離層2の領域である3Aおよび2Aを選択領域7とする。この場合、後工程の転写の層転写工程において、当該選択領域7が最終的な被転写体17に選択的に転写されることにより、所定の印画物が製造される。本実施形態では、ヒートシール層14の全体が熱膨張領域であり、溶融性を付与したバインダー樹脂の中に、所定温度の加熱により熱膨張する発泡性の中空粒子が略均等に分散された構成のものを使用している。
(iv)転写層の転写工程
本実施形態の転写層の転写工程について、図5に基づき説明する。図5(a)は、図4(b)に示すヒートシール層14の選択領域7をカード等の被転写体17に転写する工程を説明する図である。また、図5(b)は、被転写体17に選択領域7が転写されたことを示す図である。
図5(a)のように、ヒートシール層14の一部14Aが受容層3に転写された中間転写媒体10およびカード等の被転写体17は、受容層3側の面が被転写体17の面に当接するように重ねられる。その状態で、搬送手段によりヒートローラ32および加圧ローラ33の間に順次送り込まれ、所定の熱圧が加えられる。これによって、ヒートシール層の一部14Aは溶融、軟化して被転写体17側に転写される。また、当該ヒートシール層の一部14Aの反対側に当接する選択領域7も、当該一部14Aと受容層3との密着力が大きいため、剥離層2の部分から剥離して、選択領域である当該一部14Aを介して容易かつ正確に被転写体17側に転写される。このようにして図5(b)に示すような印画物18の製造が完了する。
また、ヒートシール層14の一部14Aの厚みが膨張により厚くなっているため、ヒートローラ32および加圧ローラ33による加圧力が増すことにより、選択領域7の被転写体17への転写を良好に行うことができる。また、ヒートシール層14の一部14Aは中空粒子を有するために適度の弾力性を備えており、ヒートローラ32および加圧ローラ33による加圧を強くした場合に形成画像が歪んだり、逆に加圧が弱い場合に形成画像にヌケが出ることを効果的に抑制できる。
以上のとおり、第1実施形態の印画物の製造方法は、支持体1の一方の面上に転写層4を構成する剥離層2および受容層3が設けられた中間転写媒体10を準備する転写箔の準備工程と、基材5の一方の面上に、所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含むヒートシール層14が設けられた熱転写シート20を準備する熱転写シートの準備工程を有する。
また、熱膨張領域を含むヒートシール層14の一部14Aを、選択的に加熱し、当該一部14Aを転写層4に転写するヒートシール層の転写工程と、ヒートシール層14の一部14Aに対応する転写層4の一部を、として選択領域7を介して被転写体17上に転写する転写層の転写工程と、を含むものである。
これにより、ヒートシール層14の一部14Aが熱膨張することで、中間転写媒体10の受容層3を押し付ける荷重を大きくでき、当該一部14Aと受容層3との密着性を向上させることができる。また、当該一部14Aと受容層3との密着力が大きいため、当該ヒートシール層14の一部14Aの反対側に当接する選択領域7を、当該一部14Aを介して容易かつ正確に被転写体17側に転写できる。したがって、本実施の形態の印画物の製造方法により、転写したい領域の転写層を正確に被転写体上に転写できる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態の熱転写シートの構成を説明する平面図である。図7は、本実施形態の転写箔10、熱転写シート20Aの構成および工程を説明する断面図である。以下、転写箔10および熱転写シート20Aの構成および印画物の製造方法に係る各工程について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
(a)転写箔
図7(a)に示すように、転写箔10は、第1実施形態と同様の構成である中間転写媒体10であるため、詳細の説明を省略する。
(b)熱転写シート
図6に示すように、本実施形態の熱転写シート20Aは、第1実施形態の熱転写シート20におけるヒートシール層14の代わりにピールオフ層24が設けられている点が、第1実施形態とは異なる。その他、ピールオフ層24が配置された面に隣接して、基材5の同一面上に、色相が異なる複数の色材層15を面順次に設けられてもよいことは第1実施形態の構成と同じである。また、図7(a)に示すとおり、熱転写シート20Aは、基材5の一方の面上にピールオフ層24が設けられており、かつ、基材5の他方の面上に背面層6が設けられた構成をとる。ピールオフ層24について、以下に説明する。
(i)ピールオフ層
ピールオフ層24は、本実施形態において、中間転写媒体10の転写層4である剥離層2および受容層3の一部を除去するための層である。さらに本実施形態のピールオフ層24は、第1実施形態におけるヒートシール層14と同様に、所定温度以上に加熱した場合には熱膨張する熱膨張領域を有している。当該熱膨張領域は、本実施形態ではピールオフ層24の全体に均一に配置されているが、後述する変形例等に記載するように、ピールオフ層が多層構造であって、その一部の層だけに熱膨張領域が形成されていてもよい。また、同一層の中で特定範囲にのみ熱膨張領域が配置されるようにしてもよい。
中間転写媒体10の転写層4の一部を除去する性能を考慮したピールオフ層24の成分については特に限定はなく、公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して用いることができる。このような材料は、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、スチレンアクリル樹脂、スチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることができる。中でも、ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との混合樹脂は、ピールオフ性が良好な点で好ましく、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂が特に好ましい。また、ピールオフ層24は、上記に挙げた単一の材料を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
一方、ピールオフ層24には、第1実施形態のヒートシール層14と同様に、所定温度を境にして低温領域と高温領域で膨張度合いが大きく異なる性質を有することが必要であり、このための材料として、上述したような熱膨張性のある中空粒子やバインダーを挙げることができる。このように、ピールオフ層24には、加熱によって転写層4の一部と接着してこれを除去できるピールオフ性能と、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質とを併せ持つことが要求される。このため、上述のようなピールオフ性能を実現するための成分と、所定温度以上で熱膨張する成分とを混合した構成とすることができ、あるいは、両者を別の層として形成し、これらの積層体とした構成としてもよい。
ピールオフ層24の形成方法についても特に限定はなく、上述の樹脂、必要に応じて添加される無機または有機フィラー等の添加剤を加えたピールオフ層用塗工液を調製し、このピールオフ層用塗工液をグラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の手段により、基材5または基材5上に設けられる任意の層上に塗布、乾燥して形成できる。
なお、ピールオフ層24の厚さについて特に限定はないが、当該ピールオフ層24の膜強度、ピールオフ層24と接する層や、ピールオフ層24と中間転写媒体10との接着性等を考慮すると、0.1μm以上、4μm以下の範囲であることが好ましく、0.2μm以上、2μm以下の範囲であることがより好ましい。
(c)印画物の製造方法の説明
次に、第2実施形態の印画物の製造方法について、図を参照しながら説明する。
(i)転写箔の準備工程
本実施形態の転写箔の準備工程は、図7(a)に示すように、支持体1の一方の面上に転写層4を構成する剥離層2および受容層3がこの順に積層された転写箔10である中間転写媒体10を準備する工程であり、第1実施形態と同様である。
(ii)熱転写シートの準備工程
本実施形態の熱転写シートの準備工程は、図6および図7(a)に示すように、基材5の一方の同一面上に、ピールオフ層24および色相が異なる複数の色材層15が同一面上に面順次に設けられ、かつ、基材5の他方の面上に背面層6が設けられた熱転写シート20Aを準備する工程である。ピールオフ層24は、上述したとおり、加熱によって転写層4と接着し、当該転写層4の一部を除去できる性質と、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質とを併せ持つものである。
(iii)除去工程
