JP2021008116A - 立体画像形成シートおよび立体画像の製造方法 - Google Patents

立体画像形成シートおよび立体画像の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鮮明な色彩で凹凸形状による表現が豊かな立体画像を製造する。【解決手段】立体画像形成シート10は、基材2の原紙20の表面に2次元パターンとして光熱変換層4を印刷した後に、基材2上に熱膨張層30を均一な厚さt0に形成して光熱変換層4を被覆し、熱膨張層30の表面に画像を構成する色彩層5を印刷して得られる。近赤外線光を立体画像形成シート10に照射して、光熱変換層4に到達させて熱に変換させることによって、熱膨張層30が膨張して表面に凹凸が形成されて、立体画像が製造される。立体画像形成シート10は、熱膨張層30が光熱変換層4に接触しているので、光熱変換層4から高効率に熱を伝達され、また、黒色インクからなる光熱変換層4が熱膨張層30に被覆されているので、白色インク等による色彩層5の下塗りが不要である。【選択図】図3

Description

本発明は、立体画像を形成する立体画像形成シート、および立体画像の製造方法に関する。
熱によって膨張する発泡性のマイクロカプセルを含有する熱膨張層を紙等の基材の一面側に設けられた熱膨張性シート(または熱発泡性シートという)を用いて、前記一面側に浮き彫り状の凹凸を有する立体画像を形成する技術が知られている。詳しくは、熱膨張性シートの凸状にしようとする領域に黒色インクで2次元パターンを印刷し、熱膨張層側の表面にシアン、マゼンタ、イエローの色インクで所望の画像パターンを印刷した後、近赤外線等の光を照射することによって、黒色インクが発熱して熱膨張層を黒色インクの濃淡に応じた厚さに膨張させて、容易に立体画像を形成することができる(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平1−28660号公報 特開2001−150812号公報
熱膨張層側の表面に黒色インクでパターンを印刷した場合、これを視認されず、画像パターンの外観に影響しないようにするために、色インクで画像パターンを印刷する前に、黒色インクのパターンの上に白色インク等を下塗りする。しかしながら、黒色のパターンを外観から完全に消去するためには下塗りを厚く形成する必要があるので、多量の白色インクを消費し、また、例えばインクを厚塗りし易いスクリーン印刷は、版を使用するので同一パターンの大量生産以外には不適である。一方、小規模生産に好適な例えばインクジェット法によれば、複数回印刷して重ね塗りをする必要があり、生産性が低下する上、一般的な印刷機は白色インクに非対応であるので流用困難である。さらに、厚塗りされた白色インクおよびその上の色インクが、熱膨張層の膨張に伴う表面の変形によってひび割れる虞がある。また、凸状の領域に彩色のない、例えばエンボス加工を施したような外観に形成するためであっても白色インクが必要になる。
あるいは、黒色インクのパターンを熱膨張性シートの基材側の表面(裏面)に鏡像で印刷して、基材側から光を照射して立体画像を形成することもできる。しかしながら、熱膨張性シートの基材は、熱膨張層の膨張で皺が生じたり波打つこと等のないようにある程度厚口の紙が適用されるので、黒色インクからの熱が熱膨張層まで伝達し難い。そのため、例えば黒色インクのパターン無(白)と濃(黒)との境界で熱膨張層に形成される凹凸の段差がなだらかになり、急峻な段差を形成したり、凸状の領域を幅の狭い線や点に形成することが困難である。
本発明の課題は、鮮明な色彩を呈し、凹凸形状による表現が豊かな立体画像を形成することのできる立体画像形成シート、および立体画像の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明に係る立体画像形成シートは、基材上に2次元パターンとして形成されて吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備え、前記熱膨張層が前記光熱変換層を被覆している構成とする。本発明に係る立体画像形成シートはさらに、前記光熱変換層が、当該光熱変換層が放出する熱により前記熱膨張層を膨張させることで、前記熱膨張層の表面を前記2次元パターンに対応させて隆起させることが可能なように、前記熱膨張層に被覆されている。
本発明に係る別の立体画像形成シートは、第1基材と、前記第1基材上に積層された第2基材と、前記第1基材と前記第2基材の間に2次元パターンとして形成されて吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、前記第2基材上に形成されて所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備える構成とする。本発明に係る立体画像形成シートはさらに、前記光熱変換層が、当該光熱変換層が放出する熱により前記熱膨張層を膨張させることで、前記熱膨張層の表面を前記2次元パターンに対応させて隆起させることが可能なように、前記第2基材を介して前記熱膨張層に被覆されている。
本発明に係る立体画像の製造方法は、表面に凹凸を有する立体画像の製造方法であって、基材の一面側上に光熱変換層を形成する光熱変換層印刷工程と、前記光熱変換層を被覆する熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程と、光を照射して前記光熱変換層に到達させて、前記光熱変換層を形成された領域において前記熱膨張層を膨張させる光照射工程と、を順に行う。
本発明に係る別の立体画像の製造方法は、表面に凹凸を有する立体画像の製造方法であって、第1基材または第2基材の一面側に光熱変換層を形成する光熱変換層印刷工程と、前記第2基材の他面側に熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程と、を順不同で行った後に、前記第1基材の前記一面側と前記第2基材の前記一面側とを貼り合わせる基材積層工程と、光を照射して前記光熱変換層に到達させて、前記光熱変換層を形成された領域において前記熱膨張層を膨張させる光照射工程と、を順に行う。
本発明に係る立体画像形成シートによれば、表面にひび割れ等がなく、鮮明な色彩で、また、凹凸形状による表現が豊かな立体画像を形成することができる。本発明に係る立体画像の製造方法によれば、立体画像を生産性よく製造することができる。
第1の実施形態に係る立体画像形成シートを用いた立体画像の構成を示す模式図であり、(a)は外観図、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 第1の実施形態に係る立体画像の製造方法の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る立体画像の製造方法における工程を模式的に示す断面図であり、(a)は光熱変換層印刷工程、(b)は熱膨張層形成工程、(c)は画像印刷工程、(d)は断裁工程を示す。 第1の実施形態の変形例に係る立体画像形成シートを用いた立体画像の構成を示す模式図である。 第1の実施形態の変形例に係る立体画像形成シートを用いた立体画像の構成を示す模式図である。 第1の実施形態の変形例に係る立体画像形成シートを用いた立体画像の構成を示す模式図であり、(a)は外観図、(b)は(a)のB−B線における断面図である。 第2の実施形態に係る立体画像形成シートを用いた立体画像の構成を示す模式図であり、(a)は外観図、(b)は(a)のC−C線における断面図である。 第2の実施形態に係る立体画像の製造方法の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る立体画像の製造方法における工程を模式的に示す断面図であり、(a)は下地熱膨張層形成工程、(b)は光熱変換層印刷工程、(c)は表面熱膨張層形成工程、(d)は画像印刷工程を示す。 第2の実施形態の変形例に係る立体画像形成シートを用いた立体画像の構成を示す模式図であり、(a)は外観図、(b)は(a)のD−D線における断面図である。 第3の実施形態およびその変形例に係る立体画像形成シートを用いた立体画像の構成を示す模式図であり、(a)は外観図、(b)と(c)は(a)のE−E線における断面図であり、それぞれ第3の実施形態とその変形例である。 第3の実施形態に係る立体画像の製造方法の流れを示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る立体画像の製造方法における工程を模式的に示す断面図であり、(a)は熱膨張層形成工程、(b)は光熱変換層印刷工程、(c)は画像印刷工程、(d)は基材積層工程を示す。 第3の実施形態の変形例に係る立体画像の製造方法の流れを示すフローチャートである。 第3の実施形態の変形例に係る立体画像の製造方法における工程を模式的に示す断面図であり、(a)は熱膨張層形成工程、(b)は光熱変換層印刷工程、(c)は画像印刷工程、(d)は基材積層工程を示す。
