JP3168854B2 - 立体画像形成用シート - Google Patents

立体画像形成用シート

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JP3168854B2 JP03492895A JP3492895A JP3168854B2 JP 3168854 B2 JP3168854 B2 JP 3168854B2 JP 03492895 A JP03492895 A JP 03492895A JP 3492895 A JP3492895 A JP 3492895A JP 3168854 B2 JP3168854 B2 JP 3168854B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立体画像形成用シート
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の立体画像形成用シートに
ついては、例えば、特公昭59ー35359号公報に、
熱膨張性シート表面に、その熱膨張性シートよりも光吸
収性の高い材料で所望の画像を形成し、その表面に光照
射を行い、光吸収の差を利用して画像形成部を加熱隆起
させる技術が示されている。
【0003】また、特開昭61ー72589号公報に
は、発泡記録体上に熱転写方式により光吸収性の高い材
料から成る画像を形成し、その上から光照射を行い、形
成画像の光吸収性を利用して前記発泡記録体上に形成画
像に応じた凹凸パターンを形成する技術が示されてい
る。
【0004】しかし、熱転写方式により画像を形成する
場合、被転写物の表面平滑度が、その形成画像の品位に
極めて大きな影響を及ぼすという問題があった。
【0005】ここで、従来の熱膨張性シート80の断面
図を図8に示す。この熱膨張性シート80は、基材82
上に熱膨張層81を形成したものである。熱膨張層81
は、後に詳述するように粒径10〜20μmの大きさの
カプセルを、少量のバインダーに分散して塗工すること
により得られる。従って、この熱膨張性シート80の表
面は、平滑度が低くなっており、表面平滑度を評価する
ために一般的に用いられる指針であるベック平滑度で表
現すると数十秒である。
【0006】また、図8に示すような表面平滑度の低い
熱膨張性シート80に、通常の熱転写方式で画像を形成
する場合の模式図を図9に示す。熱膨張性シート80の
表面は凹凸が激しく、この熱膨張性シート80に熱転写
を行う場合、インクリボン72が接触している熱膨張性
シート80の凸部だけにしかインク層が転写されない。
このため、熱転写によって得られる画像にはかすれが発
生しやすくなっている。このようなかすれの多い熱転写
像をもつ熱膨張性シートに光照射を施して、画像部分を
立体化させた場合、均一な熱膨張が起こらないため、得
られる立体画像は精度の低いものとなってしまう。従っ
て、精度の高い立体画像を得るためには、かすれのない
均一な熱転写画像を形成することが必須である。
【0007】そこで、凹凸の激しい熱膨張性シートに対
して、かすれのない熱転写画像を形成することに関して
は、発熱体が基板の端部に形成された、いわゆる端面ヘ
ッドタイプのサーマルヘッドが開発され、実際に使用も
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記端
面ヘッドタイプのサーマルヘッドを作成するためには、
基板上の端部近くに発熱体を形成後、基板に切削加工を
施して、発熱体を基板端部に位置するようにする後加工
が必要となる。このため、端面ヘッドタイプのサーマル
ヘッドは通常のサーマルヘッドと比較すると非常に高価
なものとなってしまうという問題があった。
【0009】そして、サーマルヘッドは熱転写装置に使
用される部品の中でも特に高価な部品であるから、表面
平滑度の低い前記熱膨張性シート80に品質の良い画像
を形成する目的で上述したような端面ヘッドタイプのサ
ーマルヘッドを使用すると、熱転写装置全体も高価なも
のとなってしまっていた。
【0010】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、通常のサーマルヘッドを使用し
