JP2022010954A - 印画物の製造方法、熱転写印画装置及び印画物 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、印画物の製造方法、熱転写印画装置及び印画物に関する。
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも昇華型熱転写方式は、濃度階調を自由に調整でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像形成が可能である。
昇華型熱転写方式は、昇華性染料を含む昇華転写型色材層を備える熱転写シートと、受容層を備える熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、プリンタが備えるサーマルヘッドにより熱転写シートを加熱することで、昇華転写型色材層中の昇華性染料を受容層に移行させ、画像形成を行うことにより、印画物を得るものである。また、このようにして製造される印画物が備える受容層上に、熱転写シートから保護層を転写し、印画物の耐久性等を向上させることが行われている。
近年、上記した方法により得られる印画物には、多種多様な意匠性が要求されており、例えば、印画物の希少性の表現等を目的として、高い立体感を有する印画物が求められている。
本開示は、高い立体感を有する印画物を製造する印画物の製造方法及び熱転写印画装置を提供することを課題とする。また、本開示は、高い立体感を有する印画物を提供することを課題とする。
本開示の印画物の製造方法は、第1基材上に着色層を含む転写層が設けられた熱転写シートを加熱し、第2基材上に画像が形成された受容層が設けられた受像シートの前記受容層上に、前記転写層を複数回重ねて転写して、複数の前記転写層が積層された立体層を形成する工程を備え、前記立体層は、上層ほど前記転写層のサイズが小さいものである。
本開示の熱転写印画装置は、第1基材上に着色層を含む転写層が設けられた熱転写シートと、第2基材上に画像が形成された受容層が設けられた受像シートとを、サーマルヘッドとプラテンロールとの間に挟み込み、前記サーマルヘッドにより前記熱転写シートを加熱して、前記受像シートの前記受容層上に、前記熱転写シートから前記転写層を複数回重ねて転写して、複数の前記転写層が積層された立体層を形成する熱転写部と、前記転写層の転写サイズが徐々に小さくなるように前記熱転写部を制御する制御部と、を備えるものである。
本開示の印画物は、基材と、前記基材上に設けられた感熱凹部形成層と、前記感熱凹部形成層上に設けられ、画像が形成された受容層と、前記受容層上に設けられ、着色層を含む転写層が複数積層され、上層ほど前記転写層のサイズが小さい立体層と、を備え、前記受容層側の面に凹部が形成されており、前記立体層は、前記凹部でない領域に設けられているものである。
本開示によれば、高い立体感を有する印画物を製造できる。
以下、実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1に示すように、実施形態に係る熱転写印画装置は、印画部Pと、制御部Cと、記憶部Mとを備え、印画部Pが、第1画像データに基づいて熱転写シート10から受像シート20に色材を転写して画像を形成し、形成した画像上に熱転写シート10から保護層を転写し、さらに保護層上に熱転写シート10から転写層を複数回重ねて転写して多層構造の立体層を形成して、印画物を製造する。
図2に示すように、熱転写シート10は、基材11と、この基材11の一方の面、つまり図2においては上面に設けられた、染料を含む染料層12と、この染料層12と面順次に設けられた保護層13及び転写層14とを備える。転写層14は、着色層15と、着色層15上に設けられた接着層16とを有する。基材11の他方の面、つまり図2においては下面に、背面層19が設けられていてもよい。
染料層12は、面順次に設けられたイエローの染料を含有するイエロー染料層12Y、マゼンタの染料を含有するマゼンタ染料層12M、及びシアンの染料を含有するシアン染料層12Cを有する。
なお、本実施形態では、画像を形成するための色材として染料を使用し、熱転写シート10に色材層として染料層12を設ける例について説明するが、染料層12に代えて、又は染料層12に加えて、染料及び顔料を含む色材層、顔料を含む色材層、カーボンブラック等の無機粒子を含む色材層等を設けてもよい。
イエロー染料層12Y、マゼンタ染料層12M、シアン染料層12C、保護層13及び転写層14の「5パネル」からなる集合体を「1ユニット」としたとき、熱転写シート10の基材11の一方の面上には、この「1ユニット」が繰り返し設けられている。「1ユニット」のパネルを用いて、受像シート20に1画面分の画像を形成し、保護層及び立体層を形成する。
図1に示すように、印画部P(熱転写部)において、熱転写シート10は供給部3に巻き付けられており、供給部3から繰り出された熱転写シート10は、サーマルヘッド1を通って、回収部4に巻き取られて回収されるようになっている。
熱転写シート10を挟んでサーマルヘッド1と反対側には、回転自在なプラテンロール2が設けられている。サーマルヘッド1とプラテンロール2との間に、熱転写シート10及び受像シート20が挟み込まれる。
図3に示すように、受像シート20は、順に積層された、基材21と、感熱凹部形成層22と、受容層23とを備える。感熱凹部形成層22は、多層構造を有していてもよい。受像シート20は、任意の層間、例えば、基材21と感熱凹部形成層22との間や、多層構造を有する感熱凹部形成層22を構成する各層間に接着層等の任意の層を備えていてもよい。また、感熱凹部形成層22と受容層23との間に、プライマー層を備えていてもよい。
サーマルヘッド1が熱転写シート10の染料層12を加熱し、受像シート20の受容層23に染料を転写することで画像が形成される。サーマルヘッド1が熱転写シート10の保護層13及び転写層14を順に加熱することで、画像が形成された受容層23上に保護層13及び転写層14が順に転写される。
次に、熱転写シート10の各構成について説明する。
(基材)
熱転写シート10の基材11についていかなる限定もされることはなく、熱転写シートの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。一例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用できる。
熱転写シート10の基材11についていかなる限定もされることはなく、熱転写シートの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。一例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用できる。
また、基材11に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進材、易接着材とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、帯電防止層付与等の易接着処理を行ってもよい。また、基材11は、必要に応じて、充填材、可塑材、着色材、帯電防止材等の添加材を含有してもよい。基材11の厚さについて特に限定はないが、2μm以上10μm以下の範囲が好ましい。
(染料層)
基材11の一方の面に染料層12が設けられている。染料層12は、図2に示すように、基材11に直接設けられていてもよく、たとえば、各種プライマー層のような他の層(図示せず)を介して間接的に設けられていてもよい。また、染料層12は、図2に示すように、色相の異なる複数の染料層、つまり、イエロー染料層12Y、マゼンタ染料層12M、およびシアン染料層12Cの組み合わせであってもよく、ブラック染料層など単一の染料層(図示せず)であってもよい。
基材11の一方の面に染料層12が設けられている。染料層12は、図2に示すように、基材11に直接設けられていてもよく、たとえば、各種プライマー層のような他の層(図示せず)を介して間接的に設けられていてもよい。また、染料層12は、図2に示すように、色相の異なる複数の染料層、つまり、イエロー染料層12Y、マゼンタ染料層12M、およびシアン染料層12Cの組み合わせであってもよく、ブラック染料層など単一の染料層(図示せず)であってもよい。
このような染料層12は、昇華性染料とバインダー樹脂とを含有している。
昇華性染料は特に限定されることはなく、従来公知の昇華性染料から適宜選択して用いることができる。具体的には、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、ピラゾロメチン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料などを例示できる。