以下、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための立体画像を例示するものであって、以下に限定するものではない。図面に示す部材は、説明を明確にするために、大きさや位置関係等を誇張していることがあり、また、形状を単純化していることがある。また、以下の説明において、同一のまたは同質の部材や工程については、同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
〔第1の実施形態〕
(立体画像)
第1の実施形態に係る立体画像形成シートの構成について、図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る立体画像形成シートを用いた立体画像(適宜、第1の実施形態に係る立体画像と称する)の構成を示す模式図であり、(a)が外観図、(b)が(a)のA−A線における断面図である。本明細書において、立体画像とは、色彩を有する画像および主にこの画像に付随した凹凸を一面側に有する印刷物であり、立体画像形成シートとは、立体画像の凹凸を形成される前の印刷物である。図1に示すように、本実施形態に係る立体画像1は、基材2と、基材2上の全面に設けられた熱膨張層3と、基材2と熱膨張層3の界面に形成された黒色パターンである光熱変換層4と、熱膨張層3の上面に形成されて一面側の表面(以下、単に表面という)に画像を構成する色彩層5と、を備え、熱膨張層3の膨張の大小によって形成された凹凸を有する。立体画像1は、図1(a)に示すように傘の絵が描画され、この傘の多くの部分が隆起して高く(厚さが大きく)、背景が低く平坦である。また、立体画像1は、全体の形状が横長の長方形であるが、形状や大きさ等を目的に応じて適宜選択することができる。なお、本明細書においては、別途記載のない限り、図1(b)およびその他の断面図における上下を同じく上下として説明する。以下、各部材の構成について、詳細に説明する。
基材2は、熱膨張層3を支持すると共に、光熱変換層4を構成する黒色インクを印刷するための被印刷物であり、平面視において立体画像1と同一形状に形成されている。基材2は、熱膨張層3との密着性がよく、光熱変換層4の印刷方式に対応可能な材料であり、さらに、熱膨張層3が部分的に膨張したときに、皺を生じたり大きく波打ったりしない程度の強度を有することが好ましい。具体的には、基材2は、例えば、一般的な印刷用紙を適用することができ、ケント紙等の厚口のものが好ましい。また、基材2は、白色の、または黒色以外の顔料で所望の色に着色されたものを適用することができる。あるいは、基材2は、OHPシート等に用いられるポリエステル等からなる耐熱性の樹脂フィルムを適用してもよい。なお、本明細書において、耐熱性とは、立体画像の製造における温度、特に熱膨張層を膨張させるための加熱温度に対する耐熱性を指す。
熱膨張層3は、厚さが領域毎に異なり、立体画像1の表面に凹凸を形成する。このような熱膨張層3は、公知の熱膨張性シートにも適用される、熱膨張性のマイクロカプセルを含有し、熱可塑性樹脂をバインダとして均一な厚さt0に形成された膜(図3に示す熱膨張層30)が、部分的に加熱されることによって形成される。マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成され、揮発性溶媒を内包し、前記熱可塑性樹脂や揮発性溶媒の種類にもよるが、約80℃以上に加熱されると、加熱温度、さらには加熱時間に応じた大きさに膨張する。すなわち、熱膨張層3は、熱膨張層30が加熱された部分で発泡、膨張して、加熱温度等に応じて厚さが増大することによって表面が隆起して形成される。熱膨張層30へのこのような部分的な加熱は、後記するように、熱膨張層30の下に形成された光熱変換層4が特定の波長域の光を変換して熱を放出することによって行われる。熱膨張層3は、さらに必要に応じて酸化チタン等の白色顔料を含有して、立体画像1の地色(背景色)を白くすることが好ましく、あるいは色彩層5の外観に影響がなければ、黒色以外の顔料で所望の色に着色されていてもよい。熱膨張層3は、最大で膨張前の10倍程度の厚さに膨張し、所望の最大凹凸差ΔtMAXに応じて、膨張前の、すなわち膨張させない領域(背景等)における厚さt0が設計される。ただし、膨張前の厚さt0が増大すると、熱膨張層30が被覆している光熱変換層4に光を到達させ難い。すなわち、熱膨張層3が膨張する前の立体画像1(図3(d)に示す立体画像形成シート10)において、熱膨張層30は、前記の特定の波長域の光を透過させるような材料や厚さで形成されて光熱変換層4を被覆し、多く透過させるほど好ましい。
光熱変換層4は、特定の波長域の光、例えば近赤外線光(波長780nm〜2.5μm)を吸収し、熱に変換して放出する。光熱変換層4は、基材2上に2次元パターンとして形成され、そのために印刷機による基材2への描画の可能な材料からなり、具体的にはカーボンブラックを含有する一般的な印刷用の黒色(K)インクからなる。光熱変換層4は、濃淡、すなわちカーボンブラックの面積あたりの付着量に応じて光を照射されたときの発熱温度が変化し、この温度に応じて、上に形成された膨張前の熱膨張層3(熱膨張層30)を膨張させて、立体画像1の表面に凹凸を形成する。したがって、光熱変換層4は、立体画像1のより高く凸状にしたい領域により濃く、最も高くする領域をベタ黒(K100%)として、グレースケール印刷で基材2の表面に描画される。さらに、光熱変換層4は、その2次元パターンに対応して熱膨張層30を膨張させて表面を隆起させることができるように形成される。詳しくは、光熱変換層4は、熱膨張層3が膨張する前の立体画像1(図3(d)に示す立体画像形成シート10)において、熱膨張層30を所望の厚さに膨張させる熱を、熱膨張層30を透過して到達した光を変換して放出することが可能な付着量で形成される。なお、本明細書において、「光」とは、別途記載のない限り、光熱変換層4のカーボンブラックによって熱に変換される近赤外線光とする。
色彩層5は、一般的な印刷用のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色インクからなり、例えばフルカラー印刷によって、所望の画像パターンを光熱変換層4の表面に描画する。色彩層5は、印刷方式によってはさらに白色インクを含んでもよい。なお、色彩層5における黒色は、前記3色の色インクの混色で表現し、カーボンブラックを含有する黒色インクは使用しない。
(立体画像の製造装置)
