JP7218838B2 - 印画物の製造方法、印画物及び熱転写シート - Google Patents

印画物の製造方法、印画物及び熱転写シート Download PDF

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Description

本開示は、印画物の製造方法、印画物及び熱転写シートに関する。
従来、染料や顔料を用いた種々の熱転写方式が提案されている。熱転写方式で製造される印画物の用途は多岐にわたっており、例えば、IDカードやクレジットカード等の顔写真を有するカード、アミューズメント施設における合成写真、トレーディングカード等に用いられている。
近年、発泡粒子を含むカードを任意のパターンで加熱して膨張部を形成し、凹凸のある簡易的な3次元形状を実現した印画物が増加している。しかし、発泡粒子を膨張させて文字や画像等のパターンを形成した場合、パターンがつぶれて視認し難いという問題があった。
特開平5-254238号公報
本開示は、膨張部による高精細な凹凸パターンを有する印画物及びその製造方法を提供することを課題とする。また、本開示は、膨張部による高精細な凹凸パターンを有する印画物の製造に使用する熱転写シートを提供することを課題とする。
本開示の印画物の製造方法は、基材と、前記基材の一方の面側に設けられた、発泡粒子を含有する層を有する転写層とを有する熱転写シートを準備する工程と、前記熱転写シートを加熱し、被転写体上に、前記熱転写シートの前記転写層を所定のパターンで複数回重ねて転写し、複数の前記転写層が積層された積層体を形成する工程と、を備えるものである。
本開示の印画物は、被転写体と、前記被転写体上に設けられ、転写層が複数積層された積層体と、を備え、複数の前記転写層は、それぞれ、前記被転写体側から順に積層された接着層、及び発泡粒子を含有する層を有するものである。
本開示の熱転写シートは、基材と、前記基材の一方の面上に面順次に設けられた複数の転写層と、を備え、前記複数の転写層は、それぞれ、前記基材の一方の面側から順に積層された発泡粒子を含有する層、及び接着層を有するものである。
本開示によれば、膨張部による高精細な凹凸パターンを有する印画物を製造できる。
実施形態に係る熱転写シートの断面図である。 印画物の製造方法を説明する工程断面図である。 印画物の製造方法を説明する工程断面図である。 印画物の製造方法を説明する工程断面図である。 比較例による印画物の製造方法を説明する工程断面図である。 比較例による印画物の製造方法を説明する工程断面図である。 別の実施形態に係る印画物の製造方法を説明する工程断面図である。 熱転写シートの平面図である。 別の実施形態に係る印画物の製造方法を説明する工程断面図である。 別の実施形態に係る印画物の製造方法を説明する工程断面図である。 別の実施形態に係る印画物の製造方法を説明する工程断面図である。 別の実施形態に係る印画物の製造方法を説明する工程断面図である。 別の実施形態に係る印画物の製造方法を説明する工程断面図である。 実施形態に係る印画物の上面図である。 比較例による印画物の上面図である。
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1は、本発明の実施形態に係る熱転写シートの断面図である。図1に示すように、熱転写シート10は、基材1の一方の面上に転写層Tが設けられ、他方の面に背面層5が設けられている。転写層Tは、基材1側から順に積層された剥離層2、発泡層3及び接着層4を有する。発泡層3は未発泡の発泡粒子を含む発泡粒子含有層である。発泡粒子は、熱可塑性樹脂からなる外殻と、外殻に内包され、加熱することで気化する発泡剤を有する。そのため、発泡粒子は加熱により膨張する。剥離層2及び接着層4の第1樹脂は、発泡層3の第1バインダー樹脂よりもガラス転移温度が高い。ここで、第1樹脂は、剥離層2や接着層4に含まれる樹脂のうち、最も配合比率の高い樹脂である。また、第1バインダー樹脂は、発泡層3に含まれるバインダー樹脂のうち、最も配合比率の高いバインダー樹脂である。
印画物を製造する際は、サーマルヘッドを有する公知の熱転写プリンタを用いて、熱転写シート10の接着層4と、被転写体6(図2参照)とが対向するように熱転写シート10と被転写体6とを重ね合わせる。そして、熱転写シート10を背面層5側から所定のパターンで加熱して、被転写体6上に1層目の転写層T(T1)を転写する。熱転写シート10から被転写体6上に転写される転写層Tは、接着層4、発泡層3及び剥離層2を含み、熱転写シート10の基材1上に剥離層2は残存しない。このとき、熱転写シート10に印加する熱エネルギーは、転写した発泡層3が平面方向に膨張しない程度のものとする。転写パターンは、線幅W0の直線又は曲線のライン部を含む。
被転写体6は、プラスチックカード基材や紙など、特に限定されない。また、被転写体6の形状は、平面でもよいし曲面でもよい。
次に、同じ熱転写シート10又は異なる熱転写シート10と、転写層T1が転写された被転写体6とを重ね合わせ、熱転写シート10を背面層5側から同じパターンで加熱する。図3に示すように、1層目の転写層T1上に2層目の転写層T(T2)を転写し、転写層T1、T2が積層された積層体を形成する。