バインダー樹脂としては、特に限定されず、従来公知のものを使用できる。例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース樹脂、ポリビニルブチラールやポリビニルアセトアセタール等のポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル樹脂、ポリエステル、フェノキシ樹脂等が挙げられる。中でもポリビニルアセタールが好適に使用できる。これらのバインダー樹脂は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
染料層12は、離型材を含有してもよい。離型材としては、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス、リン酸エステル、シリコーン含有化合物を例示できる。中でも、シリコーン含有化合物が好ましい。シリコーン含有化合物としては、シリコーンオイル、シリコーン樹脂等を例示できる。
染料層12の厚みについては、特に限定されないが、0.3μm以上1.5μm以下が好ましい。
染料層12の形成方法についても特に限定はなく、昇華性染料、バインダー、必要に応じて添加される各種の添加材を適当な溶媒に分散、あるいは溶解した染料層用塗工液を調製し、これを、基材11、あるいは基材11上に任意に設けられる層上に、塗布・乾燥して形成できる。
(保護層)
保護層13を構成するバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物等を挙げることができる。保護層13は、紫外線吸収性樹脂や活性光線硬化性樹脂を含有してもよい。なお、活性光線とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる光線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
保護層13を構成するバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物等を挙げることができる。保護層13は、紫外線吸収性樹脂や活性光線硬化性樹脂を含有してもよい。なお、活性光線とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる光線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
保護層13を構成するバインダー樹脂の含有量について特に限定はないが、保護層13の固形分総量に対し、バインダー樹脂は20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。バインダー樹脂の含有量の上限について特に限定はなく、その上限は100質量%である。また、保護層13は、バインダー樹脂に加え、各種フィラーや、蛍光増白材、耐侯性を向上させるための紫外線吸収材等、その他の材料を含有してもよい。
保護層13の形成方法についても特に限定はなく、上記で例示したバインダー樹脂、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に溶解、或いは分散させた保護層用塗工液を調製し、この塗工液を、基材11、或いは基材11上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥して形成できる。保護層13の厚みについて特に限定はないが、例えば、0.5μm以上10μm以下程度である。
保護層13の転写性を向上させるべく、基材11と保護層13との間に剥離層や離型層を設けてもよい。また、受像シート20と保護層13との密着性を向上させるべく、保護層13上に接着層を設けてもよい。
(転写層)
転写層14は、熱転写シート10の加熱により受像シート20上に転写される層であり、少なくとも着色層15を有し、さらに接着層16を有していていもよい。
転写層14は、熱転写シート10の加熱により受像シート20上に転写される層であり、少なくとも着色層15を有し、さらに接着層16を有していていもよい。
(着色層)
着色層15は、無機顔料、有機顔料等の着色材を含んでなる。
着色層15は、無機顔料、有機顔料等の着色材を含んでなる。
無機顔料としては、酸化物、硫化物、セレン化物、フェロシアン化物、クロム酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩などが挙げられ、より具体的には、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青等が挙げられる。
有機顔料としては、アゾ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系赤色顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。
着色層15は、金属光沢を付与する金属粉を含んだ、いわゆる金属光沢層であってもよいし、金属蒸着層であってもよい。金属粉の金属種としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、スズ、クロム、ニッケル、金、銀等の金属、或いはステンレス、真ちゅう等の合金を挙げることができる。
着色層15は、セルロース樹脂、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、ポリエステル等のバインダー樹脂を含むことが好ましい。
なお、本開示において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の両方を包含する。また、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を包含する。
着色層15の厚さは、特に限定されず、例えば、0.3μm以上10μm以下とすることができる。
着色層15の形成方法についても特に限定はなく、上記材料を、適当な溶媒に溶解、或いは分散させた着色層用塗工液を調製し、この塗工液を、基材11上に塗布・乾燥して形成できる。
(接着層)
接着層16は転写層14の最表面に設けられる層である。これにより、転写層14の被転写体に対する密着性を向上できる。
接着層16は転写層14の最表面に設けられる層である。これにより、転写層14の被転写体に対する密着性を向上できる。
接着層16は、加熱により軟化し、密着性を発揮する熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等のビニル樹脂、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン、並びにスチレン樹脂等が挙げられる。
接着層16における熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは5質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上60質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以上40質量%以下である。これにより、被転写体との密着性をより向上できる。
接着層16の厚さは、好ましくは0.3μm以上10μm以下である。
接着層16は、上記材料を適当な溶媒に溶解、或いは分散させた接着層用塗工液を調製し、上記塗布手段により、剥離層等の上に塗布して塗膜を形成し、この塗工液を、着色層15上に塗布・乾燥して形成できる。
(背面層)
背面層19の材料について限定はなく、例えば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル-スチレン共重合体等のアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂等を挙げることができる。背面層19は、これらの樹脂の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
背面層19の材料について限定はなく、例えば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル-スチレン共重合体等のアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂等を挙げることができる。背面層19は、これらの樹脂の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
背面層19は、固形あるいは液状の滑材を含有してもよい。滑材としては、例えば、ポリエチレンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、金属石鹸、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の粒子等を挙げることができる。背面層19における滑材の含有量は、5質量%以上50質量%以下が一般的であり、好ましくは10質量%以上40質量%以下である。