立体画像の製造に使用する装置について簡潔に説明する。立体画像1の製造には、膨張前の熱膨張層3(熱膨張層30(図3参照)と称する)を基材2上に形成する塗布装置と、光熱変換層4および色彩層5を描画する印刷機と、近赤外線光を照射することにより光熱変換層4を加熱して熱膨張層30を膨張させる光照射装置と、が使用される。さらに必要に応じて、立体画像1を仕上げ寸法に加工するために、紙等を断裁する公知の断裁機が使用される。
塗布装置は、塗料を紙等のシート状の基材に塗布して均一な厚さの塗膜を形成する装置であり、バーコーター、ローラー、スプレー等の方式による公知の装置を適用することができる。あるいは、塗布装置として、スクリーン印刷方式等の印刷機を使用してもよい。これらの装置で、必要に応じて重ね塗りを行い、所望の厚さの膨張前の熱膨張層3(熱膨張層30)を形成する。
印刷機は、光熱変換層4、色彩層5を描画する印刷機であり、オフセット、インクジェット等の公知のものを、印刷品質や生産形態(大量生産、少量生産)等に応じて適用する。また、印刷機は、被印刷物として、厚口の紙等からなる基材2に熱膨張層30を積層した(図3(b)参照)厚さに対応可能な仕様とし、さらに、被印刷物が熱膨張層30の熱膨張開始温度以上(例えば80℃程度以上)に加熱されない方式とする。印刷機は、同じ1台でインクを使い分けて光熱変換層4、色彩層5を描画することができ、あるいは、光熱変換層4を描画する印刷機と色彩層5を描画する印刷機とが異なる方式の印刷機でもよい。特に本実施形態においては、基材2に光熱変換層4を描画する印刷機は、基材2の耐熱温度未満であれば、トナー(レーザー)方式のような高温になる印刷機を適用することができる。
光照射装置は、熱膨張層30越しにその下の光熱変換層4に光を照射して熱膨張層30を加熱させる装置であり、熱膨張性シートで立体画像を形成するための公知の装置を適用することができ、被照射物として、立体画像1の厚さに対応可能な仕様とする。詳しくは、光照射装置は、印刷機のようにシート状の被照射物を一方向に搬送する搬送機構と、光熱変換層4によって熱に変換される近赤外線光を含む光を放射する光源と、反射板と、当該光照射装置を冷却する冷却器と、を主に備える。光源は、例えばハロゲンランプであり、被照射物へその全幅にわたって設けられる。反射板は、光源から被照射物へ光を効率的に照射するために、略半円柱の柱面形状の曲面に形成されて内側に鏡面を有し、光源の被照射物と対向する側の反対側を覆う。冷却器は、空冷方式のファンや水冷方式のラジエータ等であり、反射板の近傍に設けられる。
(立体画像の製造方法)
第1の実施形態に係る立体画像の製造方法について、図2、図3、および適宜図1を参照して説明する。図2は、第1の実施形態に係る立体画像の製造方法の流れを示すフローチャートである。図3は、第1の実施形態に係る立体画像の製造方法における工程を模式的に示す断面図であり、(a)は光熱変換層印刷工程、(b)は熱膨張層形成工程、(c)は画像印刷工程、(d)は断裁工程を示す。図2に示すように、本実施形態に係る立体画像の製造方法は、光熱変換層印刷工程S10と、熱膨張層形成工程S20と、画像印刷工程S30と、光照射工程S60と、を順に行い、さらに必要に応じて、画像印刷工程S30の次に断裁工程S40を行う。本実施形態においては、立体画像1の仕上げ寸法よりも大きな紙(原紙)から製造する。原紙20は、断裁前の基材2であり、原紙20の規格寸法と立体画像1の仕上げ寸法に応じて、1枚で、または4、8枚等に連続した状態で、あるいは巻取り紙で各工程の処理を行う。
光熱変換層印刷工程S10において、図3(a)に示すように、原紙20の表面に黒色インクで光熱変換層4を描画する。光熱変換層4と同時に、仕上げ寸法の枠外に断裁工程S40における断裁位置や画像印刷工程S30における見当合わせ等のための目印(トンボ、クロップマーク)を印刷してもよい。
熱膨張層形成工程S20において、図3(b)に示すように、原紙20の表面の光熱変換層4を印刷した上に、膨張前の熱膨張層3(熱膨張層30と表す)を厚さt0に形成する。膨張性のマイクロカプセル、白色顔料、および熱可塑性樹脂溶液を混合してスラリーを調製し、塗布装置で、原紙20の仕上げ寸法の枠内全体にスラリーを塗布し、乾燥させて熱膨張層30を形成する。なお、熱膨張層30を仕上げ寸法の枠外にも形成してよいが、光熱変換層印刷工程S10で印刷した目印を被覆しないようにする。
画像印刷工程S30において、図3(c)に示すように、熱膨張層30の表面に色インクで色彩層5を描画する。
断裁工程S40において、原紙20およびその上の熱膨張層30を目印にしたがって切断して、図3(d)に示すように、立体画像1の仕上げ寸法に加工して、立体画像形成シート10を得る。
光照射工程S60において、立体画像形成シート10の熱膨張層30を形成した側(図3(d)における上側)から光を照射する。光が熱膨張層30を透過して光熱変換層4に到達すると熱に変換され、熱膨張層30が、光熱変換層4の濃淡に対応した温度に加熱されて膨張して、図1(b)に示すように、表面に凹凸を有する熱膨張層3になる。熱膨張層30の加熱温度は当該熱膨張層30の材料にもよるが、約80℃以上とし、光熱変換層4の濃淡に対応して100〜120℃の範囲に分布することが好ましい。このような温度に変換される量の光が熱膨張層30を透過して光熱変換層4に到達するように、光照射装置の光源の出力や搬送速度を設定する。
(製造方法の変形例)
基材2は、耐熱性の樹脂フィルムも適用することができ、この場合には、特に光透過率の高いものが好ましい。光照射工程S60において基材2の側から光を照射することができ、熱膨張層30が光を透過しなくてよいので、厚膜化して熱膨張層3による凹凸差の大きな立体画像1を製造することができる。
断裁工程S40は、工程S10,S20,S30,S60のそれぞれで使用する装置(印刷機、塗布装置、光照射装置)に対応している被印刷物等の寸法に応じて、いずれの段階で行ってもよく、また、原紙20から立体画像1の仕上げ寸法よりも大きな形状に加工する工程を行ってもよい。ただし、断裁工程S40は、光照射工程S60の後に行う場合に、複数枚を重ねて同時に断裁機で加工しようとすると、熱膨張層3の表面の凹凸によって傾斜して積み重ねられることで加工し難くなり、作業性が低下することがある。また、凹凸を有する面への描画が可能な印刷機を使用して、画像印刷工程S30を光照射工程S60の後に行うこともでき、この場合には色彩層5に黒色インクを使用することができるので、黒色が鮮明に表された画像が得られる。あるいは、画像印刷工程S30を光照射工程S60の前後の2回に分けて、色インクによる熱膨張層30への印刷と黒色インクによる熱膨張層3への印刷とを行って、色彩層5を描画することもできる。
(立体画像の変形例)
立体画像1は、上面全体に熱膨張層3が設けられているが、これに限られず、熱膨張層3が光熱変換層4の全体を被覆していればよく、すなわち表面の一部において熱膨張層3を設けずに基材2が露出していてもよい。以下、第1の実施形態の変形例に係る立体画像形成シートを用いた立体画像の構成について、図4、図5、および図6を参照して説明する。図4に示すように、立体画像1Aは、周縁に基材2が露出している。熱膨張層3が形成されている領域は、例えば光熱変換層4および色彩層5を印刷する印刷機の印刷可能領域の全体を含む領域である。熱膨張層3が印刷機の印刷可能領域の全体に形成されているので、光熱変換層4や色彩層5のパターンにかかわらず、光熱変換層4が熱膨張層3で被覆され、色彩層5が熱膨張層3の表面に描画される。さらに、図5に示すように、立体画像1Bは、熱膨張層3が、光熱変換層4が形成されたすべての領域を内包する所定の形状、ここでは、楕円形状に形成されている。これらの立体画像1A,1Bは、熱膨張層形成工程S20において、予め基材2(原紙20)上にマスクを設けたり、スクリーン印刷等を適用することで製造することができる。