本実施形態の除去工程について、図7(a)、(b)に基づき説明する。まず、図7(a)に示すとおり、熱転写シート20Aと転写箔10である中間転写媒体10とを、ピールオフ層24の面と受容層3の面とが当接するように重ねる。ただし、両者は完全に押し付ける程度に重ねる必要はなく、ほとんど過重負荷が掛からない程度に当接しているか、あるいは微小な隙間を有して配置されていてもよい。
このような状態で、熱転写シート20Aの背面層6側からサーマルヘッド31により所定温度に加熱する。このとき、選択的に加熱されたピールオフ層24の一部24Aは、所定温度、すなわち当該ピールオフ層24の熱膨張領域が熱膨張を開始する起点となる温度またはそれ以上の温度がサーマルヘッド31から加えられるため、ピールオフ層24の一部24Aの加熱後の厚さは元の加熱されていないピールオフ層24の厚さよりも大きくなっている。このようにサーマルヘッド31により、ピールオフ層24の熱膨張領域に対して、所定領域に対してのみ所定温度の加熱をすることによって、当該所定領域のみを熱膨張させることができる。
このとき、膨張したピールオフ層の一部24Aのみが中間転写媒体10の受容層3側に加熱されながら押し付けられるため、当該一部24Aは受容層3と強く接着した状態となる。逆に、それ以外の領域は、ほとんど受容層3側に過重負荷を掛けないため、受容層3と接着することはない。中間転写媒体10の転写層4の受容層3および剥離層2の一部、すなわち、中間転写媒体10の受容層3の表面に垂直な方向に離隔した位置から当該受容層3を見たときに、熱転写シート20Aのピールオフ層の一部24Aと重なる位置に配置される転写層4の領域である4A、または、受容層3および剥離層2の領域である3Aおよび2Aを、この後の除去工程により転写層4から除去される予定の除去領域8とする。この場合、除去工程後の転写層の転写工程において、当該除去領域8以外の転写層4が最終的な被転写体17に選択的に転写されることにより、所定の印画物が製造される。
そして、図7(b)のように、熱転写シート20Aを中間転写媒体10から剥離することにより、ピールオフ層24の一部24Aに対応する除去領域8である転写層4の一部4Aは、当該一部24Aを介して転写層4からピールオフ層24側に除去される。なお、本実施形態においても、ピールオフ層24の全体が熱膨張領域であり、除去適性を付与した樹脂の中に、所定温度の加熱により熱膨張する発泡性の中空粒子が略均等に分散された構成のものを使用している。
(iv)転写層の転写工程
本実施形態の転写層の転写工程について、図7(b)、(c)に基づき説明する。図7(b)のように、除去領域8が除去された中間転写媒体10を、第1実施形態における図5(a)に図示するものと同様な方法で、被転写体17と重ねてヒートローラ32および加圧ローラ33の間に順次送り込み、所定の熱圧が加える。
これによって、あらかじめ除去領域8が除去された転写層4が、被転写体17に転写される。前述した除去工程において、ピールオフ層24の一部24Aの熱膨張により、正確かつ強力に受容層3と接着でき、その結果、除去領域8が正確に除去されている。そのため、転写層の転写工程においては、特にヒートローラ32および加圧ローラ33による熱圧条件に大きく左右されることなく、安定して、必要領域にのみ所定の画像が形成された印画物18Aを得ることができる。
以上のとおり、第2実施形態の印画物の製造方法は、支持体1の一方の面上に転写層4である剥離層2および受容層3が設けられた中間転写媒体10を準備する転写箔の準備工程と、基材5の一方の面上に、所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含むピールオフ層24が設けられた熱転写シート20Aを準備する熱転写シートの準備工程とを有する。
また、熱膨張領域を含むピールオフ層24の一部24Aを、選択的に加熱し、熱膨張させ、転写層の一部4Aを、除去領域8としてピールオフ層の一部24Aを介して転写層4から除去する除去工程と、除去領域8が除去された転写層4を、被転写体17上に転写する転写層の転写工程と、を含むものである。
これにより、ピールオフ層24の一部24Aが熱膨張することで、中間転写媒体10の受容層3を押し付ける荷重を大きくでき、当該一部24Aと受容層3との密着性を向上させることができる。また、当該一部24Aと受容層3との密着力が大きいため、当該ピールオフ層24の一部24Aに当接する転写層4の一部4Aを、ピールオフ層24の一部24Aを介して容易かつ正確に除去できる。
その結果、被転写体17側に必要な領域の画像のみを転写できる。したがって、本実施の形態の印画物の製造方法により、除去したい領域の転写層を正確に除去した上で、除去された後の転写層を被転写体上に転写できる。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。図8は、第3実施形態の熱転写シートのバリエーションを示す断面図である。図9は、本実施形態の熱転写シートの構成を説明する平面図である。図10は、本実施形態のヒートシール層の転写工程を説明する図であり、図11は、本実施形態の除去工程および転写層の転写工程を説明する図である。また、図12は、本実施形態の印画物のバリエーションを示す図である。以下、転写箔および熱転写シートの構成および印画物の製造方法に係る各工程について、第1および第2実施形態との相違点を中心に説明する。
(a)転写箔
図10(a)に示すように、転写箔10は、第1、第2実施形態と同様の構成である中間転写媒体10であるため、詳細の説明を省略する。
(b)熱転写シート
本実施形態の熱転写シートには、(1)基材5の同一面上に、ピールオフ層24Bと、所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含むヒートシール層14と、が設けられた熱転写シート20Bで構成される場合、または、(2)第1の基材5Aの一方の面上に所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含むヒートシール層14が設けられた第1熱転写シート25と、第2の基材5Bの一方の面上にピールオフ層24Bが設けられた第2熱転写シート26と、から構成される場合の二通りがある。基材5、第1の基材5Aおよび第2の基材5Bのヒートシール層14またはピールオフ層24Bとは反対側の面には、それぞれ背面層6、6Aおよび6Bが積層されている。
図8(a)および図9に示すとおり、ピールオフ層24Bとヒートシール層14の両方を備えた熱転写シート20Bの場合には、基材5の同一面上に、色相が異なる複数の色材層15を面順次に設けられてもよいことは第1、第2実施形態の構成と同じである。また、熱転写シート20Bは、基材5の一方の面上に色相が異なる複数の色材層15に続けて、ヒートシール層1とピールオフ層24Bとが面順次に設けられており、かつ、基材5の他方の面上に背面層6が設けられた構成をとる。
また、図8(b)、(c)に示すように、ヒートシール層14を有する第1熱転写シート25と、ピールオフ層24Bを有する第2熱転写シート26とを別個に使用する態様は、第1熱転写シート25と第2熱転写シート26とを熱転写プリンタに付け替える作業が付加されること以外は、ピールオフ層24Bとヒートシール層14の両方を備えた熱転写シート20Bを使用する態様との工程における実質的な差異はない。
また、第1熱転写シート25の断面構成は、図8(a)のピールオフ層24Bとヒートシール層14の両方を備えた熱転写シート20Bのヒートシール層14が配置されている部位の断面構成と同等であり、第2熱転写シート26の断面構成は、図8(a)の熱転写シート20Bのピールオフ層24Bが配置されている部位の断面構成と同等である。また、この場合には、色相が異なる複数の色材層15は第1熱転写シート25側に設けることができるが、第1熱転写シート25とは別個の熱転写シートに設けてもよい。ヒートシール層14およびピールオフ層24Bについて、以下に説明する。
(i)ヒートシール層
本実施形態のヒートシール層14は、第1実施形態のものと同様の構成であればよく、加熱によって溶融して転写層4に転写可能となる性質と、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質とを併せ持つことが満たされていればよい。このため、上述のような熱溶融させるための成分と、所定温度以上で熱膨張する成分とを混合した構成とすることができ、あるいは、両者を別の層として形成し、これらの積層体とした構成としてもよい。
(i)ピールオフ層
本実施形態のピールオフ層24Bは第2実施形態のピールオフ層24とは、所定温度以上に加熱した場合に熱膨張する熱膨張領域を有していない点で異なる。本実施形態では、ヒートシール層14に熱膨張領域を持たせていることから、ピールオフ層24Bには、中間転写媒体10の転写層4の一部を除去する性能のみを考慮した材料選定を行えばよい。このようなピールオフ層24の成分については第2実施形態において例示したものが使用できる。ただし、ヒートシール層14と同様に、ピールオフ層24Bとして熱膨張領域を持たせたピールオフ層24と同様の仕様のものを使用してもよい。
(c)印画物の製造方法の説明
第3実施形態の印画物の製造方法について、図を参照しながら説明する。
(i)転写箔の準備工程