背面層19の形成方法について特に限定はなく、樹脂、必要に応じて添加される滑材等を、適当な溶媒中に溶解、或いは分散させた背面層用塗工液を調製し、この塗工液を、基材11上に塗布・乾燥することで形成できる。背面層19の厚みは、0.5μm以上10μm以下が好ましい。
次に、受像シート20の各層について説明する。
(基材)
受像シート20の基材21としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙、上質紙、アート紙、コート紙、ノンコート紙、キャストコート紙、壁紙、セルロース繊維紙、合成樹脂内添紙、裏打用紙及び含浸紙(合成樹脂含浸紙、エマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙)等の紙基材やポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン等のスチレン樹脂、ポリカーボネート、並びにアイオノマー樹脂等から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)等が挙げられる。
受像シート20の基材21としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙、上質紙、アート紙、コート紙、ノンコート紙、キャストコート紙、壁紙、セルロース繊維紙、合成樹脂内添紙、裏打用紙及び含浸紙(合成樹脂含浸紙、エマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙)等の紙基材やポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン等のスチレン樹脂、ポリカーボネート、並びにアイオノマー樹脂等から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)等が挙げられる。
また、基材21が樹脂フィルムである場合、該樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、機械的強度という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムを使用することが好ましい。
上記した紙基材や樹脂フィルムの積層体を基材21として使用することもできる。積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用することにより作製できる。
基材21の厚さは、機械的強度の観点から、50μm以上500μm以下が好ましく、75μm以上500μm以下がより好ましく、100μm以上500μm以下がさらに好ましい。
(感熱凹部形成層)
本開示の受像シート20は、厚さ40μm以上の感熱凹部形成層22を備える。本開示の受像シート20を、サーマルヘッド1により、受容層23側から高温条件で加熱することにより、この感熱凹部形成層22に凹部が形成され、製造される印画物に高い立体感を付与できる。例えば、感熱凹部形成層22に凹部を形成することにより、相対的に凸部となる領域が形成され、該凸部が模様や文字等を表すように凹部を形成することにより、印画物の意匠性を向上できる。
本開示の受像シート20は、厚さ40μm以上の感熱凹部形成層22を備える。本開示の受像シート20を、サーマルヘッド1により、受容層23側から高温条件で加熱することにより、この感熱凹部形成層22に凹部が形成され、製造される印画物に高い立体感を付与できる。例えば、感熱凹部形成層22に凹部を形成することにより、相対的に凸部となる領域が形成され、該凸部が模様や文字等を表すように凹部を形成することにより、印画物の意匠性を向上できる。
感熱凹部形成層22は、単層構造を有するものであってもよく、多層構造を有するものであってもよい。感熱凹部形成層22の厚さは、40μm以上がより好ましく、80μm以上がさらに好ましい。これにより、形成される凹部の深さを向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。また、熱転写印画装置内での搬送性及び加工適性という観点から、感熱凹部形成層22の厚さは、200μm以下が好ましい。
感熱凹部形成層22は、内部に微細空隙を有する多孔質フィルム及び中空粒子含有層の少なくとも一方を備える、多孔質層である。
感熱凹部形成層22が、単層構造を有する多孔質層である場合、その空隙率は、20%以上80%以下が好ましく、30%以上60%以下がより好ましい。これにより、形成される凹部の深さを向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。また、受容層23に形成される画像濃度を向上できる。さらに、印画時エンボス抑制性を向上できる。
感熱凹部形成層22が、多層構造を有する多孔質層である場合、第1感熱凹部形成層(最も受容層側に配置される感熱凹部形成層)の空隙率は、その他の感熱凹部形成層の空隙率より、小さいことが好ましい。これにより、印画時エンボス抑制性を向上できる。
第1感熱凹部形成層の空隙率は、10%以上60%以下が好ましく、20%以上50%以下がより好ましい。これにより、凹部の深さをより向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。さらに、印画時エンボス抑制性を向上できる。第1感熱凹部形成層を多孔質フィルムとしてもよい。
第1感熱凹部形成層以外の感熱凹部形成層の空隙率の平均は、10%以上80%以下が好ましく、20%以上80%以下がより好ましい。これにより、第1感熱凹部形成層での凹部形成を容易にし、かつ印画時エンボス抑制性を向上できる。
なお、本開示において空隙率は、(1-感熱凹部形成層の比重/感熱凹部形成層を構成する樹脂材料の比重)×100により算出する。感熱凹部形成層22を構成する樹脂材料の比重が未知の場合には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー(株)製、商品名:S3400N)により感熱凹部形成層の断面画像を取得し、断面画像の総面積(a)と、空隙(空孔)の占める面積(b)とから、((b)/(a))×100で算出する。
第1感熱凹部形成層の厚さは、20μm以上150μm以下が好ましく、30μm以上130μm以下がより好ましく、30μm以上100μm以下がさらに好ましい。これにより、形成される凹部の深さを向上できると共に、凹部の形成容易性を向上できる。
第1感熱凹部形成層以外の感熱凹部形成層の厚さの和は、10μm以上180μm以下が好ましく、20μm以上150μm以下がより好ましく、20μm以上130μm以下がさらに好ましい。これにより、受容層上に形成される画像濃度を向上できる。
多孔質フィルムを構成する樹脂材料としては、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-酢酸ビニル共重合体等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、スチレン樹脂、並びにポリアミド等が挙げられる。フィルムの平滑性、断熱性及びクッション性の観点から、ポリプロピレンが特に好ましい。
多孔質フィルムは、添加材を含むことができ、例えば、可塑材、充填材、紫外線安定化材、着色抑制材、界面活性剤、蛍光増白材、艶消し材、消臭材、難燃材、耐候材、帯電抑制材、糸摩擦低減材、スリップ材、抗酸化材、イオン交換材、分散材、紫外線吸収材及び顔料や染料等の着色材等が挙げられる。
多孔質フィルムは、公知の方法により製造することができ、例えば、上記した樹脂材料に対し、非相溶な有機粒子又は無機粒子を混練した混合物をフィルム化することにより作製できる。また、一実施態様において、多孔質フィルムは、第1樹脂材料と、第1樹脂材料より高い融点を有する第2の樹脂材料を含む混合物をフィルム化することにより作製できる。
なお、上記方法により作製される多孔質フィルムに限定されるものではなく、市販されている多孔質フィルムを使用してもよい。
多孔質フィルムは、接着層を介して基材21上に積層できる。また、複数の多孔質フィルムを、接着層を介して積層してもよい。
中空粒子含有層は、中空粒子及びバインダー材料を含む層である。中空粒子は、受像シート20の加熱により形成される凹部の深さ条件を満たすことができるものであれば特に限定されるものではなく、有機系中空粒子であっても、無機系中空粒子であってもよいが、分散性の観点からは、有機系中空粒子が好ましい。また、中空粒子は、発泡粒子であっても、非発泡粒子であってもよい。