あるいは、熱膨張層3が、光熱変換層4が形成された領域に限定して形成されていてもよい。詳しくは、図6に示すように、立体画像1Cは、熱膨張層3が、光熱変換層4の近接して離間したパターン同士の間隙では膨張せずに設けられるように、光熱変換層4が形成された領域とこの領域から所定の距離まで、例えば色彩層5における輪郭線の幅程度までの一回り大きく拡張した領域に形成される。このような熱膨張層3は、一例として、光熱変換層4の描画データに基づいてスクリーン印刷等の版を作製して形成することができる。さらに、膨張していない厚さt0の熱膨張層3と基材2が露出した領域(厚さ=0)との段差を立体画像の凹凸の一部とすることもでき、熱膨張層3の厚さt0の領域を形成するために、例えば、熱膨張層30が膨張する温度に加熱されないように極めて淡いパターンで光熱変換層4を形成すればよい。なお、立体画像1B,1C等は、色彩層5が、基材2上の熱膨張層3を設けられていない領域にも描画されていてもよい。
以上のように、第1の実施形態によれば、白色インク等の下塗りによらずに鮮明な色彩で表面にひび割れ等のない立体画像を形成することができる。また、第1の実施形態によれば、熱膨張層が、光熱変換層を接触させて設けているため、光熱変換層から高効率に熱を伝達されて凹凸形状による表現が豊かなものになる。
〔第2の実施形態〕
(立体画像)
第2の実施形態に係る立体画像形成シートの構成について、図7を参照して説明する。図7は、第2の実施形態に係る立体画像形成シートを用いた立体画像(適宜、第2の実施形態に係る立体画像と称する)の構成を示す模式図であり、(a)が外観図、(b)が(a)のC−C線における断面図である。図7に示すように、本実施形態に係る立体画像1Dは、基材2と、基材2上の全面に設けられた熱膨張層3Aと、熱膨張層3Aの層内に形成された黒色パターンである光熱変換層4と、熱膨張層3Aの上面に形成されて表面に画像を構成する色彩層5と、を備え、熱膨張層3Aの膨張の大小によって形成された凹凸を有する。図7に示すように、立体画像1Dは、外観においては、周縁が僅かに薄い(上面が低い)ことを除いて、第1の実施形態に係る立体画像1(図1参照)と一致する。
基材2および色彩層5は、第1の実施形態にて説明した通りである。
熱膨張層3Aは、第1の実施形態に係る立体画像1の熱膨張層3と同様に、熱膨張性のマイクロカプセルを含有する熱可塑性樹脂膜が部分的に加熱されて得られ、厚さが領域毎に異なって、立体画像1Dの表面に凹凸を形成する。ただし、立体画像1Dにおいては、熱膨張層3Aは、その層内に光熱変換層4を内包する。このような熱膨張層3Aは、後記製造方法にて説明するように2層に分けて形成される。さらに立体画像1Dにおいて、熱膨張層3Aは、下側の層(図9(c)、(d)に示す膨張前における下地熱膨張層31)が基材2の表面全体に設けられ、その上に周縁を除いて上側の層(図9(c)、(d)に示す膨張前における表面熱膨張層32)が形成されているので、周縁で上面が僅かに低くなって段差を有する。表面熱膨張層32が形成されている領域は、光熱変換層4および色彩層5を印刷する印刷機の印刷可能領域の全体を含む領域である。光熱変換層4の上側における熱膨張層3Aの厚さt2(図7(b)では最大値で示す)は、外観にて透けて光熱変換層4が視認されない程度であればよく、膨張前における厚さ(表面熱膨張層32の厚さ)t02がより薄いことが好ましい。表面熱膨張層32の厚さt02が薄いほど、膨張前の熱膨張層3A(熱膨張層31,32)に内包された光熱変換層4に光を多く到達させ易く、また、立体画像1Dの周縁における下地熱膨張層31との段差が視認され難い。表面熱膨張層32の厚さt02および膨張前の熱膨張層3Aの厚さt0に応じて、下地熱膨張層31の厚さt01(図9(a)参照)が設計される(t0=t01+t02)。なお、基材2および下地熱膨張層31については、これらの積層体として、公知の熱膨張性シートを流用することができる。
光熱変換層4は、第1の実施形態にて説明した通り、黒色インクからなる。ただし、立体画像1Dにおいては、光熱変換層4は、熱膨張層3Aの層間に形成される。詳しくは、光熱変換層4は、熱膨張層3Aの膨張前の均一な厚さt01,t02の下地熱膨張層31、表面熱膨張層32(図9(c)参照)の界面に、2次元パターンとして形成される。熱膨張層31,32の膨張に伴い、熱膨張層3Aの表面(表面熱膨張層32の表面)と共に熱膨張層31,32の界面にも凹凸が形成されるため、光熱変換層4は、この界面に沿って図7(b)に示すように凹凸状となる。このような光熱変換層4は、後記製造方法にて説明するように、膨張前の熱膨張層3Aの下側の層(下地熱膨張層31)の上面に印刷される。また、本実施形態においては、熱膨張層31,32を膨張させる熱に光熱変換層4が変換する光が、厚さt02の表面熱膨張層32のみを透過して当該光熱変換層4に到達する。そのため、第1の実施形態と比較して、外部(光照射装置)から照射される光の量に対して、光熱変換層4は付着量が少なく(淡く)形成される。言い換えると、光熱変換層4は、熱膨張層3Aが膨張する前の立体画像1D(図9(d)に示す立体画像形成シート10D)において、熱膨張層31,32を所望の厚さに膨張させる熱を、表面熱膨張層32を透過して到達した光を変換して放出することが可能な付着量で形成される。
(立体画像の製造装置)
第2の実施形態に係る立体画像の製造に使用する装置は、第1の実施形態にて説明した通りである。ただし、膨張前の熱膨張層3Aを形成するために、塗布装置を2回使用し、それぞれで異なる方式のものを適用することができる。1回目の塗布装置は、下地熱膨張層31を基材2上に形成し、第1の実施形態にて挙げた公知の装置の中でも、均一な厚塗りに好適なバーコーター方式のものが好ましく、被塗布物となる断裁前の基材2(原紙20)が巻取り紙であってもよい。一方、2回目の塗布装置は、表面熱膨張層32を形成し、1回目と共通であってもよいが、形成する表面熱膨張層32が比較的薄いため、スクリーン印刷方式の印刷機や、重ね塗り等によるインクの厚塗りの可能な仕様のインクジェット方式等の印刷機を使用することができる。また、光熱変換層4を描画する印刷機は、光熱変換層4を熱膨張層3Aの下側の層(下地熱膨張層31)に描画するために、色彩層5を描画する印刷機と同様に、被印刷物が熱膨張層31,32の熱膨張開始温度以上に加熱されない方式とする。
(立体画像の製造方法)
第2の実施形態に係る立体画像の製造方法について、図8、図9、および適宜図7を参照して説明する。図8は、第2の実施形態に係る立体画像の製造方法の流れを示すフローチャートである。図9は、第2の実施形態に係る立体画像の製造方法における工程を模式的に示す断面図であり、(a)は下地熱膨張層形成工程、(b)は光熱変換層印刷工程、(c)は表面熱膨張層形成工程、(d)は画像印刷工程を示す。図8に示すように、本実施形態に係る立体画像の製造方法は、下地熱膨張層形成工程S21と、光熱変換層印刷工程S10と、表面熱膨張層形成工程S22と、画像印刷工程S30と、光照射工程S60と、を順に行い、さらに必要に応じて、下地熱膨張層形成工程S21の次に断裁工程S40を行う。本実施形態においては、下地熱膨張層形成工程S21で塗布装置に対応するように、例えば巻取り紙を原紙20とし、下地熱膨張層31を形成した後に、立体画像1Dの仕上げ寸法に断裁する。
下地熱膨張層形成工程S21において、図9(a)に示すように、原紙20の表面に下地熱膨張層31を厚さt01に形成する。下地熱膨張層31の形成方法は、第1の実施形態の熱膨張層形成工程S20と同様である。
断裁工程S40において、原紙20およびその上の下地熱膨張層31を切断して、立体画像1Dの仕上げ寸法に加工する。
光熱変換層印刷工程S10において、図9(b)に示すように、基材2上の下地熱膨張層31の表面に、第1の実施形態と同様に黒色インクで光熱変換層4を描画する。