続いて、転写層T1,T2の積層体が設けられた被転写体6に画像(図示略)を形成する。画像形成方式は特に限定されず、昇華転写方式、溶融転写方式、インクジェット方式等を用いることができる。昇華転写方式及びインクジェット方式の場合は、転写層T1,T2を覆うように被転写体6上に受容層を転写してから、色材を転写して画像を形成することが好ましい。画像形成後に保護層を転写してもよい。また、中間転写媒体を用いて、画像が形成された層を積層体が設けられた被転写体6上に転写してもよい。
画像形成後、ヒートローラ、オーブン、サーマルヘッドなどの加熱装置を用いて、被転写体6を加熱する。加熱により、図4、図11に示すように、転写層T1,T2の発泡層3内の発泡粒子が膨張する。発泡粒子の膨張により、発泡層3は、上下方向(高さ方向)だけでなく、水平方向にも膨張する。発泡層3の厚み(体積)が大きい程、水平方向の膨張量は大きくなるが、本実施形態では、発泡層3をガラス転移温度の高い樹脂層(剥離層2/接着層4)で2層に分けているため、1層あたりの厚み(体積)を小さくし、水平方向への膨張量、すなわち膨張後の線幅W1を抑えることができる。
図5a、図5bは比較例による印画物の製造方法を示している。図5aに示すように、被転写体6A上に、積層された接着層4A、発泡層3A及び剥離層2Aを有する転写層を線幅W0のラインパターンで転写する。発泡層3Aの厚みは、上記の発泡層3の厚みの2倍程度とする。
転写層の転写後、被転写体6Aを加熱すると、図5b、図12に示すように、発泡層3A内の発泡粒子が膨張する。発泡粒子の膨張により、発泡層3Aは水平方向にも膨張する。発泡層3Aは、上記の発泡層3よりも1層あたりの厚み(体積)が大きく、特に厚さ方向の中央部で水平方向の膨張量は大きくなる。膨張後の線幅W2は、図4、図11の線幅W1よりも大きく、精細な凹凸パターンの表現は困難となる。
一方、本実施形態では、転写層Tを2回転写し、2つの発泡層3の間をガラス転移温度の高い樹脂層(剥離層2及び/又は接着層4)で区切り、発泡層1層あたりの厚み(体積)を抑えることで、水平方向の膨張量を抑えられるため、高精細な凹凸パターンを表現できる。
上記実施形態では、転写層Tの転写を2回行って、2層の転写層T1,T2を積層する構成について説明したが、転写層Tの転写回数は3回以上であってもよい。図6は、転写層Tの転写を3回行って、3層の転写層T1~T3を積層した構成を示す。
転写層Tの転写と画像形成とは、同一のプリンタで行ってもよいし、別のプリンタで行ってもよい。同一のプリンタで行う場合、転写層Tを転写するための熱転写シートと、色材を転写するための熱転写シートとが一体となっていてもよいし、別体となっていてもよい。1本の熱転写シートに、発泡粒子含有層の厚みが異なる転写層が面順次に設けられていてもよい。
熱転写シートを別体とする場合、例えば、転写層Tを転写するための第1熱転写シート、色材を転写するための第2熱転写シート、受容層を転写するための第3熱転写シートを準備する。第1熱転写シートは、第1基材上に転写層Tが設けられる。第2熱転写シートは、第2基材上に色材層が設けられる。第3熱転写シートは、第3基材上に受容層が設けられる。
図7は、転写層Tを転写するための熱転写シートと、色材を転写するための熱転写シートとが一体となっている(単一リボンとなっている)場合の熱転写シートの平面図である。熱転写シートは、基材の一方の面上に面順次に設けられた転写層T1、T2、転写型受容層R、色材層7及び保護層8を有する。
色材層7は、面順次に設けられたイエローの色材を含有するイエロー色材層7Y、マゼンタの色材を含有するマゼンタ色材層7M、及びシアンの色材を含有するシアン色材層7Cを有する。イエロー色材層7Y、マゼンタ色材層7M、及びシアン色材層7Yに含有される色材は例えば昇華性染料である。
図7に示す熱転写シートを利用する場合、まず、転写層T1、T2を順に同じパターンで加熱して、被転写体上に転写層T1、T2を転写・積層させる。続いて、転写型受容層Rを被転写体上に転写する。次に、イエロー色材層7Y、マゼンタ色材層7M、及びシアン色材層7Yを順に転写して、被転写体上の受容層Rに画像を形成する。その後、保護層8を加熱して、画像が形成された受容層R上に保護層8を転写する。
色材層7に含有される色材が熱溶融性インキの場合、転写型受容層Rは省略可能である。
上記実施形態では、転写層T(発泡層3)を積層させ、発泡層3の1層あたりの厚み(体積)を小さくすることで、水平方向の膨張量を抑える構成について説明したが、図8aに示すように、転写層Tをベタパターンでなくドットパターン(網点)で転写し、発泡層3の水平方向の幅を抑えるようにしてもよい。両端の転写層Tの距離をW0とする。
加熱処理により発泡層3内の発泡粒子が膨張し、図8bに示すように、隣接するドット状の転写層Tの発泡層3同士が結合し、線幅W3のライン部となる。転写層Tをドットパターンで転写したことにより、各発泡層3の体積が小さくなって水平方向の膨張量が抑えられ、線幅W3はW0よりも僅かに大きい程度となり、高精細な凹凸パターンを表現できる。