有機系中空粒子は、樹脂材料により構成され、例えば、架橋スチレン-アクリル樹脂等のスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、イミド樹脂及びポリカーボネート等を挙げることができる。
一実施形態において、有機系中空粒子は、樹脂粒子等中にブタンガス等の発泡材を封入し、加熱発泡することにより作製できる。また、一実施形態において、有機系中空粒子は、エマルジョン重合を利用することによっても作製できる。なお、市販されている有機系中空粒子を使用してもよい。
中空粒子含有層に含まれるバインダー材料としては、ポリウレタン、ポリエステル、セルロース樹脂、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン、スチレン樹脂、ゼラチン及びその誘導体、スチレンアクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ-カラギーナン、λ-カラギーナン、ι-カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸並びにアラビアゴム等が挙げられる。
中空粒子含有層は、上記添加材を含んでもよい。
中空粒子含有層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材21等に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(受容層)
受容層23は、熱転写シート10が備える染料層12から移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する層である。
受容層23は、熱転写シート10が備える染料層12から移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する層である。
受容層23は、樹脂材料を含む。樹脂材料としては、染料が染着し易い樹脂であれば限定されるものではなく、例えば、オレフィン樹脂、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、カーボネート樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂及びアイオノマー樹脂等が挙げられる。受容層23は、上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
受容層23における上記樹脂材料の含有量は、80質量%以上98質量%以下が好ましく、90質量%以上98質量%以下がより好ましい。
一実施形態において、受容層23は、離型材を含む。これにより、熱転写シート10との離型性を向上できる。離型材としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系又はリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、及び各種シリコーン樹脂などが挙げられる。上記シリコーンオイルとしては、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルとしてはアミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ-アラルキル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン等を好ましく用いる事ができるが、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ-アラルキル変性シリコーンが特に好ましい。受容層23は、上記離型材を2種以上含むことができる。
受容層23における離型材の含有量は、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。これにより、受容層23の透明性を維持しつつ、熱転写シート10との離型性を向上できる。
受容層23の厚みは、0.5μm以上20μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。これにより、受容層23上に形成される画像濃度を向上できる。
受容層23は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、感熱凹部形成層22上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
<印画物の製造方法>
次に、図1に示す熱転写印画装置を用いて印画物を製造する方法について説明する。
次に、図1に示す熱転写印画装置を用いて印画物を製造する方法について説明する。
まず、熱転写シート10及び受像シート20を準備し、熱転写印画装置にセットする。次に、熱転写シート10と受像シート20とを、染料層12と受容層23とが対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド1により熱転写シート10を背面層19側から加熱して染料を熱転写し、受容層23に画像を形成する。
このとき、制御部Cは、記憶部Mに格納されている第1画像データに基づいて、サーマルヘッド1の印加エネルギーを制御する。受像シート20の受容層23には、熱転写シート10からイエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料が順に転写され、第1画像データに基づく画像が形成される。
画像形成に続いて、保護層転写処理を行う。本実施形態では、保護層転写処理が、受像シート20に凹部を形成する処理を兼ねる。
保護層転写処理では、熱転写シート10と受像シート20とを、保護層13と受容層23とが対向するように重ね合わせ、サーマルヘッドで熱転写シート10を背面層19側から加熱する。このとき、サーマルヘッド1による印加エネルギーを調整し、凹部を形成する領域では、凹部を形成しない領域よりも高い印加エネルギーを付与して、熱転写シート10を介して受像シート20を加熱する。例えば、凹部を形成する領域での印加エネルギーは、凹部を形成しない領域での印加エネルギーの1倍より大きく5倍以下、好ましくは2倍以上3倍以下である。
印加エネルギーの低い領域では、熱転写シート10から保護層13が転写される。一方、印加エネルギーの高い領域では、熱転写シート10から保護層13が転写されると共に、感熱凹部形成層22が凹み、感熱凹部形成層22上の受容層23及び保護層13も追従して凹み、表面に凹部が形成される。凹部を形成しない領域は、受像シート20(感熱凹部形成層22)が塑性変形を起こさないため、保護層転写後の受像シート20の厚みは、印画前の厚みとほぼ同じになる。一方で、凹部を形成する領域は、受像シート20が塑性変形を起こし、表面に5μm以上の凹み(凹部)ができる。
凹部を形成する位置を示す情報は、記憶部M内の凹部形成データに含まれている。制御部Cは、凹部形成データに基づいて、サーマルヘッド1の印加エネルギーを制御する。
例えば、制御部Cは、図4に示すように、保護層13を転写し、かつ凹部を形成する領域R1ではサーマルヘッド1による印加エネルギーを高くし、保護層17を転写するが凹部は形成しない領域R2ではサーマルヘッド1による印加エネルギーを低くする。
これにより、図5に示すように、印加エネルギーの高い領域では、熱転写シート10から保護層13が転写されると共に、感熱凹部形成層22が凹み、感熱凹部形成層22上の受容層23及び保護層13も追従して凹み、表面に凹部Aが形成される。印加エネルギーの低い領域では、熱転写シート10から保護層13が転写されるが、受像シート20(感熱凹部形成層22)の塑性変形が少ないため、保護層13転写後の受像シート20の厚みは、印画前の厚みとほぼ同じである。
保護層転写処理に続いて、立体層形成処理を行う。立体層形成処理では、熱転写シート10と受像シート20とを、転写層14と、受容層23上に転写された保護層13とが対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド1で熱転写シート10を背面層19側から加熱し、受像シート20の凹部でない領域、すなわち相対的に凸部となった領域に転写層14を転写する。特に、凹部に隣接する凸部に転写層14を転写することが好ましい。
受像シート20に対し、転写層14を複数回重ねて転写する。また、転写する転写層14のサイズを徐々に小さくする。これにより、受像シート20の凸部に、略錐体状、略錐台状又はピラミッド状の立体層が形成される。略錐体状は、例えば、略円錐状又は略角錐状である。略錐台状は、例えば、略円錐台状又は略角錐台状である。
