JP2017196739A - 画像形成体、画像形成用媒体及び画像形成体の製造方法 - Google Patents

画像形成体、画像形成用媒体及び画像形成体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017196739A
JP2017196739A JP2016086895A JP2016086895A JP2017196739A JP 2017196739 A JP2017196739 A JP 2017196739A JP 2016086895 A JP2016086895 A JP 2016086895A JP 2016086895 A JP2016086895 A JP 2016086895A JP 2017196739 A JP2017196739 A JP 2017196739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
dye
image forming
image
thermal expansion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016086895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6740693B2 (ja
Inventor
玄彦 松原
Haruhiko Matsubara
玄彦 松原
猪俣 考史
Takashi Inomata
考史 猪俣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2016086895A priority Critical patent/JP6740693B2/ja
Publication of JP2017196739A publication Critical patent/JP2017196739A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6740693B2 publication Critical patent/JP6740693B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】十分な高低差の凹凸を有する画像を得ることのできる画像形成体、画像形成用媒体及び画像形成体の製造方法を提供する。【解決手段】画像形成体100は、染料染着層2と、保護層4と、熱膨張性素材を含む熱膨張層5と、がこの順に積層され、熱膨張層5は保護層4の上に配置されて立体形状を形成し、染料染着層2は染料からなる平面画像3を有し、平面画像3は熱膨張層5側から視認可能に形成されている。平面画像3が形成された染料染着層2の上に加熱により立体形状に変化した熱膨張層5を有することから、十分な高低差の凹凸のある画像を容易に得ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は画像形成体、画像形成用媒体及び画像形成体の製造方法に関する。
今日、文字や画像を印刷するシステムでは、静電方式、インクジェット方式、熱転写方式等が広く用いられている。
従来の印刷システムでは、平坦な1つの面にモノクロの画像又はカラーの画像、すなわち、色や明るさを変化させた視覚的な画像を形成するものが一般的であった。また、凹凸を印刷するシステムには、インパクト方式のように記録ベースを直接変形させて凹凸を設けるシステムがあるが、点で凹凸を形成するにとどまっている。
点字だけでなく、線や画像の面そのものに凹凸を形成することを目的としたものとして立体コピー機(例えばコニカミノルタ)がある。このシステムでは、まず、カプセルペーパーなる熱発泡性シートに静電印刷方式で黒トナーを印画する。次に、このカプセルペーパーを現像装置にて露光し、光で黒トナー部分を発熱させ、カプセルペーパー中の熱発泡性物質を発泡させることで凸部を形成する。このため、トナーが付着している部分しか凸部を形成することができないという制約がある。また、現像装置を要するため、装置が大型化するという問題がある。
また、インクジェット方式を利用したプリンタにおいて、カプセルペーパーにインクジェットにより画像記録を行った後、光を照射し、画像記録に応じて発泡させることで立体画像を得るようにした方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この方法においては、前述のトナー方式と同様に、凸部が形成される領域が制約されること、また、装置が大型化すること、等の欠点がある。
熱転写を利用した印刷システムでは、サーマルヘッドを操作して画像保護層に凹凸パターンを形成するマット処理を施す手法がある(例えば、特許文献2参照。)。これはカラー印刷の上に転写される保護層に凹凸を形成することが可能となり、印画物に絹目調の仕上がりを付与することができるが、凹凸の高低差が非常に小さいため指や手で触れても判別できない。
さらに、カラー画像に凹凸を持たせるため、サーマルプリンタのサーマルヘッドで、記録シート上の熱膨張性の素材を加熱することにより、立体画像を形成する方法等も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この方法は、具体的には、まず濃淡画像又はカラー画像を記録シートに転写しておく。次に熱転写リボンを透明フィルムからなるカバーリボンに取り換えて、カラー画像を転写した記録シートへさらに強い熱量を加えることにより、濃淡画像又はカラー画像に同期した凹凸画像を作成したりするようにしている。しかし、この方法では受容紙全体に予め熱発泡性物質を塗布しておかなければならない。加えて、2次元画像情報を印刷する手順と凹凸を印刷する手順との間に、カバーの付け替えあるいは別のサーマルヘッドを用意する必要があり、装置や作業が煩雑になるという欠点がある。