た安価な熱転写装置を用いた場合でも、品質の高い熱転
写画像を得ることが可能な立体画像形成用シートを提供
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の立体画像形成用シートは、基材上に加熱に
より発泡する材料から成る発泡層を備えた熱膨張性シー
トの前記発泡層上面に光吸収性の高い材料により画像や
文字等を形成し、その発泡層上面に赤外線を含む光を照
射することにより、前記画像や文字等が形成されている
部分の下方に位置する前記発泡層を加熱、発泡させ、前
記熱膨張性シート上に前記画像や文字等の形状に応じた
凹凸パターンを形成するようにした立体画像形成用シー
トにおいて、前記熱膨張性シートの表面を平滑化するた
めに、前記発泡層上に約3〜20μmの厚みのオーバー
コート層を備えている。
【0012】また、前記熱膨張性シートのオーバーコー
ト層の表面平滑度をベック平滑度で200秒以上に設定
することが望ましい。
【0013】さらに、前記熱膨張性シートにカレンダー
加工を施すことにより、オーバーコート層の表面を平滑
化することが望ましい。
【0014】また、前記オーバーコート層は、脂肪族炭
化水素の溶剤に、フェノール樹脂、アクリル系樹脂ある
いはセルロース系樹脂等のいずれか一種類、もしくは複
数種を混合したものを溶解・分散させた塗工液を前記発
泡層上に塗布することにより形成した塗布層であること
が望ましい。
【0015】さらに、前記オーバーコート層は、アクリ
ル系樹脂のエマルジョン、ポリエステル系樹脂のエマル
ジョン、ポリウレタン系樹脂のエマルジョン、あるいは
ポリアクリルウレタン系樹脂のエマルジョンのいずれか
一種類、もしくは複数種を混合した塗工液を前記発泡層
上に塗布することにより形成した塗布層であることが望
ましい。
【0016】そして、前記基材の前記発泡層とは反対側
の面に粘着剤層を形成し、その粘着剤層に剥離層をもつ
剥離紙を剥離可能に貼り合わせるように構成しても良
い。
【0017】
【作用】上記の構成を有する立体画像形成用シートによ
れば、前記発泡層上に約3〜20μmの厚みのオーバー
コート層を備えているので、熱膨張性シートの表面を平
滑化することができ、通常の安価なサーマルヘッドを用
いた場合であっても、前記オーバーコート層上に良好な
熱転写画像を形成することができる。
【0018】また、熱膨張性シートのオーバーコート層
の表面平滑度をベック平滑度で200秒以上に設定して
いるので、確実に、オーバーコート層上に良好な熱転写
画像を形成することができ、これによって、精度の高い
凹凸パターンを得ることができる。
【0019】さらに、熱膨張性シートのオーバーコート
層の表面にカレンダー加工を施すことにより、容易に、
オーバーコート層の表面平滑度を向上させることができ
る。
【0020】また、オーバーコート層は、脂肪族炭化水
素の溶剤に、フェノール樹脂、アクリル系樹脂あるいは
セルロース系樹脂等のいずれか一種類、もしくは複数種
を混合したものを溶解・分散させた塗工液を前記発泡層
上に塗布することにより形成しているので、発泡層を破
壊することなく、丈夫なオーバーコート層を容易に形成
することができる。
【0021】さらに、オーバーコート層は、アクリル系
樹脂のエマルジョン、ポリエステル系樹脂のエマルジョ
ン、ポリウレタン系樹脂のエマルジョン、あるいはポリ
アクリルウレタン系樹脂のエマルジョンのいずれか一種
類、もしくは複数種を混合した塗工液を前記発泡層上に
塗布することにより形成しているので、前記発泡層に悪
影響を及ぼさずにコーティング層を形成することができ
る。
【0022】そして、前記基材の前記発泡層とは反対側
の面に粘着剤層を形成し、その粘着剤層に剥離層をもつ
剥離紙が剥離可能に貼り合わされているので、所望の場
所に容易に凹凸パターンが形成されたシートを貼り付け
ることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の立体画像形成用シートを具体
化した実施例を図面を参照して説明する。
【0024】本発明の立体画像形成用シートを構成する
熱膨張性シートの断面図を図1に示す。熱膨張性シート
60は、基材62上に熱膨張層61が形成され、その熱