例えば、図6に示すように、受像シート20の凸部上に熱転写シート10から1層目の転写層14_1を転写する。次に、図7に示すように、1層目の転写層14_1上に、熱転写シート10から2層目の転写層14_2を転写する。2層目の転写層14_2は、1層目の転写層14_1よりもサイズが小さい。
このような転写層14の転写を繰り返し行い、図8に示すような、転写層が複数積層された立体層Rが形成される。図8に示す例では、立体層Rは、5層の転写層14_1~14_5が積層されたものである。立体層Rの積層数は特に限定されないが、例えば、2層以上10層以下程度である。受像シート20に転写される転写層14の転写サイズは、1層下に位置する転写層14の転写サイズの80%以上95%以下程度とすることが好ましい。
このようにして、凹部A及び立体層Rによる段差を触感で認識しやすい、高い立体感を有する印画物が作製される。
熱転写印画装置の記憶部Mには、立体層形成のための立体層形成データが格納されている。立体層形成データは、第2画像データ、立体層の形成位置、立体層の積層数、立体層の1層目の転写層のサイズ等の情報を含む。
制御部Cは、立体層形成データから、転写層14を転写するための転写パターンデータを生成する。
例えば、制御部Cは、立体層形成データに含まれる立体層の積層数及び1層目の転写層サイズから、各層の転写層サイズを算出する。図9に示すように、制御部Cは、第2画像データと、算出した各層の転写層サイズから、各層の転写パターン(転写層形状)を生成する。
各層の転写パターンは、1層目の転写パターンを縮小したものでもよいし、1層目の転写パターンの周縁部をトリミングしたものでもよい。立体層の上層ほど、倍率を小さくする、又はトリミング幅を大きくし、サイズを小さくする。
図9に示す転写層14_1~14_5を積層した立体層Rを上方から見た場合、図10のようになる。
制御部Cは、印画部Pを制御し、転写層14の加熱領域を変えながら、立体層形成データで示される立体層の形成位置に、転写層14を複数回重ねて転写し、立体層を形成する。例えば、図11に示すように、1パネル分の転写層14内で、転写毎に加熱領域を熱転写シート10の長手方向に沿ってずらす。1パネル分の転写層14で立体層を形成する。
サーマルヘッド1を熱転写シート10の短手方向(幅方向)に移動させる機構を設け、転写層14内で、転写毎に、加熱領域を熱転写シート10の長手方向だけでなく短手方向にもずらせるようにしてもよい。これにより、転写層14を効率良く使用できる。
図8に示すように、立体層Rを形成する領域を取り囲むように凹部Aを形成することが好ましい。これにより、凹部A及び立体層Rによる段差を触感でさらに認識しやすくなる。
上記実施形態では、立体層Rは、中心部が最も厚みが大きく、中心部から周縁部に向かって徐々に厚みが小さくなるように転写層14を積層する例について説明したが、立体層の形状はこれに限定されない。
例えば、図12に示す立体層R1のように、一端側(図中右側)の位置を揃えるように転写層14_1~14_5を積層してもよい。立体層R1の一端側の側面Sは、受像シート20の保護層13の表面に対して垂直な平面になる。
立体層Rのみで十分な凹凸感が得られる場合、受像シート20から感熱凹部形成層22を省略し、受像シート20に凹部を形成しないようにしてもよい。
図13aに示すように、転写層14は、着色層15と接着層16との間に、発泡粒子を含む発泡層17を有していてもよい。また、図13bに示すように、転写層14は、基材11と着色層15との間に剥離層18を有していてもよい。
発泡層17を含む転写層14を受像シート20に転写する際に、又は立体層Rを形成した後、発泡粒子を膨張させるための加熱処理を行う。発泡粒子が膨張することで、立体層Rによる段差をさらに大きくできる。
(発泡粒子)
発泡粒子は、熱可塑性樹脂からなる外殻(シェル)と、それに内包される発泡材(コア)とから構成される熱膨張性微小球である。発泡粒子はコア-シェル構造をとっており、微小球全体として熱膨張性(微小球全体が加熱により膨らむ性質)を示す。熱可塑性樹脂は、重合性成分の重合体である。
発泡粒子は、熱可塑性樹脂からなる外殻(シェル)と、それに内包される発泡材(コア)とから構成される熱膨張性微小球である。発泡粒子はコア-シェル構造をとっており、微小球全体として熱膨張性(微小球全体が加熱により膨らむ性質)を示す。熱可塑性樹脂は、重合性成分の重合体である。
重合性成分は、分子内に少なくとも1つ以上の重合性基を有する単量体を意味し、重合することによって発泡粒子の外殻を形成する熱可塑性樹脂となる成分である。重合性成分としては、反応性炭素-炭素二重結合を1個有する非架橋性単量体(以下、単に非架橋性単量体という)、及び反応性炭素-炭素二重結合を2個以上有する架橋性単量体(以下、単に架橋性単量体という)が挙げられる。架橋性単量体により橋架け構造を重合体に導入できる。ここでいう反応性炭素-炭素二重結合は、ラジカル反応性を示す炭素-炭素二重結合を意味し、ベンゼン環やナフタレン環等の芳香環内にある炭素-炭素二重結合ではなく、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニレン基等に含まれる炭素-炭素二重結合が挙げられる。ここで、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を意味するものとする。
発泡材は、加熱することで気化する成分である。発泡材としては、特に限定されないが、たとえば、メタン、エタン、プロパン、(イソ)ブタン、(イソ)ペンタン、(イソ)ヘキサン、(イソ)ヘプタン、(イソ)オクタン、(イソ)ノナン、(イソ)デカン、(イソ)ウンデカン、(イソ)ドデカン、(イソ)トリデカン等の炭素数3~13の炭化水素、(イソ)ヘキサデカン、(イソ)エイコサン等の炭素数13超で20以下の炭化水素、プソイドクメン、石油エーテル、初留点150℃以上260℃以下および/または蒸留範囲70℃以上360℃以下であるノルマルパラフィンやイソパラフィン等の石油分留物等の炭化水素、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の炭素数1~12の炭化水素のハロゲン化物、ハイドロフルオロエーテル等の含弗素化合物、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル-n-プロピルシラン等の炭素数1~5のアルキル基を有するシラン類、アゾジカルボンアミド、N,N´-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4´-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等の加熱により熱分解してガスを生成する化合物等が挙げられる。
発泡材は、1種の化合物から構成されてもよく、2種以上の化合物の混合物から構成されてもよい。発泡材は、直鎖状、分岐状、脂環状のいずれでもよく、脂肪族であるものが好ましい。
発泡粒子の発泡材の内包率は、発泡粒子の重量に対する内包された発泡材の重量の百分率で定義される。発泡材の内包率については、特に限定されないが、発泡粒子の重量に対して、好ましくは2重量%以上35重量%以下である。
発泡粒子の膨張開始温度は、特に限定はないが、好ましくは70℃以上である。発泡粒子の平均粒子径(D50)は、5μm以上30μm以下である。
(剥離層)
剥離層18は、転写層14の転写性を向上させるものである。剥離層18を構成するバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル樹脂等に例示される熱可塑性樹脂、飽和又は不飽和ポリエステル、ポリウレタン樹脂、熱硬化性エポキシ-アミノ共重合体、及び熱硬化性アルキッド-アミノ共重合体(熱硬化性アミノアルキド樹脂)等に例示される熱硬化性樹脂、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。また、箔切れ性の向上を図るべく、剥離層18に、マイクロシリカやポリエチレンワックス等のフィラーを含有させてもよい。また剥離層は、上記に例示した樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋材、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成してもよい。
剥離層18は、転写層14の転写性を向上させるものである。剥離層18を構成するバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル樹脂等に例示される熱可塑性樹脂、飽和又は不飽和ポリエステル、ポリウレタン樹脂、熱硬化性エポキシ-アミノ共重合体、及び熱硬化性アルキッド-アミノ共重合体(熱硬化性アミノアルキド樹脂)等に例示される熱硬化性樹脂、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。また、箔切れ性の向上を図るべく、剥離層18に、マイクロシリカやポリエチレンワックス等のフィラーを含有させてもよい。また剥離層は、上記に例示した樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋材、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成してもよい。