特開平9−207428号公報 特開2016−10893号公報 特開平10−324010号公報
上述のように、いずれの方式においても、十分な凹凸の高低差を有する画像を、簡易な装置構成で得ることは困難であり、簡易な装置構成で十分な凹凸の高低差を有する画像を得ることのできる画像の形成方法が望まれていた。
本発明は、十分な高低差の凹凸を有する画像を容易に得ることのできる、画像形成体、画像形成用媒体及び画像形成体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の一実施形態によれば、染料染着層と、保護層と、熱膨張性素材を含む熱膨張層と、がこの順に積層され、熱膨張層は保護層の上に配置されて立体形状を形成し、染料染着層は染料からなる平面画像を有し、平面画像は熱膨張層側から視認可能に形成されている画像形成体、が提供される。
本発明の一実施形態によれば、平面画像が形成された染料染着層の上に加熱により立体形状に変化した熱膨張層を有することから、十分な高低差の凹凸のある画像を容易に得ることができる。
本発明に係る画像形成体の一実施形態の概略構成を示す断面図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る画像支持体の概略構成を示す断面図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る画像形成用媒体の概略構成を示す断面図である。 本発明の画像形成体の製造工程の一実施形態を示す断面図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る画像形成体について図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する各図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適宜省略する。また、各図面は説明を容易にするために適宜誇張して表現している。
さらに、本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成体の概略構成を示す断面図である。
画像形成体100は、支持体1の一方の面に染料染着層2と、保護層4と、熱膨張層5とがこの順に積層されてなる。画像形成体100は、染料染着層2に昇華性染料からなる平面画像3が形成され、熱膨張層5側から見て、熱膨張層5により形成された立体形状と平面画像3とが同時に観察できるようになっている。このように、本発明の一実施形態に係る画像形成体100は、画像に立体形状が付与されてなる。
画像形成体100は、図2(a)に示す昇華性染料受容体としての画像支持体10と図2(b)に示す画像形成用媒体20とを用いて形成される。その製造方法については後述する。
(画像支持体)
本発明の一実施形態に係る画像形成体100を製造する際に用いられる画像支持体10は、図2(a)に示すように、支持体1の一方の面に染料染着層2が形成されてなる。
本発明の一実施形態における画像支持体10は、支持体1としては、サーマルヘッドによる加熱加工に耐える耐熱性や機械的強度を有するものであれば特に限定するものではない。例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙等を適用することができる。さらに、支持体1として、各種プラスチックラミネート紙、ポリオレフィン系、或いはポリスチレン系等の合成紙、さらには、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等、各種プラスチックのフィルム又はシートを適用することができる。
また、染料染着層2としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等からなる層が挙げられる。特に、好ましいものは、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体の層である。
(画像形成用媒体)
本発明の一実施形態に係る画像形成体100を製造する際に用いられる画像形成用媒体20は、図2(b)に示すように、基材7の一方の面に、画像形成用染料層6、保護層4、熱膨張層5が面順次で形成されてなるものである。つまり、画像形成用媒体20は、基材7の一方の面に、画像形成用染料層6と保護層4と熱膨張層5とが重ならないように形成されている。
基材7上には、この他に、画像形成位置を決めるための各層に関するセンサーマーク(図示せず)が設けられている。
基材7としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求されるため、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、及びコンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類等を、単独で又は複数を組み合わせた複合体を適用することができる。中でも、物性面、加工性、及びコスト面等を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、基材7の厚さは、操作性及び加工性を考慮し、2μm以上50μm以下の範囲が適用可能であり、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2μm以上12μm以下程度が好ましい。