本実施形態の転写箔の準備工程は、図10(a)に示すように、支持体1の一方の面上に転写層4を構成する剥離層2および受容層3がこの順に積層された転写箔10である中間転写媒体10を準備する工程であり、第1、第2実施形態と同様である。
(ii)熱転写シートの準備工程
本実施形態の熱転写シートの準備工程は、前述のとおり、図8(a)および図9に示す、(1)基材5の同一面上に、所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含むヒートシール層14と、熱膨張領域を含まないピールオフ層24Bと、が設けられた熱転写シート20Bを準備する場合と、図8(b)、(c)に示す、(2)第1の基材5Aの一方の面上に所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含むヒートシール層14が設けられた第1熱転写シート25と、第2の基材5Bの一方の面上にピールオフ層24Bが設けられた第2熱転写シート26と、を準備する場合とに分かれる。
(iii)ヒートシール層の転写工程
本実施形態のヒートシール層の転写工程について、熱転写シート20Bを使用した場合について、図10に基づき説明する。まず、図10(a)のように、中間転写媒体10と熱転写シート20Bとを重ねて、熱転写シート20Bの背面側からサーマルヘッド31により加熱し、ヒートシール層14の一部または全部を中間転写媒体10側に転写する。中間転写媒体10の受容層3には、あらかじめ、熱転写シート20Bの色材層15の各色相面が重ねられ、サーマルヘッド31による所定位置への加熱が各色相ごとに繰り返されることによって、所定の熱転写画像16が形成されている。
ここで、第1実施形態のヒートシール層の転写工程とは異なり、サーマルヘッド31による所定位置への加熱について、最低2段階の温度設定をする。すなわち、ヒートシール層14を中間転写媒体10の受容層3側に転写できるが、ヒートシール層14の熱膨張領域が大きく膨張する起点温度である所定温度よりも低い第1温度とする設定と、ヒートシール層14を中間転写媒体10の受容層3側に転写し、かつ、ヒートシール層14の熱膨張領域を大きく膨張させる所定温度以上の第2温度とする設定、である。
このように、サーマルヘッド31に掛ける温度設定を第1温度および第2温度の二通りとすることによって、異なる形態でヒートシール層14を転写層4に転写できる。例えば、サーマルヘッド31の温度設定を第1温度として、ヒートシール層14の選択的に熱膨張させたい領域以外の領域を転写層4側に転写する。その後、サーマルヘッド31の温度設定を第2温度に切り替えて、当該選択領域を加熱することにより、選択領域を転写層4側に転写する。その結果、転写層4に転写されたヒートシール層14は、熱膨張により厚さ方向に沿って大きくなった部分と、ほとんど熱膨張しない部分とが混在した状態となる。
例えば、図10(a)において、中間転写媒体10と熱転写シート20Bとを重ねて、熱転写シート20Bの背面側からサーマルヘッド31により加熱する際、サーマルヘッド31は、熱転写シート20Bの背面層6に沿って位置A、B、C、D、Eを動きながら熱を掛けていくものとする。ここで、サーマルヘッド31の位置が位置A、B、D、Eにおいては第1温度で加熱しており、位置Cのときだけ第2温度で加熱したものとする。
この結果、図10(b)に示すように、サーマルヘッド31の位置Cに対応するヒートシール層14の一部14Aは、所定温度以上の第2温度の加熱により、受容層3への転写後に熱膨張領域が大きく熱膨張し、厚さ方向に突出した状態を形成する。一方、第一温度で加熱されたヒートシール層14のそれ以外の部分は、受容層3に転写後もほとんど膨張が起きないままとなる。よって、転写されたヒートシール層14に厚みの異なる領域が発生するため、ヒートシール層14の表面に部分的な凸形状が生じ得る。
(iv)除去工程
本実施形態の除去工程について、図11(a)、(b)、(c)に基づき説明する。まず、図11(a)に示すとおり、熱転写シート20Bと中間転写媒体10とを、ピールオフ層24Bの面と受容層3の面とが当接するように重ねる。ただし、両者は完全に押し付ける程度に重ねる必要はなく、中間転写媒体10の表面に転写されたヒートシール層14の凸部である一部14Aが、ピールオフ層24Bと密着する程度に配置されていればよい。
この状態で、熱転写シート20Bの背面層6の側からサーマルヘッド31により所定温度に加熱する。このとき、ピールオフ層24Bへの加熱は重ねられた中間転写媒体10の表面に転写されているヒートシール層14の一部14Aに対応する領域に行うべきであるが、これより広い領域を加熱してもよい。
転写層4に転写されたヒートシール層14の凸部14Aと、これに対して厚さ方向に配置される転写層4の一部である4Aは、加熱されたピールオフ層24Bが密着したまま軟化、接着することにより当該ピールオフ層24Bと強固に接着する。また、それ以外の領域では、仮にピールオフ層24Bが加熱されていても、ヒートシール層14が当該ピールオフ層24Bと密着することはなく、誤ってピールオフされてしまう可能性は低い。
よって、図11(b)に示すように、熱転写シート20Bを中間転写媒体10から遠ざかる方向に移動させることにより、転写層4の一部4Aは、ピールオフ層24B側に接着して転写層4から除去領域8として除去される。
(iv)転写層の転写工程
本実施形態の転写層の転写工程について、図11(b)、(c)に基づき説明する。図11(b)のように、転写層4Aが除去された中間転写媒体10を、第1実施形態における図5(a)に図示するものと同様な方法で、被転写体17と重ねてヒートローラ32および加圧ローラ33の間に順次送り込み、所定の熱圧を加える。これによって、あらかじめ除去領域8として除去された領域以外の転写層4が、被転写体17に転写される。
前述した除去工程において、ピールオフ層24Bにより、転写層4に転写されたヒートシール層14の一部14Aと、これに付随する除去領域8である転写層4の一部4Aが正確に除去されている。そのため、転写層の転写工程においては、特にヒートローラ32および加圧ローラ33による熱圧条件に大きく左右されることなく、安定して必要領域にのみ所定の画像が形成された印画物18Bを得ることができる。
さらに、本実施形態では、除去領域8以外の転写層4の受容層3の面にはヒートシール層14が転写された状態で、被転写体17への転写が行われる。したがって、転写層4の被転写体17への密着力が向上し印画物18Bの品質が安定する。
なお、本実施形態においては、図12に示すように、被転写体17への画像形成にあたり、熱転写画像16の配置と連動させて、あるいはこれとは無関係にヒートシール層14に任意の凸部14Bを発生させることができる。これは、ヒートローラ32および加圧ローラ33の間に中間転写媒体10と被転写体17とを重ねて挟み込み、所定の熱圧を加える際に、ヒートローラ32に掛ける温度を変化させることにより実現できる。すなわち、ヒートローラ32によって中間転写媒体10に転写されたヒートシール層14を加熱する温度を変化させて、ヒートシール層14の熱膨張する箇所と熱膨張しない部位を発生させることで、表面が凹凸の立体面を有する印画物18Cを製造できる。
以上の説明は、熱転写シート20Bについて述べたものであるが、第1熱転写シート25および第2熱転写シート26を用いる方法においても、熱転写シートの準備工程以外の工程については同様であることはいうまでもない。
以上のとおり、第3実施形態の印画物の製造方法は、支持体1の一方の面上に転写層4が設けられた中間転写媒体10を準備する転写箔の準備工程と、(1)基材5の同一面上に、ピールオフ層24Bと、所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含むヒートシール層14と、が設けられた熱転写シート20B、または、(2)第1の基材5Aの一方の面上に所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含むヒートシール層14が設けられた第1熱転写シート25と、第2の基材5Bの一方の面上にピールオフ層24Bが設けられた第2熱転写シート26と、を準備する熱転写シートの準備工程と、を有する。
さらに、熱膨張領域を含むヒートシール層14の一部14Aを選択的に加熱し、当該1部14Aを転写層4に転写するヒートシール層の転写工程と、ピールオフ層24Bの一部を加熱し、当該一部を介して転写層4の一部4Aを、除去領域8として転写層4から除去する除去工程と、除去領域8が除去された転写層4を、被転写体17上に転写する転写層の転写工程と、を含むものである。
これにより、熱転写シート20Bまたは第1熱転写シート25から中間転写媒体10の転写層4には、全面に渡って熱膨張させずにヒートシール層14を転写することが可能であるとともに、熱膨張させたい領域にのみ、転写後に選択的に熱膨張させておくことが可能である。そして、ピールオフ層24Bによってヒートシール層14の一部14Aを含む転写層4の一部を除去するにあたり、熱膨張による凸部が形成されていることを利用して、容易かつ正確にこれを除去できる。