剥離層18の形成方法についても特に限定はなく、上記で例示したバインダー樹脂、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に溶解、或いは分散させた剥離層用塗工液を調製し、この塗工液を、基材11上に塗布・乾燥して形成できる。剥離層18の厚みについて特に限定はないが、通常は、0.1μm以上5μm以下である。
上記実施形態において、保護層転写処理と凹部形成処理とを別々に行ってもよい。例えば、受像シート20の受容層23上に熱転写シート10から保護層13を転写する。続いて、熱転写シート10における保護層13を転写した後の使用済み保護層形成領域と、受像シート20に転写された保護層13とが対向するように熱転写シート10と受像シート20とを重ね合わせ、使用済み保護層形成領域を介して、サーマルヘッド1から受像シート20の凹部形成領域に熱エネルギーを付与する。使用済み保護層形成領域は、熱転写シート10の基材11(離型層が設けられている場合は離型層)が露出している。
上記実施形態では、染料層12、保護層13及び転写層14を同一基材上に面順次に設けた熱転写シート10について説明したが、染料層12、保護層13及び転写層14をそれぞれ別の基材上に設け、複数の熱転写シートとしてもよい。
以下に実施例を挙げて本開示をより具体的に説明するが、本開示は、これら実施例に限定されるものではない。
(熱転写シート1の作製)
基材として、厚さ5μmのPETフィルムを用い、該基材の一方の面に、下記組成の背面層形成用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ1μmの背面層を形成した。
基材として、厚さ5μmのPETフィルムを用い、該基材の一方の面に、下記組成の背面層形成用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ1μmの背面層を形成した。
<背面層形成用塗工液>
・ポリビニルアセタール 36質量部
(積水化学工業(株)製、商品名:エスレック(登録商標)KS-1)
・イソシアネート化合物 25質量部
(DIC(株)製、商品名:バーノック(登録商標)D750)
・シリコーン樹脂微粒子 1質量部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社、商品名:トスパール(登録商標)240)
・ステアリルリン酸亜鉛 10質量部
(堺化学工業(株)製、商品名:LBT1830精製)
・ステアリン酸亜鉛 10質量部
(堺化学工業(株)製、商品名:SZ-PF)
・ポリエチレンワックス 3質量部
(東洋アドレ(株)製、ポリワックス3000)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7質量部
(東洋アドレ(株)製、ユニトックス750)
・メチルエチルケトン 200質量部
・トルエン 100質量部
・ポリビニルアセタール 36質量部
(積水化学工業(株)製、商品名:エスレック(登録商標)KS-1)
・イソシアネート化合物 25質量部
(DIC(株)製、商品名:バーノック(登録商標)D750)
・シリコーン樹脂微粒子 1質量部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社、商品名:トスパール(登録商標)240)
・ステアリルリン酸亜鉛 10質量部
(堺化学工業(株)製、商品名:LBT1830精製)
・ステアリン酸亜鉛 10質量部
(堺化学工業(株)製、商品名:SZ-PF)
・ポリエチレンワックス 3質量部
(東洋アドレ(株)製、ポリワックス3000)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7質量部
(東洋アドレ(株)製、ユニトックス750)
・メチルエチルケトン 200質量部
・トルエン 100質量部
基材の他方の面に、下記組成の着色層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ2μmの着色層を形成した。
<着色層形成用塗工液>
・カーボンブラック 4質量部
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 6質量部
(日信化学工業(株)製、商品名:ソルバイン(登録商標)CNL)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
・カーボンブラック 4質量部
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 6質量部
(日信化学工業(株)製、商品名:ソルバイン(登録商標)CNL)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
上記のようにして形成した着色層上に、下記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ2μmの接着層を形成することで、基材の一方の面上に背面層が設けられ、基材の他方の面上に、着色層、接着層がこの順で積層されてなる転写層が設けられた熱転写シート1を作製した。
<接着層形成用塗工液>
・ポリエステル(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200) 20質量部
・メチルエチルケトン 90質量部
・ポリエステル(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200) 20質量部
・メチルエチルケトン 90質量部
(熱転写シート2の作製)
着色層の厚さを4μmとした以外は、全て熱転写シート1と同様にして、熱転写シート2を作製した。
着色層の厚さを4μmとした以外は、全て熱転写シート1と同様にして、熱転写シート2を作製した。
(熱転写シート3の作製)
着色層上に下記組成の発泡層形成用塗工液1を塗布、乾燥し、厚さ3μmの発泡層を形成し、この発泡層上に上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ2μmの接着層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様にして、基材の一方の面上に背面層が設けられ、基材の他方の面上に、着色層、発泡層、接着層がこの順で積層されてなる転写層が設けられた熱転写シート3を作製した。
着色層上に下記組成の発泡層形成用塗工液1を塗布、乾燥し、厚さ3μmの発泡層を形成し、この発泡層上に上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ2μmの接着層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様にして、基材の一方の面上に背面層が設けられ、基材の他方の面上に、着色層、発泡層、接着層がこの順で積層されてなる転写層が設けられた熱転写シート3を作製した。
<発泡層形成用塗工液1>
・発泡粒子A 15質量部
(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN-80GS、発泡温度130℃、平均粒子径:6μm)
・ポリエステル 40質量部
(東洋紡(株)製、商品名:バイロナール(登録商標)1245、固形分:30%)
・水 10質量部
・発泡粒子A 15質量部
(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN-80GS、発泡温度130℃、平均粒子径:6μm)
・ポリエステル 40質量部
(東洋紡(株)製、商品名:バイロナール(登録商標)1245、固形分:30%)
・水 10質量部
(熱転写シート4の作製)
接着層を省略した以外は、全て熱転写シート1と同様にして、熱転写シート4を作製した。
接着層を省略した以外は、全て熱転写シート1と同様にして、熱転写シート4を作製した。
(熱転写シート5の作製)
発泡層形成用塗工液1を下記組成の発泡層形成用塗工液2に変更して発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート3と同様にして、熱転写シート5を作製した。
発泡層形成用塗工液1を下記組成の発泡層形成用塗工液2に変更して発泡層を形成した以外は、全て熱転写シート3と同様にして、熱転写シート5を作製した。