図9aに示すように、転写層T(T1,T2)を、ドットパターンかつ2層積層するように転写してもよい。加熱処理により、図9bに示すように、隣接するドット状の転写層T1の発泡層3同士が結合すると共に、転写層T2の発泡層3同士が結合する。これにより、さらに高精細な凹凸パターンを表現できる。
図10に示すように、1層目の転写層T1のドットパターンと、2層目の転写層T2のドットパターンの位置をずらしてもよいし、サイズ(幅)を変えてもよい。
上記実施形態では、画像形成後に発泡粒子を膨張させていたが、発泡粒子の膨張後に画像を形成してもよい。
被転写体6上に画像形成された受容層を転写した後、被転写体6(受容層)上に、転写層T1、T2を転写して積層体を形成してもよい。
上記実施形態では、熱転写シート10の基材1の一方の面上に、順に積層された剥離層2、発泡層3及び接着層4を有する転写層Tが設けられる構成について説明したが、基材1と転写層Tとの間に離型層を設けてもよい。すなわち、熱転写シート10の基材1の一方の面上に、離型層、剥離層、発泡層及び接着層が順に積層された構成としてもよい。あるいはまた、転写層Tから剥離層を省略し、熱転写シート10の基材1の一方の面上に、離型層、発泡層及び接着層が順に積層された構成としてもよい。転写層Tを被転写体6上に転写した後、離型層は基材1上に残存する。
次に、熱転写シート10の各構成について説明する。
(基材)
熱転写シート10の基材1についていかなる限定もされることはなく、熱転写シートの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。一例としては、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー、等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。ポリエステルとしては、耐熱性が高いものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、等が挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用できる。基材1の厚さについて特に限定はないが、2μm以上10μm以下の範囲が好ましい。
(剥離層)
転写層Tの転写性を向上させるべく、転写層Tの最も基材1に近い位置に剥離層2が設けられる。剥離層を構成するバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル樹脂等に例示される熱可塑性樹脂、飽和又は不飽和ポリエステル、ポリウレタン樹脂、熱硬化性エポキシ-アミノ共重合体、及び熱硬化性アルキッド-アミノ共重合体(熱硬化性アミノアルキド樹脂)等に例示される熱硬化性樹脂、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
剥離層の第1樹脂のガラス転移温度(Tg)は、後述する発泡層の第1バインダー樹脂のガラス転移温度より高いことが好ましい。発泡層を加熱する際に、剥離層の第1樹脂のガラス転移温度が高いことで、発泡剤が発泡層(第1バインダー樹脂)を突き破ってくることを防ぎ、蓋のような役割を果たす。本開示において、Tgは、JIS K 7121に準拠して、示差走査熱量測定(DSC)により求める値である。
(発泡層)
発泡層3は、発泡粒子及びバインダー樹脂を含有している。発泡粒子は、熱可塑性樹脂からなる外殻(シェル)と、それに内包される発泡剤(コア)とから構成される熱膨張性微小球である。発泡粒子はコア-シェル構造をとっており、微小球全体として熱膨張性(微小球全体が加熱により膨らむ性質)を示す。熱可塑性樹脂は、重合性成分の重合体である。
重合性成分は、分子内に少なくとも1つ以上の重合性基を有する単量体を意味し、重合することによって発泡粒子の外殻を形成する熱可塑性樹脂となる成分である。重合性成分としては、反応性炭素-炭素二重結合を1個有する非架橋性単量体(以下、単に非架橋性単量体という)、及び反応性炭素-炭素二重結合を2個以上有する架橋性単量体(以下、単に架橋性単量体という)が挙げられる。架橋性単量体により橋架け構造を重合体に導入できる。ここでいう反応性炭素-炭素二重結合は、ラジカル反応性を示す炭素-炭素二重結合を意味し、ベンゼン環やナフタレン環等の芳香環内にある炭素-炭素二重結合ではなく、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニレン基等に含まれる炭素-炭素二重結合が挙げられる。ここで、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を意味するものとする。