したがって、正確に形成された除去領域8によって、被転写体17への転写層4の転写が、必要な領域に対して正確に行えることとなる。さらには、転写層4は、膨張していないヒートシール層14を介して転写できるので、被転写体17に対する転写層4の密着性が向上する。また、当該ヒートシール層14は、被転写体17への転写層4の転写の際に一部を熱膨張させることができ、表面に凹凸を有する意匠性の高い印画物18Cを製造できる。
4.第4実施形態
次に、第4実施形態について説明する。図13は、第4実施形態の中間転写媒体の準備工程および熱転写画像の形成工程を説明する断面図である。図14は、本実施形態の除去工程および転写層の転写工程を説明する図である。
(a)転写箔
図13(a)に示すように、転写箔10Bは、第1〜第3実施形態の転写箔10とは、転写層4Bの構成が異なる。この点について以下に説明する。
(i)転写層
中間転写媒体10Bの転写層4Bは、受容層3Bを含んでおり、当該受容層3は、支持体1から最も遠くに積層されている。すなわち、受容層3は中間転写媒体10Bの一方の面を構成する支持体1に対して、他方の面を構成している。中間転写媒体10Bは支持体1および受容層3Bのみの構成であってもよく、支持体1と受容層3Bの間に複数の異なる材料の層を設けてもよいが、通常は、支持体1と受容層3Bの間に、受容層3Bの転写性を向上させるために剥離層2が設けられることが多い。以下、受容層3Bについて説明する。
(ii)受容層
中間転写媒体10Bの転写層4Bを構成する受容層3Bは、中間転写媒体に用いるものとして公知の受容層の成分に加え、第1実施形態のヒートシール層14や第2実施形態のピールオフ層24のように、所定温度以上に加熱した場合には、熱膨張する熱膨張領域を有している。当該熱膨張領域は、本実施形態では受容層3Bの全体に均一に配置されているが、受容層が多層構造であって、その一部の層だけに熱膨張領域が形成されていてもよい。また、同一層の中で特定範囲にのみ熱膨張領域が配置されるようにしてもよい。ただし、受容層3B自体が熱膨張領域を有していなくてもよく、例えば、中間転写媒体10Bの転写層4Bを、支持体1に近い側から剥離層2、保護層、受容層3Bの順に積層された構成としてもよい。この場合、受容層3Bではなく保護層に熱膨張領域が配置されるようにし、受容層3B自体は熱膨張しないものとすることができる。保護層としては、後述する変形例4に記載する保護層27に使用するものと同様の材料を選択してもよく、これ以外の材料を選択してもよい。以下の受容層3Bに関する説明は、すべて、上記の受容層3Bと隣接する保護層の説明に置き換えることができる。
このように、受容層は、通常の受容層としての適性に加え、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質とを併せ持つことが必要であるため、通常の受容層としての成分に、第1実施形態のヒートシール層14において記載したような、熱可塑性樹脂等から構成された外殻の内部に膨張剤を含有した中空部を有する熱膨張性のある中空粒子を含有させることによって実現できる。
(b)熱転写シート
本実施形態の熱転写シート20Cは、図3において、ヒートシール層14をピールオフ層24Bに置き換えた場合と同等の構成をとるものであり、基材5の同一面上に、例えば、イエロー色材層(Y)、マゼンタ色材層(M)、シアン色材層(C)から構成された色材層15と、ピールオフ層24Bとが面順次に配列されている。また、ピールオフ層24Bが配置されている領域の断面構成は、第3実施形態に挙げた、図8(c)に示す第2の基材5Bの一方の面上にピールオフ層24Bが設けられた第2熱転写シート26と同一の構造である。
(c)印画物の製造方法の説明
第4実施形態の印画物の製造方法について、図を参照しながら説明する。
(i)中間転写媒体の準備工程
本実施形態の中間転写媒体の準備工程は、図13(a)に示すように、支持体1の一方の面上に転写層4Bを構成する剥離層2および受容層3Bがこの順に積層された転写箔10Bである中間転写媒体10Bを準備する工程である。受容層3Bには、所定温度以上に加熱した場合には、熱膨張する熱膨張領域を有している点が、第1〜第3実施形態の転写層4の受容層3とは異なる。
(ii)熱転写シートの準備工程
本実施形態の熱転写シートの準備工程は、第3実施形態の熱転写シート26と同様の構成の熱転写シートにおいて、基材5の同一面上に、色相が異なる複数の色材層15がさらに面順次に設けられた熱転写シート20Cを準備する工程である。
(iii)熱転写画像の形成工程
本実施形態の熱転写画像の形成工程について、図13に基づき説明する。まず、図13(a)のように、一方の表面が色材層15となっている熱転写シート20Cと、中間転写媒体10Bとを重ねて、熱転写シート20Cの背面側からサーマルヘッド31により加熱し、熱転写画像16を中間転写媒体10の転写層4Bである受容層3Bに転写する。複数の色相について行う場合は、熱転写シート20Cを順次移動させて、各色相ごとにサーマルヘッド31による加熱を繰り返して、所定の熱転写画像16を形成する。
なお、この場合のサーマルヘッド31による加熱は、受容層3Bの熱膨張領域が大きく熱膨張しない所定温度より低い第1温度となるように調整されている。したがって、熱転写画像16が形成された段階では、受容層3Bの表面はフラットであり、局所的な熱膨張は発生していない。
(iv)除去工程
本実施形態の除去工程について、図13(b)、(c)、図14(a)に基づき説明する。まず、図13(b)のように、熱転写シート20Cと中間転写媒体10Bとが当接した状態においてサーマルヘッド31を所定位置で加熱する。このとき、転写層4Bの除去したい領域である除去領域8に対応する位置でのみ、加熱を行うが、このときの加熱は、受容層3Bの熱膨張領域が大きく熱膨張を開始する所定温度以上の第2温度となるように調整されている。したがって、除去領域8の熱膨張領域のみが膨張し、受容層3Bの表面が凸上に突出する。
図13(b)、(c)、図14(a)のように、その後、熱転写シート20Cを中間転写媒体10Bから遠ざけるように移動させると、膨張してピールオフ層24Bと接着された除去領域8を構成する転写層の一部4C、すなわち、受容層3Bの一部3Cと剥離層2の一部2Aは、転写層4Bから除去される。
(iv)転写層の転写工程
本実施形態の転写層の転写工程について、図14(a)、(b)、(c)に基づき説明する。図14(a)のように、除去領域8が除去された中間転写媒体10Bを、第1実施形態における図5(a)に図示するものと同様な方法で、被転写体17と重ねてヒートローラ32および加圧ローラ33の間に順次送り込み、所定の熱圧が加える。これによって、あらかじめ除去領域8として除去された領域以外の転写層4Bが、被転写体17に転写される。
前述した除去工程において、ピールオフ層24Bにより、除去領域8、すなわち、転写層4Bの一部4Cが正確に除去されている。そのため、転写層の転写工程においては、特にヒートローラ32および加圧ローラ33による熱圧条件に大きく左右されることなく、安定して、必要領域にのみ所定の画像を形成した印画物18Dを得ることができる。
さらに、本実施形態においては、図14(c)に示すように、被転写体17への画像形成にあたり、熱転写画像16の配置と連動させて、あるいは、これとは無関係に転写層4Bに任意の凸部4Dを発生させることができる。当該凸部4Dは、受容層3Bの膨張による凸部3Dによって上層の剥離層2が押し上げられ、凸部2Dを形成することにより発生する。これは、ヒートローラ32および加圧ローラ33の間に中間転写媒体10と被転写体17とを重ねて挟み込み、所定の熱圧を加える際に、ヒートローラ32に掛ける温度を変化させることにより実現できる。すなわち、ヒートローラ32によって中間転写媒体10に転写されたヒートシール層14を加熱する温度を変化させて、受容層3Bの熱膨張する箇所と熱膨張しない部位を発生させることで、表面が凹凸の立体面を有する印画物18Eを製造できる。
以上のとおり、第4実施形態の印画物の製造方法は、支持体1の一方の面上に転写層4Bが設けられており、かつ、所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含む、中間転写媒体10Bを準備する中間転写媒体の準備工程と、基材5の一方の同一面上に色材層15およびピールオフ層24Bが設けられた熱転写シート20Cを準備する熱転写シートの準備工程と、を有する。
さらに、中間転写媒体10Bの受容層3B上に所定温度よりも低い第1温度で加熱しながら熱転写画像16を形成する熱転写画像の形成工程と、転写層4Bの除去領域8を、所定温度以上の第2温度で加熱し、除去領域8の熱膨張領域を膨張させながらピールオフ層24Bによって転写層4Bから除去する除去工程と、除去領域8が除去された転写層4Bを、被転写体17上に転写する転写層の転写工程と、を含むものである。
これにより、熱転写シート20Cには、ヒートシール層を設ける必要がなく、通常のピールオフ層24Bと、色材層15を設けるだけでよいこととなる。また、中間転写媒体10Bの転写層4Bが所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含むため、除去領域8に対応する箇所をサーマルヘッド31で加熱することによって、除去領域8とピールオフ層24Bとの密着性が上がり、除去領域8の容易かつ正確な除去が可能となる。