また図示していないが、図2(b)に示す基材7の他方の面、すなわち、画像形成用染料層6等が形成される面とは逆側の面には、耐熱層を設けることが好ましい。耐熱層は、例えば、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤及びバインダによって構成され、必要に応じて硬化剤で硬化させることもできる。この耐熱層の厚みは、用いる材料構成にもよるが0.1μm以上2μm以下程度が好ましい。耐熱層の一例を挙げると、アクリルオリゴマーの紫外線硬化物、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド等の合成樹脂に、シリコーンオイル等の離型剤を添加したもの、シリコーンを共重合したものを挙げることができる。また、必要に応じてフィラーを添加しても問題なく、添加するフィラーの一例としては、シリコーンパウダー、シリカ及び各種レジンパウダーを挙げることができる。
画像形成用染料層6は、通常、フルカラーの階調表現をするために、昇華性染料を含むインクを用いて、印刷法によりイエロー、マゼンタ、シアンの3色の領域に区分されて面順次に形成される。この画像形成用染料層6は、少なくとも昇華性染料とバインダによって構成され、厚みは1μm程度(乾燥厚)が適当である。なお、黒色はこの3色をそれぞれ重なるように転写することで表すことができる。
画像形成用染料層6に用いられる昇華性染料としては、例えばイエロー(Y)成分としては、ソルベントイエロー56、16、30、93、33、ディスパースイエロー201、231、33等が挙げられる。また、マゼンタ(M)成分としては、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、C.I.ソルベントレッド27、或いはC.I.ソルベントレッド19等が挙げられる。また、シアン(C)成分としては、C.I.ディスパースブルー354、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー36、或いはC.I.ディスパースブルー24等が挙げられる。
また、前記バインダとしては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等を使用することができる。さらに、硬化性樹脂としてはフェノール、メラミン、エポキシ、イソシアネート、グリオキザール樹脂等の反応性樹脂を使用することができる。
保護層4は、平面画像3が形成された染料染着層2の全面に形成され、紫外線等からの耐久性を付与するものである。また、同時に、熱転写法というプロセスにより被転写体上に形成される必要があるため、一般的には、紫外線吸収等の保護層としての本来的な性能と同時に被転写体への接着性を兼ね備えることが必要である。さらに、画像形成体100を熱膨張層5側から見たときに平面画像3を視認できるようにするためには、保護層4は、透明性を持っていることが望ましい。
保護層4は、紫外線吸収剤等の機能性添加剤とバインダ樹脂によって構成される。
機能性添加剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ベンゾエート、トリアジン系に代表される紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系に代表される光安定剤、ヒンダードフェノール系に代表される酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を挙げることができる。
バインダ樹脂としては、熱溶融性があれば特に限定されるものではないが、一例を挙げると、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類を挙げることができる。中でも、アクリル系樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂がバインダ樹脂として好適である。
熱膨張層5は、熱膨張性素材からなり、例えば、加熱により体積が膨張する熱発泡性物質、ワックス類、熱軟化性物質等の混合物によって構成されている。また、画像形成体100を熱膨張層5側から見たときに平面画像3を視認できるようにするためには、熱膨張層5は、透明性を持っていることが望ましい。さらに、熱膨張層5の保護層4と向かい合う側の面には、保護層4との密着性に応じて接着層(図示せず)が設けられていてもよい。
熱発泡性物質は、熱(100℃以上300℃以下程度の温度)によって発泡又は膨張する物質であれば特に限定されないが、具体例をあげるとすれば松本油脂製造社製のマイクロスフェア、日本フェライト社製のエクスパンセル等が挙げられる。
ワックス類としては例えば蜜ロウ、カルナバワックス、鯨ロウ、木ロウ、キャンデリラワックス、ヌカロウ、モンタンワックス等の天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オシケライト、セルシン、エステルワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス等が好適に用いられる他、マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロメン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ソルビタンの脂肪酸エステル等のエステル類;ステアリンアミド、オレインアミド等のアミド類が挙げられる。