<発泡層形成用塗工液2>
・発泡粒子A 30質量部
(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN-80GS、発泡温度130℃、平均粒子径:6μm)
・ポリエステル 40質量部
(東洋紡(株)製、商品名:バイロナール(登録商標)1245、固形分:30%)
・水 30質量部
・発泡粒子A 30質量部
(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN-80GS、発泡温度130℃、平均粒子径:6μm)
・ポリエステル 40質量部
(東洋紡(株)製、商品名:バイロナール(登録商標)1245、固形分:30%)
・水 30質量部
(熱転写シート6の作製)
発泡層形成用塗工液1に含まれる発泡粒子を、発泡粒子B(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー(登録商標)F-50、発泡温度130℃、平均粒子径:15μm)に変更し、発泡層の厚さを7μmに変更した以外は、全て熱転写シート3と同様にして、熱転写シート6を作製した。
発泡層形成用塗工液1に含まれる発泡粒子を、発泡粒子B(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー(登録商標)F-50、発泡温度130℃、平均粒子径:15μm)に変更し、発泡層の厚さを7μmに変更した以外は、全て熱転写シート3と同様にして、熱転写シート6を作製した。
(受像シート1の作製)
基材として、厚さ200μmの両面コート紙を準備した。この基材の一方の面に、下記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成すると共に、該接着層を介して、厚さ35μmの多孔質PPフィルム(空隙率22%、密度0.7g/m3)を積層し、感熱凹部形成層を形成した。
基材として、厚さ200μmの両面コート紙を準備した。この基材の一方の面に、下記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着層を形成すると共に、該接着層を介して、厚さ35μmの多孔質PPフィルム(空隙率22%、密度0.7g/m3)を積層し、感熱凹部形成層を形成した。
<接着層形成用塗工液>
・アクリル樹脂 100質量部
(荒川塗料工業(株)製、ポリスチックEM-560)
・硬化剤 10質量部
(荒川塗料工業(株)製、ポリスチック硬化剤EM-545K)
・アクリル樹脂 100質量部
(荒川塗料工業(株)製、ポリスチックEM-560)
・硬化剤 10質量部
(荒川塗料工業(株)製、ポリスチック硬化剤EM-545K)
上記のようにして形成した感熱凹部形成層上に、下記組成のプライマー層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ1.5μmのプライマー層を形成した。
<プライマー層用塗工液>
・ポリエステル 4.2質量部
(日本合成化学工業(株)製、ポリエスター(登録商標)WR-905)
・酸化チタン 8.4質量部
(堺化学工業(株)製、TCA-888)
・イソプロピルアルコール 10質量部
・水 30質量部
・ポリエステル 4.2質量部
(日本合成化学工業(株)製、ポリエスター(登録商標)WR-905)
・酸化チタン 8.4質量部
(堺化学工業(株)製、TCA-888)
・イソプロピルアルコール 10質量部
・水 30質量部
上記のようにして形成したプライマー層上に、下記組成の受容層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ4μmの受容層を形成し、受像シート1を作製した。
<受容層形成用塗工液>
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 60質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)C)
・エポキシ変性シリコーン樹脂 1.2質量部
(信越化学工業(株)製、X-22-3000T)
・メチルスチル変性シリコーン樹脂 0.6質量部
(信越化学工業(株)製、X-24-510)
・メチルエチルケトン 2.5質量部
・トルエン 2.5質量部
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 60質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)C)
・エポキシ変性シリコーン樹脂 1.2質量部
(信越化学工業(株)製、X-22-3000T)
・メチルスチル変性シリコーン樹脂 0.6質量部
(信越化学工業(株)製、X-24-510)
・メチルエチルケトン 2.5質量部
・トルエン 2.5質量部
(受像シート2の作製)
基材(200μmの両面コート紙)の一方に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの第1接着層を形成し、この第1接着層上に、厚さ35μmの多孔質PPフィルムを積層し、この多孔質PPフィルム上に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの第2接着層を形成し、この第2接着層上に、厚さ35μmの多孔質PPフィルムをさらに積層し、2枚の多孔質PPフィルムを有する感熱凹部形成層とした以外は、受像シート1と同様にして、受像シート2を作製した。
基材(200μmの両面コート紙)の一方に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの第1接着層を形成し、この第1接着層上に、厚さ35μmの多孔質PPフィルムを積層し、この多孔質PPフィルム上に、上記組成の接着層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの第2接着層を形成し、この第2接着層上に、厚さ35μmの多孔質PPフィルムをさらに積層し、2枚の多孔質PPフィルムを有する感熱凹部形成層とした以外は、受像シート1と同様にして、受像シート2を作製した。
(印画物の作製)
上記で作製した受像シート1,2に、受容層側から厚さ4μmのPETフィルムを介して、下記熱転写プリンタを使用して0.27mJ/dotの印加エネルギーを付与して加熱し、凹部を形成した。凹部を形成した受像シート1,2と、上記で作製した各熱転写シートとを組み合わせ、受像シート1,2の凹部に隣接する領域(凸部)に、転写層を複数回重ねて転写して立体層を形成し、印画物を作製した。熱転写シートと受像シートとの組合せ、及び立体層の積層数(転写層の転写回数)を表1に示す。
上記で作製した受像シート1,2に、受容層側から厚さ4μmのPETフィルムを介して、下記熱転写プリンタを使用して0.27mJ/dotの印加エネルギーを付与して加熱し、凹部を形成した。凹部を形成した受像シート1,2と、上記で作製した各熱転写シートとを組み合わせ、受像シート1,2の凹部に隣接する領域(凸部)に、転写層を複数回重ねて転写して立体層を形成し、印画物を作製した。熱転写シートと受像シートとの組合せ、及び立体層の積層数(転写層の転写回数)を表1に示す。
<熱転写プリンタ>
・サーマルヘッド:F3589(東芝ホクト電子(株)製)
・発熱体平均抵抗値:5015Ω
・印画電圧:20V
・主走査方向解像度:300dpi(dot per inch)
・副走査方向解像度:300dpi
・ライン速度:4.0msec./line
・印画開始温度:35℃
・パルスDuty比:85%
・諧調値:255/255(最大諧調)
・サーマルヘッド:F3589(東芝ホクト電子(株)製)
・発熱体平均抵抗値:5015Ω
・印画電圧:20V
・主走査方向解像度:300dpi(dot per inch)
・副走査方向解像度:300dpi
・ライン速度:4.0msec./line
・印画開始温度:35℃
・パルスDuty比:85%
・諧調値:255/255(最大諧調)
<<密着性評価>>
上記で作製した印画物の立体層に対し、下記の試験条件に基づいて、当て布を使用した擦過試験を行った。試験後の印画物における立体層の状態を目視により観察し、下記評価基準に基づいて、立体層の密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
上記で作製した印画物の立体層に対し、下記の試験条件に基づいて、当て布を使用した擦過試験を行った。試験後の印画物における立体層の状態を目視により観察し、下記評価基準に基づいて、立体層の密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
(試験条件)
試験機:スガ試験機(株)製、商品名:RUBBER METER
荷重:800(g)
速度:150(mm/sec.)