表面熱膨張層形成工程S22において、図9(c)に示すように、光熱変換層4を印刷した下地熱膨張層31の表面の所定の領域に、表面熱膨張層32を厚さt02に形成する。例えばスクリーン印刷機を塗布装置に適用した場合は、前記所定の領域の形状の版を作製してこれを使用する。なお、後続の光照射工程S60の前においては、光熱変換層4が表面熱膨張層32の上から透けて視認されてもよく、膨張後の表面熱膨張層32の上から光熱変換層4が視認されなければよい。
画像印刷工程S30において、図9(d)に示すように、表面熱膨張層32の表面に、第1の実施形態と同様に色インクで色彩層5を描画して、立体画像形成シート10Dを得る。
光照射工程S60において、第1の実施形態と同様に、立体画像形成シート10Dの表面熱膨張層32を形成した側から光を照射する。光が表面熱膨張層32を透過して光熱変換層4に到達して熱に変換されると、下地熱膨張層31および表面熱膨張層32が加熱されて、図7(b)に示すように、表面に凹凸を有する熱膨張層3Aになる。本実施形態においては、光熱変換層4に光が到達し易いので、光の強度や照射時間を少なくすることができる。または、光熱変換層印刷工程S10において、第1の実施形態と比較して、光熱変換層4が熱膨張層3Aの凸状とする高さに対して淡く(明度を高く)形成されてもよい。
(製造方法の変形例)
立体画像1Dは、下地熱膨張層31が積層された基材2として公知の熱膨張性シートを適用することができ、この熱膨張性シートの製造において、下地熱膨張層形成工程S21および断裁工程S40が行われている。また、第1の実施形態にて説明したように、印刷機の被印刷物の寸法等によっては、下地熱膨張層形成工程S21の次に、前記寸法(立体画像1Dの仕上げ寸法よりも大きな寸法)に加工する工程を行い、画像印刷工程S30の後に断裁工程S40を行ってもよい。また、第1の実施形態と同様に、印刷機の仕様によっては、画像印刷工程S30を光照射工程S60の後に行うこともできる。
(立体画像の変形例)
立体画像1Dは、熱膨張層3Aが光熱変換層4の全体を被覆していればよい。そのために、表面熱膨張層32が、光熱変換層4が形成されたすべての領域を内包する形状であればよく、例えば楕円形状に形成されていてもよく、または下地熱膨張層31と同様に上面全体に形成されていてもよい。また、立体画像1Dは、下地熱膨張層31も、光熱変換層4が形成されたすべての領域を内包する形状であればよく、上面全体に形成されずに、基材2が露出していてもよい。あるいは、下地熱膨張層31よりも表面熱膨張層32が広い領域に形成されていてもよい。なお、表面熱膨張層32が下地熱膨張層31の全体を被覆して形成されている場合、表面熱膨張層32にのみ白色顔料等を含有させてもよい。
また、表面熱膨張層32が、光熱変換層4が形成された領域に限定して形成されていてもよい。詳しくは、図10に示すように、立体画像1Eは、表面熱膨張層32が第1の実施形態の変形例に係る立体画像1C(図6参照)の熱膨張層3と同様に、光熱変換層4が形成された領域とこの領域から所定の距離までの一回り大きく拡張した領域に形成される。このような表面熱膨張層32は、スクリーン印刷等で形成することもできるが、塗布装置に例えばインクの厚塗りの可能な仕様のインクジェット方式の印刷機を使用して形成してもよい。インクジェット方式であれば、版が不要なので少量生産に好適であり、また、表面熱膨張層32の面積がより小さくなるので、印刷時間がある程度抑えられる。
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、鮮明な色彩で表面にひび割れ等のない立体画像を形成することができ、さらに、熱膨張層を厚膜化しても照射する光量を増大させる等の必要がなく、容易に凹凸差が大きく表現のいっそう豊かな立体画像を製造することができる。また、公知の熱膨張性シートを適用する等、別ラインで熱膨張層の表層を除いた多くの部分を占める下地熱膨張層を巻取り紙等の基材上に形成することができ、さらに、光熱変換層および色彩層をそれぞれ描画する印刷機にインクジェット方式等の版の不要な印刷機を共用することで、簡易な設備で立体画像を製造することができ、少量生産にも好適である。
〔第3の実施形態〕
(立体画像)
第3の実施形態およびその変形例に係る立体画像形成シートの構成について、図11を参照して説明する。図11は、第3の実施形態およびその変形例に係る立体画像形成シートを用いた立体画像(適宜、第3の実施形態に係る立体画像、第3の実施形態の変形例に係る立体画像と称する)の構成を示す模式図であり、(a)が外観図、(b)と(c)が(a)のE−E線における断面図であり、それぞれ第3の実施形態とその変形例である。図11(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る立体画像1Fは、第1基材21および第2基材22が接着層23を挟んで積層されてなる基材2Aと、基材2A上に設けられた熱膨張層3と、第1基材21と第2基材22の間に形成された黒色パターンである光熱変換層4Aと、熱膨張層3の上面に形成されて表面に画像を構成する色彩層5と、を備え、熱膨張層3の膨張の大小によって形成された凹凸を有する。図11(a)に示すように、立体画像1Fは、外観においては、第1の実施形態の変形例に係る立体画像1A(図4参照)と一致する。
基材2Aは、第1基材21と第2基材22が接着層23で貼り合わされてなる。下側の第1基材21は、立体画像1Fにおける台紙であり、平面視において立体画像1Fと同一形状に形成され、第2基材22と共に熱膨張層3を支持する。上側の第2基材22は、第1基材21よりも一回り小さな形状に形成され、膨張前の熱膨張層3を表面で支持すると共に、光熱変換層4Aを構成する黒色インクを裏面に印刷するための被印刷物である。第1基材21は、第2基材22を貼り合わされた状態で、熱膨張層3が部分的に膨張したときに、皺を生じたり大きく波打ったりしない程度の強度を有することが好ましい。具体的には、第1基材21は、例えば、一般的な印刷用紙を適用することができ、ケント紙や画用紙等の厚口のものが好ましく、また、白色に、または黒色以外の顔料で所望の色に着色されたものを適用することができ、官製、私製のはがき等を適用することもできる。あるいは、第1基材21は、OHPシート等に用いられるポリエステル等からなる耐熱性の樹脂フィルムを適用してもよい。第2基材22は、熱膨張層3との密着性がよく、光熱変換層4Aの印刷方式に対応可能な材料であり、膨張前の熱膨張層3(図13に示す熱膨張層30)の形成時にこれを支持し、熱膨張層30が積層された状態で光熱変換層4Aおよび色彩層5を印刷することのできる強度であり、かつ、光を透過し易く、熱を伝達させ易いことが好ましい。具体的には、第2基材22は、例えば、一般的な印刷用紙を適用することができ、前記強度が得られる程度に、より薄いものが好ましい。あるいは、第2基材22は、耐熱性の樹脂フィルムを適用してもよく、特に光透過率の高い材料が好ましい。
接着層23は、第1基材21と第2基材22とを貼り合わせる接着剤であり、詳しくは、第2基材22の裏面およびこの裏面に描画された光熱変換層4Aと、第1基材21の表面と、を貼り合わせる。接着層23は、第1基材21および第2基材22に対応した公知の材料を適用することができ、さらに、熱膨張層3が部分的に膨張したときに、第2基材22が追随して変形しようとして第1基材21から剥離することのない強い粘着性と十分な耐熱性を有するものが好ましく、例えば両面テープ等でもよい。
熱膨張層3は、第2基材22の表面全体に設けられ、その他の構成は第1の実施形態にて説明した通りである。
光熱変換層4Aは、第2基材22の裏面に2次元パターンとして形成され、そのために第1の実施形態に係る立体画像1の光熱変換層4に対して鏡像に描画される。光熱変換層4Aのその他の構成は、光熱変換層4と同様の構成である。さらに、光熱変換層4Aは、熱膨張層3が膨張する前の立体画像1F(図13(d)に示す立体画像形成シート10F)において、熱膨張層30を所望の厚さに膨張させる熱を、熱膨張層30および第2基材22を透過して到達した光を変換して放出することが可能な付着量で形成される。