発泡剤は、加熱することで気化する成分である。発泡剤としては、特に限定されないが、たとえば、プロパン、(イソ)ブタン、(イソ)ペンタン、(イソ)ヘキサン、(イソ)ヘプタン、(イソ)オクタン、(イソ)ノナン、(イソ)デカン、(イソ)ウンデカン、(イソ)ドデカン、(イソ)トリデカン等の炭素数3~13の炭化水素、(イソ)ヘキサデカン、(イソ)エイコサン等の炭素数13超で20以下の炭化水素、プソイドクメン、石油エーテル、初留点150℃以上260℃以下および/または蒸留範囲70℃以上360℃以下であるノルマルパラフィンやイソパラフィン等の石油分留物等の炭化水素、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の炭素数1~12の炭化水素のハロゲン化物、ハイドロフルオロエーテル等の含弗素化合物、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル-n-プロピルシラン等の炭素数1~5のアルキル基を有するシラン類、アゾジカルボンアミド、N,N´-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4´-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等の加熱により熱分解してガスを生成する化合物等が挙げられる。
発泡剤は、1種の化合物から構成されてもよく、2種以上の化合物の混合物から構成されてもよい。発泡剤は、直鎖状、分岐状、脂環状のいずれでもよく、脂肪族であるものが好ましい。
発泡粒子の発泡剤の内包率は、発泡粒子の重量に対する内包された発泡剤の重量の百分率で定義される。発泡剤の内包率については、特に限定されないが、発泡粒子の重量に対して、好ましくは2重量%以上50重量%以下であり、10重量%以上20重量%以下がさらに好ましい。
発泡粒子の膨張開始温度は、特に限定はないが、好ましくは70℃以上である。発泡粒子の平均粒子径(D50)は、5μm以上30μm以下である。平均粒子径(D50)は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定により測定できる。
発泡層が含有する第1バインダー樹脂としては、例えば、セルロース樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル等を挙げることができ、特にポリエステルが好ましい。第1バインダー樹脂のガラス転移温度は、上述の剥離層の第1樹脂のガラス転移温度よりも低いことが好ましい。
発泡後の凹凸パターンの細線先鋭性の観点から、発泡層が含有する第1バインダー樹脂はガラス転移温度の高いものが好ましく、発泡層における発泡剤の比率は低い方が好ましい。例えば、第1バインダー樹脂のガラス転移温度は40℃以上80℃以下、発泡層における発泡剤の比率は2:8~4:6程度が好ましい。一方、発泡層の厚み増加率の観点からは、発泡層が含有する第1バインダー樹脂はガラス転移温度の低いものが好ましい。例えば、第1バインダー樹脂のガラス転移温度は-20℃以上20℃以下が好ましい。凹凸パターンに要求される形状に応じて第1バインダー樹脂が決定される。
発泡粒子が膨張する前の発泡層の厚み(複数の発泡層の全体の厚み)は、5μm以上50μm以下が好ましい。発泡粒子が膨張した後の発泡層の厚み(複数の発泡層の全体の厚み)は、250μm以上600μm以下が好ましい。
(接着層)
被転写体と転写層Tとの密着性を向上させるべく、発泡層3上に接着層4が設けられている。接着層の材料としては、例えば、エチルセルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα-メチルスチレン等のスチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル樹脂、ポリエステル、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂及びポリウレタン等を挙げることができる。接着層の第1樹脂のガラス転移温度が、上記発泡層の第1バインダー樹脂のガラス転移温度より高いことが好ましい。
(背面層)
背面層5の材料について限定はなく、例えば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル-スチレン共重合体等のアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂等を挙げることができる。背面層は、これらの樹脂の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
(受容層)
図7に示す転写型受容層Rは、基材側から順に積層された受容層及び接着層を有する。受容層の材料について特に限定はないが、色材層に含有される昇華性染料が染着し易いバインダー樹脂を用いることが好ましい。このようなバインダー樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、アイオノマー、セルロース樹脂等を挙げることができる。受容層は、これらのバインダー樹脂の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
受容層の厚みは、1.0μm以上10μm以下が一般的であり、1.0μm以上5.0μm以下が好ましい。
(保護層)