膨張層61上にオーバーコート層65が積層されて形成
されたものである。この熱膨張層61が本発明の発泡層
を構成している。
【0025】前記熱膨張層61は、熱可塑性樹脂中に発
泡剤63が分散されて構成されている。
【0026】前記発泡剤63には、炭酸水素ナトリウム
等の重炭酸塩、各種過酸化物、ジアゾアミノベンゼン、
パラジカルボン酸アルミニウム、及びアゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ化合物等の熱分解により無毒性のガ
スを発生するものが好適に用いられる。
【0027】また、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ある
いはそれらの共重合体からなる殻材の内部にプロパンや
ブタン、ペンタン等の低沸点の気化性物質を封入して、
直径10〜20μmのマイクロカプセル化した熱膨張性
カプセルを、発泡剤63として用いても良い。
【0028】これらの発泡剤63を、バインダーとして
用いる樹脂の溶液あるいはエマルジョン中に、ロールミ
ル、サンドミル等の公知の分散装置を用いて分散する。
この分散液が、公知の塗布装置を用いて、基材62上に
塗布され、さらに乾燥されて熱膨張層61が形成され
る。
【0029】前記バインダー用の樹脂には、発泡剤63
が加熱されることにより熱分解して、ガスを発生した
時、あるいは熱膨張性カプセルが熱膨張した時に、同時
に熱軟化して安定な熱膨張層61を形成できるように、
酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー等の熱可塑
性樹脂が好適に用いられる。
【0030】続いて、オーバーコート層65について説
明する。オーバーコート層65を形成する場合、熱膨張
層61に影響を与えないことが必須条件である。前記熱
膨張層61は、酢酸ビニル系ポリマーやアクリル系ポリ
マーで形成されており、また、熱膨張層61は加熱によ
り膨張してしまうために、オーバーコート層65を形成
する場合には、熱膨張層61のバインダーとして使用さ
れる樹脂を侵さず、かつ加熱を行わない形成方法をとる
ことが必要である。
【0031】さらに、形成されたオーバーコート層65
が他のシート等に付着することにより生じるブロッキン
グが発生しないように、耐ブロッキング性に優れた材料
を選定する必要がある。
【0032】まず、塗工によってオーバーコート層65
を形成する場合には、まず熱膨張層61の上に、オーバ
ーコート材が水、あるいは溶剤に溶解あるいは分散され
た塗工液を公知の塗布装置を用いて塗布し、ついで、6
0〜70℃で乾燥させる方法がとられる。
【0033】通常、この種の塗工には、溶剤として、ト
ルエン、キシレン等の芳香族化合物やアセトン、メチル
エチルケトン等のケトン、酢酸エチル、酢酸イソブチル
等の酢酸エステル等がよく用いられるが、これらは全て
溶解力の強い溶剤であるために、これらを用いた場合、
熱膨張層61側で用いられているバインダー樹脂を侵し
てしまい、塗布面を荒してしまうという問題がある。ま
た、溶剤にメタノール、エタノール等のアルコールを用
いることも可能であるが、発泡剤63に熱膨張性カプセ
ルを使用した場合、これらのアルコールは熱膨張性カプ
セル63の殻材を侵してしまい、カプセルが破壊される
虞がある。
【0034】従って、使用可能な溶剤は、ヘキサン、ヘ
プタン等の脂肪族炭化水素あるいは水に限られる。
【0035】脂肪族炭化水素に溶解可能で使用可能なオ
ーバーコート材としては、フェノール樹脂、アクリル系
樹脂及びセルロース系樹脂がある。特に、エチルヒドロ
キシエチルセルロースを用いた場合には、ヘキサンに溶
解可能であり、耐ブロッキング性に優れ、強靱なオーバ
ーコート層65を得ることができる。
【0036】また、水を溶剤として用いる場合には、オ
ーバーコート材として、ポリビニルアルコール、メチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビ
ニルピロリドン等の水溶性ポリマーの他に、各種エマル
ジョンが使用可能である。
【0037】特に、エマルジョンを使用する場合には様
々な樹脂がエマルジョン化されているから、樹脂の選択