熱軟化性物質としてはポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−二チルアクリレート共重合体、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、インプレンゴム、クロロプレンゴム等のニジストマー類等が好ましい。
熱膨張層5の厚さは、例えば次のように決定される。すなわち、画像形成体100上の凹凸が視覚的或いは触覚的に認識できるものとなるためには、凹凸の差が30μm程度以上でなければならず、望ましくは50μm以上500μm以下の範囲である。凹凸は画像形成体100上に積層された熱膨張層5の厚さの違いにより形成される。
このことを考慮すると膨張前の熱膨張層5の厚さは10μm以上100μm以下程度が適当である。
熱膨張層5に占める熱発泡性物質は30重量%以上70重量%以下程度が適当である。
次に、本発明の一実施形態に係る画像形成体100の製造方法について、図3に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る画像形成体100は、一般の昇華型プリンタに用いられるサーマルヘッドの熱エネルギーを用いて、染料を染料染着層2に転写することで得られる。
図3(a)に示すように、まず、支持体1の一方の面に染料染着層2を形成する。形成方法としては、グラビアコート法等の公知の塗工方法を適用することができる。染料染着層2を形成するためのインク組成物を、支持体1の一方の面に塗工し乾燥することで、染料染着層2が支持体1の一方の面に形成された画像支持体10を得ることができる。
次に別途作製した図2(b)に示す画像形成用媒体20を用い、まず画像形成用染料層6と画像支持体10の染料染着層2とを対向させて重ねる。そして、これらを重ねた状態でサーマルヘッドにて、画像形成用染料層6のみを染料染着層2に染着し、画像形成用染料層6により形成される画像形成用媒体20上の平面画像3を、画像支持体10の染料染着層2上に形成(染着)する(図3(b))。
次に、画像支持体10と画像形成用媒体20とを、平面画像3を形成した染料染着層2と保護層4とが対向するように重ね、これらを重ねた状態でサーマルヘッドにより保護層4のみを熱転写し、保護層4を染料染着層2上に形成する(図3(c))。
さらに、図3(d)に示すように、保護層4が染料染着層2側に転写された後の画像形成用媒体20と染料染着層2とを、画像形成用媒体20側の熱膨張層5と染料染着層2に転写された保護層4とが対向するように重ね、これらを重ねた状態でサーマルヘッドにより熱膨張層5のみを熱転写すると共に熱膨張層5を任意の立体形状に変化させる。これによって、保護層4上に立体形状の熱膨張層5を形成して本発明の一実施形態に係る画像形成体100を製造することができる。このようにして製造された画像形成体100は、熱膨張層5により形成された立体形状を持った画像となる。
以上説明したように本発明は、支持体1上の染料染着層2に昇華性染料を染着させて平面画像3を形成し、その全面に保護層4を転写し、さらに保護層4の上に、凹凸を生じさせた熱膨張層5を形成している。そのため、画像とそれに対応した凹凸とを同時に作製することができる。
このように、基材7上に、画像形成用染料層6と保護層4と熱膨張層5とが面順次に形成された画像形成用媒体20を用いるため、これら各層を、同一のサーマルヘッドにより順に画像支持体10側に転写することができる。そのため、凹凸を伴った画像の形成を、従来の昇華型プリンタの構成を大きく変えることなく実現することが可能となり、立体印刷物の形成を容易に行うことができ、さらには立体印刷を利用した意匠の展開を広げることができる。
また、平面画像3が形成された染料染着層2の上に加熱により立体形状に変化した熱膨張層5を有することから、十分な凹凸の高低差を有する画像を得ることができると共に、立体形状を形成する場所にのみ熱膨張層5を配置することができる。
さらには、熱膨張層5の加熱量を制御することにより、平面画像3に任意の高低差の凹凸を付与することができ、より表現力に幅のある優れた意匠性を有する画像形成体100を得ることができる。
また、画像形成体100は、染料染着層2、保護層4に加えて、加熱により形状が変化する熱膨張層5を有することから、画像形成体100に平面画像と立体形状とを転写することができる。さらに熱膨張層5を用いることで画像形成用媒体20の層厚さを薄くすることが出来るため、一般的な昇華型プリンタでも使用でき、さらにロール状に巻き取った際にロール径が大きくなることを抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態を例示したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の技術的思想を逸脱しない限り、包材としての用途を考慮し、要求されるその他の物性である剛性、強度、衝撃性等を向上する目的で、他の層や構造を任意に形成できることはいうまでもない。
本発明方法によれば、得られる画像が立体的で質感をもたせることができるため、高級感があり、装飾的にも優れた記録物となる。また。熱転写方法を利用して作成するため、会社、事務所等をはじめ一般個人でも簡単に立体的で質感のある画像を得ることができる。
上記立体画像の用途としては、点字本、公報・公文書、食事等のメニュー、商品カタログ、教科書・参考書、案合図、地図、パンフレット、点字学習、楽譜、名刺、ドキュメントの強調、本の表紙、広告、絵画の複製、版画の原版、滑り止め、文字・文書の強調、インデックス、クーポン・チケット等、多様な用途が挙げられる。
1 支持体
2 染料染着層
3 平面画像
4 保護層
5 熱膨張層
6 画像形成用染料層
7 基材
10 画像支持体
20 画像形成用媒体
100 画像形成体