保護層8を構成するバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物等を挙げることができる。保護層は、紫外線吸収性樹脂や活性光線硬化性樹脂を含有してもよい。なお、活性光線とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる光線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。保護層の転写性を向上させるべく、基材と保護層との間に剥離層を設けてもよい。
以下に実施例を挙げて本開示をより具体的に説明するが、本開示は、これら実施例に限定されるものではない。
[実施例1~14、比較例1、2]
(熱転写シート1の作製)
基材として、厚さ5μmのPETフィルムを用い、該基材の一方の面に、下記組成の背面層用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ1μmの背面層を形成した。また、基材の他方の面に、下記組成の剥離層用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ0.5μmの剥離層を形成した。次いで、剥離層上に、下記組成の発泡層用塗工液1を塗布し、乾燥させることにより、厚さ30μmの発泡層を形成した。次いで、発泡層上に、下記組成の接着層用塗工液1を塗布し、乾燥させることにより、厚さ2.5μmの接着層を形成し、背面層、基材、剥離層、発泡層、接着層がこの順で積層された熱転写シート1を得た。
<剥離層用塗工液>
・アクリル樹脂 19質量部
(ダイヤナール(登録商標) BR-87、三菱ケミカル(株)、ガラス転移温度:106℃)
・ポリエステル 1質量部
(バイロン(登録商標)200、東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 40質量部
・トルエン 40質量部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルアセタール 36質量部
(エスレック(登録商標)KS-1、積水化学工業(株))
・イソシアネート化合物 25質量部
(バーノック(登録商標)D750、DIC(株))
・シリコーン樹脂微粒子 1質量部
(トスパール(登録商標)240、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・ステアリルリン酸亜鉛 10質量部
(LBT1830精製、堺化学工業(株))
・ステアリン酸亜鉛 10質量部
(SZ-PF、堺化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 3質量部
(ポリワックス3000、東洋アドレ(株))
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7質量部
(ユニトックス750、東洋アドレ(株))
・メチルエチルケトン 200質量部
・トルエン 100質量部
<発泡層用塗工液1>
・発泡粒子A 5質量部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)HF30D、松本油脂製薬(株)、発泡温度:115℃、平均粒子径:14μm)
・ポリエステル 5質量部
(バイロナール(登録商標)MD1930、東洋紡(株)、ガラス転移温度:-10℃)
・水 23質量部
<接着層用塗工液1>
・ポリエステル 5質量部
(バイロナール(登録商標)MD1930、東洋紡(株)、ガラス転移温度:-10℃)
・水 15質量部
(熱転写シート2の作製)
剥離層上に、上記組成の発泡層用塗工液1を塗布し、乾燥させることにより、厚さ40μmの発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様にして、熱転写シート2を作製した。
(熱転写シート3の作製)
剥離層上に、上記組成の発泡層用塗工液1を塗布し、乾燥させることにより、厚さ20μmの発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様にして、熱転写シート3を作製した。
(熱転写シート4の作製)
発泡層上に、下記組成の接着層用塗工液2を塗布し、乾燥させることにより、厚さ2.5μmの接着層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様にして、熱転写シート4を作製した。
<接着層用塗工液2>
・変性ポリオレフィン 4質量部
(アローベース(登録商標)SA1200、ユニチカ(株)、ガラス転移温度:-30℃)
・IPA 6質量部
・水 6質量部
(熱転写シート5の作製)
剥離層上に、下記組成の発泡層用塗工液2を塗布し、乾燥させることにより、厚さ30μmの発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート4と同様にして、熱転写シート5を作製した。
<発泡層用塗工液2>
・発泡粒子B 5質量部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN80GSD、松本油脂製薬(株)、発泡温度115℃、平均粒子径:13μm)