幅が非常に広くなる。例えば、アクリル系樹脂の他、ポ
リエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル
ウレタン共重合体樹脂等のエマルジョンがある。このた
めオーバーコート層65に要求される様々な特性を満た
すものが得られやすい。
【0038】また、エマルジョンを用いる場合には塗布
乾燥後は、耐水性の良いコーティング層を得ることがで
きる。一方、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂等を
そのままオーバーコート層65に用いる場合には、濡れ
た指などで触れるとオーバーコート層65が溶け出す虞
があり、好ましくない。
【0039】次に、基材62に要求される特性として
は、平滑であること、耐水性があること、引張強度があ
ることの他、発泡剤63が発泡した時に、熱膨張層61
の反対側に隆起してしまわない剛性を持っていることが
あげられる。これらの特性を備えたものとして、例え
ば、紙の他に、ポリプロピレン等の合成紙、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)等の各種プラスチックフィルムが好適に
用いられる。中でも、発泡処理が施され、気泡を内部に
多数持つPETフィルムを用いると、断熱効果が高いた
めにより低エネルギーで画像を立体化することができ
る。
【0040】基材62上に熱膨張層61を形成した熱膨
張性シート60について、その熱膨張層61は、直径1
0〜20μmのカプセル状の発泡剤63を使用した場
合、少量のバインダー樹脂中にこの発泡剤63が分散さ
れた構造となる。一方、熱膨張層61の厚みは通常50
〜100μm程度に調製されるから、カプセル数個分の
厚みであると言える。このため、ある部分にカプセルが
存在するか否かによって、熱膨張層61の厚みが10μ
m程度変動してしまうことになり、この時点では、熱膨
張層61の表面は凹凸が激しいものとなっている。そし
て、以上の工程により形成される、熱膨張層61を基材
62上に塗工しただけの熱膨張性シート60では、その
表面平滑度はベック平滑度で数十秒程度である。
【0041】この熱膨張層61上に上述したようなオー
バーコート層65を形成することにより、表面の平滑度
を向上させることができる。例えば、アクリル系樹脂の
エマルジョンからなる塗工液を熱膨張層61上に塗布・
乾燥してオーバーコート層65を形成した場合、ベック
平滑度で200秒以上の平滑度が得られる。尚、オーバ
ーコート層65の厚さは、約3〜20μm、好ましくは
4〜9μmが望ましい。オーバーコート層65は、薄す
ぎると熱膨張層61の凹凸を単になぞるだけになってし
まう虞があり、逆に厚すぎるとシート自体が厚くなりす
ぎるという問題が生じるので、前記範囲に設定すること
が適切である。
【0042】また、以上の工程で得られた熱膨張性シー
ト60に、カレンダー加工を施すことにより、さらに表
面の平滑度を向上させることができる。このカレンダー
加工は、表面が平滑であることが要求されるアート紙等
を製造する際の最終工程として一般的に行われる加工で
あり、表面が平滑な2本のロールを、強い力で押しつけ
ながら回転させ、このロール間に紙を通すことにより紙
の表面を平滑化するものである。そして、前記ロール間
を何度も通すことにより、より高い平滑度を得ることが
できる。
【0043】本実施例においては、図2に示すように、
熱膨張層60及びオーバーコート層65を塗布すること
により形成された熱膨張性シート60を、一対のロール
30の間に通すことにより、カレンダー加工を施す。そ
して、この加工を施すことにより、熱膨張性シート60
の表面平滑度を向上させることができ、例えば、加工を
行う前に平滑度が200秒であったオーバーコート層6
5を250秒以上の平滑度に向上させることができる。
この時の一対のロールの材質は、金属−金属、あるいは
金属−樹脂が一般的であり、特に金属−樹脂とすること
により、より高い平滑度が得られることが知られてい
る。
【0044】また、カレンダー加工の際に一対のロール
30に付加する荷重は、本実施例においては、50kg
/cm〜150kg/cmとしたが、装置の能力や加工