Claims (3)

  1. 染料染着層と、保護層と、熱膨張性素材を含む熱膨張層と、がこの順に積層され、
    前記熱膨張層は前記保護層の上に配置されて立体形状を形成し、
    前記染料染着層は染料からなる平面画像を有し、当該平面画像は前記熱膨張層側から視認可能に形成されていることを特徴とする画像形成体。
  2. 基材の一方の面に、染料層と保護層と熱膨張層とが面順次で形成された、サーマルヘッドを用いた画像形成体製造用の画像形成用媒体。
  3. サーマルヘッドを利用した画像形成体の製造方法であって、
    一方の面に染料染着層が形成された画像支持体と、一方の面に、昇華性染料を含む染料層、保護層及び熱膨張層が面順次に形成された基材と、を、前記染料染着層と前記染料層とを対向させた状態で前記サーマルヘッドにより加熱して、前記染料層に含まれる前記昇華性染料を前記染料染着層に移行させて前記昇華性染料からなる画像を前記染料染着層に形成する工程と、
    前記画像が形成された後の前記染料染着層と前記保護層とを対向させた状態で前記サーマルヘッドにより加熱して、前記保護層を、前記染料染着層に積層するように転写する工程と、
    前記染料染着層上に積層された前記保護層と前記熱膨張層とを対向させた状態で前記サーマルヘッドにより加熱して、前記熱膨張層を任意の形状に変化させると共に前記熱膨張層を前記保護層上に積層するように転写する工程と、を備えることを特徴とする画像形成体の製造方法。
JP2016086895A 2016-04-25 2016-04-25 画像形成体の製造方法 Active JP6740693B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016086895A JP6740693B2 (ja) 2016-04-25 2016-04-25 画像形成体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016086895A JP6740693B2 (ja) 2016-04-25 2016-04-25 画像形成体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017196739A true JP2017196739A (ja) 2017-11-02
JP6740693B2 JP6740693B2 (ja) 2020-08-19

Family

ID=60238703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016086895A Active JP6740693B2 (ja) 2016-04-25 2016-04-25 画像形成体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6740693B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019133589A (ja) * 2018-02-02 2019-08-08 大日本印刷株式会社 印画物作製システム、印画物作製方法及びフォトブック
JP2020001177A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 カシオ計算機株式会社 樹脂成形シート、樹脂成形シートの製造方法、造形物及び造形物の製造方法
JP2020001178A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 カシオ計算機株式会社 熱膨張性シート、熱膨張性シートの製造方法、造形物及び造形物の製造方法
JPWO2022154120A1 (ja) * 2021-01-18 2022-07-21

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4268615A (en) * 1979-05-23 1981-05-19 Matsumoto Yushi-Seiyaku Co., Ltd. Method for producing relief
JPH0516543A (ja) * 1991-07-12 1993-01-26 Pilot Corp:The 印画物とその製造方法及びそれに使用する熱転写記録 媒体
JPH08175042A (ja) * 1994-12-27 1996-07-09 Dainippon Printing Co Ltd 盛り上げ画像形成用熱転写シート及びそれを用いた画像形成方法、画像形成物
JPH09272266A (ja) * 1996-04-05 1997-10-21 Sony Corp 画像転写体及びその形成方法
JPH09323482A (ja) * 1996-06-06 1997-12-16 Sony Corp 転写型画像保護フィルム
JPH11157214A (ja) * 1997-11-26 1999-06-15 Dainippon Printing Co Ltd エンボス状画像の形成方法、及びエンボス状画像を有するカード
JPH11240254A (ja) * 1998-02-24 1999-09-07 Shinko Electric Co Ltd 絹目調印字方法および絹目調印字用リボン
JP2004042481A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Make Softwear:Kk プリンタ装置および写真プリント作成装置ならびに印刷方法および写真プリント作成方法
JP2009073150A (ja) * 2007-09-25 2009-04-09 Toppan Printing Co Ltd 保護層付き熱転写シート、および印画物