・ポリエステル 5質量部
(バイロナール(登録商標)MD1930、東洋紡(株))
・水 23質量部
(熱転写シート6の作製)
剥離層上に、下記組成の発泡層用塗工液3を塗布し、乾燥させることにより、厚さ30μmの発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート4と同様にして、熱転写シート6を作製した。
<発泡層用塗工液3>
・発泡粒子C 5質量部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)HF36D、松本油脂製薬(株)、発泡温度115℃、平均粒子径:13μm)
・ポリエステル 5質量部
(バイロナール(登録商標)MD1930、東洋紡(株))
・水 23質量部
(熱転写シート7の作製)
剥離層上に、下記組成の発泡層用塗工液4を塗布し、乾燥させることにより、厚さ30μmの発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート4と同様にして、熱転写シート7を作製した。
<発泡層用塗工液4>
・発泡粒子D 5質量部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)HF48D、松本油脂製薬(株)、発泡温度130℃、平均粒子径:12μm)
・ポリエステル 5質量部
(バイロナール(登録商標)MD1930、東洋紡(株))
・水 23質量部
(熱転写シート8の作製)
剥離層上に、下記組成の発泡層用塗工液5を塗布し、乾燥させることにより、厚さ30μmの発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート4と同様にして、熱転写シート8を作製した。
<発泡層用塗工液5>
・発泡粒子E 5質量部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)F36LVD、松本油脂製薬(株)、発泡温度115℃、平均粒子径:16μm)
・ポリエステル 5質量部
(バイロナール(登録商標)MD1930、東洋紡(株))
・水 23質量部
(熱転写シート9の作製)
発泡層上に、下記組成の接着層用塗工液3を塗布し、乾燥させることにより、厚さ2.5μmの接着層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様にして、熱転写シート9を作製した。
<接着層用塗工液3>
・ポリエステル 5質量部
(エリーテル(登録商標)KA-1237、ユニチカ(株)、ガラス転移温度:71℃)
・水 15質量部
(熱転写シート10の作製)
剥離層上に、上記組成の発泡層用塗工液1を塗布し、乾燥させることにより、厚さ60μmの発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様にして、熱転写シート10を作製した。
(印画物の作製)
被転写体として、厚さ225μmのコート紙を準備した。上記で作製した熱転写シート1~9の接着層と被転写体とを対向させ、下記熱転写プリンタを用いて、被転写体上に、剥離層、発泡層、接着層からなる転写層を複数回重ねて転写した。転写層の転写パターンは、平面視で10mm×10mm(x方向及びy方向のサイズが10mm)の正方形とした。
転写層が転写された被転写体に画像を形成し、ヒートロール(Lamipacker Meister6 LPD3226、フジプラ製)で加熱し、発泡層の発泡粒子を膨張させ、印画物を作製した。ヒートロールは、設定温度:150℃、速度:0.4m/minとした。熱転写シートの種類、転写層の転写回数、画像形成方法を表1に示す。画像形成方法の「溶融」は熱溶融性インキを使用したことを示し、「昇華」は昇華性染料を使用したことを示す。また、「InTM」は中間転写媒体を使用したことを示す。
<熱転写プリンタ>
・サーマルヘッド:F3589(東芝ホクト電子(株)製)
・発熱体平均抵抗値:5015Ω
・印画電圧:15V(比較例2のみ18V)
・主走査方向解像度:300dpi(dot per inch)
・副走査方向解像度:300dpi
・ライン速度:6.0msec./line
・印画開始温度:35℃
・パルスDuty比:85%
・諧調値:255/255(最大エネルギー諧調)
<<転写性評価>>
熱転写シートから被転写体へ転写した転写層を目視により観察し、下記評価基準に基づいて、転写層の転写性を評価した。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
〇 転写不良(尾引き、転写しない部分)なし
△ 転写不良が10%未満ある
× 転写不良が10%以上ある
<<発泡量評価>>
積層された転写層の発泡(膨張)前後の厚みを測定し、発泡後の厚みから発泡前の厚みを減じて発泡量を算出し、下記評価基準に基づいて発泡量を評価した。厚みの測定には、デジタルマイクロメータ(MDC-25MX、(株)ミツトヨ)を使用した。
(評価基準)
◎ 400μm以上