往復回数:20回
当て布:染色堅ろう度試験用添付白布(カナキン3号)
試験機:スガ試験機(株)製、商品名:RUBBER METER
荷重:800(g)
速度:150(mm/sec.)
往復回数:20回
当て布:染色堅ろう度試験用添付白布(カナキン3号)
(評価基準)
5:全く剥がれない。
4:上層部分がわずかに剥がれる。
3:上層部分及び下層部分が一部剥がれる。
2:上層部分の大半が剥がれ、下層部分も一部剥がれる。
1:全て剥がれる。
5:全く剥がれない。
4:上層部分がわずかに剥がれる。
3:上層部分及び下層部分が一部剥がれる。
2:上層部分の大半が剥がれ、下層部分も一部剥がれる。
1:全て剥がれる。
<<凹凸感評価>>
上記で作製した印画物の受容層側表面を指で撫でて、触感を以下の評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。
上記で作製した印画物の受容層側表面を指で撫でて、触感を以下の評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
5:極めて容易に凹凸を感知できた。
4:容易に凹凸を感知できた。
3:凹凸を感知できた。
2:注意深く触るとわずかに凹凸を感知できた。
1:凹凸を感知できなかった。
5:極めて容易に凹凸を感知できた。
4:容易に凹凸を感知できた。
3:凹凸を感知できた。
2:注意深く触るとわずかに凹凸を感知できた。
1:凹凸を感知できなかった。
1 サーマルヘッド
10 熱転写シート
11 基材
12 染料層
13 保護層
14 転写層
19 背面層
20 受像シート
21 基材
22 感熱凹部形成層
23 受容層
10 熱転写シート
11 基材
12 染料層
13 保護層
14 転写層
19 背面層
20 受像シート
21 基材
22 感熱凹部形成層
23 受容層
Claims (11)
- 第1基材上に着色層を含む転写層が設けられた熱転写シートを加熱し、第2基材上に画像が形成された受容層が設けられた受像シートの前記受容層上に、前記転写層を複数回重ねて転写して、複数の前記転写層が積層された立体層を形成する工程を備え、
前記立体層は、上層ほど前記転写層のサイズが小さい、印画物の製造方法。 - 前記受像シートは、前記第2基材と前記受容層との間に感熱凹部形成層を有しており、
前記受像シートを加熱し、前記受像シートの所定領域に凹部を形成する工程をさらに備え、
前記受像シートの前記凹部を形成しない領域に前記立体層を形成する、請求項1に記載の印画物の製造方法。 - 前記受像シートの前記凹部に隣接する領域に前記立体層を形成する、請求項2に記載の印画物の製造方法。
- 前記熱転写シートは、前記第1基材上に前記転写層と面順次に設けられた保護層を有しており、
前記熱転写シートを加熱し、前記受像シートの前記受容層上に前記保護層を転写すると共に、前記受像シートの前記所定領域に前記凹部を形成し、
前記受容層上に転写した前記保護層上に前記立体層を形成する、請求項2又は3に記載の印画物の製造方法。 - 前記感熱凹部形成層の厚さは40μm以上であり、前記凹部の深さは5μm以上である請求項2乃至4のいずれかに記載の印画物の製造方法。
- 前記感熱凹部形成層が、多孔質フィルム及び中空粒子含有層の少なくともいずれか一方を有する請求項2乃至5のいずれかに記載の印画物の製造方法。
- 前記感熱凹部形成層が多層構造を有する多孔質層であり、前記感熱凹部形成層のうち最も前記受容層側に配置される層が多孔質フィルムである、請求項2乃至6のいずれかに記載の印画物の製造方法。
- 前記転写層は発泡粒子を含む発泡層を有しており、
前記受像シート上に前記転写層を転写する際に、又は前記転写層を転写した後に、前記発泡粒子を発泡させる、請求項1乃至7のいずれかに記載の印画物の製造方法。 - 第1基材上に着色層を含む転写層が設けられた熱転写シートと、第2基材上に画像が形成された受容層が設けられた受像シートとを、サーマルヘッドとプラテンロールとの間に挟み込み、前記サーマルヘッドにより前記熱転写シートを加熱して、前記受像シートの前記受容層上に、前記熱転写シートから前記転写層を複数回重ねて転写して、複数の前記転写層が積層された立体層を形成する熱転写部と、
前記転写層の転写サイズが徐々に小さくなるように前記熱転写部を制御する制御部と、
を備える熱転写印画装置。 - 前記制御部は、前記立体層の下層の転写層に対応する第1転写パターンを縮小して、又は前記第1転写パターンの周縁部をトリミングして、前記立体層の上層の転写層に対応する第2転写パターンを生成し、前記第1転写パターン及び前記第2転写パターンを用いて前記熱転写部を制御する、請求項9に記載の熱転写印画装置。
- 基材と、
前記基材上に設けられた感熱凹部形成層と、
前記感熱凹部形成層上に設けられ、画像が形成された受容層と、
前記受容層上に設けられ、着色層を含む転写層が複数積層され、上層ほど前記転写層のサイズが小さい立体層と、
を備え、
前記受容層側の面に凹部が形成されており、
前記立体層は、前記凹部でない領域に設けられている印画物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020111770A JP2022010954A (ja) | 2020-06-29 | 2020-06-29 | 印画物の製造方法、熱転写印画装置及び印画物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020111770A JP2022010954A (ja) | 2020-06-29 | 2020-06-29 | 印画物の製造方法、熱転写印画装置及び印画物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022010954A true JP2022010954A (ja) | 2022-01-17 |
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JP2020111770A Pending JP2022010954A (ja) | 2020-06-29 | 2020-06-29 | 印画物の製造方法、熱転写印画装置及び印画物 |
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- 2020-06-29 JP JP2020111770A patent/JP2022010954A/ja active Pending
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