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4268615A (en) * 1979-05-23 1981-05-19 Matsumoto Yushi-Seiyaku Co., Ltd. Method for producing relief
JPH0516543A (ja) * 1991-07-12 1993-01-26 Pilot Corp:The 印画物とその製造方法及びそれに使用する熱転写記録 媒体
JPH08175042A (ja) * 1994-12-27 1996-07-09 Dainippon Printing Co Ltd 盛り上げ画像形成用熱転写シート及びそれを用いた画像形成方法、画像形成物
JPH09272266A (ja) * 1996-04-05 1997-10-21 Sony Corp 画像転写体及びその形成方法
JPH09323482A (ja) * 1996-06-06 1997-12-16 Sony Corp 転写型画像保護フィルム
JPH11157214A (ja) * 1997-11-26 1999-06-15 Dainippon Printing Co Ltd エンボス状画像の形成方法、及びエンボス状画像を有するカード
JPH11240254A (ja) * 1998-02-24 1999-09-07 Shinko Electric Co Ltd 絹目調印字方法および絹目調印字用リボン
JP2004042481A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Make Softwear:Kk プリンタ装置および写真プリント作成装置ならびに印刷方法および写真プリント作成方法
JP2009073150A (ja) * 2007-09-25 2009-04-09 Toppan Printing Co Ltd 保護層付き熱転写シート、および印画物

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019133589A (ja) * 2018-02-02 2019-08-08 大日本印刷株式会社 印画物作製システム、印画物作製方法及びフォトブック
JP7147172B2 (ja) 2018-02-02 2022-10-05 大日本印刷株式会社 印画物作製システム及び印画物作製方法
JP2020001177A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 カシオ計算機株式会社 樹脂成形シート、樹脂成形シートの製造方法、造形物及び造形物の製造方法
JP2020001178A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 カシオ計算機株式会社 熱膨張性シート、熱膨張性シートの製造方法、造形物及び造形物の製造方法
JP7095433B2 (ja) 2018-06-25 2022-07-05 カシオ計算機株式会社 造形物の製造方法及び造形物
JP7131125B2 (ja) 2018-06-25 2022-09-06 カシオ計算機株式会社 造形物及び造形物の製造方法
JPWO2022154120A1 (ja) * 2021-01-18 2022-07-21
WO2022154120A1 (ja) * 2021-01-18 2022-07-21 大日本印刷株式会社 印画物の製造方法、印画物及び熱転写シート
JP7218838B2 (ja) 2021-01-18 2023-02-07 大日本印刷株式会社 印画物の製造方法、印画物及び熱転写シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP6740693B2 (ja) 2020-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4142517B2 (ja) 保護層熱転写シートおよびマット調印画物
JP6740693B2 (ja) 画像形成体の製造方法
US6803936B2 (en) Thermal transfer sheet, method for image formation, method for image-formed object formation, and image-formed object
JPS62240588A (ja) 物品の装飾方法
US8580360B2 (en) Thermal transfer sheet and ink ribbon
JP7355195B2 (ja) 熱転写シート
JP2004284096A (ja) 中間転写記録媒体とその製造方法及び画像形成方法
JP2017052124A (ja) 転写箔及び印画物の製造方法
JP2009298099A (ja) 画像形成方法
JP2008230095A (ja) 画像形成方法と画像形成装置および画像形成システム
JP4296711B2 (ja) 画像記録方法及び熱転写インクシート
JP7218838B2 (ja) 印画物の製造方法、印画物及び熱転写シート
JP2013071264A (ja) 保護層付き熱転写シート
JP7206738B2 (ja) 熱転写インクリボンおよび間接熱転写記録方法
JP2826733B2 (ja) 転写シート
JPH04179591A (ja) Idカード及びid冊子並びにその作成装置
JP2004291310A (ja) 印刷シート及び装飾方法
JP2022111662A (ja) 印画物の製造方法、印画物、熱転写シート及び熱転写プリンタ
JP6331755B2 (ja) 熱転写性保護層付き熱転写シートおよび印画物
JP3263765B2 (ja) 熱転写画像形成方法および熱転写画像
JP2017177381A (ja) 中間転写媒体上に透明な凸形状を形成する方法およびそれを用いた印画物の形成方法
JP2002293043A (ja) 印画物
JPH091941A (ja) 画像保護層のラミネート方法
JP2020026089A (ja) 保護層転写シート、印画物の製造方法及び熱転写プリンタ
JP2017159569A (ja) 間接転写方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200311

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200623

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6740693

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150