色彩層5は、第1の実施形態にて説明した通りである。
(立体画像の製造装置)
第3の実施形態に係る立体画像の製造に使用する装置は、第2の実施形態にて説明したものを使用することができ、ただし2回目用の塗布装置は不要である。また、断裁機は、必要に応じて、第1基材21と、膨張前の熱膨張層3が積層された第2基材22と、をそれぞれ加工するために使用し、被加工物の厚さや加工寸法等に対応したものであれば、同じ1台でも異なる仕様でもよい。さらに必要に応じて、第1基材21と第2基材22を貼り合わせるために、合紙貼合機を使用する。
(立体画像の製造方法)
第3の実施形態に係る立体画像の製造方法について、図12、図13、および適宜図11を参照して説明する。図12は、第3の実施形態に係る立体画像の製造方法の流れを示すフローチャートである。図13は、第3の実施形態に係る立体画像の製造方法における工程を模式的に示す断面図であり、(a)は熱膨張層形成工程、(b)は光熱変換層印刷工程、(c)は画像印刷工程、(d)は基材積層工程を示す。図12に示すように、本実施形態に係る立体画像の製造方法は、熱膨張層形成工程S20と、光熱変換層印刷工程S10Aと、画像印刷工程S30と、基材積層工程S50と、光照射工程S60と、を順に行い、さらに必要に応じて、熱膨張層形成工程S20の次に断裁工程S42を行い、また、一連の工程S20〜S30に並行して断裁工程S41を行う。本実施形態においては、第1基材21と第2基材22とを別々に断裁する。
熱膨張層形成工程S20において、図13(a)に示すように、第2基材22の断裁前である原紙20Aの表面に、第1の実施形態と同様に熱膨張層30を厚さt0に形成する。
断裁工程S42において、原紙20Aおよびその上の熱膨張層30を切断して、立体画像1Fの仕上げ寸法よりも一回り小さな所定の形状に加工して、熱膨張層30を積層した第2基材22とする。
光熱変換層印刷工程S10Aにおいて、図13(b)に示すように、第2基材22の裏面に光熱変換層4Aを、第1の実施形態と同様に黒色インクで描画する。
画像印刷工程S30において、図13(c)に示すように、第1の実施形態と同様に、第2基材22上に形成された熱膨張層30の表面に色インクで色彩層5を描画する。
基材積層工程S50において、図13(d)に示すように、立体画像1Fの仕上げ寸法に予め断裁した(断裁工程S41)第1基材21上に、熱膨張層30等を形成した第2基材22を、接着層23で貼り合わせて、立体画像形成シート10Fを得る。具体的には、第2基材22の光熱変換層4Aを描画した裏面、および第1基材21の表面の少なくとも一方に、糊(接着層23)を塗布し、これらの面で貼り合わせる。基材積層工程S50は、手作業で行ってもよいし、合紙加工用の自動、半自動の貼合機等を使用してもよい。
光照射工程S60において、第1の実施形態と同様に、立体画像形成シート10Fの熱膨張層30を形成した側から光を照射する。光が熱膨張層30および第2基材22を透過して光熱変換層4Aに到達して熱に変換されると、熱膨張層30が加熱されて、図11(b)に示すように、表面に凹凸を有する熱膨張層3になる。
第1基材21は、第1の実施形態に係る立体画像1の基材2と同様に、耐熱性の樹脂フィルム、特に光透過率の高いものを適用することもでき、光照射工程S60において基材2A(第1基材21)の側から光を照射することができる。
本実施形態においては、光熱変換層印刷工程S10Aと画像印刷工程S30を、順序を入れ替えて行ってもよく、また、両面印刷に対応した1台の印刷機を使用して、連続して行うこともできる。また、画像印刷工程S30を、基材積層工程S50の後に行うこともできるが、色彩層5を、光熱変換層4Aに対して位置がずれないように描画する。さらに、第1の実施形態と同様に、印刷機の仕様によっては、画像印刷工程S30を光照射工程S60の後に行うこともできる。
立体画像1Fは、熱膨張層3が全面に設けられていてもよく、この場合は、断裁工程S42にて、熱膨張層30を形成した第2基材22を第1基材21と同一寸法に断裁するか、基材積層工程S50の後に第1基材21ごと仕上げ寸法に断裁すればよい。また、立体画像1Fは、熱膨張層3および上面にこれを設けた第2基材22の形状が矩形に限られず、光熱変換層4Aおよび色彩層5が形成されたすべての領域を内包する所望の形状に形成されていてもよい。一例としては、熱膨張層3および第2基材22が、第1の実施形態の変形例に係る立体画像1B(図5参照)の熱膨張層3のような楕円形状に形成されていてもよい。このような立体画像1Fは、第2基材22等の前記形状が印刷機に不適な場合、断裁工程S42においては印刷機に対応した寸法に断裁し、基材積層工程S50の前において光熱変換層印刷工程S10Aおよび画像印刷工程S30の後に、熱膨張層30を積層した第2基材22を再度加工して、所望の形状として製造することができる。この2回目の加工は、前記所望の形状に応じて、打抜き加工やはさみを使用した手作業等で行うことができる。さらに、熱膨張層3および第2基材22が、第1の実施形態の別の変形例に係る立体画像1C(図6参照)の熱膨張層3のように、光熱変換層4Aおよび色彩層5が形成された領域に限定して設けられてもよく、前記の楕円形状等に形成する場合と同様に、熱膨張層30を設けた第2基材22を加工すればよい。ただし、熱膨張層30を設けた第2基材22が、第1基材21に貼り合わされる前にちぎれる等破損しないように、所定幅未満の箇所がない形状に設計されることが好ましい。
(変形例)
立体画像1Fは、第2基材22の裏面に鏡像で光熱変換層4Aが描画されているが、第1基材21の表面に光熱変換層4が描画されていてもよい。すなわち、図11(a)、(c)に示すように、本変形例に係る立体画像1Gは、第1基材21および第2基材22Bが接着層23Bを挟んで積層されてなる基材2Bと、基材2B上に設けられた熱膨張層3と、第1基材21と第2基材22Bの間に形成された黒色パターンである光熱変換層4と、熱膨張層3の上面に形成されて表面に画像を構成する色彩層5と、を備え、熱膨張層3の膨張の大小によって形成された凹凸を有する。本変形例では、第1、第2の実施形態と同様に光熱変換層4を備え、これを第1基材21の表面に描画される。
基材2Bは、第1基材21と第2基材22Bが接着層23Bで貼り合わされてなる。第1基材21は、第3の実施形態にて説明した通りであり、ただし本変形例においては、光熱変換層4の印刷方式に対応可能な材料とする。第2基材22Bは、第3の実施形態の第2基材22と同様に、第1基材21よりも一回り小さな形状に形成され、熱膨張層3との密着性がよい材料で、光を透過し易く、熱を伝達させ易いことが好ましい。接着層23Bは、第1基材21の表面およびこの表面に描画された光熱変換層4と、第2基材22Bの裏面と、を貼り合わせる公知の接着剤であり、第3の実施形態の接着層23と同様に十分な粘着性と耐熱性を有し、さらに面内に均一な厚さに形成され、光を透過し易く、熱を伝達させ易いことが好ましい。なお、後記製造方法にて説明するように、第2基材22Bおよび接着層23Bは、シール用の公知のタック紙(ラベル)を流用することができる。第2基材22Bが、タック紙の表面基材として剥離紙に貼り合わされていることにより、薄い等、単体での強度が低くても、表面に膨張前の熱膨張層3を形成することが容易であり、また、裏面に接着層23Bが予め塗布されているので、手作業等で簡易に第1基材21と貼り合わせることができる。
熱膨張層3は、第2基材22Bの表面全体に設けられ、その他の構成は第1の実施形態にて説明した通りである。
光熱変換層4は、第1基材21の表面に2次元パターンとして形成され、その他の構成は第1の実施形態にて説明した通りである。さらに、光熱変換層4は、熱膨張層3が膨張する前の立体画像1G(図15(d)に示す立体画像形成シート10G)において、熱膨張層30を所望の厚さに膨張させる熱を、熱膨張層30、第2基材22Bおよび接着層23Bを透過して到達した光を変換して放出することが可能な付着量で形成される。