○ 250μm以上400μm未満
△ 150μm以上250μm未満
× 150μm未満
<<先鋭性評価>>
発泡後の転写層(発泡層)のx方向及びy方向のサイズを測定し、大きい方のサイズについて、発泡前のサイズを基準とした倍率を算出し、下記評価基準に基づいてパターンの先鋭性を評価した。発泡後の転写層のサイズ測定にはマイクロスコープ(VHX1000、(株)キーエンス)を使用した。
(評価基準)
○ 125%未満
△ 125%以上155%未満
× 155%以上
Figure 0007218838000001
[参考例1~4]
(熱転写シート11の作製)
基材として、厚さ5μmのPETフィルムを用い、該基材の一方の面に、上記組成の背面層用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ1μmの背面層を形成した。また、基材の他方の面に、上記組成の剥離層用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ1μmの剥離層を形成した。次いで、剥離層上に、下記組成の発泡層用塗工液6を塗布し、乾燥させることにより、厚さ15μmの発泡層を形成した。次いで、発泡層上に、上記組成の接着層用塗工液1を塗布し、乾燥させることにより、厚さ2μmの接着層を形成し、背面層、基材、剥離層、発泡層、接着層がこの順で積層された熱転写シート11を得た。
<発泡層用塗工液6>
・発泡粒子F 5質量部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)HF50D、松本油脂製薬(株)、発泡温度:115℃、平均粒子径:14μm)
・ポリエステル 5質量部
(バイロナール(登録商標)MD1930、東洋紡(株)、ガラス転移温度:-10℃)
・水 23質量部
(熱転写シート12の作製)
剥離層上に、発泡層用塗工液6に代えて下記組成の発泡層用塗工液7を塗布し、乾燥させることにより、厚さ15μmの発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート11と同様にして、熱転写シート12を作製した。
<発泡層用塗工液7>
・発泡粒子F 3質量部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)HF50D、松本油脂製薬(株)、発泡温度:115℃、平均粒子径:14μm)
・ポリエステル 7質量部
(バイロナール(登録商標)MD1930、東洋紡(株)、ガラス転移温度:-10℃)
・水 23質量部
(熱転写シート13の作製)
剥離層上に、発泡層用塗工液6に代えて下記組成の発泡層用塗工液8を塗布し、乾燥させることにより、厚さ15μmの発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート11と同様にして、熱転写シート13を作製した。
<発泡層用塗工液8>
・発泡粒子F 7質量部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)HF50D、松本油脂製薬(株)、発泡温度:115℃、平均粒子径:14μm)
・ポリエステル 3質量部
(バイロナール(登録商標)MD1930、東洋紡(株)、ガラス転移温度:-10℃)
・水 23質量部
(熱転写シート14の作製)
剥離層上に、発泡層用塗工液6に代えて下記組成の発泡層用塗工液9を塗布し、乾燥させることにより、厚さ15μmの発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート11と同様にして、熱転写シート14を作製した。
<発泡層用塗工液9>
・発泡粒子F 5質量部
(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)HF50D、松本油脂製薬(株)、発泡温度:115℃、平均粒子径:14μm)
・ポリエステル 5質量部
(バイロナール(登録商標)MD1200、東洋紡(株)、ガラス転移温度:67℃)
・水 23質量部
(印画物の作製)
被転写体として、厚さ100μmのPETフィルムを準備した。上記で作製した熱転写シート11~14の接着層と被転写体とを対向させ、上記熱転写プリンタを用いて、被転写体上に、剥離層、発泡層、接着層からなる転写層を2回重ねて転写した。転写層の転写パターンは、平面視で10mm×10mm(x方向及びy方向のサイズが10mm)の正方形とした。
転写層が転写された被転写体に熱溶融性インキを使用して画像を形成し、ヒートロール(Lamipacker Meister6 LPD3226、フジプラ製)で加熱し、発泡層の発泡粒子を膨張させ、参考例1~4の印画物を作製した。ヒートロールは、設定温度:150℃、速度:0.4m/minとした。参考例1~4の印画物の作製に使用した熱転写シートの種類を表2に示す。
<<発泡量及び膨張率の測定>>
発泡層の発泡(膨張)前後の印画物の厚みを測定し、発泡後の印画物の厚みから発泡前の印画物の厚みを減じて発泡量を算出した。また、印画物の厚みから被転写体の厚みを減じて積層された転写層の厚みを求め、発泡後の転写層の厚みを発泡前の転写層の厚みで除して膨張率を算出した。計算結果を表2に示す。なお、印画物の厚みの測定には、デジタルマイクロメータ(MDC-25MX、(株)ミツトヨ)を使用した。