その結果、被転写体17への転写層4Bの必要領域のみの転写が確実に行われることとなる。また、当該転写層4Bは、被転写体17への転写層4Bの転写の際に一部を熱膨張させることができ、表面に凹凸を有する意匠性の高い印画物18Eを製造できる。
5.変形例
上述した第1実施形態は、種々の変形や変更が可能であり、それらも本開示の範囲内である。下記に、幾つかの変形例を挙げる。
(a)変形例1
図15は、第1実施形態の印画物の製造方法において、ヒートシール層14Cが、所定温度の加熱によって膨張する第1ヒートシール層11と、加熱によってほとんど膨張しない第2ヒートシール層12の2層構成となっている熱転写シート20Dについての変形例1の工程を示す図である。
図15(a)に示すとおり、変形例1の熱転写シート20Dは、基材5の一方の面上にヒートシール層14Cが設けられており、かつ、基材5の他方の面上に背面層6が設けられている。ヒートシール層14Cは、第1ヒートシール層11と第2ヒートシール層12の2層構造をとっており、第2ヒートシール層12が基材5の近くに配置されている。
第1ヒートシール層11は、第1実施形態のヒートシール層14と同様の構成であり、加熱によって溶融して転写層4に転写可能となる性質と、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質とを併せ持つことが要求される。これに対して、第2ヒートシール層12は、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質を有しない、熱溶融させるための成分を含むものであればよい。
本変形例における、印画物の製造方法は、基本的に第1実施形態と同様となる。しかし、ヒートシール転写工程では、図15(b)に示すように、中間転写媒体10の転写層4に転写されたヒートシール層14Cの一部は、受容層3からもっとも遠くに位置する第2ヒートシール層12の一部12Aであり、受容層3に近い側に第1ヒートシール層11の一部11Aが配置されることとなる。
また、転写層の転写工程では、図15(c)に示すように、被転写体17と当接する部分が第2ヒートシール層12の一部12Aとなる。第1ヒートシール層11は、熱膨張領域として、熱膨張性の中空粒子を含むことが考えられるが、この場合には、膨張した中空粒子が多数存在することによって、第1ヒートシール層11の表面には微細な凹凸が形成されている。これに対して、第2ヒートシール層12は、そのような熱膨張領域を含む必要がないため、第2ヒートシール層12の表面を第1ヒートシール層11よりも滑らかに仕上げることが可能である。
これより、ヒートシール層14Cのように、熱膨張領域を含む第1ヒートシール層11と、熱膨張領域を含む必要がない第2ヒートシール層12とを所定順番で積層した構成とすることにより、最終的な被転写体17への画像形成時に、転写層4の密着性を向上させることができる。よって、最終的な印画物18Fの品質向上に寄与する。
なお、第2ヒートシール層12は、加熱に対してまったく膨張しない構成とする必要はないが、少なくとも、所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含む第1ヒートシール層11のほうが、第2ヒートシール層12と比べて所定温度の加熱による膨張の程度がより大きいものであればよい。
(b)変形例2
次に、図16に基づいて、第1実施形態の印画物の製造方法において、ヒートシール層14Dが、所定温度の加熱によって膨張する第1ヒートシール層11と、加熱によってほとんど膨張しない第2ヒートシール層12および第3ヒートシール層13の3層構成となっている熱転写シート20Eについての変形例2について説明する。
図16(a)に示すとおり、変形例2の熱転写シート20Eは、基材5の一方の面上にヒートシール層14Dが設けられており、かつ、基材5の他方の面上に背面層6が設けられている。ヒートシール層14Dは、第1ヒートシール層11、第2ヒートシール層12および第3ヒートシール層13の3層構造をとっており、第2ヒートシール層12が基材5のもっとも近くに配置され、かつ、第3ヒートシール層13が基材5からもっとも遠くに配置されている。
第1ヒートシール層11は、変形例1と同様、加熱によって溶融して転写層4に転写可能となる性質と、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質とを併せ持つことが要求される。これに対して、第2ヒートシール層12および第3ヒートシール層13は、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質を有しない、熱溶融させるための成分を含むものであればよい。
本変形例における、印画物の製造方法は、基本的に第1実施形態および変形例1と同様となる。しかし、ヒートシールの転写工程では、図16(b)に示すように、中間転写媒体10の転写層4に転写されたヒートシール層14Dの一部は、受容層3からもっとも遠い先端部が第2ヒートシール層12の一部12Aであり、受容層3にもっとも近い側に第3ヒートシール層13の一部13Aが配置されることとなる。よって、ヒートシール層14Dの一部は、第2ヒートシール層12の一部12Aを介して受容層3と接着する。
また、転写層の転写工程では、図16(c)に示すように、被転写体17と当接する部分が第2ヒートシール層12の一部12Aとなる。よって、変形例1と同じ理由により、被転写体17への画像形成時に、転写層4の密着性を向上させることができる。さらに、本変形例では、ヒートシール転写工程において、では、図16(b)に示すように、中間転写媒体10の転写層4に転写されたヒートシール層14Dの一部は、第3ヒートシール層13の一部13Aを介して受容層3と接着するため、第2ヒートシール層12と同様の理由により、転写層4との密着性を向上させることができる。よって、選択的に転写したい選択領域7を容易かつ正確に転写でき、最終的な印画物18Gの品質向上に寄与する。
なお、第3ヒートシール層13も、第2ヒートシール層12と同様であり、加熱に対してまったく膨張しない構成とする必要はないが、少なくとも、所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含む第1ヒートシール層11のほうが、第3ヒートシール層13と比べて所定温度の加熱による膨張の程度がより大きいものであればよい。また、熱膨張領域を含むヒートシール層と、それ以外のヒートシール層とがそれぞれ複数層積層されたものであってもよい。
(c)変形例3
図17は、第2実施形態の印画物の製造方法において、ピールオフ層24が、所定温度の加熱によって膨張する第1ピールオフ層21と、ほとんど加熱によって膨張しない第2ピールオフ層22および第3ピールオフ層23の3層構成となっている熱転写シート20Fについての変形例3の工程を示す図である。
図17(a)に示すとおおり、変形例3の熱転写シート20Fは、基材5の一方の面上にピールオフ層24Cが設けられており、かつ、基材5の他方の面上に背面層6が設けられている。ピールオフ層24Cは、第1ピールオフ層21、第2ピールオフ層22および第3ピールオフ層23の3層構造をとっており、第2ピールオフ層22が基材5のもっとも近くに配置され、第3ピールオフ層23が基材5からもっとも遠くに配置されている。
第1ピールオフ層21は、第2実施形態のピールオフ層24と同様の構成であり、加熱によって転写層4の一部を除去できる性質と、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質とを併せ持つことが要求される。これに対して、第2ピールオフ層22および第3ピールオフ層23は、所定温度以上の加熱によって熱膨張する性質を有しない、除去性能を有するための成分を含むものであればよい。
本変形例における、印画物の製造方法は、基本的に第2実施形態と同様となる。しかし、除去工程では、図17(b)に示すように、中間転写媒体10の転写層4の除去領域8と接着するピールオフ層24Cの一部は、第3ピールオフ層23の一部23Aである。
第1ピールオフ層21は、熱膨張領域として、熱膨張性の中空粒子を含んでいることがあるが、この場合には、膨張した中空粒子が多数存在することによって、第1ピールオフ層21の表面には微細な凹凸が形成されている。これに対して、第2ピールオフ層22および第3ピールオフ層23は、そのような熱膨張領域を含む必要がないため、第2ピールオフ層22および第3ピールオフ層23表面を第1ピールオフ層21よりも滑らかに仕上げることが可能である。
これより、除去工程において、ピールオフ層24Cは第2ピールオフ層22を介して基材5と接着しているため、ピールオフ層24Cと基材5との密着力が向上する。また、ピールオフ層24Cは第3ピールオフ層23を介して除去領域8である受容層3との一部3Aと接着するため、除去工程において、除去領域8を除去する際に、除去領域8がピールオフ層24Cから剥離することが抑制され、容易かつ正確に除去を行うことができる。よって、最終的な印画物の品質を向上させることができる。