後の熱膨張性シート60の表面状態等によって適宜調整
を行う必要がある。
【0045】次に、以上詳述した工程により得られた表
面平滑度がベック平滑度で200秒以上となった熱膨張
性シート60を用いたその他の熱膨張性シート50の断
面図を図3に示す。図3に示すように、熱膨張性シート
50は、基材62の熱膨張層61が形成されていない方
の面に、感圧接着性をもつ粘着剤層51と離型層(図示
せず)をもつ離型紙52とが重ねられて形成されてい
る。
【0046】前記粘着剤層51は、ワックス系、アクリ
ル系、シリコン系及びゴム系等の粘着剤がトルエン、メ
チルエチルケトン等の溶剤に溶解された塗工液、あるい
はエマルジョン化された塗工液が公知の塗布装置を用い
て、前記基材62に塗布乾燥されることにより形成され
る。
【0047】そして、粘着剤層51が形成された後、そ
の粘着剤層51に剥離紙52がラミネートされる。剥離
紙52は、紙あるいはポリプロピレン、PET等のプラ
スチックフィルム基材に、シリコーン系あるいはポリエ
チレン、PVA、アルキッド樹脂等の離型層を形成した
もので、特に、シリコーン系のものが好適に用いられ
る。
【0048】尚、熱膨張性シート50は、上記の作成法
によるものの他、同様の材料を用いて、基材62上に熱
膨張層61が塗布形成されたものと、剥離層が形成され
た剥離シート52上に粘着層51が塗布形成されたもの
とを貼り合わせても、同形態のものを形成することがで
きる。これは、上記の熱膨張性シート50と全く同様に
取り扱うことが可能である。
【0049】続いて、以上のように構成される熱膨張性
シート50,60を用いた立体画像シートの作成方法
を、図4及び図5を参照して説明する。ここで、熱膨張
性シート60,50を用いて、その上面に点字等の立体
画像を形成したものを立体画像シートとする。
【0050】まず、図4に示すように、前記熱膨張性シ
ート50,60のオーバーコート層65上に、例えば、
熱転写記録装置に一般的に用いられている熱転写リボン
72を重ね、この熱転写リボン72の背面から、熱転写
記録装置に設けられたサーマルヘッド71を押し当て
る。サーマルヘッド71が、画像信号に基づいて制御回
路(図示せず)に制御されて発熱すると、熱転写リボン
72上の対応する箇所のインク層が溶融し、オーバーコ
ート層65の表面に融着する。そして、インクが冷却し
た後で前記熱転写リボン72を剥がし取れば、熱転写リ
ボン72のインク層の画像部だけがオーバーコート層6
5へと転移して、オーバーコート層65上に、図形や文
字等の画像64が形成される。
【0051】本実施例においては、オーバーコート層6
5上に画像64を形成するのに熱転写記録装置のサーマ
ルヘッド71を用いたが、その他のものを用いることも
可能である。例えば、熱転写リボン72の背面を、画像
信号に基づいて強度変調されたレーザ光を走査して加熱
し、強度のレーザ光が照射された熱転写リボン72に対
応する箇所のインク層を溶融させてオーバーコート層6
5の表面に融着させても良い。
【0052】ここで、熱転写リボン72のインクには、
光を吸収して発熱する材料を使用する。例えば、黒色の
画像を得たい場合、カーボンブラックを用いれば良い。
カーボンブラックは、可視光から近赤外までの光を吸収
して、その光エネルギーを熱に変えるという性質をもっ
ている。
【0053】一方、黒色以外の画像が必要な場合には、
例えば、赤色、青色、黄色等の公知の染・顔料をインク
に用いる。しかし、これらの染・顔料では赤外領域の光
吸収が少ないために、十分な光エネルギーを熱に変える
ことができない。そこで、スズ、アンチモン、あるいは
インジウムの酸化物を主成分とする複合酸化物を適宜イ
ンク組成に混合することにより、赤外領域の光吸収を大
きくすることが必要である。
【0054】以上の工程により、熱膨張性シート50,
60のオーバーコート層65上に光吸収性をもつ画像6
4が形成される。オーバーコート層65を形成すること
により、ベック平滑度が200秒となった熱膨張性シー
ト50,60に通常のサーマルヘッド71を備えた熱転
写装置で画像を形成した時の拡大写真を図6に示す。こ
の画像は1ドットの線と空白を順次繰り返したものであ
るが、全てのドットがほぼ欠けることなく良好に転写さ