<<平面方向の倍率測定>>
発泡後の転写層(発泡層)のx方向及びy方向のサイズを測定し、大きい方のサイズについて、発泡前のサイズを基準とした倍率を算出した。計算結果を表2に示す。発泡後の転写層のサイズ測定にはマイクロスコープ(VHX1000、(株)キーエンス)を使用した。
Figure 0007218838000002
本開示を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本開示の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
本出願は、2021年1月18日付で出願された日本特許出願2021-5867に基づいており、その全体が引用により援用される。
1 基材
2 剥離層
3 発泡層
4 接着層
5 背面層
6 被転写体
10 熱転写シート

Claims (12)

  1. 基材と、前記基材の一方の面側に設けられた、発泡粒子を含有する層を有する転写層とを有する熱転写シートを準備する工程と、
    前記熱転写シートを加熱し、被転写体上に、前記熱転写シートの前記転写層を所定のパターンで複数回重ねて転写し、複数の前記転写層が積層された積層体を形成する工程と、
    を備える印画物の製造方法。
  2. 前記積層体を加熱して、前記発泡粒子を含有する層を膨張させる工程をさらに備える、請求項1に記載の印画物の製造方法。
  3. 前記熱転写シートから、前記転写層をドットパターンで転写する、請求項1又は2に記載の印画物の製造方法。
  4. 前記積層体を加熱して前記発泡粒子を含有する層を膨張させ、隣接するドット状の前記転写層に含まれる発泡粒子を含有する層同士を結合させる、請求項3に記載の印画物の製造方法。
  5. 前記転写層は、前記基材の一方の面側に順に積層された剥離層、前記発泡粒子を含有する層、及び接着層を有する、請求項1乃至4のいずれかに記載の印画物の製造方法。
  6. 前記剥離層の第1樹脂のガラス転移温度は、前記発泡層の第1バインダー樹脂のガラス転移温度よりも高い、請求項5に記載の印画物の製造方法。
  7. 前記接着層の第1樹脂のガラス転移温度は、前記発泡層の第1バインダー樹脂のガラス転移温度よりも高い、請求項5又は6に記載の印画物の製造方法。
  8. 被転写体と、
    前記被転写体上に設けられ、転写層が複数積層された積層体と、
    を備え、
    複数の前記転写層は、それぞれ、前記被転写体側から順に積層された接着層、及び発泡粒子を含有する層を有する、印画物。
  9. 前記複数の転写層は、それぞれ、前記発泡粒子を含有する層からみて前記被転写体とは反対側に剥離層をさらに有する、請求項8に記載の印画物。
  10. 第1基材と、前記第1基材の一方の面側に設けられた、発泡粒子を含有する層を有する転写層とを備える第1熱転写シートを準備する工程と、
    第2基材と、前記第2基材の一方の面側に設けられた色材層とを有する第2熱転写シートを準備する工程と、
    第3基材と、前記第3基材の一方の面側に設けられた受容層とを有する第3熱転写シートを準備する工程と、
    前記第1熱転写シートを加熱し、被転写体上に、前記第1熱転写シートの前記転写層を所定のパターンで複数回重ねて転写し、複数の前記転写層が積層された積層体を形成する工程と、
    前記第2熱転写シートを加熱し、前記第3熱転写シートの前記受容層に色材を転写して画像を形成する工程と、
    前記第3熱転写シートを加熱し、前記画像が形成された受容層を前記積層体上に転写する工程と、
    を備える印画物の製造方法。
  11. 第1基材と、前記第1基材の一方の面側に設けられた、発泡粒子を含有する層を有する転写層とを備える第1熱転写シートを準備する工程と、
    第2基材と、前記第2基材の一方の面側に設けられた色材層とを有する第2熱転写シートを準備する工程と、
    第3基材と、前記第3基材の一方の面側に設けられた受容層とを有する第3熱転写シートを準備する工程と、
    前記第2熱転写シートを加熱し、前記第3熱転写シートの前記受容層に色材を転写して画像を形成する工程と、
    前記第3熱転写シートを加熱し、前記画像が形成された受容層を被転写体上に転写する工程と、
    前記第1熱転写シートを加熱し、前記受容層が転写された前記被転写体上に、前記第1熱転写シートの前記転写層を所定のパターンで複数回重ねて転写し、複数の前記転写層が積層された積層体を形成する工程と、
    を備える印画物の製造方法。
  12. 基材と、
    前記基材の一方の面上に面順次に、かつ隣接して設けられた複数の転写層と、
    を備え、
    前記複数の転写層は、それぞれ、前記基材の一方の面側から順に積層された発泡粒子を含有する層、及び接着層を有する、熱転写シート。
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