色彩層5は、第1の実施形態にて説明した通りである。
第3の実施形態の変形例に係る立体画像の製造方法について、図14、図15、および適宜図11を参照して説明する。図14は、第3の実施形態の変形例に係る立体画像の製造方法の流れを示すフローチャートである。図15は、第3の実施形態の変形例に係る立体画像の製造方法における工程を模式的に示す断面図であり、(a)は熱膨張層形成工程、(b)は光熱変換層印刷工程、(c)は基材積層工程、(d)は画像印刷工程を示す。図14に示すように、本変形例に係る立体画像の製造方法は、光熱変換層印刷工程S10と熱膨張層形成工程S20を並行して行った後に、基材積層工程S50と、画像印刷工程S30と、光照射工程S60と、を順に行い、さらに、光熱変換層印刷工程S10の前に断裁工程S41を、熱膨張層形成工程S20の次に断裁工程S42Aを、それぞれ必要に応じて行う。本変形例においては、第2基材22Bの断裁前の原紙として、図15(a)に示すように、裏面に糊(接着層23B)を塗布されて剥離紙24に貼り合わされたタック紙20Bの表面基材を流用する。
熱膨張層形成工程S20において、図15(a)に示すように、タック紙20Bの表面基材(第2基材22B)側の表面に、第3の実施形態と同様に熱膨張層30を厚さt0に形成する。
断裁工程S42Aにおいて、タック紙20Bおよびその上の熱膨張層30を切断して、所定の形状に加工する。このとき、タック紙20Bの剥離紙24は切断しなくてもよく、ハーフカット加工を行ってもよい。
光熱変換層印刷工程S10において、図15(b)に示すように、立体画像1Gの仕上げ寸法に予め断裁した(断裁工程S41)第1基材21の表面に、第1の実施形態と同様に黒色インクで光熱変換層4を描画する。なお、本変形例では、第1の実施形態と同様にトナー方式のような高温になる印刷機を適用することができる。
基材積層工程S50において、図15(c)に示すように、第1基材21の表面の光熱変換層4を印刷した上に、熱膨張層30を形成した第2基材22Bを剥離紙24から剥離して裏面の接着層23Bで貼り合わせる。
画像印刷工程S30において、図15(d)に示すように、第1の実施形態と同様に、基材2B上の熱膨張層30の表面に色インクで色彩層5を描画して、立体画像形成シート10Gを得る。
光照射工程S60において、第3の実施形態と同様に、立体画像形成シート10Gの熱膨張層30を形成した側から光を照射することによって、熱膨張層30が図11(c)に示すように表面に凹凸を有する熱膨張層3になる。なお、第3の実施形態にて説明したように、第1基材21に光透過率の高い樹脂フィルムを適用して、基材2Bの側から光を照射することもできる。
本変形例においては、第1の実施形態と同様に、印刷機の仕様によっては、画像印刷工程S30を光照射工程S60の後に行うこともできる。あるいは、画像印刷工程S30を基材積層工程S50の前に行って、第2基材22B(タック紙20B)上に形成した熱膨張層30の表面に色彩層5を描画することもできる。ただしこの場合には、基材積層工程S50で、光熱変換層4と色彩層5の互いの位置がずれないように第1基材21と第2基材22Bを貼り合わせる。また、第2基材22Bが単体(単層)で十分な強度があれば、熱膨張層形成工程S20において、第3の実施形態と同様に、第2基材22Bの原紙に熱膨張層30を形成することもでき、基材積層工程S50で、第2基材22Bの裏面に糊(接着層23B)を塗布して、光熱変換層4を描画した第1基材21に貼り合わせればよい。あるいは、前記の熱膨張層形成工程S20の次に、第2基材22Bの裏面に糊(接着層23B)を塗布して剥離紙24に貼り付けて熱膨張層30を形成したタック紙20Bを得てもよい。
立体画像1Gは、立体画像1Fと同様に、熱膨張層3を所望の形状に形成することができ、断裁工程S42Aにて、熱膨張層30を形成したタック紙20Bを前記形状に加工すればよい。
以上のように、第3の実施形態およびその変形例によれば、第1の実施形態と同様に、鮮明な色彩で表面にひび割れ等のない立体画像を形成することができ、熱膨張層が、光熱変換層との間に介した第2基材が十分に薄いため、光熱変換層から高効率に熱を伝達されて凹凸形状による表現が豊かなものになる。さらに、別ラインで熱膨張層を巻取り紙等の基材上に形成することができるので、第2の実施形態と同様に簡易な設備で立体画像を製造することができ、少量生産にも好適である。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
《請求項1》
基材上に2次元パターンとして形成され、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、
所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備え、
前記熱膨張層は、前記光熱変換層を被覆していることを特徴とする立体画像形成シート。
《請求項2》
基材上に2次元パターンとして形成され、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、
所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備え、
前記光熱変換層は、当該光熱変換層が放出する熱により前記熱膨張層を膨張させることで、前記熱膨張層の表面を前記2次元パターンに対応させて隆起させることが可能なように、前記熱膨張層に被覆されていることを特徴とする立体画像形成シート。
《請求項3》
前記光熱変換層は、前記基材と前記熱膨張層の界面に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体画像形成シート。
《請求項4》
前記光熱変換層は、前記熱膨張層内の所定の位置に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体画像形成シート。
《請求項5》
第1基材と、
前記第1基材上に積層された第2基材と、
前記第1基材と前記第2基材の間に2次元パターンとして形成され、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、
前記第2基材上に形成された、所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備えることを特徴とする立体画像形成シート。
《請求項6》
第1基材と、
前記第1基材上に積層された第2基材と、
前記第1基材と前記第2基材の間に2次元パターンとして形成され、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、
前記第2基材上に形成された、所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備え、
前記光熱変換層は、当該光熱変換層が放出する熱により前記熱膨張層を膨張させることで、前記熱膨張層の表面を前記2次元パターンに対応させて隆起させることが可能なように、前記第2基材を介して前記熱膨張層に被覆されていることを特徴とする立体画像形成シート。
《請求項7》
前記第1基材と前記第2基材の間に、接着層をさらに備える請求項5または請求項6に記載の立体画像形成シート。
《請求項8》
前記熱膨張層に画像が描画されている請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の立体画像形成シート。
《請求項9》
表面に凹凸を有する立体画像の製造方法であって、
基材の一面側上に光熱変換層を形成する光熱変換層印刷工程と、
前記光熱変換層を被覆する熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程と、