れている。
【0055】比較例として、オーバーコート層65を形
成していない熱膨張性シートに同一の熱転写装置で画像
を形成した時の拡大写真を図7に示す。比較例として用
いる熱膨張性シートは、熱膨張層表面のベック平滑度が
約120秒である。図7に示す画像も、図6の場合と同
様に、1ドットの線と空白を順次繰り返したものである
が、この模式図から明かなように、ドット内でかすれが
生じたり、また、ドット同士がつながらず、直線が形成
されていない箇所が多数存在する。
【0056】次に、光照射について説明すると、図5に
示すように、光吸収性をもつ画像64が形成された熱膨
張性シート60に対して、ランプ73を用いて光を照射
する。ランプ73には、タングステンランプ、ハロゲン
ランプ及びキセノンランプ等の可視光から赤外領域まで
の光を放射することができるランプが用いられる。
【0057】このランプ73により、オーバーコート層
65上に形成された光吸収性をもつ画像64に光が照射
されると、光は、画像64に吸収されて、熱エネルギー
に変わる。このため、画像64の下方の熱膨張層61が
加熱される。熱膨張層61に、発泡剤63を使用した場
合には、その発泡剤63の加熱分解による発泡により、
オーバーコート層65及び熱膨張層61の表面が隆起す
る。また、熱膨張層61に熱膨張性カプセルを使用した
場合には、カプセルの膨張によりオーバーコート層65
および熱膨張層61の表面が隆起し、これにより、画像
64に対応する部分に立体画像が形成された立体画像シ
ートが形成される。
【0058】この時、ランプ73によって光照射を行う
と同時に、ファン74で前記オーバーコート層65の表
面付近に送風を行うと、オーバーコート層65の近くの
雰囲気温度の上昇を防ぐことができる。これにより、光
吸収して昇温する部分と、光反射して昇温しない部分と
の温度差を大きくすることができ、このため熱膨張性層
61の隆起させたい箇所だけを隆起させることができ、
立体画像の分解能を高めることができる。
【0059】以上の工程を行うことにより、インクを転
写した部分だけに熱を発生させて熱膨張性シート50,
60の表面を隆起させることができる。この時、オーバ
ーコート層65を形成することにより表面が平滑化され
た熱膨張性シート50,60を用いた場合には、図6に
示すように、形成画像にインクのかすれ等がないため
に、均一に光を吸収することができ、これに伴って、熱
膨張層61表面における本来隆起させたい部分を確実に
隆起させることができる。
【0060】一方、比較例として図7に示した表面平滑
度の低い熱膨張性シートを使用した場合には、形成画像
内でのインクの濃度にムラがあるために、光の吸収が不
均一になり、熱膨張層61の隆起の度合にムラが出たり
して、本来隆起させたい部分であっても確実に隆起され
ない場合がある。
【0061】このように、本実施例の熱膨張性シート5
0,60によれば、熱膨張層61上にオーバーコート層
65を形成しているので、通常の安価なサーマルヘッド
71を備えた熱転写装置であっても、その表面にかすれ
等のない高品質の画像を形成することができ、これに伴
って、熱膨張性シート50,60の画像形成部分を確実
に隆起させることができるので、高品質の立体画像を得
ることが可能となる。
【0062】また、カレンダー加工を施すことにより、
容易に熱膨張性シート50,60の表面平滑度を向上さ
せることができる。
【0063】さらに、熱膨張性シート50においては、
粘着剤層51及び剥離紙52が設けられているので、前
記剥離層52を剥すことにより、所望の場所に容易に、
凹凸パターンが形成されたシートを貼り付けることがで
きる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の立体画像形成用シートによれば、通常の安価なサ
ーマルヘッドを備えた熱転写装置であっても、その表面
に高品質の熱転写画像が形成でき、ひいては高品質の立
体画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の熱膨張性シートの断面図である。
【図2】本実施例の熱膨張性シートがカレンダー加工に
より平滑化される工程を示す説明図である。