なお、第2ピールオフ層22および第3ピールオフ層23は、加熱に対してまったく膨張しない構成とする必要はないが、少なくとも、所定温度の加熱により膨張することが可能な熱膨張領域を含んだ第1ピールオフ層21のほうが、第2ピールオフ層22および第3ピールオフ層23と比べて所定温度の加熱による膨張の程度がより大きいものであればよい。また、熱膨張領域を含んだピールオフ層と、それ以外のピールオフ層とがそれぞれ複数層積層されたものであってもよい。
(d)変形例4
図18および図19は、第1実施形態の印画物の製造方法において、転写箔が中間転写媒体ではなく、保護層転写シート10Cである変形例4における工程を説明する図である。
(a)転写箔
図18(a)に示すように、転写箔10Cである保護層転写シート10Cは、支持体1の一方の面上に転写層4が積層されて形成されている。本変形例では、転写層4は、支持体1に近い側から順に保護層27および接着層28が積層されたものである。
(i)支持体
保護層転写シート10Cの支持体1は、材料としての限定は特にはなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを使用できる。また、支持体1は、上記に挙げた単一の材料を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
なお、支持体1の厚さについて特に限定はないが、例えば、2μm以上、100μm以下の範囲とできる。
(ii)保護層
保護層転写シート10Cの保護層27は、材料としての限定は特にはなく、保護層転写シートの分野で公知の保護層を適宜選択できる。保護層27の成分として、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂等を使用できる。その中では、アクリル樹脂、ポリエステル、塩化ビニル樹脂を用いることが好ましく、アクリル樹脂、ポリエステルを用いることがさらに好ましい。
保護層27は、電離放射線硬化性樹脂を含有することにより、耐可塑剤性や耐擦過性を向上させることができる。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用でき、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用できる。また、保護層27が紫外線吸収性樹脂を含有することにより、印画物に耐光性を付与できる。
紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用できる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを使用できる。
(iii)接着層
接着層28は必ずしも必須ではないが、転写層4を被転写体17に転写したときの両者の密着性を向上させるために支持体1と保護層27の間に接着層28を含んでいてもよい。接着層28の成分として、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン─アクリル共重合体、ポリエステル、ポリアミド等を挙げることができる。
なお、接着層28の厚さについて特に限定はないが、例えば、0.1μm以上、5μm以下の範囲とできる。
(b)印画物の製造方法の説明
図18(b)に示すように、本変形例の保護層転写シート10Cは、第1実施形態の中間転写媒体10と同様に、熱転写シート20と重ねられる。ここで、保護層転写シート10Cの接着層28と熱転写シート20のヒートシール層14とが当接している。
ここで、熱転写シート20の背面側からサーマルヘッド31による所定位置への加熱を行うことにより、加熱された部分のヒートシール層14の一部14Aが保護層転写シート10Cの接着層28に転写される。
このとき、接着層28側に転写されたヒートシール層14の一部14Aは、所定温度以上の温度がサーマルヘッド31から加えられるため、ヒートシール層14の一部14Aの熱膨張領域が大きく膨張し、厚さ方向の大きさも大きくなる。その後、図18(c)のとおり、熱転写シート20を保護層転写シート10Cから剥がす。これにより、ヒートシール層の転写工程が完了する。
次に、熱膨張領域が膨張したヒートシール層14の一部14Aが転写された保護層転写シート10Cを、図5(b)に示すようなあらかじめ、転写層4の一部4Aが転写された被転写体17に重ね、これを図5(a)に示すように、ヒートローラ32および加圧ローラ33の間に挟み込み、所定の熱圧が加える。その結果、図19に示すような転写層の一部4Aの上層に、ヒートシール層の一部14Aを介して接着層28の一部28Aおよび保護層27の一部27Aを含む転写層4の一部4Eが積層された印画物18Hを得ることができる。
このように、第1実施形態を例にして、中間転写媒体10を保護層転写シート10Cに置き換えた変形例について説明したが、同様の置き換えが、他の実施形態や変形例においても可能である。例えば、第2実施形態のように保護層転写シート10Cの一部を除去領域として除去しておき、被転写体に対して保護層を設けたくない領域をあらかじめ除去した上で保護層を被転写体に転写した印画物を製造することもできる。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。
1.熱転写シートおよび中間転写媒体の作成
表1に記載のとおり、背面層、ヒートシール層およびピールオフ層の組み合わせを変えた各種の熱転写シートを作成した。また、表2に記載のとおり、剥離層、保護層および受容層の組み合わせを変えた各種の中間転写媒体を作成した。以下、各熱転写シートおよび各中間転写媒体の詳細について説明する。

Figure 2022001445
Figure 2022001445
(a)熱転写シート1−1の作成
基材として、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、当該基材の一方の面上に、下記組成のピールオフ層用塗工液1を乾燥時1μmの厚さとなるように塗布、乾燥しピールオフ層を形成した。また、基材の他方の面上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時0.8μmの厚さとなるように塗布、乾燥し背面層を形成することでピールオフ層を有する熱転写シート1−1を得た。
<ピールオフ層用塗工液1>
・ポリエステル水分散体(固形分34%、Tg67℃) 15部
(バイロナール(登録商標)MD−1200 東洋紡(株))
・熱膨張性中空粒子 5部
(クレハマイクロスフェアー(登録商標)M330 (株)クレハ)
・水 80部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール 2部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 9.2部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.3部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 43.6部
・メチルエチルケトン 43.6部
(b)熱転写シート1−2の作成
熱転写シート1−1のピールオフ層用塗工液1を下記組成のピールオフ層用塗工液2に変更した以外は、熱転写シート1−1と同様にして、熱転写シート1−2を得た。
<ピールオフ層用塗工液2>
・ポリエステル水分散体(固形分34%、Tg67℃) 15部
(バイロナール(登録商標)MD−1200 東洋紡(株))
・熱膨張性中空粒子 5部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)F−30 松本油脂製薬(株))
・水 80部
(c)熱転写シート1−3の作成
熱転写シート1−1のピールオフ層用塗工液1を下記組成のピールオフ層用塗工液3に変更した以外は、熱転写シート1−1と同様にして、熱転写シート1−3を得た。
<ピールオフ層用塗工液3>
・ポリエステル水分散体(固形分34%、Tg67℃) 15部
(バイロナール(登録商標)MD−1200 東洋紡(株))
・熱膨張性中空粒子 5部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN−80GS 松本油脂製薬(株))
・水 80部
(d)熱転写シート1−4の作成
熱転写シート1−1のピールオフ層用塗工液1を下記組成のピールオフ層用塗工液4に変更した以外は、熱転写シート1−1と同様にして、熱転写シート1−4を得た。
<ピールオフ層用塗工液4>
・ポリエステル水分散体(固形分34%、Tg67℃) 15部
(バイロナール(登録商標)MD−1200 東洋紡(株))
・熱膨張性中空粒子 5部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN−80GS 松本油脂製薬(株))