光を照射して前記光熱変換層に到達させて、前記光熱変換層を形成された領域において前記熱膨張層を膨張させる光照射工程と、を順に行うことを特徴とする立体画像の製造方法。
《請求項10》
前記光熱変換層印刷工程の前に、前記基材の前記一面側に下地熱膨張層を形成する下地熱膨張層形成工程をさらに行い、
前記光熱変換層印刷工程において、前記下地熱膨張層に前記光熱変換層を形成する請求項9に記載の立体画像の製造方法。
《請求項11》
表面に凹凸を有する立体画像の製造方法であって、
第1基材または第2基材の一面側に光熱変換層を形成する光熱変換層印刷工程と、
前記第2基材の他面側に熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程と、を順不同で行った後に、
前記第1基材の前記一面側と前記第2基材の前記一面側とを貼り合わせる基材積層工程と、
光を照射して前記光熱変換層に到達させて、前記光熱変換層を形成された領域において前記熱膨張層を膨張させる光照射工程と、を順に行うことを特徴とする立体画像の製造方法。
《請求項12》
前記熱膨張層形成工程よりも後に、前記熱膨張層に画像を描画する画像印刷工程をさらに行う請求項9ないし請求項11のいずれか一項に記載の立体画像の製造方法。
10,10D,10F,10G 立体画像形成シート
1,1A〜1F 立体画像
2,2A,2B 基材
21 第1基材
22,22B 第2基材
23,23B 接着層
30 熱膨張層
3,3A 熱膨張層
31 下地熱膨張層
32 表面熱膨張層
4,4A 光熱変換層
5 色彩層(画像)
S10,S10A 光熱変換層印刷工程
S20 熱膨張層形成工程
S21 下地熱膨張層形成工程
S22 表面熱膨張層形成工程(熱膨張層形成工程)
S30 画像印刷工程
S40 断裁工程
S50 基材積層工程
S60 光照射工程
本発明に係る立体画像形成シートは、第1基材と、前記第1基材上に積層された第2基材と、前記第1基材と前記第2基材の間に2次元パターンとして形成されて吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、前記第2基材上に形成されて所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備え、前記第1基材は前記光を透過する材料からなる構成とする
本発明に係る立体画像形成シートは、第1基材と、前記第1基材上に積層された第2基材と、前記第1基材と前記第2基材の間に2次元パターンとして形成され、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、前記第2基材上に形成された、所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備え、前記光熱変換層は、当該光熱変換層が放出する熱により前記熱膨張層を膨張させることで、前記熱膨張層の表面を前記2次元パターンに対応させて隆起させることが可能なように、前記第2基材を介して前記熱膨張層に被覆され、前記第1基材は前記光を透過する材料からなる。

Claims (12)

  1. 基材上に2次元パターンとして形成され、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、
    所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備え、
    前記熱膨張層は、前記光熱変換層を被覆していることを特徴とする立体画像形成シート。
  2. 基材上に2次元パターンとして形成され、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、
    所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備え、
    前記光熱変換層は、当該光熱変換層が放出する熱により前記熱膨張層を膨張させることで、前記熱膨張層の表面を前記2次元パターンに対応させて隆起させることが可能なように、前記熱膨張層に被覆されていることを特徴とする立体画像形成シート。
  3. 前記光熱変換層は、前記基材と前記熱膨張層の界面に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体画像形成シート。
  4. 前記光熱変換層は、前記熱膨張層内の所定の位置に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体画像形成シート。
  5. 第1基材と、
    前記第1基材上に積層された第2基材と、
    前記第1基材と前記第2基材の間に2次元パターンとして形成され、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、
    前記第2基材上に形成された、所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備えることを特徴とする立体画像形成シート。
  6. 第1基材と、
    前記第1基材上に積層された第2基材と、
    前記第1基材と前記第2基材の間に2次元パターンとして形成され、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層と、
    前記第2基材上に形成された、所定の温度以上の熱が加えられることにより膨張する熱膨張層と、を備え、
    前記光熱変換層は、当該光熱変換層が放出する熱により前記熱膨張層を膨張させることで、前記熱膨張層の表面を前記2次元パターンに対応させて隆起させることが可能なように、前記第2基材を介して前記熱膨張層に被覆されていることを特徴とする立体画像形成シート。
  7. 前記第1基材と前記第2基材の間に、接着層をさらに備える請求項5または請求項6に記載の立体画像形成シート。
  8. 前記熱膨張層に画像が描画されている請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の立体画像形成シート。
  9. 表面に凹凸を有する立体画像の製造方法であって、
    基材の一面側上に光熱変換層を形成する光熱変換層印刷工程と、
    前記光熱変換層を被覆する熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程と、
    光を照射して前記光熱変換層に到達させて、前記光熱変換層を形成された領域において前記熱膨張層を膨張させる光照射工程と、を順に行うことを特徴とする立体画像の製造方法。
  10. 前記光熱変換層印刷工程の前に、前記基材の前記一面側に下地熱膨張層を形成する下地熱膨張層形成工程をさらに行い、
    前記光熱変換層印刷工程において、前記下地熱膨張層に前記光熱変換層を形成する請求項9に記載の立体画像の製造方法。
  11. 表面に凹凸を有する立体画像の製造方法であって、
    第1基材または第2基材の一面側に光熱変換層を形成する光熱変換層印刷工程と、
    前記第2基材の他面側に熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程と、を順不同で行った後に、
    前記第1基材の前記一面側と前記第2基材の前記一面側とを貼り合わせる基材積層工程と、
    光を照射して前記光熱変換層に到達させて、前記光熱変換層を形成された領域において前記熱膨張層を膨張させる光照射工程と、を順に行うことを特徴とする立体画像の製造方法。
  12. 前記熱膨張層形成工程よりも後に、前記熱膨張層に画像を描画する画像印刷工程をさらに行う請求項9ないし請求項11のいずれか一項に記載の立体画像の製造方法。
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