【図3】粘着剤層及び離型紙を備えた熱膨張性シートの
断面図である。
【図4】熱膨張性シートに、光吸収性の画像を熱転写す
る工程を示す説明図である。
【図5】熱膨張性シートに形成された画像を立体化させ
る工程を示す説明図である。
【図6】本実施例の熱膨張性シートに通常のサーマルヘ
ッドを用いて熱転写方式により画像を形成した時の拡大
写真である。
【図7】従来の熱膨張性シートに通常のサーマルヘッド
を用いて熱転写方式により画像を形成した時の拡大写真
である。
【図8】従来の熱膨張性シートの断面図である。
【図9】従来の熱膨張性シートに、光吸収性の画像を熱
転写する工程を示す説明図である。
【符号の説明】
72 熱転写リボン 50,60,80 熱膨張性シート 51 粘着剤層 52 剥離紙 61 熱膨張層 62 基材 63 発泡剤 64 画像 65 オーバーコート層 71 サーマルヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−89638(JP,A) 特開 昭56−115294(JP,A) 特開 昭56−144998(JP,A) 特開 昭62−162590(JP,A) 特開 昭64−28659(JP,A) 特開 平7−246767(JP,A) 特開 平8−25785(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26 B41M 5/38 - 5/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に加熱により発泡する材料から成
    る発泡層を備えた熱膨張性シートの前記発泡層上面に光
    吸収性の高い材料により画像や文字等を形成し、その発
    泡層上面に赤外線を含む光を照射することにより、前記
    画像や文字等が形成されている部分の下方に位置する前
    記発泡層を加熱、発泡させ、前記熱膨張性シート上に前
    記画像や文字等の形状に応じた凹凸パターンを形成する
    ようにした立体画像形成用シートにおいて、 前記熱膨張性シートの表面を平滑化するために、前記発
    泡層上に約3〜20μmの厚みのオーバーコート層を備
    えたことを特徴とする立体画像形成用シート。
  2. 【請求項2】 前記熱膨張性シートのオーバーコート層
    の表面平滑度をベック平滑度で200秒以上に設定した
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体画像形成用シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記熱膨張性シートにカレンダー加工を
    施すことにより、オーバーコート層の表面を平滑化した
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体画像形成用シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記オーバーコート層は、脂肪族炭化水
    素の溶剤に、フェノール樹脂、アクリル系樹脂あるいは
    セルロース系樹脂等のいずれか一種類、もしくは複数種
    を混合したものを溶解・分散させた塗工液を前記発泡層
    上に塗布することにより形成した塗布層であることを特
    徴とする請求項1に記載の立体画像形成用シート。
  5. 【請求項5】 前記オーバーコート層は、アクリル系樹
    脂のエマルジョン、ポリエステル系樹脂のエマルジョ
    ン、ポリウレタン系樹脂のエマルジョン、あるいはポリ
    アクリルウレタン系樹脂のエマルジョンのいずれか一種
    類、もしくは複数種を混合した塗工液を前記発泡層上に
    塗布することにより形成した塗布層であることを特徴と
    する請求項1に記載の立体画像形成用シート。
  6. 【請求項6】 前記基材の前記発泡層とは反対側の面に
    粘着剤層を形成し、その粘着剤層に剥離層をもつ剥離紙
    が剥離可能に貼り合わせられていることを特徴とする請
    求項1に記載の立体画像形成用シート。
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