・水 80部
(e)熱転写シート1−Aの作成
熱転写シート1−1のピールオフ層用塗工液1を下記組成のピールオフ層用塗工液Aに変更した以外は、熱転写シート1−1と同様にして、熱転写シート1−Aを得た。
<ピールオフ層用塗工液A>
・ポリエステル水分散体(固形分34%、Tg67℃) 20部
(バイロナール(登録商標)MD−1200 東洋紡(株))
・水 80部
(f)熱転写シート2−1の作成
基材として、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、当該基材の一方の面上に、下記組成のヒートシール層用塗工液1を乾燥時1μmの厚さとなるように塗布、乾燥しピールオフ層を形成した。また、基材の他方の面上に、上記組成の背面層用塗工液を乾燥時0.8μmの厚さとなるように塗布、乾燥し背面層を形成することでヒートシール層を有する熱転写シート2−1を得た。
<ヒートシール層用塗工液1>
・ポリエステル水分散体(固形分34%、Tg67℃) 15部
(バイロナール(登録商標)MD−1200 東洋紡(株))
・熱膨張性中空粒子 5部
(クレハマイクロスフェアー(登録商標)M330 (株)クレハ)
・水 80部
(g)熱転写シート2−2の作成
熱転写シート1−1のヒートシール層用塗工液1を下記組成のヒートシール層用塗工液2に変更した以外は、熱転写シート1−1と同様にして、熱転写シート1−2を得た。
<ヒートシール層用塗工液2>
・ポリエステル水分散体(固形分34%、Tg67℃) 15部
(バイロナール(登録商標)MD−1200 東洋紡(株))
・熱膨張性中空粒子 5部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)F−30 松本油脂製薬(株))
・水 80部
(h)熱転写シート2−3の作成
熱転写シート1−1のヒートシール層用塗工液1を下記組成のヒートシール層用塗工液3に変更した以外は、熱転写シート1−1と同様にして、熱転写シート1−3を得た。
<ヒートシール層用塗工液3>
・ポリエステル水分散体(固形分34%、Tg67℃) 15部
(バイロナール(登録商標)MD−1200 東洋紡(株))
・熱膨張性中空粒子 5部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN−80GS 松本油脂製薬(株))
・水 80部
(i)熱転写シート2−4の作成
熱転写シート1−1のヒートシール層用塗工液1を下記組成のヒートシール層用塗工液4に変更した以外は、熱転写シート1−1と同様にして、熱転写シート1−4を得た。
<ヒートシール層用塗工液4>
・ポリエステル水分散体(固形分34%、Tg67℃) 15部
(バイロナール(登録商標)MD−1200 東洋紡(株))
・熱膨張性中空粒子 5部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN−80GS 松本油脂製薬(株))
・水 80部
(j)熱転写シート3−1の作成
基材として、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、当該基材の一方の面上に、上記組成の背面用塗工液を乾燥時0.8μmの厚さとなるように塗布、乾燥し背面層を形成した。また、基材の他方の面上に、上記組成のヒートシール層用塗工液1、下記組成のピールオフ層用塗工液Bを、それぞれ乾燥時1μmの厚さとなるように塗布、乾燥して、ヒートシール層、ピールオフ層を面順次に形成し、ヒートシール層とピールオフ層とを有する熱転写シート3−1を得た。
<ピールオフ層用塗工液B>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10部
(ソルバイン(登録商標)C5R 日信化学工業(株))
・アクリル樹脂 10部
(ダイヤナール(登録商標)BR−83 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン(MEK) 80部
(k)熱転写シート3−2の作成
熱転写シート3−1のヒートシール層用塗工液1を上記組成のヒートシール層用塗工液2に変更した以外は、熱転写シート3−1と同様にして、熱転写シート3−2を得た。
(l)熱転写シート3−3の作成
熱転写シート3−1のヒートシール層用塗工液1を上記組成のヒートシール層用塗工液3に変更した以外は、熱転写シート3−1と同様にして、熱転写シート3−3を得た。
(m)熱転写シート3−4の作成
熱転写シート3−1のヒートシール層用塗工液1を上記組成のヒートシール層用塗工液4に変更した以外は、熱転写シート3−1と同様にして、熱転写シート3−4を得た。
(n)熱転写シート3−Aの作成
熱転写シート3−1のヒートシール層用塗工液1を上記組成のヒートシール層用塗工液Aに変更した以外は、熱転写シート3−1と同様にして、熱転写シート3−Aを得た。
(o)中間転写媒体1の作成
基材として、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、当該基材上に、下記組成の剥離層用塗工液1を乾燥時1μmの厚さとなるように塗布、乾燥し剥離層を形成した。次いで、当該剥離層上に下記組成の保護層用塗工液1を乾燥時5μmの厚さとなるように塗布、乾燥して保護層を形成した。さらに当該保護層上に下記組成の受容層用塗工液1を乾燥時1.5μmの厚さとなるように塗布、乾燥して受容層を形成することで、基材上に剥離層、保護層、受容層がこの順で積層された中間転写媒体1を得た。
<剥離層用塗工液1>
・アクリル樹脂 29部
(ダイヤナール(登録商標)BR−87 三菱ケミカル(株))
・ポリエステル 1部
(バイロン(登録商標)200 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン(MEK) 35部
・トルエン 35部
<保護層用塗工液1>
・ポリエステル 30部
(バイロン(登録商標)200 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 35部
・トルエン 35部
<受容層用塗工液1>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・シリコーンオイル 1部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン(MEK) 79部
(p)中間転写媒体2の作成
中間転写媒体1の保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液2に変更した以外は、中間転写媒体1と同様にして、中間転写媒体2を得た。
<保護層用塗工液2>
・熱膨張性中空粒子 100部
(クレハマイクロスフェアー(登録商標)M330 (株)クレハ)
・水性ポリウレタン(固形分37%) 30部
(ネオステッカー(登録商標)400 日華化学(株))
・水 80部
(q)中間転写媒体3の作成
中間転写媒体1の保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液3に変更した以外は、中間転写媒体1と同様にして、中間転写媒体3を得た。
<保護層用塗工液3>
・熱膨張性中空粒子 100部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)F−30 松本油脂製薬(株))
・水性ポリウレタン(固形分37%) 30部
(ネオステッカー(登録商標)400 日華化学(株))
・水 80部
(r)中間転写媒体4の作成
中間転写媒体1の保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液4に変更した以外は、中間転写媒体1と同様にして、中間転写媒体4を得た。
<保護層用塗工液4>
・熱膨張性中空粒子 100部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN−80GS 松本油脂製薬(株))
・水性ポリウレタン(固形分37%) 30部
(ネオステッカー(登録商標)400 日華化学(株))
・水 80部
(s)中間転写媒体5の作成
中間転写媒体1の保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液5に変更した以外は、中間転写媒体1と同様にして、中間転写媒体5を得た。
<保護層用塗工液5>
・熱膨張性中空粒子 100部
(エクスパンセル(登録商標)031−40 日本フィライト(株))
・水性ポリウレタン(固形分37%) 30部
(ネオステッカー(登録商標)400 日華化学(株))
・水 80部
2.試験方法
表2に記載のとおり、熱転写シートと中間転写媒体との組み合わせを変えて、下記のプリンタ条件、被転写体条件で印画物を製造し、これらを実施例1〜16および比較例1、2とした。各実施例、比較例の詳細について説明する。
(プリンタ印字条件)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
1ライン周期:2.0(msec.)
(条件1)印字開始温度:100(℃)
(条件2)印字開始温度:200(℃)

(再転写条件)
ラミネーター:ラミパッカーLPD3212(フジプラ社製)
温度:145℃
速度:0.8(設定値)

(カード基材の材料組成)
・ポリ塩化ビニルコンパウンド(重合度800) 100部
(安定化剤等の添加剤を約10%含有)
・白色顔料(酸化チタン) 10部
・可塑剤(DOP) 0.5部
(a)実施例1〜4、比較例1について
表2の中間転写媒体および熱転写シートの組み合わせにて、上記プリンタ印字条件で255/255階調のエネルギーを条件2に従って印加して、熱転写シートのピールオフ層を加熱し、剥離層、保護層、受容層がこの順で積層されてなる転写層の一部の領域(以下、転写層の一部の領域のことを「所定領域」と言う)を取り除いた。さらに、所定領域を取り除いた中間転写媒体を被転写体である上記材料組成のカードと組み合わせて、上記プリンタの再転写条件にてヒートローラおよび加圧ローラで挟み込みながら加熱し、印画物を得た。
(b)実施例5〜8について
表2の中間転写媒体および熱転写シートの組み合わせにて、上記プリンタ印字条件で255/255階調のエネルギーを条件2に従って印加して、熱転写シートのヒートシール層の一部を加熱し、当該一部の領域(以下、転写層の一部の領域のことを「所定領域」と言う)を中間転写媚態の受容層に転写した。さらに、所定領域が転写された中間転写媒体を被転写体である上記材料組成のカードと組み合わせて、上記プリンタの再転写条件にてヒートローラおよび加圧ローラで挟み込みながら加熱し、印画物を得た。
(c)実施例9〜12、比較例2について
表2の中間転写媒体および熱転写シートの組み合わせにて、上記プリンタ印字条件で255/255階調のエネルギーを条件1に従って印加して、まず、熱転写シートのヒートシール層を中間転写媒体の受容層上に転写した。次いで、ヒートシール層が転写された中間転写媒体と、上記で作成したピールオフ層を有する熱転写シートとを組み合わせ、上記プリンタ印字条件で255/255階調のエネルギーを条件2に従って印加して、剥離層、保護層、受容層がこの順で積層された転写層の一部の領域(以下、転写層の一部の領域のことを「所定領域」と言う)を取り除いた。さらに、所定領域を取り除いた中間転写媒体を被転写体である上記材料組成のカードと組み合わせて、上記プリンタの再転写条件にてヒートローラおよび加圧ローラで挟み込みながら加熱し、印画物を得た。
(d)実施例13〜16について
表2の中間転写媒体および熱転写シートの組み合わせにて、上記プリンタ印字条件で255/255階調のエネルギーを条件2に従って印加して、剥離層、保護層、受容層がこの順で積層された転写層の一部の領域(以下、転写層の一部の領域のことを「所定領域」と言う)を取り除いた。さらに、所定領域を取り除いた中間転写媒体を被転写体である上記材料組成のカードと組み合わせて、上記プリンタの再転写条件にてヒートローラおよび加圧ローラで挟み込みながら加熱し、印画物を得た。
3.評価結果
実施例1〜16、比較例1、2について評価を行った結果を表3に示す。各評価項目と判断基準を以下に説明する。
Figure 2022001445
(a)ピールオフ性
(判定基準)
A:「所定領域」に対応する転写層が正確に除去されている。
B:「所定領域」に対応する転写層の一部が僅かに残存、或いは「所定領域」を僅かにはみだすようにして転写層が除去されているが使用上問題ないレベルである。
NG:「所定領域」を大きくはみ出して、転写層が除去されている。
(b)再転写性
(判定基準)
A:「所定領域」が正確に再転写されている。
B:「所定領域」が僅かにはみだして再転写しているが使用上問題ないレベルである。
NG:「所定領域」を大きくはみ出して、再転写されている。
(c)被転写体との接着性
(判定基準)
A:被転写体と中間転写媒体の受容層とが接着している。
B:被転写体と中間転写媒体の受容層との接着が弱いが、使用上問題ないレベル。
NG:被転写体と中間転写媒体の受容層との接着が弱く、使用できないレベル。
(d)評価結果
表3のとおり、ピールオフ層に熱膨張領域を設け、熱膨張性の中空粒子を含有した第2実施形態の構成に準ずる実施例1〜4では、中空粒子の品種により、多少の違いは見られるものの、ピールオフ層に熱膨張領域を設けない比較例1と比べて明らかに、ピールオフ性が良好であった。ヒートシール層に熱膨張領域を設け、熱膨張性の中空粒子を含有した第1実施形態の構成に準ずる実施例5〜8では、再転写性に問題が出るものはなかった。
また、ヒートシール層に熱膨張領域を設け、熱膨張性の中空粒子を含有し、かつ、ピールオフ層により転写層の一部除去を行う第3実施形態の構成に準ずる実施例9〜12では、中空粒子の品種により、多少の違いは見られるものの、ヒートシール層に熱膨張領域を設けない比較例2と比べて明らかに、ピールオフ性が良好であった。さらに、中間転写媒体の転写層に熱膨張領域を設け、熱膨張性の中空粒子を含有し、ピールオフ層により転写層の一部除去を行う第4実施形態の構成に準ずる実施例13〜16では、中空粒子の品種により、多少の違いは見られるものの、ピールオフ性、被転写体との密着性のいずれも良好であった。
1 支持体
2、2A、2B 剥離層
3、3A、3B、3C、3D 受容層
4、4A、4B、4C、4D、4E 転写層
5 基材
5A 第1の基材
6 背面層
6A 第2の基材
7 選択領域
8 除去領域
10、10B、10C 転写箔、中間転写媒体、保護層転写シート
11、11A 第1ヒートシール層
12、12A 第2ヒートシール層
13、13A 第3ヒートシール層
14、14A、14B、14C、14D ヒートシール層
15 色材層
16 熱転写画像
17 被転写体
18、18A、18B、18C、18D、18E、18F、18G、18H 印画物
20、20A、20B、20C、20D、20E、20F 熱転写シート
21、21A 第1ピールオフ層
22 第2ピールオフ層
23、23A 第3ピールオフ層
24、24A、24B、24C ピールオフ層
25 第1熱転写シート
26 第2熱転写シート
27、27A 保護層
28、28A 接着層
31 サーマルヘッド
32 ヒートローラ
33 加圧ローラ

Claims (2)

  1. 支持体の一方の面上に転写層が設けられた中間転写媒体に対し、当該転写層に熱転写画像を形成し、当該転写層の一部を被転写体に再転写する前に使用する熱転写シートであって、
    基材と、
    当該基材の一方の面上に、熱膨張性を有する中空粒子を含む熱膨張領域を備えたヒートシール層と、を備え、
    当該熱膨張領域は、所定温度の加熱により膨張し、
    前記ヒートシール層は第1ヒートシール層、第2ヒートシール層および第3ヒートシール層を含む積層構成を有し、
    前記第2ヒートシール層は前記第1ヒートシール層よりも前記基材の近くに配置され、
    前記3ヒートシール層は前記第1ヒートシール層よりも前記基材から遠くに配置され、
    前記熱膨張領域は前記第1ヒートシール層に含まれ、
    前記第1ヒートシール層は、前記第2ヒートシール層および前記第3ヒートシール層よりも、前記所定温度の加熱による膨張の程度が大きい、熱転写シート。
  2. 支持体の一方の面上に転写層が設けられた転写箔の転写層の除去領域を除去し、残存する転写層を被転写体上に転写するために使用する熱転写シートであって、
    基材と、
    当該基材の一方の面上に、熱膨張性を有する中空粒子を含む熱膨張領域を備えたピールオフ層と、を備え、
    当該熱膨張領域は、所定温度の加熱により膨張し、
    前記ピールオフ層は第1ピールオフ層、第2ピールオフ層および第3ピールオフ層を含む積層構成を有し、
    前記第2ピールオフ層は前記第1ピールオフ層よりも前記基材の近くに配置され、
    前記第3ピールオフ層は前記第1ピールオフ層よりも前記基材から遠くに配置され、
    前記熱膨張領域は前記第1ピールオフ層に含まれ、
    前記第1ピールオフ層は、前記第2ピールオフ層および第3ピールオフ層よりも、前記所定温度の加熱による膨張の程度が大きい、熱転写シート。
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